LEDランプ
【課題】LEDランプの光源であるLEDチップの有する高指向性及び低発熱性に着目し、その特性を利用して新規な用途を備えたLEDランプを提供する。
【解決手段】LEDチップ13を実装したモジュール基板14を放熱体12の一端に固定し、放熱体12の他端側に口金17を取り付け、モジュール基板14と口金17の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路15を配置し、点灯回路15と口金17を電気的に接続したLEDランプ10であって、口金17に対して放熱体12を傾たり、進退させることができるように、放熱体12と口金17の間に屈曲可能かつ伸縮な筒部材16を介在させる。
【解決手段】LEDチップ13を実装したモジュール基板14を放熱体12の一端に固定し、放熱体12の他端側に口金17を取り付け、モジュール基板14と口金17の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路15を配置し、点灯回路15と口金17を電気的に接続したLEDランプ10であって、口金17に対して放熱体12を傾たり、進退させることができるように、放熱体12と口金17の間に屈曲可能かつ伸縮な筒部材16を介在させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDチップを光源として内蔵するLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、消費電力の大きい白熱電球に代えて、消費電力の少ないLEDを光源として用いるLEDランプの需要が高まっている。
一般に、この種のLEDランプは熱伝導性に優れたアルミニウムなどの金属性放熱体と、放熱体の一端に取り付けた口金と、半球状の頂部を有し、放熱体の他端に装着した透光性のガラス又はプラスチック材から成るグローブと、LEDチップを実装したモジュール基板と、LEDチップに電力を供給する点灯回路とを備え、モジュール基板と点灯回路を放熱体に取り付けてLEDチップをグローブで覆い、点灯回路と口金を電気的に接続した構成を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−70972号公報
【特許文献2】特開2011−82132号公報
【特許文献3】特開2011−90828号公報
【特許文献4】特開2011−91033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、白熱電球の光源であるフィラメントの発する光は周囲に拡散し、周囲を均等に照らすが、LEDランプの光源として用いられるLEDチップの発する光は高い指向性を有し、前方の狭い領域を強い光で照射するという特性を備えている。
また、白熱電球のフィラメントは点灯時2000度の高温に達することもあり、フィラメントを覆うグローブの表面が熱せられて、高温になり、これに触ると火傷するおそれがある。
これに対し、LEDランプの光源であるLEDチップは点灯時の発熱量がフィラメントに比べると極めて低い。そのため点灯時、放熱体でもその温度はせいぜい数十度程度に上昇するに過ぎず、放熱体に手で触れることもできる。
【0005】
本発明はLEDランプの光源であるLEDチップの有する高指向性及び低発熱性に着目し、その特性を利用して新規な用途を備えたLEDランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、LEDチップを実装したモジュール基板を放熱体の一端に固定し、放熱体の他端側に口金を取り付け、モジュール基板と口金の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路を配置し、点灯回路と口金を電気的に接続したLEDランプであって、
口金に対して放熱体を傾けることができるように、放熱体と口金の間に屈曲可能な筒部材を介在させたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、LEDチップを実装したモジュール基板を放熱体の一端に固定し、放熱体の他端に口金を取り付け、モジュール基板と口金の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路を配置し、点灯回路と口金を電気的に接続したLEDランプであって、
口金に対して放熱体を進退させることができるように、放熱体と口金の間に伸縮可能な筒部材を介在させたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材内部に前記点灯回路を配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材の中間部に蛇腹を形成し、筒部材の一端を放熱体に連結し、他端を口金に連結したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材を前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部及び小径筒部とテーパ状リング面の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材を前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面に複数の貫通穴又はスリットを形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面の肉厚を大径筒部及び小径筒部の肉厚より薄くし、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面の材質に大径筒部及び小径筒部の材質より軟質のプラスチック材を用い、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材を放熱体に連結される大径筒部と、中径筒部と、口金に連結される小径筒部と、大径筒部と中径筒部を連結するテーパ状リング面及び中径筒部と小径筒部を連結するリング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部、テーパ状リング面と中径筒部の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び中径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材を放熱体に連結される大径筒部と、小径筒部と、口金に連結される中径筒部と、大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面及び小径部と中径筒部を連結するリング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部、テーパ状リング面と小径筒部の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面の全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、放熱体に連結される大径筒部と、口金に連結される小径筒部と、異なる径を有し大径筒部と小径筒部の間に大径筒部側から小径筒部側へと順に径が小さくなるように配置された複数の中径筒部と、隣接する各筒部を連結するリング面から構成し、
リング面の材質に大径筒部及び小径筒部の材質より軟質のプラスチック材を用い、
大径筒部と中径筒部及び小径筒部に対してリング面が屈曲することにより、リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はリング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置へ変位するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、LEDチップを点灯しても白熱電球のようにグローブが高温に加熱されることはないというLEDチップの低発熱性に着目してなされてものであって、点灯中のLEDランプに手を触れることができる。
しかして、請求項1に記載の発明によれば、屈曲可能な筒部材によって口金に対して放熱体を傾けることができるので、放熱体に固定されたLEDチップの照射方向を変えることができる。
天井に設置されたダウンライトのソケットに指向性の電球を取り付けた場合、ソケットが天井に固定されているので、電球の照射方向を変えることはできない。しかし、本発明に係るLEDランプによれば、天井に固定されたソケットに取り付けた場合でも、筒部材の屈曲によりランプの照射方向を変えることができる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、天井に設置されたダウンライトのソケットや壁面に設置された照明器具のソケットにLEDランプを取り付けるときに筒部材を伸長してランプ長を長くできるので、取付け作業が容易になる。
また、ソケットに取り付けた後、筒部材を収縮させてランプ長を短くし、ソケットからの突出寸法を少なくできる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、筒部材を点灯回路の設置スペースとして利用するので、LEDランプの小型化が可能となる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、蛇腹の屈曲によりLEDランプの照射方向を変えることができる。また、蛇腹の伸縮によりランプ長を伸縮できる。
【0021】
請求項5,9,10,11に記載の発明によれば、テーパ状リング面を伸長位置に保持することによりランプ長を長くするとともに、ランプ長の長い伸長形態を維持できる。
また、テーパ状リング面を収縮位置に保持することによりランプ長を短くできるとともに、ランプ長の短い収縮形態を維持できる。さらにまた、テーパ状リング面を屈曲位置に保持することにより放熱体を傾けてランプの照射方向を変えることができるとともに、照射方向が変わる屈曲形態を維持できる。
【0022】
請求項6,7,8に記載の発明によれば、テーパ状リング面を伸長位置に保持することによりランプ長を長くできる。
また、テーパ状リング面を収縮位置に保持することによりランプ長を短くできる。
さらにまた、テーパ状リング面を屈曲位置に保持することにより放熱体を傾けてランプの照射方向を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図2】放熱体を傾けた本発明の第1実施例に係るLEDランプの断面図である。
【図3】本発明の第2実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るLEDランプのテーパ状リング面を示す部分拡大図である。
【図6】ランプ長を短くした本発明の第2実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図7】放熱体を傾けた本発明の第2実施例に係るLEDランプの断面図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図9】本発明の第4実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図10】本発明の第5実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図11】本発明の第6実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図12】ランプ長を短くした本発明の第6実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図13】本発明の第7実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図14】本発明の第7実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図15】本発明の第7実施例に係るLEDランプのテーパ状リング面を示す部分拡大図である。
【図16】ランプ長を短くした本発明の第7実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図17】放熱体を傾けた本発明の第7実施例に係るLEDランプの断面図である。
【図18】本発明の第8実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図19】本発明の第8実施例に係るLEDランプの第1テーパ状リング面を示す部分拡大図である。
【図20】ランプ長を短くした本発明の第8実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図21】放熱体を傾けた本発明の第8実施例に係るLEDランプの断面図である。
【図22】本発明の第9実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図23】ランプ長を短くした本発明の第9実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図24】放熱体を傾けた本発明の第9実施例に係るLEDランプの断面図である。
【実施例1】
【0024】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図1及び図2には本発明の第1実施例に係るLEDランプ10が示されている。当該LEDランプ10は樹脂製カバー11と、熱伝導性と放熱性に優れたアルミニウム等の金属材料から成る放熱体1212と、LEDチップ13を実装したモジュール基板14と、LEDチップ13に電力を供給する点灯回路15と、16筒部材と、国際規格に則った形状、寸法を有する口金17を備えている。
【0025】
放熱体12は略平皿形状を有し、内側端面の中央部にモジュール基板14が固定されている。放熱体12の外周部にカップ状の樹脂製カバー11が装着されている。樹脂製カバー11の内周面には放物面形状を有するミラー面18が形成されている。
【0026】
放熱体12の外周部に筒部材16の一端が装着され、筒部材16の他端に口金17が取付けられている。この筒部材16はプラスチック製で中間部に蛇腹部分16aが形成されている。
【0027】
点灯回路15は筒部材16の内部に配置されている。一方、放熱体12には貫通12a穴が形成され、LEDチップ13と点灯回路15を接続するリード線19が貫通穴12aに挿通されている。また、点灯回路15と口金17がリード線19で接続されている。
【0028】
第1実施例に係るLEDランプ10の構造は以上の通りであって、天井に設置されたダウンライトのソケットや壁面に設置された照明器具のソケットに口金17をねじ込んでLEDランプを取り付けると、点灯回路15に電力が供給され、さらに点灯回路15からLEDチップ13に電力が供給されてLEDチップ13が発光するので、LEDランプ10が矢印Aで示す方向を照射する。
【0029】
LEDランプ10が点灯しても白熱電球のように高温に加熱されることはないので、樹脂製カバー11に手を触れることができる。樹脂製カバー11を手で引き下げると、ソケットにねじ込まれた口金17に対して筒部材16が蛇腹部分16aから伸長するので、図1の2点鎖線で示すように、LEDランプ10のランプ長が長くなる。また、樹脂製カバー11を手で押し上げると、筒部材16の蛇腹部が収縮し、ランプ長が短くなる。
本実施例に係るLEDランプによれば、天井に設置されたダウンライトのソケットや壁面に設置された照明器具のソケットにLEDランプ10を取り付けるときに筒部材16を伸長してランプ長を長くできるので、取付け作業が容易になる。
また、ソケットに取り付けた後、筒部材16を収縮させてランプ長を短くし、ソケットからの突出寸法を少なくできる。
【0030】
また、樹脂製カバー11を手で右方向へ押すか引くと、図2に示すように、筒部材16が蛇腹部分16aから屈曲するので、ソケットにねじ込んだ口金17に対して放熱体12を傾けることができる。従って、LEDランプ10を天井や壁面に取り付けたまま、LEDランプ10の照射方向を矢印Aから矢印B方向へと変えることができる。
【0031】
また、筒部材16の内部に点灯回路15を配置したので、LEDランプ10を小型にできる。
【実施例2】
【0032】
本発明の第2実施例に係るLEDランプ20を図3及び図4に示す。当該LEDランプ20はプラスチック製の筒部材21を備え、筒部材21の一端が放熱体12の外周部に装着され、他端に口金17が取り付けられている。また、筒部材21の内部に点灯回路15が設けられている。
【0033】
この筒部材21は大径筒部21aと小径筒部21b及び大径筒部21aと小径筒部21bを連結するテーパ状リング面21cから構成され、大径筒部21aが放熱体12の外周部に装着され、小径筒部21bに口金17が連結されている。
【0034】
図4に拡大して図示するように、大径筒部21aと小径筒部21bは略同じ厚みT1を有し、テーパ状リング面21cの厚みT2は厚みT1より薄く成形されている。また、大径筒部21aとテーパ状リング面21cとの連結部及び小径筒部21bとテーパ状リング面21cとの連結部にはテーパ状リング面21cの厚みT2より薄い厚みT3を有する屈曲部21dが形成されている。
なお、他の構成は第1実施例に係るLEDランプ10と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
第2実施例に係るLEDランプ20の構造は以上の通りであって、ダウンライトのソケットに口金17をねじ込んでLEDランプ20を取り付けるとLEDチップ13が点灯し、LEDランプ20が図3に示す矢印A方向を照射する。
【0036】
図3に示す状態では、テーパ状リング面21cはその全体が大径筒部21aの外側に位置するように屈曲部21dから大径筒部21a及び小径筒部21bに対して屈曲している。そして、屈曲部21dの厚みT3が大径筒部の厚みT1やリング状テーパ面21cの厚みT2より薄いためテーパ状リング面21cは図3に示す伸長位置に保持される。
樹脂製カバーを手で掴んで押し込むと、大径筒部21a及び小径筒部21bに対してテーパ状リング面21cが屈曲部21dから屈曲し、図6に示すように、テーパ状リング面21cはその全体が大径筒部21aの内側に位置する収縮位置へと変位し、手を離せば屈曲部21dの作用で収縮位置に保持される。その結果LEDランプ20のランプ長が短くなる。
【0037】
テーパ状リング面21cが収縮位置にあるとき、樹脂製カバー11を手で引き下げれば、テーパ状リング面21cは再び図3に示すように、全体が大径筒部21aの外側に位置する伸長位置へと変位し、ランプ長が長くなる。
【0038】
樹脂製カバー11を手で左方向へ押すか引くと、テーパ状リング面21cが大径筒部21a及び小径筒部21bに対して屈曲部21dから屈曲し、図7に示すように、テーパ状リング面21cの右半分が大径筒部21aの外側に位置し、左半分が大径筒部21aの内側に位置する屈曲位置へ変位し、屈曲部21dの作用でその位置に保持される。その結果、LEDランプ20の照射方向が図3に示す矢印Aから図7に示す矢印Bへと変わる。
樹脂製カバー11を手で右方向へ押すか引くと、テーパ状リング面21cの左半分が大径筒部21aの外側に位置し、右半分が大径筒部21aの内側に位置する屈曲位置へ変位する。
【実施例3】
【0039】
第3実施例に係るLEDランプを図8に示す。当該LEDランプ30はプラスチック製の筒部31を備えている。この筒部31は大径筒部31aと、小径筒部31b及び大径筒部31aと小径筒部31bを連結するテーパ状リング面31cから構成され、大径筒部31aと小径筒部31bおよびテーパ状リング面31cは略同じ厚みを有し、テーパ状リング面31cには多数の円形貫通穴31dが形成されている。とくに大径筒部31aとテーパ状リング面31cとの連結部に大径筒部31aの全周にわたり等間隔で貫通穴31eが形成されている。また、小径筒部31bとテーパ状リング面31cの連結部に近接する部位に貫通穴31fが等間隔で小径筒部31bの全周にわたり形成されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
第3実施例に係るLEDランプ30の構造は以上の通りであって、テーパ状リング面31cに多数の貫通穴31d,31e,31fを形成したので、テーパ状リング面31cの剛性が大径筒部31aや小径筒部31bより小さくなり、第2実施例に係るLEDランプ20において、テーパ状リング面21cの厚みを大径筒部21aや小径筒部21bより薄くしたと同様の作用を呈する。また、大径筒部31aとテーパ状リング面31cとの連結部に形成した貫通穴31e及び小径筒部31bとテーパ状リング面31cの連結部に近接する部位に形成した貫通穴31fが第2実施例に係るLEDランプ20における屈曲部21dと同じ作用を呈する。そのため、第3実施例に係るLEDランプ30でも、第2実施例に係るLEDランプ20と同様に、テーパ状リング面31cを伸長位置に設定保持してランプ長を長くしたり、収縮位置に設定保持してランプ長を短くできる。また、テーパ状リング面を屈曲位置に設定保持することによりランプ30の照射方向を変えることができる。
【実施例4】
【0041】
本発明の第4実施例に係るLEDランプ40を図9に示す。当該LEDランプは40は大径筒部41aと、小径筒部41b及び大径筒部41aと小径筒部41bを連結するテーパ状リング面41cから構成されている。
第3実施例に係るLEDランプ30では、筒部材材31のテーパ状リング面31cに円形貫通穴31d,31e,31fを形成したが、第4実施例に係るLEDランプでは筒部材41のテーパ状リング面41cに長方形の貫通穴41dが形成されている。また、第3実施例に係るLEDランプ30の場合と同様に、大径筒部41aとテーパ状リング面41cとの連結部、及び小径筒部41bとテーパ状リング面41cの連結部に近接する部位にそれぞれ貫通穴41e,41fが形成されているので、テーパ状リング面41cを伸長位置、収縮位置若しくは屈曲位置に択一的に設定保持できる。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例5】
【0042】
本発明の第5実施例に係るLEDランプ50を図10に示す。当該LEDランプの筒部材51は大径筒部51aと、小径筒部51b及び大径筒部51aと小径筒部51bを連結するテーパ状リング面51cから構成され、テーパ状リング面51cと大径筒部51aとの連結部に長方形の貫通穴51dが大径筒部51aの全周にわたって形成されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施例に係るLEDランプ50では、貫通穴51dが第2実施例の屈曲部21dと同様の作用を奏する。そのため、大径筒部51a及び小径筒部51bに対してテーパ状リング面51cが貫通穴51dから屈曲し、これにより、テーパ状リング51cを伸長位置、収縮位置又は屈曲位置へと変位させることができる。
なお、第3,第4及び第5実施例では貫通穴31d,31e,31f,41d,41e,41f,51dを形成したが、スリットでも貫通穴31d,31e,31f,41d,41e,41f,51dと同様の作用を呈することができる。
【実施例6】
【0044】
本発明の第6実施例に係るLEDランプ60を図11及び図12に示す。当該LEDランプ60は大径筒部61aと、小径筒部61b及び大径筒部61aと小径筒部61bを連結するテーパ状リング面61cから構成される筒部61を備えている。この筒部61のテーパ状リング面61Cの材質には、大径筒部61a及び小径筒部61bの材質より軟質のプラスチック材が用いられている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
第6実施例に係るLEDランプ60では、大径筒部61a及び小径筒部61bより軟質のテーパ状リング面61cが波型に屈曲することにより、テーパ状リング面を図11に示す伸長位置から、図12に示す収縮位置へ変位させることができる。
【実施例7】
【0046】
本発明の第7実施例に係るLEDランプ70を図13及び図14に示す。当該LEDランプ70の筒部材71はプラスチック製で、放熱体12に連結される大径筒部71aと、口金17に連結される小径筒部71bと、大径筒部71aと小径筒部71b間に配置された中径筒部71cと、大径筒部71aと中径筒部71cを連結するテーパ状リング面71d及び中径筒部71cと小径筒部71bを連結するリング面71eから構成されている。
【0047】
図17に拡大して図示するように、大径筒部71aと小径筒部71b及び中径筒部71cは略同じ厚みT1を有し、テーパ状リング面71dの厚みT2は厚みT1より薄く成形されている。また、大径筒部71aとテーパ状リング面71dとの連結部及び中径筒部71cとテーパ状リング面71dとの連結部にはテーパ状リング面の厚みT2より薄い厚みT3を有する屈曲部71fが形成されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
第7実施例に係るLEDランプ70の構造は以上の通りであって、大径筒部71a及び中径筒部71cに対してテーパ状リング面71dが屈曲部71fから屈曲することにより、図13及び図14に示すように、テーパ状リング面71d全体が大径筒部71aの外側に位置する伸長位置、図16に示すように、大径筒部71aの内側に位置する収縮位置、又は図17に示すように、テーパ状リング面71dの左右いずれか半分が大径筒部71aの外側に位置し、他の半分が大径筒部71aの内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に設定保持できる。
【実施例8】
【0049】
本発明の第8実施例に係るLEDランプ80を図18に示す。当該LEDランプ80の筒部材81はプラスチック製で、放熱体12に連結される大径筒部81aと、小径筒部81bと、口金17に連結される中径筒部81cと、大径筒部81aと小径筒部81bを連結する第1テーパ状リング面81d及び小径部81bと中径筒部81cを連結する第2テーパ状リング面81eから構成されている。
【0050】
図19に拡大して図示するように、大径筒部81aと小径筒部81b及び中径筒部81c並びに第2テーパ状リング面81eは略同じ厚みT1を有し、第1テーパ状リング面81dの厚みT2は厚みT1より薄く成形されている。また、大径筒部81aと第1テーパ状リング面81dとの連結部及び小径筒部81bと第1テーパ状リング面81dとの連結部にはテーパ状リング面81dの厚みT2より薄い厚みT3を有する屈曲部81fが形成されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
第8実施例に係るLEDランプ80の構造は以上の通りであって、大径筒部81a及び小径筒部81bに対して第1テーパ状リング面81dが屈曲部81fから屈曲することにより、図18に示すように、第1テーパ状リング面81dの全体が大径筒部81aの外側に位置する伸長位置と、図20に示すように、大径筒部81aの内側に位置する収縮位置又は図21に示すように、第1テーパ状リング面81dの左右いずれか半分が大径筒部81aの外側に位置し、他の半分が大径筒部81aの内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に設定保持することができる。
【実施例9】
【0052】
本発明の第9実施例に係るLEDランプ90を図22、図23及び図24に示す。当該LEDランプ90の筒部材91はプラスチック成型品で、放熱体12に連結される大径筒部91aと、口金17に連結される小径筒部91bと、異なる径を有する複数個の中径筒部91c,91dを備えている。これら中径筒部91c,91dは大径筒部91aと小径筒部91bの間に大径筒部91a側から小径筒部91b側へと順に径が小さくなるように配置されている。そして、隣接する各筒部91a,91b,91c,91dがリング面91e,91f,91gによって連結されている。各リンク面91e,91f,91gの材質には大径筒部91a、中径筒部91c,91d及び小径筒部91bの材質より軟質のプラスチック材若しくは大径筒部91a、中径筒部91c,91d及び小径筒部91bより厚みが薄く成形されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
第9実施例に係るLEDランプ90の構造は以上の通りであって、大径筒部91aと中径筒部91c,91d及び小径筒部91bに対して軟質又は薄手のリング面91e,91f,91gが屈曲することにより、図22に示すように、リング面全体91e,91f,91gが大径筒部91aの外側に位置する伸長位置と、図23に示すように、大径筒部91aの内側に位置する収縮位置又は図24に示すように、リング面91e,91f,91gの左右いずれか半分が大径筒部91aの外側に位置し、他の半分が大径筒部91aの内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置へ変位させることができる。
【符号の説明】
【0054】
10,20,30,40,50,60,70,80,90…LEDランプ
11…樹脂製カバー
12…放熱体
12…口金
13…LEDチップ
14…モジュール基板
15…点灯回路
16,21,31,41,51,61,71,81,91…筒部
16a…蛇腹部
17…口金
21a,31a,41a,51a,61a,71a,81a,91a…大径筒部
21b,31b,41b,51b,61b,71b,81b,91b…小径筒部
21c,31c,41c,51c,61c,71d,81d,81e…テーパ状リング面
21d,71f,81f…屈曲部
31d,31e,31f,41d,41e,41f,51d…貫通穴
71c,81c,91c,91d…中径筒部
71e,91e,91f,91g…リング面
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDチップを光源として内蔵するLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、消費電力の大きい白熱電球に代えて、消費電力の少ないLEDを光源として用いるLEDランプの需要が高まっている。
一般に、この種のLEDランプは熱伝導性に優れたアルミニウムなどの金属性放熱体と、放熱体の一端に取り付けた口金と、半球状の頂部を有し、放熱体の他端に装着した透光性のガラス又はプラスチック材から成るグローブと、LEDチップを実装したモジュール基板と、LEDチップに電力を供給する点灯回路とを備え、モジュール基板と点灯回路を放熱体に取り付けてLEDチップをグローブで覆い、点灯回路と口金を電気的に接続した構成を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−70972号公報
【特許文献2】特開2011−82132号公報
【特許文献3】特開2011−90828号公報
【特許文献4】特開2011−91033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、白熱電球の光源であるフィラメントの発する光は周囲に拡散し、周囲を均等に照らすが、LEDランプの光源として用いられるLEDチップの発する光は高い指向性を有し、前方の狭い領域を強い光で照射するという特性を備えている。
また、白熱電球のフィラメントは点灯時2000度の高温に達することもあり、フィラメントを覆うグローブの表面が熱せられて、高温になり、これに触ると火傷するおそれがある。
これに対し、LEDランプの光源であるLEDチップは点灯時の発熱量がフィラメントに比べると極めて低い。そのため点灯時、放熱体でもその温度はせいぜい数十度程度に上昇するに過ぎず、放熱体に手で触れることもできる。
【0005】
本発明はLEDランプの光源であるLEDチップの有する高指向性及び低発熱性に着目し、その特性を利用して新規な用途を備えたLEDランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、LEDチップを実装したモジュール基板を放熱体の一端に固定し、放熱体の他端側に口金を取り付け、モジュール基板と口金の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路を配置し、点灯回路と口金を電気的に接続したLEDランプであって、
口金に対して放熱体を傾けることができるように、放熱体と口金の間に屈曲可能な筒部材を介在させたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、LEDチップを実装したモジュール基板を放熱体の一端に固定し、放熱体の他端に口金を取り付け、モジュール基板と口金の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路を配置し、点灯回路と口金を電気的に接続したLEDランプであって、
口金に対して放熱体を進退させることができるように、放熱体と口金の間に伸縮可能な筒部材を介在させたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材内部に前記点灯回路を配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材の中間部に蛇腹を形成し、筒部材の一端を放熱体に連結し、他端を口金に連結したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材を前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部及び小径筒部とテーパ状リング面の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材を前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面に複数の貫通穴又はスリットを形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面の肉厚を大径筒部及び小径筒部の肉厚より薄くし、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面の材質に大径筒部及び小径筒部の材質より軟質のプラスチック材を用い、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材を放熱体に連結される大径筒部と、中径筒部と、口金に連結される小径筒部と、大径筒部と中径筒部を連結するテーパ状リング面及び中径筒部と小径筒部を連結するリング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部、テーパ状リング面と中径筒部の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び中径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材を放熱体に連結される大径筒部と、小径筒部と、口金に連結される中径筒部と、大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面及び小径部と中径筒部を連結するリング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部、テーパ状リング面と小径筒部の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面の全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載のLEDランプにおいて、前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、放熱体に連結される大径筒部と、口金に連結される小径筒部と、異なる径を有し大径筒部と小径筒部の間に大径筒部側から小径筒部側へと順に径が小さくなるように配置された複数の中径筒部と、隣接する各筒部を連結するリング面から構成し、
リング面の材質に大径筒部及び小径筒部の材質より軟質のプラスチック材を用い、
大径筒部と中径筒部及び小径筒部に対してリング面が屈曲することにより、リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はリング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置へ変位するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、LEDチップを点灯しても白熱電球のようにグローブが高温に加熱されることはないというLEDチップの低発熱性に着目してなされてものであって、点灯中のLEDランプに手を触れることができる。
しかして、請求項1に記載の発明によれば、屈曲可能な筒部材によって口金に対して放熱体を傾けることができるので、放熱体に固定されたLEDチップの照射方向を変えることができる。
天井に設置されたダウンライトのソケットに指向性の電球を取り付けた場合、ソケットが天井に固定されているので、電球の照射方向を変えることはできない。しかし、本発明に係るLEDランプによれば、天井に固定されたソケットに取り付けた場合でも、筒部材の屈曲によりランプの照射方向を変えることができる。
【0018】
請求項2に係る発明によれば、天井に設置されたダウンライトのソケットや壁面に設置された照明器具のソケットにLEDランプを取り付けるときに筒部材を伸長してランプ長を長くできるので、取付け作業が容易になる。
また、ソケットに取り付けた後、筒部材を収縮させてランプ長を短くし、ソケットからの突出寸法を少なくできる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、筒部材を点灯回路の設置スペースとして利用するので、LEDランプの小型化が可能となる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、蛇腹の屈曲によりLEDランプの照射方向を変えることができる。また、蛇腹の伸縮によりランプ長を伸縮できる。
【0021】
請求項5,9,10,11に記載の発明によれば、テーパ状リング面を伸長位置に保持することによりランプ長を長くするとともに、ランプ長の長い伸長形態を維持できる。
また、テーパ状リング面を収縮位置に保持することによりランプ長を短くできるとともに、ランプ長の短い収縮形態を維持できる。さらにまた、テーパ状リング面を屈曲位置に保持することにより放熱体を傾けてランプの照射方向を変えることができるとともに、照射方向が変わる屈曲形態を維持できる。
【0022】
請求項6,7,8に記載の発明によれば、テーパ状リング面を伸長位置に保持することによりランプ長を長くできる。
また、テーパ状リング面を収縮位置に保持することによりランプ長を短くできる。
さらにまた、テーパ状リング面を屈曲位置に保持することにより放熱体を傾けてランプの照射方向を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図2】放熱体を傾けた本発明の第1実施例に係るLEDランプの断面図である。
【図3】本発明の第2実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るLEDランプのテーパ状リング面を示す部分拡大図である。
【図6】ランプ長を短くした本発明の第2実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図7】放熱体を傾けた本発明の第2実施例に係るLEDランプの断面図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図9】本発明の第4実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図10】本発明の第5実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図11】本発明の第6実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図12】ランプ長を短くした本発明の第6実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図13】本発明の第7実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図14】本発明の第7実施例に係るLEDランプを示す斜視図である。
【図15】本発明の第7実施例に係るLEDランプのテーパ状リング面を示す部分拡大図である。
【図16】ランプ長を短くした本発明の第7実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図17】放熱体を傾けた本発明の第7実施例に係るLEDランプの断面図である。
【図18】本発明の第8実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図19】本発明の第8実施例に係るLEDランプの第1テーパ状リング面を示す部分拡大図である。
【図20】ランプ長を短くした本発明の第8実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図21】放熱体を傾けた本発明の第8実施例に係るLEDランプの断面図である。
【図22】本発明の第9実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図23】ランプ長を短くした本発明の第9実施例に係るLEDランプを示す断面図である。
【図24】放熱体を傾けた本発明の第9実施例に係るLEDランプの断面図である。
【実施例1】
【0024】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図1及び図2には本発明の第1実施例に係るLEDランプ10が示されている。当該LEDランプ10は樹脂製カバー11と、熱伝導性と放熱性に優れたアルミニウム等の金属材料から成る放熱体1212と、LEDチップ13を実装したモジュール基板14と、LEDチップ13に電力を供給する点灯回路15と、16筒部材と、国際規格に則った形状、寸法を有する口金17を備えている。
【0025】
放熱体12は略平皿形状を有し、内側端面の中央部にモジュール基板14が固定されている。放熱体12の外周部にカップ状の樹脂製カバー11が装着されている。樹脂製カバー11の内周面には放物面形状を有するミラー面18が形成されている。
【0026】
放熱体12の外周部に筒部材16の一端が装着され、筒部材16の他端に口金17が取付けられている。この筒部材16はプラスチック製で中間部に蛇腹部分16aが形成されている。
【0027】
点灯回路15は筒部材16の内部に配置されている。一方、放熱体12には貫通12a穴が形成され、LEDチップ13と点灯回路15を接続するリード線19が貫通穴12aに挿通されている。また、点灯回路15と口金17がリード線19で接続されている。
【0028】
第1実施例に係るLEDランプ10の構造は以上の通りであって、天井に設置されたダウンライトのソケットや壁面に設置された照明器具のソケットに口金17をねじ込んでLEDランプを取り付けると、点灯回路15に電力が供給され、さらに点灯回路15からLEDチップ13に電力が供給されてLEDチップ13が発光するので、LEDランプ10が矢印Aで示す方向を照射する。
【0029】
LEDランプ10が点灯しても白熱電球のように高温に加熱されることはないので、樹脂製カバー11に手を触れることができる。樹脂製カバー11を手で引き下げると、ソケットにねじ込まれた口金17に対して筒部材16が蛇腹部分16aから伸長するので、図1の2点鎖線で示すように、LEDランプ10のランプ長が長くなる。また、樹脂製カバー11を手で押し上げると、筒部材16の蛇腹部が収縮し、ランプ長が短くなる。
本実施例に係るLEDランプによれば、天井に設置されたダウンライトのソケットや壁面に設置された照明器具のソケットにLEDランプ10を取り付けるときに筒部材16を伸長してランプ長を長くできるので、取付け作業が容易になる。
また、ソケットに取り付けた後、筒部材16を収縮させてランプ長を短くし、ソケットからの突出寸法を少なくできる。
【0030】
また、樹脂製カバー11を手で右方向へ押すか引くと、図2に示すように、筒部材16が蛇腹部分16aから屈曲するので、ソケットにねじ込んだ口金17に対して放熱体12を傾けることができる。従って、LEDランプ10を天井や壁面に取り付けたまま、LEDランプ10の照射方向を矢印Aから矢印B方向へと変えることができる。
【0031】
また、筒部材16の内部に点灯回路15を配置したので、LEDランプ10を小型にできる。
【実施例2】
【0032】
本発明の第2実施例に係るLEDランプ20を図3及び図4に示す。当該LEDランプ20はプラスチック製の筒部材21を備え、筒部材21の一端が放熱体12の外周部に装着され、他端に口金17が取り付けられている。また、筒部材21の内部に点灯回路15が設けられている。
【0033】
この筒部材21は大径筒部21aと小径筒部21b及び大径筒部21aと小径筒部21bを連結するテーパ状リング面21cから構成され、大径筒部21aが放熱体12の外周部に装着され、小径筒部21bに口金17が連結されている。
【0034】
図4に拡大して図示するように、大径筒部21aと小径筒部21bは略同じ厚みT1を有し、テーパ状リング面21cの厚みT2は厚みT1より薄く成形されている。また、大径筒部21aとテーパ状リング面21cとの連結部及び小径筒部21bとテーパ状リング面21cとの連結部にはテーパ状リング面21cの厚みT2より薄い厚みT3を有する屈曲部21dが形成されている。
なお、他の構成は第1実施例に係るLEDランプ10と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
第2実施例に係るLEDランプ20の構造は以上の通りであって、ダウンライトのソケットに口金17をねじ込んでLEDランプ20を取り付けるとLEDチップ13が点灯し、LEDランプ20が図3に示す矢印A方向を照射する。
【0036】
図3に示す状態では、テーパ状リング面21cはその全体が大径筒部21aの外側に位置するように屈曲部21dから大径筒部21a及び小径筒部21bに対して屈曲している。そして、屈曲部21dの厚みT3が大径筒部の厚みT1やリング状テーパ面21cの厚みT2より薄いためテーパ状リング面21cは図3に示す伸長位置に保持される。
樹脂製カバーを手で掴んで押し込むと、大径筒部21a及び小径筒部21bに対してテーパ状リング面21cが屈曲部21dから屈曲し、図6に示すように、テーパ状リング面21cはその全体が大径筒部21aの内側に位置する収縮位置へと変位し、手を離せば屈曲部21dの作用で収縮位置に保持される。その結果LEDランプ20のランプ長が短くなる。
【0037】
テーパ状リング面21cが収縮位置にあるとき、樹脂製カバー11を手で引き下げれば、テーパ状リング面21cは再び図3に示すように、全体が大径筒部21aの外側に位置する伸長位置へと変位し、ランプ長が長くなる。
【0038】
樹脂製カバー11を手で左方向へ押すか引くと、テーパ状リング面21cが大径筒部21a及び小径筒部21bに対して屈曲部21dから屈曲し、図7に示すように、テーパ状リング面21cの右半分が大径筒部21aの外側に位置し、左半分が大径筒部21aの内側に位置する屈曲位置へ変位し、屈曲部21dの作用でその位置に保持される。その結果、LEDランプ20の照射方向が図3に示す矢印Aから図7に示す矢印Bへと変わる。
樹脂製カバー11を手で右方向へ押すか引くと、テーパ状リング面21cの左半分が大径筒部21aの外側に位置し、右半分が大径筒部21aの内側に位置する屈曲位置へ変位する。
【実施例3】
【0039】
第3実施例に係るLEDランプを図8に示す。当該LEDランプ30はプラスチック製の筒部31を備えている。この筒部31は大径筒部31aと、小径筒部31b及び大径筒部31aと小径筒部31bを連結するテーパ状リング面31cから構成され、大径筒部31aと小径筒部31bおよびテーパ状リング面31cは略同じ厚みを有し、テーパ状リング面31cには多数の円形貫通穴31dが形成されている。とくに大径筒部31aとテーパ状リング面31cとの連結部に大径筒部31aの全周にわたり等間隔で貫通穴31eが形成されている。また、小径筒部31bとテーパ状リング面31cの連結部に近接する部位に貫通穴31fが等間隔で小径筒部31bの全周にわたり形成されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
第3実施例に係るLEDランプ30の構造は以上の通りであって、テーパ状リング面31cに多数の貫通穴31d,31e,31fを形成したので、テーパ状リング面31cの剛性が大径筒部31aや小径筒部31bより小さくなり、第2実施例に係るLEDランプ20において、テーパ状リング面21cの厚みを大径筒部21aや小径筒部21bより薄くしたと同様の作用を呈する。また、大径筒部31aとテーパ状リング面31cとの連結部に形成した貫通穴31e及び小径筒部31bとテーパ状リング面31cの連結部に近接する部位に形成した貫通穴31fが第2実施例に係るLEDランプ20における屈曲部21dと同じ作用を呈する。そのため、第3実施例に係るLEDランプ30でも、第2実施例に係るLEDランプ20と同様に、テーパ状リング面31cを伸長位置に設定保持してランプ長を長くしたり、収縮位置に設定保持してランプ長を短くできる。また、テーパ状リング面を屈曲位置に設定保持することによりランプ30の照射方向を変えることができる。
【実施例4】
【0041】
本発明の第4実施例に係るLEDランプ40を図9に示す。当該LEDランプは40は大径筒部41aと、小径筒部41b及び大径筒部41aと小径筒部41bを連結するテーパ状リング面41cから構成されている。
第3実施例に係るLEDランプ30では、筒部材材31のテーパ状リング面31cに円形貫通穴31d,31e,31fを形成したが、第4実施例に係るLEDランプでは筒部材41のテーパ状リング面41cに長方形の貫通穴41dが形成されている。また、第3実施例に係るLEDランプ30の場合と同様に、大径筒部41aとテーパ状リング面41cとの連結部、及び小径筒部41bとテーパ状リング面41cの連結部に近接する部位にそれぞれ貫通穴41e,41fが形成されているので、テーパ状リング面41cを伸長位置、収縮位置若しくは屈曲位置に択一的に設定保持できる。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例5】
【0042】
本発明の第5実施例に係るLEDランプ50を図10に示す。当該LEDランプの筒部材51は大径筒部51aと、小径筒部51b及び大径筒部51aと小径筒部51bを連結するテーパ状リング面51cから構成され、テーパ状リング面51cと大径筒部51aとの連結部に長方形の貫通穴51dが大径筒部51aの全周にわたって形成されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施例に係るLEDランプ50では、貫通穴51dが第2実施例の屈曲部21dと同様の作用を奏する。そのため、大径筒部51a及び小径筒部51bに対してテーパ状リング面51cが貫通穴51dから屈曲し、これにより、テーパ状リング51cを伸長位置、収縮位置又は屈曲位置へと変位させることができる。
なお、第3,第4及び第5実施例では貫通穴31d,31e,31f,41d,41e,41f,51dを形成したが、スリットでも貫通穴31d,31e,31f,41d,41e,41f,51dと同様の作用を呈することができる。
【実施例6】
【0044】
本発明の第6実施例に係るLEDランプ60を図11及び図12に示す。当該LEDランプ60は大径筒部61aと、小径筒部61b及び大径筒部61aと小径筒部61bを連結するテーパ状リング面61cから構成される筒部61を備えている。この筒部61のテーパ状リング面61Cの材質には、大径筒部61a及び小径筒部61bの材質より軟質のプラスチック材が用いられている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
第6実施例に係るLEDランプ60では、大径筒部61a及び小径筒部61bより軟質のテーパ状リング面61cが波型に屈曲することにより、テーパ状リング面を図11に示す伸長位置から、図12に示す収縮位置へ変位させることができる。
【実施例7】
【0046】
本発明の第7実施例に係るLEDランプ70を図13及び図14に示す。当該LEDランプ70の筒部材71はプラスチック製で、放熱体12に連結される大径筒部71aと、口金17に連結される小径筒部71bと、大径筒部71aと小径筒部71b間に配置された中径筒部71cと、大径筒部71aと中径筒部71cを連結するテーパ状リング面71d及び中径筒部71cと小径筒部71bを連結するリング面71eから構成されている。
【0047】
図17に拡大して図示するように、大径筒部71aと小径筒部71b及び中径筒部71cは略同じ厚みT1を有し、テーパ状リング面71dの厚みT2は厚みT1より薄く成形されている。また、大径筒部71aとテーパ状リング面71dとの連結部及び中径筒部71cとテーパ状リング面71dとの連結部にはテーパ状リング面の厚みT2より薄い厚みT3を有する屈曲部71fが形成されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
第7実施例に係るLEDランプ70の構造は以上の通りであって、大径筒部71a及び中径筒部71cに対してテーパ状リング面71dが屈曲部71fから屈曲することにより、図13及び図14に示すように、テーパ状リング面71d全体が大径筒部71aの外側に位置する伸長位置、図16に示すように、大径筒部71aの内側に位置する収縮位置、又は図17に示すように、テーパ状リング面71dの左右いずれか半分が大径筒部71aの外側に位置し、他の半分が大径筒部71aの内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に設定保持できる。
【実施例8】
【0049】
本発明の第8実施例に係るLEDランプ80を図18に示す。当該LEDランプ80の筒部材81はプラスチック製で、放熱体12に連結される大径筒部81aと、小径筒部81bと、口金17に連結される中径筒部81cと、大径筒部81aと小径筒部81bを連結する第1テーパ状リング面81d及び小径部81bと中径筒部81cを連結する第2テーパ状リング面81eから構成されている。
【0050】
図19に拡大して図示するように、大径筒部81aと小径筒部81b及び中径筒部81c並びに第2テーパ状リング面81eは略同じ厚みT1を有し、第1テーパ状リング面81dの厚みT2は厚みT1より薄く成形されている。また、大径筒部81aと第1テーパ状リング面81dとの連結部及び小径筒部81bと第1テーパ状リング面81dとの連結部にはテーパ状リング面81dの厚みT2より薄い厚みT3を有する屈曲部81fが形成されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
第8実施例に係るLEDランプ80の構造は以上の通りであって、大径筒部81a及び小径筒部81bに対して第1テーパ状リング面81dが屈曲部81fから屈曲することにより、図18に示すように、第1テーパ状リング面81dの全体が大径筒部81aの外側に位置する伸長位置と、図20に示すように、大径筒部81aの内側に位置する収縮位置又は図21に示すように、第1テーパ状リング面81dの左右いずれか半分が大径筒部81aの外側に位置し、他の半分が大径筒部81aの内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に設定保持することができる。
【実施例9】
【0052】
本発明の第9実施例に係るLEDランプ90を図22、図23及び図24に示す。当該LEDランプ90の筒部材91はプラスチック成型品で、放熱体12に連結される大径筒部91aと、口金17に連結される小径筒部91bと、異なる径を有する複数個の中径筒部91c,91dを備えている。これら中径筒部91c,91dは大径筒部91aと小径筒部91bの間に大径筒部91a側から小径筒部91b側へと順に径が小さくなるように配置されている。そして、隣接する各筒部91a,91b,91c,91dがリング面91e,91f,91gによって連結されている。各リンク面91e,91f,91gの材質には大径筒部91a、中径筒部91c,91d及び小径筒部91bの材質より軟質のプラスチック材若しくは大径筒部91a、中径筒部91c,91d及び小径筒部91bより厚みが薄く成形されている。
なお、他の構成は第2実施例に係るLEDランプ20と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
第9実施例に係るLEDランプ90の構造は以上の通りであって、大径筒部91aと中径筒部91c,91d及び小径筒部91bに対して軟質又は薄手のリング面91e,91f,91gが屈曲することにより、図22に示すように、リング面全体91e,91f,91gが大径筒部91aの外側に位置する伸長位置と、図23に示すように、大径筒部91aの内側に位置する収縮位置又は図24に示すように、リング面91e,91f,91gの左右いずれか半分が大径筒部91aの外側に位置し、他の半分が大径筒部91aの内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置へ変位させることができる。
【符号の説明】
【0054】
10,20,30,40,50,60,70,80,90…LEDランプ
11…樹脂製カバー
12…放熱体
12…口金
13…LEDチップ
14…モジュール基板
15…点灯回路
16,21,31,41,51,61,71,81,91…筒部
16a…蛇腹部
17…口金
21a,31a,41a,51a,61a,71a,81a,91a…大径筒部
21b,31b,41b,51b,61b,71b,81b,91b…小径筒部
21c,31c,41c,51c,61c,71d,81d,81e…テーパ状リング面
21d,71f,81f…屈曲部
31d,31e,31f,41d,41e,41f,51d…貫通穴
71c,81c,91c,91d…中径筒部
71e,91e,91f,91g…リング面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDチップを実装したモジュール基板を放熱体の一端に固定し、放熱体の他端側に口金を取り付け、モジュール基板と口金の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路を配置し、点灯回路と口金を電気的に接続したLEDランプであって、
口金に対して放熱体を傾けることができるように、放熱体と口金の間に屈曲可能な筒部材を介在させたことを特徴とするLEDランプ。
【請求項2】
LEDチップを実装したモジュール基板を放熱体の一端に固定し、放熱体の他端に口金を取り付け、モジュール基板と口金の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路を配置し、点灯回路と口金を電気的に接続したLEDランプであって、
口金に対して放熱体を進退させることができるように、放熱体と口金の間に伸縮可能な筒部材を介在させたことを特徴とするLEDランプ。
【請求項3】
前記筒部材内部に前記点灯回路を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のLEDランプ。
【請求項4】
前記筒部材の中間部に蛇腹を形成し、筒部材の一端を放熱体に連結し、他端を口金に連結したことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項5】
前記筒部材を前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部及び小径筒部とテーパ状リング面の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項6】
前記筒部材を前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面に複数の貫通穴又はスリットを形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項7】
前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面の肉厚を大径筒部及び小径筒部の肉厚より薄くし、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項8】
前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面の材質に大径筒部及び小径筒部の材質より軟質のプラスチック材を用い、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項9】
前記筒部材を放熱体に連結される大径筒部と、中径筒部と、口金に連結される小径筒部と、大径筒部と中径筒部を連結するテーパ状リング面及び中径筒部と小径筒部を連結するリング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部、テーパ状リング面と中径筒部の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び中径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項10】
前記筒部材を放熱体に連結される大径筒部と、小径筒部と、口金に連結される中径筒部と、大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面及び小径部と中径筒部を連結するリング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部、テーパ状リング面と小径筒部の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面の全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項11】
前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、放熱体に連結される大径筒部と、口金に連結される小径筒部と、異なる径を有し大径筒部と小径筒部の間に大径筒部側から小径筒部側へと順に径が小さくなるように配置された複数の中径筒部と、隣接する各筒部を連結するリング面から構成し、
リング面の材質に大径筒部及び小径筒部の材質より軟質のプラスチック材を用い、
大径筒部と中径筒部及び小径筒部に対してリング面が屈曲することにより、リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はリング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置へ変位するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項1】
LEDチップを実装したモジュール基板を放熱体の一端に固定し、放熱体の他端側に口金を取り付け、モジュール基板と口金の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路を配置し、点灯回路と口金を電気的に接続したLEDランプであって、
口金に対して放熱体を傾けることができるように、放熱体と口金の間に屈曲可能な筒部材を介在させたことを特徴とするLEDランプ。
【請求項2】
LEDチップを実装したモジュール基板を放熱体の一端に固定し、放熱体の他端に口金を取り付け、モジュール基板と口金の間にLEDチップに電力を供給する点灯回路を配置し、点灯回路と口金を電気的に接続したLEDランプであって、
口金に対して放熱体を進退させることができるように、放熱体と口金の間に伸縮可能な筒部材を介在させたことを特徴とするLEDランプ。
【請求項3】
前記筒部材内部に前記点灯回路を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のLEDランプ。
【請求項4】
前記筒部材の中間部に蛇腹を形成し、筒部材の一端を放熱体に連結し、他端を口金に連結したことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項5】
前記筒部材を前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部及び小径筒部とテーパ状リング面の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項6】
前記筒部材を前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面に複数の貫通穴又はスリットを形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項7】
前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面の肉厚を大径筒部及び小径筒部の肉厚より薄くし、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項8】
前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、前記放熱体に連結される大径筒部と前記口金に連結される小径筒部及び大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面から構成し、
テーパ状リング面の材質に大径筒部及び小径筒部の材質より軟質のプラスチック材を用い、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に変位するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項9】
前記筒部材を放熱体に連結される大径筒部と、中径筒部と、口金に連結される小径筒部と、大径筒部と中径筒部を連結するテーパ状リング面及び中径筒部と小径筒部を連結するリング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部、テーパ状リング面と中径筒部の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び中径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項10】
前記筒部材を放熱体に連結される大径筒部と、小径筒部と、口金に連結される中径筒部と、大径筒部と小径筒部を連結するテーパ状リング面及び小径部と中径筒部を連結するリング面から構成し、
大径筒部とテーパ状リング面の連結部、テーパ状リング面と小径筒部の連結部にそれぞれ屈曲部を形成し、
大径筒部及び小径筒部に対してテーパ状リング面が屈曲部から屈曲することにより、テーパ状リング面の全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はテーパ状リング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置に択一的に保持されるようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【請求項11】
前記筒部材をプラスチック材で成型するとともに、放熱体に連結される大径筒部と、口金に連結される小径筒部と、異なる径を有し大径筒部と小径筒部の間に大径筒部側から小径筒部側へと順に径が小さくなるように配置された複数の中径筒部と、隣接する各筒部を連結するリング面から構成し、
リング面の材質に大径筒部及び小径筒部の材質より軟質のプラスチック材を用い、
大径筒部と中径筒部及び小径筒部に対してリング面が屈曲することにより、リング面全体が大径筒部の外側に位置する伸長位置と、大径筒部の内側に位置する収縮位置又はリング面の左右いずれか半分が大径筒部の外側に位置し、他の半分が大径筒部の内側に位置する屈曲位置のいずれかの位置へ変位するようにしたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のLEDランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−48029(P2013−48029A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185525(P2011−185525)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(593079944)株式会社ビートソニック (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(593079944)株式会社ビートソニック (37)
【Fターム(参考)】
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