説明

LED駆動装置

【課題】コンバータを用いなくてもLEDを容易に駆動することができるLED駆動装置を提供する。
【解決手段】直列に連結された一つ以上のエネルギー貯蔵体130a、130b、130nと、各エネルギー貯蔵体130a、130b、130nに並列に連結される複数のLED140a、140b、140nと、印加される電圧のレベルに応じて一つ以上のエネルギー貯蔵体130a、130b、130nを選択的に連結して、選択されたエネルギー貯蔵体130a、130b、130nを充/放電させ、充/放電動作によってLED140a、140b、140nの駆動を制御するスイッチング制御部150を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED駆動装置に関し、より詳細には、液晶表示装置のバックライトに用いられるLEDを駆動するためのLED駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力駆動などの特徴により、その応用範囲が次第に広くなっている傾向にあり、このような傾向によってオフィスオートメーション機器、オーディオ/ビデオ機器などに利用されている。
【0003】
上記のような液晶表示装置は、自体発光ができないため、バックライト(back light)と呼ばれる別の光源を必要とし、このようなバックライトとしては、発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下「LED」という)、冷陰極蛍光ランプ(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)、外部電極蛍光ランプ(External Electrode Fluorescent Lamp:EEFL)などが用いられている。
【0004】
最近は、LEDを利用したバックライト光源が主に用いられており、LEDバックライト光源は環境にやさしく、高速回答が可能であるため、ビデオ信号ストリームに効果的に用いることができるという長所がある。
【0005】
図1は、従来技術によるLED駆動装置を概略的に示した回路図である。
【0006】
図1を参照すると、LED駆動装置1は、制御回路11から一次側に入力される電源をスイッチングして二次側に誘起させて出力するトランスフォーマ12と、トランスフォーマ12の二次側から出力される電圧を整流する整流ダイオードD1と、整流された電圧を平滑する平滑キャパシタC1を含むDC−DCコンバータ10と、からなる。
【0007】
このようなDC−DCコンバータ10の動作により、LED駆動装置1は、印加される交流電源を直流電源に変換してLEDD2〜D4に提供することにより、LEDD2〜D4に所望の電流が流れるように制御する。
【0008】
しかし、従来のLED駆動装置でのトランスフォーマは、一次側と二次側を電気的に分離させる長所があるが、体積が大きく、コストが高いという欠点があった。
【0009】
また、平滑キャパシタは、一般的に大容量の電解コンデンサを用いるが、このような大容量の電解コンデンサも、体積が大きく、コストが高く、LEDより寿命が短いためLED駆動装置の全体の寿命を短縮させるという問題点があった。
【0010】
従って、上述の問題点を解決するために、DC−DCコンバータなどのコンバータを用いずにLEDを駆動するための技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2010−0025590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、直列に連結された複数のエネルギー貯蔵体にLEDをそれぞれ並列に連結し、印加される電圧のレベルに応じてエネルギー貯蔵体を選択的に充/放電することにより、コンバータを用いなくてもLEDを容易に駆動することができるLED駆動装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのために本発明の一実施形態によるLED駆動装置は、直列に連結された一つ以上のエネルギー貯蔵体と、前記各エネルギー貯蔵体に並列に連結される複数のLEDと、印加される電圧のレベルに応じて前記一つ以上のエネルギー貯蔵体を選択的に連結して、前記選択されたエネルギー貯蔵体を充/放電させ、前記充/放電動作によって前記LEDの駆動を制御するスイッチング制御部と、を含む。
【0014】
ここで、前記スイッチング制御部は、前記印加される電圧のレベルに応じて前記一つ以上のエネルギー貯蔵体を選択的に連結して、前記一つ以上のエネルギー貯蔵体を選択的に充電することができる。
【0015】
また、前記スイッチング制御部は、前記印加される電圧のレベルに応じて前記一つ以上のエネルギー貯蔵体と前記LEDとを選択的に連結して、前記一つ以上のエネルギー貯蔵体に充電された電圧を選択的に放電することにより、前記LEDを駆動させることができる。
【0016】
また、前記スイッチング制御部は、前記各エネルギー貯蔵体の一端と接地との間に連結される一つ以上の第1スイッチと、前記各エネルギー貯蔵体の他端と前記LEDとの間に連結される一つ以上の第2スイッチと、を含むことができる。
【0017】
また、前記スイッチング制御部は、前記印加される電圧のレベルに応じて、前記第1及び第2スイッチを選択的に動作させるための第1及び第2制御信号を出力する制御器をさらに含むことができる。
【0018】
ここで、前記制御器は、前記印加される電圧と予め設定された基準電圧とを比較する比較器、及びこの比較器で比較した結果を利用して前記第1及び第2制御信号を出力する制御信号出力器を含むことができる。
【0019】
一方、前記スイッチング制御部は、前記エネルギー貯蔵体が第1〜第nエネルギー貯蔵体で構成され、前記LEDが第1〜第nLEDで構成されて順に並べられた場合、前記印加される電圧のレベルが予め設定された第1基準電圧未満であるとき、前記第1エネルギー貯蔵体に相応する第1スイッチを連結して前記第1エネルギー貯蔵体を充電することができる。
【0020】
また、前記スイッチング制御部は、前記エネルギー貯蔵体が第1〜第nエネルギー貯蔵体で構成され、前記LEDが第1〜第nLEDで構成されて順に並べられた場合、前記印加される電圧のレベルが予め設定された第2基準電圧以上であるとき、前記第nエネルギー貯蔵体に相応する第1スイッチを連結して前記第1〜第nエネルギー貯蔵体を充電することができる。
【0021】
さらに、前記スイッチング制御部は、前記第1エネルギー貯蔵体の充電が完了すると、前記第1エネルギー貯蔵体に相応する第2スイッチを連結して前記第1エネルギー貯蔵体に充電された電圧を放電させ、前記放電された電圧を前記第1LEDに印加して、前記第1LEDを駆動させることができる。
【0022】
また、前記スイッチング制御部は、前記第1〜第nエネルギー貯蔵体の充電が完了すると、前記第1〜第nエネルギー貯蔵体に相応する第2スイッチを連結して前記第1〜第nエネルギー貯蔵体に充電された電圧を放電させ、前記放電された電圧を前記第1〜第nLEDに印加して、前記第1〜第nLEDを駆動させることができる。
【0023】
この際、前記第1基準電圧は、前記第2基準電圧より小さく設定することができる。
【0024】
また、前記エネルギー貯蔵体は、キャパシタ、二次電池、ウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタから選択された何れか一つとすることができる。
【発明の効果】
【0025】
上述のように、本発明の一実施形態によるLED駆動装置によれば、直列に連結された複数のエネルギー貯蔵体にLEDをそれぞれ並列に連結し、印加される電圧のレベルに応じてエネルギー貯蔵体を選択的に充/放電することにより、コンバータを用いなくてもLEDを容易に駆動することができる。
【0026】
より具体的には、印加される電圧のレベルを検知し、検知された電圧のレベルに応じて充電すべきエネルギー貯蔵体を選択して充電し、充電が完了すると、選択されたエネルギー貯蔵体とLEDとを連結して充電された電圧をLEDに供給することにより、コンバータを用いなくても、印加される電圧のレベルに応じてLEDの明るさを自動的に調節することができるという長所がある。
【0027】
また、スイッチング制御部の内部にある比較器でのみ電流を消費するため、LED駆動装置の効率を増大させることができる。
【0028】
さらに、トランスフォーマと平滑キャパシタを用いないため、LED駆動装置の体積を減らし、寿命を向上させることができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来技術によるLED駆動装置を概略的に図示した回路図である。
【図2】本発明の一実施形態によるLED駆動装置の構成図である。
【図3】図2に図示したLED駆動装置の詳細回路図である。
【図4】図2に図示したLED駆動装置において、入力電圧が低い状態でエネルギー貯蔵体を充電するためのスイッチング制御部のスイッチング動作を説明するための図面である。
【図5】図2に図示したLED駆動装置において、入力電圧が高い状態でエネルギー貯蔵体を充電するためのスイッチング制御部のスイッチング動作を説明するための図面である。
【図6】図2に図示したLED駆動装置において、入力電圧が低い状態でエネルギー貯蔵体を放電してLEDを駆動するためのスイッチング制御部のスイッチング動作を説明するための図面である。
【図7】図2に図示したLED駆動装置において、入力電圧が高い状態でエネルギー貯蔵体を放電してLEDを駆動するためのスイッチング制御部のスイッチング動作を説明するための図面である。
【図8】(a)は、本発明の一実施形態による電源部から出力される交流電圧の波形である。(b)は、本発明の一実施形態によるLED駆動装置において、第1LEDに流れる電流の波形である。(c)は、本発明の一実施形態によるLED駆動装置において、第2LEDに流れる電流の波形である。(d)は、本発明の一実施形態によるLED駆動装置において、第3LEDに流れる電流の波形である。。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書及び特許請求範囲で用いられた用語や単語は、通常的かつ辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができる、という原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【0031】
従って、本明細書に記載された実施形態と図面に図示された構成は、本発明のもっとも好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想の全部を代弁するものでないため、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物と変形例があり得ることを理解するべきである。
【0032】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0033】
図2は本発明の一実施形態によるLED駆動装置の構成図、図3は、図2に図示したLED駆動装置の詳細回路図を示す。
【0034】
図2及び図3に図示したように、LED駆動装置100は、交流電圧を生成して出力する電源部110と、整流部120と、エネルギー貯蔵体130:130a〜130nと、LED140:140a〜140nと、スイッチング制御部150と、を含んで構成される。
【0035】
このうち整流部120は、電源部110で生成された交流電圧を整流してパルス形態の直流電圧で出力する手段であり、交流電圧を電波整流された正弦波形態の直流電圧に変換することができる。
【0036】
エネルギー貯蔵体130:130a〜130nは、一つ以上に構成されることができ、高電圧を得るために複数個を直列に連結することが一般的である。このようなエネルギー貯蔵体130としては、キャパシタ(capacitor)、二次電池、ウルトラキャパシタ及びスーパーキャパシタを用いることができ、その他に類似の特性を有するエネルギー貯蔵体を用いることができる。
【0037】
LED(Light Emitting Diode)140(140a〜140n)は発光ダイオードであり、一つ以上に構成されて、各エネルギー貯蔵体130a〜130nに並列に連結することができる。
【0038】
ここで、発光ダイオードは、Ga(ガリウム)、P(リン)、As(ヒ素)を材料として製作された半導体であり、ダイオードの特性を有することができる。このとき、発光ダイオードに電流が流れると赤色、緑色、黄色の光を発し、電球に比べて寿命が長く、回答速度(電流が流れてから光を発するまでの時間)が速く、かつ、多様な形状に製作することができる、という利点があるため、ピークまたは数字の表示に最も適する。
【0039】
スイッチング制御部150は、印加される電圧のレベルに応じて一つ以上のエネルギー貯蔵体130a〜130nを選択的に連結して、選択されたエネルギー貯蔵体を充/放電させ、前記充/放電動作によってLED140a〜140nの駆動を制御する。
【0040】
より具体的に説明すると、スイッチング制御部150は、印加される電圧のレベルに応じてエネルギー貯蔵体130a〜130nを選択的に連結し、選択的に連結されたエネルギー貯蔵体130a〜130nを充電することができる。また、スイッチング制御部150は、印加される電圧のレベルに応じてエネルギー貯蔵体130a〜130nとLED140a〜140nとを選択的に連結し、エネルギー貯蔵体130a〜130nに充電された電圧を選択的に放電することにより、LED140a〜140nを駆動することができる。
【0041】
即ち、スイッチング制御部150は、印加される電圧のレベルを検知し、検知された電圧のレベルに応じて充電すべきエネルギー貯蔵体130a〜130nを選択して充電し、充電が完了すると、選択されたエネルギー貯蔵体130a〜130nとそれに相応するLED140a〜140nを連結することにより、エネルギー貯蔵体130a〜130nに充電された電圧をLED140a〜140nに供給することができる。
【0042】
前記のようなスイッチング制御部150は、第1スイッチ151:151a〜151nと、第2スイッチ152:152a〜152nと、制御器153と、を含んで構成される。
【0043】
ここで、第1スイッチ151(151a〜151nは、一つ以上で構成され、各エネルギー貯蔵体130a〜130nの一端と接地(ground)との間に連結することができせいる。第1スイッチ151a〜151nが連結(即ち、ターンオン動作)されると、第1スイッチ151a〜151nに相応するエネルギー貯蔵体130a〜130nに電圧を充電することができる。
【0044】
第2スイッチ152:152a〜152nは、一つ以上で構成され、各エネルギー貯蔵体130a〜130nの一端とLED140a〜140nと間に連結することができる。もし、第2スイッチ152a〜152nが連結(即ち、ターンオン動作)されると、第2スイッチ152a〜152nに相応するエネルギー貯蔵体130a〜130nの電圧が放電されて、LED140a〜140nに電圧を供給することができる。
【0045】
制御器153は、印加される電圧のレベルに応じてエネルギー貯蔵体130a〜130nを選択的に充/放電するために、第1及び第2スイッチ151a〜151n、152a〜152nを制御する第1及び第2制御信号CP1a〜CP1n、CP2a〜CP2nを出力する手段であり、比較器153aと、制御信号出力器153bと、基準信号出力器153cと、からなることができる。
【0046】
このうち比較器153aは、印加される電圧と予め設定された基準電圧とを比較し、前記比較した結果として比較信号を制御信号出力器153bに出力することにより、印加される電圧のレベルを検知するように構成される。
【0047】
制御信号出力器153bは、比較器153aで比較した結果を利用して第1及び第2スイッチ151、152を制御するための第1及び第2制御信号CP1、CP2を選択的に出力することにより、エネルギー貯蔵体が選択的に充/放電されるように制御する。
【0048】
基準信号出力器153cは、制御信号出力器153bが第1及び第2制御信号CP1、CP2を選択的に出力するための基準信号を出力する。
【0049】
図3を参照して、上述の比較器153a、制御信号出力器153b及び基準信号出力器153cの動作を例として説明すると、エネルギー貯蔵体が第1〜第3エネルギー貯蔵体130a〜130cからなり、LEDが第1〜第3LED140a〜140cからなる場合、比較器153aは第1及び第2比較器153a1、153a2を含むことができる。
【0050】
ここで、第1比較器153a1は、印加される電圧と予め設定された第1基準電圧Vref1とを比較し、前記比較した結果としてハイ(high)またはロー(low)の第1比較信号を出力することができる。また、第2比較器153a2は、印加される電圧と予め設定された第2基準電圧Vref2を比較し、前記比較した結果としてハイ(high)またはロー(low)の第2比較信号を出力することができる。
【0051】
この際、第1基準電圧Vref1は第2基準電圧Vref2より小さく構成され、印加される電圧のレベルに応じて第1及び第2比較器153a1、153a2からハイ(high)またはロー(low)の第1及び第2比較信号を出力することにより、印加される電圧のレベルを検知できるようにする。
【0052】
また、制御信号出力器153bは、第1及び第2比較器153a1、153a2から出力された第1及び第2比較信号を利用して、エネルギー貯蔵体130a〜130cが選択的に充/放電されるように第1及び第2制御信号CP1a〜CP1c、CP2a〜CP2cを出力する。このような制御信号出力器153bは、第1及び第2比較器153a1、153a2から出力される第1及び第2比較信号のレベルを反転させるインバータ(不図示)及び第1及び第2比較器153a1、153a2から出力される第1及び第2比較信号とインバータから出力された信号をANDゲートする論理演算器(不図示)と、から構成することができる。
【0053】
このような比較器153a、制御信号出力器153b及び基準信号出力器153cの動作により、制御器153は、印加される電圧のレベルに応じて第1及び第2スイッチ151a〜151n、152a〜152nを選択的に連結してエネルギー貯蔵体130a〜130nを選択的に充/放電させることができる。
【0054】
以下、印加される電圧によってエネルギー貯蔵体を充/放電させるためのスイッチング制御部のスイッチング動作を詳細に説明する。
【0055】
図4は、図2に図示したLED駆動装置において、入力電圧が低い状態でエネルギー貯蔵体を充電するためのスイッチング制御部のスイッチング動作を説明するための図、図5は、図2に図示したLED駆動装置において、入力電圧が高い状態でエネルギー貯蔵体を充電するためのスイッチング制御部のスイッチング動作を説明するための図である。
【0056】
まず、図4を参照すると、印加される電圧が50Vで、第1基準電圧が60Vで、第2基準電圧が110Vである場合、制御器153では、比較器153a、制御信号出力器153b及び基準信号出力器153cを利用して第1スイッチ151aを連結させる第1制御信号CP1aを出力することにより、第1エネルギー貯蔵体130aでのみ充電がなされるように制御する。即ち、入力電圧が低い状態では、最も上端にある第1エネルギー貯蔵体130aでのみ電圧の充電がなされるように第1スイッチ151aを連結する。
【0057】
図5の場合を説明すると、印加される電圧が120Vで、第1基準電圧が60Vで、第2基準電圧が110Vである場合、制御器153では、比較器153a、制御信号出力器153b及び基準信号出力器153cを利用して第1スイッチ151nを連結させる第1制御信号CP1nを出力することにより、第1〜第nエネルギー貯蔵体130a〜130n全体で充電がなされるように制御する。即ち、入力電圧が高い状態では、全てのエネルギー貯蔵体130a〜130nで電圧の充電がなされるように第1スイッチ151nを連結する。
【0058】
図6は、図2に図示したLED駆動装置において、入力電圧が低い状態でエネルギー貯蔵体を放電してLEDを駆動するためのスイッチング制御部のスイッチング動作を説明する図、図7は、図2に図示したLED駆動装置において、入力電圧が高い状態でエネルギー貯蔵体を放電してLEDを駆動するためのスイッチング制御部のスイッチング動作を説明する図である。
【0059】
図6の場合を説明すると、印加される電圧が50Vで、第1基準電圧が60Vで、第2基準電圧が110Vである場合、制御器153では、比較器153a、制御信号出力器153b及び基準信号出力器153cを利用して第2スイッチ152aを連結させる第2制御信号CP2aを出力することにより、第1エネルギー貯蔵体130aと第1LED140aが連結されるように制御し、これにより、第1エネルギー貯蔵体130aに充電された電圧が第1LED140aに放電されて、第1LED140aが駆動されるように制御する。即ち、入力電圧が低い状態では、最も上端にある第1エネルギー貯蔵体130aでのみ電圧の放電がなされるように第2スイッチ152aを連結する。
【0060】
図7の場合を説明すると、印加される電圧が120Vで、第1基準電圧が60Vで、第2基準電圧が110Vである場合、制御器153では、比較器153a、制御信号出力器153b及び基準信号出力器153cを利用して全ての第2スイッチ151a〜151nを連結させる第2制御信号CP2a〜CP2nを出力することにより、第1〜第nエネルギー貯蔵体130a〜130n全体で放電がなされるように制御する。即ち、入力電圧が高い状態では、全てのエネルギー貯蔵体130a〜130nで電圧の放電がなされるように第2スイッチ152a〜152n全体を連結する。
【0061】
図8(a)は、本発明の一実施形態による電源部から出力される交流電圧の波形、図8(b)は、本発明の一実施形態によるLED駆動装置において第1LEDに流れる電流の波形、図8(c)は、本発明の一実施形態によるLED駆動装置において第2LEDに流れる電流の波形、図8(d)は、本発明の一実施形態によるLED駆動装置において第3LEDに流れる電流の波形を示す。
【0062】
図8(a)〜(d)を参照して、本発明の一実施形態では、三つのエネルギー貯蔵体と三つのLEDとで構成されたLED駆動装置を例として説明する。
【0063】
図8(a)に示すような交流電圧が電源部110から出力されると、電源部110から出力される交流電圧は整流部120を経て電波整流された正弦波形態の直流電圧に変換される。そうすると、電波整流された直流電圧は制御器153に印加され、制御器153が第1及び第2制御信号CP1a〜CP1c、CP2a〜CP2cを出力するようにする。
【0064】
これにより、第1及び第2スイッチ151a〜151c、152a〜152cが選択的に連結されてエネルギー貯蔵体を選択的に充/放電するが、図8(b)及び(d)を参照すると、印加される直流電圧のレベルに関わらず最も上端にある第1LED140aでは電流が流れ続け、電源部110から出力される電圧のレベルに応じて第2及び第3LED140b、140cでは電流が流れたり流れなかったりする動作を繰り返すということが分かる。
【0065】
このように、本発明の一実施形態によるLED駆動装置は、印加される電圧のレベルに応じて充電すべきエネルギー貯蔵体を選択して充電し、それによってLEDを選択的に連結して放電させることにより、発光されるLEDの個数に応じて光の明るさを調節することができる。即ち、本発明の一実施形態によるLED駆動装置は、入力電圧のレベルに応じてLEDの明るさを制御することが可能である。
【0066】
本発明は上述のように好ましい実施形態を挙げて図示及び説明したが、上記の実施形態に限定されず、本発明の思想を外れない範囲内で、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により多様な変更及び修正が可能である。
【符号の説明】
【0067】
100 LED駆動装置
110 電源部
120 整流部
130 エネルギー貯蔵体
140 LED
150 スイッチング制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に連結された一つ以上のエネルギー貯蔵体と、
前記各エネルギー貯蔵体に並列に連結される複数のLEDと、
印加される電圧のレベルに応じて前記一つ以上のエネルギー貯蔵体を選択的に連結して、前記選択されたエネルギー貯蔵体を充/放電させ、前記充/放電動作によって前記LEDの駆動を制御するスイッチング制御部と、
を含むLED駆動装置。
【請求項2】
前記スイッチング制御部は、
前記印加される電圧のレベルに応じて前記一つ以上のエネルギー貯蔵体を選択的に連結して、前記一つ以上のエネルギー貯蔵体を選択的に充電させる請求項1に記載のLED駆動装置。
【請求項3】
前記スイッチング制御部は、
前記印加される電圧のレベルに応じて前記一つ以上のエネルギー貯蔵体と前記LEDとを選択的に連結して、前記一つ以上のエネルギー貯蔵体に充電された電圧を選択的に放電することにより前記LEDを駆動させる請求項1に記載のLED駆動装置。
【請求項4】
前記スイッチング制御部は、
前記各エネルギー貯蔵体の一端と接地との間に連結される一つ以上の第1スイッチと、
前記各エネルギー貯蔵体の他端と前記LEDとの間に連結される一つ以上の第2スイッチと、を含む請求項1に記載のLED駆動装置。
【請求項5】
前記スイッチング制御部は、
前記印加される電圧のレベルに応じて前記第1及び第2スイッチを選択的に動作させるための第1及び第2制御信号を出力する制御器をさらに含む請求項4に記載のLED駆動装置。
【請求項6】
前記制御器は、
前記印加される電圧と予め設定された基準電圧とを比較する比較器と、
前記比較器で比較した結果を利用して前記第1及び第2制御信号を出力する制御信号出力器と、を含む請求項5に記載のLED駆動装置。
【請求項7】
前記スイッチング制御部は、
前記エネルギー貯蔵体が第1〜第nエネルギー貯蔵体で構成され、前記LEDが第1〜第nLEDで構成されて順に並べられた場合、前記印加される電圧のレベルが予め設定された第1基準電圧未満であるとき、前記第1エネルギー貯蔵体に相応する第1スイッチを連結して前記第1エネルギー貯蔵体を充電する請求項5に記載のLED駆動装置。
【請求項8】
前記スイッチング制御部は、
前記エネルギー貯蔵体が第1〜第nエネルギー貯蔵体で構成され、前記LEDが第1〜第nLEDで構成されて順に並べられた場合、前記印加される電圧のレベルが予め設定された第2基準電圧以上であるとき、前記第nエネルギー貯蔵体に相応する第1スイッチを連結して前記第1〜第nエネルギー貯蔵体を充電する請求項5に記載のLED駆動装置。
【請求項9】
前記スイッチング制御部は、
前記第1エネルギー貯蔵体の充電が完了すると、前記第1エネルギー貯蔵体に相応する第2スイッチを連結して前記第1エネルギー貯蔵体に充電された電圧を放電させ、前記放電された電圧を前記第1LEDに印加して前記第1LEDを駆動させる請求項7に記載のLED駆動装置。
【請求項10】
前記スイッチング制御部は、
前記第1〜第nエネルギー貯蔵体の充電が完了すると、前記第1〜第nエネルギー貯蔵体に相応する第2スイッチを連結して前記第1〜第nエネルギー貯蔵体に充電された電圧を放電させ、前記放電された電圧を前記第1〜第nLEDに印加して前記第1〜第nLEDを駆動させる請求項8に記載のLED駆動装置。
【請求項11】
前記第1基準電圧は、前記第2基準電圧より小さく設定されている請求項9に記載のLED駆動装置。
【請求項12】
前記エネルギー貯蔵体は、キャパシタ、二次電池、ウルトラキャパシタまたはスーパーキャパシタから選択された何れか一つである請求項1に記載のLED駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74295(P2013−74295A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−211092(P2012−211092)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】