説明

OLED光治療装置

本発明は、複数の透明なパネルにより画定される制御された環境と、制御された環境に光を投射する少なくとも1つの発光ダイオード部とを有する光治療装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児又は他の患者のためのインキュベータに基づく光治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の測定によると、通常の新生児の60%は、人生の最初の一週間に黄疸(高ビリルビン血症)を発症する。黄疸である新生児の殆どは他の点では健康であるが、ビリルビンが中枢神経系に対して潜在的に有害であるため、彼等は、必要に応じて、モニタリング及び治療する必要がある。
【0003】
光治療は、新生児の黄疸の治療のための処置の標準的なものである。光治療は、ビリルビンの形状及び構造を変える光エネルギーを用いて、排泄することが可能な分子に変換することにより、血清ビリルビンの濃度を低下させることができる。光治療の有効性は、光のスペクトル及び強度により主に決定される。
【0004】
一部の実施例においては、光治療は、インキュベータの上方に位置付けられているスタンドに備えられた光ユニットを介して患者に光を供給するインキュベータを介して患者に適用される。しかしながら、そのような既存のシステムは、大型の外部光ユニットを必要とする。その光ユニットは、かなりの量の空間を占め、ワークフロー関連の障害を与える。他の非効率性は、光治療処置装置にも存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、有機発光ダイオード(OLED)を有する発光部及び筐体を用いる、患者に光治療を提供する装置に関する。筐体は、例えば、幼児等の患者を受け入れる及び/又は収容する環境及び/又は受け入れ空間を規定することが可能である。OLEDは、制御された環境/受け入れ空間に光を投射することが可能である。
【0006】
筐体は、頂部、底部及び複数の側部を有し、側部の各々は頂部及び底部に接続することが可能である。一部の実施形態においては、筐体の頂部、底部及び側部の1つ又は複数が透明パネルであることが可能である。一部の実施形態においては、透明であるように所望される筐体のパネル又は他の部分は、例えば、ガラス、アクリルガラス(例えば、プレキシガラス)及び/又は他の透明な材料から成ることが可能である。
【0007】
一部の実施形態においては、筐体は、制御された環境及び/又はそこに位置付けられた何れかの患者にアクセスすることができる、1つ又は複数の開口を有することが可能である。一部の実施形態においては、筐体の1つ又は複数の部分/パネルは、患者(例えば、幼児)が制御された環境/受け入れ空間内に位置付けられる及びその空間から移動されることが可能であるように、移動可能である(例えば、取り外し可能である、他の部分/パネルにヒンジ付け可能である、等)。
【0008】
装置の照明部は、制御された環境/受け入れ空間内に光を投射する。本明細書で説明するように、照明部は、エネルギー供給されるときに光を発する有機発光ダイオード(OLED)を有するパネルを有することが可能である。一部の実施形態においては、光治療のための光を投射するように用いられるOLEDは、エネルギー供給されないときに、透明であることが可能である。有機発光ダイオードは、複数の層及び何れかの関連する電気的構成要素を有することが可能である。
【0009】
一部の実施形態においては、照明部は、制御された環境内に400nm乃至550nmの範囲内の波長を有する光を投射することが可能である。400nm乃至550nmの範囲内の波長は、患者の黄疸の治療で有効であるために、用いられることが可能である。しかしならが、一部の実施形態においては、他の波長及び他の波長の範囲を有する光を用いることが可能である。
【0010】
一部の実施形態においては、照明部は、10乃至35μW/cm/nmの範囲内の放射照度を与える光を制御された環境に投射することが可能である。10乃至35μW/cm/nmの範囲内の放射照度は、患者の黄疸の治療のために適切な放射照度を与えることが可能である。しかしながら、他の放射照度又は他の放射照度の範囲を用いることも可能である。
【0011】
一部の実施形態においては、照明部は、1500Lm乃至2000Lmの範囲内の強度の光を制御された環境に投射することが可能である。
【0012】
一部の実施形態においては、単独のOLEDパネルが照明部として用いられることが可能である。一部の実施形態においては、光治療のための所望の光の強度を得るように、本発明の照明部のために用いられるOLEDパネルは、特定の表面積を有する必要がある。これは、所与のタイプのOLED技術により達成される光の強度に依存し得る。例えば、一部の実施例においては、0.5mのOLED表面積が、1500乃至2000Lmの強度を得るのに必要である。一部の実施例においては、複数のOLEDパネルが、所望の光の強度を得るのに必要である。複数のOLEDパネルが、他の目的のためにも用いられることが可能である。
【0013】
一部の実施形態においては、OLEDパネルは、筐体の頂部に取り付けられることが可能である。一部の実施形態においては、OLEDパネルは、頂部以外の筐体の部分(例えば、底部及び/又は側部)に位置付けられることが可能である。
【0014】
本発明の上記の及び他の目的、特徴及び特性、動作方法、構造の関連要素の機能、構成要素の組み合わせ並びに製造の経済性について、添付図を参照して、以下の説明及び特許請求の範囲を考慮するときにより、より明らかになり、それらの全ては本明細書の一部を構成し、同じ参照番号は複数の図において対応する構成要素を表す。しかしながら、図は例示目的のためのものであり、詳細説明は、本発明の制限を規定するように意図されていないことが、明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の複数の実施形態に従った光治療装置の実施例を示す図である。
【図2A】本発明の複数の実施形態に従った光治療装置の実施例を示す図である。
【図2B】本発明の複数の実施形態に従った光治療装置の実施例を示す図である。
【図3】本発明の複数の実施形態に従った有機発光装置の実施例を示す図である。
【図4】本発明の複数の実施形態に従った光治療装置の実施例を示す図である。
【図5】本発明の複数の実施形態に従った光治療装置の実施例を示す図である。
【図6】本発明の複数の実施形態に従った、OLED装置を有するパネルの断面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一態様は、筐体及び有機発光ダイオードを用いて、患者に光治療を提供する装置を提供する。図1は、本発明の複数の実施形態に従う光治療装置100を示している。光治療装置100は、筐体101と、照明部103とを有する。筐体101は、例えば、幼児等の患者を受け入れる及び/又は収容するための環境及び/又は受け入れ空間105を画定する。照明部103は、制御された環境/受け入れ空間105に光を投射する。
【0017】
筐体100は、頂部107a及び底部107b(即ち、図1に示すように筐体101の下側)を有することが可能である。一部の実施形態においては、頂部107aは、底部107bに対して平行な頂部パネルを有することが可能である。一部の実施形態においては、頂部107aは複数のパネルを有することが可能である。例えば、図2Aは、本発明の複数の実施形態に従った光治療装置200であって、頂部201は複数のパネル201a乃至201e(パネル201bは図2Aにおいて隠れている)を有する、光治療装置200を示している。図2Aに示しているように、パネル201aのみが底部203に対して平行であるが、一部の実施形態においては、本発明に従った筐体の頂部のパネルの何れも、筐体の底部に対して平行である必要はない。例えば、図2Bは、本発明の複数の実施形態に従った光治療装置250であって、頂部251はパネル251a及び251bを有し、それらの何れも、底部(図示せず)に対して平行でない。本発明は、筐体が患者を受け入れるのに適切である何れかの形状を有することが可能であることも考慮する。
【0018】
図1を参照するに、一部の実施形態においては、底部107bは底部パネルを有することが可能である。一部の実施形態においては、患者が位置付けられることが可能であるクッション109又は他の要素が、底部107bの上面上の制御された環境内に備えられることが可能である。
【0019】
筐体101は、側部107c(即ち、図1の裏面パネル)、107d(即ち、図1の前面パネル)、107e(即ち、図1の左側パネル)及び107f(即ち、図1の右側パネル)を有することが可能であり、それらのパネルの各々は、頂部107a及び底部107bに接することが可能である。一部の実施形態においては、側部107c、107d、107e及び107fは複数の平坦なパネルを有することが可能である。一部の実施形態においては、側部107c、107d、107e及び107fの1つ又は複数のパネルを有することが可能である。一部の実施形態においては、上方から見られるときに筐体が矩形形状にあるように、一部の側部は他の側部より長い(例えば、側部107c及び107dは側部107e及び107fより長い)ことが可能である。一部の実施形態においては、異なるサイズ/形状を有する筐体の一部のために図のような見え方又は他の見え方で見られるときに、筐体は他の形状にあることが可能である。
【0020】
一部の実施形態においては、筐体101の複数のパネル107の1つ又は複数が透明なパネルであることが可能である。一部の実施形態においては、筐体101が一般に、透明な筐体であるように、パネルの全てが透明であることが可能である。一部の実施形態においては、透明であるように所望される筐体101のパネル又は他の部分は、例えば、ガラス、アクリルガラス(例えば、プレキシガラス)及び/又は他の透明な材料から成ることが可能である。
【0021】
一部の実施形態においては、筐体101は、筐体において1つ又は複数の開口部であって、それらの開口部は制御された環境及び/又はその筐体内に位置付けられた何れかの患者にアクセスすることができる、開口部を有することが可能である。例えば、図1は、側部107dは開口部111a及び111bを有することが可能である。一部の実施形態においては、筐体の一部における開口部は、当該技術分野で知られている筐体内に伸ばすことができる、一体的に形成された手袋が備えられることが可能である。例えば、図5は、開口501a及び501bを有する光治療装置500を示している。手袋503a及び503bは501a及び501bのそれぞれに関連し、故に、ユーザ(例えば、医療従事者、両親、介護人等)が、アイテム及び/又は制御された環境(例えば、幼児の及び何れかの関連衣服並びに/若しくは装置)を汚染することなく、制御された環境下でアイテムにアクセス及び/又は操作する(即ち、手袋503a及び503bの開いている部分は、開口501a及び501bのそれぞれに対して密閉されていて、故に、ユーザの手の皮膚は制御された環境に曝されない)ことが可能である。
【0022】
一部の実施形態においては、患者が制御された環境105内に位置付けられる及びその環境から移動されることが可能であるように、筐体101の1つ又は複数の部分/パネルは移動可能である(例えば、取り外し可能である、他の部分/パネルに対してヒンジで動かされることが可能である、等)。例えば、頂部パネル107aは、例えば、1つ又は複数のヒンジにより何れかの側部パネル(例えば、パネル107c、107d、107e又は107f)に接続されることが可能である。図5は、制御された環境内に幼児及び/又は何れかの関連器具(例えば、医療機器又はその部品)を位置付ける(及び、制御された環境から外す)ように開口509を備えることが可能であるように、ヒンジ507により背面部(図5では隠れている)に接続された頂部505aを有することが可能である光治療装置500を示している。
【0023】
照明部103は、制御された環境105に光を投射する。一部の実施形態においては、照明部105は、エネルギー供給されるときに光を発する少なくとも1つの有機発光ダイオード(OLED)パネルを有することが可能である。照明部103は、少なくとも1つのOLEDパネルに電力を供給することが可能であるリード線113を有することが可能である。一部の実施形態においては、リード線113は、少なくとも1つのOLEDパネルにエネルギー供給するように、電源(例えば、ACコンセント、バッテリ又は他のDC電源、若しくは他の電源)からの電気的結合を与えることが可能であるコネクタ115に少なくとも1つのOLEDパネルを接続することが可能である。一部の実施形態においては、照明部103は、少なくとも1つのOLEDパネルに選択的にエネルギー供給する及びエネルギー供給を止めるようにスイッチ(図示せず)を有することが可能である。複数のOLEDパネルが用いられる実施形態においては、複数のOLEDパネルの各々は、各々のOLEDパネルが選択的にエネルギー供給/エネルギー供給止めすることが可能であるように、OLEDパネルをエネルギー供給/エネルギー供給止めする別個のスイッチ又は他の機構を有することが可能である。
【0024】
複数のOLEDの数及び間隔は変更可能であり、本発明はこの点に限定されるものではない。一部の実施形態においては、光治療のための光を投射するように用いられるOLEDは、エネルギー供給されないときに透明であることが可能である(即ち、OLEDを構成する複数の層は各々、OLEDがエネルギー供給されないときに、透明であることが可能である)。有機発光ダイオードは、複数の層及び何れかの関連する電気的構成要素を有することが可能である。図3は、本発明の実施形態に従ったOLED300の例を示している。OLED300は、本明細書の他の図に対してスケーリングして描かれていない。OLED300は、例えば、陰極301、発光層303(有機分子又は高分子を有することが可能である)、導電層305(有機分子又は高分子を有することが可能である)、陽極307、基板309(例えば、ガラス)及び/又は他の層又は構成要素を有することが可能である。本発明に従った光治療装置で用いられるOLEDは、光を生成するのに必要な又は所望される何れかの結線、電源及び/又は他の構成要素を有することも可能である。
【0025】
一部の実施形態においては、照明部103は、制御された環境105に400nm乃至550nmの範囲内の波長を有する光を投射することが可能である。400nm乃至550nmの範囲内の波長は、患者の黄疸の治療に有効であるために、用いられることが可能である。しかしながら、一部の実施形態においては、他の波長又は波長範囲を有する光が用いられることが可能である。
【0026】
一部の実施形態においては、照明部は、10乃至35μW/cm/nmの範囲内の放射照度を与える光を、制御された環境に投射することが可能である。10乃至35μW/cm/nmの範囲内の放射照度は、患者の黄疸の治療のために適切な放射照度を与えることが可能である。
【0027】
一部の実施形態においては、照明部103は、1500Lm乃至2000Lmの範囲内の強度の光を制御された環境105に投射することが可能である。
【0028】
一部の実施形態においては、単独のOLEDパネルが照明部として用いられることが可能である。例えば、図1は、単独のパネルが照明部103として用いられ、頂部107aに取り付けられていることを示している。照明部103のOLEDパネルは少なくとも1つの発光面を有する。一部の実施形態においては、OLEDパネルは、少なくとも一部の光を発する2つの面を有することが可能であるが、それらの面の一の面は主発光面であり、一の面は“暗い”面とみなされる(たとえその面があるレベルの光を発することが可能であっても)。一部の実施形態においては、暗い面(又は非主発光面)は何れかの光を発することが可能でない。一部の実施形態においては、OLEDパネルの暗い面は、OLEDパネルの発光面が制御された環境に直接、曝され、故に、光が、OLEDパネルから制御された環境105に直接、投射されるように、筐体101のパネルの内側面に備えられることが可能である。
【0029】
一部の実施形態、特に、筐体101の少なくとも一部が透明な材料から成る実施形態においては、OLEDパネルの発光面は、OLEDパネルから投射される光が、制御された環境105に入いる前に、少なくとも1つの透明な部分を完全に透過する必要があるように、筐体101の少なくとも1つの透明な部分(例えば、図1に示されているパネル107)の外側面に備えられることが可能である。筐体の外側面にOLEDパネルを備えることは、OLEDパネルの容易な取り外し及び取り替え(例えば、損傷したOLEDパネルを取り替えるための)の有利点を与えることが可能である。勿論、筐体101の内側面にOLEDパネルを備えることは、その内側面が容易にアクセス可能である(例えば、筐体101の他の部分に対してヒンジ付けされている)場合には、同様に容易な簡便さを提供することが可能である。
【0030】
一部の実施形態においては、OLEDパネル(例えば、図1に示すパネル107a)は、照明部103のOLEDパネルの発光面からの光が、制御された環境105に入る前に、筐体101の一部を透過する必要があるように、筐体101の一部の層に又は複数の層間に具現化される又は一体化されることが可能である。図6は、本発明の複数の実施形態に従った光治療装置の筐体のパネル600の断面を示している。パネル600は、本明細書の他の図に対してスケーリングして示されていない。パネル600は、透明な材料(例えば、ガラス、アクリルガラス等)から成り、OLEDパネル603のための面として機能することが可能である、内側部分601を有する。OLEDパネル603は、陽極605、導電層607、発光層609、陰極611及びリード線613(OLED603の回路を完成させる役割を果たすことが可能である)を有することが可能である。パネル600は、透明な材料から成ることも可能である外側部分615を有することも可能である。一部の実施形態においては、筐体に一体化されたOLEDパネルは、筐体とは別個の基板を有することが可能である。これは、より簡便な及び/又はコストパフォーマンスがより高いOLEDパネルと置き換える又はそのOLEDパネルに調整することが可能である。
【0031】
従って、一部の実施形態において、照明部103は一体化されて、パネルの1つ(例えば、上パネル107a)の一部を構成することが可能である。一部の実施形態においては、照明部は、パネルの1つの上部(例えば、パネル107aの上部)に位置付けられた、又はパネルの1つの内側面に備えられた(例えば、頂部パネル107aの下面に備えられた)別個のユニットであることが可能である。そのように別個の照明部103を備えることは、接着剤による接続、ボルト、ねじ、ファスナ及び/又は他の接続により行うことが可能である、それらの実施形態の何れかについて、照明部103が、筐体のパネルと一体的に形成される、又は筐体とは別個に形成され、次いでその筐体と結合される場合、照明部103は筐体101“上に”備えられる。
【0032】
一部の実施形態においては、光治療のための光の所望の強度を得るように、本発明の照明部のために用いられるOLEDパネルは、特定の表面積を有する必要がある。これは、所与のタイプのOLED技術により得られる光の強度に依存し得る。例えば、一部の例においては、0.5mのOLED表面積が、1500乃至2000Lmの強度を達成するのに必要である。一部の実施形態においては、複数のOLEDパネルが、所望の光の強度を得るのに必要である。複数のOLEDパネルを同様に、他の目的で用いることが可能である。図1は1つのOLEDパネルを示している一方、複数のOLEDパネルは頂部107aに沿って間隔を空けられることが可能である。図2Aは、光治療装置200の照明部203がOLEDパネル203a乃至203eを有する(OLEDパネル203bは隠れていて、故に、図2Aにおいては符号付けされていない)ことを示している。図2Bは、光治療装置250の照明部253がOLEDパネル253a及び253bを有することを示している。
【0033】
一部の実施形態においては、OLEDパネルは、頂部以外の筐体101の部分に位置付けられることが可能である。一例においては、底部107bのOLEDパネルの位置は、患者の皮膚の大きい表面積を光に曝し得、それにより、治療の効果を高めることが可能である。一部の実施形態においては、筐体101の1つ又は複数の部分(例えば、部分107a乃至107f)は、患者に1つ又は複数のOLEDパネルから患者により良好に光を投射するように角度決めされた及び/又は方向付けされた面を有することが可能である。図4は、光治療装置400であって、照明部403aは、筐体401の頂部401aに備えられた第1OLEDパネル403aと、底部401bの方の側部401c乃至401fにおいて備えられた付加的なOLEDパネル403c乃至403fを有する、光治療装置400を示している。この位置に付加的なOLEDパネルを位置付けることは、患者により多い光照射をもたらし、アクセス開口405a及び405bの位置との干渉を回避する。
【0034】
本発明については上で、現在、最も実際的で好適な実施形態であるとみなされるものに基づいて、例示目的で説明しているが、そのような詳細は単に例示目的であって、本発明は開示されている実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲における範囲及び主旨から逸脱することなく、同等な構成及び変形をカバーするように意図されていることを理解することができる。例えば、本発明は、可能な範囲内で、何れかの実施形態の1つ又は複数の特徴が何れかの他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わされることが可能であることが理解される必要がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幼児を受け入れる受け入れ空間を囲む筐体部であって、透明な材料を少なくとも一部が有する、筐体部;及び
前記筐体部に取り付けられた少なくとも1つの照明部であって、エネルギー供給されるときに、400nm乃至550nmの範囲内の波長を有し、10μW/cm/nm乃至35μW/cm/nmの範囲内の放射照度を有する光を投射する少なくとも1つの発光ダイオード部を有する、少なくとも1つの照明部;
を有する光治療装置。
【請求項2】
前記筐体部は、前記筐体部に取り付けられた少なくとも1つの手袋部を有する少なくとも1つの開口を有し、ユーザは、前記少なくとも1つの手袋部を用いて前記受け入れ空間内で1つ又は複数のオブジェクトを操作することができる、請求項1に記載の光治療装置。
【請求項3】
前記開口部の少なくとも一部は、開口を通って幼児が移動できる開口を備えるように、移動可能であり、前記幼児は前記受け入れ空間内に位置付けられて、前記受け入れ空間から移動されることが可能である、請求項1に記載の光治療装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの発光ダイオード部は、エネルギー供給されないときに、透明である、請求項1に記載の光治療装置。
【請求項5】
前記筐体部は、頂部と、前記頂部に平行に備えられた底部と、4つの側部とを有し、前記4つの側部は、互いに平行に備えられた2つの長い側部と、互いに平行に備えられた2つの短い側部とを有する、請求項1に記載の光治療装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの照明部は前記筐体部の外側面にある、請求項1に記載の光治療装置。
【請求項7】
前記照明部は、前記受け入れ空間に光を投射する少なくとも1つの発光面を有し、前記少なくとも1つの照射部は前記筐体部の一部に一体化され、前記照明部の少なくとも前記発光面は前記筐体部の透明な材料により覆われている、請求項1に記載の光治療装置。
【請求項8】
前記照明部は、前記受け入れ空間に光を投射する少なくとも1つの発光面を有し、前記照射部は前記筐体部の内側面に取り付けられている、請求項1に記載の光治療装置。
【請求項9】
前記照明部は2つ又はそれ以上の発光ダイオード部を有し、少なくとも第1発光ダイオード部は前記筐体部の前記頂部に取り付けられ、少なくとも第2発光ダイオード部は前記筐体部の前記底部に取り付けられている、請求項5に記載の光治療装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの発光ダイオード部は有機発光ダイオード部を有する、請求項1に記載の光治療装置。
【請求項11】
複数の透明なパネルにより画定される制御された環境;及び
400nm乃至550nmの範囲内の波長を有し、10μW/cm/nm乃至35μW/cm/nmの範囲内の放射照度を有する光を投射する少なくとも1つの照明部であって、エネルギー供給されるときに、光を投射する少なくとも1つの発光ダイオード部を有する、少なくとも1つの照明部;
を有する光治療装置。
【請求項12】
前記複数の透明なパネルは、少なくとも1つの開口に取り付けられた少なくとも1つの手袋部を有する少なくとも1つの開口を有し、ユーザは、前記少なくとも1つの手袋部を用いて、前記制御された環境内で1つ又は複数のオブジェクトを操作することができる、請求項11に記載の光治療装置。
【請求項13】
前記複数の透明なパネルの少なくとも1つのパネルは、開口を通って幼児が移動できる開口を備えるように、移動可能であり、前記幼児は前記制御された環境内に位置付けられて、前記制御された環境から移動されることが可能である、請求項11に記載の光治療装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの発光ダイオード部は、エネルギー供給されないときに、透明である、請求項11に記載の光治療装置。
【請求項15】
前記複数の透明なパネルは:
頂部パネル;
前記頂部パネルに平行に備えられた底部パネル;及び
互いに平行に備えられた2つの長い側部パネルと、互いに平行に備えられた2つの短い側部パネルとを有する、4つの側部パネル;
を少なくとも有する、請求項11に記載の光治療装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの照明部は前記頂部パネルにある、請求項15に記載の光治療装置。
【請求項17】
前記照明部は頂部及び底部を有し、前記照明部の少なくとも前記底部は前記制御された環境に光を投射し、前記少なくとも1つの照明部は、前記複数の透明なパネルの少なくとも1つのパネルに一体化され、前記照明部の少なくとも前記底部は透明な材料により覆われている、請求項11に記載の光治療装置。
【請求項18】
前記照明部は頂部及び底部を有し、少なくとも前記底部は前記制御された環境に光を投射し、前記少なくとも1つの照明部は、前記頂部パネルの前記複数の透明なパネルの面の少なくとも1つの内側面に取り付けられている、請求項11に記載の光治療装置。
【請求項19】
前記照明部は2つ又はそれ以上の発光ダイオード部を有し、少なくとも第1発光ダイオード部は前記頂部パネルに取り付けられ、少なくとも第2発光ダイオード部は前記底部パネルに取り付けられている、請求項15に記載の光治療装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの発光ダイオード部は有機発光ダイオード部を有する、請求項11に記載の光治療装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−532647(P2012−532647A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519085(P2012−519085)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052735
【国際公開番号】WO2011/004277
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】