説明

PCV2マイコプラズマ・ハイオニューモニエ免疫原性組成物および前記組成物の製造方法

M.hyo感染の罹患率を低下させるかもしくはその重症度を軽減するのに有効な免疫物質、好ましくはM.hyoバクテリンまたは、M.hyoバクテリンおよびブタにおける他の病原体の少なくとも1つの免疫原性活性成分、好ましくはPCV2を含む免疫原性組成物であって、前記多価ワクチンの好ましいPCV2抗原がPCV2 ORF2タンパク質である前記免疫原性組成物を含む多価組み合わせワクチンが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、米国仮出願番号第61/023,086号(出願日:2008年1月23日)および米国仮出願番号第61/025,293号(出願日:2008年1月31日)に基づく優先権の利益を主張する。これらの両出願の教示および内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明の一側面において、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)(M.hyo)による感染に対する免疫反応を誘導するのに有効な免疫原性組成物が提供される。より具体的には、本発明は、免疫原性組成物が投与された動物を保護し、M.hyo感染と関連する臨床症状の罹患率を低下させるかまたはその重症度を軽減する免疫反応を誘導、誘発または提供するのに有効な免疫原性組成物に関する。さらにより具体的には、本発明は、細胞抗原、好ましくはM.hyo感染に対する防御免疫反応を引き起こすバクテリンをその中に含む免疫原性組成物に関する。さらにより具体的には、本発明は、M.hyoバクテリンを含む免疫原性組成物であって、バクテリンの投与がM.hyo感染に対する防御免疫反応を引き起こす前記免疫原性組成物に関する。最も具体的には、本発明は、免疫原性組成物が投与されたブタにおいて防御免疫反応を引き起こすのに有効な免疫原性組成物であって、前記組成物の用量が少なくとも1.22という相対力価(RP)を有するM.hyoバクテリンを含む前記組成物に関する。さらに、前記免疫原性組成物の製造方法および投与方法が提供される。
【0003】
本発明の他の側面において、ブタサーコウイルス2(PCV2)による感染に対する免疫反応を誘導するのに有効な免疫原性組成物が提供される。より具体的には、本発明は、PCV2感染と関連する臨床症状の罹患率を低下させるかまたはその重症度を軽減することによって、免疫原性組成物が投与された動物を保護する免疫反応を提供するのに有効な免疫原性組成物に関する。よりさらに具体的には、本発明は、PCV2による感染に対する防御免疫反応を引き起こすタンパク質ベースの免疫原性組成物に関する。さらにより具体的には、本発明は、PCV2のORF2を含む免疫原性組成物であって、PCV2-ORF2の投与がPCV2による感染に対する防御免疫反応を引き起こす前記免疫原性組成物に関する。最も具体的には、本発明は、免疫原性組成物が投与されたブタにおいて防御免疫反応を引き起こすのに有効な免疫原性組成物であって、PCV2のORF2によって発現されるタンパク質を含み、RP値少なくとも1.38を有する前記組成物に関する。さらに、本発明は、前記免疫原性組成物の製造方法および投与方法を提供する。
【0004】
本発明の他の側面において、組み合わせ免疫原性組成物、組み合わせワクチンまたは多価免疫原性組成物もしくはワクチンが提供される。より具体的には、本発明は、ブタのM.hyoおよび少なくとも1つの他の病原体による感染に対する免疫反応を誘導するのに有効な免疫原性組成物を提供する。さらにより具体的には、本発明は、M.hyo感染に対する免疫反応の誘導およびPCV2感染に対する免疫反応の誘導に有効な組成物を提供する。好ましくは、M.hyoおよびPCV2に対する免疫反応は、それぞれの病原体と関連する臨床徴候または症状の罹患率を低下させるかまたはその重症度を軽減するのに有効であり、それらを予防するのにも有効である。このような免疫原性組成物の好ましい形態において、そのM.hyo部分はRP値少なくとも1.22を有し、そのPCV2部分はRP値少なくとも1.38を有する。本発明はさらに、前記組成物の製造方法および投与方法を提供する。
【背景技術】
【0005】
従来の技術
マイコプラズマ・ハイオニューモニエは、マイコプラズマ科に分類される小さな細菌(400〜1200nm)である。M.hyoは、肥育豚および成豚において一般的に見られるブタ呼吸器疾患である流行性肺炎(Enzootic Pneumonia)と関連する。M.hyoは気管および肺の上皮細胞の繊毛を冒し、繊毛の繊毛打を停止させ(繊毛静止)、最終的に肺領域の虚脱を引き起こす。疾患の程度に応じて、感染豚の1日当たりの生体重増加は17%に至るまで低下する恐れがある。流行性肺炎はブタ集団に広く行きわたっており、ほぼすべてのブタ集団に存在している。M.hyoは、PRRSVおよび他の呼吸器病原体の肺への侵入を助長する一次病原体と考えられている。3つの異なる株、232、Jおよび7448のゲノムが配列決定されている(Minion et al., J. Bacteriol. 186: 7123-33, 2004; Vasconcelos et al., J. Bacteriol. 187: 5568-77, 2005)。
【0006】
ブタサーコウイルス2型(PCV2)は小さな(直径17〜22nm)、二十面体の、エンベロープを持たないDNAウイルスであり、一本鎖環状ゲノムを有する。PCV2は、ブタサーコウイルス1型(PCV1)とおおよそ80%の配列同一性を有する。しかしながら、一般に無毒であるPCV1とは対照的に、PCV2に感染したブタは、一般に離乳後多臓器消耗症候群(PMWS)と呼ばれる症候群を示す。PMWSは、臨床的には、消耗、皮膚蒼白、活力減退、呼吸窮迫、下痢、および黄疸(icterus、jaundice)を特徴とする。感染ブタにおいては、すべての症状の組み合わせが現れるものもあるが、これらの症状の1つまたは2つのみが現れるものもある。剖検に際しては、複数の組織および器官に顕微鏡的病変および肉眼的病変もまた現れるが、リンパ組織が最も一般的な病変部位である。PCV2核酸または抗原の量と顕微鏡的なリンパ病変の重症度との間には強い相間が観察されている。PCV2に感染したブタの死亡率は、ほぼ80%に上りうる。PMWSに加えて、仮性狂犬病、ブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)、グラッサー病、連鎖球菌性髄膜炎、サルモネラ症、離乳後大腸菌症、食餌性肝臓病および化膿性気管支肺炎を含む多くの他の感染とPCV2が関連付けられてきた。
【0007】
SDS-PAGEゲルで電気泳動した場合におよその分子量30kDaを示すPCV2のオープンリーディングフレーム2(ORF2)タンパク質は、従来PCV2ワクチンの抗原成分として用いられてきた。このようなワクチンに使用するORF2を得るための典型的な方法は、一般に、ORF2をコードするPCV2 DNAを増幅し、ORF2 DNAを含むウイルスベクターにトランスフェクトし、ORF2 DNAを含むウイルスベクターを細胞に感染させ、細胞内でウイルスにORF2タンパク質を発現させ、細胞溶解によって細胞からORF2タンパク質を抽出することからなる。これらの手順は、一般に、ウイルスベクターによる細胞の感染後最大約4日かかる。しかしながら、これらの手順は、抽出法に費用と時間がかかるという不都合を有する。さらに、細胞から回収されるORF2の量は十分高いとは言えず、従って、ワクチンなどに使用する組換え発現タンパク質の十分な量を得るためには、多数の細胞が多数のウイルスベクターによって感染される必要がある。
【0008】
従って、PCV2感染およびM.hyo感染と関連する臨床徴候に対する防御免疫反応を引き起こすか、その罹患率を低下させるおよび/またはその重症度を軽減するか、またはそれを予防する免疫原性組成物が当該技術分野で求められている。特に、このようなワクチンの単回投与後に、PCV2感染およびM.hyo感染と関連する臨床徴候に対する防御免疫反応を引き起こすか、その罹患率を低下させるおよび/またはその重症度を軽減するか、またはそれを予防するための十分な量のM.hyo抗原およびPCV-2抗原を含む組み合わせワクチンが当該技術分野で求められている。このようなワクチンにより、ブタワクチンのコンプライアンスが改善されると考えられる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、先行技術に内在する問題を克服し、最新技術に明確な進歩を提供する。本発明の一側面において、ブタにおいてM.hyoに対する防御免疫反応を誘導するための免疫原性組成物が提供される。好ましくは、本免疫原性組成物はブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む。よりさらに好ましくは、1回当たりのM.hyo抗原量は少なくとも1.22という値の相対力価(RP)を有し、1.22という値の相対力価は、前記M.hyo抗原量の40分の1(1/40)が投与されたマウスの95%、好ましくは100%が、M.hyo特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する。従って、処理後21日以内または21日目に、少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて、検出可能なM.hyo特異的抗体反応を誘導するのに必要なM.hyo抗原量の40倍が、ブタサーコウイルス2型抗原と共に投与した場合にM.hyo感染と関連する臨床徴候に対する防御免疫反応を引き起こすかその罹患率を低下させるおよび/またはその重症度を軽減するかまたはそれを予防するのに十分である。すなわち、混合し、組み合わせワクチンとして投与する場合、前述のM.hyo抗原量はPCV2抗原との任意の負の干渉を克服することができることが示されている。本発明はまた、ブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む免疫原性組成物であって、1回当たりのM.hyo抗原量が少なくとも1.22という値の相対力価(RP)を有し、前記1.22というRP値は、処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて検出可能なM.hyo特異的抗体反応を誘導するのに必要なM.hyo抗原量の40倍に相当する、前記免疫原性組成物にも関する。いくつかの好ましい形態において、組成物は、さらにアジュバントを含有するかまたは含む。種々のアジュバントが本発明に有用と考えられ、当業者はそれを選択することができるが、カルボマーが、よりさらに好ましくはカルボポル(Carbopol)が特に好ましい。好都合には、本発明の免疫原性組成物は、単回投与でブタに投与した場合、M.hyo感染と関連する臨床徴候に対する防御免疫反応を引き起こすか、その罹患率を低下させるおよび/またはその重症度を軽減するかまたはそれを予防する。ブタに投与する場合、このような単回投与は、少なくとも100、より好ましくは少なくとも110、よりさらに好ましくは少なくとも120、よりさらに好ましくは少なくとも130、よりさらに好ましくは少なくとも140、よりさらに好ましくは少なくとも150、よりさらに好ましくは少なくとも160、よりさらに好ましくは少なくとも170、よりさらに好ましくは少なくとも180、最も好ましくは少なくとも184日間の免疫持続期間を誘導する。すなわち、本発明の免疫原性組成物の1回の投与は、ブースターまたは後続投与なしで、動物または動物群に、少なくとも100(110、120、130、140、150、160、170、180など)日間、最も好ましくは少なくとも184日間の、M.hyo感染の臨床徴候の罹患率の低下またはその重症度の軽減をもたらす。抗体検出アッセイに関しては、当業者は適切な製品を特定し用いることができる。ELISAアッセイ、特にIDEXX Herdchek M.hyo Test Kit (IDEXX Laboratories社、メイン州ウェストブルック)が好ましい。特に、IDEXX Herdchek M.hyo Test Kit(IDEXX Laboratories社、メイン州ウェストブルック)を本発明の参照アッセイとして用いた。
【0010】
本発明の他の側面において、ブタにおいてPCV2に対する防御免疫反応を誘導するための免疫原性組成物が提供される。好ましくは、免疫原性組成物は、ブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む。よりさらに好ましくは、1回当たりのPCV2抗原量は少なくとも1.38という値の相対力価(RP)を有し、1.38という相対力価は、前記PCV2抗原量の20分の1(1/20)が投与されたマウスの少なくとも85%が、PCV2特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する。好ましくは、1.38という相対力価値は、前記PCV2抗原量の10分の1(1/10)が投与されたマウスの少なくとも95%、好ましくは100%が、PCV2特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する。従って、検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原量の20倍は、処理後21日以内または21日目にマウスの少なくとも85%において、あるいは、好ましくは、検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原量の10倍は、処理後21日以内または21日目にマウスの少なくとも95%、好ましくは100%において、M.hyo抗原と共に投与する場合、PCV2感染と関連する臨床徴候に対する防御免疫反応を引き起こすか、その罹患率を低下させるおよび/またはその重症度を軽減するかまたはそれを予防するのに十分であることが示されている。すなわち前述のPCV2抗原量は、混合し、組み合わせワクチンとして投与する場合、M.hyo抗原との任意の負の干渉を克服することができることが示されている。従って、本発明はまた、ブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む免疫原性組成物であって、1回当たりのPCV2抗原量が少なくとも1.38という相対力価(RP)値を有し、前記RP値1.38は、処理後21日以内または21日目に少なくとも85%のマウスにおいて検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なM.hyo抗原量の20倍に相当する前記免疫原性組成物にも関する。他の側面によれば、本発明はまた、ブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む免疫原性組成物であって、1回当たりのPCV2抗原量が少なくとも1.38という相対力価(RP)値を有し、前記RP値1.38は、処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原量の10倍に相当する前記免疫原性組成物にも関する。
【0011】
この実施形態のいくつかの好ましい形態において、組成物は、さらにアジュバントを含有するかまたは含む。種々のアジュバントが本発明に有用と考えられ、当業者はそれを選択することができるが、カルボマーが、よりさらに好ましくはカルボポルが特に好ましい。好都合には、本発明の免疫原性組成物は、単回投与でブタに投与する場合、PCV2感染と関連する臨床徴候に対する防御免疫反応を引き起こすか、その罹患率を低下させるおよび/またはその重症度を軽減するかまたはそれを予防する。ブタに投与する場合、このような単回投与は、少なくとも100、より好ましくは少なくとも110、よりさらに好ましくは少なくとも120、よりさらに好ましくは少なくとも130、よりさらに好ましくは少なくとも140、よりさらに好ましくは少なくとも150、よりさらに好ましくは少なくとも160、よりさらに好ましくは少なくとも170、よりさらに好ましくは少なくとも180、最も好ましくは少なくとも184日間の免疫持続期間を誘導する。すなわち、本発明の免疫原性組成物の1回の投与は、ブースターまたは後続投与なしで、動物または動物群に、少なくとも100(110、120、130、140、150、160、170、180など)日間、最も好ましくは少なくとも184日間の、M.hyo感染の臨床徴候の罹患率の低下またはその重症度の軽減をもたらす。抗体検出アッセイに関しては、当業者は適切な方法および製品を特定し用いることができる。Modified indirect porcine circovirus (PCV) type 2-based and recombinant capsid protein (ORF2)-based ELISA for the detection of antibodies to PCV Clin. Diagn. Lab. Immunol. 9:33-40 (2002) において、Nawagitgul, P.らによって記載されたELISAアッセイおよび方法(その教示および内容は参照により本願に組み込まれる)が特に好ましい。
【0012】
本発明の他の側面において、M.hyo抗原の有効量およびPCV2抗原の有効量を含む免疫原性組成物が提供される。好ましくは、M.hyo抗原およびPCV2抗原の両方は、それぞれ前述のようにRP値少なくとも1.22および1.38を有し、M.hyoのRP値1.22およびPCV2のRP値1.38は、M.hyoの前記量の40分の1およびPCV2抗原の前記量の10分の1が投与されたマウスの95%、好ましくは100%が、M.hyoおよびPCV2特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する。従って、検出可能なM.hyo特異的抗体反応を誘導するのに必要なM.hyo抗原量の40倍(処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて)および検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原の10倍量(処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて)は、M.hyo抗原と共に投与する場合、PCV2感染および/またはM.hyo感染と関連する臨床徴候に対する防御免疫反応を引き起こすか、その罹患率を低下させるおよび/またはその重症度を軽減するかまたはそれを予防するのに十分であることが示されている。すなわち、前述のPCV2抗原およびM.hyo抗原量は、混合し、組み合わせワクチンとして投与する場合、両抗原間の任意の負の干渉を克服することができることが示されている。従って、本発明はまた、ブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む免疫原性組成物であって、1回当たりのM.hyoおよびPCV2抗原量が、それぞれ少なくとも1.22および1.38という相対力価値を有し、M.hyo抗原に関する前記RP値1.22が、処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて検出可能なM.hyo特異的抗体反応を誘導するのに必要なM.hyo抗原量の40倍に相当し、PCV2抗原に関する前記RP値1.38が、処理後21日以内または21日目に少なくとも85%のマウスにおいて検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原量の20倍に相当する前記免疫原性組成物にも関する。好ましくは、PCV2抗原に関する前記RP値1.38は、処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原量の10倍に相当する。この実施形態のいくつかの好ましい形態において、組成物は、さらにアジュバントを含有するかまたは含む。種々のアジュバントが本発明に有用と考えられ、当業者はそれを選択することができるが、カルボマー、特にカルボポルが特に好ましい。好都合には、単回投与でブタに投与する場合、本発明の免疫原性組成物は防御免疫反応を誘導する。このような単回投与は、ブタに投与する場合、少なくとも100、より好ましくは少なくとも110、よりさらに好ましくは少なくとも120、よりさらに好ましくは少なくとも130、よりさらに好ましくは少なくとも140、よりさらに好ましくは少なくとも150、よりさらに好ましくは少なくとも160、よりさらに好ましくは少なくとも170、よりさらに好ましくは少なくとも180、最も好ましくは少なくとも184日間の免疫持続期間を誘導する。すなわち、本発明の免疫原性組成物の1回の投与は、ブースターまたは後続投与なしで、動物または動物群に、少なくとも100(110、120、130、140、150、160、170、180など)日間、最も好ましくは少なくとも184日間の、M.hyoおよびPCV2感染の臨床徴候の罹患率の低下またはその重症度の軽減をもたらす。抗体検出アッセイに関しては、当業者は適切な方法および製品を特定し用いることができる。PCV2抗体検出アッセイに関しては、Modified indirect porcine circovirus (PCV) type 2-based and recombinant capsid protein (ORF2)-based ELISA for the detection of antibodies to PCV Clin. Diagn. Lab. Immunol. 9:33-40 (2002) において、Nawagitgul, P.らによって記載されたELISAアッセイおよび方法(その教示および内容は参照により本願に組み込まれる)が特に好ましく、M.hyo抗体検出アッセイに関しては、IDEXX Herdchek M.hyo Test Kitが特に好ましい。
【0013】
本発明の他の側面において、ブタにおいてM.hyoに対する防御免疫反応を誘導する方法が提供される。一般に、本方法は、それを必要とする動物、好ましくはブタに、本発明記載の免疫原性組成物を投与する段階を含む。好ましくは、免疫原性組成物は、ブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む。よりさらに好ましくは、1回当たりのM.hyo抗原量は少なくとも1.22という相対力価(RP)値を有し、M.hyoのRP値1.22は、前記M.hyo抗原量の40分の1が投与されたマウスの95%、好ましくは100%が、M.hyo特異抗体検出アッセイにおいて、処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する。従って、本発明はまた、ブタにおいてマイコプラズマ・ハイオニューモニエ(M.hyo)に対する防御免疫反応を誘導する方法において、ブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む免疫原性組成物を前記ブタに投与することを含む前記方法であって、1回当たりのM.hyo抗原量が少なくとも1.22という相対力価値を有し、前記RP値1.22が、処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて検出可能なM.hyo特異的抗体反応を誘導するのに必要なM.hyo抗原量の40倍に相当する前記方法に関する。いくつかの好ましい形態において、組成物はさらに、アジュバントを含有するかまたは含む。種々のアジュバントが本発明に有用と考えられ、当業者はそれを選択することができるが、カルボマー、よりさらに好ましくはカルボポルが特に好ましい。好都合には、本発明の免疫原性組成物は、単回投与でブタに投与する場合、防御免疫反応を誘導する。このような単回投与は、ブタに投与する場合、少なくとも100、より好ましくは少なくとも110、よりさらに好ましくは少なくとも120、よりさらに好ましくは少なくとも130、よりさらに好ましくは少なくとも140、よりさらに好ましくは少なくとも150、よりさらに好ましくは少なくとも160、よりさらに好ましくは少なくとも170、よりさらに好ましくは少なくとも180、最も好ましくは少なくとも184日間の免疫持続期間を誘導する。すなわち、本発明の免疫原性組成物の1回の投与は、ブースターまたは後続投与なしで、動物または動物群に、少なくとも100(110、120、130、140、150、160、170、180など)日間、最も好ましくは少なくとも184日間の、M.hyo感染の臨床徴候の罹患率の低下またはその重症度の軽減をもたらす。抗体検出アッセイに関しては、当業者は適切な製品を特定し用いることができる。ELISAアッセイ、特にIDEXX Herdchek M.hyo Test Kit(IDEXX Laboratories社、メイン州ウェストブルック)が好ましい。
【0014】
本発明の他の側面において、ブタにおいてPCV2に対する防御免疫反応を誘導する方法が提供される。一般に、本方法は、それを必要とする動物、好ましくはブタに本発明記載の免疫原性組成物を投与する段階を含む。好ましくは、免疫原性組成物はブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む。よりさらに好ましくは、1回当たりのPCV2抗原量は相少なくとも1.38という対力価(RP)値を有し、PCV2のRP値1.38は、前記PCV2抗原量の20分の1(1/20)が投与されたマウスの少なくとも85%が、PCV2特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する。好ましくは、PCV2のRP値1.38は、前記PCV2抗原量の10分の1(1/10)が投与されたマウスの少なくとも95%、好ましくは100%が、PCV2特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する。従って、本発明はまた、ブタにおいてPCV2に対する防御免疫反応を誘導する方法において、PCV2抗原およびM.hyo抗原を含む免疫原性組成物を前記ブタに投与することを含む前記方法であって、1回当たりのPCV2抗原量が少なくとも1.38という相対力価値を有し、前記RP値1.38が、処理後21日以内または21日目に少なくとも85%のマウスにおいて、検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原量の20倍に相当する前記方法にも関する。好ましくは、前記RP値1.38は、処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原量の10倍に相当する。この実施形態のいくつかの好ましい形態において、組成物は、さらにアジュバントを含有するかまたは含む。種々のアジュバントが本発明に有用であると考えられ、当業者はそれを選択することができるが、カルボマー、よりさらに好ましくはカルボポルが特に好ましい。好都合には、本発明の免疫原性組成物は、単回投与でブタに投与する場合、防御免疫反応を誘導する。このような単回投与は、ブタに投与する場合、少なくとも100、より好ましくは少なくとも110、よりさらに好ましくは少なくとも120、よりさらに好ましくは少なくとも130、よりさらに好ましくは少なくとも140、よりさらに好ましくは少なくとも150、よりさらに好ましくは少なくとも160、よりさらに好ましくは少なくとも170、よりさらに好ましくは少なくとも180、最も好ましくは少なくとも184日間の免疫持続期間を誘導する。すなわち、本発明の免疫原性組成物の1回の投与は、ブースターまたは後続投与なしで、動物または動物群に少なくとも100(110、120、130、140、150、160、170、180など)日間、最も好ましくは少なくとも184日間の、PCV2感染の臨床徴候の罹患率の低下またはその重症度の軽減をもたらす。抗体検出アッセイに関しては、当業者は適切な方法および製品を特定し用いることができる。Modified indirect porcine circovirus (PCV) type 2-based and recombinant capsid protein (ORF2)-based ELISA for the detection of antibodies to PCV Clin. Diagn. Lab. Immunol. 9:33-40 (2002) において、Nawagitgul, P.らによって記載されたELISAアッセイおよび方法(その教示および内容は参照により本願に組み込まれる)が特に好ましい。
【0015】
本発明のさらに他の側面において、M.hyo感染およびPCV2感染に対する防御免疫反応を誘発または誘導する方法が提供される。好ましい形態において、この側面は、M.hyo抗原の有効量およびPCV2抗原の有効量を含む免疫原性組成物を含む。好ましくは、M.hyo抗原およびPCV2抗原の両方は、それぞれ前述のようにRP値少なくとも1.22および1.38を有し、M.hyoのRP値1.22およびPCV2のRP値1.38は、M.hyo抗原の前記量の40分の1およびPCV2抗原の前記量の10分の1が投与されたマウスの95%、好ましくは100%が、M.hyoおよびPCV2特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する。従って、本発明はまた、ブタにおいてM.hyoおよびPCV2に対する防御免疫反応を誘導する方法において、PCV2抗原およびM.hyo抗原を含む免疫原性組成物を前記ブタに投与することを含む前記方法であって、1回当たりM.hyoおよびPCV2抗原量が、それぞれ少なくとも1.22および1.38という相対力価値を有し、M.hyo抗原に関する前記前記RP値1.22は、処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて検出可能なM.hyo特異的抗体反応を誘導するのに必要なM.hyo抗原量の40倍に相当し、PCV2抗原に関する前記RP値1.38が、処理後21日以内または21日目に少なくとも85%のマウスにおいて検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原量の20倍に相当する前記方法に関する。好ましくは、PCV2抗原に関する前記RP値1.38は、処理後21日以内または21日目に少なくとも95%、好ましくは100%のマウスにおいて検出可能なPCV2特異的抗体反応を誘導するのに必要なPCV2抗原量の10倍に相当する。この実施形態のいくつかの好ましい形態において、組成物は、さらにアジュバントを含有するかまたは含む。種々のアジュバントが本発明に有用と考えられ、当業者はそれを選択することができるが、カルボマー、特にカルボポルが特に好ましい。好都合には、本発明の免疫原性組成物は、単回投与でブタに投与する場合、防御免疫反応を誘導する。このような単回投与は、ブタに投与する場合、少なくとも100、より好ましくは少なくとも110、よりさらに好ましくは少なくとも120、よりさらに好ましくは少なくとも130、よりさらに好ましくは少なくとも140、よりさらに好ましくは少なくとも150、よりさらに好ましくは少なくとも160、よりさらに好ましくは少なくとも170、よりさらに好ましくは少なくとも180、最も好ましくは少なくとも184日間の免疫持続期間を誘導する。すなわち、本発明の免疫原性組成物の1回の投与は、ブースターまたは後続投与なしで、動物または動物群に、少なくとも100(110、120、130、140、150、160、170、180など)日間、最も好ましくは少なくとも184日間の、M.hyoおよびPCV2感染の臨床徴候の罹患率の低下またはその重症度の軽減をもたらす。抗体検出アッセイに関しては、当業者は適切な方法および製品を特定し用いることができる。PCV2抗体検出アッセイに関しては、Modified indirect porcine circovirus (PCV) type 2-based and recombinant capsid protein (ORF2)-based ELISA for the detection of antibodies to PCV Clin. Diagn. Lab. Immunol. 9:33-40 (2002) において、Nawagitgul,P.らによって記載されたELISAアッセイおよび方法(その教示および内容は参照により本願に組み込まれる)が特に好ましく、M.hyo抗体検出アッセイに関しては、IDEXX Herdchek M.hyo Test Kitが特に好ましい。
【0016】
本明細書において、“防御免疫反応”とはM.hyo感染またはPCV2感染の臨床、病理学的または組織病理学的徴候の罹患率の低下またはその重症度の軽減のことを言い、これらの徴候の完全な予防までを含む。
【0017】
本発明の他の側面において、PCV2およびM.hyoに対する免疫反応を引き起こす組成物、好ましくは抗原または免疫原性組成物、例えばワクチンなどの製造方法が提供される。一般に、本方法は、ウイルスに構築物をトランスフェクトする工程を含む。ここで前記構築物はi)PCV2のORF2からの組換えDNAを含み、ii)トランスフェクトされたウイルスで増殖培地中の細胞を感染し、iii)ウイルスにPCV2 ORF2からの組換えタンパク質を発現させ、iv)発現されたORF2タンパク質を上清から回収し、v)M.hyoバクテリンおよび適切なアジュバントと共に、適切なアジュバントおよび/または他の薬学的に許容される担体と回収されたタンパク質とを混合することにより組成物を製造する工程を含む。本免疫原性組成物の成分の長期安定性によって、混合後最大3年まで組成物を動物に投与することができる。本明細書記載の組成物の好ましい形態は、約1.22を超えるRP値、より好ましくは約1.22〜約4.5、よりさらに好ましくは約1.22〜3.5、最も好ましくは約1.22〜2.8のRP値を有するM.hyo部分を有する。1.22というRP値と関連するM.hyo抗原量の40分の1で処理されたマウスの95%、より好ましくは100%が、M.hyo特異抗体検出アッセイを用いて処理後21日以内または21日目に、またはM.hyo抗原の投与後に、検出可能な量の抗体を発生する場合、M.hyoのRP値は約1.22より大きいという。
【0018】
本明細書において、“アジュバント”とは水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム、サポニン、例えばQuil A、QS-21(Cambridge Biotech社マサチューセッツ州ケンブリッジ)、GPI-0100(Galenica Pharmaceuticals社、アラバマ州バーミンガム)、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、水中油中水型エマルジョンを含むことができる。エマルジョンは、特に、軽質流動パラフィン油(European Pharmacopea type);イソプレノイド油、例えばアルケン、特にイソブテンまたはデセンのオリゴマー化により得られるスクアランまたはスクアレン油など;直鎖アルキル基を含有する酸またはアルコールのエステル、より具体的には植物油、オレイン酸エチル、プロピレングリコールジ(カプリラート/カプラート)、グリセリルトリ(カプリラート/カプラート)またはプロピレングリコールジオレアート;分枝鎖脂肪酸またはアルコールのエステル、特にイソステアリン酸エステルに基づくことができる。エマルジョンを形成させるために、油は乳化剤と組み合わせて用いられる。乳化剤は、好ましくは非イオン界面活性剤であり、特に、ソルビタン、マンニド(例えばアンヒドロマンニトールオレアート)、グリコール、ポリグリセロール、プロピレングリコールとオレイン酸、イソステアリン酸、リシノール酸または場合によりエトキシル化されているヒドロキシステアリン酸とのエステルおよびポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンコポリマーブロック、特にプルロニック社の製品、特にL121である。Hunter et al., The Theory and Practical Application of Adjuvants (Ed.Stewart-Tull, D. E. S.). John WileyおよびSons, NY, pp51-94 (1995) and Todd et al., Vaccine 15:564-570 (1997) を参照のこと。
【0019】
例えば、“Vaccine Design, The Subunit and Adjuvant Approach” edited by M. Powell and M. Newman, Plenum Press, 1995 の147ページに記載されているSPTエマルジョンおよび同書の183ページに記載されているエマルジョンMF59を使用することができる。
【0020】
アジュバントのさらなる例は、アクリル酸またはメタクリル酸ポリマーならびに無水マレイン酸およびアルケニル誘導体のコポリマーから選択される化合物である。有利なアジュバント化合物は、アクリル酸またはメタクリル酸ポリマーであり、これらは、特に糖またはポリアルコールのポリアルケニルエーテルで架橋されている。これらの化合物はカルボマーという名称で知られている(Phameuropa Vol. 8, No. 2, June 1996)。当業者は、少なくとも3ヒドロキシル基、好ましくは8ヒドロキシル基以下を有し、少なくとも3つのヒドロキシルの水素原子が、少なくとも2炭素原子を有する不飽和脂肪族基で置換されているポリヒドロキシル化化合物で架橋されたこのようなアクリルポリマーを記載している米国特許第2,909,462号を参照することもできる。好ましい基は、2〜4炭素原子を含有する基であり、例えばビニル、アリルおよび他のエチレン性不飽和基である。不飽和基は、それ自体に他の置換基、例えばメチルを含有することができる。カルボポル;(BF Goodrich社、米国オハイオ州)という名称で販売されている製品は特に適切である。それらはアリルスクロースまたはアリルペンタエリスリトールで架橋されている。とりわけ、カルボポル974P、934Pおよび971Pに言及することができる。カルボポル971Pの使用が最も好ましい。無水マレイン酸およびアルケニル誘導体のコポリマーの中では、無水マレイン酸およびエチレンのコポリマーであるコポリマーEMA(Monsanto社)もまた考えられる。これらのポリマーの水への溶出は酸溶液をもたらすが、これは、免疫原性、免疫学的またはワクチン組成物自体が組み込まれるアジュバント溶液を得るために、好ましくは生理学的なpHに中和される。さらなる適切なアジュバントは、限定するものではないが、とりわけ、RIBIアジュバントシステム(Ribi社)、ブロックコポリマー(CytRx社、ジョージア州アトランタ)、SAF-M(Chiron社、カリフォルニア州エメリーヴィル)、モノホスホリル脂質A、Avridine脂質-アミンアジュバント、大腸菌易熱性エンテロトキシン(組換え型またはそうでないもの)、コレラ毒素、IMS 1314またはムラミルジペプチドを含む。
【0021】
好ましくは、アジュバントは、1回当たり約100μg〜約10mgの量で添加される。よりさらに好ましくは、アジュバントは、1回当たり約100μg〜約10mgの量で添加される。よりさらに好ましくは、アジュバントは、1回当たり約500μg〜約5mgの量で添加される。よりさらに好ましくは、アジュバントは、1回当たり約750μg〜約2.5mgの量で添加される。最も好ましくは、アジュバントは、1回当たり約1mgの量で添加される。
【0022】
従って、さらなる側面によれば、PCV2およびM.hyoに対する免疫反応を引き起こすための抗原組成物、例えばワクチンなどの製造方法は、i)PCV2 ORF2タンパク質とM.hyoバクテリンおよび適切なアジュバントとを混合することを含む。好ましくは、アジュバントはカルボマーであり、より好ましくはカルボポル971Pである。よりさらに好ましくは、カルボポル971Pは、1回当たり約500μg〜約5mgの量で添加され、よりさらに好ましくは1回当たり約750μg〜約2.5mgの量で添加され、最も好ましくは、1回当たり約1mgの量で添加される。
【0023】
さらに、ワクチン組成物は、1以上の薬学的に許容される担体を含むことができる。本明細書において、"薬学的に許容される担体"は、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、安定化剤、希釈剤、防腐薬、抗菌剤および抗真菌薬、等張剤、吸着遅延剤などを含む。
【0024】
免疫原性組成物は、さらに、1以上の他の免疫調節剤、例えば、インターロイキン、インターフェロンまたは他のサイトカインなどを含むことができる。免疫原性組成物はまた、ゲンタマイシンおよびMerthiolateを含むことができる。本発明に有用なアジュバントおよび添加剤の量および濃度を当業者は容易に決定できるが、本発明は、アジュバント約50μg〜約2000μgを含む組成物を考え、好ましくは、約250μg/mlでの用量のワクチン組成物を考える。他の好ましい実施形態において、本発明は、約1ug/ml〜約60μg/mlの抗生物質、より好ましくは約30μg/ml未満の抗生物質を含むワクチン組成物を考える。
【0025】
“PCV2抗原”とは、ブタに投与する場合、PCV2感染に対する免疫反応を誘導、刺激または増強できる少なくとも1つの抗原を含む任意の物を言う。好ましくは、前記PCV2抗原は、PCV2全ウイルス(好ましくは不活性形)、改変または弱毒PCV2ウイルス、少なくともPCV2の免疫原性アミノ酸配列を含むキメラウイルス、少なくともPCV2の免疫原性アミノ酸配列を含む任意の他のポリペプチドまたは成分である。本明細書において、用語“免疫原性タンパク質”、“免疫原性ポリペプチド”または“免疫原性アミノ酸配列”は、前記免疫原性タンパク質、免疫原性ポリペプチドまたは免疫原性アミノ酸配列を含む病原体に対して宿主において免疫反応を誘導する任意のアミノ酸配列を指す。本明細書においては、“免疫原性タンパク質”、“免疫原性ポリペプチド”または“免疫原性アミノ酸配列”は、任意のタンパク質の完全長配列、それらのアナログまたはそれらの免疫原性フラグメントを含む。"免疫原性フラグメント"とは、1以上のエピトープを含み、それに伴って関連性のある病原体に対する免疫学的反応を誘導するタンパク質のフラグメントを意味する。このようなフラグメントは、当該分野で公知の任意のエピトープマッピング技術を用いて特定できる。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology, Vol. 66 (Glenn E. Morris, Ed., 1996) Humana Press, Totowa, New Jersey を参照のこと。例えば、線状エピトープは、固体担体上に多数のペプチド(タンパク質分子の部分に対応するペプチド)を同時に合成し、ペプチドが担体に結合されている間に抗体とペプチドを反応させることにより決定できる。このような技術は当該技術分野で公知であり、例えば、米国特許第4,708,871号; Geysen et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:3998-4002; Geysen et al. (1986) Molec. Immunol. 23:709-715 に記載されている。同様に、エピトープのコンホメーションは、例えば、X線結晶学および二次元核磁気共鳴などにより、アミノ酸の空間的コンホメーションを決定することにより容易に同定される。例えば、前出のエピトープマッピングプロトコルを参照のこと。合成抗原、例えば、ポリエピトープ、隣接エピトープおよび他の組換えされた抗原または合成的に誘導された抗原もまた定義に含まれる。例えば、Bergmann et al. (1993) Eur. J. Immunol. 23:2777-2781; Bergmann et al. (1996), J. Immunol. 157:3242-3249; Suhrbier, A. (1997), Immunol. and Cell Biol. 75:402-408; Gardner et al., (1998) 12th World AIDS Conference, Geneva, Switzerland, June 28-July 3, 1998 を参照のこと。
【0026】
最も好ましくは、本発明に用いることができるワクチン組成物は、好ましくはin vitro培養細胞中で発現され、それから回収されたPCV2 ORF2タンパク質を含む。PCV2 ORF2タンパク質の好ましい例は、国際特許出願WO2006-072065に記載されており、その教示および内容は、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0027】
簡潔に言えば、本明細書における組成物の製造のための、かつ本明細書における過程内でも用いられるPCV2 ORF2 DNAおよびタンパク質は、PCV2分離物において高度に保存されたドメインであり、それによって、任意のPCV2 ORF2は、本明細書におけるPCV2 ORF2 DNAおよび/またはポリペプチドの供給源として有効であると考えられる。好ましいPCV2 ORF2タンパク質は、配列番号11のPCV2 ORF2タンパク質である。好ましいPCV ORF2ポリペプチドは、本明細書において配列番号5で示されるが、この配列は、配列相同性を6〜10%まで変えても、なお免疫原性組成物として有用ならしめる抗原特性を保持することができることは、当業者には明らかであろう。配列番号3または配列番号4のポリヌクレオチド配列によりコードされるPCV2 ORF2タンパク質と比較して、少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは90%の感染防御免疫を修飾抗原が引き起こす場合、修飾抗原の抗原特性はなお保持されている。本明細書において、“免疫原性組成物”は、宿主において、PCV2 ORF2タンパク質に対する細胞性および/または抗体性免疫反応である“免疫学的反応”を誘導するPCV2 ORF2タンパク質を意味する。好ましくは、本免疫原性組成物は、PCV2感染およびそれに伴う臨床徴候に対する感染防御免疫を引き起こすことができる。いくつかの形態において、PCV2 ORF2タンパク質の免疫原性部分が組成物における抗原成分として用いられる。本明細書において、用語“免疫原性部分”は、それぞれ、PCV2 ORF2タンパク質および/またはポリヌクレオチドの短縮型および/もしくは置換型またはフラグメントのことを言う。好ましくは、このような短縮型および/もしくは置換型またはフラグメントは、完全長ORF2ポリペプチドからの少なくとも6連続アミノ酸を含む。より好ましくは、短縮型もしくは置換型またはフラグメントは、完全長ORF2ポリペプチドからの少なくとも10、より好ましくは少なくとも15、よりさらに好ましくは少なくとも19連続アミノ酸を有する。この点に関して、2つの好ましい配列は、本明細書において配列番号9および10で示される。このような配列は、より大きなフラグメントの一部または短縮型であることができることはさらに明らかであろう。本明細書に記載のさらなる好ましいPCV2 ORF2ポリペプチドは、配列番号3または配列番号4のヌクレオチド配列によりコードされる。しかしながら、この配列は、配列相同性を6〜20%まで変えても、なお免疫原性組成物として有用ならしめる抗原特性を保持することができることは、当業者には明らかであろう。いくつかの形態において、ORF2の短縮型もしくは置換型またはフラグメントは、組成物において抗原成分として用いられる。好ましくは、このような短縮型もしくは置換型またはフラグメントは、完全長ORF2ヌクレオチド配列、例えば配列番号3または配列番号4からの少なくとも18連続ヌクレオチドを含む。より好ましくは、短縮型もしくは置換型またはフラグメントは、完全長ORF2ヌクレオチド配列、例えば配列番号3または配列番号4の少なくとも30、より好ましくは少なくとも45、よりさらに好ましくは少なくとも57連続ヌクレオチドを有する。
【0028】
当該技術分野で公知の“配列同一性”は、2以上のポリペプチド配列または2以上のポリヌクレオチド配列、すなわち参照配列と、参照配列と比較される所定の配列との間の関係のことを言う。配列を最適にアラインメントして、前記配列のストリング間の一致により決定される最も高い配列類似度を生じさせた後に、所定の配列と参照配列とを比較することにより配列同一性が決定される。このようなアラインメントにおいて、配列同一性は、各位置に基づいて確認される。例えば、特定の位置においてヌクレオチドまたはアミノ酸残基が同一であれば、その位置において配列は“同一”である。次いで、このような位置一致の総数を参照配列におけるヌクレオチドまたは残基の総数で割ることにより、%配列同一性を得る。Computational Molecular Biology, Lesk, A. N., ed., Oxford University Press, New York (1988), Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York (1993); Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H. G., eds., Humana Press, New Jersey (1994); Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinge, G., Academic Press (1987); Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M. Stockton Press, New York (1991);およびCarillo, H., and Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48: 1073 (1988) (これらの教示は、参照により本願に組み込まれる)に記載されたものを含むが限定されない公知の方法によって配列同一性を容易に算出できる。配列同一性を決定するための好ましい方法を決定して、試験される配列間の最大の一致を得る。配列同一性を決定する方法は、所定の配列間の配列同一性を決定するための公表されているコンピュータプログラムにおいて体系化されている。このようなプログラムの例は、限定するものではないが、GCGプログラムパッケージ(Devereux, J., et al., Nucleic Acids Research, 12(1):387 (1984))、BLASTP、BLASTNおよびFASTA(Altschul, S. F. et al., J. Molec. Biol., 215:403-410 (1990) を含む。BLASTXプログラムは、NCBIおよび他のソースから公表されている(BLAST Manual , Altschul, S. et al., NCVI NLM NIH Bethesda, MD 20894, Altschul, S. F. et al., J. Molec. Biol., 215:403-410 (1990)(それらの教示は、参照により本願に組み込まれる)。これらのプログラムは、所定の配列と参照配列間の最高レベルの配列同一性を提供するために、デフォルトギャップ重みを用いて配列を最適にアラインメントする。例として、参照ヌクレオチド配列に対して少なくとも、例えば、85%、好ましくは90%、よりさらに好ましくは95%“配列同一性”を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、所定のポリヌクレオチド配列が参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチド当たり15まで、好ましくは10まで、よりさらに好ましくは5までの点突然変異を含むという条件下で、所定のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列と同一であることを意味する。すなわち、参照ヌクレオチド配列に対して少なくとも85%、好ましくは90%、よりさらに好ましくは95%の同一性を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにおいて、参照配列における15%まで、好ましくは10%まで、よりさらに好ましくは5%までのヌクレオチドを欠失させるかまたは他のヌクレオチドで置換させることもできるし、参照配列における全ヌクレオチドの15%、好ましくは10%、よりさらに好ましくは5%までのヌクレオチド数を参照配列に挿入することもできる。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5'または3'末端位置において生じることもできるし、あるいは参照配列中のヌクレオチドの間に散在して、または参照配列中の1以上の連続基で散在してこれらの末端位置間の任意の位置で生じることもできる。同様に、参照アミノ酸配列に対して少なくとも、例えば、85%、好ましくは90%、よりさらに好ましくは95%の配列同一性を有する所定のアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、所定のポリペプチド配列が、参照アミノ酸配列の各100アミノ酸当たり15まで、好ましくは10まで、よりさらに好ましくは5までのアミノ酸改変を含むことができるという条件下で、ポリペプチドの所定のアミノ酸配列が参照配列と同一であることを意味する。すなわち、参照アミノ酸配列に対して少なくとも85%、好ましくは90%、よりさらに好ましくは95%の配列同一性を有する所定のポリペプチド配列を得るために、参照配列中のアミノ酸残基の15%まで、好ましくは10%まで、よりさらに好ましくは5%までが欠失するかまたは他のアミノ酸で置換させることができるし、参照配列におけるアミノ酸残基総数の15%まで、好ましくは10%まで、よりさらに好ましくは5%までのアミノ酸数を参照配列に挿入することもできる。参照配列のこれらの改変は、参照アミノ酸配列のアミノまたはカルボキシ末端位置において生じることもできるし、参照配列中の残基間に個別に散在するかまたは参照配列中に1以上の連続基で散在してこれらの末端位置間の任意の位置で生じることもできる。好ましくは、同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換によって異なる。しかしながら、配列同一性を決定する場合、保存的置換は一致に含まれない。
【0029】
本明細書において、“配列相同性”とは、2つの配列の関連性を決定する方法のことを言う。配列相同性を決定するために、2以上の配列が最適にアラインメントされ、必要に応じてギャップが挿入される。しかしながら、“配列同一性”と対照的に配列相同性を決定する場合は、保存的アミノ酸置換は一致として数えられる。すなわち、参照配列と95%の配列相同性を有するポリペプチドまたはポリヌクレオチドを得るためには、参照配列におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドの85%、好ましくは90%、よりさらに好ましくは95%が他のアミノ酸またはヌクレオチドとの保存的置換と一致するかまたは含まなければならないか、または参照配列における、保存的置換を含まない全アミノ酸残基またはヌクレオチドの15%まで、好ましくは10%まで、よりさらに好ましくは5%までのアミノ酸またはヌクレオチド数が参照配列に挿入されることができる。好ましくは、相同配列は、少なくとも、50、よりさらに好ましくは100、よりさらに好ましくは250、よりさらに好ましくは500ヌクレオチドのストレッチを含む。
【0030】
“保存的置換”とは、全体の機能性が顕著に変化しないような、サイズ、疎水性などを含む同様な特徴または特性を有する他のアミノ酸残基またはヌクレオチドによるアミノ酸残基またはヌクレオチドの置換のことを言う。
【0031】
“単離”されたとは、“人間の手によって”その天然状態から変えられたこと、すなわち、それが天然に存在する場合、その元の環境から変化を受けたもしくは取り出されたまたはその両方を受けたことを意味する。例えば、生体中に天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは“単離”されていないが、その天然状態の共存物質から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、この用語が本明細書で用いられる場合、“単離”されている。
【0032】
好ましくは、前記PCV2 ORF2タンパク質は、
i)配列番号5、配列番号6、配列番号9、配列番号10または配列番号11の配列を含むポリペプチド;
ii)i)のポリペプチドに対して少なくとも80%相同な任意のポリペプチド、
iii)i)および/またはii)のポリペプチドの任意の免疫原性部分
iv)配列番号5、配列番号6、配列番号9、配列番号10または配列番号11の配列に含まれる少なくとも10連続アミノ酸を含む、iii)の免疫原性部分、
v)配列番号3または配列番号4の配列を含むDNAによりコードされるポリペプチド
vi)v)のポリヌクレオチドに対して少なくとも80%相同なポリヌクレオチドによりコードされる任意のポリペプチド、
vii)v)および/またはvi)のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの任意の免疫原性部分
viii)vii)の免疫原性部分であって、前記免疫原性部分をコードするポリヌクレオチドが、配列番号3または配列番号4の配列に含まれる少なくとも30連続ヌクレオチドを含む前記免疫原性部分
である。
【0033】
好ましくは、これらの免疫原性部分のいずれもが、配列番号3または配列番号4の配列によりコードされるPCV2 ORF2タンパク質の免疫原性特性を有する。
【0034】
上記のように、組成物のPCV2 ORF2部分の相対力価(RP)は少なくとも1.38であり、より好ましくは約1.38〜4.5であり、よりさらに好ましくは約1.38〜3.5であり、よりさらに好ましくは約1.38〜3であり、最も好ましくは約1.38〜2.75である。M.hyoに関する少なくとも1.22のRP値の決定と同様に、RP値1.38と関連するPCV2抗原量の20分の1で処理したマウスの85%が、PCV2特異抗体検出アッセイを用いて、処理後21日以内または21日目に、またはPCV2抗原の投与後に、PCV2に対して検出可能な量の抗体を発生する場合、PCV2のRP値は約1.38を超える。好ましくは、1.38のRP値と関連するPCV2抗原量の10分の1で処理されたマウスの95%、好ましくは100%が、PCV2特異抗体検出アッセイを用いて、処理後21日以内または21日目に、またはPCV2抗原の投与後に、PCV2に対して検出可能な量の抗体を発生する場合、PCV2のRP値は約1.38を超える。
【0035】
本発明記載の免疫原性組成物に用いられるPCV2 ORF2タンパク質は、PCV2 ORF2の分離精製、標準的なタンパク質合成および組換え法を含む任意の方法で得ることができる。PCV2 ORF2ポリペプチドを得るための好ましい方法は、国際特許出願WO2006-072065にも示されており、これは米国特許出願番号第11/034,797号に相当する(その教示および内容は参照により本願に組み込まれる)。
【0036】
さらなる実施形態によれば、前記PCV2抗原はIngelvac(登録商標)CircoFLEX(Boehringer Ingelheim Vetmedica社、米国ミズーリ州セントジョセフ)、CircoVac(登録商標)(Merial SAS社、フランス・リヨン)、CircoVent(Intervet社、米国デラウェア州ミルズボロ)もしくはSuvaxyn PCV-2 One Dose(登録商標)(Fort Dodge Animal Health社、米国ミズーリ州カンザスシティ)または上で述べたワクチンのいずれかに含まれるPCV2抗原のいずれかである。最も好ましくは、PCV2抗原は、Ingelvac(登録商標)CircoFLEXに含まれるPCV2抗原であるか、またはIngelvac(登録商標)CircoFLEXである。
【0037】
“M.hyo抗原”とは、ブタに投与した場合にM.hyo感染に対する免疫反応を誘導、刺激、増強することができる少なくとも1つの抗原を含む物質の任意の組成物のことを言う。好ましくは、前記M.hyo抗原はM.hyo全バクテリン(好ましくは不活性形)、修飾または弱毒M.hyo生菌、少なくともM.hyoの免疫原性アミノ酸配列を含むキメラウイルスまたは少なくともM.hyoの免疫原性アミノ酸配列を含む任意の他のポリペプチドまたは成分である。好ましくは、M.hyo抗原は不活化M.hyoバクテリンである。より好ましくは、M.hyo抗原は、M.hyo J株由来である。最も好ましくは、M.hyoバクテリンは、Ingelvac(登録商標)MycoFlexワクチン(Boehringer Ingelheim Vetmedica社、米国ミズーリ州セントジョセフ)に含まれる不活化M.hyoバクテリンであるか、またはIngelvac(登録商標)MycoFlexである。しかしながら、本発明に用いることができるM.hyo抗原は、以下のワクチン組成物:Porcilis M.hyo、Myco Silencer(登録商標)BPM、Myco Silencer(登録商標)BPME、Myco Silencer(登録商標)ME、Myco Silencer(登録商標)M、Myco Silencer(登録商標)Once、Myco Silencer(登録商標)MEH(すべて、Intervet社、米国デラウェア州ミルズボロ)、Stellamune Mycoplasma(ファイザー社、米国ニューヨーク州ニューヨーク)、Suvaxyn Mycoplasma、Suvaxyn M.hyo、Suvaxyn MH-One(すべて、Fort Dodge Animal Health社、米国カンザス州オーバーランドパーク(Wyeth))に含まれるもののいずれかから選択されることもできる。
【0038】
注射のタイミングは変更可能である。マイコプラズマ・ハイオニューモニエへの暴露の少なくとも2週間前にワクチン接種をする目的で、ブタが保育場を離れるまでに、早ければ3週齢で本明細書記載の組成物を使用することができる。本発明記載の組成物は、皮内、気管内または膣内を含む任意の従来の方法で投与できる。本組成物は、好ましくは、筋肉内または鼻腔内に投与できる。動物体においては、前述のように、静脈内注射または直接注入により標的組織に医薬組成物を投与することが有利であることが明らかとなる場合がある。全身投与のためには、静脈内、血管内、筋肉内、鼻腔内、動脈内、腹腔内、経口または鞘内経路が好ましい。皮下、真皮内、皮内、心臓内、乳腺葉内、脊髄内、肺内にまたは処置される組織(結合組織、骨組織、筋肉組織、神経組織、上皮組織)内またはその近傍に直接に、より局所の投与を行うことができる。所望の期間および処置の有効性に応じて、1回または数回、同じく断続的に、例えば数日間、数週間または数ヶ月間、異なる用量で本発明記載の組成物を投与することができる。しかしながら、本明細書に記載のように、M.hyoバクテリンおよびPCV2 ORF2の組み合わせは、ただ1回の投与後に、前記組成物を投与したブタにおけるM.hyoおよび/またはPCV2感染と関連する有効な免疫をもたらすおよび/または臨床徴候の重症度または罹患率を下げる免疫原性組成物をもたらす。
【0039】
“減少”または“臨床、病理学的または組織病理学的徴候の罹患率の低下またはその重症度の軽減”とは、ワクチンにおける免疫学的活性成分(単数または複数)が由来する病原体によって両方が感染またはチャレンジされ、対照群がワクチンまたは免疫原性組成物の投与を受けなかった場合、“対照群”の動物と比較して、ワクチンが投与された動物において前記徴候のいずれかの罹患率が低下しまたはその重症度が軽減することを意味するものとする。ここでは、用語“減少”または“低下”は、上記で定義した対照群と比較しての、ワクチン接種群における少なくとも10%、好ましくは25%、よりさらに好ましくは50%、最も好ましくは100%の低下を意味する。
【0040】
“臨床徴候”は、症状などの、生きた動物で直接に観察できる病原体の感染の徴候を指すものとする。 典型例は、選択された病原体にもよるが、鼻汁、嗜眠、咳、 発熱、体重増加 または減少 、脱水症、下痢、腫れ、跛行などの状況を含むことができる。PCV2の臨床徴候は、消耗、皮膚蒼白、活力減退、呼吸窮迫、下痢および黄疸(icterus、jaundice)を含むことができる。M.hyo感染の臨床徴候は、空咳、インペアード・パフォーマンスおよび肺病変を含む。
【0041】
“病理学的”徴候は、生化学試験または肉眼剖検で、顕微鏡レベルまたは分子レベルで観察できる感染の徴候を指すものとする。PCV2に関しては、病理学的徴候は複数の組織および器官における顕微鏡的および肉眼的病変を含み、リンパ組織が最も一般的な病変部位である。
組織病理学的”徴候は、感染によりもたらされる組織変化の徴候を指すものとする。
【0042】
本発明の他の実施形態において、M.hyo抗原、好ましくはM.hyoバクテリンは、ブタにおける他の病原体からの抗原と組み合わされる。このような場合には、M.hyo部分のRP値は前述の値である。本発明の他の実施形態において、PCV2抗原はブタにおける他の病原体の抗原と組み合わされる。このような場合には、PCV2部分のRP値は前述の値である。さらにまた、本発明の他の実施形態において、PCV2抗原およびM.hyo抗原、好ましくはM.hyoバクテリンはブタにおける他の病原体からの抗原と組み合わされる。このような場合には、M.hyoおよびPCV2部分のRP値は前述の値である。
【0043】
好ましくは、ブタにおける他の病原体は以下からなる群から選択される:アクチノバシルス・プリューロプニューモニア(Actinobacillus pleuropneumonia)(1);アデノウイルス(2);アルファウイルス、例えば東部ウマ脳炎ウイルス(3);ボルデテーラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)(4);ブランキスピラ(Branchyspira)種(5)、好ましくはB.ヒオディエンテリエ(B. hyodyentheriae)(6);B.ピオシコリ(B. piosicoli)(7)、ブルセラ・スイス(Brucella suis)、好ましくは生物型1、2および3(8);豚コレラウイルス(9);クロストリジウム(Clostridium)種(10)、好ましくはCl.ディフィシル(Cl. difficile)(11)、Cl.パーフリンゲンス(perfringens)A、B及びC型(12)、Cl.ノーヴィ(novyi)(13)、Cl.セプチクム(septicum)(14)、Cl.テタニ(Cl. tetani)(15);コロナウイルス(16)、好ましくはブタ呼吸器コロナウイルス(17);エペリスロゾーノシス・スイス(Eperythrozoonosis suis)(18);エリシペロスリクス・ルシオパシエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)(19)大腸菌(Escherichia coli)(20);ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、好ましくは亜型1、7および14(21);血球凝集性脳脊髄炎ウイルス(22);日本脳炎ウイルス(23);ローソニア・イントラセルラーリス(Lawsonia intracellularis)(24)レプトスピラ(Leptospira)種、好ましくはレプトスピラ・アウストラリス(Leptospira australis)(26);レプトスピラ・カニコラ(L. canicola)(27);レプトスピラ・グリッポチフォサ(L. grippotyphosa)(28);レプトスピラ・イクテロヘモラジカエ(Leptospira icterohaemorrhagicae)(29);およびレプトスピラ・インテロガンス(Leptospira interrogans)(30);レプトスピラ・ポモナ(Leptospira pomona)(31);レプトスピラ・タラッソヴィー(Leptospira tarassovi)(32);マイコバクテリウム種(33)好ましくはマイコバクテリウム・アビウム(M. avium)(34)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(M. intracellulare)(35)およびマイコバクテリウム・ボビス(M.bovis)(36);パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)(37);ブタサイトメガロウイルス(38);ブタパルボウイルス(39);ブタ生殖器呼吸器症候群(PRRS)ウイルス(40)仮性狂犬病ウイルス(41);ロタウイルス(42);サルモネラ種(43)、好ましくはサルモネラ・ティフィムリウム(S. thyphimurium)(44)およびサルモネラ・コレレスイス(S. choleraesuis)(45);スタフィロコッカス・ヒイクス(Staph. hyicus)(46);スタフィロコッカス種(47)好ましくはストレプトコッカス種(48)、好ましくはストレプトコッカス・スイス(Strep. suis)(49);ブタヘルペスウイルス(50);ブタインフルエンザウイルス(51);ブタポックスウイルス(52);ブタポックスウイルス(53);水疱性口内炎ウイルス(54);豚水疱疹ウイルス(55);レプトスピラ・ハルジョー(Leptospira Hardjo)(56);ブタサーコウイルス(57);および/またはマイコプラズマ・ハイオシノビエ(Mycoplasma hyosynoviae)(58)。
【0044】
ブタ病原体に関して以下で行う言及はすべて、病原体を例えばパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)と名指しで呼ぶか、上記で見られる病原体の後ろの()内の番号に言及することにより行うことができる。例えばパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)への言及は、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)または(37)によって行うことができる。
【0045】
従って、本発明は、M.hyoおよび/またはPCV2感染(単数または複数)の罹患率を低下させるかまたはその重症度を軽減するのに有効な免疫物質ならびに、さらに、ブタ病原体(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(27)、(28)、(29)、(30)、(31)、(32)、(33)、(34)、(35)、(36)、(37)、(38)、(39)、(40)、(41)、(42)、(43)、(44)、(45)、(46)、(47)、(48)、(49)、(50)、(51)、(52)、(53)、(54)、(55)、(56)、(57)および/もしくは(58)のいずれかによってひき起こされる感染の治療および/または予防に有効な免疫学的活性成分または前記ブタ病原体(単数または複数)の免疫学的活性成分を含む、ブタの治療または予防のための組み合わせワクチンに関する。
【0046】
本明細書において、“免疫学的活性成分”は、前記成分が投与される動物において免疫反応を誘導または刺激する成分を意味する。好ましい実施形態によれば、前記免疫反応は、前記成分または前記成分を含む微生物に関する。さらに好ましい実施形態によれば、免疫学的活性成分は、修飾生ウイルス(MLV)、死滅微生物または少なくとも微生物の免疫学的活性部分を含む弱毒微生物である。
【0047】
本明細書において、“微生物の免疫学的活性部分”は、前記成分が投与される動物において免疫反応を誘導または刺激する少なくとも1つの抗原を含む微生物のタンパク質-、糖-および/または糖タンパク質含有画分を意味する。好ましい実施形態によれば、前記免疫反応は、微生物の前記免疫学的活性部分または前記免疫学的活性部分を含む微生物に関する。
【0048】
さらなる側面によれば、組み合わせワクチンのさらなる免疫学的活性成分は、Enterisol(登録商標)Ileitis、Enterisol(登録商標)Ileitis FF、Enterisol(登録商標)SC-54、Enterisol(登録商標)SC-54FF、Enterisol(登録商標)ERY-ALC、Ingelvac(登録商標)APP ALC、Ingelvac(登録商標)AR4、Ingelvac(登録商標)HP-1、Ingelvac(登録商標)HPE-1、Ingelvac(登録商標)PRRS MLV、Ingelvac(登録商標)PRRS ATP、Ingelvac(登録商標)PRV-G1、Reprocyc(登録商標)PRRS PLE、Reprocyc(登録商標)PLE、Tetguard(登録商標)、Toxivac(登録商標)AD+E、Toxivac(登録商標)Plus Parasuis、(いずれも、Boehringer Ingelheim社、米国ミズーリ州セントジョセフ);Circovent、Porcilis Coli、Porcilis ERY+PARVO、Porcilis Ery、Porcilis Glasser、Porcilis Parvo、Porcilis Porcoli DF、Porcilis APP、Porcilis AR-T、Porcilis AR-T DF、Porcilis Porcoli、Porcilis Porcoli Diluvac forte、Porcilis PRRS、Porcilis Porcol5、Porcilis Aujeszky、Porcilis Begonia Diluvac、Porcilis Begonia I.D.A.L.、Porcilis Begonia Unisole、Porcilis M.hyo、Porcilis Atrinord、Rhinogen(登録商標)BPE、Rhinogen(登録商標)CTE5000、Rhinogen(登録商標)CTSE、Score、Sow Bac(登録商標)E II、Sow Bac(登録商標) CE II、Sow Bac(登録商標)TREC、ProSystem(登録商標)CE、ProSystem(登録商標)RCE、ProSystem(登録商標)TREC、ProSystem(登録商標)Pillmune、ProSystem(登録商標)Rotamune(登録商標)/Imugan(登録商標)II、ProSystem(登録商標)Rota、ProSystem(登録商標)Rotamune KV、ProSystem(登録商標)TG-Emune(登録商標)Rota/Imugan(登録商標)II、ProSystem(登録商標)TGE/Rota、ProSystem(登録商標)TG-Emune(登録商標)/Imugen(登録商標)、ProSystem(登録商標)TGE、MaGESTIC 7、MaGESTIC 8、MaGESTic(登録商標)/Spur(登録商標)、MaGESTic(登録商標)7/Spur(登録商標)、MaGESTic(登録商標)8/Spur(登録商標)、End-FLUence(登録商標)/Imugen(登録商標)Il、End-FLUence(登録商標)2、PRRomiSE(登録商標)、PRV-Begonia/Dlluvac Forte(登録商標)、Argus(登録商標)SC/ST、Strep Bac、Strep Bac(登録商標)/Imugen(登録商標)II、Colisorb、Heptavac、Lambivac、Porcovac plus、Erysorb Parvo(いずれもIntervet社、米国デラウェア州ミルズボロ);Hyoresp、Circovac、Neocolipor、Parvoruvac、Parvosuin、Progressis、Viraflu、Akipor 6.3、Jespur gl-、Jesflu gl-(いずれもMerial社、ジョージア州ダルース);ER BAC(登録商標)PLUS、ER BAC(登録商標)、ER BAC(登録商標)PLUS/LEPTOFERM-5(登録商標)、ER BAC(登録商標)Leptoferm-5(登録商標)、Farrowsure(登録商標)、Farrowsure(登録商標)B、FARROWSURE(登録商標)PLUS B、FARROWSURE(登録商標)PLUS、FARROWSURE(登録商標)PRV、FARROWSURE B-PRV、FLUSURE(登録商標)、FLUSURE(登録商標)RTU、FLUSURE(登録商標)/ER BAC(登録商標)PLUS、FLUSURE(登録商標)/ER BAC PLus(登録商標)、FLUSURE(登録商標)/RESPISURE(登録商標)、FLUSURE(登録商標)/RESPISURE(登録商標)RTU、FLUSURE(登録商標)/RESPISURE-ONE(登録商標)/ER BAC(登録商標)PLUS、FLUSURE/RespiSure 1 ONE(登録商標)/ER BAC Plus(登録商標)、FLUSURE(登録商標)/RESPISURE ONE(登録商標)、FLUSURE/RESPISURE 1 ONE(登録商標)、FLUSURE/Farrowsure Plus、FLUSURE/Farrowsure Plus B、LITTERGUARD(登録商標)LT-C、LITTERGUARD(登録商標)LT、PleuroGuard(登録商標)4、Pneumosuis III、Stellamune One、Stellamune Uno、Stellamune Once、Stellamune Mono、Respisure One、Respisure(登録商標)、Respisure 1 ONE(登録商標)、Respisure 1 One(登録商標)/ER Bac Plus(登録商標)、Enduracell T、Zylexis(以前はBaypamuneとして知られた)、Atrobac(登録商標)3、BratiVac(登録商標)、BratiVac(登録商標)-B、Leptoferm-5°°Parvo-Vac(登録商標)/Leptoferm-5(登録商標)、PR-Vac(登録商標)-Killed、PR-Vac(登録商標)、PR-Vac Plus(登録商標)(すべて、ファイザー社、米国ニューヨーク州ニューヨーク);Suvaxyn MH One、Suvaxyn RespiFend(登録商標)MH、Suvaxyn Aujeszky Bartha+Diluent、Suvaxyn Aujeszky Bartha+o/w、Suvaxyn Aujeszky-Flu、Suvaxyn Aujeszky 783+o/w、Suvaxyn Ery、Suvaxyn Flu、M.hyo Suvaxyn Parvo ST、Suvaxyn Parvo/E、Suvaxyn RespiFend(登録商標)APP、Suvaxyn RespiFend(登録商標)HPS、Suvaxyn RespiFend(登録商標)MH/HPS、Suvaxyn RespiFend(登録商標)MH、Suvaxyn(登録商標)AR/T/E、Suvaxyn(登録商標)EC-4、Suvaxyn(登録商標)E、Suvaxyn(登録商標)-E、Suvaxyn(登録商標)E-oral、Suvaxyn(登録商標)PLE、Suvaxyn(登録商標)PLE/PrV gpl-、Suvaxyn(登録商標)LE+B、Suvaxyn(登録商標)PLE+B、Suvaxyn(登録商標)PLE+B/PrV gpl-、Suvaxyn(登録商標)SIV、Suvaxyn(登録商標)SIV/Mh-one、Suvaxyn(登録商標)P、Suvaxyn(登録商標)PrV gpl-、Suvaxyn(登録商標)PCV-2 One Shot(いずれも、Fort Dodge Animal Health社、米国カンザス州オーバーランドパーク(Wyeth);SCOURMUNE(登録商標)、SCOURMUNE(登録商標)-C、SCOURMUNE(登録商標)-CR、AR-PAC(登録商標)-PD+ER、AR-PARAPAC(登録商標)+ER、M+Rhusigen(登録商標)、M+PAC(登録商標)、MaxiVac Excell(登録商標)3、MaxiVac(登録商標)H1N1、MaxiVac(登録商標)H3N2、MaxiVac(登録商標)-FLU、MaxiVac(登録商標)-M+、MaxiVac Excell(登録商標)、MaxiVac Excell3、PARAPAC(登録商標)、PNEU PAC(登録商標)、PNEU PAC(登録商標)-ER、PNEU PAC(登録商標)+ER、PRV/Marker Gold(登録商標)、PRV/marker Gold(登録商標)、PRV/Marker Gold(登録商標)-MaxiVac(登録商標)FLU、Rhusigen(登録商標)、Gletvax 6、Covexin 8、M+PAC、Gletvax plus、M-Parapac(登録商標)SS PAC(登録商標)(すべて、Schering-Plough Animal Health社、米国ニュージャージー州ケニルワース);AMERVAC-PRRS、AUSKIPRA-BK、AUSKIPRA-GN、COLISUIN-CL、COLISUIN-TP、ERYSIPRAVAC、GRIPORK、HIPRASUIS-GLASSER、MYPRAVAC SUIS、NEUMOSUIN、PARVOSUIN、PARVOSUIN-MR、PARVOSUIN-MR/AD、RINIPRAVAC-DT、SUIPRAVAC-PRRS、SUIPRAVAC-RC、TOXIPRA PLUS(すべて、Laboratorios Hipra S.A.社、スペイン・ジローナAmer);Clostricol、Coliporc Plus、Haeppovac、Per-C-Porc、Porciparvac、RESPIPORC ART+EP、RESPIPORC FLU、Respiporc M.HYO 1 SHOT、Rhusiovac、Rotlauf-Lebendimpfstoff、Salmoporc、Suisaloral、AK-vac MK35(すべて、IDT Impfstoffwerk DessaTornau、ドイツ・トルナウ);Mypravac Suis、(Albrecht GmbH社、ドイツ);Haemo Shield(登録商標)P、Parapleuro Shield(登録商標)P、Parapleuro Shield(登録商標)P+BE、Rhinicell(登録商標)FD、Rhini Shield(登録商標)TX4、Prefarrow Shield(登録商標)9、Prefarrow Strep Shield(登録商標)、Clostratox(登録商標)BCD、Clostratox(登録商標)C、Clostratox(登録商標)Ultra C 1300、Porcine Ecolizer(登録商標)3+C、Porcine Pili Shield(登録商標)+C、Porcine Pili Shield(登録商標) Porcine Ecolizer(登録商標)3、Ery Serum(登録商標)Ery Shield(登録商標)Ery Vac Oral、Ery Shield(登録商標)+L5、PanSTAR(登録商標)Ery、Erycell(登録商標)Parvo Shield(登録商標)E、Parvo Shield(登録商標)L5E、Parvo Shield(登録商標)L5、Parvo Shield(登録商標)、Para Shield(登録商標)、PneumoSTAR SIV、PneumoSTAR(登録商標)Myco、Lepto Shield(登録商標)5、Myco Shield(登録商標)Salmo Shield(登録商標)2、Salmo Shield(登録商標)Live、Amitox Tet(登録商標)C.Perfringens Type A Toxoid(すべて、Novartis Animal Health社、スイス・バーゼル);Nitro-Sal(Akro);または前述の組成物に含まれる任意の抗原からなる群から選択される。
【0049】
好ましい実施形態の詳細な説明
以下の実施例は、本発明による好ましい材料および手順を示す。しかしながら、これらの実施例はもっぱら例示として提供されると理解すべきであり、それらのいずれも本発明の全範囲を限定するものとみなしてはならない。
【実施例1】
【0050】
組み合わせ剤に関するM.hyoの2つの異なる含有レベルで、全量投与および2x1/2投与でのPCV2-M.hyoの組み合わせの効果を評価し、一価のM.hyoと比較して組み合わせ剤のどのような干渉も明らかにするための研究設計を行った。
【0051】
材料および方法:
ブタを6群に分割した。全チャレンジ群(第1群1〜第5群)は、1群当たりブタおよそ19匹とした。所定の処置をせず、チャレンジしなかったブタを含む対照群(第6群)は、1群当たりブタ5匹とした。試験の61日目に、すべてのブタを剖検した。本研究のスケジュールを以下の表1に示す。
【0052】
表1

【0053】
これは、0日目(D0)においておおよそ21±6日齢の最低限100匹の子ブタにおいて行うワクチン接種-チャレンジ有効性試験である。
試験の開始前に、子ブタの血清を採取し、M.hyopneumoniaeおよびブタ生殖器呼吸器症候群ウイルス(PRRSV)に対する血清学的状態をスクリーニングした。血清においてM.hyopneumoniaeおよびPRRSV抗体に陰性な子ブタのみを試験の対象とした。表2に試験の概要を示す。
【0054】
表2

【0055】
IVP-1(一価のM.hyo)は番号273-011Bであり、初期RPは1.44であり18ヶ月目におけるRPは1.22であった。IVP-2(PCV2-M.hyo)としてM.hyo番号273-011B(18ヶ月目におけるRP1.22)およびPCV2番号309-035(リリースRP1.38)を用いた。IVP-3(PCV2-M.hyo)はM.hyo番号273-010B(リリースRP2.8)およびPCV2番号309-035(リリースRP1.38)から構成された。
【0056】
D0の前に、すべてのブタを6群の1つに完全に無作為に割り当てた。第1群はブタ≧19匹からなり、M.hyoワクチン処置群(試験用動物用製品-1(IVP-1))処置群に割り当てた。第2群はブタ≧19匹からなり、M.hyo-PCV2ワクチン(試験用動物用製品-2(IVP-2))処置群に割り当て、0日目に1x2.0ml用量を投与した。第3群はブタ≧19匹からなり、M.hyo-PCV2ワクチン処置群(IVP-3)に割り当て、0日目および12日目に1.0mL量を投与した。第4群はブタ≧19匹からなり、0日目にM.hyo-PCV2ワクチン(IVP-3)1x2.0mLを投与し。第5群はチャレンジ対照として用い、0日目に対照製品2.0mLを投与し、12日目に対照製品1.0mLを投与した。第6群は、厳密な対照として用い、何の製品も投与しなかった。D0の前に、それぞれのブタは全般的な健康について検査し、血液を採取した。
【0057】
D0に、1)第1群に割り当てた子ブタ≧19匹にIVP-1 IM 1.0mLを投与し;2)第2群に割り当てた子ブタ≧9匹にIVP-2 IM 2.0mLを投与し;3)第3群に割り当てた子ブタ≧19匹に、0日目および12日目にIVP-3 IM 1.0mLを投与し;4)第4群に割り当てた子ブタ≧19匹に、0日目にIVP-3 IM 2.0mLを投与し;5)第5群に割り当てた子ブタ≧19匹に、試験0日目にCP IM 2.0mL、試験12日目にIM 1.0mLを投与し;6)第6群に割り当てた子ブタ≧5匹には薬を投与せず、厳密な対照として用いた。
【0058】
試験0日目に、耳の付け根と肩峰点との中間の右頸部に処置薬を投与し、試験12日目に、耳の付け根と肩峰点との中間の左頸部に処置薬を投与した。すべての有害事象および全般的な健康についてD1からD33まで毎日すべての子ブタを観察した。D33にすべて子ブタから血液を採取した。D33に、各ブタの気管内を毒性M.hyopneumoniae 10mlでチャレンジした。疾患のすべての臨床徴候について、D32からD61まですべてのブタを毎日観察した。D47およびD61にすべてのブタから血液試料を採取した。IVP投与前に採取した血液試料をM.hyopneumoniaeおよびPRRS血清学について試験した。D12、D33、D47およびD61に採取した血液試料をM.hyopneumoniae血清学についてのみ試験した。D61に、すべてのブタを安楽死させて剖検した。肺および気管を摘出し、肺にスコアを付けた。各肺から試料を採取し、M.hyopneumoniae DNAについてPCRによって試験した。試験目的が達成されたかどうかを決定するために、統計的に有意な差異に関して、第1群、第2群、第3群および第4群からの肺病変スコアデータを対照(第5群)と比較した。第6群からのデータはどのような統計分析にも含めず、情報目的のみのものとした。第1群、第2群、第3群、第4群および対照(第5群)間で、M.hyopneumoniae血清学、ワクチン接種後の臨床評価およびチャレンジ後の臨床徴候を含む他のM.hyopneumoniaeパラメータを分析した。有効なチャレンジを明らかにするために、肺から採取した試料について、M.hyopneumoniae DNAの存在に関するPCR試験を完了した。
【0059】
結果および考察
剖検時に、肺のスコアを付けた。第1群における動物1匹は、浸潤影および複数の膿瘍を有し、第2群における動物1匹は、浸潤影に加えて胸膜炎を有していた。これら2匹の動物の有無により、統計分析を行った。以下に示すように、第3群は、ワクチン接種群の内最低の肺スコアを示し、スコアは2.20であった。第4群は、ワクチン接種群の内最高の肺スコアを示し、スコアは4.19であった。動物729および712をそれぞれ取り除いたとき、第1群および第2群は共に、より低い肺スコアを示し、これらの動物を取り除いた第1群の肺スコアは2.13であり、第2群の肺スコアは2.56であった。全てのワクチン接種群の肺スコアは、チャレンジされ、ワクチンが投与されなかった第5群のブタの肺スコア(14.27)よりも有意に低かった。
【0060】
肺スコア:

【0061】
以下は、統計対比較の概要である。これには、矛盾する要素を有する2匹の動物の有無による分析を含む。
【0062】

【0063】
すべてのワクチン接種群は、対照と比較して統計的に有意な結果を示した。2x1/2用量および1x2ml用量(第3群および第4群)の間には差異が存在した。これらの群は、それぞれ肺スコア2.2および4.19を示した。同様に、一価の群と高M.hyo抗原包含組み合わせ群(第1群対第4群)の間にも差異が存在した。この試験の結果は、PCV2と組み合わせたM.hyoは、ブタに投与する場合、M.hyo成分の有効性を保っているばかりでなく、免疫原性効果を提供できるという驚くべき結果を示している。さらに、この結果は、この組成物の単回投与が迅速で長く続く免疫をもたらすことを示している。この種類の単回投与は、必要とする時間と労力がより少なく、ブタに与えるストレスがより少ない。
【実施例2】
【0064】
本研究設計は、組み合わせワクチンの免疫持続期間を測定するために行った。
材料および方法:
ブタを6群に分割した。全チャレンジ群(第1群1〜第5群)は、1群当たりブタおよそ19匹とした。所定の処置をせず、チャレンジしなかったブタを含む対照群(第6群)は、1群当たりブタ5匹とした。本研究のスケジュールを以下の表3に示す。
【0065】
表3

【0066】
チャレンジ群におけるブタは試験のD184にチャレンジした。すべての有害事象および全般的な健康について、D1からD33まで毎日すべての子ブタを観察した。D33にすべての子ブタから血液を採取した。D184に各ブタの気管内に毒性M.hyopneumoniae 10mlをチャレンジした。疾患のすべての臨床徴候について、D32からD184まですべてのブタを毎日観察した。D47およびD61にすべてのブタから血液試料を採取した。IVP投与前に採取した血液試料をM.hyopneumoniaeおよびPRRS血清学について試験した。D184に、すべてのブタを安楽死させて剖検した。肺および気管を摘出し、肺にスコアを付けた。
【0067】
結果および考察
ブタを剖検した後、肺を摘出し、肺病変に関して肺を観察した。ワクチン接種群(第1群〜第4群)は、6.2%の平均肉眼的肺病状(P>0.0023)を有し、チャレンジ対照群(第5群)は14.9%の平均肉眼的肺病状を有し、厳密な対照群(第6群)は、1.6%の平均肉眼的肺病状を有していた。これらの結果を以下の表4にまとめる。
【0068】
表4
ワクチン接種26週間後のIngelvac MycoFLEX26の有効性

【0069】
この試験の結果は、M.hyoおよびPCV2のワクチン組み合わせは、ブタにおいて少なくともワクチン接種184日間または26週間後の長く続く効果を有することを示している。M.hyoおよびPCV2抗原の組み合わせが新規組み合わせであることを考慮すれば、これは驚くべき結果である。
【実施例3】
【0070】
M.hyo抗原とPCV2抗原とを混合する場合に観察される干渉の量を測定するためにこの研究を行った。この試験により、ワクチンのM.hyo成分が、PCV2の存在下でもなお有効であることが明らかとなった。
【0071】
材料および方法
ワクチン接種時にブタは3週±5日齢であった。バクテリンの形態のM.hyo抗原の単回2ml用量で第1群をワクチン接種した。同量のM.hyo抗原およびPCV2抗原の単回2ml用量で第2群をワクチン接種した。第3群はチャレンジ対照群であり、第4群は厳密な対照群であった。続いてD33に毒性M.hyo分離株で第1群〜第3群をチャレンジした。この試験の全動物をD61に剖検した。
【0072】
結果および考察
剖検時に、肺のスコアを付けた。M.hyo抗原でワクチン接種した第1群は、わずかに5.5%の平均肉眼的肺病態(P>0.001)を有していた。M.hyo抗原およびPCV2抗原でワクチン接種した第2群は、3.9%の平均肉眼的肺病態(P>0.001)を有していた。チャレンジ対照である第3群は、14.3%の平均肉眼的肺病態を有し、厳密な対照である第4群は0の平均肉眼的肺病態を有していた。これらの結果を以下の表5にまとめる。
【0073】

【0074】
M.hyo抗原単独でワクチン接種したブタと、M.hyoおよびPCV2抗原の組み合わせでワクチン接種したブタとの間の肺の病態における差異は統計的に有意ではないことをこの試験の結果は示している。従って、驚くべきことに、PCV2抗原はM.hyo抗原成分の免疫原性効果に干渉しないことをこの試験は示している。このことは、M.hyo抗原およびPCV2抗原を含む組み合わせワクチンをM.hyoによる感染に対して効果的にさせる。さらに、抗原のこの新規組み合わせは、混合してもなお、単回投与後にこれらの病原体に対する必要な保護を提供できることをこのことは示している。
【実施例4】
【0075】
PCV2でチャレンジされた場合の、M.hyo抗原およびPCV2抗原で構成される組成物の有効性を測定するためにこの研究を行った。
【0076】
材料および方法
60匹の帝王切開由来初乳未摂取子ブタにおいて、PCV2有効性の評価を行った。おおよそ3週齢において、単回2ml用量のIngelvac(登録商標)MycoFLEX(登録商標)、Ingelvac(登録商標)PRRS MLV(登録商標)およびIngelvac(登録商標)CircoFLEX(登録商標)で子ブタにワクチン接種した。ワクチン接種31日後に、ワクチン接種動物および対照動物に毒性PCV2チャレンジウイルスを投与した。チャレンジ材料投与の22日後に、すべての動物を安楽死させ、選択された組織を摘出し、PCV2に関して組織学および免疫組織化学(IHC)を受けさせた。子ブタの取り扱いおよび飼育に関するすべての手順は、実施例1に記載されているように行った。
【0077】
結果および考察
PCV2有効性の評価の基準は、リンパ球枯渇、リンパ炎およびリンパのIHCであった。ワクチン接種群は、リンパ球枯渇0%、リンパ炎4.2%(1/24)およびリンパのIHC8.3%(2/24)を示した。対照群は、リンパ球枯渇83.3%(20/24)、リンパ炎87.5%(21/24)およびリンパのIHC91.7%(22/24)を示した。結果を以下の表6にまとめる。
【0078】

【0079】
ワクチン混合物に帰することができる注射部位または他の副作用は認められなかった。
実施例1に記載のM.hyoチャレンジ試験の結果と合わせると、これらの結果は、単回2ml用量で送達されたM.hyo抗原およびPCV2抗原の混合物がM.hyoおよびPCV2感染に対して効果的であることを明らかにしている。これらの抗原を混合できることは、病原体M.hyoおよびPCV2に対する必要な保護に加えて、注射部位の数およびそれに伴う動物へのストレスの減少と同時に、個々のワクチンの安全性を犠牲にすることなく、2つの異なるワクチンの投与に必要な労力の減少をもたらす。さらに、このことは、このワクチン組み合わせがPCV2に対する感染に効果的であることを明らかにしている。
【実施例5】
【0080】
この実施例によって、本発明記載のM.hyo抗原またはPCV2抗原を含む免疫原性組成物の投与後に、M.hyoまたはPCV2に対する検出可能レベルの抗体をもたらしたマウス数を測定した。
【0081】
材料および方法
それぞれが群中にマウス20匹を有する5つの異なる処置群のマウスにおける抗体産生を測定した。第1群にはM.hyo抗原の用量を投与し、第2群および第3群にはPCV2抗原の用量を投与し、最後の2つの群は対照群として用い、生理食塩水およびカルボポルの用量を投与した。第1群における各マウスには、初期RP 1.44および18ヶ月目でのRP 1.22を有する番号273-011B(上記の実施例1参照)からのIVP-1(一価のM.hyo抗原)の0.1mlの投与を行った。投与の前に、第1群における各用量のためのM.hyo抗原を1:4に希釈した。従ってマウスに投与した抗原量は実施例1においてブタに投与した抗原量よりも40倍少なかった。第2群における各マウスには、PCV2抗原番号309-035(リリースRP1.38)(上記の実施例1参照)の0.2ml投与を行った。第1群のためのM.hyo抗原と同様に、第2群の各用量のためのPCV2抗原を生理食塩水で1:2に希釈して、それが上記の実施例1においてブタに投与したPCV2抗原の10分の1を含むようにした。第3群における各マウスには、上記の実施例1においてブタに投与したPCV2抗原の20分の1を含むように生理食塩水で1:4に希釈したPCV2抗原番号309-035(初期RP 1.38)の0.2ml投与を行った。第4群および第5群には、それぞれ生理食塩水/カルボポルの0.1ml(第4群)または0.2ml(第5群)投与を行った。21日後、第1群および第4群に関しては特異的M.hyo抗体検出アッセイ(ELISA)を用い、第2群、第3群および第5群に関しては特異的PCV2抗体検出アッセイ(ELISA)を用いて抗体産生を測定した。このアッセイを用いて検出可能な量の抗体が認められた場合に結果を“陽性”とした。このアッセイを用いて検出可能な量の抗体が認められなかった場合に結果を“陰性”とした。
【0082】
結果
抗原含有組成物の投与21日後に、第1群のすべてのマウスは検出可能レベルのM.hyo抗体を有することが見出され、第2群におけるすべてのマウスは検出可能レベルのPCV2抗体を有することが見出された。対照的に、生理食塩水/カルボポル組成物の投与21日後に、第4群において検出可能レベルのM.hyo抗体は見出されず、第5群において検出可能レベルのPCV2抗体は見出されなかった。従って、ブタにおいて防御免疫反応の誘導に有効な抗原の40分の1量は、本発明記載の組成物が投与されたマウスの100%においてM.hyoに対する検出可能な量の抗体を生じさせることができた。この量をM.hyoについてRP 1.22と定義した。さらに、ブタにおいて防御免疫反応の誘導に有効な抗原の10分の1量は、本発明記載の組成物が投与されたマウスの100%において、PCV2に対する検出可能な量の抗体を生じることができた。この量を、PCV2についてRP 1.38と定義した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブタにおいてマイコプラズマ・ハイオニューモニエ(M.hyo)に対する防御免疫反応を誘導するための免疫原性組成物であって、前記免疫原性組成物がブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含み、1回当たりのM.hyo抗原量が少なくとも1.22という相対力価(RP)値を有し、M.hyoのRP値1.22は、前記M.hyo抗原量の40分の1(1/40)が投与されたマウスの95%、好ましくは100%がM.hyo特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する前記免疫原性組成物。
【請求項2】
1回当たりのブタサーコウイルス2型抗原の量が少なくとも1.38という相対力価(RP)値を有し、ブタサーコウイルス2型抗原のRP値1.38は、ブタサーコウイルス2型抗原の前記量の10分の1(1/10)が投与されたマウスの95%、好ましくは100%がブタサーコウイルス2型特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内に検出可能な量の抗体を発生することを意味する、請求項1記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
さらにアジュバントを含む、請求項1または2記載の免疫原性組成物。
【請求項4】
アジュバントがカルボマーである、請求項3記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
カルボマーがカルボポルである、請求項4記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
単回投与でブタに投与する場合、M.hyoに対する防御免疫反応を誘導する、請求項1〜5のいずれか1項記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
単回投与でブタに投与する場合、M.hyoおよびブタサーコウイルス2型に対する防御免疫反応を誘導する、請求項2〜5のいずれか1項記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
ブタに投与する場合、M.hyoおよび/またはブタサーコウイルス2型に対する少なくとも130日間の免疫持続期間を誘導する、請求項1〜7のいずれか1項記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
ブタに投与する場合、M.hyoおよび/またはブタサーコウイルス2型に対する少なくとも150日間の免疫持続期間を誘導する、請求項8記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
ブタに投与する場合、M.hyoおよび/またはブタサーコウイルス2型に対する少なくとも184日間の免疫持続期間を誘導する、請求項8記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
特異抗体検出アッセイがELISAである、請求項1〜10のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【請求項12】
M.hyo特異抗体を検出するための特異抗体検出アッセイがIDEXX Herdchek M.hyo Test Kitである、請求項1〜11のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
ブタサーコウイルス2型特異抗体を検出するための特異抗体検出アッセイが、Clin. Diagn. Lab. Immunol. 9:33-40 (2002)に例示的に記載されている、PCVに対する抗体の検出のための、ブタサーコウイルス(PCV)2型ベースおよび組換えカプシドタンパク質(ORF2)ベースの改変間接ELISAである、請求項2〜12のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
ブタにおいてマイコプラズマ・ハイオニューモニエ(M.hyo)に対する防御免疫反応を誘導する方法において、ブタサーコウイルス2型抗原およびM.hyo抗原を含む免疫原性組成物を前記ブタに投与することを含む前記方法であって、1回当たりのM.hyo抗原量が少なくとも1.22という相対力価値を有し、M.hyoのRP値1.22は、前記M.hyo抗原量の40分の1(1/40)が投与されたマウスの95%、好ましくは100%が、M.hyo特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内または21日目に検出可能な量の抗体を発生することを意味する前記方法。
【請求項15】
1回当たりのブタサーコウイルス2型抗原の量が少なくとも1.38という相対力価(RP)値を有し、ブタサーコウイルス2型抗原のRP値1.38は、ブタサーコウイルス2型抗原の前記量の10分の1(1/10)が投与されたマウスの95%、好ましくは100%が、ブタサーコウイルス2型特異抗体検出アッセイにおいて処理後21日以内に検出可能な量の抗体を発生する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
さらにアジュバントを含む、請求項14または15記載の方法。
【請求項17】
アジュバントがカルボマーである、請求項16記載の方法組成物。
【請求項18】
前記カルボマーがカルボポルである、請求項17記載の方法。
【請求項19】
単回投与で前記ブタに投与する場合、M.hyoに対する防御免疫反応を誘導する、請求項14〜18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
単回投与で前記ブタに投与する場合、M.hyoおよびブタサーコウイルス2型に対する防御免疫反応を誘導する、請求項14〜18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
ブタに投与する場合、M.hyoおよび/またはブタサーコウイルス2型に対する少なくとも130日間の免疫持続期間を誘導する、請求項14〜20のいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
ブタに投与する場合、M.hyoおよび/またはブタサーコウイルス2型に対する少なくとも150日間の免疫持続期間を誘導する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記ブタに投与する場合、免疫原性組成物がM.hyoおよび/またはブタサーコウイルス2型に対する少なくとも184日間の免疫持続期間を誘導する、請求項21記載の方法。
【請求項24】
特異抗体検出アッセイがELISAである、請求項14〜23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
特異抗体検出アッセイがIDEXX Herdchek M.hyo Test Kitである、請求項14〜24のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
ブタサーコウイルス2型特異抗体を検出するための特異抗体検出アッセイが、Clin. Diagn. Lab. Immunol. 9:33-40 (2002)に例示的に記載されている、PCVに対する抗体の検出のための、ブタサーコウイルス(PCV)2型ベースおよび組換えカプシドタンパク質(ORF2)ベースの改変間接ELISAである、請求項15〜25のいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2011−520771(P2011−520771A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544442(P2010−544442)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/031847
【国際公開番号】WO2009/126356
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(503345374)ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ インコーポレイテッド (26)
【Fターム(参考)】