説明

PTPシートの排出装置

【課題】PTPシートを搬送する搬送ラインを高速化することができ、また搬送ラインが3列以上の多列になっても、各列からPTPシートを排出することができるPTPシートの排出装置を提供する。
【解決手段】各搬送ライン1A〜1Dの一側に設けられ、PTPシート5に向かって高速のエアを吹き付けるエアブロー手段11A〜11Dと、各搬送ライン1A〜1Dの他側にエアブロー手段11A〜11Dと対向する位置に設けられ、エアブロー手段11A〜11Dから吹き出した高速のエアによって各搬送ライン1A〜1Dから排出されたPTPシート5を案内して排出するシュート12A〜12Dとを備え、少なくとも1つの搬送ライン1Bは、他の搬送ライン1A,1Dより高い位置までPTPシート5を搬送することができる搬送面を有し、搬送ライン1Bに対応したエアブロー手段11Bおよびシュート12Bは高い位置でPTPシート5を排出可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PTP包装された錠剤シート又はカプセル剤シート等のPTPシートを検査した後に、不良品のPTPシートを排出するPTPシートの排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、錠剤、カプセル剤の包装形態は、その携帯性、認識性などの優位性によりPTP(Press Through Package)包装が主流になってきている。このPTP包装された錠剤シート又はカプセル剤シート(以下、PTPシートと云う)は、シート上の異物、シール不良、異物混入等の各種検査が行われ、検査によって不良品と判断されたPTPシートは排出装置によって排出される。この排出装置として、特開2008−150092号公報(特許文献1)において、PTPシートを左右一対の爪によって押して搬送する搬送系路(搬送ライン)に、排出孔と、排出孔を開閉するダンパ状の蓋体と、蓋体を開閉操作するエアシリンダ等の開閉操作部とを設け、不良なPTPシートが排出孔の位置に到達したとき、開閉操作部によって蓋体を開き、PTPシートを排出孔から自重で落下させるようにした構造のものが開示されている。
【0003】
また、他のタイプの排出装置として、特開2009−46223号公報(特許文献2)において、搬送コンベアと対向するように配置され周面にPTPシートを吸引する吸引部を形成した固定ドラムと、通気孔が複数形成され前記固定ドラムの外周側を回転する回転ドラムとを備え、排出すべきPTPシートを回転ドラムに吸着して所定の離脱位置まで移動させた後に、PTPシートを回転ドラムから離脱させるようにした構造のものが開示されている。この排出装置においては、固定ドラムには真空経路が独立して複数確保され、それぞれの真空経路は各々別々の真空装置に接続されている。排出されるべきPTPシートが上流側から回転ドラムの下に到着すると、回転ドラムの真空装置を作動させてPTPシートを回転ドラムに吸着させ、所定の位置まで運ばれた後に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−150092号公報
【特許文献2】特開2009−46223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された開閉ダンパ方式の排出装置にあっては、ダンパ状の蓋体を開くことによって搬送ラインからPTPシートを自重で落下させるようにしている。しかしながら、近年、単位時間あたりの検査処理数量を増加したいという要求が強くなってきており、装置をますます高速化することが必要になってきた。このように装置を高速化した場合、検査後に不良品のPTPシートを搬送系路の途中にある排出孔の位置で蓋体を開いて排出した後に蓋体を速やかに閉じなければ、後続の良品のPTPシートも落下してしまうという問題点がある。ところが、PTPシートは比較的軽量であり、PTPシートを自重で落下させるだけでは速やかに排出できないという問題点があり、しかも蓋体を閉じる動作も短時間で行うことができないという問題点もある。
【0006】
また、特許文献2に開示された回転ドラム方式の排出装置は、回転ドラム、この回転ドラムを回転駆動するモータ、回転ドラムに真空を供給する真空ポンプ等の真空装置等の各種機器を必要とし、装置構造が複雑となり、装置コストが上昇するという問題点があった。
さらに、製薬工場等で実際に採用されている実ラインにおいては、搬送ラインが3列以上並列する場合が多く、3列以上の多列の場合にも、並列している搬送ラインに影響を与えることなく各列からPTPシートを排出したいという要請がある。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、PTPシートを搬送する搬送ラインを高速化することができ、また搬送ラインが3列以上の多列になっても、各列からPTPシートを排出することができるとともに装置構造が簡易になり装置コストを低減することができるPTPシートの排出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、搬送ラインにより搬送される複数のPTPシートから所定のPTPシートを選択して排出するPTPシートの排出装置において、並列して設置された複数の搬送ラインと、前記各搬送ラインの一側に設けられ、選択されたPTPシートに向かって高速のエアを吹き付けるエアブロー手段と、前記各搬送ラインの他側に前記エアブロー手段と対向する位置に設けられ、前記エアブロー手段から吹き出した高速のエアによって前記各搬送ラインから排出されたPTPシートを案内して排出するシュートとを備え、前記複数の搬送ラインのうち少なくとも1つの搬送ラインは、他の搬送ラインより高い位置までPTPシートを搬送することができる搬送面を有し、前記少なくとも1つの搬送ラインに対応した前記エアブロー手段およびシュートは前記高い位置でPTPシートを排出可能な位置に設置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、少なくとも1つの搬送ラインの搬送面によって高い位置までPTPシートを搬送し、この高い位置でエアブロー手段から高速のエアをPTPシートに向かって吹きつけることにより、PTPシートを搬送ラインからシュートに排出し、排出されたPTPシートをシュートにより案内して外部に運ぶことができる。一方、他の搬送ラインは、前記少なくとも1つの搬送ラインより低い搬送面、例えば水平な搬送面を有しており、低い位置でエアブロー手段から高速のエアをPTPシートに向かって吹きつけることにより、PTPシートを搬送ラインからシュートに排出し、排出されたPTPシートをシュートにより案内して外部に運ぶことができる。このように、複数の搬送ラインが並列していても搬送面に高低差をつけて高い位置と低い位置とからPTPシートをシュートに排出することができるために、搬送ラインが3列以上の多列になっても、各列から確実にPTPシートを排出することができる。
【0010】
本発明の1態様によれば、前記少なくとも1つの搬送ラインは概略山形状に傾斜した搬送面を有し、前記他の搬送ラインは水平な搬送面を有することを特徴とする。
本発明の1態様によれば、前記各搬送ラインは、PTPシートを搬送する搬送面を構成する2本の案内レールと、該2本の案内レールの下方を走行するコンベアと、該コンベアから突出して設けられ前記2本の案内レール上のPTPシートを前方に押して進行させるための複数の爪とを備え、前記少なくとも1つの搬送ラインの爪は前記他の搬送ラインの爪より長いことを特徴とする。
本発明の1態様によれば、前記エアブロー手段は、高速のエアを一定方向に吹き出すノズルからなることを特徴とする。
本発明によれば、ノズルから吹き出す高速のエアを360m/s〜450m/sに設定することにより、PTPシートを高速流に乗せて運ぶことができる。この時のエア圧力は0.2MPa〜0.3MPaである。
【0011】
本発明の1態様によれば、前記複数の搬送ラインは少なくとも3つの並列した搬送ラインからなり、前記少なくとも3つの搬送ラインに対応して設置された少なくとも3つの前記シュートは、前記少なくとも3つの搬送ラインの両側に分かれて設置されていることを特徴とする。
本発明の1態様によれば、前記少なくとも3つの搬送ラインの一側にある複数の前記シュートは、上下方向に階層状に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、以下に列挙する効果を奏する。
(1)本発明によれば、PTPシートを搬送ラインによって搬送中に、エアブロー手段によってPTPシートを搬送ラインから排出し、排出されたPTPシートをシュートにより案内して外部に排出するようにしたため、搬送ラインが高速になっても、搬送ラインからPTPシートを確実に排出することができる。
(2)本発明によれば、少なくとも1つの搬送ラインの搬送面によって高い位置までPTPシートを搬送し、この高い位置でエアブロー手段から高速のエアをPTPシートに向かって吹きつけることにより、PTPシートを搬送ラインからシュートに排出し、排出されたPTPシートをシュートにより案内して外部に運ぶことができる。一方、他の搬送ラインは、前記少なくとも1つの搬送ラインより低い搬送面、例えば水平な搬送面を有しており、低い位置でエアブロー手段から高速のエアをPTPシートに向かって吹きつけることにより、PTPシートを搬送ラインからシュートに排出し、排出されたPTPシートをシュートにより案内して外部に運ぶことができる。このように、複数の搬送ラインが並列していても搬送面に高低差をつけて高い位置と低い位置とからPTPシートをシュートに排出することができるために、搬送ラインが3列以上の多列になっても、各列から確実にPTPシートを排出することができる。
(3)回転ドラム方式の排出装置においては、回転ドラム、この回転ドラムを回転駆動するモータ、回転ドラムに真空を形成する真空ポンプ等の真空装置等の各種機器を必要としたが、本発明によれば、搬送面からPTPシートを排出するエアブロー手段と、排出されたPTPシートを案内するシュートから排出装置を構成できるため、装置構造が簡易になり装置コストを飛躍的に低減することができる。
(4)本発明によれば、複数の搬送ラインから排出されたPTPシートを案内して外部に排出するためのシュートが上下方向に階層状に配置されているため、階層状のシュートは下流側で容易に合流させることが可能であり、PTPシートを回収する労力を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係るPTPシートの排出装置が設置されたPTPシートの搬送ラインの側面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線断面図である。
【図3】図3は、1つの搬送ラインを示す斜視図である。
【図4】図4は、搬送ラインに設置された排出装置を示す斜視図である。
【図5】図5は、ノズルからPTPシートに向けて高速流を吹きつけることによりPTPシートが気流搬送される状態を示す模式図であり、図5(a)は、ノズルから高速流をPTPシートの錠剤側である表面側に沿って吹きつける場合を示す図であり、図5(b)は、ノズルから高速流をPTPシートの表面側と裏面側の両面に沿って吹きつける場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るPTPシートの排出装置の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。
図1および図2は、本発明に係るPTPシートの排出装置が設置されたPTPシートの搬送ラインを示す図であり、図1はPTPシートの搬送ラインの側面図、図2は図1のII−II線断面図である。
図1および図2に示すように、PTPシート5を搬送する搬送ラインは並列して複数列設置されている。図1および図2に示す実施形態においては、4列の搬送ライン1A,1B,1C,1Dが設置されている。4列の搬送ラインのうち、外側の2列の搬送ライン1A,1Dは水平面上を直線的に延びる搬送ラインからなり、内側の2列の搬送ライン1B,1Cは水平面から上り勾配になった後に下り勾配となり水平面に戻る搬送ラインからなっている。
【0015】
図1に示す搬送ラインの部分より上流側の工程では、検査用カメラ(図示せず)が設けられており、各PTPシート5をカメラにより撮像し、搬送されているPTPシート5について種々の検査が行われるようになっている。検査の項目としては、PTPシート5に収納された錠剤の形状不良の検査、錠剤を収納するための各収納部5a(図3参照)に異物が含まれていないかの検査、錠剤の表面にプリントされた文字の検査等がある。
【0016】
図2に示すように、本発明に係るPTPシートの排出装置は、搬送ライン1A,1B,1C,1Dに沿って配置されており、上流側の検査工程で検出された不良品を搬送ライン1A〜1Dから排出するために使用されている。排出装置は各搬送ラインごとに設けられており、本実施形態においては4つの搬送ライン1A,1B,1C,1Dに対応して4つの排出装置10A,10B,10C,10Dが設けられている。排出装置10A〜10Dは、各搬送ライン1A〜1Dの側方に設けられ搬出すべきPTPシート5にエアを吹きつけて(ブローして)搬送ライン1A〜1Dから排除するためのノズル11A〜11Dと、各搬送ライン1A〜1Dから排除されたPTPシート5を案内して外部に排出するためのシュート12A〜12Dとを備えている。
【0017】
すなわち、図2に示すように、排出装置10Aは、搬送ライン1Aの右側に配置されたノズル11Aと搬送ライン1Aの左側に配置されたシュート12Aとから構成されている。排出装置10Bは、搬送ライン1Bの右側に配置されたノズル11Bと搬送ライン1Bの左側に配置されたシュート12Bとから構成されている。排出装置10Cは、搬送ライン1Cの左側に配置されたノズル11Cと搬送ライン1Cの右側に配置されたシュート12Cとから構成されている。排出装置10Dは、搬送ライン1Dの左側に配置されたノズル11Dと搬送ライン1Dの右側に配置されたシュート12Dとから構成されている。
搬送ライン1B用のノズル11Bと搬送ライン1C用のノズル11Cとは背面合わせに設置されている。また、シュート12Aとシュート12Bとは上下2段の階層状のシュートになっており、シュート12Cとシュート12Dとは上下2段の階層状のシュートになっている。
【0018】
図3は、1つの搬送ラインを示す斜視図である。図3に示すように、各搬送ライン1A〜1Dは、平行に配置された2本の案内レール2,2と、これらの案内レール2,2のやや下側で2本の案内レール2,2の間に配置され、案内レール2,2の延びる方向に沿って駆動されるベルトコンベア3とを備えている。PTPシート5は、案内レール2,2の長手方向の所定間隔毎に、これら案内レール2,2に跨るようにして支持されている。ベルトコンベア3の両側部には、長手方向の所定間隔毎に上方に向けて突出している爪4…4が取り付けられており、各PTPシート5は、これら爪4…4により前方に押されて案内レール2,2上を摺動して搬送される。案内レール2,2、ベルトコンベア3および爪4は、搬送手段を構成している。また、案内レール2,2は搬送面を構成している。
【0019】
なお、図3においては、各搬送ライン1A〜1Dにおける案内レールを符号2で示し、爪を符号4で示したが、図1および図2においては各搬送ライン1A〜1Dにおける案内レールおよび爪を峻別するために添字A〜Dを用いて示す。すなわち、外側の2列の搬送ライン1A,1Dには、それぞれ水平面上を直線的に延びる2本の案内レール2A,2A;2D,2Dが設置されている。また、内側の2列の搬送ライン1B,1Cには、それぞれ水平から上り勾配となった後に下り勾配となり水平に戻る2本の案内レール2B,2B;2C,2Cが設置されている。また、外側の2列の搬送ライン1A,1Dのベルトコンベア3に設置された爪4A,4Dは、水平面上を直線的に延びる案内レール2A,2A;2D,2Dに支持されたPTPシート5を前方に押すものであるため、案内レールの支持面よりやや上方まで延びる高さh1に設定されている。内側の2列の搬送ライン1B,1Cのベルトコンベア3に設置された爪4B,4Cは、なだらかな山形状の案内レール2B,2B;2C,2Cに支持されたPTPシート5を前方に押すものであるため、山形状の案内レールの頂部よりやや上方まで延びる高さh2に設定されている。高さh2>高さh1に設定されている。
【0020】
図4は、搬送ライン1Cに設置された排出装置10Cを示す斜視図である。図4においては、3列目の搬送ライン1Cと、4列目の搬送ライン1Dとが図示されており、3列目の搬送ライン1Cにおける一方の案内レール2Cに隣接してエアブロー用のノズル11Cが配置されている。
また、3列目の搬送ライン1Cにおける他方の案内レール2Cの側方に、搬送ライン1C用のシュート12Cが配置されている。シュート12Cの下方には、シュート12Cに直交して搬送ライン1Dが延びている。また、シュート12Cの直下には、シュート12Cに平行してシュート12Dが配置されているが、図4ではシュート12Dはシュート12Cの下に隠れているため、図示されていない。ノズル11Cはエア供給配管16を介して圧縮空気源(図示せず)に接続されている。なお、他のノズル11A,11B,11Dも同様にエア供給配管を介して圧縮空気源に接続されている。
【0021】
図4に示すように、搬送ライン1Cにおいて各PTPシート5は2本の案内レール2C,2Cに跨るように支持されつつ2個の爪4C,4Cにより前方に押されて搬送される。そして、不良のPTPシート5がなだらかな山形状の案内レール2C,2Cの頂部に到達すると、ノズル11Cからエアの高速流を噴出してPTPシート5に吹き付け、PTPシート5は高速流に乗って案内レール2C,2C上からシュート12Cまで運ばれる。その後、PTPシート5は引き続きエアの高速流でシュート12Cに接続された排出ダクト(図示せず)に運ばれる。また、搬送ライン1Dにおいて各PTPシート5は2本の案内レール2D,2Dに跨るように支持されつつ2個の爪4D,4Dにより前方に押されて搬送される。そして、不良のPTPシート5がノズル11D(図2参照)の前面に到達すると、ノズル11Dからエアの高速流を噴出してPTPシート5に吹き付け、PTPシート5は高速流に乗って案内レール2D,2D上からシュート12D(図2参照)まで運ばれる。その後、PTPシート5は引き続きエアの高速流でシュート12Dに接続された排出ダクト(図示せず)に運ばれる。シュート12C,12Dは上下2段の階層状になっている(図2参照)。図4では図示されていないが、搬送ライン1A,1Bにおいても、不良のPTPシート5は同様に上下2段の階層状のシュート12A,12Bに排出される。図2に示すように、シュート12A,12Bとシュート12C,12Dとは、4つの搬送ライン1A〜1Dを挟んで対向した位置にある。各ノズル11A〜11Dから噴出されるエアの高速流は、360m/s〜450m/sに設定されている。この時のエア圧力は0.2MPa〜0.3MPaである。
【0022】
図5は、各ノズル11A〜11DからPTPシート5に向けて高速流を吹きつけることによりPTPシート5が気流搬送される状態を示す模式図である。図5(a)は、ノズル11から高速流をPTPシート5の錠剤側である表面側に沿って吹きつける場合を示す図であり、図5(b)は、ノズル11A〜11Dから高速流をPTPシート5の表面側と裏面側の両面に沿って吹きつける場合を示す図である。
図5(a)に示すように、ノズル11A〜11Dから高速流をPTPシート5の錠剤側である表面側に沿って吹きつけると、高速流およびその近傍の圧力が低下してPTPシート5は高速流体側に吸い寄せられるため、PTPシート5は高速流に乗ってシュート12A〜12Dまで運ばれ、さらに排出ダクトに運ばれる。
図5(b)に示すように、ノズル11A〜11Dから高速流をPTPシート5の表面側と裏面側の両面に沿って吹きつけると、PTPシート5の表側には収納部5aの凹凸があるため、PTPシート5の表側の流路はPTPシート5の裏側の流路より長いので、PTPシート5の表側の圧力が低下してPTPシート5の表側を流れる高速流体側に吸い寄せられるため、PTPシート5は高速流に乗ってシュート12A〜12Dまで運ばれ、さらに排出ダクトに運ばれる。
図5(a)および図5(b)のいずれの場合にも、PTPシート5を高速流体の作用を利用して傾斜シュート12まで搬送することができる。
【0023】
図1乃至図5に示す実施形態においては、並列する4列の搬送ライン1A〜1Dの搬送面に高低差をつけて、搬送ライン1A〜1DからPTPシート5を排出するためのノズル11A〜11Dを搬送ライン1A〜1Dの案内レール2A〜2Dに隣接して設置し、PTPシート5を排出案内するためのシュート12A〜12Dを搬送ライン1A〜1Dの左右に上下2段の階層状に配置したため、4列の搬送ライン1A〜1Dの各列から確実にPTPシート5を排出することができ、4列の搬送ライン1A〜1Dの両側にPTPシート5を排出することができる。
【0024】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0025】
1A,1B,1C,1D 搬送ライン
2,2A,2B,2C,2D 案内レール
3 ベルトコンベア
4,4A,4B,4C,4D 爪
5 PTPシート
5a 収納部
10A,10B,10C,10D 排出装置
11A,11B,11C,11D ノズル
12A,12B,12C,12D シュート
16 エア供給配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ラインにより搬送される複数のPTPシートから所定のPTPシートを選択して排出するPTPシートの排出装置において、
並列して設置された複数の搬送ラインと、
前記各搬送ラインの一側に設けられ、選択されたPTPシートに向かって高速のエアを吹き付けるエアブロー手段と、
前記各搬送ラインの他側に前記エアブロー手段と対向する位置に設けられ、前記エアブロー手段から吹き出した高速のエアによって前記各搬送ラインから排出されたPTPシートを案内して排出するシュートとを備え、
前記複数の搬送ラインのうち少なくとも1つの搬送ラインは、他の搬送ラインより高い位置までPTPシートを搬送することができる搬送面を有し、前記少なくとも1つの搬送ラインに対応した前記エアブロー手段およびシュートは前記高い位置でPTPシートを排出可能な位置に設置されていることを特徴とする排出装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの搬送ラインは概略山形状に傾斜した搬送面を有し、前記他の搬送ラインは水平な搬送面を有することを特徴とする請求項1記載の排出装置。
【請求項3】
前記各搬送ラインは、PTPシートを搬送する搬送面を構成する2本の案内レールと、該2本の案内レールの下方を走行するコンベアと、該コンベアから突出して設けられ前記2本の案内レール上のPTPシートを前方に押して進行させるための複数の爪とを備え、前記少なくとも1つの搬送ラインの爪は前記他の搬送ラインの爪より長いことを特徴とする請求1又は2に記載の排出装置。
【請求項4】
前記エアブロー手段は、高速のエアを一定方向に吹き出すノズルからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排出装置。
【請求項5】
前記複数の搬送ラインは少なくとも3つの並列した搬送ラインからなり、前記少なくとも3つの搬送ラインに対応して設置された少なくとも3つの前記シュートは、前記少なくとも3つの搬送ラインの両側に分かれて設置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の排出装置。
【請求項6】
前記少なくとも3つの搬送ラインの一側にある複数の前記シュートは、上下方向に階層状に設けられていることを特徴とする請求項5記載の排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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