説明

R形面取り装置およびR形面取り方法

【課題】 簡単な構成で設置や使用が容易な小型で低価格のR形面取り装置と簡便なR形面取り方法とを提供する。
【解決手段】 R形面取り装置は、3台の面取り手段100、200、300を有している。第1面取り手段100は略三角状カリバーまたは略台形状カリバーを具備する一対の第1加圧ローラー110、150と、これを幅方向に移動させる第1移動手段160と、被加工材7の四隅に所定の加圧力を付与する第1加圧手段170とを有し、第1加圧ローラー110、150のカリバー開き角度が略50°である。第2および第3面取り手段200および300も同様であって、第2および第3加圧ローラーのカリバー開き角度がそれぞれ略80°および略130°である。R形面取り方法は、被加工部の稜線にカリバー開き角度がそれぞれ略50°、80°および130°である加圧ローラを順番に所定の加圧力でもって押し当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、R形面取り装置およびR形面取り方法、特に、長手方向で略一定の所定断面を具備する長尺材における所定の断面略矩形部分の四隅を略円弧状に形成するR形面取り装置およびR形面取り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶等の鉄鋼構造物を構築するための部材は、断面矩形、断面略T字状あるいは断面略H字状等の長尺材(本発明において、長手方向の長さが垂直方向の断面の大きさに比較して大きいものを「長尺材」と総称する)であって、防食や美観を保証するため塗装が施されている。そして、近年、塗装防食性を向上させたいとの要請から、エッジ部(稜線部に同じ)には従来の「糸面取り」に替えて、「R形面取り」が採用されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第2564758号公報(第2−3頁、図2)
【特許文献2】特許第2618603号公報(第3−5頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された発明には、以下のような問題があった。
(あ)略U字状カリバーを長尺材のエッジ部に押し当て、該カリバー隅の形状を転写しようとするものである。そして、略U字状カリバーを略L字状カリバーを具備する一対のローラーによって形成するため、合計4台の略L字状カリバーを具備するローラーについて、それぞれ垂直面を長尺材の垂直面(端面)に、水平面を長尺材の水平面(上面および下面)に押し当てる必要があり、制御が複雑になる。
(い)また、略L字状カリバーの水平面が長尺材の水平面の押圧されて摺動するため、、回転駆動力が大きくなり、装置が大型化に伴って、設置位置の自由度が低下し、また、価格が高くなる。
(う)さらに、カリバー隅に長尺材のエッジ部を積極的に押圧させて、その形状を転写しようとするものであるため、カリバー隅は摩耗し易く、また、摩耗した場合にはその形状が転写される。また、摩耗が発生すると頻繁にローラーを取り替える必要が生じる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡単な構成であって、設置や使用が容易な小型で低価格のR形面取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るR形面取り装置は、長手方向で略一定の所定断面を具備する長尺材における所定の断面略矩形部分の四隅を略円弧状に形成するR形面取り装置であって、
該長尺材を長手方向に搬送する搬送手段と、
該搬送手段の途中に配置され、それぞれ略三角状カリバーまたは略台形状カリバーを具備する一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーと、
該一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーのそれぞれを、前記断面略矩形部分の四隅の位置に応じて移動させる第1移動手段、第2移動手段および第3移動手段と、
前記第1加圧ローラー、第2加圧ローラーおよび第3加圧ローラーのそれぞれを、前記断面略矩形部分の四隅に所定の加圧力を付与する第1加圧手段、第2加圧手段および第3加圧手段とを有し、
前記第1加圧ローラーのカリバー開き角度が40°〜60°で、前記第2加圧ローラーのカリバー開き角度が70°〜90°で、前記第3加圧ローラーのカリバー開き角度が120°〜140°であることを特徴とする。
【0007】
(2)また、前記一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーが、第1加圧ローラー軸と該第1加圧ローラー軸に軸方向で摺動自在に設置された第1加圧ローラー本体と、第2加圧ローラー軸と該第2加圧ローラー軸に軸方向で摺動自在に設置された第2加圧ローラー本体と、第3加圧ローラー軸と該第3加圧ローラー軸に軸方向で摺動自在に設置された第3加圧ローラー本体と、からそれぞれ構成されることを特徴とする。
【0008】
(3)また、前記一対の第1加圧ローラーの一方の第1加圧ローラー軸、前記一対の第2加圧ローラーの一方の第2加圧ローラー軸および前記一対の第3加圧ローラーの一方の第3加圧ローラー軸にこれを回転駆動する第1駆動モータ、第2駆動モータおよび第3駆動モータが連結され、
前記一対の第1加圧ローラーの他方の第1加圧ローラー軸、前記一対の第2加圧ローラーの他方の第2加圧ローラー軸および前記一対の第3加圧ローラーの他方の第3加圧ローラー軸に、これを前記一方の第1加圧ローラー軸、前記一方の第2加圧ローラー軸および前記一方の第3加圧ローラー軸に向けてそれぞれ進退させる第1加圧シリンダ、第2加圧1シリンダおよび第3加圧1シリンダが設置されることを特徴とする。
【0009】
(4)また、前記長尺材における所定の断面略矩形部分の幅および厚さを測定する測定手段と、
該測定手段が測定した測定結果に基づいて、前記第1移動手段、第2移動手段および第3移動手段が前記一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーのそれぞれの移動距離を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
(5)また、前記長尺材が搬送される位置を測定する測定手段と、
該測定手段が測定した測定結果に基づいて、前記制御手段が前記一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーのそれぞれの移動距離を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
(6)また、 前記第1加圧力、第2加圧力および第3加圧力が、それぞれ、2.5t〜4.5t、0.9t〜2.9tおよび0.9t〜2.9tであることを特徴とする。
【0011】
(7)さらに、本発明に係るR形面取り方法は、長手方向で略一定の所定断面を具備する長尺材における所定の断面略矩形部分の四隅を略円弧状に形成するものであって、
前記長尺材を長手方向に搬送しながら、前記長尺材の四隅に、カリバー開き角度が40°〜60°である略三角状カリバーまたは略台形状カリバーを具備する一対の第1加圧ローラーを所定の第1加圧力でもって加圧する第1加圧工程と、
該第1加圧工程において加圧された四隅に、カリバー開き角度が70°〜90°である略三角状カリバーまたは略台形状カリバーを具備する一対の第2加圧ローラーを所定の第2加圧力でもって加圧する第2加圧工程と、
該第2加圧工程において加圧された四隅に、カリバー開き角度が120°〜140°である略三角状カリバーまたは略台形状カリバーを具備する一対の第3加圧ローラーを所定の第3加圧力でもって加圧する第3加圧工程と、を有すことを特徴とする。
【0012】
(8)また、前記長尺材における所定の断面略矩形部分の幅および厚さを測定する測定工程と、
該測定工程において測定して測定結果に基づいて、前記一対の第1加圧ローラーの間隔および上下方向位置、前記一対の第2加圧ローラーの間隔および上下方向位置、並びに前記一対の第3加圧ローラーの間隔および上下方向位置をそれぞれ設定する加圧ローラー位置設定工程と、を有することを特徴とする。
(9)また、前記第1加圧力、第2加圧力および第3加圧力が、それぞれ、2.5t〜4.5t、0.9t〜2.9tおよび0.9t〜2.9tであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
(i)したがって、本発明に係るR形面取り装置は、それぞれカリバー開き角度が相違するカリバーを具備する第1加圧ローラー、第2加圧ローラーおよび第3加圧ローラーを有するため、かかる3台の加圧ローラー(3パスの加圧工程に同じ)によって、エッジ部にR形の面取りが形成されるから、制御や構造が簡単で、設置位置の自由度が増し、装置の小型化や低価格化が促進される。
(ii)また、第1加圧ローラー本体が第1加圧ローラー軸に軸方向で自由に摺動し、第2加圧ローラー本体が第2加圧ローラー軸に軸方向で自由に摺動し、および第3加圧ローラー本体が第3加圧ローラー軸に軸方向で自由に摺動するから、各加圧ローラー本体は、カリバーの上側斜面と下側斜面との加圧力が等しくバランスする位置に移動し、結果として、長尺材の所定の断面略矩形部分(被加圧部分に同じ)の四隅は均等に押圧されることになる。
(iii)一対の第1加圧ローラーは一方の第1加圧ローラー軸が回転駆動され、他方の第1加圧ローラー軸が進退されるため、構造が簡素で小型になり、設置の自由度が増し保全性も向上する。また、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーにおいて同様の効果が得られる。
(iv)長尺材の所定の断面略矩形部分(被加圧部分に同じ)の幅および厚さの測定結果に基づいて、一対の第1加圧ローラーの位置が設定されるから(一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーにおいても同様)、加圧ラインの自動化が促進され、省力化・無人化を図ることができる。
(v)長尺材が搬送される搬送位置の測定結果に基づいて、一対の第1加圧ローラーの位置が設定されるから(一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーにおいても同様)、長尺材の搬送位置が偏位した場合であっても、一対の第1加圧ローラー等がこれに追従するから、搬送および加圧が円滑に実行される。
(vi)さらに、本発明に係るR形面取り方法は、3パス工程からなる簡単な工程によって、容易に所望のR形の面取りを形成することができる。
(vii)また、長尺材の所定の断面略矩形部分(被加圧部分に同じ)の幅および厚さの測定結果に基づいて、一対の第1加圧ローラーの位置が設定されるから(一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーにおいても同様)、加圧ラインの自動化が促進され、省力化・無人化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(R形面取りライン)
図1は本発明の実施形態に係るR形面取り装置が設置されたR形面取りラインを模式的に示す平面図である。図1において、R形面取りライン1は、搬送コンベア2と、搬送コンベア2の途中に設置されたR形面取り装置3と、R形面取り装置3に対して搬送コンベア2の上流側に設置され、被加圧材(フラットバー等の長尺材)7の加圧部分8の幅(水平方向の大きさ)と厚さ(鉛直方向の大きさ)と搬送位置(被加圧材のセンタと搬送コンベア2のセンタとの偏位量)とを測定する測定手段4とを有している。
R形面取り装置3は、第1面取り手段100と、第2面取り手段200と、第3面取り手段300とから構成されている。以下、それぞれについて詳細に説明する。
【0015】
(面取り手段)
図2は本発明の実施形態に係るR形面取り装置を構成する面取り手段を示す、(a)は平面図、(b)は側面図である。以下、符号の百の桁は、第1面取り手段100、第2面取り手段200または第3面取り手段300の何れに属する部材であるかを示し、第1面取り手段100、第2面取り手段200および第3面取り手段300に共通する部材については、符号の十の桁および一の桁を同一にし、第1面取り手段100について説明する。
第1面取り手段100は、一対の第1加圧ローラー110、150(以下、第1駆動ローラー110、第1従動ローラ150と称す)とを有している。
【0016】
(駆動ローラー)
第1駆動ローラー110は、略三角カリバまたは略台形カリバが形成された第1駆動ローラー本体111と、第1駆動ローラー本体111を回転すると共に、軸方向に摺動自在に支持する第1駆動ローラー軸112(断面四角軸、スプライン軸等)とから構成されて、第1駆動ローラー軸112は第1駆動ベット120に設置された第1駆動モータ130によって回転駆動される。
また、第1駆動ベット120は第1面取り手段ベース190に調芯ベアリング140を介して載置され、図示しない第1移動手段によって搬送コンベア2のセンタに向かって進退するものである。
なお、第1面取り手段100と第2面取り手段200と第3面取り手段300とが連続して(タンデムに)配置されている場合には、第2面取り手段200の第2駆動ローラーを撤去してもよい。
【0017】
(従動ローラー)
第1従動ローラー150は、略三角カリバまたは略台形カリバが形成された第1従動ローラー本体151と、第1駆動ローラー本体111を軸方向に摺動自在に支持する第1従動ローラー軸152とから構成されて、第1従動ローラー軸152は第1従動ベット160に設置されている。第1従動ベット160は第1駆動ベット120にて搬送コンベア2のセンタに向かって移動自在に設置され、第1加圧シリンダ170によって、進退されると共に被加圧材に対して所定の加圧力を付与するものである。
【0018】
(測定手段)
測定手段4は、被加圧材7の搬送位置(被加圧材のセンタと搬送コンベア2のセンタとの偏位量)および被加圧材7の加圧部分8の幅および厚さを測定するものであって、測定結果を図示しない制御手段に入力するものである。
なお、搬送コンベア2に被加圧材7のセンタを搬送コンベア2のセンタに一致させるガイド手段が設置されている場合には、搬送位置の測定を省略してもよい。
また、R形面取りライン1に、被加圧材7のトラッキング機能が付与されている場合には、被加圧材7の加圧部分8の幅および厚さを測定を省略して、被加圧材7の通過を検知するようにしてもよい。このとき、被加圧材7の通過検知に伴って、予め登録されたスケジュールから、被加圧材7の加圧部分8の幅および厚さ図示しない制御手段に入力されることになる。
【0019】
(油圧ユニット)
油圧ユニット6は、第1面取り手段100の第1加圧シリンダ170および図示しない第1移動手段に油圧を供給するものである。なお、油圧ユニット6は、第1面取り手段100、第2面取り手段200および第3面取り手段300のそれぞれに油圧を供給するものを例示しているが、加圧手段毎にそれぞれ別個に設けてもよい。
【0020】
(加圧要領)
加圧要領は、測定手段4が測定した被加圧材7の搬送位置(被加圧材のセンタと搬送コンベア2のセンタとの偏位量)についての測定結果に基づいて、図示しない制御手段が第1移動手段を制御し、第1駆動ローラー111を被加圧材7の加圧部分8の稜線9に滑らかに当接する位置に移動させる。また、測定手段4が測定して被加圧材7の加圧部分8の幅および厚さについての測定結果に基づいて、図示しない制御手段が第1加圧シリンダ170を制御して、第1駆動ローラー111を被加圧材7の加圧部分8の稜線9に滑らかに当接する位置に移動させると共に、所定の第1加圧力でもって稜線9を加圧する。このとき、第1駆動ローラー本体111および第1従動ローラー151は、それぞれ第1駆動ローラー軸112および第1従動ローラー軸152に対して軸方向に摺動自在であるから、加圧力によって、自動的に昇降し、被加圧材7の加圧部分8の稜線9(四隅に同じ)は均等に加圧されることになる。
【0021】
(面取り順)
図3は本発明の実施形態に係るR形面取り方法を模式的に示す側面図であって、(a)は第1加圧工程、(b)は第2加圧工程、(c)は第3加圧工程、および(d)は各加圧工程をまとめて示している。
第1加圧工程は、第1加圧手段によって実行される。第1加圧手段の一対の第1加圧ローラー本体111、151にはそれぞれ略三角形カリバーまたは略台形カリバーが形成され、カリバー開き(α1)が50°であって、被加圧材7の加圧部分8を加圧する第1加圧力が2.5tである。したがって、該工程において、稜線9は略C面取り状に押し潰される。このとき、加圧部分8の厚さ方向の中心側(加圧部分8の垂直面側)に膨らみが発生する。また、加圧部分8は常に一定の第1加圧力でもって加圧されるから、加圧部分8の幅または厚さが変動した場合であっても、稜線9は全長にわたって同一形状に押し潰されることになる。
【0022】
第2加圧工程は、第2加圧手段によって実行される。第2加圧手段の一対の第2加圧ローラー本体211、251にはそれぞれ略三角形カリバーまたは略台形カリバーが形成され、カリバー開き(α2)が80°であって、第1加圧工程で押し潰された部分を加圧する第2加圧力が0.9tである。したがって、第1加圧工程と同様に、該工程においても稜線9は全長にわたって同一形状に押し潰されることになる。このとき、第1工程において形成された膨らみは、加圧部分8の幅方向の中心側および厚さ方向の中心側(加圧部分8の水平面側および垂直面側)の両方で略均等に緩和される。
【0023】
第3加圧工程は、第3加圧手段によって実行される。第3加圧手段の一対の第3加圧ローラー本体311、351にはそれぞれ略三角形カリバーまたは略台形カリバーが形成され、カリバー開き(α3)が130°であって、第2加圧工程で押し潰された部分を加圧する第3加圧力が0.9tである。したがって、第2加圧工程で緩和された膨らみは、さらに加圧部分8の厚さ方向の中心側(加圧部分8の垂直面側)で緩和される。
したがって、かかる3工程の加圧によって、稜線9はR形状に成形されることになる。
なお、第1加圧力、第2加圧力あるいは第3加圧力の大きさは前記の値に限定するものではなく、被加圧材7の材質や硬度に応じて変更することができるものであって、前記値の概ね+2tの範囲である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は以上の構成であるから、各種材料の断面矩形部の稜線はR形状に成形するR形面取り装置として広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係るR形面取り装置が設置されたR形面取りラインを模式的に示す平面図。
【図2】本発明の実施形態に係るR形面取り装置を構成する面取り手段を示す、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図3】本発明の実施形態に係るR形面取り方法を模式的に示す側面図。
【符号の説明】
【0026】
1 R形面取りライン
2 搬送コンベア
3 R形面取り装置
4 測定手段
6 油圧ユニット
7 被加圧材
8 加圧部分
9 稜線
100 第1面取り手段
110 第1駆動ローラー(第1加圧ローラー)
111 第1駆動ローラー本体(第1加圧ローラー本体)
112 第1駆動ローラー軸(第1加圧ローラー軸)
120 第1駆動ベット
130 第1駆動モータ
140 第1調芯ベアリング
150 第1従動ローラ(第1加圧ローラー)
151 第1従動ローラー本体(第1加圧ローラー本体)
152 第1従動ローラー軸(第1加圧ローラー軸)
160 第1従動ベット
170 第1加圧シリンダ
190 第1面取り手段ベース
200 第2面取り手段
211 第2駆動ローラー本体(第2加圧ローラー本体)
251 第2従動ローラー本体(第2加圧ローラー本体)
300 第3面取り手段
311 第3駆動ローラー本体(第3加圧ローラー本体)
351 第3従動ローラー本体(第3加圧ローラー本体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向で略一定の所定断面を具備する長尺材における所定の断面略矩形部分の四隅を略円弧状に形成するR形面取り装置であって、
該長尺材を長手方向に搬送する搬送手段と、
該搬送手段の途中に配置され、それぞれ略三角状カリバーまたは略台形状カリバーを具備する一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーと、
該一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーのそれぞれを、前記断面略矩形部分の四隅の位置に応じて移動させる第1移動手段、第2移動手段および第3移動手段と、
前記第1加圧ローラー、第2加圧ローラーおよび第3加圧ローラーのそれぞれを、前記断面略矩形部分の四隅に所定の加圧力を付与する第1加圧手段、第2加圧手段および第3加圧手段とを有し、
前記第1加圧ローラーのカリバー開き角度が40°〜60°で、前記第2加圧ローラーのカリバー開き角度が70°〜90°で、前記第3加圧ローラーのカリバー開き角度が120°〜140°であることを特徴とするR形面取り装置。
【請求項2】
前記一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーが、第1加圧ローラー軸と該第1加圧ローラー軸に軸方向で摺動自在に設置された第1加圧ローラー本体と、第2加圧ローラー軸と該第2加圧ローラー軸に軸方向で摺動自在に設置された第2加圧ローラー本体と、第3加圧ローラー軸と該第3加圧ローラー軸に軸方向で摺動自在に設置された第3加圧ローラー本体と、からそれぞれ構成されることを特徴とする請求項1記載のR形面取り装置。
【請求項3】
前記一対の第1加圧ローラーの一方の第1加圧ローラー軸、前記一対の第2加圧ローラーの一方の第2加圧ローラー軸および前記一対の第3加圧ローラーの一方の第3加圧ローラー軸にこれを回転駆動する第1駆動モータ、第2駆動モータおよび第3駆動モータが連結され、
前記一対の第1加圧ローラーの他方の第1加圧ローラー軸、前記一対の第2加圧ローラーの他方の第2加圧ローラー軸および前記一対の第3加圧ローラーの他方の第3加圧ローラー軸に、これを前記一方の第1加圧ローラー軸、前記一方の第2加圧ローラー軸および前記一方の第3加圧ローラー軸に向けてそれぞれ進退させる第1加圧シリンダ、第2加圧1シリンダおよび第3加圧1シリンダが設置されることを特徴とする請求項1記載のR形面取り装置。
【請求項4】
前記長尺材における所定の断面略矩形部分の幅および厚さを測定する測定手段と、
該測定手段が測定した測定結果に基づいて、前記第1移動手段、第2移動手段および第3移動手段が前記一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーのそれぞれの移動距離を制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のR形面取り装置。
【請求項5】
前記長尺材が搬送される位置を測定する測定手段と、
該測定手段が測定した測定結果に基づいて、前記制御手段が前記一対の第1加圧ローラー、一対の第2加圧ローラーおよび一対の第3加圧ローラーのそれぞれの移動距離を制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のR形面取り装置。
【請求項6】
前記第1加圧力、第2加圧力および第3加圧力が、それぞれ、2.5t〜4.5t、0.9t〜2.9tおよび0.9t〜2.9tであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のR形面取り装置。
【請求項7】
長手方向で略一定の所定断面を具備する長尺材における所定の断面略矩形部分の四隅を略円弧状に形成するR形面取り方法であって、
前記長尺材を長手方向に搬送しながら、前記長尺材の四隅に、カリバー開き角度が40°〜60°である略三角状カリバーまたは略台形状カリバーを具備する一対の第1加圧ローラーを所定の第1加圧力でもって加圧する第1加圧工程と、
該第1加圧工程において加圧された四隅に、カリバー開き角度が70°〜90°である略三角状カリバーまたは略台形状カリバーを具備する一対の第2加圧ローラーを所定の第2加圧力でもって加圧する第2加圧工程と、
該第2加圧工程において加圧された四隅に、カリバー開き角度が120°〜140°である略三角状カリバーまたは略台形状カリバーを具備する一対の第3加圧ローラーを所定の第3加圧力でもって加圧する第3加圧工程と、
を有すことを特徴とするR形面取り方法。
【請求項8】
前記長尺材における所定の断面略矩形部分の幅および厚さを測定する測定工程と、
該測定工程において測定して測定結果に基づいて、前記一対の第1加圧ローラーの間隔および上下方向位置、前記一対の第2加圧ローラーの間隔および上下方向位置、並びに前記一対の第3加圧ローラーの間隔および上下方向位置をそれぞれ設定する加圧ローラー位置設定工程と、
を有することを特徴とする請求項5記載のR形面取り方法。
【請求項9】
前記第1加圧力、第2加圧力および第3加圧力が、それぞれ、2.5t〜4.5t、0.9t〜2.9tおよび0.9t〜2.9tであることを特徴とする請求項7および8記載のR形面取り方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−44732(P2007−44732A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231865(P2005−231865)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(502116922)ユニバーサル造船株式会社 (172)