説明

USB装置

【課題】操作が容易で、構造も簡易であり、かつユーザが意識しなくても、不使用時にはUSBコネクタ部を防塵等から保護可能なUSB装置を提供する。
【解決手段】USBコネクタ部2と、USBコネクタ部2を出し入れ自在の開口部4aを有する第1筐体部4と、開口部4aを覆うか否かを自在に切り替えられるように第1筐体部4に取り付けられる第2筐体部5と、第2筐体部5が開口部4aを覆うか否かに同期させてUSBコネクタ部2を開口部4aから出し入れする制御を行う移動制御部6と、を備える。移動制御部6は、USBコネクタ部2が開口部4aから押し出された状態のときに、USBコネクタ部2を第1筐体部4に収納させる方向に第1付勢力を与えるとともに、第2筐体部5が開口部4aを覆う方向に第2付勢力を与える付勢力付与部7を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、汎用サイズのUSBコネクタ部を備えたUSB装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PCやTV、光ディスクレコーダなどの種々のデジタル機器は、USBコネクタ部を備えている。USBコネクタ部には、USBメモリなどの各種のUSB装置を接続可能であり、これにより、情報の伝送を手軽に行うことが可能となり、また、USB装置に無線通信機能などの追加の機能を持たせることで、機能の拡張も簡易に行うことができる。
【0003】
携帯可能なスティック状のUSB装置は、USBコネクタ部の衝撃保護、静電対策、防塵および防錆等のために、USBコネクタ部を覆う着脱可能なキャップを備えることが多い。
【0004】
ところが、キャップはUSBコネクタ部の使用時には取り外さなければならないため、紛失するおそれがある。キャップとUSB装置本体とをストラップ等で接続しておくことも考えられるが、USBコネクタ部の使用時には、ストラップ付きのキャップが作業の邪魔になることも多い。
【0005】
そこで、USB装置に回転可能に支持されるキャップを取り付けて、USBコネクタ部の使用時でもキャップを取り外さなくて済むようにしたUSB装置も提案されている。
【0006】
しかしながら、キャップを回転させる方式では、USBコネクタ部の使用時と不使用時の双方で、キャップを回転させなければならず、操作が面倒であり、また、ユーザが両手を使わなければキャップを操作できない場合もあり、ユーザの利便性が高いとはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−158712号公報
【特許文献2】特表2009−503675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、操作が容易で、構造も簡易であり、かつユーザが意識しなくても、不使用時にはUSBコネクタ部を防塵等から保護可能なUSB装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態では、USBコネクタ部と、
前記USBコネクタ部を出し入れ自在の開口部を有する第1筐体部と、
前記開口部を覆うか否かを自在に切り替えられるように前記第1筐体部に取り付けられる第2筐体部と、
前記第2筐体部が前記開口部を覆うか否かに同期させて前記USBコネクタ部を前記開口部から出し入れする制御を行う移動制御部と、を備え、
前記移動制御部は、前記USBコネクタ部が前記開口部から押し出された状態のときに、前記USBコネクタ部を前記第1筐体部に収納させる方向に第1付勢力を与えるとともに、前記第2筐体部が前記開口部を覆う方向に第2付勢力を与える付勢力付与部を有することを特徴とするUSB装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(A)〜(C)は本発明の第1の実施形態に係るUSB装置1を示す図。
【図2】支持部材16の一例を示す斜視図。
【図3】(A)と(B)は第2の実施形態に係るUSB装置1aの断面図。
【図4】(A)と(B)は第3の実施形態に係るUSB装置1bの断面図。
【図5】(A)と(B)は第4の実施形態に係るUSB装置1cの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るUSB装置1を示す図である。図1のUSB装置1は、代表的にはフラッシュメモリを搭載したUSBメモリであるが、ストレージ機能以外の機能を持っていてもよい。汎用のUSBコネクタ部を備えたUSB装置1であれば、どのような機能を持っていても、本実施形態の適用が可能である。
【0013】
図1(A)は、USB装置1内のUSBコネクタ部2と、このUSBコネクタ部2に接続される配線基板3とを示す断面図である。図1(B)および図1(C)は、第1の実施形態に係るUSB装置1の断面図である。これらの断面図は、USB装置1の短手方向の略中央付近での長手方向に沿った断面図である。
【0014】
これらの図に示すように、本実施形態に係るUSB装置1は、USBコネクタ部2と、USBコネクタ部2に接続される配線基板3と、USBコネクタ部2を出し入れ自在の開口部4aを有する第1筐体部4と、開口部4aを覆うか否かを自在に切り替えられるように第1筐体部4に取り付けられる第2筐体部5と、第2筐体部5が開口部4aを覆うか否かに同期させてUSBコネクタ部2を開口部4aから出し入れする制御を行う移動制御部6と、を備えている。
【0015】
USBコネクタ部2は、PC等に標準装備されている汎用のUSB端子に接続可能な汎用サイズのものである。配線基板3には、USBコネクタ部2を介して送受される種々のデータを格納する半導体メモリ(フラッシュメモリ、DRAM、SRAMなど)や、データ送受の制御を行うコントローラ等が実装されている。
【0016】
USB装置1は、通常の状態では、図1(B)のように、第2筐体部5の後端部側(図示の右側)が第1筐体部4から浮き上がった外形形状になっている。開口部4aは、第1筐体部4の先端部(図示の左側)に設けられており、USBコネクタ部2の不使用時には、開口部4aは第2筐体部5により覆われている。以下では、USBコネクタ部2の不使用時を通常の状態と呼ぶ。
【0017】
本実施形態に係るUSB装置1では、USBコネクタ部2を他の機器のUSB端子に接続する際には、第2筐体部5の後端部側の浮き上がった箇所をユーザが指で押圧する。これにより、図1(C)のように、第2筐体部5の後端部は下方に下がるとともに、第2筐体部5の先端部が上方に持ち上がって、第1筐体部4の開口部4aが露出され、USBコネクタ部2が開口部4aから図示の左側に押し出される。これにより、USBコネクタ部2を他の機器のUSB端子に接続可能となる。
【0018】
このような第2筐体部5とUSBコネクタ部2の移動は、移動制御部6の機構により実現されている。
【0019】
移動制御部6は、USBコネクタ部2が開口部4aから押し出された状態のときに、USBコネクタ部2を第1筐体部4に収納させる方向に第1付勢力を与えるとともに、第2筐体部5が開口部4aを覆う方向に第2付勢力を与える付勢力付与部7を有する。
【0020】
付勢力付与部7は、ユーザが第2筐体部5の後端部を押圧してUSBコネクタ部2が開口部4aの外側に押し出された状態で、そのUSBコネクタ部2をユーザが他のUSB機器に接続した場合は、上述した第1および第2付勢力を蓄積し、ユーザがUSBコネクタ部2を他のUSB機器から外して、かつ第2筐体部5の押圧も止めた場合には、蓄積された第1および第2付勢力を利用して、USBコネクタ部2を第1筐体部4に収納するとともに、第2筐体部5により開口部4aを覆う。
【0021】
より具体的には、付勢力付与部7は、USBコネクタ部2を開口部4aから出し入れさせる第1アーム11と、第1アーム11に回動自在に接続されて第2筐体部5を移動させる第2アーム12と、第1アーム11に第1付勢力を与え、かつ第2アーム12に第2付勢力を与える付勢部材13と、を有する。
【0022】
付勢部材13は、ユーザが第2筐体部5の後端部を押圧すると伸長し、押圧を止めると縮んで自然状態に復帰する。付勢部材13の一端は、第1アーム11と第2アーム12の接続箇所に接続されており、付勢部材13の他端は第1筐体部4に接続されている。第1アーム11は、配線基板3の端部に固定されたアーム接続部14に取り付けられている。第2アーム12は、第2筐体部5に取り付けられている。
【0023】
ユーザが第2筐体部5の後端部を押圧すると、付勢部材13が伸びて、第1アーム11はアーム接続部14を開口部4aの方向(水平方向左側)に押し出し、第2アーム12は第2筐体部5の後端部を下方に下げて先端部を上方に持ち上げる。ユーザが押圧を止めると、付勢部材13は自然状態に復帰して、第1アーム11はアーム接続部14を水平方向右側に引っ張り、第2アーム12は第2筐体部5の後端部を上方に持ち上げて先端部を下方に下げる。
【0024】
このように、第1アーム11は、アーム接続部14を水平方向左右に移動させ、第2アーム12は第2筐体部5の先端部と後端部を互いに逆方向に移動させる。
【0025】
アーム接続部14とUSBコネクタ部2は、配線基板3の対向する二辺に取り付けられている。したがって、第1アーム11は、USBコネクタ部2、配線基板3およびアーム接続部14を一体的に水平方向左右に移動させる。
【0026】
第2アーム12は、上述したように、第2筐体部5の先端部と後端部を互いに逆方向に移動させるため、第2筐体部5の後端部を押圧した場合には先端部を上方に持ち上げて第1筐体部4の開口部4aを露出させ、押圧を止めた場合は第2筐体部5の先端部を下方に下げて、第2筐体部5にて第1筐体部4の開口部4aを覆う。
【0027】
第2筐体部5は、第1筐体部4に取り付けられた回転軸20周りに所定の角度範囲で回転可能とされている。この回転軸20周りに第2筐体部5が時計回りに回転すると、開口部4aが露出されて、USBコネクタ部2が開口部4aから押し出される。
【0028】
第2筐体部5の上面には、図1(B)に示すようにストッパ15が取り付けられている。このストッパ15は、USBコネクタ部2を他の機器のUSB端子に接続する際に、USBコネクタ部2をUSB端子に押し込んだときの反作用で、USBコネクタ部2が開口部4a側に押し込まれないようにするためのものである。より具体的には、USBコネクタ部2が開口部4aから押し出している状態でのアーム接続部14の位置付近で、アーム接続部14がストッパ15に当接するようにしている。したがって、USBコネクタ部2を開口部4a側に押し込む力が働いても、USBコネクタ部2と一体的に移動するアーム接続部14がストッパ15に当接されることから、USBコネクタ部2が開口部4aより内側に押し込まれることはない。よって、USBコネクタ部2を簡易かつ確実に外部機器のUSB端子に接続することができる。
【0029】
USB装置1のUSBコネクタ部2を他の機器のUSB端子に接続するには、その接続が完了するまでは、ユーザは第2筐体部5の後端部を押圧し続ける必要がある。いったん、USBコネクタ部2が外部機器に接続されると、USBコネクタ部2は他の機器のUSB端子に堅固に嵌合されるため、ユーザが第2筐体部5を押圧していなくても、第1アーム11の位置は変わらない。第1アーム11の位置が変わらないということは、第2アーム12の位置も変わらないということであり、付勢部材13は伸びた状態を維持する。
【0030】
その後、ユーザがUSBコネクタ部2を外部機器から外すと、ユーザが第2筐体部5を押圧していなければ、付勢部材13は自然状態に戻ろうとして、第1付勢力により第1アーム11は水平方向右側に移動し、また第2付勢力により第2アーム12は上方に移動する。これにより、USBコネクタ部2は第1筐体部4の開口部4aの内側に移動するとともに、第2筐体部5は第1筐体部4の開口部4aを覆い、図1(B)に示す通常の状態に復帰する。
【0031】
上述したように、USBコネクタ部2、配線基板3およびアーム接続部14は、第1アーム11の移動に伴って、一体的に水平方向左右に移動するが、移動途中でガタが生じないように、配線基板3を支持する支持部材16を設けるのが望ましい。
【0032】
図2は支持部材16の一例を示す斜視図である。図2の支持部材16は、断面が矩形状の筒状部材であり、支持部材16の内壁には、配線基板3を支持固定するための溝16aが形成されている。この溝16aに配線基板3の対向する二辺のエッジ部を挿入させた状態で固定する。
【0033】
支持部材16の長さは、配線基板3の長さより短くて構わない。配線基板3の対向する二辺の一部のみを堅固に支持固定すれば、配線基板3が移動途中でガタつくおそれはないためである。
【0034】
配線基板3は支持部材16に固定されていることから、USBコネクタ部2、配線基板3、支持部材16およびアーム接続部14は、一体的に移動することになる。支持部材16の幅および高さが第1筐体部4の幅および高さと略一致していれば、支持部材16が移動する際にガタつくおそれはないが、支持部材16の移動方向をより正確に規制させたい場合は、図1(B)に示すように、支持部材16の移動方向を規制するガイド部材17を第1筐体部4に設置してもよい。このガイド部材17は、第1筐体部4に固定されており、その断面形状が矩形状の筒型部材である。支持部材16は、ガイド部材17の内部を通過自在とされており、ガイド部材17の内壁の幅および高さを支持部材16の幅および高さと略一致させることにより、支持部材16をガイド部材17の内壁に沿って、正確な方向に移動させることができる。なお、ガイド部材17の長さは、支持部材16の長さよりも短くて構わない。
【0035】
ストレージ機能を有するUSB装置1などの場合、USB装置1にアクセス中か否かを外部から視認できるようにするのが望ましい。そこで、本実施形態では、配線基板3上に、アクセス中の場合に点灯する発光素子18を設けるとともに、USBコネクタ部2を開口部4aから外側に押し出しているときに、発光素子18の直上に位置する第1筐体部4に光透過部19を設けている。この光透過部19は、小径の貫通孔でもよいし、貫通孔の上面を透明あるいは半透明の蓋で覆ってもよいし、光透過部19の筐体厚さを、光を通す程度に薄くしてもよい。なお、この光透過部19は必ずしも必須ではないため、省略してもよい。光透過部19を省略する場合は、配線基板3上に上述した発光素子18を設ける必要もない。
【0036】
このように、第1の実施形態に係るUSB装置1は、未使用時にはUSBコネクタ部2が第1筐体部4内に収納されており、第2筐体部5の後端部をユーザが押圧すると、第1筐体部4の開口部4aが開いて、その内部からUSBコネクタ部2が外側に押し出され、ユーザが押圧を止めると、自動的にUSBコネクタ部2が開口部4aの内側に引っ込んで、第2筐体部5により開口部4aを覆うようにしている。すなわち、本実施形態では、ユーザが片手で操作するだけで、USBコネクタ部2の出し入れと開口部4aの開閉を同期して行うことができるため、USBコネクタ部2の衝撃保護、静電対策、防塵および防錆等の対策を手軽に、かつ確実に行うことができる。
【0037】
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係るUSB装置1は、その後端部側の付勢部材13の付勢力を利用して、第1筐体部4の開口部4aの開閉制御と、USBコネクタ部2の水平方向移動制御とを行っている。第2筐体部5の先端部の上下移動は、第2アーム12の上下移動により行うため、第2アーム12が第2筐体部5の先端部から距離的に離れていることもあり、先端部が意図通りに上下に移動しない可能性もあり得る。
【0038】
そこで、第2筐体部5の先端部と第1筐体部4の先端部との間に、別個の補助付勢部材13を設けて、この補助付勢部材13の付勢力を利用して第2筐体部5の先端部を上下に移動させてもよい。
【0039】
図3は第2の実施形態に係るUSB装置1Aの断面図である。図3では、図1と共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0040】
図3のUSB装置1Aは、第2筐体部5の先端部と第1筐体部4の先端部との間に補助付勢部材21を設けた点で図1のUSB装置1Aとは異なっている。この補助付勢部材21は、付勢部材13と同期して伸縮する。例えば、ユーザが第2筐体部5の後端部を押圧すると、付勢部材13が伸長して第2アーム12は第2筐体部5の後段部を下方に押し下げるとともに、先端部を上方に持ち上げる。これにより、補助付勢部材21は伸長する。
【0041】
この状態で、ユーザが第2筐体部5の後端部の押圧を止めると、付勢部材13と補助付勢部材21の双方ともに、自然状態に復帰しようとして縮む。これにより、付勢部材13の付勢力にて、第1アーム11はUSBコネクタ部2を開口部4aの内側方向に移動させ、第2アーム12は第2筐体部5の後端部を上方に持ち上げる。また、補助付勢部材21の付勢力にて、第2筐体部5の先端部は下方に下がり、開口部4aを覆う。
【0042】
このように、第2の実施形態では、第2筐体部5の先端部と第1筐体部4の先端部との間に補助付勢部材21を設けるため、第2筐体部5の先端部を上下に移動させやすくなり、第1筐体部4の開口部4aの開閉動作を正確に行うことができる。
【0043】
(第3の実施形態)
ストレージ機能を持つUSB装置1は、その内部にフラッシュメモリを搭載しており、PC等のUSB端子に接続することで、手軽に大量のデータを持ち出すことを可能とした。これに対して、カメラや携帯電話などでは、USB端子ではなく、メモリカードスロットを備えていることが多い。メモリカードスロットに挿入されたメモリカード内のデータは、リーダ/ライタを介して、PCに取り込まれるのが一般的である。リーダ/ライタも小型化が進んでおり、USBコネクタ部2を備えたスティック状のリーダ/ライタも普及している。スティック状のリーダ/ライタは、横幅が狭いこともあり、極小サイズのメモリカード(例えば、マイクロSDカード)の読み出し/書込に適している。
【0044】
第3の実施形態に係るUSB装置1は、この種の極小サイズのメモリカードを挿入可能なメモリカードスロットを備えている。
【0045】
図4は第3の実施形態に係るUSB装置1bの断面図である。図4のUSB装置1bは、第1筐体部4の後端部の端面にメモリカードスロット22を備えている点で、図1のUSB装置1bと異なっている。
【0046】
図4のUSB装置1bは、スティック状であり、横幅が狭いため、メモリカードスロット22に挿入可能なメモリカードは極小サイズのもの(例えばマイクロSDカード)を想定している。
【0047】
図4のUSB装置1bを用いてメモリカードへのデータの書込やメモリカードからのデータの読み出しを行う場合は、以下の手順で行われる。
【0048】
まず、ユーザは、図4(A)に示すように、USBコネクタ部2が第1筐体部4に収納された状態で、メモリカードスロット22にメモリカードを挿入する。そして、第2筐体部5の後端部を押圧する。このとき、図4(B)に示すように、第2筐体部5は第1筐体部4のほとんどを覆うことになるが、第2筐体部5の後端部の端面は第1筐体部4の後端部の端面よりもかなり後方に位置するため、第1筐体部4の後端部の端面からメモリカードの一部が突き出していても、第2筐体部5の後端部の端面がメモリカードに衝突するおそれはない。もし、衝突するおそれがある場合には、メモリカードの突き出し長さに応じて、予め第2筐体部5の後端部を少し長めにしておけばよい。
【0049】
このように、第3の実施形態では、メモリカードスロット22にメモリカードを挿入したままで、第2筐体部5を押圧できるため、メモリカードリーダ/ライタとして利用可能なUSB装置1bにも、上述した構造を適用可能である。
【0050】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、ストラップを付けられるようにしたものである。
図5は第4の実施形態に係るUSB装置1の断面図である。図5(A)および図5(B)に示すUSB装置1cは、図1(A)および図1(B)のUSB装置1cと比べて、第2筐体部5の後端部の端面にストラップ取付部24を設けたことを特徴とする。
【0051】
ストラップ取付部24には、ストラップを通すための貫通孔が形成されている。このようなストラップ取付部24を設けることで、ストラップを簡易に取り付けることができ、USB装置1cを首からぶらさげる等の使い方が可能となり、利便性が向上するとともに、USB装置1cやストラップの形状や色に特徴を持たせることで、デザイン性に優れたUSB装置1cを提供できる。
【0052】
(その他の変形例)
図1〜図5に示したUSB装置1、1a、1b、1c(以下、総称してUSB装置1と呼ぶ)のそれぞれは、一実施形態にすぎない。上述した構造を備えたUSB装置1に、種々の機能を持たせることが可能である。例えば、指紋認証機能を持たせて、ユーザがUSB装置1の所定領域を指の腹で触った際に指紋認証を行うようにしてもよい。
【0053】
あるいは、USB装置1に無線通信用のアンテナや、ワンセグや地上デジタルTV用のアンテナを内蔵して、USB装置1を用いて無線通信やTV視聴を行ってもよい。その際、通信装置やチューナもUSB装置1に内蔵してもよいし、あるいは、アンテナだけをUSB装置1に内蔵して、通信装置やチューナはUSBコネクタ部2を介して接続される他の機器に設けてもよい。通信装置の通信形態も特に問わず、無線LANやブルートゥース(登録商標)など、種々の通信形態が適用可能である。
【0054】
USB装置1は、USB−IF規格であるUSB Composite Device ClassやUSB Storage (Mass Storage) Device Classに準拠していてもよいし、この規格に準拠していなくてもよい。本実施形態は、汎用サイズのUSBコネクタ部2を備えてさえいれば、どのような機能を持つUSB装置1でも適用可能である。
【0055】
また、USB装置1に撮像装置やマイクを内蔵して、映像や音声を取り込む機能を設けてもよい。
【0056】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれない。したがって、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0057】
1、1a、1b、1c USB装置
2 USBコネクタ部
3 配線基板
4 第1筐体部
4a 開口部
5 第2筐体部
6 移動制御部
7 付勢力付与部
11 第1アーム
12 第2アーム
13 付勢部材
14 アーム接続部
15 ストッパ
16 支持部材
17 ガイド部材
18 発光素子
19 光透過部
20 回転軸
21 補助付勢部材
22 メモリカードスロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBコネクタ部と、
前記USBコネクタ部を出し入れ自在の開口部を有する第1筐体部と、
前記開口部を覆うか否かを自在に切り替えられるように前記第1筐体部に取り付けられる第2筐体部と、
前記第2筐体部が前記開口部を覆うか否かに同期させて前記USBコネクタ部を前記開口部から出し入れする制御を行う移動制御部と、
前記USBコネクタ部に接合される配線基板と、
前記配線基板の前記USBコネクタ部との接合部と反対側の端部に取り付けられ、前記第1アームに接続されるアーム接続部と、を備え、
前記移動制御部は、前記USBコネクタ部が前記開口部から押し出された状態のときに、前記USBコネクタ部を前記第1筐体部に収納させる方向に第1付勢力を与えるとともに、前記第2筐体部が前記開口部を覆う方向に第2付勢力を与える付勢力付与部を有し、
前記移動制御部は、前記第2筐体部の所定箇所が押圧されたときに、前記USBコネクタ部が前記開口部から押し出されるように前記USBコネクタ部を前記開口部の方向に移動させるとともに、前記第2筐体部が前記開口部を覆わないように前記第2筐体部を移動させ、
前記付勢力付与部は、前記第2筐体部の所定箇所が押圧されて前記開口部から押し出された前記USBコネクタ部が他のUSB機器に接続されている間は、前記第1および第2付勢力を蓄積し、前記USBコネクタ部が前記他のUSB機器から外されて、かつ前記第2筐体部の押圧が解除された場合に、蓄積された前記第1および第2付勢力を利用して、前記USBコネクタ部を前記第1筐体部に収納するとともに、前記第2筐体部により前記開口部を覆うものであり、
前記付勢力付与部は、
前記USBコネクタ部を前記開口部から出し入れさせる第1アームと、
前記第1アームに回動自在に接続され、前記第2筐体部を移動させる第2アームと、
前記第1アームに前記第1付勢力を与え、かつ前記第2アームに前記第2付勢力を与える付勢部材と、を有し、
前記USBコネクタ部、前記配線基板および前記アーム接続部は、前記第1アームの移動に合わせて一体的に移動して前記USBコネクタ部を前記開口部から出し入れし、
前記第2筐体は、前記USBコネクタ部が前記開口部から押し出されたときに、前記USBコネクタ部が前記開口部の内側方向に押し込まれないように、前記アーム接続部の移動を停止させるストッパを有することを特徴とするUSB装置。
【請求項2】
USBコネクタ部と、
前記USBコネクタ部を出し入れ自在の開口部を有する第1筐体部と、
前記開口部を覆うか否かを自在に切り替えられるように前記第1筐体部に取り付けられる第2筐体部と、
前記第2筐体部が前記開口部を覆うか否かに同期させて前記USBコネクタ部を前記開口部から出し入れする制御を行う移動制御部と、を備え、
前記移動制御部は、前記USBコネクタ部が前記開口部から押し出された状態のときに、前記USBコネクタ部を前記第1筐体部に収納させる方向に第1付勢力を与えるとともに、前記第2筐体部が前記開口部を覆う方向に第2付勢力を与える付勢力付与部を有することを特徴とするUSB装置。
【請求項3】
前記移動制御部は、前記第2筐体部の所定箇所が押圧されたときに、前記USBコネクタ部が前記開口部から押し出されるように前記USBコネクタ部を前記開口部の方向に移動させるとともに、前記第2筐体部が前記開口部を覆わないように前記第2筐体部を移動させることを特徴とする請求項2に記載のUSB装置。
【請求項4】
前記付勢力付与部は、前記第2筐体部の所定箇所が押圧されて前記開口部から押し出された前記USBコネクタ部が他のUSB機器に接続されている間は、前記第1および第2付勢力を蓄積し、前記USBコネクタ部が前記他のUSB機器から外されて、かつ前記第2筐体部の押圧が解除された場合に、蓄積された前記第1および第2付勢力を利用して、前記USBコネクタ部を前記第1筐体部に収納するとともに、前記第2筐体部により前記開口部を覆うことを特徴とする請求項2または3に記載のUSB装置。
【請求項5】
前記付勢力付与部は、
前記USBコネクタ部を前記開口部から出し入れさせる第1アームと、
前記第1アームに回動自在に接続され、前記第2筐体部を移動させる第2アームと、
前記第1アームに前記第1付勢力を与え、かつ前記第2アームに前記第2付勢力を与える付勢部材と、を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のUSB装置。
【請求項6】
前記USBコネクタ部に接合される配線基板と、
前記配線基板の前記USBコネクタ部との接合部と反対側の端部に取り付けられ、前記第1アームに接続されるアーム接続部と、を備え、
前記USBコネクタ部、前記配線基板および前記アーム接続部は、前記第1アームの移動に合わせて一体的に移動して前記USBコネクタ部を前記開口部から出し入れすることを特徴とする請求項5に記載のUSB装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−92935(P2013−92935A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235190(P2011−235190)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)