説明

X線診断装置用天板

【課題】炭素繊維強化樹脂で成形された筒状部材とその筒状部材の一端部の内側に嵌合された金属あるいは繊維強化樹脂製補強部材とからなるX線診断装置用天板において、大きな荷重が負荷された場合にも、筒状部材と補強部材との接合部での剥離発生が少なく、長期にわたる強度信頼性に優れたX線診断装置用天板を提供する。
【解決手段】炭素繊維強化樹脂で形成された長尺形状の2枚の面板を間隔をもって対面配置し、その幅方向のそれぞれの両端を互いに連結してなる筒状部材と、筒状部材の一端部の内側に嵌合され、金属または繊維強化樹脂で形成されてなる補強部材とからなり、筒状部材とその奥側に位置する補強部材の先端部とは、弾性接着剤で接着されてなることを特徴とするX線診断装置用天板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線診断装置用天板に関し、さらに詳しくは、筒状部材と、その内側に接着接合された嵌挿部材を有するX線診断装置用天板において、大きな荷重が負荷されても、接着に起因する剥離異音の発生の少ない天板構造に関する。
【背景技術】
【0002】
X線診断装置で人体を透視する場合、被検体の人体を天板の上に載せて撮影する。このように人体を載せる天板は、体重を支えるのに十分な強度、剛性を有するとともに、撮影画像を鮮明にするためにX線透過性に優れた材料から製作されることが必要である。このような観点から、X線診断装置用天板に使用される材料としては、一般材料に比べ、強度、弾性率に優れ、かつX線透過性に優れた炭素繊維強化樹脂が広く使用されている。炭素繊維強化樹脂は、通常、炭素繊維と熱硬化性樹脂とで構成されることが多い(特許文献1、2参照)。
【0003】
この従来の炭素繊維強化樹脂からなるX線診断装置用天板は、天板形状に加工したコア材のX線非透視部端部に、外部他部材に支持されるための厚手の金属部材をインサートし、その表面に、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維織物を貼り付け、加熱硬化させて面板を成形したサンドイッチ構成が主流になっている。
【0004】
しかし、コア材表面に貼り付けた面板と金属部材との大きな剛性差のため、天板に大きな荷重が負荷された場合、金属部材と面板との接着端部界面で応力集中による剥離を起こすとともに剥離に起因する異音が発生し、天板品位を著しく損なうとともに強度、耐久性に乏しいという問題がある。
【0005】
また、特許文献1や特許文献2に開示された技術では、コア材を用いているため、それがX線透過性を阻害し、天板として必ずしも十分なX線透過性能が得られず、鮮明な画像が得られないという問題があるばかりか、コア材自体の材料費が高価で、かつ天板形状への加工が必要であることから、コスト高になるという問題や、未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維織物の貼り付けは手作業で行う必要があり、生産性が低いという問題がある。
【0006】
かかる問題に対し、空間が直線状に貫通する外型の空間に中子を挿入し、該中子と外型に囲まれた成形空間を形成した金型を使用し、炭素繊維に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた基材を前記金型成形空間に挿通するとともに、金型を加熱しながら基材に張力を加えて引き抜くことにより、コア材を使用しなくとも製作できるX線診断装置用筒状部材の成形方法(特許文献3)や、炭素繊維強化樹脂で構成された中空構造の天板を用い、その長さ方向の片側において片持ち状態を実現するために、その筒状部材の非透視部にアルミニウム製の金属部材を補強部材として嵌合したものが開示されている(特許文献4)。
【0007】
しかし、コア材を挿入しないX線診断装置用天板の場合には、コア材を挿入した天板に比べ、X線透過性は向上するが、天板を構成する筒状部材の上下2枚の面板は、その幅方向両端で連結されているだけで、コア材を介して結合されていないため、大きな曲げ荷重が天板に負荷された場合、コア材を介して結合されていない筒状部材は、コア材を介して接合された天板の筒状部材よりも変形が大きくなり、筒状部材と金属部材とを接着剤で接着していても剥離が起こり易く、剥離とともに大きな剥離異音を発生するので、天板としての品位を大きく損なうことになっていた。また、長期使用のもとではこの剥離が進展し、筒状部材と金属部材との接着が完全に剥がれるという問題もあり、強度信頼性の面からも改善が求められていた。
【特許文献1】実開平5−62208号公報
【特許文献2】実開平6−12035号公報
【特許文献3】特開2003−319936号公報
【特許文献4】特開2007−020986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、炭素繊維強化樹脂で成形された筒状部材とその筒状部材の一端部の内側に嵌合された金属あるいは繊維強化樹脂製補強部材とからなるX線診断装置用天板において、大きな荷重が負荷された場合にも、筒状部材と補強部材との接合部での剥離発生が少なく、長期にわたる強度信頼性に優れたX線診断装置用天板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、本発明に係るX線診断装置用天板は、炭素繊維強化樹脂で形成された長尺形状の2枚の面板を間隔をもって対面配置し、その幅方向のそれぞれの両端を互いに連結してなる筒状部材と、その筒状部材の一端部の内側に嵌合され、金属または繊維強化樹脂で形成されてなる補強部材とからなるX線診断装置用天板であって、筒状部材とその奥側に位置する補強部材の先端部とは、弾性接着剤で接着されてなることを特徴とするものからなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、炭素繊維強化樹脂で形成された筒状部材とその一端部に嵌合された補強部材からなっているため、被検体が載置される部位にコア材を使用しないようにでき、天板として十分なX線透過性が得られ、鮮明な画像が得られるようになり、筒状部材と補強部材の先端部とが、弾性接着剤で接着されているため、天板に大きな曲げ荷重が負荷された場合でも、筒状部材と補強部材の先端部との接着面において接着面に垂直な方向の引張力や、剪断応力による変形を弾性接着剤の層が吸収し、筒状部材と補強部材との間の剥離を抑制することができ、剥離に起因する異音発生を抑制することができるようになる。その結果、筒状部材と補強部材間が剥離しにくく、剥離に起因する異音が発生することも少なく、また接着剤に起因する強度耐久性に問題のないX線診断装置用天板を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明に係るX線診断装置用天板について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明に係るX線診断装置用天板は、炭素繊維強化樹脂で形成された長尺形状の2枚の板を、間隔をもって対面配置し、その幅方向のそれぞれの両端を互いに連結してなる筒状部材と、その筒状部材の一端部の内側に嵌合され、金属または繊維強化樹脂部材で形成されてなる補強部材とからなり、この筒状部材奥側に位置する補強部材の先端部が、弾性接着剤により筒状部材に接着されている。
【0012】
上記2枚の長尺形状の面板はそれぞれ、平板形状であっても、2次元曲率をもつ湾曲形状であっても、あるいはその組み合わせであってもよいが、人体を支える目的からは湾曲形状であることが好ましい。また、炭素繊維強化樹脂は、通常、炭素繊維と樹脂とからなり、樹脂としては、熱硬化性樹脂が適している。熱硬化性樹脂としては、従来の天板では、天板に必要とされる強度、剛性を確保するため、炭素繊維との接着性に優れるとされるエポキシ樹脂が使用されることが多いが、難燃性付与や成形の容易さ、生産性などの観点から、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂なども使用できる。なお、炭素繊維強化樹脂における炭素繊維の重量含有率は、40〜80%の範囲にあるのが良い。
【0013】
上記2枚の長尺形状の面板は、その幅方向のそれぞれの両端で互いに連結されるが、その連結に用いられる材料は、長尺形状面板に使用される材料と同様、X線透過性に優れ、高強度である炭素繊維強化樹脂であることが好ましい。
【0014】
上記筒状部材の最大総厚みは、20〜80mmの範囲にあることが好ましい。かかる最大総厚みが20mmより小さい場合には、天板としての剛性が不足し、大きな荷重が加わった場合にたわみが大きくなりやすいし、かかる剛性を上げようとして面板の厚みを増加させることは材料費が増えることになりコスト面から不利である。一方、かかる最大総厚みが80mmより大きい場合には、被検体とX線照射ヘッドとの間のスペースが狭くなり、撮影可能な被検体の形状が制限されやすい。
【0015】
補強部材は、金属または繊維強化樹脂で形成されている。被検体を天板に載置して撮影する場合、天板はその長さ方向の片側において片持ち状態になり、X線撮影装置と天版の接合部には大きな曲げモーメントがかかる。X線撮影装置と天板とは樹脂製支持ローラーとボルトで支持、接合されるが、ボルトから筒状部材には局所的に大きな曲げモーメントが作用し中空の筒状部材で支えることができないため、上記筒状部材の一端内部に補強部材を嵌合するのである。また、天板の長尺化および載荷荷重についての法的仕様が厳しくなりつつあり、筒状部材片持ち端部の天板強度が不足する傾向にあるので、その部分を補強するため、補強に必要な長さの補強部材を筒状部材の内部に嵌合するのである。使用する材料としては、軽量、高圧縮強度であるアルミや、ガラス繊維や炭素繊維を補強材とする繊維強化樹脂が好ましい。
【0016】
上記補強部材は、筒状部材の一端部の内部に嵌合されているが、筒状部材とその奥側に位置する補強部材との接着先端部とは、弾性接着剤で接着される。弾性接着剤は、剥離強度が高く、弾性に富み、かつ伸びの大きい接着剤であり、通常、引張弾性率が20〜200kgf/cm2、好ましくは20〜150kgf/cm2、より好ましくは20〜100kgf/cm2の範囲にあり、破壊伸びが50〜350%、好ましくは100〜300%、より好ましくは100〜250%の範囲にある。具体的には、シリコーン系、変性シリコーン系,ポリサルファイド系、ポリウレタン系、エポキシ系、変性ポリマー系、エラストマー系およびそのマトリックス混合系があるが、変性シリコーン系の弾性接着剤が用いられることが多い。しかし、変性シリコーンのみの弾性接着剤は強度が低いため、大きな強度が必要な場合には不向きであるので、高硬度、高強度になりかつ変性シリコーンと相溶性のあるエポキシ樹脂を変性シリコーンと併用して、強度のみならず耐久性、接着性を向上させた接着剤を用いるのが好ましい。また、上記二つの被着材の熱膨張率の差に起因する熱応力を回避するためには、接着剤は常温硬化型であることが好ましい。
【0017】
筒状部材と補強部材の先端部とが、上記弾性接着剤で接着されていることにより、天板に大きな曲げ荷重が負荷された場合でも、筒状部材と補強部材の先端部との接着面において接着面に垂直な方向の引張力や、剪断応力による変形を弾性接着剤の層が吸収し、筒状部材と補強部材との間の剥離を抑制することができ、剥離に起因する異音発生を抑制することができる。
【0018】
補強部材は、筒状部材の長さ方向において、部分的に筒状部材に嵌合しており、その嵌合された部分の長さ、いわゆる嵌合長さは、適宜調整できる。弾性接着剤は、補強部材の先端部以外の嵌合部分にも使用してもよいが、先端部以外の嵌合部分には、弾性接着剤とは異なる、高強度接着剤などの一般の接着剤を用いるのが経済的である。一般の接着剤は、通常、引張弾性率が5000〜35000kgf/cm2、好ましくは7500〜25000kgf/cm2、より好ましくは10000〜15000kgf/cm2であり、破壊伸びが1〜50%、好ましくは2〜30%、より好ましくは2〜20%である。一般の接着剤としては、引張り剪断強度が高い合成樹脂系の熱硬化性接着剤であるエポキシ、不飽和ポリエステル、フェノール、ユリア、メラミン、アクリル、シリコーン系接着剤など、あるいは衝撃、曲げ、剥離に対する耐性を併せ持つ、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂か合成ゴムを混合したタイプの接着剤が使用できる。
【0019】
本発明において、弾性接着剤で接着された補強部材の先端部の長さは、上記嵌合長さの5〜30%であることが好ましい。弾性接着剤で接着された補強部材の先端部長さを嵌合長さの5〜30%にすることで、天板に大きな負荷がかかった場合にも、筒状部材と補強部材との間に生じる変形が弾性接着剤の接着範囲内で吸収でき、剥離発生がより抑制されたX線診断装置天板となる。弾性接着剤で接着された補強部材の先端部の長さが短すぎると、天板に大きな負荷がかかった場合、弾性接着剤の接着範囲内では、弾性接着剤が筒状部材と補強部材との間の変位を吸収するため剥離は発生しないが、弾性接着剤の接着範囲外では、一般の接着剤が用いられる場合には、筒状部材と補強部材の先端部以外との間で剥離が発生しやすくなり、剥離と同時に剥離異音が発生しやすくなる。一方、弾性接着剤で接着された補強部材の先端部の長さが長すぎると、筒状部材と補強部材との嵌合部の剪断剛性が低下し、天板としての剛性低下を招きやすいばかりか、弾性接着剤の接着範囲以外に一般の接着剤を用いる場合には、一般の接着剤の接着割合が低下するため筒状部材と補強部材との接合強度が低下して天板として使用できない場合がある。
【0020】
本発明において、弾性接着剤は、ガラス繊維織物に担持されているのが良く、かかる弾性接着剤が担持されたガラス繊維織物を、筒状部材と補強部材との間に配置する。ガラス繊維織物としては、単位面積当たりの重さが50〜300g/m2の範囲のものを用いるのが良い。なお、一般の接着剤を用いる場合にも、かかる接着剤はガラス繊維織物に担持されている方が良い。
【0021】
弾性接着剤や一般の接着剤が担持されたガラス繊維織物を用いることにより、加圧接着時に、接着に必要な量の接着剤を担持することができ、また接着剤の厚み、いわゆる接着剤層を均一にすることができるようになるため、十分な接着強度を発現できる。また、均一な接着層厚みが得られることにより、厚み精度、そり、ゆがみ等のないX線診断装置用天板とすることができる。
【0022】
ガラス繊維織物の単位面積当たりの重さが50g/m2未満では、接着層厚みが0.1mm未満となり、筒状部材と補強部材との形状精度の差を吸収することができなくなるおそれがあり、空隙ができやすくなり、接合強度が低下しやすい。一方、ガラス繊維織物の単位面積当たりの重さが300g/m2を超えると、接着層厚みが0.5mmを超える可能性があり、天板に大きな負荷がかかった場合に、接着剤層の厚み方向の弾性率が小さいため天板のたわみが大きくなりやすい。
【実施例】
【0023】
[実施例1]
以下、実施例に基づき、本発明のX線診断装置用天板について説明する。なお、接着剤の引張弾性率、破壊伸びはJIS K7162に準じて評価した。
【0024】
図1および図2は、本発明の一実施例に係るX線診断装置用天板の概略構成を示しており、図1は天板の斜視図、図2は、図1の天板を構成する炭素繊維強化樹脂製筒状部材とアルミ製補強部材との接合部の断面図である。
【0025】
図1における天板1は、炭素繊維織物と熱硬化性樹脂とからなる長尺形状の2枚の炭素繊維強化樹脂製面板2a、2bが、間隔をもって対面配置され幅方向両端がそれぞれ互いに連結された炭素繊維強化樹脂製筒状部材2と、その一端部の内部に接着接合されたアルミ製補強部材3とから構成され、筒状部材2と補強部材3とは、図2に示すように、ガラス繊維織物4を接着剤の担持材料として接着接合された構成になっている。
【0026】
上記筒状部材2は、空間が直線状に貫通する外型の空間に中子を挿入し、該中子と外型に囲まれた成形空間を形成した金型に、炭素繊維織物に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させた炭素繊維基材を上記金型成形空間に挿通するとともに、金型を加熱しながら基材に張力を加えて引き抜くことにより成形し、2.5mの長さに切断後、両端を丸みを持ったR形状に機械加工した。炭素繊維重量含有率は60%である。
【0027】
上記筒状部材2の一端部の内側に対し、該筒状部材2の内部形状に合うように加工した図3に示す長さ600mmのアルミ部材3(補強部材)の表裏に単位面積当たり150g/m2の重量のガラスロービングクロスからなるガラス繊維織物4を一層貼り付け、筒状部材2と接合する際の奥側の先端から75mmまでの範囲に、常温硬化型の引張弾性率が35kgf/cm2、破壊伸びが200%の弾性接着剤6(セメダイン(株)製、EP-001)(エポキシ樹脂と変性シリコーンの重量比50/50の混合タイプ)をガラス繊維織物4にヘラで塗布、含浸させ、残りの接着部に引張弾性率が12000kgf/cm2、破壊伸びが15%の工業用エポキシ系接着剤5(コニシ(株)製、EセットL)を同様な方法で塗布、含浸させて筒状部材2と接着接合し、天板1を製作した。
【0028】
この天板1を、図4に示すように、その一端部を金属ベース8上に金属ブロック9と止めボルト10で固定し、固定部近傍を支持ローラー7で支持した片側固定支持条件(片持ち条件)で載荷試験を実施したところ、1300kgで破壊するまで筒状部材2とアルミ製補強部材3との接着部の剥離に起因する異音は発生せず、一般的な天板としての強度を十分に満足した。
【0029】
[実施例2]
弾性接着剤の適用範囲として、筒状部材2と接合する際の奥側の先端から325mmまでの範囲とした以外は実施例1と同じようにして成形、組み立てた天板を、実施例1と同様な方法で載荷試験を実施したところ、1050kgで破壊するまで筒状部材2とアルミ製補強部材3との接着部の剥離に起因する異音は発生しなかったが、300kg載荷時の天板先端たわみが25mmとなり、実施例1のたわみ19mmに対し約30%剛性が低下した。
【0030】
[比較例1]
実施例1と同様の工業用エポキシ接着剤を、接着範囲全長にわたり、使用する以外は実施例1と同じようにして成形、組み立てた天板を同じような方法で載荷試験を実施したところ、300kg載荷したところで大きな剥離音が発生し、引き続いて載荷試験を継続実施したところ、以後1200kgで破壊するまで逐次剥離音が発生した。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施例に係るX線診断装置用天板の概略斜視図である。
【図2】図1の天板の端部における補強部材との接合部の断面図である。
【図3】図1の補強部材の斜視図である。
【図4】実施例における天板の載荷試験方法を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0032】
1 天板
2 炭素繊維強化樹脂製筒状部材
3 補強部材
4 ガラス繊維織物
5 エポキシ系接着剤
6 弾性接着剤
7 支持ローラー
8 金属ベース
9 金属ブロック
10 止めボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素繊維強化樹脂で形成された長尺形状の2枚の面板を間隔をもって対面配置し、その幅方向のそれぞれの両端を互いに連結してなる筒状部材と、その筒状部材の一端部の内側に嵌合され、金属または繊維強化樹脂で形成されてなる補強部材とからなるX線診断装置用天板であって、筒状部材とその奥側に位置する補強部材の先端部とは、弾性接着剤で接着されてなることを特徴とするX線診断装置用天板。
【請求項2】
前記弾性接着剤は、その引張弾性率が20〜200kgf/cm2の範囲にあり、破壊伸びが50〜350%の範囲にある、請求項1に記載のX線診断装置用天板。
【請求項3】
前記弾性接着剤で接着された補強部材の先端部の長さが、筒状部材と補強部材との嵌合長さの5〜30%の範囲にある、請求項1または2に記載のX線診断装置用天板。
【請求項4】
前記弾性接着剤は、ガラス繊維織物に担持されている、請求項1〜3のいずれかに記載のX線診断装置用天板。
【請求項5】
ガラス繊維織物は、その単位面積当たりの重さが50〜300g/m2の範囲にある、請求項4に記載のX線診断装置用天板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−228758(P2008−228758A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−68254(P2007−68254)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【出願人】(000105899)サカイ・コンポジット株式会社 (11)
【Fターム(参考)】