説明

ベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法

【課題】ベンゾフランカルボキサミド誘導体に関する4種類の異性体をそれぞれ別個に、工業的に有利な方法で入手することが可能なベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法を提供すること。
【解決手段】p−クマル酸二量体の合成工程、及び合成した前記p−クマル酸二量体とアグマチン誘導体とを反応させる工程を包含するベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法であって、前記p−クマル酸二量体の合成工程が、光学活性二核ロジウム(II)錯体を使用して、2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル−ジアゾ−酢酸メチルエステルから、5−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフランを合成する工程を包含するベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、p−クマル酸二量体の合成工程、及び合成した前記p−クマル酸二量体とアグマチン誘導体とを反応させる工程を包含するベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示される化学構造を有する化合物(ベンゾフランカルボキサミド誘導体の一種)は、2個の不斉炭素を有するため、図2及び図3に示されるように4種類の異性体(シス体及びトランス体の各幾何異性体についてそれぞれ一対の鏡像異性体(エナンチオマー):化合物19a〜化合物19d)が存在する。特に、化合物19cは、ホルダチンA(HordatineA)と呼ばれる化合物であり、抗菌性物質として知られている。(非特許文献1参照)。
ホルダチンAを含む上記4種類の化合物19a〜化合物19dを合成する従来の合成方法としては、2分子のp−クマル酸からp−クマル酸二量体を合成し、合成された前記p−クマル酸二量体とアグマチン誘導体とを反応させて合成する方法が知られている。(特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】Canadian Journal of chemistry.Volume45,1745(1967)
【特許文献2】特開2006−273842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図6は、上記化合物19a〜化合物19dに示されるベンゾフランカルボキサミド誘導体の従来の合成方法(上記特許文献2に記載)を概略的に示したフローチャートである。
この従来の合成方法においては、2分子のp−クマル酸を反応させることによってp−クマル酸二量体を合成しており、4種類の化合物19a〜化合物19dをそれぞれ別個に入手するためには、2段階のカラムクロマトグラフィーを実施して分離精製を行う必要があり、その処理操作が迂遠であった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、ベンゾフランカルボキサミド誘導体に関する複数の異性体をそれぞれ別個に、工業的に有利な方法で、特にスケールアップの際に支障となり得る光学活性カラムクロマトグラフィーの工程を減らした方法で入手することが可能なベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、p−クマル酸二量体の合成工程、及び合成した前記p−クマル酸二量体とアグマチン誘導体とを反応させる工程を包含するベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法であって、
前記p−クマル酸二量体の合成工程が、以下の工程:
(1)p−ブロモフェノールと、臭化アリルを反応させて1−アリルオキシ−4−ブロモベンゼンを合成する工程;
(2)前記1−アリルオキシ−4−ブロモベンゼンを加熱処理して、2−アリル−4−ブロモフェノールを合成する工程;
(3)前記2−アリル−4−ブロモフェノールと、ベンジルオキシ−ベンジルクロリドを反応させて2−アリル−1−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−4−ブロモベンゼンを合成する工程;
(4)前記2−アリル−1−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−4−ブロモベンゼンを酸化処理して、2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸を合成する工程;
(5)前記2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸と、ジアゾメタンを反応させて2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸メチルエステルを合成する工程;
(6)前記2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸メチルエステルと、p−アセトアミドベンゼンスルホニルアジドを反応させて、2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル−ジアゾ−酢酸メチルエステルを合成する工程;
(7)光学活性二核ロジウム(II)錯体を使用して、前記2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル−ジアゾ−酢酸メチルエステルから、5−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフランを合成する工程;
(8)前記5−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフランと、アクリル酸メチルとを反応させて2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−5−トランス(2−メトキシカルボニル)エテニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフランを合成する工程;
(9)前記2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−5−トランス(2−メトキシカルボニル)エテニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフランに対して脱メチル化処理及び脱ベンジル化処理を行い、5−(2−カルボキシルエテニル)−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸を合成する工程を包含する点にある。
【0007】
〔作用及び効果〕
アグマチン(agmatine)誘導体とは、アグマチンのグアニジノ(guanidino)基を適当な保護基で保護したものをいう。また、p−クマル酸二量体とは、5−(2−カルボキシルエテニル)−2,3-ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸(5−(2−carboxylethenyl)−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxylic acid))をいう。
図5は、本発明の合成方法を概略的に示したフローチャートである。
従来の合成方法においてはカラムクロマトグラフィーによる分離精製操作が2段階であるのに対して、本発明においては、カラムクロマトグラフィーによる分離精製操作が、1段階で済み、その結果、ベンゾフランカルボキサミド誘導体に関する複数の異性体をそれぞれ別個に、工業的に有利な方法で入手することができる。
尚、本発明におけるこのような作用及び効果は、p−クマル酸二量体を合成する際、p−ブロモフェノールからp−クマル酸二量体(5−(2−カルボキシルエテニル)−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸)を合成する過程において、光学活性二核ロジウム(II)錯体を用いて、一方の鏡像異性体(エナンチオマー)を優先的に合成し得る不斉合成を行うことに起因するものである。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、前記アグマチン誘導体が、アグマチンのグアニジノ(guanidino)基をボック(Boc)基で保護したものである点にある。
〔作用及び効果〕
ボック基は、アグマチンを構成するグアニジノ基を確実に保護することができると共に、ボック基を脱保護した際の精製が容易である。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、合成したベンゾフランカルボキサミド誘導体が、以下の構造式(1);
【化1】

で示される化合物である点にある。
〔作用及び効果〕
本発明によれば、上記構造式(1)にて示されるベンゾフランカルボキサミド誘導体に関する複数の異性体をそれぞれ別個に、工業的に有利な方法で入手することができる。
【0010】
本発明の第4特徴構成は、合成したベンゾフランカルボキサミド誘導体が、以下の構造式(2);
【化2】

(式中Rは、水素原子又はメチル基)で示される化合物である点にある。
〔作用及び効果〕
本発明によれば、上記構造式(2)にて示されるベンゾフランカルボキサミド誘導体に関する複数の異性体をそれぞれ別個に、工業的に有利な方法で入手することができる。
【0011】
本発明の第5特徴構成は、合成したベンゾフランカルボキサミド誘導体が、以下の構造式(3);
【化3】

で示される化合物である点にある。
〔作用及び効果〕
本発明によれば、上記構造式(3)にて示されるベンゾフランカルボキサミド誘導体に関する複数の異性体をそれぞれ別個に、工業的に有利な方法で入手することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明におけるベンゾフランカルボキサミド誘導体とは、以下の一般式において示される化合物を意味するものとする。
【化4】

尚、R1又はR2の少なくともいずれか一方が、−NH−R3であれば、R1やR2は特に限定されないが、水素、−R3、−O−R3、または−NH−R3が好ましい。R3は、特に限定されないが、水素またはアルキル基である。アルキル基は置換されていても置換されていなくてもよく、分枝構造、環状構造または不飽和結合を有していてもよく、アルキル基の炭素は酸素や窒素などに置換されていてもよい。なかでも、R1やR2は、−OH、−O−CH3又は−NH−C48−NH−CNH−NH2であることが好ましい。
【0013】
以下に本発明の実施形態(第1実施形態〜第3実施形態)を説明する。これらの実施形態は、ベンゾフランカルボキサミド誘導体の一種であるN−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]−5−[(1E)−3−[[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]アミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキサミド(N−[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]−5−[(1E)−3−[[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]amino]−3−oxo−1−propenyl]−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxamide)(化合物19a〜化合物19d)の合成方法を示すものである。
【0014】
化合物19a〜化合物19dの名称を以下に記載する。
化合物19a:(2R,3R)−N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]−5−[(1E)−3−[[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]アミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキサミド((2R,3R)−N−[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]−5−[(1E)−3−[[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]amino]−3−oxo−1−propenyl]−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxamide)
【0015】
化合物19b:(2S,3R)−N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]−5−[(1E)−3−[[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]アミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキサミド((2S,3R)−N−[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]−5−[(1E)−3−[[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]amino]−3−oxo−1−propenyl]−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxamide)
【0016】
化合物19c:(2S,3S)−N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]−5−[(1E)−3−[[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]アミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキサミド((2S,3S)−N−[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]−5−[(1E)−3−[[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]amino]−3−oxo−1−propenyl]−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxamide)
【0017】
化合物19d:(2R,3S)−N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]−5−[(1E)−3−[[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]アミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキサミド((2R,3S)−N−[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]−5−[(1E)−3−[[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]amino]−3−oxo−1−propenyl]−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxamide)
【0018】
以下に記載される実施形態(合成方法)はいずれも、(1)アグマチン誘導体の合成工程、(2)p−クマル酸二量体の合成工程、(3)アグマチン誘導体と、p−クマル酸二量体又はp−クマル酸二量体のメチル置換体との縮合工程、及び(4)カラムクロマトグラフィーによる分離精製工程を包含し、基本的には、これらの工程を順に実施するものであるが、(1)アグマチン誘導体の合成工程、及び(2)p−クマル酸二量体の合成工程については、その順序を問わず同時に実施するようにしても良く、また、市販のアグマチン誘導体を使用する場合には、(1)アグマチン誘導体の合成工程を省略することができる。
尚、以下に記載される合成方法においては、その中間体として、化合物19a〜化合物19d以外の種々のベンゾフランカルボキサミド誘導体が合成され得る。
【0019】
〔第1実施形態〕
以下に本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図4は、本発明の第1実施形態の合成スキームを示しており、各符号(1〜19)は化合物を示す。図4に示されるように、化合物19は、アグマチン誘導体(化合物17)とp−クマル酸二量体(化合物10)とを、それぞれを別個に合成した後、両者を縮合させて合成する。
尚、以下に記載される各種試薬及び反応条件については、必ずしもこれらの条件に限定されるものではなく、本合成スキームに従って合成することが可能であるならば、使用される試薬の種類や反応条件等については、任意に採用することができる。
【0020】
(1)アグマチン誘導体の合成工程
アグマチン誘導体の合成については、まず1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン−ヒドロクロリド(1H−pyrazole−1−carboxyamidine hydrochloride)(化合物12)から文献(B.Drake et al.,Synthesis,579,1994)に記載される方法に従ってN,N’−ジ−ボック
−1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン(N,N’−di−Boc−1H−pyr
azole−1−carboxyamidine)(化合物13)を合成する。ここで、ボック(Boc)とは、t−ブトキシカルボニル基(−COOC(CH33基)を示す。
また、市販もされている1,4−ジアミノブタン(1,4−diaminobutane)(化合物14)の1個のアミノ基をカルボベンゾキシ(carbobenzoxy)基(Cbz基)で保護して4−カルボベンゾキシ−アミノブチル−アミン−ヒドロクロリド(4−Cbz−aminobutyl−amine hydrochloride)(化合物15)を得る(A.Graham et al.,Synthesis,1032,1984)。先に調製した化合物13と化合物15とを、トリエチルアミンの存在下で反応させると、4−カルボベンゾキシアミノ−N,N’−ジ−ボック−アグマチン(4−
carbobenzoxyamino−N,N’−di−Boc−agmatine)(
化合物16)が得られる。
化合物16を水素気流中、5%パラジウム炭素存在下に水素添加分解(hydrogenolysis)反応に付すと、アグマチンのグアニジノ(guanidino)基をボック(Boc)基で保護したアグマチン誘導体であるN,N’−ジ−ボック−アグマチン
(N,N’−di−Boc−agmatine)(化合物17)が得られる。尚、化合物
17については、その塩酸塩が市販されているので、市販品を使用しても良い。
【0021】
(2)p−クマル酸二量体(5−(2−カルボキシルエテニル)−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸)の合成工程
p−クマル酸二量体(5−(2−カルボキシルエテニル)−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸)の合成については、まずp−ブロモフェノール(p−Bromophenol)(化合物1)と、炭酸カリウム(K2CO3)とをジメチルホルムアミド(DMF)中で撹拌し、臭化アリル(Allyl bromide)を加え室温にて撹拌する。反応液を水、ジエチルエーテル(Et2O)にて抽出し、水層をジエチルエーテルにてさらに抽出し、有機層を合わせ硫酸マグネシウム(MgSO4)にて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮して淡黄色の油状物質を得る。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、無色透明の油状物質として化合物2(1−アリルオキシ−4−ブロモベンゼン(1−Allyloxy−4−bromobenzene))を得る。
【0022】
次いで、化合物2を、200℃の油浴中で加熱し、反応液を水、ジエチルエーテルにて抽出し、水層をジエチルエーテルによってさらに抽出し、有機層を合わせて硫酸マグネシウム(MgSO4)によって乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮して黒色油状物質を得る。得られた黒色油状物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、淡黄色の油状物質として化合物3(2−アリル−4−ブロモフェノール(2−Allyl−4−bromophenol))を得る。
【0023】
次いで、化合物3、炭酸カリウム(K2CO3)、ベンジルオキシ−ベンジルクロリド(Benzyloxy−benzylchloride)(BnBr)をジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、室温にて撹拌する。反応液を水、酢酸エチル(AcOEt)にて抽出する。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)によって乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、化合物4(2−アリル−1−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−4−ブロモベンゼン(2−Allyl−1−(4−benzyloxy−benzyloxy)−4−bromobenzene))を得る。
【0024】
次いで、化合物4、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)、塩化ルテウム(III)3水和物(RuCl3・3H2O)を、四塩化炭素(CCl4)−アセトニトリル(MeCN)−水の混合液中にて所定時間撹拌し、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4)を追加しさらに数時間撹拌する。反応液を、水、クロロホルム(CHCl3)にて抽出し、水層をさらにクロロホルム(CHCl3)によって洗浄する。有機層を合わせて硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥し、エバポレーターにて減圧下濃縮する。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、白色の固体として化合物5(2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸(2−(4−benzyloxy−benzyloxy)−5−bromophenylacetic acid))を得る。
【0025】
次いで、化合物5と、エーテル溶液に調製したジアゾメタン(CH22)とを、室温下にて撹拌し、所定時間経過後、溶媒を揮発させる。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、白色粉末として化合物6(2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸メチルエステル(2−(4−benzyloxy−benzyloxy)−5−bromophenylacetic acid methyl ester))を得る。
【0026】
次いで、化合物6、p−アセトアミドベンゼンスルホニルアジド(p−Acetamidebenzenesulfonyl azide)をアセトニトリル(MeCN)中にて撹拌しながら1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を加える。所定時間経過後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテル、及び飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)によって乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し、油状物質を得る。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製して濃縮した後、球状中性シリカゲルクロマトグラフィーによって再精製し、黄色油状物質として化合物7(2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル−ジアゾ−酢酸メチルエステル(2−(4−Benzyloxy−benzyloxy)−5−bromophenyl−diazo−acetic acid methyl ester))を得る。
【0027】
次いで、化合物7、光学活性二核ロジウム(II)錯体(参考文献;H.Saito,et.al. ; Org.Lett.,4,3887−3890(2002)W.Kurosawa,et.al. ; Tetrahedron,60,9615−9628(2004))、及びモルキュラーシーブを、蒸留したジクロロメタン中に入れ、−78℃で所定時間撹拌する。反応液をエバポレーターにて減圧下濃縮し、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、白色粉末状物質として化合物8a又は化合物8b(5−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフラン(5−Bromo−2−(4−benzyloxy)phenyl−3−methoxycarbonyl−2,3−di−hydrobenzofuran)を得る。
このとき、光学活性二核ロジウム(II)錯体として、テトラキス[N−フタロイル−(R)−tert−ロシナト]ジロジウム,ビス(酢酸エチル)アダクツ(Tetrakis[N−phthaloyl−(R)−tert−leucinato]dirhodium,Bis(ethyl Acetate)Adduct)(以下、Rh2(R−PTTL)4と称する)を使用した場合には、以下の化合物8a(Meはメチル基、Bnはベンジル基、以下同様)が得られる。
【化5】

また、光学活性二核ロジウム(II)錯体として、テトラキス[N−フタロイル−(S)−tert−ロシナト]ジロジウム,ビス(酢酸エチル)アダクツ(Tetrakis[N−phthaloyl−(S)−tert−leucinato]dirhodium,Bis(ethyl Acetate)Adduct)(以下、Rh2(S−PTTL)4と称する)を使用した場合には、以下の化合物8bが得られる。
【化6】

尚、図4においては、便宜上、化合物8aのみを記載する。
【0028】
次いで、密閉容器において、化合物8a又は化合物8b、アクリル酸メチル(methyl acrylate)、トリ(o−トリル)ホスフィン(tri(o−tolyl)phosphine)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、及び蒸留したトリエチルアミン(NEt3)を脱水ジメチルホルムアミド(DMF)中、油浴100℃にて所定時間反応させる。反応容器を冷ました後、0℃にした所定量の飽和塩化アンモニウム水溶液、及び酢酸エチルに反応液を加える。飽和塩化アンモニウム水溶液、酢酸エチルにて抽出を行い、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウム(MgSO4)にて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し、油状物質を得る。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、黄色油状物質として化合物9a又は化合物9b(2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−5−トランス(2−メトキシカルボニル)エテニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフラン(2−(4−benzyloxy)phenyl−5−trans(2−methoxycarbonyl)ethenyl−3−methoxycarbonyl−2,3−di−hydrobenzofuran))を得る。
このとき、上記化合物8a及び化合物8bに対応して、以下の2種類の化合物9a及び化合物9bが得られる。
【化7】

【化8】

尚、図4においては、便宜上、化合物9aのみを記載する。
【0029】
次いで、化合物9a又は化合物9bを所定量のメタノール(MeOH)、テトラヒドロフラン(THF)、蒸留水に溶解する。反応溶液に、所定量の水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を加え、室温下で所定時間撹拌する。反応液を1M塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し、油状物質を得る。得られた油状物質を脱水ジクロロメタンに溶解し、三塩化ホウ素(BCl3)を加え、−78℃で所定時間撹拌した後、0℃とし所定時間撹拌する。反応液に1M塩酸を所定量加え、所定量の酢酸エチル、1M塩酸を加え抽出する。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し、油状物質を得る。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、油状物質として化合物10a又は化合物10b(5−(2−カルボキシルエテニル)−2,3-ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸(5−(2−carboxylethenyl)−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxylic acid))を得る。
このとき、上記化合物9a(シス体)からは、以下の化合物10a(トランス体)が得られる。
【化9】

また、上記化合物9b(シス体)からは、以下の化合物10b(トランス体)が得られる。
【化10】

即ち、本反応においては、シス体がトランス体に変換される。尚、図4においては、便宜上、化合物10aのみを記載する。
【0030】
(3)アグマチン誘導体(化合物17)とp−クマル酸二量体(化合物10a又は化合物10b)との縮合工程
化合物10a又は化合物10bに化合物17、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を加え、ジメチルホルムアミド(DMF)中にて室温下撹拌する。反応液に飽和食塩水を加え酢酸エチルで抽出を行う。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)にて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し油状物質を得る。これをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行い、減圧下濃縮してデシケーターにて乾燥して、ベンゾフランカルボキサミド誘導体の一種である化合物18a又は化合物18b((N,N’,N’’,N’’’−テトラ−ボック−ホルダチン(N,N’,N’’,N’’’−tetra−Boc−Hordatine))を得る。
このとき、上記化合物10a及び化合物10bに対応して、それぞれ以下の2種類の化合物18a及び化合物18bが得られる。
【化11】

【化12】

尚、図4においては、便宜上、化合物18aのみを記載する。
【0031】
次いで、得られた化合物18aにトリフルオロ酢酸(TFA)を加えて、脱保護(脱ボック(Boc)化)することによって、以下の化合物19aと化合物19bとの混合物が得られる。
【化13】

【化14】

【0032】
また、得られた化合物18bにトリフルオロ酢酸(TFA)を加えて、脱保護(脱ボック(Boc)化)することによって、以下の化合物19cと化合物19dとの混合物が得られる。
【化15】

【化16】

【0033】
(4)カラムクロマトグラフィーによる分離精製工程
上述のようにして得られた化合物19aと化合物19bとの混合物を、適当な条件下でカラムクロマトグラフィーを実施して、化合物19aと化合物19bとをそれぞれ分離する。
また、化合物19cと化合物19dとの混合物についても同様に、適当な条件下でカラムクロマトグラフィーを実施して、化合物19cと化合物19dとをそれぞれ分離する。
【0034】
以上より、本発明の合成方法においては、光学活性二核ロジウム(II)錯体としてRh2(R−PTTL)4を用いた場合には、化合物19a又は化合物19bが合成され得、また、光学活性二核ロジウム(II)錯体としてRh2(S−PTTL)4を用いた場合には、化合物19c又は化合物19dが合成され得る。
しかも、従来の合成方法においてはカラムクロマトグラフィーによる分離精製操作が2段階必要であるのに対して、本発明においては、カラムクロマトグラフィーによる分離精製操作が、1段階で済み、その結果、4種類の異性体(化合物19a〜化合物19d)をそれぞれ別個に、工業的に有利な方法で入手することができる。尚、図4においては、便宜上、化合物19a及び化合物19bのみを記載する。
【0035】
〔第2実施形態〕
以下に本発明の第2実施形態を説明する(図示せず)。
尚、本実施形態においては、(1)アグマチン誘導体(化合物17)及び(2)p−クマル酸二量体(化合物10a又は化合物10b)の合成工程は上述の第1実施形態と同様であるためその記載を省略し、主に上記第1実施形態と異なる工程を記載するものとする。
また、以下に記載される各種試薬及び反応条件については、必ずしもこれらの条件に限定されるものではなく、本合成方法に従って合成することが可能であるならば、使用される試薬の種類や反応条件等については、任意に採用することができる。
【0036】
化合物10a又は化合物10bをメタノール溶液に溶解し、これに濃硫酸を少量加え撹拌した。所定時間撹拌後、反応液に炭酸水素ナトリウムを過剰量加え反応を止めた後、所定量の酢酸エチル(AcOEt)、飽和食塩水にて抽出した。水層を所定量の酢酸エチルにてさらに数回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウム(MgSO4)にて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮、デシケーターにて乾燥し、油状物質として化合物20a又は化合物20b(メチル−5−(2−カルボキシエテニル)−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキシレート(Methyl−5−(2−carboxyethenyl)−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−Benzofurancarboxylate))を得る。
このとき、上記化合物10aからは、以下の化合物20aが得られる。
【化17】

また、上記化合物10bからは、以下の化合物20bが得られる。
【化18】

【0037】
化合物20a又は化合物20bに化合物17、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を加え、ジメチルホルムアミド(DMF)中にて室温下撹拌する。反応液に飽和食塩水を加え酢酸エチルで抽出を行う。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)にて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し油状物質を得る。これをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行い、減圧下濃縮してデシケーターにて乾燥して、ベンゾフランカルボキサミド誘導体の一種である化合物21a又は化合物21b(メチル−5−(1E)−[[ビス[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチレン]アミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキシレート(Methyl−5−(1E)−[[bis[[(1,1−dimethylethoxy)carbonyl]amino]methylene]amino]−3−oxo−1−propenyl]−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxylate))を得る(アグマチン誘導体と、p−クマル酸二量体のメチル置換体との縮合工程)。
このとき、上記化合物20aからは、以下の化合物21aが得られる。
【化19】

また、上記化合物20bからは、以下の化合物21bが得られる。
【化20】

次いで、化合物21a又は化合物21bにトリフルオロ酢酸(TFA)を加え、室温下撹拌する。所定時間経過後、反応液に水を加え凍結乾燥する。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製を行い、分取した溶液を減圧下エバポレーターにより溶媒を除き凍結乾燥する。その後、生成物に塩酸を加え、5℃にて所定時間放置し凍結乾燥し、淡黄色油状物質として、ベンゾフランカルボキサミド誘導体の一種である化合物22a又は化合物22b(メチル−5−(1E)−[[4−(アミノイミノメチル)アミノ]ブチルアミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキシレート(Methyl−5−(1E)−[[4−(aminoiminomethyl)amino]butylamino]−3−oxo−1−propenyl]−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxylate))を得る。
このとき、上記化合物21aからは、以下の化合物22aが得られる。
【化21】

また、上記化合物21bからは、以下の化合物22bが得られる。
【化22】

他方、化合物21a又は化合物21bにトリフルオロ酢酸(TFA)を加え、室温下撹拌し、その後、精製水を加え凍結乾燥する。これに、トリフルオロ酢酸(TFA)及び1N塩酸(トリフルオロ酢酸:1N塩酸=1:2)を加え室温下撹拌し、所定時間経過後、精製水を加え凍結乾燥する。これに0.01N塩酸を加えて高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分取を行い、分取した溶液を減圧下エバポレーターにより溶媒を除き、凍結乾燥し、ベンゾフランカルボキサミド誘導体の一種である化合物23a又は化合物23b(5−(1E)−[[4−(アミノイミノメチル)アミノ]ブチルアミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸(5−(1E)−[[4−(aminoiminomethyl)amino]butylamino]−3−oxo−1−propenyl]−2,3−dihydro−2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxylic acid))を得る。
このとき、上記化合物21aからは、以下の化合物23aが得られる。
【化23】

また、上記化合物21bからは、以下の化合物23bが得られる。
【化24】

また、上記化合物23a又は化合物23bは、化合物22a又は化合物22bをトリフルオロ酢酸(TFA)及び1N塩酸で処理することでも得られる。
以上より、本発明の化合物の合成方法においては、光学活性二核ロジウム(II)錯体としてRh2(R−PTTL)4を用いた場合には、化合物22a又は化合物23aが合成され得、また、光学活性二核ロジウム(II)錯体としてRh2(S−PTTL)4を用いた場合には、化合物22b又は化合物23bが合成され得る。
【0038】
化合物23a又は化合物23bに化合物17、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を加え、ジメチルホルムアミド(DMF)中にて室温下撹拌する。反応液に飽和食塩水を加え酢酸エチルで抽出を行う。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)にて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し油状物質を得る。これをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行い、減圧下濃縮してデシケーターにて乾燥して、上記化合物18a又は化合物18bを得る。このとき、上記化合物23a及び化合物23bに対応して、それぞれ化合物18a及び化合物18bが得られる。
次いで、得られた化合物18a又は化合物18bにトリフルオロ酢酸(TFA)を加えて、脱保護(脱ボック(Boc)化)することによって、化合物18aからは、化合物19aと化合物19bとの混合物が得られ、化合物18bからは、化合物19cと化合物19dとの混合物が得られる。
得られた混合物を、適当な条件下でカラムクロマトグラフィーを実施することで、化合物19aと化合物19bとを、化合物19cと化合物19dとをそれぞれ分離する(カラムクロマトグラフィーによる分離精製工程)。
【0039】
〔第3実施形態〕
以下に本発明の第3実施形態を説明する(図示せず)。
尚、本実施形態においては、(1)アグマチン誘導体(化合物17)及び(2)p−クマル酸二量体(化合物10a又は化合物10b)の合成工程は、上述の第1実施形態と同様であるためその記載を省略し、主に上記第1実施形態又は第2実施形態と異なる工程を記載するものとする。
また、以下に記載される各種試薬及び反応条件については、必ずしもこれらの条件に限定されるものではなく、本合成方法に従って合成することが可能であるならば、使用される試薬の種類や反応条件等については、任意に採用することができる。
化合物10a又は化合物10bに化合物17、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を加え、ジメチルホルムアミド(DMF)中にて室温下撹拌する。反応液に飽和食塩水を加え酢酸エチルで抽出を行う。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)にて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し油状物質を得る。これをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行い、減圧下濃縮してデシケーターにて乾燥し、得られた物質にトリフルオロ酢酸(TFA)を加え、室温下撹拌する。所定時間経過後、反応液に水を加え凍結乾燥する。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製を行い、分取した溶液を減圧下エバポレーターにより溶媒を除き凍結乾燥する。その後、生成物に塩酸を加え、5℃にて所定時間放置し凍結乾燥し、淡黄色油状物質として、ベンゾフランカルボキサミド誘導体の一種である化合物24a又は化合物24b(N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]−5−[(1E)−2−カルボキシエテニル]−2,3−ジヒドロー2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキサミド(N−[4−[(aminoiminomethyl)amino]butyl]−5−[(1E)−2−carboxyethenyl]−2,3−dihydro―2−(4−hydroxyphenyl)−3−benzofurancarboxamide))を得る(アグマチン誘導体と、p−クマル酸二量体との縮合工程)。
このとき、上記化合物10aからは、以下の化合物24aが得られる。
【化25】

また、上記化合物10bからは、以下の化合物24bが得られる。
【化26】

【0040】
化合物24a又は化合物24bに化合物17、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を加え、ジメチルホルムアミド(DMF)中にて室温下撹拌する。反応液に飽和食塩水を加え酢酸エチルで抽出を行う。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)にて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し油状物質を得る。これをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行い、減圧下濃縮してデシケーターにて乾燥して、上記化合物18a又は化合物18bを得る。このとき、上記化合物24a及び化合物24bに対応して、それぞれ化合物18a及び化合物18bが得られる。
次いで、得られた化合物18a又は化合物18bにトリフルオロ酢酸(TFA)を加えて、脱保護(脱ボック(Boc)化)することによって、化合物18aからは化合物19aと化合物19bとの混合物が得られ、化合物18bからは化合物19cと化合物19dとの混合物が得られる。得られた混合物を、適当な条件下でカラムクロマトグラフィーを実施することで、化合物19aと化合物19bとを、化合物19cと化合物19dとをそれぞれ分離する(カラムクロマトグラフィーによる分離精製工程)。
【実施例】
【0041】
以下に記載する実施例によって、本発明の合成方法をさらに詳細に説明する。尚、使用される各種試薬とその使用量、及び反応条件は、必ずしも以下に記載される条件に限定されるものでなく、各合成反応を進行させることが可能であるならば、それらの条件については任意に採用することができる。
【0042】
〔実施例1〕N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]−5−[(1E)−3−[[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]アミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキサミド(化合物19a〜化合物19d)の合成
【化27】

アルゴン置換下、p−ブロモフェノール(化合物1)(5.00g,28.9mmoL)、炭酸カリウム(5.00g,36.18mmoL,1.252eq)をジメチルホルムアミド(10mL)中で撹拌し、臭化アリル(2.8mL,31.8mmoL,1.100eq)を加え室温にて一晩撹拌した。反応液を水100mL、ジエチルエーテル100mLにて抽出し、水層をジエチルエーテル50mLにてさらに抽出し、有機層を合わせて硫酸マグネシウムにて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮して淡黄色の油状物質(6.27g)を得た。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=100:1の展開液)にて精製し、無色透明の油状物質として化合物2(1−アリルオキシ−4−ブロモベンゼン)(6.04g,28.5mmoL,98%)を得た。
得られた化合物2について、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δH:7.36(2H,dt,J=10Hz and 2.5Hz,Ar−H),6.79(2H,dt,J=10Hz and 2.5Hz,Ar−H),6.02(1H,m,CH2−CH=CH2),5.40(1H,dq,J=20Hz and 3Hz,CH=CH−H),5.29(1H,dq,J=10Hz and 3Hz,CH=CH−H),4.50(2H,dt,J=5Hz and 1.6Hz,O−CH2−CH)
【0043】
【化28】

アルゴン置換下、化合物2(6.04g,28.5mmoL)を、200℃の油浴中で3時間加熱した。反応液を水100mL、ジエチルエーテル100mLにて抽出、水層をジエチルエーテル50mLにてさらに抽出し、有機層を合わせ硫酸マグネシウムにて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮して黒色油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=95:5の展開液)で精製し、淡黄色の油状物質として化合物3(2−アリル−4−ブロモフェノール)(5.20g,24.43mmoL,86%)を得た。
得られた化合物3について、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δH:7.25−7.23(2H,m,Ar−H),6.69(1H,m,Ar−H),5.97(1H,m,CH2−CH=CH2),5.19(1H,m,CH=CH−H),5.17(1H,m,CH=CH−H),5.02(s,Ar−OH),3.36(2H,d,J=5Hz,Ar−CH2−CH)
【0044】
【化29】

アルゴン置換下、化合物3、炭酸カリウム、及びベンジルオキシ−ベンジルクロリド(BnBr)をジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解し、室温にて3時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1の展開液)にて原料の消失を確認したので反応液を水20mL,酢酸エチル20mLにて抽出した。有機層を水20mLにて2回洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(silica gel flash c.c.)(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1の展開液)にて精製し、薄い茶色の固体として化合物4(2−アリル−1−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−4−ブロモベンゼン)を得た。
【0045】
【化30】

化合物4(200mg,0.489mmoL)、過ヨウ素酸ナトリウム(633mg、2.95mmoL、6.023eq)、塩化ルテウム(III)3水和物(4.4mg、0.0168mmoL、0.034eq)を四塩化炭素(CCl4)−アセトニトリル(MeCN)−水(2:2:3,3.5mL)中にて15時間撹拌し、過ヨウ素酸ナトリウム(209.2mg、0.978mmoL、2.00eq)を追加しさらに3時間撹拌した。反応液を水30mL、クロロホルム30mLにて抽出し、水層をさらにクロロホルム30mLにて2回洗浄した。有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレーターにて減圧下濃縮した。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1→4:1→3:1の展開液)にて精製し、白色の固体として化合物5(2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸)(83mg、0.194mmoL、40%)を得た。
得られた化合物5について、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δH:7.28−7.42(10H,m,Ar−H),6.94(1H,d,Ar−H),6.79(1H,d,Ar−H),5.04(2H,s,O−CH2−Ar),4.96(2H,s,O−CH2−Ar),3.64(2H,s,Ar−CH−COO)
【0046】
【化31】

化合物5(40mg、0.0937mmoL)をエーテル溶液に調整したジアゾメタン(CH22)を加え、室温下にて撹拌し、40分後溶媒を揮発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=99:1→98:2→96:4の展開液)により精製し、白色粉末として化合物6(2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸メチルエステル)(31.1mg、0.0704mmoL、75%)を得た。
得られた化合物6について、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δH:7.28−7.44(10H,m,Ar−H),6.97(1H,d,Ar−H),6.79(1H,d,Ar−H),5.07(2H,s,O−CH2−Ar),4.97(2H,s,O−CH2−Ar),3.61(3H,s,O−CH3),3.60(2H,s,Ar−CH2−CO)
【0047】
【化32】

化合物6(200mg、0.453mmoL)、p−アセトアミドベンゼンスルホニルアジド(化合物25)(157mg、0.654mmoL、1.443eq)をアセトニトリル(MeCN)6mL中にて撹拌しながら1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(200μl、1.34mmoL、2.952eq)を加えた。2時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液6mLを加え、ジエチルエーテル20mL、飽和塩化アンモニウム水溶液16mLを加え抽出した。有機層を飽和食塩水10mLで洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し、油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=94:6の展開液)にて精製し、球状中性シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=94:6の展開液)にて再精製し、黄色油状物質として化合物7(2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル−ジアゾ−酢酸メチルエステル)(90mg、0.193mmoL、42.5%)を得た。
得られた化合物7について、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δH:7.73(1H,s,Ar−H),7.28−7.44(8H,m,Ar−H),6.99(2H,d,Ar−H),6.83(1H,d,Ar−H),5.07(2H,s,O−CH2−Ar),4.99(2H,s,O−CH2−Ar),3.82(3H,s,O−CH3
【0048】
【化33】

アルゴン置換下、化合物7(25mg、0.0535mmoL)、Rh2(R−PTTL)4(6mg、0.00422mmoL、0.0788eq)、モルキュラーシーブ4Å(20mg)を蒸留したジクロロメタン(1.3mL)中−78℃で30分間撹拌した。反応液をエバポレーターにて減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1の展開液)にて精製し、白色粉末状物質として化合物8a又は化合物8b(5−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフラン)(8.7mg、0.0186mmoL、37%)を得た。
得られた化合物8aについて、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δH:7.22−7.40(9H,m,Ar−H),6.92(2H,d,Ar−H),6.81(1H,d,Ar−H),5.95(1H,d,O−CH−Ar),5.05(2H,s,O−CH2−Ar),4.56(
1H,d,CH−CO2−Me),3.24(3H,s,CO2CH3
【0049】
【化34】

アルゴン置換下、密閉容器にて化合物8a又は化合物8b(20mg、0.0457mmoL)、アクリル酸メチル(化合物26)(25mL、0.276mmoL、6.037eq)、トリ(o−トリル)ホスフィン(tri(o−tolyl)phosphine)(2.8mg、0.00920mmoL、0.201eq)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)(0.6mg、0.00267mmoL、0.0585eq)、蒸留したトリエチルアミン(NEt3)(4.5μL、0.0456mmoL、0.998eq)を脱水ジメチルホルムアミド(DMF)中、油浴100℃にて24時間反応させた。反応容器を冷ました後、50mLナス型フラスコ中0℃にした飽和塩化アンモニウム水溶液1mL、酢酸エチル1mLに反応液を加えた。飽和塩化アンモニウム水溶液30mL、酢酸エチル30mLにて抽出を行い、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液30mLで3回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し、油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=95:5,9:1,4:1の展開液)にて精製し、黄色油状物質として化合物9a又は化合物9b(2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−5−トランス(2−メトキシカルボニル)エテニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフラン)(8mg、0.0180mmoL、39.4%)を得た。
得られた化合物9aについて、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,CDCl3)δH:7.65(1H,d,Ar−olefin−H),7.55(1H,s,Ar−H),7.42−7.30(8H,m,Ar−H),6.97(2H,d,Ar−H),6.88(1H,d,Ar−H),6.32(1H,d,CO−olefin−H),6.10(1H,d,O−CH−Ar),5.06(2H,s,O−CH2−Ar),4.28(1H,d,CH−CO2−Me),3.83(3H,s,CO2CH3),3.79(3H,s,CO2CH3
【0050】
【化35】

化合物9a又は化合物9b(12mg、0.027mmoL)をメタノール(MeOH)1mL、テトラヒドロフラン(THF)200mL、蒸留水20mLに溶解した。反応溶液に、所定量の水酸化リチウム・1水和物(LiOH・H2O)を加え、室温下で2時間撹拌した。反応液を1M塩酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し、油状物質を得た。得られた油状物質を脱水ジクロロメタン1mLに溶解し、三塩化ホウ素(BCl3)を加え、−78℃で30分間撹拌した後、0℃とし90分間撹拌した。反応液に1M塩酸を10mL加え、酢酸エチル20mL、1M塩酸10mLを加え抽出した。得られた有機層を飽和食塩水20mLで2回洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し、油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒;CHCl3:MeOH:AcOH=9:1:0.2)にて精製し、油状物質として化合物10a又は化合物10b(5−(2−カルボキシルエテニル)−2,3-ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸)(4.8mg、0.0147mmoL、54.4%)を得た。
得られた化合物10aについて、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR及び13C−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(CD3OD)δH:4.25(1H,d,7.5Hz),5.96(1H,d,7.5Hz),6.32(1H,d,15.8Hz),6.77(2H,d,8.3Hz),6.86(1H,d,8.3Hz),7.19(2H,d,8.3Hz),7.48(1H,d,8.3Hz),7.63(1H,d,15.8Hz),7.64(1H,s)
13C−NMR(CD3OD)δC:54.95,87.08,109.65,115.13,115.19,115.50,124.89,126.14,126.97,127.12,127.74,130.53,131.18,145.05,157.57,161.36,169.51,172.53
【0051】
次いで、化合物10a又は化合物10b(51mg、0.15mmol)にN,N’−ジ−ボック−アグマチン(化合物17)(75mg,0.23mmoL)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)(44mg,0.23mmoL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(31mg、0.23mmoL)を加え、ジメチルホルムアミド7mL中にて室温下で2時間撹拌した。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0.2の展開液)で確認し、反応液に水を加え酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィー[1.5cm(内径)×10cm(長さ)、溶出液(ヘキサン:酢酸エチル=3:7→1:4)]にて精製し、化合物18a又は化合物18b(N,N‘,N’‘,N’‘’−テトラーボックーホルダチン)(114mg、0.12mmoL、80%)を得た。
【0052】
化合物18a又は化合物18b(100mg、0.11mmoL)をトリフルオロ酢酸10mLに溶解し、室温にて2時間撹拌した。反応終了後、4N塩酸/ジオキサン溶液を加え、減圧濃縮した。得られた残渣(化合物19aと19bの混合物又は19cと19dの混合物)を液体クロマトグラフィー(逆相分配用ポリマー充填剤:MCI GEL CHP20P)にて精製し、白色粉末の化合物19a(43mg、0.069mmoL、63%)及び化合物19b(20mg、0.032mmoL、30%)又は化合物19c及び化合物19dを得た。
得られた化合物19aについて、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR及び13C−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(DMSO−d6)δH:1.06(2H,m),1.16(2H,m),1.47(4H,m),2.69(1H,m),2.79(1H,m),2.97(2H,m),3.12(2H,m),3.18(2H,m),4.47(1H,d,J=9.5Hz),5.93(1H,d,J=9.5Hz),6.53(1H,d,J=15.7Hz),6.71(2H,d,J=8.5Hz),6.91(1H,d,J=8.3Hz),7.12(2H,d,J=8.5Hz),7.36(1H,d,J=15.7Hz),7.33(1H,s),7.39(1H,d,J=8.3Hz),7.70(2H,t,J=5.4Hz),7.75(2H,t,J=5.4Hz),7.97(2H,t,J=5.6Hz),8.15(2H,t,J=5.6Hz),9.47(1H,s)
13C−NMR(DMSO−d6)δC:25.8,25.9,26.0,26.4,37.8,38.0,40.3,40.4,52.8,86.7,109.5,114.4,119.4,124.5,127.2,127.8,128.0,128.4,129.3,138.4,156.9,157.1,161.3,165.4,168.2
得られた化合物19bについて、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR及び13C−NMR)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(DMSO−d6)δH:1.48(8H,m),3.13(5H,m),3.20(3H,m),2.69(1H,m),4.22(1H,d,J=7.6Hz),5.91(1H,d,J=7.6Hz),6.51(1H,d,J=15.7Hz),6.79(2H,d,J=8.5Hz),6.89(1H,d,J=8.2Hz),7.14(2H,d,J=8.5Hz),7.37(1H,d,J=15.7Hz),7.40(1H,m),7.41(1H,d,J=8.2Hz),7.74(2H,t,J=5.6Hz),7.82(2H,t,J=5.6Hz),8.29(2H,t,J=5.7Hz),8.56(2H,t,J=5.6Hz),9.62(1H,bs)
13C−NMR(DMSO−d6)δC:26.0,26.1,26.3,26.4,38.1,38.5,40.3,40.4,55.4,87.0,109.6,115.4,119.4,122.8,127.4,127.8,128.1,129.7,130.3,138.4,156.9,157.6,160.1,165.3,169.6
【0053】
〔実施例2〕メチル−5−(1E)−[[ビス[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチレン]アミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキシレート(化合物21a又は化合物21b)の合成
化合物10a又は化合物10b(32.8mg、0.106mmoL)を蒸留直後のメタノール溶液2mLに溶解し、これに濃硫酸を2滴加え撹拌した。90分間撹拌後、反応液に炭酸水素ナトリウムを過剰量加え反応を止めた後、酢酸エチル(AcOEt)30mL、飽和食塩水30mLにて抽出した。水層を酢酸エチル30mLにてさらに3回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウム(MgSO4)にて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮、デシケーターにて乾燥し、黄色油状物質として化合物20a又は化合物20b(メチル−5−(2−カルボキシエテニル)−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキシレート)を40.7mg得た。得られた油状物質は精製せずに次の反応へと進行する。
化合物20a又は化合物20b(36.4mg)にN,N’−ジ−ボック−アグマチン(化合物17)(70.7mg,0.214mmoL,2.00eq)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)(41.0mg,0.214mmoL,2.00eq)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(28.9mg、0.214mmoL、2.00eq)を加え、ジメチルホルムアミド3mL中にて室温下撹拌した。反応の進行を高速液体クロマトグラフィー(カラム:J’sphere ODS−H80、4.5mm(内径)×250mm(長さ)、測定波長:280nm、流速:0.5mL/min、溶出液:メタノール:水:トリフルオロ酢酸=80:20:0.1)にて確認し、一晩撹拌した後、反応液に飽和食塩水30mLを加え酢酸エチル30mLで抽出を行った。有機層を飽和食塩水30mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し油状物質を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー[シリカゲル60N(球状、中性)63μm〜210μm、1.4cm(内径)×20cm(長さ)、溶出液(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)]にて精製を行い、薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4の展開液)にて各フラクションを分析した。目的物の画分を減圧下濃縮しデシケーターにて乾燥した。その結果、35.4mg(53.9%,2steps)の化合物21a又は化合物21b(メチル−5−(1E)−[[ビス[[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]アミノ]メチレン]アミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキシレート)を得た。
得られた化合物21aについて、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR及び13C−NMR)、並びに質量分析スペクトル解析(FAB−MS)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δH:11.48(1H,s),9.57(1H,s),8.28(1H,t,J=5.73Hz),8.01(1H,t,J= 5.73Hz),7.51(1H,s),7.40(1H,d,J=6.87Hz),7.38(1H,d,J=16.04Hz),7.18(2H,d,J=8.59Hz),6.87(1H,d,J=8.59Hz),6.73(2H,d,J=8.59Hz),6.45(1H,d,J=16.04Hz),5.88(1H,d,J=7.45Hz),4.43(1H,d,J=7.45Hz),3.71(3H,s),3.26(2H,m),3.14(2H,m),1.48−1.34(22H,m)
13C−NMR(500MHz,DMSO−d6)δC:171.4,165.6,163.7,160.3,158.3,155.8,152.6,138.7,130.7,130.3,128.7,128.3,126.1,124.5,120.4,115.9,110.3,86.9,83.4,78.7,54.4,53.2,28.5,28.1,27.0,26.7
FAB−MS:653(MH+),HRMS(FAB):653.3181(MH+),Exact MS 653.3187(C344594,MH+
【0054】
〔実施例3〕メチル−5−(1E)−[[4−(アミノイミノメチル)アミノ]ブチルアミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキシレート(化合物22a又は化合物22b)の合成
化合物21a又は化合物21b(35.4mg)に100%トリフルオロ酢酸(TFA)(2mL)を加え、室温下撹拌した。30分後、反応液に水を加え凍結乾燥した。高速液体クロマトグラフィー(カラム:COSMOSIL 5C18−AR−II、10mm(内径)×250mm(長さ)、測定波長:280nm、流速:3.0mL/min、溶出液:アセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸=30:70:0.1)により精製を行い、分取した溶液を減圧下エバポレーターによりアセトニトリルを除き凍結乾燥した。その後、生成物に0.01N塩酸を4mL加え、5℃にて30分間放置し凍結乾燥した。その結果、淡黄色油状物質として化合物22a又は化合物22b(メチル−5−(1E)−[[4−(アミノイミノメチル)アミノ]ブチルアミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキシレート)(22.3mg:90.9%)を得た。化合物20a又は化合物20bから化合物22a又は化合物22bの収率は49.0%であった。
得られた化合物22aについて、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR及び13C−NMR)、並びに質量分析スペクトル解析(FAB−MS)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δH:9.64(1H,s),8.16(1H,t,J=5.73Hz),7.75(1H,t,J=5.73Hz),7.51(1H,s),7.41(1H,d,J=8.02Hz),7.34(1H,d,J=15.46Hz),7.18(2H,d,J=8.59Hz),6.87(1H,d,J=8.02Hz),6.75(2H,d,J=8.02Hz),6.50(1H,d,J=16.04Hz),5.88(1H,d,J=7.45Hz),4.44(1H,d,J=7.45Hz),3.71(3H,s),3.14(2H,m),3.09(2H,m),1.45(4H,br−s)
13C−NMR(500MHz,DMSO−d6)δC:171.4,165.8,160.3,158.3,157.4,138.7,130.7,130.2,128.7,128.3,126.1,124.5,120.3,115.9,110.4,86.9,54.4,53.2,41.0,38.8,26.9,26.6
FAB−MS:453(MH+),HRMS(FAB):453.2135(MH+),Exact MS 453.2138(C242954,MH+
【0055】
〔実施例4〕5−(1E)−[[4−(アミノイミノメチル)アミノ]ブチルアミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸(化合物23a又は化合物23b)
化合物21a又は化合物21b(12.6mg、0.0193mmoL)にトリフルオロ酢酸(TFA)(1mL)を加え、室温下30分間撹拌した。その後、精製水を加え凍結乾燥した。これに、トリフルオロ酢酸(0.5mL)、1N塩酸(1mL)を加え室温下撹拌した。反応の進行を高速液体クロマトグラフィー(カラム:J’sphere ODS−H80、4.6mm(内径)×250mm(長さ)、測定波長:280nm、流速:0.5mL/min、溶出液:アセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸=30:70:0.1)にて確認した。24時間後、精製水を加え凍結乾燥した。これに0.01N塩酸を1.3mL加え高速液体クロマトグラフィー(カラム:YMC−Pack ODS−A、20mm(内径)×250mm(長さ)、測定波長:280nm、流速:6.0mL/min、溶出液:アセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸=30:70:0.1)にて分取を行った。分取した溶液を減圧下エバポレーターによりアセトニトリルを除き、凍結乾燥した。その結果、最も大きいピーク(溶出時間(Rt)=22分)として化合物23a又は化合物23b(5−(1E)−[[4−(アミノイミノメチル)アミノ]ブチルアミノ]−3−オキソ−1−プロペニル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸)を3.2mg(0.00730mmoL、37.8%)得た。
【0056】
〔実施例5〕N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]−5−[(1E)−2−カルボキシエテニル]−2,3−ジヒドロー2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキサミド(化合物24a又は化合物24b)の合成
化合物10a又は化合物10b(30mg、0.0920mmol)に化合物17(36.4mg、0.110mmol、1.20eq)、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)(21.7mg、0.0113mmol、1.23eq)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(14.9mg、0.110mmol、1.20eq)を加え、ジメチルホルムアミド3mL中にて室温下撹拌した。反応の進行を高速液体クロマトグラフィー(カラム:J’sphere ODS−H80、4.5mm(内径)×250mm(長さ)、測定波長:280nm、流速:0.5mL/min、溶出液:メタノール:水:トリフルオロ酢酸=80:20:0.1)にて確認し、一晩撹拌した後、反応液に飽和食塩水30mLを加え酢酸エチル30mLで抽出を行った。有機層を飽和食塩水30mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後濾過し、濾液をエバポレーターにて減圧下濃縮し油状物質を得た。得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィー[シリカゲル60N(球状、中性)63μm〜210μm、1.4cm(内径)×20cm(長さ)、溶出液(ヘキサン:酢酸エチル=1:4、1:9)]にて精製を行い、薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:9の展開液)にて各フラクションを分析した。目的物の画分を減圧下濃縮しデシケーターにて乾燥し、得られた物質(48.8mg、74.3%)に100%トリフルオロ酢酸(TFA)2mLを加え、室温下撹拌した。30分後、反応液に水を加え凍結乾燥した。高速液体クロマトグラフィー(カラム:COSMOSIL 5C18−AR−II、10mm(内径)×250mm(長さ)、測定波長:280nm、流速:3.0mL/min、溶出液:アセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸=30:70:0.1)により精製を行い、分取した溶液をエバポレーターによりアセトニトリルを除き凍結乾燥した。その後、生成物に0.01N塩酸を12mL加え、5℃にて30分間放置し凍結乾燥した。その結果、淡黄色油状物質として30.0mg(99.7%)の化合物24a又は化合物24b(N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]ブチル]−5−[(1E)−2−カルボキシエテニル]−2,3−ジヒドロー2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボキサミド)を得た。
得られた化合物24aについて、核磁気共鳴スペクトル解析(1H−NMR及び13C−NMR)、並びに質量分析スペクトル解析(FAB−MS)を行った。その結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6)δH:12.2(1H,br−s),9.62(1H,s),8.52(1H,t,J=5.73Hz),7.71(1H,t,J= 5.73Hz),7.53−7.50(3H,m),7.09(2H,d,J=8.59Hz),6.86(1H,d,J=8.02Hz),6.75(2H,d,J=8.59Hz),6.30(1H,d,J=15.46Hz),5.90(1H,d,J=7.45Hz),4.17(1H,d,J=6.87Hz),3.12(2H,m),3.08(2H,m),1.45(4H,br−s)
13C−NMR(500MHz,DMSO−d6)δC:170.0,168.4,161.3,158.2,157.4,144.5,131.1,130.8,128.7,127.9,127.7,124.5,116.6,116.0、110.1,87.6,55.8,40.9,39.0,26.8,26.5
FAB−MS:439(MH+),HRMS(FAB):439.1967(MH+),Exact MS 439.1981(C232754,MH+
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】ベンゾフランカルボキサミド誘導体の化学構造式を示す図
【図2】ベンゾフランカルボキサミド誘導体の異性体の化学構造式を示す図
【図3】ベンゾフランカルボキサミド誘導体の異性体の化学構造式を示す図
【図4】ベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成スキームを示す図
【図5】本発明のベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法を概略的に示したフローチャート
【図6】従来のベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法を概略的に示したフローチャート
【符号の説明】
【0058】
10 p−クマル酸二量体
17 アグマチン誘導体
19 ベンゾフランカルボキサミド誘導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
p−クマル酸二量体の合成工程、及び合成した前記p−クマル酸二量体とアグマチン誘導体とを反応させる工程を包含するベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法であって、
前記p−クマル酸二量体の合成工程が、以下の工程:
(1)p−ブロモフェノールと、臭化アリルを反応させて1−アリルオキシ−4−ブロモベンゼンを合成する工程;
(2)前記1−アリルオキシ−4−ブロモベンゼンを加熱処理して、2−アリル−4−ブロモフェノールを合成する工程;
(3)前記2−アリル−4−ブロモフェノールと、ベンジルオキシ−ベンジルクロリドを反応させて2−アリル−1−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−4−ブロモベンゼンを合成する工程;
(4)前記2−アリル−1−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−4−ブロモベンゼンを酸化処理して、2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸を合成する工程;
(5)前記2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸と、ジアゾメタンを反応させて2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸メチルエステルを合成する工程;
(6)前記2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル酢酸メチルエステルと、p−アセトアミドベンゼンスルホニルアジドを反応させて、2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル−ジアゾ−酢酸メチルエステルを合成する工程;
(7)光学活性二核ロジウム(II)錯体を使用して、前記2−(4−ベンジルオキシ−ベンジルオキシ)−5−ブロモフェニル−ジアゾ−酢酸メチルエステルから、5−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフランを合成する工程;
(8)前記5−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフランと、アクリル酸メチルとを反応させて2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−5−トランス(2−メトキシカルボニル)エテニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフランを合成する工程;
(9)前記2−(4−ベンジルオキシ)フェニル−5−トランス(2−メトキシカルボニル)エテニル−3−メトキシカルボニル−2,3−ジ−ヒドロベンゾフランに対して脱メチル化処理及び脱ベンジル化処理を行い、5−(2−カルボキシルエテニル)−2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−ベンゾフランカルボン酸を合成する工程;
を包含するベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法。
【請求項2】
前記アグマチン誘導体が、アグマチンのグアニジノ(guanidino)基をボック(Boc)基で保護したものである請求項1に記載のベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法。
【請求項3】
合成したベンゾフランカルボキサミド誘導体が、以下の構造式(1);
【化1】

で示される化合物である請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法。
【請求項4】
合成したベンゾフランカルボキサミド誘導体が、以下の構造式(2);
【化2】

(式中Rは、水素原子又はメチル基)で示される化合物である請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法。
【請求項5】
合成したベンゾフランカルボキサミド誘導体が、以下の構造式(3);
【化3】

で示される化合物である請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のベンゾフランカルボキサミド誘導体の合成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−189554(P2008−189554A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22318(P2007−22318)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000001904)サントリー株式会社 (319)
【Fターム(参考)】