説明

棒グラフ表示装置

【課題】様々な値を示すグラフを表示することができる装置を、低コストで実現する。
【解決手段】主ベルト692が、当該主ベルトの長手一方向に回転する2個の回転部材621,641により、前記方向に移動自在に張設され、前記主ベルトのその一部分は、他の部分とは異なる表面色を有し、表面色変更点において、第1結合部材646を固着され、前記方向において、前記一部分を覆う副ベルト735は、当該一部分とは異なる表面色を有し、その一端に、前記第1結合部材との間に所定の結合力を有する第2結合部材751を固着され、2個の停止部材が前記副ベルト面の両側に対向して挟扼自在に設けられ、一軸上において2個の値をそれらの値に応じた長さにより表現する棒グラフ表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の数値を視覚的に表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1などの表計算ソフトにより、棒グラフを始めとした多様なグラフを作成し、CRTや液晶ディスプレイに表示する技術が、広く用いられている。
また、ローラーと、このローラーに張設した無端帯ベルトを含んで構成され、ローラーの回転方向に無端帯ベルトを移動させて棒グラフを表示する棒グラフ表示装置が開示されている。
【非特許文献1】MicrosoftOfficeExcelホームページ(2005年10月26日付) http://www.microsoft.com/japan/office/excel/prodinfo/default.mspx
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、高価なCRTや液晶ディスプレイを、工場内の各所に設置し、生産の予定数、生産の実績数、工程の日程などを表示する場合、多大な設備投資が必要となる。
また、上述の棒グラフ表示装置では、1軸の棒グラフで1の値を表示するため、例えば、予定値と実績値とを対比するグラフ、作業日程を示すガントチャートのように、複雑なグラフを表示することはできない。
【0004】
そこで、本発明は、複雑なグラフを表示することが可能な装置を低コストで実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、一軸上において2個の値をそれらの値に応じた長さにより表現する棒グラフ表示装置であって、主ベルトが、当該主ベルトの長手一方向に回転する2個の回転部材により、前記方向に移動自在に張設され、前記主ベルトのその一部分は、他の部分とは異なる表面色を有し、表面色変更点において、第1結合部材を固着され、前記方向において、前記一部分を覆う副ベルトは、当該一部分とは異なる表面色を有し、その一端に、前記第1結合部材との間に所定の結合力を有する第2結合部材を固着され、2個の停止部材が前記副ベルト面の両側に対向して挟扼自在に設けられ、当該停止部材が前記副ベルトを挟扼した場合に、前記副ベルトは固定され、前記副ベルトの先端が前記2個の値のうちの1個の値を示し、前記表面色変更点が他の1個の値を示すことを特徴とする。
【0006】
前記棒グラフ表示装置は、さらに、前記回転部材を回転させる駆動手段と、
前記回転部材の回転角を検出する角度検出手段と、前記2個の停止部材に前記副ベルトを挟扼させる副ベルト制御手段と、前記回転部材の回転角が、前記回転部材の回転角が、前記2個の値のうちの1個に応じた回転角に達すると、前記副ベルト制御手段に、前記挟扼を指示し、前記2個の値のうちの他の1個に応じた回転角に達すると、前記駆動手段を停止させる制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によると、副ベルトは、第1及び第2結合部材により主ベルトと接続され、主ベルトの移動に伴って移動し、前記停止部材が、当該副ベルトを挟扼すると、前記副ベルトは固定され、主ベルトのみがさらに移動する。このように、動作したのち、本発明の棒グラフ表示装置において、前記副ベルトの先端の位置が前記2個の値のうちの1個の値を示し、前記表面色変更点の位置が他の1個の値を示す。従って、単純な機械的構造によって、一軸上に2値を表示することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
1.実施の形態1
以下に、本発明の実施の形態1にかかる進捗表示システム1について、図面を用いて説明する。
<概要>
進捗表示システム1は、図1及び図2に示すように、管理端末装置10、進捗表示装置60、61、アクセスポイント41、機械A20、機械B21、日程表示装置15、連絡ボックス40、サーバ装置50、情報共有ボード53、ルータ56、インターネット71、外部端末58及び59から構成される。管理端末装置10、進捗表示装置60、アクセスポイント41、連絡ボックス40、サーバ装置50、情報共有ボード53及びルータ56とは、LAN70で接続されており、LAN70は、イントラネットを形成する。図1中のLAN70の右端は、図2中のLAN70へと続いている。
【0009】
機械A20、機械B21は、工場に設置された各種の製造・加工装置である。各機械は、1個の製品(部品・仕掛品)を製造するたびに、進捗表示装置にカウントアップ信号を出力する。また、図示していないが、工場内には、他にも多数の機械が設置されている。
進捗表示装置60及び61は、それぞれ、機械A20及び機械B21と対応している。図示していないが、進捗表示システム1には、進捗表示装置60及び61を含め、合計n個の進捗表示装置が含まれており、それぞれ、別個の機械と対応している。本実施の形態では、n=30として、以下の説明を進める。
【0010】
各進捗表示装置は、対応する機械が製造する製品の予定値、製造開始後の実績値、製造のペースの目安を示す計画値の概要を棒グラフの長さによって表示する。また、機械が製造を開始した後、各進捗表示装置は、生産の進捗状況を定期的にサーバ装置50及び管理端末装置10へ通知する。また、必要に応じて、進捗状況を日程表示装置15へ送信する。
【0011】
工場内での製品の製造工程は、3つの工程に分けられ、1の工程が修了すると次の工程がスタートする。日程表示装置15は、工場の入り口など、工場内の多くの作業者の目に付く場所に設置されており、各工程の稼動する予定の日程(以下予定日程と呼ぶ)及び実際の各工程が稼動した日程(以下、実績日程)を表示する。
管理端末装置10は、事務所に設置されており、LAN70を介して、各進捗表示装置及び、日程表示装置15に各種のパラメータを設定する。
【0012】
連絡ボックス40は、機械A20と対応しており、作業者の操作によって、工場内で発生したトラブルなどを、迅速に工場外のサーバ装置50、外部端末58、59などに通知する。外部端末58、59は、工場の責任者や機械A20の管理担当者個人の所有する端末機器である。
<構成>
以下に、各装置の構成を説明する。
1.1 進捗表示装置60
図1に示すように、進捗表示装置60は、工場内の機械A20の製造の進捗状況を表示する装置である。
【0013】
工場内の各進捗表示装置は、進捗表示装置60又は後で説明する進捗表示装置61の何れかと同一の構成であるので、ここでは、進捗表示装置60についてのみ説明する。
<進捗表示装置60の機械的構造>
図3は、進捗表示装置60の外観と内部構造の一部を示す斜視図である。図4は、図3のA1-A1’断面を示している。また、図5は、図4の、x1−x1’断面を示している。
【0014】
進捗表示装置60の筺体は、モーター622、ローラー647等を覆う正面蓋部620と、矩形板状に形成された背面部632とが、正面蓋部620の底面において、ボルトにより締着されて、構成されている。
正面蓋部620は、その中央部において矩形状に切り取られた矩形板面状の正面部材620aと4枚の矩形板状の側面部材620b〜620eとが直方体形状に接合され、その矩形状に切り取られた開口部の各辺に沿って側面部材620b〜620eに平行して設けられた4枚の矩形板状の側面部材686〜689と、矩形板面状に形成され背面部632と平行して設けられた底面部材685とが正面蓋部620の内部方向に凹部を形成するように接合されて、形成されている。
【0015】
正面蓋部620の内部方向に凹部を形成する側面部材686〜689のうち、正面蓋部620の長手方向に垂直に設けられた側面部材686には、開口部686a、686b、686cが設けられ、開口部686a、686b、686cに対向して、正面蓋部620の長手方向に垂直に設けられた側面部材688には、開口部688a、688b、688cが設けられている。
【0016】
筺体内部には、正面蓋部620と背面部632に固定された軸受によって、回転自在に支持されている円筒形のローラー、前記ローラーにかけられた無端帯状の主ベルトなどを含んで構成されるベルト駆動機構が、3台、正面蓋部620の長手方向に平行に設置されている。図3に示すように、3台のうちの一つのベルト駆動機構640は、正面蓋部620と背面部632に固定された軸受631、648に支持されている円筒形のローラー641、無端帯状の主ベルト692などを含んで構成されている。以下に、ベルト駆動機構640について説明する。
【0017】
図4に示すように、支持部材628と支持部材630は、正面蓋部620の内側において、底面部材685に固定され、支持部材628と630に、その回転軸が正面蓋部620の長手方向と略平行になるように、モーター622が、支持されている。また、図示していないが、進捗表示装置60の筺体内部には、制御回路が備えられている。モーター622は、制御回路と信号線で接続されており、制御回路によって回転の開始・停止を制御される。
【0018】
モーター622の軸部分623に、円柱形の接続部材624が、モーター622の回転軸と接続部材624の中心軸とが一致するように接続されている。
接続部材624の円柱側面に、円盤状の回転体626が、回転体626の回転軸と、接続部材624の中心軸とが一致するように、固着されている。
図6に示すように、回転体626には、90度おきに、円周から中心に向かって4個のスリット626a、626b、626c及び626dが設けられている。
【0019】
回転体626の回転角を検出するセンサ627は、発光部627aと受光部627bとからなる。モーター622の底面部材685側の面に、支持部材625が固定されており、支持部材625にセンサ627の発光部627aが、発光部627aから出力される赤外線の進路と回転体626の円盤面とが直角になるように、固定されている。
また、正面蓋部620の内側において、底面部材685に、支持部材629が、回転体626をはさんでモーター622と向かい合うように、固定されている。支持部材629には、センサ627の受光部627bが、発光部627aから出力される赤外線の進路と当該受光部627bの受光面とが直角になるように、支持されている。
【0020】
発光部627aは、赤外線を出力している。受光部627bは、制御回路と信号線で接続されており、赤外線を検出している間、つまり、スリット626a〜626dの何れかが発光部627aと受光部627bとの間にある間はHレベル、赤外線を検出していない間はLレベルの信号を制御回路へ出力している。制御回路は、受光部627bから出力される信号を監視し、LレベルからHレベルへの遷移を検出する。遷移の回数を計数することで、回転体626の回転角を90度単位で検知することができる。
【0021】
接続部材624に、円柱形の軸部材639が、モーター622の軸部分623の延長線上に位置するように、軸止されている。支持部材629には、前記軸部材639が貫通する位置に、開口部が設けられている。
軸部材639に、ウォーム歯車633が、軸部材639の中心軸と、ウォーム歯車633の回転軸とが一致するように、接続されている。
【0022】
図5に示すように、軸受631及び648は同一形状であり、ベアリングを備えた開口部を有する矩形板状の軸受部材と2枚矩形板状の支持部材とをコの字型に接続して形成される。軸受631及び軸受648は、それぞれ、軸受部材が側面部材620eと平行であり、互いの間隔が、開口部688cの幅よりも広くなるように正面部材620a及び背面部632に固定されている。
【0023】
軸受631の軸受部材には、正面蓋部620の長手方向において、開口部688cよりも側面部材620b寄りの位置に、前記円形開口部を設けられており、軸受648は、軸受631の円形開口部と対向する位置に、円形開口部を設けられている。軸受631及び647は、それぞれの開口部において、円柱形の軸部材638を回転自在に支持している。
【0024】
ローラー641は、円筒形の側面部材と円形の底面円部材とを円柱形に接合して形成されており、底面円部材と逆側の円筒底面は、円形開口部になっている。ローラー641と647とは同一形状である。
軸部材638は、ローラー641と647の両者の底面円部材の中心を貫通し、
ローラー641と647の互いの円形開口部が対向し、双方の底面円部材間の距離が、主ベルト692の幅と等しく、ローラー641、647及び軸部材638の回転軸が一致するように、ローラー641及び647を軸止している。
【0025】
軸部材638は、ウォーム歯車636が、ローラー641及び647間の中央に位置し、ウォーム歯車636の回転軸と軸部材638の回転軸とが一致するように、ウォーム歯車636を軸止している。ウォーム歯車636は、ウォーム歯車633と咬合する。
軸受635は、軸受631と同一の形状であり、図示していないが、軸受631と648の組のように、ローラー621をはさんで、軸受635と対向する軸受が存在する。軸受635及び軸受635と対向する軸受は、それぞれを構成する軸受部が側面部材620eと平行であり、かつ、両者の間隔が開口部686cの幅よりも広くなるように、正面部材620a及び背面部632に固定されている。
【0026】
軸受635は、正面蓋部620の長手方向において、開口部686cよりも側面部材620d寄りに円形開口部が設けられており、軸受635と対向する軸受は、軸受635の円形開口部と対向する位置に円形開口部を設けられている。
軸受635及びこれと対向する軸受は、それぞれの開口部にベアリングを備えており、円柱状の軸部材634を回転自在に支持している。
【0027】
ローラー621は、ローラー641及び647の半径と同一の半径、主ベルト692の幅とほぼ同一の高さの円柱形であって、軸部材634は、ローラー621と軸部材634の回転軸が一致するように、ローラー621を軸止している。
無端帯状の主ベルト692が、ローラー621と、ローラー641及び647とに張設されている。主ベルト692は、開口部688cと686cとを通過して、その一部を正面蓋部620の外側に露出している。主ベルト692には、その露出部分に、直方体形状の結合部材646が固着されている。結合部材646の高さは、開口部686c及び688cの高さよりも高い。
【0028】
前記結合部材646を境にして、主ベルト692の側面部材620b側においては、主ベルト692の全長の約半分が、赤色に着色されており、残りの部分は、無色透明である。
結合部材646が側面部材688と接している状態(以下、初期状態という)において、図6に示す回転体626のスリット626aが、発光部627aと受光部627bとの間になるように、ベルト駆動機構640は、調整されている。
【0029】
進捗表示装置60の筺体内部には、上述のベルト駆動機構640と同一の構造の2個のベルト駆動機が、ベルト駆動機構640と併設されている。
対向する開口部688aと686a、開口部688bと686bとを通って、これらベルト駆動機構を構成する主ベルト690、691が、正面蓋部620の外部に露出している。
【0030】
正面部材620aには、3個の書込部材681、682、683がはめ込まれている。書込部材681、682、683は、それぞれ、側面部材688の3つの開口部688a、688b、688cと隣り合う位置に配置されている。書込部材681、682及び683は一例として、ホワイトボードであって、利用者は、書込部材に、文字などを自由に書き込み・消去することができる。図1及び図3に示すように、ここでは、書込部材681に「予定値」、書込部材682には「実績値」、書込部材683には「計画値」と書き込まれている。
【0031】
<進捗表示装置60の機能的構成>
上述の通り、進捗表示装置60は、3台のベルト駆動機構と、これらのベルト駆動機構を制御する制御回路を備えている。制御回路は具体的には、プロセッサ、ROM、RAMなどを備えたコンピュータシステムである。
図7は、進捗表示装置60の機能的構成を示した機能ブロック図である。進捗表示装置60は、入出力部601、信号受信部602、予定表示部603、実績表示部604、計画表示部605、制御部607、情報記憶部610から構成される。
【0032】
以下に、各構成要素について説明する。
(1)情報記憶部610
情報記憶部610は、RAMなどを含んで構成され、図7に示すように、予定値611、タクトタイム612、基準個数613及び変動単位614を記憶している。
予定値611は、進捗表示装置60と対応する機械A20が、製造する予定の製品の個数である。タクトタイム612は、1個の製品を製造するために要すると予測される時間であり、単位は「分」である。基準個数613及び変動単位614は、上述したベルト駆動機構により構成される予定表示部603、実績表示部604及び計画表示部が、表示する数量とモーターの回転数の対応を示しており、図7では、基準個数613は、「10」個、変動単位614は、「1」回となっている。これは、表示する数量を「10」個が、モーターの回転数「1」回転に対応することを示している。当該進捗表示装置60では、モーターが1回転すると、ベルト駆動機構の主ベルト及び結合部材は、1センチ移動する。つまり、数量が「10」個が、主ベルトの着色部分1センチに対応している。
【0033】
(2)入出力部601
入出力部601は、LAN70に接続可能なインターフェースを含んでおり、予め、ネットワーク上での進捗表示装置60自身の位置を示すアドレスと、管理端末装置10の位置を示すアドレスと、サーバ装置50の位置を示すアドレスとを記憶している。入出力部601は、LAN70を介して、管理端末装置10と制御部607との間で各種の情報の送受信を行う。さらに、進捗表示装置60と対応する機械A20が、何れかの工程の最後の装置であれば、入出力部601は、日程表示装置15のアドレスも記憶している。
【0034】
(3)信号受信部602
信号受信部602は、機械A20とケーブルによって接続されており、機械A20から、製造の開始を通知するスタート信号又はカウントアップ信号を受信する。スタート信号又はカウントアップ信号を受信すると、受信したスタート信号又はカウントアップ信号を制御部607へ出力する。
【0035】
(4)予定表示部603、実績表示部604及び計画表示部605
予定表示部603、実績表示部604及び計画表示部605は、それぞれ、機械A20の予定値、実績値及び計画値の概要を示す。予定値とは、機械A20が生産しなければならない製品の数量であり、実績値とは、その時点までに機械A20が実際に生産した製品の数量であり、計画値とは、その時点までに生産されていると、タクトタイムに基づいて予測される製品の数量である。
【0036】
当該進捗表示装置の備える3つのベルト駆動機構が、それぞれ、予定表示部603、実績表示部604及び計画表示部605の機能を担っており、制御部607の制御により、モーターを回転又は停止させてそれぞれの主ベルトの着色部分のうちの正面蓋部620の外に露出している部分の長さを調整する。
予定表示部603は、図3に示す主ベルト690を含むベルト駆動機構が、その機能を担っており、主ベルト690の着色部分うち正面蓋部620の外に露出している部分の長さによって、予定値の概要を示している。
【0037】
実績表示部604は、図3に示す主ベルト691を含むベルト駆動機構が、その機能を担っており、主ベルト690の着色部分うち正面蓋部620の外に露出している部分の長さによって、実績値の概要を示している。
計画表示部605は、図3に示す主ベルト692を含むベルト駆動機構640が、その機能を担っており、主ベルト690の着色部分うち正面蓋部620の外に露出している部分の長さによって、計画値の概要を示している。
【0038】
(5)制御部607
制御部607は、予め、進捗表示装置60自身を示すID606を記憶している。また、実績数を計数する実績カウンタNと、計画値を計数する計画カウンタK及び時間を計測するタイムカウンタTを備えている。
制御部607は、入出力部601を介して、管理端末装置10から、設定指示と予定値とタクトタイムと基準個数と変動単位とを受信する。また、信号受信部602を介して、機械A20から、スタート信号又はカウントアップ信号を受信する。
【0039】
制御部607は、設定指示を受信すると、設定指示と供に受信した予定値、タクトタイム、基準個数及び変動単位を情報記憶部610に書き込む。図7は、既にこれらの情報が書き込まれている状態を示している。
次に、予定表示部603、実績表示部604及び計画表示部605を初期化する。つまり、各ベルト駆動機構の結合部材が、側面部材687に接する位置になければ、モーターを逆回転させて結合部材を側面部材687に接する位置に移動させる。
【0040】
制御部607は、信号受信部602を介して、スタート信号を受信すると、予定値611「400」を予定表示部603に表示させる。具体的には、情報記憶部610から予定値611「400」と基準個数613「10」変動単位614「1」を読み出す。次に、予定値を基準個数で割った商に変動単位をかけて、予定値「400」を予定表示部603に表示するためのモーターの回転数を算出する。算出した回転数だけ、モーターを回転させる。なお、連絡ボックス40から、リセット通知を受け取った直後のスタート信号は無視する。
【0041】
機械A20の生産中において、制御部607は、以下の3つの処理を並行して行う。
(4−1)実績表示部604の制御
機械A20の生産中において、制御部607は、信号受信部602を介して、機械A20からカウントアップ信号を受信する。カウントアップ信号を受信するたびに、実績カウンタに1加算して、機械A20の生産した製品の数量(実績値)を計数する。
【0042】
実績値が、基準個数「10」の整数倍になるたびに、変動単位「1」に基づいて、実績表示部604のモーターを「1」回転させる。
(4−2)計画表示部605の制御
スタート信号を受け取ると、制御部607は、タイムカウンタTを用いて、時間の経過を計測する。タクトタイム「3」分経過する毎に、計画カウンタに1加算して、計画値を計数する。計数した計画値が基準個数「10」の整数倍になる度に、変動単位「1」に基づいて、計画表示部605のモーターを「1」回転させる。
【0043】
(4−3)進捗状況の通知
スタート信号を受け取った後、制御部607は、定期的に実績カウンタ及び計画カウンタを用いて計数している実績値と計画値とを読み出す。読み出した実績値と計画値と自身の記憶しているID606とを、入出力部601を介して管理端末装置10に送信する。続いて、入出力部601を介して、ID606と、実績値と計画値と、情報記憶部610に記憶されている予定値「400」とを、サーバ装置50へ送信する。
【0044】
さらに、当該進捗表示装置60と対応する機械A20が、第1〜第3工程のうち、何れかの工程の最後の機械である場合は、続いて、日程表示装置15へID106と実績値とを送信する。
1.2 進捗表示装置61
進捗表示装置61の機械的構成及び機能的構成はほぼ同一であるので、ここでは、進捗表示装置60との相違点のみ述べる。
【0045】
進捗表示装置61は、進捗表示装置60の入出力部601に代わって、無線通信部とアンテナとを備えている。アンテナ及び無線通信部は、LAN規格のIEEE 802.11bに準拠した通信方式を用いて、アクセスポイント41及びLAN70を介して、制御部107とLAN70に接続された機器との間の情報の送受信を行う。
1.3 管理端末装置10
管理端末装置10は、図8に示すように、入出力部301、制御部307、記憶部310、入力部312及び画像表示部313から構成される。
【0046】
管理端末装置10は、具体的には、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクユニットを含むコンピュータシステムであって、RAM、ROM、ハードディスクユニットには、各種のプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記プログラムに従って動作することで、管理端末装置10は、その機能の一部を達成する。
(1)記憶部310
記憶部310は、RAM、ROM、ハードディスクを含んで構成される。図3は、記憶部310が記憶している情報の一例を示す。
【0047】
図3に示すように、記憶部310は、記憶領域320に、製品番号を記憶しており、記憶領域321、322・・・324に、それぞれ、1組のID、タクトタイム、予定値、実績値、計画値、基準個数及び変動単位を記憶している。記憶領域321、322・・・324は、それぞれ、進捗表示装置60、61・・・に対応している。
記憶領域320に記憶されている製品番号「1150A」は、進捗表示システム1が導入さてれている工場において、現在、生産の対象となっている最終製品と一意に対応する識別番号である。製品番号の示す「最終製品」とは、第1〜第3工程を経て、最終的に生産される完成品を指す。
【0048】
IDは、各進捗表示装置を一意に示す識別子である。タクトタイム、予定値、実績値、計画値、基準個数及び言動単位は、IDの示す進捗表示装置と対応する機械のタクトタイム、予定値、実績値、計画値、基準個数及び変動単位である。これらの情報については、既に説明したとおりであるので、ここでは、簡単な説明に留める。
記憶領域321を例にすると、記憶領域321は、7個の領域321a、321b、321c、321d、321e、321f及び321gから構成されている。領域321aには、ID「0001」、領域321bには、タクトタイム「3」、領域321cには、予定値「400」、領域321dには、実績値「60」、領域321eには、計画値「61」、領域321fには、基準個数「10」、領域321gには、変動単位「1」が記憶されている。
【0049】
ID「0001」は、進捗表示装置60の制御部607の保持しているID106と同一であり、予定値「400」、タクトタイム「3」、基準個数「10」、変動単位「1」は、進捗表示装置60の情報記憶部610の記憶している予定値、タクトタイム、基準個数及び変動単位と同一である。また、実績値「60」及び計画値「61」は、進捗表示装置60によって計数された機械A20の実績値と計画値である。
(2)入出力部301
入出力部301は、LAN接続インターフェースを含んで構成される。入出力部301は、管理端末装置10自身のネットワーク上のアドレスと、進捗表示装置60、61・・・のアドレスを記憶しており、LAN70に接続された各進捗表示装置と、制御部307との間で各種の情報の送受信を行う。
(3)入力部312及び画像表示部313
入力部312は、テンキー、スタートボタン、決定ボタンなどを備えており、操作者による各種のデータ及び指示の入力を受け付け、受け付けたデータ及び受け付けた指示を制御部307へ出力する。
【0050】
具体的には、入力部312は、各進捗表示装置の設定の開始を示す設定開始指示、前述の予定値、基準個数、変動単位などの入力を受付、受け付けたこれらの指示及びデータを制御部307へ出力する。
(4)制御部307
制御部307は、内部に記憶領域を備えており、制御部307は、入力部312から、設定開始指示を受け取る。
【0051】
設定開始指示を受け取ると、画像表示部313に所定の入力画面を表示させ、製品番号、各機械のタクトタイム、予定値、基準個数及び変動単位の入力を受け付ける。入力された製品番号、タクトタイムなどを記憶部310の各記憶領域に書き込み、各記憶領域の実績値及び計画値を「0」に初期化する。
続いて、各記憶領域からタクトタイムと予定値と基準個数と変動単位とを読み出し、対応する進捗表示装置へ、入出力部301及びLAN70を介して送信する。
【0052】
進捗表示装置への送信を終えると、次に、制御部307は、所定の入力画面を生成し、各工程の最後の機械と対応する進捗表示装置のIDと各工程のリードタイムの入力を受け付ける。ここで、リードタイムは、その工程において、1個の製品を生産するために要すると予測される時間である。入力を受け付けると、入力されたIDと対応する予定値を記憶部310から読み出し、入力されたID、リードタイム、読み出した予定値及び新たなパラメータの設定を指示する設定指示を送信する。
【0053】
また、工程が稼動中において、各進捗表示装置から定期的にIDと実績値と計画値とを受け取る。IDと実績値と計画値とを受け取ると、受け取ったIDをもとに、何れかの記憶領域を特定し、特定した記憶領域に記憶されている実績値及び計画値を、受信した実績値及び計画値に書き換える。
また、入力部312を介して、各機械の進捗情報の表示を指示されると、ID、予定値、実績値、計画値を表示する進捗表示画面を生成し、生成した進捗表示画面を画像表示部313に表示させる。
1.4 日程表示装置15
図9は、日程表示装置15の外観を示している。日程表示装置15は、各工程の予定日程及び実際の進捗状況を表示する装置である。以下に、日程表示装置15の機械的構成及び機能的構成について説明する。なお、日程表示装置15は、進捗表示装置60と類似した構造を有しているので、進捗表示装置60と同一の箇所については、説明を省略し、進捗表示装置60と異なる部分を中心に説明する。
【0054】
<日程表示装置15の機械的構造>
進捗表示装置60はその筺体内部に、ベルト駆動機構を、3台備えていたが、日程表示装置15は、ベルト駆動機構を6台備えている点が、進捗表示装置60と異なる。また、個々のベルト駆動機構については、上述のベルト駆動機構640と同一の構造に加えて、主ベルトの移動に伴って移動する副ベルトと、この副ベルトの移動を停止させるブレーキ機構とを備えている点が異なる。
【0055】
図9は、日程表示装置15の外観を示す斜視図であり、図10は、図9のX2−X2’断面である。図11は、日程表示装置15のベルト駆動機構の特徴部分である副ベルトとブレーキ機構を抜き出して示した斜視図である(なお、図111は、軸受を省略している)。各図面において、進捗表示装置60と同一の構造の部分には、同一の参照符号を付しており、これらについては、説明を省略する。
【0056】
日程表示装置15の筺体は、進捗表示装置60の筺体と同様の形体であるが、正面部材730aの矩形開口部に沿って正面蓋部730の長手方向と直角に備えられた側面部材736及び737は、それぞれ、6個の開口部を備えている。側面部材736の開口部736a〜736fは、それぞれ、側面部材737の開口部737a〜737fと対向している。
【0057】
図10に示すように、日程表示装置15の備えるベルト駆動機構740は、進捗表示装置60のベルト駆動機構640と同一の構造に加えて、ローラー753、ブレーキパッド756、鉄心762、コイル760を含んで構成されるブレーキ機構771と副ベルト735とを備える。以下に、ベルト駆動機構740について説明する。
ブレーキ機構771を構成する軸受759は、軸受631と同様に、ベアリングを備える円形の開口部を設けられている矩形板状の軸受部材と、2枚の矩形板状の支持部材とをコの字型に接合して形成される。図示していないが、軸受631と648の組のように、軸受759と対向する軸受(説明の便宜上軸受759’と呼ぶ)が存在する。
【0058】
軸受759及び軸受759’は、それぞれの、軸受部材が、側面部材730eと平行であり、互いの間隔が開口部737eの幅より広くなるように、互いに対向して、正面部材730a及び背面部742に固定されている。
軸受759及び軸受759’に設けられた、円形の開口部において、円柱形の軸部材754を、回転自在に、かつ、当該軸部材754の回転軸と軸部材638の回転軸とが平衡になるように支持している。
【0059】
軸部材754は、円柱形のローラー753を、軸部材754とローラー753の回転軸が一致するように、軸止している。
軸受759と759’とには、円柱形の支持部材755が、軸部材754と並行であり、ローラー753よりも背面部632寄りに位置し、正面蓋部730の長手方向において、軸部材754とほぼ同じ位置になるように、固定されている。
【0060】
軸受759及び759’は、さらに、円柱形の軸部材758を、軸部材758と軸部材754とが並行であり、当該軸部材758がローラー753よりも背面部632寄りに位置し、ローラー753よりも側面部材730b寄りに位置するように、回転自在に支持している。
軸部材758の円柱側面には、図11に示すように矩形板状に形成された支持部材757が、軸部材758の回転軸と支持部材の短辺とが並行になるように、固着されている。
【0061】
支持部材757の短辺のうち、正面部材730a側の短辺に沿って、ローラー753と向かい合うように、ブレーキパッド756が固着されている。ブレーキパッド756は、6つの平面を有する直方体うち、ローラー753と向かい合う面と逆側の面を、ローラー753と同一半径の円筒局面で切り取って形成される形状である。ブレーキパッド756の材料は、任意であるが、弾力があり、切断局面766と副ベルト735との摩擦係数が十分大きいことが必要である。
【0062】
支持部材757のブレーキパッド756と同一面状のもう一方の短辺の中央付近に、鉄心762が、支持部材757と直角になるように固定されている。
支持部材761は、軸受759と759’とに固定されており、支持部材761には、コイル760が、その中空部分を鉄心762が通過するように固定されている。コイル760は、図示していないが、信号線によって制御回路と接続されており、制御回路は、モーター622の回転の制御に加えて、コイル760への電流の供給・停止を制御する。
【0063】
底面部材741の表面と同色に着色され、主ベルト692と同じ幅の帯状の副ベルト735は、その先端部分に、直方体形状の磁気結合部材751が、固着されている。磁気結合部材751は、磁石から生成されており、結合部材646は、鉄を含む材料で生成されている。
副ベルト735の磁気結合部材751を固着されている一端は、開口部737eを通過して、正面蓋部620の外部に露出しており、当該副ベルト735は、主ベルト692の着色部分の一部を覆って、正面蓋部730内部へと続いている。副ベルト735は、ローラー641の位置で、主ベルト692と離れ、ローラー753と接する位置まで、正面部材730aと略平行である。ローラー753と接する位置から、進路を変え、ローラー753とブレーキパッド756の間を通って、支持部材755と接する位置まで、背面部742の方へ続いている。支持部材755と接する位置から、徐々に進路を変え、背面部742に沿って続いている。
【0064】
初期状態では、磁気結合部材751は、側面部材737に、接しており、磁気結合部材751と結合部材646とは接している。モーター622が回転して、主ベルト692がローラー641及び621の周囲を回転すると、副ベルト735も追随する。
制御回路は、センサ627からの信号によりモーター622の回転数を計数し、ある回転数に達した時に、コイル760に電流の供給を開始する。
【0065】
コイル760に電流が流れると、鉄心762に力が働き、支持部材757は、軸部材758を支点として、シーソーのように回動する。支持部材757が回動すると、ブレーキパッド756は、ローラー753へと近づき、ローラー753とブレーキパッド756は、副ベルト735を挟み込む。副ベルト735の表面とブレーキパッド756の切断局面766との摩擦計数は十分大きいので、結合部材646と磁気結合部材751は離れ、主ベルト692のみがさらに回転する。
【0066】
例えば、モーター622を、合計40回転させ、そのうちの、30回転した時に、コイル760に電流の供給を開始したと想定する。このとき、結合部材646の移動距離は、40センチであり、主ベルト692の着色部分のうち40センチが正面蓋部730の外側に露出している。しかし、副ベルト735が、そのうちの30センチを覆っているため、外から見ると、図9のように、主ベルト692の10センチ分だけが見える状態になる。
【0067】
正面部材730aの表面には、目盛り734が印字されており、目盛り734と矩形開口部との間に、書込部材781を備えている。ここでは、書込部材781には、日付が記入されている。
また、ここでは、書込部材731の開口部737aと隣り合う位置には、「第1工程 予定」と表記されており、開口部737bと隣り合う位置には「実績」と記入されている。書込部材732及び書込部材733にもそれぞれ、「第2工程 予定 実績」、「第3工程 予定 実績」と記入されている。
【0068】
<日程表示装置15の機能的構成>
上述の通り、日程表示装置15は、その筺体内部にのベルト駆動機構を6台と、これらのベルト駆動機構を制御する制御回路とを備えている。制御回路は具体的には、プロセッサ、ROM、RAMなどを備えたコンピュータシステムである。RAM、ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記プロセッサが、前記プログラムに従って動作することで、日程表示装置15は、その機能の一部を達成する。
【0069】
図12は、日程表示装置15の機能的構成を示す機能ブロック図である。日程表示装置15は、入出力部701、制御部706、記憶部710、第1予定表示部711、第1実績表示部712、第2予定表示部713、第2実績表示部714、第3予定表示部715、第3実績表示部716から構成される。
以下に、各構成要素について説明する。
【0070】
(1)記憶部710
記憶部710は、RAM、ROMを含んで構成される。記憶領域721に、製品番号、記憶領域722に経過日数を記憶している。また、記憶領域724、725及び726に、ID、リードタイム、予定値、実績値、予定日数、開始予定日、終了予定日、終了フラグを記憶している。
【0071】
記憶領域724、725及び726は、それぞれ、第1〜第3工程の最後の機械の進捗状況を監視及び表示している進捗表示装置と、1対1に対応している。また、記憶領域724は、第1予定表示部711及び第1実績表示部712と対応しており、記憶領域725は、第2予定表示部713及び第2実績表示部714と対応しており、記憶領域726は、第3予定表示部715及び第3実績表示部716と対応している。
【0072】
記憶領域721に記憶されている製品番号「1150A」は、現在、生産の対象となっている最終製品と一意に対応する識別番号である。これは、管理端末装置10の記憶部310の記憶領域320に記憶されている製品番号と同一である。
記憶領域722に記憶されている経過日数「22」は、工場で、製品番号「1150A」の示す製品の生産を開始してからの経過日数である。
【0073】
IDは、各記憶領域と対応する進捗表示装置の識別子である。リードタイムは、対応する工程において、1個の製品の生産に要すると予測される時間であり、単位は「分」である。予定値及び実績値は、IDの示す進捗表示装置と対応する機械の予定値及び実績値である。
予定日数は、その工程が終了するまでに要すると予測される日数であり、予定値とリードタイムとから算出される。
【0074】
開始予定日は、各工程の開始される予定の日である。終了予定日は、その工程で、予定数の製品を生産し終える予定の日である。開始予定日及び終了予定日の基準は、第1工程の生産を開始した日である。終了フラグは、各工程の稼動状況を示しており、終了フラグ「0」は、未だその工程での生産が開始されていないことを示しており、「1」は、その工程で生産中であることを示しており、「2」は、その工程での生産が、既に終了していることを示している。
【0075】
(2)入出力部701
入出力部701は、LAN70に接続可能なインターフェースを含んでおり、予め、ネットワーク上での日程表示装置15自身の位置を示すアドレスと、管理端末装置10の位置を示すアドレスを記憶している。入出力部701は、LAN70を介して、管理端末装置10と制御部706との間で各種の情報の送受信を行う。
(3)第1予定表示部711、第1実績表示部712、第2予定表示部713、第2実績表示部714、第3予定表示部715及び第3実績表示部716
第1予定表示部711、第2予定表示部713及び第3予定表示部715は、それぞれ、第1、第2、第3工程の予定日程を表示する。
【0076】
第1実績表示部712、第2実績表示部714及び第3実績表示部716は、それぞれ、第1、第2、第3工程の実際日程を表示する。
日程表示装置15の備える6個のベルト駆動機構が、それぞれ、第1予定表示部711、第1実績表示部712、第2予定表示部713、第2実績表示部714、第3予定表示部715及び第3実績表示部716の機能を担っており、制御部706の制御により、モーターとブレーキ機構を動作させ主ベルトの着色部分のうちの正面蓋部730外の露出部分の長さ、副ベルトの露出部分の長さを調整する。
【0077】
第1予定表示部711は、図9に示す開口部737aと736aとを通って、正面蓋部730の外に露出している主ベルト743を含むベルト駆動機構がその機能を担っており、当該ベルト駆動機構の備える磁気結合部材の位置が、第1工程の開始予定日、結合部材が第1工程の終了予定日、外部から見える主ベルトの着色部分の長さ(つまり磁気結合部材から結合部材までの長さ)が、第1工程の予定日程を示している。
【0078】
第1実績表示部712は、図9に示す開口部737bと736bとを通って、正面蓋部730の外に露出している主ベルト744を含むベルト駆動機構がその機能を担っており、当該ベルト駆動機構の備える磁気結合部材の位置が、第1工程の開始日、結合部材が第1工程の終了日、外部から見える主ベルトの着色部分の長さが、第1工程の実績日程を示している。
【0079】
同様に、第2予定表示部713は、開口部737cと736cとを通って、正面蓋部730の外に露出している主ベルト745を含むベルト駆動機構がその機能を担い、第2工程の開始予定日、終了予定日、予定日程を示す。
第2実績表示部714は、開口部737dと736dとを通って、正面蓋部730の外に露出している主ベルト746を含むベルト駆動機構がその機能を担い、第2工程の開始日、終了日、実績日程を示す。
【0080】
同様に、第3予定表示部715は、開口部737eと736eとを通って、正面蓋部730の外に露出している主ベルト692を含むベルト駆動機構がその機能を担い、第3工程の開始予定日、終了予定日、予定日程を示す。
第3実績表示部716は、開口部737fと736fとを通って、正面蓋部730の外に露出している主ベルト748を含むベルト駆動機構がその機能を担い、第3工程の開始日、終了日、実績日程を示す。
【0081】
なお、この実施の形態では、1日を、モーター622の1回転と換算して日程を表示する。つまり、1日が、正面蓋部620の長手方向1センチに相当する。
(5)制御部706
制御部706は、入出力部701を介して、管理端末装置10から設定指示と、各工程の最後の機械と対応する進捗表示装置のIDと各進捗表示装置の予定値と各工程のリードタイムとを、工程ごとに受け取る。
【0082】
また、入出力部701を介して、定期的に工程の最後の機械と対応する進捗表示装置から、その装置を示すIDと実績値を受信する。
(3−1)初期設定
管理端末装置10から設定指示を受信すると、受信した第1工程の最後の機械と対応する進捗表示装置を示すID、リードタイム、予定値を記憶領域724の領域724a、724b、724cに書き込む。第2工程及び第3工程についても、同様に、受信したIDとリードタイムと予定値とを、それぞれ、記憶領域725、726の該当する領域に書き込む。
【0083】
続いて、記憶領域724、725、726の記憶している実績値を「0」に初期化する。
次に、記憶領域724から予定値とリードタイムとを読み出し、読み出したリードタイムと予定値から予定日数を算出する。算出した予定日数を記憶領域724の領域724eに書き込む。記憶領域725及び726についても同様に、予定日数の算出及び書き込みを行う。
【0084】
次に、記憶領域724の領域724fの開始予定日を「0」に初期化する。次に、領域724fから開始予定日を読み出し、領域724えから予定日数を読み出し、終了予定日=開始予定日+予定日数を算出し、算出した終了予定日を領域724gに書き込む。
続いて、記憶領域724の領域724fから終了予定日を読み出し、読み出した終了予定日を、開始予定日として、記憶領域725の領域725fに書き込む。次に、記憶領域725から、開始予定日と予定日数とを読み出し、終了予定日を算出し、算出した終了予定日を領域725gに書き込む。
【0085】
同様に、記憶領域725に記憶されている終了日を、開始日として記憶領域726に書き込み、続いて、終了日の算出及び書込を行う。
次に、各記憶領域の記憶している終了フラグを「0」に初期化する。
次に、記憶領域724から開始予定日及び終了予定日を読み出す。第1予定表示部711に第1工程の、開始予定日、終了予定日及び予定日程を表示させる。続いて、第2、第3工程についても同様に、第2予定表示部713及び第3予定表示部715に、第2工程第3工程の予定日程を表示させる。
【0086】
(3−2)実績値の更新
生産が開始されると、制御部706は、記憶部710の記憶領域722に記憶されている経過日数を「0」に初期化する。また、時間の経過の計測を開始する。
制御部706は、入出力部701を介して、各工程の最後の機械と対応する進捗表示装置からIDと実績とを受信する。受信したIDをもとに、記憶領域を特定し、特定した記憶領域に記憶されている実績値を受信した実績値により更新する。
【0087】
(3−3)表示の更新
第1工程で生産が開始されると、時間の経過を計測を開始し、24時間ごとに、第1実績表示部712、第2実績表示部714、第3実績表示部716の表示を更新する。以下に、具体的に説明する。
先ず、制御部706は、記憶領域722に記憶されている経過日数に1加算する。記憶領域724、725及び726のうち、記憶している終了フラグが「1」である記憶領域を選択する。ここでは、記憶領域725に記憶されている終了フラグが「1」である場合について説明する。
【0088】
制御部706は、第2実績表示部714の実績日数を1日伸ばす。次に、記憶領域725に記憶されている実績値と予定値とを比較する。予定値が実績数より大きい場合、表示の更新の処理を終了し、さらに、24時間経過するまで待機する。
実績値が予定値以上の場合、制御部706は、記憶領域725に記憶されている終了フラグを「2」に書き換え、記憶領域726に記憶されている終了フラグを「1」に書き換える。
【0089】
次に、制御部706は、記憶領域722から経過日数を読み出し、第3実績表示部716の表示する第3工程の開始日を、読み出した経過日数にする。つまり、第3実績表示部716の磁気結合部材と結合部材とを、読み出した経過日数分移動させる。
1.5 連絡ボックス40
連絡ボックス40は、図1に示すように、機械A及びLAN70と接続されている。連絡ボックス40は、ランプ421、422、423及びボタン426、427、428を備えている。各ボタン及びランプは、それぞれ、図1に示すように、文字列と対応している。例えば、ランプ421は、「全員集合」という文字列と対応している。作業者により何れかのボタンが押下されると、連絡ボックス40は、押下されたボタンに対応した情報を含む電子メールを生成し、生成した電子メールを情報共有ボード53、外部端末58、59などに送信し、機械A20で発生したトラブルを通知する。
【0090】
また、LAN70を介して、外部の機器から各種のコマンド含む電子メールを受け取り、受け取ったコマンドに応じてランプを点灯させることで、工場外の人、例えば事務所内の責任者などからの指示を作業者に通知する。
このようにすることで、機械A20の作業者と、工場外にいる人との間で、簡単かつ迅速に情報交換を行う装置である。
【0091】
図13は、連絡ボックス40の構成を示す機能ブロック図である。連絡ボックス40は、通信部401、制御部407、メモリ410及び入出力部411から構成される。制御部407は、メール作成部404とメール解読部406とを含む。
連絡ボックス40は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等を備えるコンピュータシステムを含んで構成される。RAM、ROMには、コンピュータプログラムが記憶されており、マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、連絡ボックス40は、その機能を達成する。
【0092】
以下に、連絡ボックスの各構成要素について説明する。
(1)通信部401
通信部401は、ネットワーク接続インターフェースを含んで構成され、予め、連絡ボックス40のネットワーク上のアドレス及びサーバ装置50のアドレスを記憶している。
通信部401は、制御部407とLAN70に接続された機器との間で各種の情報の送受信を行う。
【0093】
また、通信部401は、定期的にサーバ装置50に対して、巡回メールを送信し、連絡ボックス40宛ての電子メールを問合せる。新着の電子メールがあれば、サーバ装置50から電子メールを取得し、取得した電子メールを、制御部407へ出力する。
(2)メモリ410
メモリ410は、ROM及びRAMを含んで構成される。
【0094】
メモリ410は、ボタン426〜428それぞれに対応するメール情報を記憶している。各メール情報は、あて先電子メールアドレス、メール本文、添付ファイルなどを含んでいる。また、機械A20からの入力信号に対応するメール情報を記憶している。
一例として、ボタン426に対応するメール情報は、情報共有ボード53の電子メールアドレス、本文として「油切れ発生」の文字列、添付ファイルとして機械A20の画像データを含んでいる。
【0095】
(3)制御部407
制御部407は、メール作成部404とメール解読部406とを含んで構成される。
(3−1)メール作成部404
メール作成部404は、入出力部411を介して、ボタンの押下を示す入力信号を検出する。また、入出力部411を介して、機械A20から、油切れを示す入力信号を受け取る。
【0096】
入力信号を検出すると、検出した入力信号に応じたメール情報をメモリ410から読み出し、読み出したメール情報を基に電子メールを作成し、作成した電子メールを、通信部401を介してサーバ装置50へ送信する。
(3−2)メール解読部406
メール解読部406は、通信部401から受け取る電子メールに含まれるメール本文を解読して、出力信号を生成し、生成した出力信号を該当するランプ、又は、機械A20へ出力する。
【0097】
出力信号は、例えば、ランプ421〜423の点灯させる指示、機械A20のリセットの指示を含む。
(4)入出力部411
入出力部411は、入力信号線を介してボタン426、427及び428と接続されている。入出力部411は、各ボタンから入力信号を受け取ると、受け取った入力信号を制御部407へ出力する。
【0098】
また、入出力部411は、出力信号線を介してランプ421、422及び106と接続されており、制御部407から各ランプの点灯を指示する出力信号を受け取ると、該当するランプと接続された出力信号線へ信号を出力する。
また、入出力部411は、ケーブルを介して機械A20と接続されており、制御部407と機械A20との間で信号の入出力を行う。
1.6 機械A20
機械A20は、工場内に設置されており、所定の製品を製造するための装置である。機械A20は、ケーブルにより進捗表示装置60及び連絡ボックス40と接続されており、連絡ボックス40及び進捗表示装置30との間で信号を入出力する。
【0099】
機械A20は、電源がONになると、生産開始を示すスタート信号を進捗表示装置へ出力する。また、1個の製品を完成させるたびに、カウントアップ信号を、進捗表示装置30へ出力する。
さらに、機械A20は、内部にリセット回路を備えており、連絡ボックス40からリセットを指示されると、前記リセット回路は、機械A20の電源を一旦OFFにし、再起動する。
1.7 サーバ装置50
サーバ装置50は、メールサーバとしての機能を備えており、連絡ボックス40、情報共有ボード53及び、外部端末58、59から送信された電子メールの配信を行う。
【0100】
また、サーバ装置50は、Webサーバとしての機能を備えており、Web公開するためのHTMLデータを作成する。
図14は、サーバ装置50の構成を機能的に示した機能ブロック図である。図14に示すように、サーバ装置50は、通信部481、制御部487、情報記憶部490、トレース部488、メールサーバ部482、メールファイリング部483、Webサーバ部484及び表示生成部489から構成される。サーバ装置50は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ネットワーク接続ユニット等を備えるコンピュータシステムである。
【0101】
以下に各構成要素について説明する。
(1)通信部481
通信部481は、LAN接続インターフェースを含んで構成され、制御部487と、LAN70に接続された機器及びインターネット71に接続された機器との間で、各種の情報の送受信を行う。
【0102】
(2)情報記憶部490
情報記憶部490は、RAM、ROM、ハードディスクを含んで構成される。情報記憶部490は、複数の記憶領域491、492、493・・・494にそれぞれ、進捗表示装置60、61・・・と対応する情報を記憶している。
例えば、記憶領域491は、進捗表示装置60と対応しており、4つの領域491a、491b、491c及び491dから構成される。領域491aには、進捗表示装置60を示すID「0001」が記憶されており、領域491bには、進捗表示装置60と対応する機械A20の生産の予定数「240」が記憶されており、領域491cには、機械A20の現在の実績値「60」が記憶されており、領域491dには、機械A20の現在の計画値「61」が記憶されている。
【0103】
また、具体的には図示されていないが、情報記憶部490は、このほかにも、制御部487、表示生成部489によって用いられる各種の画像データ、テキストデータ、プログラムなどを記憶している。
(3)制御部487
制御部487は、通信部481を介して、電子メール及び巡回メールを受信し、受信した電子メールをメールサーバ部482及びメールファイリング部483へ出力する。
【0104】
また、制御部487は、通信部481を介して、各進捗表示装置から、ID、予定値、実績値及び計画値を受信する。これらの情報を受信すると、受信したIDにより、情報記憶部910内の何れかの記憶領域を特定し、特定した記憶領域の予定値、実績値及び計画値を受信した予定値、実績値及び計画値に更新する。
また、制御部487は、通信部481を介して、Web閲覧要求を受信すると、Webサーバ部484からWebページを読み出し、読み出したWebページを、通信部481を介して送信する。
【0105】
(4)トレース部488
トレース部488は、情報記憶部490の記憶領域491、492・・・494に格納されている数値が更新されると、更新のログを記録する。
(5)メールサーバ部482
メールサーバ部482は、通信部481及び制御部487を介して、イントラネット外の装置宛ての電子メールを、ルータ56及びインターネット71を介して、あて先アドレスの示す装置へ配信する。
【0106】
また、イントラネット内の各機器(連絡ボックス40、管理端末装置10及び情報共有ボード53)宛ての電子メールを受け取ると、あて先アドレスの示す装置と対応するメールボックスに、受け取った電子メールを格納する。
また、イントラネット内の装置から巡回メールを受信すると、その受信メールの送信元の装置と対応するメールボックスから新着の電子メールを読み出し、読み出した新着の電子メールを、前記巡回メールの送信元装置へ送信する。
【0107】
(6)メールファイリング部483
メールファイリング部483は、サーバ装置50が配送する全ての電子メールについて、送信元アドレス、宛先アドレス、件名、メール本文、添付ファイル等の項目毎に保存する。
(7)Webサーバ部484
Webサーバ部484は、表示生成部489から定期的に進捗表示データ(後述する)を受け取り、受け取った進捗表示データを基にHTMLで記述したWebページを作成する。Webサーバ部484は、作成したWebページを内部に蓄積する。
【0108】
(8)表示生成部489
表示生成部489は、定期的に情報記憶部490の記憶領域491、492、493・・・494に記憶されている情報を読み出し、読み出した情報を基に、進捗表示データを生成する。進捗表示データは、一例として、各記憶領域から読み出した、ID、予定値、実績値、計画値を、テーブル上に列記したものである。
【0109】
また、表示生成部489は、定期的に、30個の記憶領域491〜494のうち、9個の記憶領域から情報を読み出し、読み出した情報を、集中進捗表示盤51に表示させる。ここで、選択する9個の記憶領域は、予め、操作者により設定されている。また、時間の経過によって、選択する記憶領域を変更してもよい。
(9)集中進捗表示盤51
集中進捗表示盤51は、図2に示すように、9個の表示部81、82、83・・・89を備えている。各表示部は、4桁のセグメント表示を行う表示器を3個並べて構成されている。表示生成部489の制御により、各表示部は、ID、計画値及び実績値を表示する。
1.8 情報共有ボード53
情報共有ボード53は、工場から離れた事務所などに備えられている。図2に示すように、情報共有ボード53は、複数のランプ121〜125及び複数のボタン126〜130を備えている。情報共有ボード53の筺体表面には、各ランプ及びボタンと対応する文字列が記載されている。
【0110】
情報共有ボード53は、サーバ装置50を介して、工場内の各連絡ボックスから送信された電子メールを取得し、取得した電子メールの本文に含まれるメールコマンドに従って、ランプ121〜125の何れかを点灯させる。
また、操作者により、何れかのボタンが押下されると、押下されたボタンに応じて、連絡ボックスあての電子メールを生成し、送信する。
【0111】
情報共有ボード53の具体的構成は、連絡ボックス40と同様であるので、各構成要素についての説明は省略する。なお、情報共有ボード53の制御部は、ボタン128及び130が押下された場合、メールを送信すると同時に、リセットが指示された旨を示すリセット通知を対応する進捗表示装置へ送信する。
1.8 まとめ・効果
以上説明してきたように、進捗表示システム1を構成する進捗表示装置60のベルト駆動機構は、ローラー間に主ベルトを張設し、モーターによって、ローラーを回転させ、筺体外部から見える主ベルトの着色部分の長さを調整し、この着色部分の長さによって、予定値などの概要を表示する。
【0112】
また、日程表示装置15の備えるベルト駆動機構は、進捗表示装置60のベルト駆動機構と同様の構造に加え、副ベルト及びブレーキ機構を備える。モーターを回転させ、所定の回転数に達した時、コイルに電流を流し、ブレーキパッドとローラーとによって、副ベルトを挟扼する。さらに、モーターを回転させる続けることによって、筺体外部から見える主ベルトの着色部分の長さと位置を調節する。この着色部分の長さと位置によって、各工程の開始予定日、終了予定日、予定日程(又は開始日、終了日、実績日程)を表示する。
【0113】
このような簡易な機械的構造により、日程表示装置15の備えるベルト駆動機構は、2つの値(ここでは開始日と終了日)を一つの棒グラフにて表示できる。
2. 実施の形態2
以下に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて説明する。なお、実施の形態1と同様の箇所については、説明を省略し、実施の形態2の特徴部分を中心に説明する。
<概要>
実施の形態2にかかる進捗表示システムの構成は、実施の形態1の進捗表示システム1とほぼ同様であるので、図1及び図2を流用して説明する。実施の形態2の進捗表示システムは、管理端末装置10、アクセスポイント41、機械A20、機械B21・・・、日程表示装置15、連絡ボックス40、サーバ装置50、情報共有ボード53、ルータ56、インターネット71、外部端末58、59を含んで構成される。進捗表示システムは、進捗表示装置60、61・・・、に代わって、図15に示す進捗表示装置30と同一又は類似の装置をn(=30)個含んでいる。図15は、機械A20と対応する進捗表示装置30の外観を示している。また、機械B21と対応する進捗表示装置は、進捗表示装置30とほぼ同一であるが、アンテナを備えており、アクセスポイントを介して、無線通信することができる。
【0114】
進捗表示装置は、直線状に配置された12個のペースランプと、6個の表示体を備える。各表示体の表面には、対応する機械の製造する製品の写真の一部がはめ込まれている。全ての表示体を平面状に並べると、製品の全体像を見ることができる。各表示体の内部には、ランプが備えられている。
進捗表示装置は、有線又は無線でLAN70と接続されており、管理端末装置10から、各種のパラメータを設定される。進捗表示装置は、一定の時間間隔でペースランプを下から順に点灯することで、対応する機械の計画値を表示する。また、内部のランプを点灯している表示体の数によって、対応する機械の実績値を表示する。
<構成>
以下に、本実施の形態の進捗表示システムの各装置について説明する。
2.1 進捗表示装置30
実施の形態2の進捗表示システムは、30個の進捗表示装置を含んでおり、これらは、以下に説明する進捗表示装置30又は機械B21と対応する無線方式の進捗表示装置の何れかと同一である。
【0115】
進捗表示装置30は、LAN70に接続可能なインターフェースを備え、無線方式の進捗表示装置は、LAN規格のIEEE 802.11bに準拠した通信方式によって、アクセスポイントと情報の送受信を行うアンテナ及び無線通信インターフェースを備える点以外は、両者は同一である。
よって、ここでは、進捗表示装置30のみについて説明する。
【0116】
<進捗表示装置30の機械的構造>
図15は、進捗表示装置30の外観を示している。図16は、進捗表示部200を構成する表示体211aの構造を示す斜視図である。図17は、進捗表示部200の、一点鎖線X−X’における断面構造を示す断面図である。
図15に示すように、進捗表示装置30は、予定値表示部100と進捗表示部200とをアーム151及び152によって固定している。
【0117】
また、図示していないが、進捗表示部200の筺体内部には、予定値表示部100及び進捗表示部200を制御する制御回路が備えられている。アーム151内には、制御回路と予定値表示部100とを接続する信号線が内蔵されている。
(1)予定値表示部100
予定値表示部100の筺体は、4枚の矩形板状の側面部材と背面部材と、中央に矩形の開口部を設けられた矩形板状の正面部材とを直方体形状に接合されて形成される。
【0118】
筺体内部には、5桁のセグメント表示を行う表示器が、前記矩形の開口部と表示機器の表示面とが一致するように、固定されている。
(2)進捗表示部200
進捗表示部200の筺体は、表示体211a〜211fなどを覆う正面蓋部201と、矩形板状に形成された背面部202とが、正面蓋部201の底面において、ボルトにより締着されて、構成されている。
【0119】
正面蓋部201は、その中央部において矩形の開口部と一直線状に並ぶ12個の円形開口部とを設けられた矩形板状の正面部材201aと、4枚の矩形板状の側面部材201b〜201eと、が直方体形状に接合されて、形成される。
正面部材201aの長辺に沿って正面部材201aと直交する側面部材201b及び201dは、それぞれ、ボルトによって、アーム152及び151と締結されている。前記矩形開口部の長辺は、正面部材201aの外周長辺と平行であり、矩形開口部のうち、アーム151側の長辺に沿って、12個の円形開口部が等間隔に並んでいる。各円形開口部には、それぞれ、ペースランプ205a〜205lがはめ込まれており、各ペースランプは、それぞれ、制御回路に接続されている。
【0120】
進捗表示部200の正面蓋部201内には、6個の表示体211a〜211fが、正面部材201aの矩形開口部に平行に並ぶように備えられている。6個の表示体はそれぞれ、機械A20が、生産する製品の写真の一部を印刷した写真パネル備えており、図15に示すように、各表示体の備える6枚の写真を並べると、製品の全体像を見ることができる。
【0121】
図17に示すように、背面部202には、モーター221が固定されている。モーター221は、図示されていないが、信号線によって、制御回路と接続されており、制御回路によって、回転・停止を制御される。
モーター221の軸部223には、平歯車222が、モーター221の回転軸と平歯車222の回転軸とが一致するように、固定されている。
【0122】
円柱形の軸部材213a〜213fは、正面蓋部201の長手方向とおのおの中心軸とが直交し、かつ、6個の中心軸全てが同一平面状に並ぶように、それぞれの両端を側面部材201b及び201dに固定されている。軸部材213a〜213fは、それぞれ、表示体211a〜211fを回転自在に支持している。以下に、軸部材213aと表示体211aの構造について説明する。
【0123】
図16に示すように、表示体211aは、中央に矩形開口部を有する矩形板状の側面部材A、B、Cと、正三角形板状の底面部材D、Eとが正三角柱形状を形成するように接続された骨格部と、各側面部材に着脱可能な3枚の写真パネルから構成される。
底面部材Dには、ベアリング215を備え、平歯車222と同半径の平歯車212aが、骨格部の中心軸と平歯車212aの回転軸とが一致するように固定されている。また、底面部材Eには、ベアリング216aが、骨格部の中心軸とベアリングの回転軸とが一致するように固定されている。
【0124】
軸部材213aは、骨格部の中心軸と軸部材213aの中心軸とが一致するように、骨格部を構成する底面部材A、E、平歯車212aを貫通し、骨格部を回転自在に支持している。
軸部材213aの円柱局面のうち、底面部DとEとに挟まれる部分には、その一表面に6個のソケットを備えた立方体形状の支持部材216が、前記一表面と正面部材201aとが平行になるように、形成されている。各ソケットには電球214a、214b・・・が装着されている。各ソケットは、支持部材216及び軸部材213a内部を通るケーブルで、それぞれ、制御回路と接続されており、点灯・消灯を制御されている。
【0125】
側面部材Aは、2つの長辺に沿って、3個ずつ、計6個のコの字型のフック217a〜217fを備えている。写真パネル218Aは、側面部材Aよりも一回り小さい矩形板状であって、薄く弾力正のあるのプラスチック製パネルである。フック217a〜217fにより、側面部材Aに着脱自在に装着される。
側面部材B及びCも側面部材Aと同一の構造であり、側面部材B及びCに装着される写真パネル(以下、写真パネルB及び写真パネルCと呼ぶ)は、写真パネルAと同様の形体である。
【0126】
写真パネルA、B、Cには、おのおの、異なる製品A、製品B、製品Cの写真の一部が印刷されている。製品A、製品B、製品Cは、何れも、機械A20の製造する製品である。図15において、表示体211aの側面Aが、正面部材201aと略平行であり、正面部材201aの矩形開口部から露出した状態になっている。写真パネル218Aに写されている製品Aが、現在の、機械A20の生産対象となっている製品である。
【0127】
軸部材213b〜213f、表示体211b〜211fの構造は、軸部材213a、表示体211aと同一であるので、説明を省略する。
図17に示すように、各表示体の平歯車212a、212b・・・212fと平歯車222の周囲には、ベルト224が、たるみなくかけられている。
平歯車222と平歯車212a〜212fの溝の形状及び間隔は同一であり、ベルト224の内側の面(歯車と接する面)に形成されている凹凸と一致する。
【0128】
制御回路の制御により、モーター221が回転すると、ベルト224が回転し、各表示体を同一方向に同一の角度だけ回転させることができる。
製造時において、全ての表示体の側面部材Aが、正面部材201aと平行であり、正面部材201aの矩形開口部方向を向くように調整されている。
<進捗表示装置30の機能的構成>
進捗表示部200の筺体の内部には、予定値表示部100、モーター221、12個のペースランプ205a〜205l、6個の表示体の内部に備えられたランプを制御する制御回路が備えられている。制御回路は、具体的には、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクを含んで構成されるコンピュータシステムであって、RAM、ROM、ハードディスクには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが前記コンピュータプログラムに従って動作することによって、進捗表示装置30は、その機能の一部を達成する。
【0129】
図18は、進捗表示装置30の機能的な構成を示した機能ブロック図である。進捗表示装置30は、図18に示すように、入出力部101、信号受信部102、制御部107、予定値表示部100、進捗表示部200及び情報記憶部110から構成される。進捗表示部200は、実績表示部211と計画表示部205とを含む。
(1)情報記憶部110
情報記憶部110は、EPROM、ROMなどを含んで構成され、図18に示すように、予定値111、タクトタイム112、ランプ点灯基準値113、表示体点灯基準値114を記憶している。
【0130】
予定値111及びタクトタイム112は、実施の形態1の進捗表示装置の記憶している予定値611及びタクトタイム612と同様である。
ランプ点灯基準値113は、計画表示部205の備える複数のペースランプを点灯する基準であり、制御部107は、機械A20の計画値がランプ点灯基準値113の整数倍になる度に、ペースランプ205aから順に1個ずつ点灯する。
【0131】
表示体点灯基準値114は、各表示体を構成するランプを点灯するか否かを決定する基準値であり、制御部107は、機械A20の実績値が表示体点灯基準値114の整数倍になる毎に、表示体211aから順に1個の表示体のランプを点灯する。
(2)入出力部101
入出力部101は、LAN70に接続可能なインターフェースを含んでおり、予め、ネットワーク上での進捗表示装置30自身の位置を示すアドレスと、管理端末装置10の位置を示すアドレスと、サーバ装置50の位置を示すアドレスとを記憶している。入出力部101は、LAN70を介して、管理端末装置10及びサーバ装置50と制御部107との間で各種の情報の送受信を行う。さらに、機械A20が、何れかの工程の最後の機械であれば、日程表示装置15のネットワーク上の位置を示すアドレスを記憶しており、制御部107と日程表示装置15との間で情報の送受信を行う。
【0132】
(3)信号受信部102
信号受信部102は、機械A20と接続されており、機械A20からスタート信号又はカウントアップ信号を受信する。スタート信号又はカウントアップ信号を受信すると、受信したスタート信号又はカウントアップ信号を制御部107へ出力する。
(4)予定値表示部100、進捗表示部200
予定値表示部100は、制御部107の指示によって、機械A20の生産の予定値を、数値で表示する。
【0133】
進捗表示部200は、実績表示部211及び計画表示部205を含む。
上述した6個の表示体a、211b、211c・・・211f、モーター221、ベルト224などが実績表示部211の機能を担い、機械A20の、予定値に対する実績値を、ランプを点灯している表示体の個数で、表現する。
計画表示部205は、進捗表示部200を構成する12個のペースランプ205a〜205lがその機能を担い、機械A20の、予定値に対する計画値を、点灯しているペースランプの数で表現する。
【0134】
(5)制御部107
制御部107は、実施の形態1の進捗表示装置60の制御部607と同様に、実績カウンタN、計画カウンタK、タイムカウンタTを備えている。また、進捗表示装置30自身を一意に示すID106を予め記憶している。
制御部107は、入出力部101を介して管理端末装置10から、設定指示と予定値とランプ点灯基準値と表示体点灯基準値と表示面番号とを受信する。表示面番号は、各表示体の写真パネルをはめ込んだ3つの側面のうち、いずれの側面を正面蓋部201の正面部材201a方向に向けるかを示している。表示面番号「0」は、初期状態で正面に向いている側面(表示体211aを例にすると、側面A)を示しており、表示面番号「1」は、初期状態から、図17に示す方向から見てモーター221を時計回りに120度回転させた時に正面になる面(表示体211aを例にすると、側面B)を示しており、表示面番号「2」は、初期状態から、図17に示す方向から見てモーター221を時計回りに240度回転させた時に正面になる面(表示体211aを例にすると、側面C)を示している。
【0135】
また、信号受信部102を介して、機械A20から製造の開始を通知するスタート信号を受信する。
また、入出力部101を介して情報共有ボード53から、リセット通知を受信する場合がある。
設定指示を受信した場合、制御部107は、設定指示と供に受信した表示面番号と対応する側面を、正面蓋部201の正面部材201a方向に向けさせる。つまり、表示面番号が「0」であれば、何もせず、進捗表示部200に製品Aの写真を表示させた状態にしておく。表示面番号が「1」であれば、モーター221を120度回転させ、製品Bの写真を表示させる。表示面番号が「2」であれば、モーター221を240度回転させ、進捗表示部200に製品Cの写真を表示させる。なお、回転角度の制御は、任意の方法で実現可能であるが、一例として、実施の形態1の進捗表示装置60と同様にスリットの入った円盤状の回転体とセンサによって、回転各を監視する方法が考えられる。
【0136】
次に、受信した予定値、タクトタイム、ランプ点灯基準値及び表示体点灯基準値を、情報記憶部110に書き込む。
機械A20からスタート信号を受信すると、制御部107は、情報記憶部110から予定値111を読み出し、読み出した予定値111を、予定値表示部100に表示させる。ただし、情報共有ボード53からリセット通知を受信した場合、その直後のスタート信号は無視する。
【0137】
機械A20の生産中において、制御部107は、以下の3つの処理を並行して実行する。
(5−1)実績表示部211の制御
機械A20の生産中において、制御部107は、機械A20からカウントアップ信号を受信する。制御部107は、カウントアップ信号を受信するたびに、実績カウンタNに1を加算して、実績値を計数する。
【0138】
実績カウンタNが、表示体点灯基準値114の整数倍になる度に、制御部107は、表示体211aから表示体211fの順に、1個ずつ、実績表示部211の表示体の内部の電球を点灯していく。
(5−2)計画表示部205の制御
スタート信号を受け取ると、制御部107は、タイムカウンタTを用いて、時間の経過を計測する。タクトタイム「3」分経過する毎に、計画カウンタに1加算して、計画値を計数する。計数した計画値がランプ点灯基準値の整数倍になる度に、ペースランプ205aからペースランプ205lの順に、1個ずつ、計画表示部205を構成するペースランプを点灯していく。
【0139】
(5−3)進捗状況の通知
制御部107は、定期的に、自身の保持しているID106と、実績カウンタNにより計数している実績値と、計画カウンタKにより計数している計画値とを、入出力部101を介して、管理端末装置10へ送信し、ID106と、情報記憶部110に記憶されている予定値111と、実績値と、計画値とを、入出力部101を介してサーバ装置50へ送信する。
【0140】
機械A20が、何れかの工程の最後の機械であれば、さらに、日程表示装置15へ、ID106と実績値と計画値とを送信する。
2.2 管理端末装置10
管理端末装置の構成及び動作は、実施の形態1と同一であるが、本実施の形態では、管理端末装置10の制御部307は、設定開始指示を受け取ると、各機械と対応する基準個数及び変動単位に代わって、表示面番号と各機械と対応するランプ点灯基準値と表示体点灯基準値の入力を受け付ける。また、設定指示と合わせて、受け付けた表示面番号を各進捗表示装置へ送信する。
2.3 まとめ・効果
以上、説明してきたように、本実施の形態では、進捗表示装置30は、6個の表示体を備え、ランプを点灯している表示体の数によって実績値を表示する。また、12個のペースランプを備え、点灯しているペースランプの数によって、計画値を表示する。
【0141】
このような構成により、予定値に対して、その時点での実際の達成度と、実際の生産ペースが予定されているペースよりも早いのか遅いのかを、視覚的に表現することができる。
また、数値ではなく、点灯してる表示体の数や、点灯しているペースランプの数によって、実績値などの概要を示すので、最終的な納期に影響の出ない程度のわずかな生産の遅れは、この表示からは、分からない。したがって、わずかな数字の差によって生じる作業者の精神的ストレスを軽減することができる。
3. その他の変形例
以上、本発明を上記の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0142】
(1)実施の形態1の進捗表示装置60及び日程表示装置15のベルト駆動機構は、無端帯状の主ベルトを含む構成であったが、これに限るものではない。
図19は、その一例を示している。ここでは、主ベルトとローラーの構造のみを示し、モーターや歯車などベルト駆動機構の駆動部分を担う構成は省略している。図19に示すベルト駆動機構は、無端帯状の主ベルトに代えて、その両端がローラー641A、621Aに固着されている帯状の主ベルト692Aを備えている。
【0143】
ローラー641Aは、図示していないばねにより、図面上左回りに負荷がかかっている。モーターの動力によってローラー621Aを図面上右回りに回転させ、主ベルト692Aを移動させる。
(2)また、日程表示装置15において、副ベルト735の筺体内部の一端は、開放された状態になっているが、ローラー647Aと同様に弱いばねを備えたローラーによって、副ベルト735を巻き取る構造であってもよい。
【0144】
(3)さらに、実施の形態1の日程表示装置15では、磁気を帯びた磁気結合部材751と鉄を含んだ結合部材646とが、磁力で接着することで、主ベルト692と副ベルト735とを結合しているが、これに限るものではない。
一例として、主ベルトが磁気を帯びた素材で形成されており、副ベルトが鉄を含んだ素材で形成されていてもよい。
【0145】
(4)実施の形態1の日程表示装置15のベルト駆動機構は、1組の副ベルトとブレーキ機構を備えているが、複数組備えているとしてもよい。
図20は、その一例を示している。図20に示すように、本変形例のベルト駆動機構は、3つのブレーキ機構771A、771B及び771Cを備える。各ブレーキ機構は、実施の形態2のブレーキ機構同一の構造である。
【0146】
ブレーキ機構771Aは、実施の形態1において説明したブレーキ機構771と同じく、軸受631よりも側面部材730b側に設置されている。
ブレーキ機構771Bは、ブレーキ機構771Aよりも側面部材730bよりに設置されており、ブレーキ機構771Cは、ブレーキ機構771Bよりも側面部材730b側に設置されている。
【0147】
副ベルト735aは、主ベルト692の着色部分の一部を覆っており、開口部737eを通過してその一端を、正面蓋部の外部に露出している。副ベルト735aは、ブレーキ機構771Aを構成するローラー753aとブレーキパッド756aの間を通過して、背面部742方向へと続いている。副ベルト735bは、副ベルト735bの一部を覆っており、開口部737eを通過してその一端を、正面蓋部の外部に露出している。副ベルト735bは、ブレーキ機構771Bを構成するローラー753bとブレーキパッド756bの間を通過して、背面部742方向へと続いている。副ベルト735cは、副ベルト735bの一部を覆っており、開口部737eを通過してその一端を、正面蓋部の外部に露出している。副ベルト735cは、ブレーキ機構771Cを構成するローラー753cとブレーキパッド756cの間を通過して、背面部742方向へと続いている。
【0148】
副ベルト735a、735b、735c及び主ベルト692の着色部分は、互いに異なる表面色を有する。また、副ベルト735a、735b及び735cは、正面蓋部の外部に露出している一端に、それぞれ、結合部材751a、751b、及び751cが固着されている。結合部材751a、751b、及び751cは、鉄を含んでおり、主ベルト692に固着されている磁気結合部材646Bは、磁石から形成されている。
【0149】
制御部は、モーターの駆動を開始させた後、モーターの回転角度に応じて、コイル760c、コイル760b、コイル760aの順に電流を流し、所定の回転角度に達すると、モーターを停止させる。このように動作させると、結合部材751c、751b、751a及び磁気結合部材646Bがそれぞれ異なる4つの値を示す棒グラフに見える。従って、簡単な機械的構造を複数設けることによって、4個の異なる値を、1軸上に表示することができる。
【0150】
(5) 実施の形態1の進捗表示装置60及び日程表示装置15を構成するベルト駆動機構640は、モーター622の軸部分623と接続された回転体626と、回転体626をはさんで設置されたセンサ627によって、モーター622の回転数を監視していたが、これに変わって、主ベルト692を支持するローラー641及び647の回転数を監視する構造であってもよい。
【0151】
(6) 上記の実施の形態1及び2では、管理端末装置10が入力画面を表示して、操作者による予定値、タクトタイムなどのパラメータの入力を受け付け、各進捗表示装置へ送信している。
しかし、これに代わって、リモコンなどによって、各進捗表示装置に直接入力してもよい。この場合、進捗表示装置は、赤外線通信部を備え、リモコンから予定値などを受信する。また、生産が開始されるときに、管理端末装置10へ、IDと予定値とを送信する。
【0152】
(7) また、利用者は、予定値とタクトタイムのみを入力し、入力された予定値を基に管理端末装置が、基準個数、変動単位を算出してもよい。
また、管理端末装置は、各進捗表示装置に予定値とタクトタイムのみを送信し、各種パラメータの算出を、それぞれの、進捗表示装置が行ってもよい。
(8)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、視覚的に数値を表示する機器を製造・販売する産業、及び、前記機器を使用して、視覚的に様々な数値を表示する産業において、経営的に、継続・反復的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】進捗表示システム1の構成を示す構成図である。
【図2】進捗表示システム1の構成を示す構成図である。
【図3】進捗表示装置60の外観を示す斜視図である。
【図4】図3のA1−A1’断面を示す。
【図5】図4のX1−X1’断面を示す。
【図6】回転体626及びセンサ627を示す斜視図である。
【図7】進捗表示装置60の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図8】管理端末装置10の構成を示す機能ブロック図である。
【図9】日程表示装置15の外観を示す斜視図である。
【図10】図9のX2−X2’断面を示す断面図である。
【図11】ブレーキ機構の構造を示す斜視図である。
【図12】日程表示装置15の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図13】連絡ボックス40の構成を示す機能ブロック図である。
【図14】サーバ装置50の構成を示す機能ブロック図である。
【図15】進捗表示装置30の外観を示す斜視図である。
【図16】表示体211aの構造を示す斜視図である
【図17】図15のX−X’断面を示す断面図である。
【図18】進捗表示装置30の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図19】変形例(1)のベルト駆動機構を示す断面図である。
【図20】変形例(4)のベルト駆動機構を示す断面図である。
【符号の説明】
【0155】
10 管理端末装置
15 日程表示装置
30 進捗表示装置
40 連絡ボックス
50 サーバ装置
51 集中進捗表示盤
53 情報共有ボード
60 進捗表示装置
200 進捗表示部
201 正面蓋部
692 主ベルト
730 正面蓋部
735 副ベルト
740 ベルト駆動機構
751 磁気結合部材
753 ローラー
756 ブレーキパッド
760 コイル
762 鉄心
771 ブレーキ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一軸上において2個の値をそれらの値に応じた長さにより表現する棒グラフ表示装置であって、
主ベルトが、当該主ベルトの長手一方向に回転する2個の回転部材により、前記方向に移動自在に張設され、前記主ベルトのその一部分は、他の部分とは異なる表面色を有し、表面色変更点において、第1結合部材を固着され、
前記方向において、前記一部分を覆う副ベルトは、当該一部分とは異なる表面色を有し、その一端に、前記第1結合部材との間に所定の結合力を有する第2結合部材を固着され、
2個の停止部材が前記副ベルト面の両側に対向して挟扼自在に設けられ、当該停止部材が前記副ベルトを挟扼した場合に、前記副ベルトは固定され、
前記副ベルトの先端が前記2個の値のうちの1個の値を示し、前記表面色変更点が他の1個の値を示す
ことを特徴とする棒グラフ表示装置。
【請求項2】
前記棒グラフ表示装置は、さらに、
前記回転部材を回転させる駆動手段と、
前記回転部材の回転角を検出する角度検出手段と、
前記2個の停止部材に前記副ベルトを挟扼させる副ベルト制御手段と、
前記回転部材の回転角が、前記回転部材の回転角が、前記2個の値のうちの1個に応じた回転角に達すると、前記副ベルト制御手段に、前記挟扼を指示し、前記2個の値のうちの他の1個に応じた回転角に達すると、前記駆動手段を停止させる制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の棒グラフ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−164088(P2007−164088A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363841(P2005−363841)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(592127965)NKE株式会社 (28)
【Fターム(参考)】