説明

無菌環境型摩耗試験装置

【課題】 医療用インプラント材等の摩耗試験を生体内と同じ無菌環境下で行えるようにした。
【解決手段】 無菌環境下で潤滑液に浸漬した状態で二つの滅菌した試験検体を押圧して摺動させ、両試験検体の摩耗特性及び状況を評価する無菌環境型摩耗試験装置において、一方の試験検体を収容するカップと他方の試験検体を取り付けるヘッドとを対向する下方位置と上方位置とに設置するとともに、ヘッドとカップとの間を密封して覆うフレキシブルなカバーをヘッドとカップとに渡し架ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩耗試験を無菌環境下で行える摩耗試験装置であり、好適には、人工関節等に用いられる素材、例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の摩耗試験を無菌環境下で行える無菌環境型摩耗試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人工関節は、摺動相性のよいチタン合金やコバルト−クロム−モリブデン合金からなる金属とUHMWPEとの組合せが多く用いられている。この場合、関節運動によって主にUHMWPEが摩耗し、その摩耗粉をマクロファージが貪食してサイトカインなるタンパク質を産出し、サイトカインが破骨細胞を刺激して骨の溶解を招くといわれている。人工関節を装着する骨が溶解すると、人工関節の緩み、所謂、ルーズニングが発生し、再手術等が必要になる。
【0003】
この場合、UHMWPEの摩耗現象を検証するためには、UHMWPEを生体内と同じ環境、すなわち、無菌環境下で摩耗試験を行ってみる必要がある。また、UHMWPEの摩耗をより招き易い酸化を防止するためにビタミンE等を添加することが行われているが、その添加量を検証するためにも同様な試験が必要になる。さらに、別の添加物を探索する場合も同様である。
【0004】
この種の摩耗試験装置として下記特許文献1に示されるものがある。これは、ピン状試験検体(金属又はUHMWPE)とプレート状試験検体(UHMWPE又は金属)を体液に相当する潤滑液に浸漬して一定に押圧した状態で相互に摺動させてその摩耗物を検出するものである。ところが、この先行技術のものは、両試験検体及び摺動部が空気に曝されていることから、空気中の雑菌によって潤滑液が腐敗に基づく変性を起こし、試験中、潤滑液の性質・性状を一定に保てない。さらに、潤滑液の変性は温度によって起こることもある。
【0005】
このような潤滑液が変性した下での試験では、摩耗物の形態や量が変わることがあり、この結果、適正な成果が得られない。このため、潤滑液を絶えず監視している必要があり、変性が認められたら直ちに交換する等しなければならなかった。したがって、試験を常に監視下で行う必要があるとともに、潤滑液の交換等の操作に多大な手間と時間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−51838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような課題を解決するものであり、摩耗試験を生体内と同じ無菌環境下で行えるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題の下、本発明は、請求項1に記載した、無菌環境下で潤滑液に浸漬した状態で二つの滅菌した試験検体を押圧して摺動させ、両試験検体の摩耗特性及び状況を評価する無菌環境型摩耗試験装置において、一方の試験検体を収容するカップと他方の試験検体を取り付けるヘッドとを対向する下方位置と上方位置とに設置するとともに、ヘッドとカップとの間を密封して覆うフレキシブルなカバーをヘッドとカップとに渡し架けたことを特徴とする無菌環境型摩耗試験装置を提供したものである。
【0009】
また、本発明は、以上の無菌環境型摩耗試験装置において、請求項2に記載した、ヘッドが上下動できてその重量が任意に変更できるものであり、両試験検体の押圧力が調整できるものである手段、請求項3に記載した、ヘッドに取り付ける試験検体とカップに収容する試験検体が医療用インプラントである手段、請求項4に記載した、ヘッドに取り付ける試験検体とカップに収容する試験検体が生体組織又は再生された生体組織である手段、請求項5に記載した、ヘッドに取り付ける試験検体とカップに収容する試験検体が医療用インプラント並びに生体組織又は再生された生体組織の組合せである手段を提供する。
【0010】
さらに、請求項6に記載した、ヘッドとカップとをそれぞれのベースに対して前後にスライド可能にするとともに、ヘッドとカップとをハンドルで連結し、ハンドルを操作することでカバーを取り付けたままでヘッドとカップとを一体にしてそれぞれのベースから取外し可能にするカートリッジ式とした手段、請求項7に記載した、ヘッドとカップの組をそれぞれのベースに対して複数設けた手段、請求項8に記載した、カップにニップルを取り付け、ニップルに摩耗物や潤滑液といったカップの貯留物を採取できるチャンネルを密封して取り付けた手段を提供する。
【0011】
加えて、請求項9に記載した、ニップルの高さ及び角度を変えてカップに複数取り付け、貯留物を採取できるレベルを任意に選択できるようにした手段、請求項10に記載した、ヘッドが流体シリンダで上下動できるようにしてあり、流体シリンダの制御によってヘッドが自由に又は任意の速度で落下できるようにしてある手段、請求項11に記載した、上記いずれかの無菌環境型摩耗試験装置を空調機器が取り付けられて温度調整が可能な恒温ボックス内に収容した手段を提供する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によると、摩耗試験を無菌環境下で行うものであるから、両試験検体や潤滑液はもちろんのこと、これらを取り付けるヘッド、カップ及びカバーも当然ながら滅菌処理されて無菌環境下にあることになり、この無菌環境は試験中もその状態が保たれることになる。したがって、潤滑液の変性等も起こらず、生体内と同じ環境で試験を行えるとともに、絶えず監視している必要もない。
【0013】
請求項2の手段によれば、両試験検体の押圧力を変更できるし、請求項3〜5の手段によれば、人工関節に用いられる材料や生体組織同士或いは人工関節に用いられる材料や生体組織等を組み合わせた際の摩耗試験を生体内と同じ環境で検証できる。請求項6の手段によれば、無菌環境下でのカートリッジの組立も分解が可能になるとともに、請求項7の手段によれば、多くの試験を同時にできる。請求項8の手段によれば、摩耗物や潤滑液といったカップ内の貯留物の採取の操作が容易であり、かつ、試験中に貯留物を汚染されることなく採取でき、請求項9の手段によれば、異なるレベルにある貯留物を採取できる。請求項10の手段によれば、衝撃試験も可能になる。請求項11の手段によれば、温度の設定を適正にすることで生体内に模した温度環境にできるし、かつ、潤滑液の温度も一定に保て、潤滑液中に含まれるタンパク質成分の温度による変性を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る試験装置の要部の正面図である。
【図2】本発明に係る試験装置の要部の側面図である。
【図3】本発明に係る試験装置の他の例の要部の側面図である。
【図4】本発明に係る試験装置の他の例の要部の側面図である。
【図5】本発明に係る試験装置の他の例の要部の一部正面図である。
【図6】本発明に係る試験装置の要部の断面平面図である。
【図7】本発明に係る試験装置の正面図である。
【図8】本発明に係る試験装置の側面図である。
【図9】本発明に係る試験装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明に係る試験装置(以下、装置)は、図1〜図2に示すように、装置が収納されるボックス1を有しており、ボックス1の基部2に下部テーブル3を前後(X軸)方向に移動可能に載置し、下部テーブル3に上部テーブル4を左右(Y軸)方向に移動可能に載置している。なお、これら下部テーブル3及び上部テーブル4のX軸及びY軸方向の移動は、サーボモータ5、6によるボールスクリュー・ナット機構7、8によるのが制御が容易であって好ましい。そして、上部テーブル4にベース9を載置し、ベース9の上面にはカップ10を固定している。本例では、三個のカップ10を設けているが、これに限定されるものではない。
【0016】
なお、この場合のカップ10は、ステンレス等の耐蝕性の素材や耐蝕処理が施された金属及び硬質樹脂等で構成される。後者の場合、透明なものにしておけば、試験の状態を透視できる利点がある。カップ10の対向する上方には上下(Z軸)方向に移動可能な昇降台11が設けられており、昇降台11には索条12が連結され、索条12はボックス1に設けられたコラム13の上部に取り付けられた滑車14で下方に方向転換され、その端にバランスウェイト15が吊り下げられている。このバランスウェイト15の重量は昇降台11の重量と釣り合っており、昇降台11自体は無重量となっている。
【0017】
また、昇降台11にはユニットとなった錘16が載せられるようになっており、載せた錘16の重量だけが下方に負荷されるようになっている。さらに、昇降台11の下部にはベース17が取り付けられており、ベース17からはヘッド18が下方に突出している。この場合のヘッド18は下方ほど細い三段構成の円筒形をしており、もっとも径の大きな部分の径はカップ10の径とほぼ同じに設定されている。
【0018】
この場合、カップ10やヘッド18はそれぞれのベース9、17にネジ等で固定していてもよいが(ネジを緩めれば取り外せる)、次のようにするのが好ましい。すなわち、カップ10の上部とヘッド18の下部にそれぞれスライド板10a、18aを設け、これらスライド板10a、18aをそれぞれのベース9、17に対して前後にスライドできるようにしておき、スライドさせて引き出したり、押し込んだりできるようにしておくことである。
【0019】
加えて、本例では、図3〜図5に示すように、各スライド板10a、18aの前端に縦に延びるハンドル19を各々ボルト(正確にはナット)20で止めて連結しており、カップ10とヘッド18とを一体に取り扱えるようにしている。したがって、ハンドル19を握ることで装置から取外し又は取付けができるようになっている。すなわち、カップ10とヘッド18からなるセットをカートリッジ式にしたものである。これによると、滅菌処理や試験時の操作を容易、迅速にすることができ、無菌環境下(クリーン室等)での操作を可能にしている。
【0020】
また、カップ10とヘッド18との間にはフレキシブルなカバー21が渡し架けられており、空気中の雑菌を遮蔽している。なお、カバー21をフレキシブルなものとするのは、ヘッド18とカップ10とが試験に際して上下及び前後左右の位置を互いに変えるから、それに対応させるためである。本例のカバー21は樹脂製のベローズ管を使用しており、その上下端をヘッド18の最大径とカップ10の外周に挿入し、バンド22等で強く縛ったものにしている。これにより、カバー21の中は外気と遮断され、空気中の雑菌等は浸入しないものになっている。
【0021】
さらに、図5〜図6に示すように、カップ10の外周には複数のニップル23が取り付けられており、ニップル23にはカップ10内の摩耗物や潤滑液等(以下、貯留物という)を取り出すためのチャンネル24が密封して取り付けられている。この場合、チャンネル24(ニップル23)が設けられる高さは種々変えてあり、各チャンネル24からは異なったレベルの貯留物を取り出せるようになっている。
【0022】
この他、コラム13の後方にブラケット25を突設し、ブラケット25に流体シリンダ(本例ではエアーシリンダ)26をロッド26aを下向きにして取り付け、ロッド26aに支点27を中心にして回動するレバー28を枢着している。したがって、エアーシリンダ26の正圧室に高圧空気を供給すると、ロッド26aは伸長し、これに伴ってレバー28が昇降台11を押し上げるようになっている。そして、正圧室の空気を適宜に調整して抜くことで昇降台11が自由に又は任意の速度で落下するようになっている。なお、本例では、エアーシリンダ26を一つとしてすべての昇降台11を同時に上下動するようにしているが、各昇降台10ごとにエアーシリンダ10を取り付けてもよく、こうすると、昇降台11を個別に上下動できる。このような装置の全体図が図7〜図9である。
【0023】
次に、以上の装置による摩耗試験について説明する。まず、押圧して摺動させる二つの試験検体29、30を選択する。本例では、人工関節の摩耗試験であることから、ヘッド18に取り付ける試験検体は金属製又はUHMWPEのピン29とし、カップ10に収容する試験検体はUHMWPE又は金属製のプレート30とした。この際、ピン29及びプレート30はもちろん、ピン29やプレート30に触れる虞のあるヘッド18、カップ10、カバー21、ハンドル19といった部材もすべて滅菌処理する。なお、ここでの滅菌処理とそれに基づく無菌環境とは、完全に無菌な状態はもちろんであるが、生体内で増殖が抑えられる程度のごくわずかな菌が存在する場合も含まれるものとする。この滅菌処理には、ガス滅菌、高圧蒸気滅菌及び放射線滅菌のいずれか或いは複合したものが考えられる。
【0024】
次いで、ヘッド18にピン29を取り付けるのであるが、この構造は、ヘッド18の下端に穴を形成しておき、これにピン29を挿入してネジ等で固定すればよい。また、ヘッド18の下端に縫い付けてもよいし、ヘッド18にチャックのようなものを取り付けてもよい。さらに、カップ10にはプレート30を固定することになるが、これは適宜な押え具31によればよい。ところで、これらの操作はすべて無菌環境下で行う。すなわち、ハンドル19を握ってヘッド18とカップ10をクリーン室に持ち込み、カバー21を外してヘッド18にピン29を取り付け、カップ10の底部にプレート30を上記した押え具31で固定する。
【0025】
この際、生体内と同じ条件にするために関節液・体液に相当する牛血清等の潤滑液を注入する。もちろん、この潤滑液も滅菌処理してあることが条件になるし、潤滑液は少なくともピン29とプレート30との摺動面が浸漬するまで注入する。そして、カバー21を取り付け、ハンドル19を持ってクリーン室から出て装置のところまで行き、ベース9、17に押し込んで所定の位置でストッパ機構、ディタント機構、ネジ止め等による位置決めする。
【0026】
これで試験準備が完了したことになり、昇降台11に予め設定した錘16を載せるが、このとき、ナット20を外し、ハンドル19をベース9、17から切り離しておく必要がある。錘16の重量をピン29に影響させるためと、ヘッド18とカップ10(この場合はカップ10)は上下及び前後左右に独立して動く必要があるから、ハンドル19が存在していては邪魔になるからである。これにより、昇降台11は錘16の重量でピン29を所定の押圧力で押圧する。
【0027】
この後、下部テーブル4と上部テーブル3とをサーボモータ5、6を制御して所定に動かせば、無菌環境を保ったままで、しかも、摺動面に潤滑液が存在する状態で、かつ、所定の押圧力での摺動試験ができることになる。なお、摺動範囲はサーボモータ5、6を制御することで一定の域にすることも可能であり、この目的に沿ったプログラムを組んでおけばよい。この試験により、金属とUHMWPEの摩耗の実態を観察でき、人工関節の回転部とその摺動面との間の摩耗及び金属又はUHMWPEと軟骨等の生体組織の摩耗の状況を検証できる。
【0028】
この試験のとき、エアーシリンダ26による昇降台11の落下に基づく衝撃試験も可能になり、割れや欠けといった耐衝撃性も調べることができる。さらに、ボックス1に空調機器等を取り付け、ボックス1内を温度調整が可能で恒温状態を保てるようにしておけば、試験環境は更に体内環境に模したものになる。そして、カップ10内の貯留物を採取するときには上記したチャンネル24から吸引すればよい。このとき、チャンネル24は種々のレベル(例えば、沈殿物や上澄液等)の貯留物を区分けして吸引できる。もちろん、カップ10をクリーン室等に持ち込んで、この中で採取してもよい。
【0029】
ところで、以上の試験は単に押圧力と時間による摩耗量の計測だけでなく、摩耗粉のマクロフアージによる貪食状態を観察したりする際に必要である雑菌で汚染されていない摩耗粉及び潤滑液等の入手も可能とする。この場合、ヘッド18とカップ10の組が三組あることは、この試験を多数同時にできることを意味し、この点で、組数は更に多くてもよい。
【0030】
以上は本発明の基本的な形態であるが、本発明は、この他に種々改変された形態をとることもある。例えば、ヘッドはZ軸方向に昇降できるものに限らない。ただし、ヘッドに取り付けるピンはプレートに対して押圧力を変更できる必要があることから、例えば、ピンをヘッドに対して一定の弾発力で下方付勢し、この弾発力を調整できるようにしておくことも考えられる。
【0031】
また、各ベースの移動はX軸又はY軸だけであってもよい。このとき、ピンでは幅が狭いような場合には、ピンに代えて幅が広い刷毛のようなもの使用すれば、広い範囲で摺動できる。このように昇降台を廃したり、ベースの移動を一軸だけにすると、構造が極めて簡単になる。さらに、ヘッドを回転させることも可能であり、これのもっとも簡単な構造は、ヘッド側のベースの下面にサーボモータを取り付け、その出力軸をヘッドに連結するものである。これによると、摺動距離を多くとることができ、実験を短時間で行える利点がある。
【0032】
また、カップにホースを突入させ、ホースから空気を吸気又は給気してホース内を減圧又は加圧することも可能である。減圧又は加圧条件はUHMWPEの成形性の問題であるが、摩擦自体を減圧又は加圧下で行って摩耗粉の状況を観察するという参考的な試験を可能にするし、特に、減圧下での試験は雑菌の繁殖を抑える効果もある。さらに、試験検体は金属やUHMWPEに限らず何であってもよい。要するに、無菌環境下で摺動させ、その摩耗等を調べるものであればなんでもよい。さらに、無菌環境下でない摺動試験にも適用できるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0033】
1 ボックス
2 基部
3 下部テーブル
4 上部テーブル
5 サーボモータ
6 サーボモータ
7 ボールスクリュー・ナット機構
8 ボールスクリュー・ナット機構
9 ベース
10 カップ
10a スライド板
11 昇降台
12 索条
13 コラム
14 滑車
15 バランスウェイト
16 錘
17 ベース
18 ヘッド
18a スライド板
19 ハンドル
20 ナット
21 カバー
22 バンド
23 ニップル
24 チャンネル
25 ブラケット
26 流体シリンダ
26a 〃 のロッド
27 支点
28 レバー
29 試験検体(ピン)
30 試験検体(プレート)
31 押え具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌環境下で潤滑液に浸漬した状態で二つの滅菌した試験検体を押圧して摺動させ、両試験検体の摩耗特性及び状況を評価する無菌環境型摩耗試験装置において、一方の試験検体を収容するカップと他方の試験検体を取り付けるヘッドとを対向する下方位置と上方位置とに設置するとともに、ヘッドとカップとの間を密封して覆うフレキシブルなカバーをヘッドとカップとに渡し架けたことを特徴とする無菌環境型摩耗試験装置。
【請求項2】
ヘッドが上下動できてその重量が任意に変更できるものであり、両試験検体の押圧力が調整できるものである請求項1の無菌環境型摩耗試験装置。
【請求項3】
ヘッドに取り付ける試験検体とカップに収容する試験検体が医療用インプラントである請求項1又は2の無菌環境型摩耗試験装置。
【請求項4】
ヘッドに取り付ける試験検体とカップに収容する試験検体が生体組織又は再生された生体組織である請求項1又は2の無菌環境型摩耗試験装置。
【請求項5】
ヘッドに取り付ける試験検体とカップに収容する試験検体が医療用インプラント並びに生体組織又は再生された生体組織の組合せである請求項1又は2の無菌環境型摩耗試験装置。
【請求項6】
ヘッドとカップとをそれぞれのベースに対して前後にスライド可能にするとともに、ヘッドとカップとをハンドルで連結し、ハンドルを操作することでカバーを取り付けたままでヘッドとカップとを一体にしてそれぞれのベースから取外し可能にするカートリッジ式とした請求項1〜5いずれかの無菌菌環境型摩耗試験装置。
【請求項7】
ヘッドとカップの組をそれぞれのベースに対して複数設けた請求項6の無菌環境型摩耗試験装置。
【請求項8】
カップにニップルを取り付け、ニップルに摩耗物や潤滑液といったカップ内の貯留物を採取できるチャンネルを密封して取り付けた請求項1〜7いずれかの無菌環境型摩耗試験装置。
【請求項9】
ニップルの高さ及び角度を変えてカップに複数取り付け、貯留物を採取できるレベルを任意に選択できるようにした請求項8の無菌環境型摩耗試験装置。
【請求項10】
ヘッドが流体シリンダで上下動できるようにしてあり、流体シリンダの制御によってヘッドが自由に又は任意の速度で落下できるようにしてある請求項2〜9いずれかの無菌環境型摩耗試験装置。
【請求項11】
請求項1〜10いずれかの無菌環境型摩耗試験装置を空調機器が取り付けられて温度調整が可能な恒温ボックス内に収容した無菌環境型摩耗試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−47510(P2012−47510A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187995(P2010−187995)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(508282465)ナカシマメディカル株式会社 (22)
【出願人】(000193612)瑞穂医科工業株式会社 (53)