説明

酸素供給装置

【課題】酸素濃度の高いエアを有効に利用することができ、身体や美容等に対して簡単に楽しみながら高濃度酸素を色々な手段、且つ複数人で利用することを可能とする。
【解決手段】酸素濃度の高いエアを吐出する酸素供給部2と、吐出口4に接続され、フィルターにてエアを浄化する浄化部7と、浄化部7に接続される逆止弁11と、複数の接続流出口14を備え、各接続流出口14を選択して開閉可能とする切替操作部15を具備する分岐切替部12とを具備し、各接続流出口14には、鼻孔等より吸入するための吸入用噴出管20Aと、ボトル33内の飲用水中にエアを噴出させる飲用気泡噴出管20Bと、浴槽35内の湯内にエアを噴出させる浴用気泡噴出管20Cと、顔面F等を覆うフード部37にエアを噴出させるエア噴出管20Dと、のいずれかが選択して取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入や飲用水、浴用などに利用する酸素濃度を高めたエアを有効に利用するための酸素供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気中の酸素の濃度を高めて、これを水などの液体に気泡として噴出させ溶け込ませて酸素濃度を高めた酸素含有飲料を得て飲用したり、酸素濃度の高いエアをノズルやカニューラより噴出させて鼻や口から吸入し、ストレス緩和や身心のリラックス効果等を得たり、呼吸器疾患などで酸素療法のために用いられる酸素濃縮器が知られている。酸素濃縮器は、薬剤と水とを反応させて酸素を得る方法や、周囲の空気を取り込み、その空気中の酸素と窒素とを分離する酸素富化膜を用いる方法(下記特許文献1)、窒素を吸着する吸着剤を用いて加圧と減圧とを繰り返すことにより空気中の酸素と窒素を分離する圧力変動吸着(PSA)式などがあり、医療用や家庭用として種々の構造,形状とされ利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−351294号公報
【特許文献2】特開2005−66073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の酸素濃縮器では、飲料用として、或いは吸入用として、それぞれ専用の機器を構成しており、生成される酸素が有効に使われておらず、濃度の高い酸素によって得られる種々の効能や効果を多面的に有効利用する手段、例えば複数人で数種の方法にて利用するなど手軽に利用する手段が全く想定されていなかった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、酸素濃度の高いエアを有効に利用することができ、健康面など身心に対し、或いは美容などに対しても簡単に楽しみながら高濃度酸素を色々な手段で取り入れ、また複数人で利用することを可能とする酸素供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の酸素供給装置1は、空気を吸気し、空気中の濃度よりも高い酸素濃度のエアを吐出口4より吐出する酸素供給部2と、
前記吐出口4に接続され、内部に設けられるフィルターにて、通過する前記エアを浄化し流出させする浄化部7と、
該浄化部7の供給口9に接続される逆止弁11と、
該逆止弁11を介して浄化部7に接続される流入口13を備えるとともに、該流入口13に連通する流路の中途が複数に分岐して複数の接続流出口14を備え、且つ、該接続流出口14を選択して開放可能とする弁体よりなる複数の切替操作部15を具備し、前記流入口14より供給される前記エアを選択された接続流出口14より流出させる分岐切替部12と、
を具備するとともに、
前記複数の接続流出口14には、
該接続流出口14に接続される加湿容器21を備えるとともに、該加湿容器21にて加湿された前記エアを噴出するノズル27を備え、鼻孔等より吸入するための吸入用噴出管20Aと、
ボトル33内に挿入されるボトル用散気管32を備え、該ボトル33内の飲用水中に気泡として前記エアを噴出させる飲用気泡噴出管20Bと、
浴槽35内の湯又は水内に挿入される浴槽用散気管34を備え、前記エアを気泡として噴出させる浴用気泡噴出管20Cと、
顔面Fや頭髪部H、皮膚などの身体の一部となる対象部を覆うフード部37,38を備え、前記対象部に対して前記エアを噴出させるエア噴出管20Dと、
のいずれかが選択して取り付けられることを特徴とする。
【0007】
この酸素供給装置1では、分岐切替部12の複数の接続流出口14に、吸入用噴出管20A、飲用気泡噴出管20B、浴用気泡噴出管20C、エア噴出管20Dを選択して取り付けて、それらに対応する切替操作部15の操作により、酸素供給部2から吐出される酸素濃度の高いエアを吸入や飲料として、或いは浴槽内にて得る。各接続流出口14に、それぞれ各種噴出管20A,20B,20C,20Dを取り付けて接続でき、すなわち1台の装置にて一人で複数種の方法で利用でき、また複数種、複数人の同時利用が可能となり、使用しない接続流出口14は切替操作部15で閉じることも可能で、各種噴出管20を用途に応じ利用することができる。
【0008】
請求項2記載の酸素供給装置は、請求項1記載の酸素供給装置1において、
前記浄化部7のフィルターは、光触媒を具備して構成される浄化フィルターよりなることを特徴とする。
【0009】
この酸素供給装置1では、酸素供給部2より吐出される酸素濃度の高いエアを浄化フィルターに通すことで、さらに浄化させ、塵埃などの異物や、細菌やウィルス、異臭などの除去を確実なものとし、よりクリーンなエアを得ることができ、吸入したり飲用する際に最適化される。
【0010】
請求項3記載の酸素供給装置は、請求項1又は2記載の酸素供給装置1において、
前記酸素供給部2は、圧力変動吸着型酸素濃縮装置(PSA)よりなることを特徴とする。
【0011】
この酸素供給装置1では、酸素供給部2を圧力変動吸着型酸素濃縮装置で構成することにより、周囲の空気から酸素を十分に高濃度に取り出すことができ、吸入や飲用、浴用、美容用など種々利用することができ、また高濃度で得られることから、例えば酸素水生成などにおける時間短縮の効果もある。
【0012】
請求項4記載の酸素供給装置は、請求項1又は2又は3記載の酸素供給装置1において、
前記浴用気泡噴出管20Cには、前記エアが通るチューブ19の中途が、前記浴槽35内の湯面又は水面よりも上方となるように、浴室内壁面に固定する係止具36を具備することを特徴とする。
【0013】
この酸素供給装置1では、常に湯又は水が張られている状態となる浴槽35内に浴槽用散気管34を沈めておくことから、酸素供給部2が停止した際や、チューブ19が外れるなどの不都合が起きた場合に、湯や水が逆流を起こすことがなくなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明による請求項1記載の酸素供給装置では、分岐切替部に設けられた複数の接続流出口に、吸入用噴出管、飲用気泡噴出管、浴用気泡噴出管、エア噴出管を選択して取り付けることができ、それらに対応する切替操作部の操作により、開閉の操作が行え、酸素供給部から吐出される酸素濃度の高いエアを吸入や飲料として、或いは浴槽内にて得られ、また使用しない場合に切替操作部で閉じることが可能である。そして、各接続流出口にそれぞれ各種噴出管を取り付けて接続でき、すなわち1台の装置で複数種の利用が可能となるとともに、複数人での利用でも可能となり、各種噴出管を用途に応じ手軽に利用することが可能となる。
【0015】
請求項2記載の酸素供給装置では、酸素供給部より吐出される酸素濃度の高いエアを浄化フィルターに通すことで、さらにエアを浄化させ、塵埃などの異物や、細菌やウィルス、異臭などの除去を確実なものとし、よりクリーンなエアを得ることが可能となる。
【0016】
請求項3記載の酸素供給装置では、酸素供給部を圧力変動吸着型酸素濃縮装置で構成することにより、周囲の空気から酸素を十分に高濃度に取り出すことができ、吸入や飲用、浴用、美容用など種々利用することができる。また高濃度の酸素を得られることから、例えば酸素水生成などにおける時間短縮の効果もある。
【0017】
請求項4記載の酸素供給装置では、常に湯又は水が張られている状態となる浴槽内に浴槽用散気管を沈めておくことから、酸素供給部が停止した際や、チューブが外れるなどの不都合が起きた場合に、チューブを伝って湯や水が逆流を起こすことがなくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による酸素供給装置の全体概略図である。
【図2】同酸素供給装置を構成する酸素供給部と分岐切替部とを示した図である。
【図3】同酸素供給装置の使用例を示した図である。
【図4】同酸素供給装置の分岐切替部の他の構成を示した斜視図である。
【図5】同酸素供給装置の分岐切替部の他の構成を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の酸素供給装置1は、酸素供給部2と、浄化部7と、逆止弁11と、分岐切替部12と、噴出管20とで大略構成されている。
酸素供給部2は、圧縮変動吸着型酸素濃縮装置(PSA)を構成し、図示しないが、筐体3内に空気を取り込む吸入部、空気中の窒素を選択的に吸着する吸着剤や、空気の減圧等を行うコンプレッサーなどが内蔵され、筐体3の周囲の空気を取り込み、筐体内に設けられるゼオライトなどで構成されるフィルターにて塵埃などの異物や細菌やウィルスなどを除去するとともに、その空気中の酸素を濃縮して吐出口4より送出する。本実施の形態では、筐体3に表出して設けられる主電源スイッチ5にて、作動の開始及び停止が行われるとともに、図示しないが、吐出する酸素濃度を調整できる調整ダイヤルを備えている。また、吐出口4は、筐体3正面に形成される装着凹部6の内側に延設されている(図1,2参照)。本実施の形態では、調整ダイヤルは酸素流量調整弁で構成され、すなわち吐出する流量を調整することで酸素濃度が変わるもので、例えば、流量7リットルの際に酸素濃度約42%、流量5リットルの際に酸素濃度約55%、流量4リットルの際に酸素濃度約69%、流量3リットルの際に酸素濃度約92%、と、流量を減らすことで酸素濃度の高いエアが得られるようになっている。また、タイマー設定も可能な構成とされ、設定された時間に達するとエアの吐出を停止するようになっている。
【0020】
装着凹部6には、浄化部7が取り付けられる。浄化部7は、円筒状の容器に、酸化チタンよりなる光触媒を具備して構成される浄化フィルターが内設される。容器の上端には、接続口8が設けられており、酸素供給部2の吐出口4に接続される。また接続口8に隣接して供給口9が設けられる。供給口9には、接続チューブ10を介して逆止弁11が接続され、酸素供給部2からのエアを逆流させずに一方向へのみ流すようになっている。
【0021】
分岐切替部12は、図1及び図2に示すように、逆止弁11及び接続チューブ10を介して浄化部7に接続される流入口13を備える。分岐切替部12は、内部が流入口13に連通する流路の中途が複数に分岐しており、本実施の形態では4つに分岐し、それぞれが接続流出口14にて開口する。また、各接続流出口14には、弁体よりなる切替操作部15を備えている。この切替操作部15は、例えばトグルスイッチ状の開閉弁や、ボールバルブ、バタフライバルブなどの手動切替弁よりなり、1つの流入口13から供給されるエアが4つに分岐した後に、それぞれの接続流出口14からエアを流出とするか否か選択することが可能となる。本実施の形態では、図2に示すようにスイッチボックス状とし、「開」また「閉」の標示を設けて、4つの接続流出口14の状態を視認可能としている。
【0022】
次に、噴出管20は、本実施の形態では、吸入用噴出管20A、飲用気泡噴出管20B、浴用気泡噴出管20C、エア噴出管20Dにて構成され、分岐切替部12の接続流出口14に接続される。なお、各噴出管20A,20B,20C,20Dはシリコン樹脂などの柔軟な樹脂素材よりなる所定の長さのチューブ19が備えられる。
【0023】
吸入用噴出管20Aは、図1に示すように、分岐切替部12の接続流出口14にチューブ19を介して接続される加湿容器21と、この加湿容器21にチューブ22を介して接続されるヘッドセット23とで構成される。ヘッドセット23は、後頭部若しくは首の後に装着される略U字状のバンド部24を備えるとともに両耳に掛けられるフック部25を有する湾曲フレーム形状とされ、両耳を覆う耳当て部26の一方に、チューブ22が接続され、またこの一方の耳当て部26に噴出ノズル27が延設されている。噴出ノズル27は、形状を維持可能なフレキシブルチューブ等よりなる延長部27aを備え、装着時に噴出口が顔面における鼻孔や口元に向くように調整可能となっている。加湿容器21は、酸素供給部2より供給される乾燥したエアに対し、適度な湿度を付与するために、この酸素供給部2と噴出ノズル27との間に介設されるものである。この加湿容器21は、水を蓄えたボトル28と、酸素供給部2からのエアを水中に気泡として噴出させる多孔質樹脂製の噴出筒29と、水面上のエアを流出させる接続口30とを備え、ボトル28内にて酸素供給部2からのエアを水に潜らせ、加湿されたエアを接続口30から供給できるものである。
【0024】
また、この吸入用噴出管20Aは、図3に示すようなカニューラ31で構成することとしても良く、鼻孔からの酸素吸入をより効率よく行うことを可能としている。さらに、鼻孔や口元に直接的に噴出させ供給するだけではなく、室内に対して高濃度酸素エアを噴霧するような構成としてもよい。
【0025】
なお、この吸入用噴出管20Aには、図示しないが、芳香剤を内蔵する芳香部をいずれかの位置、例えば噴出ノズル27の中途や加湿容器21とヘッドセット23との間などに設けることとしてもよく、吸入するエアに好みの香り付けを行うこととしてもよい。
【0026】
飲用気泡噴出管20Bは、図1に示すように、分岐切替部12の接続流出口14に接続される所定長さのチューブ19を具備し、そのチューブ19の先端にボトル用散気管32を接続した構成となっている。ボトル用散気管32は、多孔質樹脂製の筒状部材、或いは砂や金属粒、金属粉を焼結して形成した部材とされ、飲料水用のボトル33内に挿入されて、このボトル33内に入れた飲料水中に酸素供給部2からの酸素濃度を高めたエアを気泡として噴出させる。水中に噴出されるエアは、散気管32により気泡となっていることで、ボトル33内で所謂エアレーションが行われ、飲料水に溶け込み、溶存酸素量が高い酸素水が得られる。本実施の形態では、5リットルのボトル33内に約30分のエア供給を行うことで溶存酸素量がおよそ38ppmとなる酸素水が得られる。
【0027】
なお、この飲用気泡噴出管20Bを用いることで得られる酸素水は、飲用のみではなく、アトマイザーや霧吹きなどに移し替え、酸素水の噴霧などを行うこととしても良く、例えば肌に噴霧したり、食品への噴霧なども可能となり、洗浄などにも利用することができる。
【0028】
浴用気泡噴出管20Cは、図1に示すように、上記飲用気泡噴出管20Bと同様に所定長さのチューブ19を具備するとともに、チューブ先端に浴槽用散気管34を接続した構成となっている。浴槽用散気管34は、ボトル用散気管32と同様の構造であり、多孔質樹脂製の筒状部材、或いは砂や金属粒、金属粉を焼結して形成した部材とされる。そして、この浴槽用散気管34を湯や水を張った浴槽35内に沈めて、酸素供給部2からの酸素濃度を高めたエアを気泡として噴出させる。湯中や水中に噴出されるエアは、浴槽用散気管34によって気泡となって放たれ、浴槽35内にてエアレーションが行われて湯内又は水内に溶け込むこととなる。また、湯面又は水面へと浮上する気泡は、浴槽35内における湯面又は水面から浴槽縁35a部分の空間に放出され、酸素自体が空気よりも比重がやや重いことから、浴槽35内側に酸素濃度の高い空間が形成されて、浴槽35内における湯や水から皮膚への酸素供給と、湯や水に浸かった状態での湯面や水面より上での呼吸による酸素吸入が行われることになり、相乗効果を得られるものである。
【0029】
なお、本実施の形態の浴用気泡噴出管20Cには、浴室内の壁面に固定される係止具36を具備し、チューブ19の中途が掛けられるようになっている。すなわち、チューブ19の中途を浴槽35内の湯面又は水面よりも上方位置となるよう設定でき、浴槽用散気管34が湯中や水中に沈んだ状態で酸素供給部2が停止、或いはチューブ19の中途が破損し十分なエア吐出量が得られない、チューブ接続部分が外れてしまったなどの不具合が発生した際に、散気管34から湯や水が逆流しないようになっており、酸素供給部2の安全が図られている。また、この係止具36に位置して逆止弁が設けられることが好ましい。
【0030】
エア噴出管20Dは、円形器状のフード部を備え、上記同様のチューブにて接続流出口に接続される。フード部は、図3に示すように、身体の一部である対象部としての顔面Fを覆う略碗状に形成される顔面用フード部37や、頭髪部分Hを覆うような略半球状に形成される頭部用フード部38よりなる。また図示しないが、顔面Fや頭髪部H以外の身体の一部、例えば腕や脚、腹部などの対象部に対して、覆うような形状、例えば皿形状など対象となる身体の形に沿う形状のフード部を具備する。これらフード部37,38と接続流出口14との間のチューブ19には、上記した吸入用噴出管20Aを構成する加湿容器21を介設することとしても良い。そして、酸素供給部2より吐出される酸素濃度の高いエアは、チューブ19,22を介してフード部37,38より噴出し、覆われた顔面Fや頭髪部分Hに対して供給が行われる。
【0031】
従ってこのように構成された酸素供給装置1では、酸素供給部2の電源を入れ稼動させるとともに、酸素濃度の調整を行って必要な濃度の酸素が得られるよう設定し、また、分岐切替部12の複数の接続流出口14に、利用したい噴出管20を接続する。分岐切替部12では、切替操作部14を操作し、接続された噴出管20に対して酸素供給部2からのエアを送るよう設定する。そして噴出管20から噴出する酸素濃度の高いエアを用途に応じ選択して利用することとなる。図3に示すように、複数人でそれぞれ異なる例えば吸入(ヘッドセット23,カニューラ31)と顔面用フード部37と頭髪用フード部38とを同時に使用したり、また、図1に示すように、吸入用、飲用、浴用にそれぞれ同時に利用でき楽しむことが可能となる。
【0032】
なお、上述した実施の形態では、分岐切替部12の切替操作部15の構成として、図2に示すようなスイッチボックス構造としトグルスイッチ状の開閉弁にて構成する例について述べたが、この切替操作部15は、図4に示すような、三方分岐コック15Aや、図5に示すような5方連結コック15Bなどで構成してもよく、このような簡素な開閉弁にて構成されるものとしてもよい。これら三方分岐コック15Aなどによれば、それぞれの操作片16の開閉操作で、各接続流出口14に接続される種々の噴出管20に対して酸素供給が行えるもので、開閉状態が容易に視認でき、コンパクトに構成できるものである。
【0033】
また、逆止弁11と分岐切替部12との間のチューブ10に、二又分岐管を設けるとともに、一方を逆止弁11から分岐切替部12とし、他方に流量調整弁または安全弁を設ける構成が好ましい。例えば、分岐切替部12の切替操作部15が全て閉鎖となったまま酸素供給部2が稼動した場合に、逆止弁11を具備することからも酸素供給部2からの吐出エアの圧力が設定以上に上昇してしまうこととなり、これを防ぐために流量調整弁を設けて吐出エアを僅かに漏れるよう制御したり、安全弁にて圧力が所定値を越えた際に作動することとして、酸素供給部2の故障等を回避することができる。
【0034】
さらに、上述した実施の形態では、酸素供給部2と分岐切替部12、逆止弁11を別体構造として、図示した例を示したが、これら酸素供給部2や逆止弁11、分岐切替部12や切替操作部15は、1つの筐体に具備されるよう一体構造として構成しても良いものであり、省スペース化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1…酸素供給装置
2…酸素供給部
4…吐出口
7…浄化部
9…供給口
11…逆止弁
12…分岐切替部
13…流入口
14…接続流出口
15…切替操作部
19…チューブ
20A…吸入用噴出管
20B…飲用気泡噴出管
20C…浴用気泡噴出管
20D…エア噴出管
21…加湿容器
22…チューブ
27…噴出ノズル
32…ボトル用散気管
33…ボトル
34…浴槽用散気管
35…浴槽
36…係止具
37…顔面用フード部
38…頭部用フード部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸気し、空気中の濃度よりも高い酸素濃度のエアを吐出口より吐出する酸素供給部と、
前記吐出口に接続され、内部に設けられるフィルターにて、通過する前記エアを浄化し流出させする浄化部と、
該浄化部の供給口に接続される逆止弁と、
該逆止弁を介して浄化部に接続される流入口を備えるとともに、該流入口に連通する流路の中途が複数に分岐して複数の接続流出口を備え、且つ、該接続流出口を選択して開放可能とする弁体よりなる複数の切替操作部を具備し、前記流入口より供給される前記エアを選択された接続流出口より流出させる分岐切替部と、
を具備するとともに、
前記複数の接続流出口には、
該接続流出口に接続される加湿容器を備えるとともに、該加湿容器にて加湿された前記エアを噴出するノズルを備え、鼻孔等より吸入するための吸入用噴出管と、
ボトル内に挿入されるボトル用散気管を備え、該ボトル内の飲用水中に気泡として前記エアを噴出させる飲用気泡噴出管と、
浴槽内の湯又は水内に挿入される浴槽用散気管を備え、前記エアを気泡として噴出させる浴用気泡噴出管と、
顔面や頭髪部、皮膚などの身体の一部となる対象部を覆うフード部を備え、前記対象部に対して前記エアを噴出させるエア噴出管と、
のいずれかが選択して取り付けられることを特徴とする酸素供給装置。
【請求項2】
前記浄化部のフィルターは、光触媒を具備して構成される浄化フィルターよりなることを特徴とする請求項1記載の酸素供給装置。
【請求項3】
前記酸素供給部は、圧力変動吸着型酸素濃縮装置(PSA)よりなることを特徴とする請求項1又は2記載の酸素供給装置。
【請求項4】
前記浴用気泡噴出管には、前記エアが通るチューブの中途が、前記浴槽内の湯面又は水面よりも上方となるように、浴室内壁面に固定する係止具を具備することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の酸素供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−161570(P2012−161570A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26183(P2011−26183)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(508153051)株式会社ソリュース (1)
【Fターム(参考)】