電球形蛍光ランプおよび照明器具
【課題】放電路長の増大を図れると共に、根元部を細く形成することができ、さらに輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】口金1と;この口金に設けられたホルダ3と;ホルダに支持された一対の電極4q、4rを有するバルブ4dからなり、このバルブが螺旋形部4a、この螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部4b、4cおよび螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部4jを有して構成されてなる発光管4と;上記ホルダに取付けられた点灯装置5と;を具備した構成とする。
【解決手段】口金1と;この口金に設けられたホルダ3と;ホルダに支持された一対の電極4q、4rを有するバルブ4dからなり、このバルブが螺旋形部4a、この螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部4b、4cおよび螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部4jを有して構成されてなる発光管4と;上記ホルダに取付けられた点灯装置5と;を具備した構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電球形蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
白熱電球などの一般照明用電球のソケットに装着可能な口金にホルダが設けられ、このホルダにガラス管バルブを曲成して形成した蛍光ランプおよび点灯装置が取付けられると共に、この蛍光ランプをグローブで覆った電球形蛍光ランプが知られている。
【0003】
従来の電球形蛍光ランプは、下記の特許文献1に示されるように、U字形に屈曲されたバルブを有する発光管、一端に口金を取り付け他端側で発光管を支持するカバー、このカバー内に収容される点灯装置、発光管を覆いカバーの他端側に取り付けられるグローブ等を有している。
【0004】
近年では、さらに小型化を図るために、グローブ内の狭い空間内に配置される発光管を螺旋状に屈曲形成して放電路長の増大を図ったものが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
【特許文献1】特開2000−21351号公報
【特許文献2】特開2003−263972号公報
【特許文献3】特開2003−31179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1ないし3などに示されるU字形または螺旋形の発光管を有する電球形蛍光ランプでは、発光管の終端部をカバー内に延在させてカバー内のホルダで支持する構成のため、カバーが大型化する問題が生じる。
【0006】
特に、このカバーが大型化すると、白熱電球など一般照明用電球のシルエットに近似させる際に、白熱電球の細い根元部に対応する部分が太くなり、白熱電球に置き換えて使用することを目的とした電球形蛍光ランプの小型化のための最大の課題となっている。
【0007】
さらに、カバーは発光管の光を透過させないために発光しない部分であり、発光管を支持するホルダの幅寸法が大きいとホルダの方向に照射された光が十分に反射されずに損失となり発光効率が低下し易くなる問題がある。
【0008】
これに対し、図14に示す電球形蛍光ランプが提案されている。この電球形蛍光ランプは、螺旋形部30に連接して直線状の放電路31、31を形成してホルダ32に支持されているので、根元部Nを細く形成することができ、白熱電球の細い根元部に近似させる形状に構成することができる。しかしこの螺旋形部30に連接した直線状の放電路31、31は、放電路が短いので十分な明るさを確保できない等、改善の余地があった。
【0009】
本発明は、上記課題に対処するためになされたもので、放電路長の増大を図れると共に、根元部を細く形成することができ、さらに輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に記載の電球形蛍光ランプは、口金と;この口金に設けられたホルダと;ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが螺旋形部、この螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部および螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部を有して構成されてなる発光管と;上記ホルダに取付けられた点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、バルブは螺旋形部を有することにより放電路長の増大を図れると共に、螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部により根元部を細く形成することができ、さらに螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部を有することにより根元部の明るさを確保して輝度むらを解消することが可能となる。
【0012】
本発明において、螺旋形部は、外観形状を白熱電球のシルエットに近似させるために径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形が好ましいが、例えば、特許文献2に示されるような等しい螺旋径を有する円筒状螺旋形体であってもよい。
【0013】
短放電路部は、1本または一対2本等、複数本のバルブで構成しても、さらに直線形状または曲線状のバルブから構成しても、これら直線状または曲線状のバルブを螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように配置してもよい。
【0014】
さらに、短放電路部は、螺旋形部に直接連接されて形成されても、径大な螺旋径に連接して螺旋径が縮径された最終ターン部を形成し、この最終ターンを介して螺旋形部に連接されるものであってもよい。
【0015】
短放電路部に接続される連接部は、1本の直管状部と1本の連接部からなる略J字形状に構成しても、さらには一対2本の直管状部と、これら直管状部の一端部を連接した1本の連結部からなる略U字形状や略V字形状に構成してもよい。
【0016】
また、連接部は、1本のバルブを屈曲形成して構成しても、個々に独立して構成された直管状部および連結部を加熱溶融させ、吹き破り等の手段で連接し、所望の形状に構成するようにしてもよい。
【0017】
短放電路部と連接部、例えば、一対の直線形状のバルブからなる短放電路部と、一対の直管状部を両端に有する略U字形状のバルブからなる連接部は、ランプ軸を中心にして短放電路部の一対の直線形状のバルブを結ぶ直線と略U字形状の連接部の直管状部を結ぶ直線が略直交するように対向させて配置することが好ましいが、それぞれの直線が略平行になるように配置してもよい。
【0018】
請求項2に記載の電球形蛍光ランプは、請求項1に記載の電球形蛍光ランプにおいて、前記発光管の短放電路部は一対の直線形状のバルブからなり、連接部は一対の直管状部を両端に有する略U字形状のバルブからなり、ランプ軸を中心にして短放電路部の一対の直線形状のバルブを結ぶ直線と略U字形状の連接部の直管状部を結ぶ直線が略直交するように対向させて配置したことを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の電球形蛍光ランプは、口金と;この口金に設けられたホルダと;ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形部およびこの螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように一対の直線形状のバルブが螺旋形部に連接されてなる螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を有して構成された発光管と;上記ホルダに取付けられた点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の電球形蛍光ランプは、口金と;この口金に設けられたホルダと;ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが径大な螺旋径を少なくとも一部に有し、この径大な螺旋径に連接して螺旋径が縮径された最終ターン部を形成した螺旋形部およびこの螺旋形部の最終ターンに連接され螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を備えた発光管と;上記ホルダに取付けられた点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし4のいずれか一記載の電球形蛍光ランプにおいて、前記発光管は、透光性のグローブにより覆われていることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、発光管は、透光性のグローブにより覆われているので、白熱電球など一般照明用電球と近似、または同一形状にまで小型化が可能な電球形蛍光ランプが構成される。
【0023】
このグローブにより所望の配光分布特性を得たり、バルブの外力からの衝撃や塵埃付着からの保護およびガラス管に比べ形状や材質が把持など取り扱い易い作用を有する。
【0024】
グローブの形状は、白熱電球など一般照明用電球のバルブと同じ外観形状を有するA形、S形、PS形などの通常涙滴形と呼ばれている形状やG形の球形をなすバルブと、同形ないしは略同形をなす類似形状である。また、このグローブ内に配設されるバルブの連続した仮想外形は、このグローブと略同形の涙滴形ないしは球形をなすグローブ内面に沿って折り返されることでU字管を接続して組合わせた従来のバルブよりも比較的長い放電路が得られるので発光効率が向上する。
【0025】
グローブは、透光性の合成樹脂やガラスなどの材料で作られ、要求される特性に応じ無色透明、着色または拡散などの手段が施されていてもよく、配光特性向上のためグローブなど、一部に反射膜などの反射手段が形成されていてもよい。
【0026】
請求項6に記載の照明器具は、ソケットが設けられた器具本体と;この器具本体のソケットに装着された請求項1ないし5のいずれか一記載の電球形蛍光ランプと;を具備していることを特徴とする。
【0027】
本発明の照明器具は、上記請求項1ないし6のいずれか一記載の電球形蛍光ランプを用いているので、器具の配光を白熱電球など一般照明用電球の配光に近似または同一となすことができる。
【0028】
器具本体は天井直付形、天井吊下形または壁面取付形などであって、本体に制光体としてグローブ、セード、反射体などが取付けられるものであっても、蛍光ランプが露出するものであってもよい。
【0029】
また、照明器具は器具本体に1個の電球形蛍光ランプを取付けたものに限らず、複数個の蛍光ランプが配設されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0030】
請求項1記載の発明によれば、螺旋形部、この螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部および螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部を有して構成されてなる発光管により、放電路長の増大を図れると共に、根元部を細く形成することができ、さらに輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、ランプ軸を中心にして短放電路部の一対の直線形状のバルブを結ぶ直線と略U字形状の連接部の直管状部を結ぶ直線が略直交するように対向させて配置したことにより、簡単な構成により確実に輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形部およびこの螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように一対の直線形状のバルブが螺旋形部に連接されてなる螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を有して構成された発光管により、放電路長の増大を図れると共に、根元部を細く形成することができ、さらに螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように一対の直線形状のバルブが螺旋形部に連接された短放電路部により輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0033】
請求項4記載の発明によれば、径大な螺旋径を少なくとも一部に有し、この径大な螺旋径に連接して螺旋径が縮径された最終ターン部を形成した螺旋形部およびこの螺旋形部の最終ターンに連接され螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を備えた発光管により、放電路長の増大を図れると共に、根元部を細く形成することができ、さらに螺旋径が縮径された最終ターン部により輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0034】
請求項5記載の発明によれば、発光管は、透光性のグローブにより覆われていることにより、白熱電球など一般照明用電球と近似、または同一形状にまで小型化が可能となり、白熱電球式照明器具の光源として、白熱電球に代替可能な汎用性を有する電球形蛍光ランプを提供することができ、各種照明器具への適用率を一層高めることができる。
【0035】
また、グローブの形成により所望の配光分布特性を得たり、バルブの外力からの衝撃や塵埃付着からの保護がなされ、バルブ強度および発光効率や光束維持特性の向上がはかれる電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0036】
請求項6記載の発明によれば、照明器具は、請求項1ないし5のいずれか一記載の輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを用いているので、器具の配光を白熱電球など一般照明用電球の配光に近似または同一となすことができ、照明器具内に配置されたソケット近傍の反射体への光の照射量が充分に確保され、反射体の光学設計とおりの器具特性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下本発明に係る電球形蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0038】
本発明の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。図1〜図5は第1の実施形態を示す電球形蛍光ランプで、図1は正面視の縦断面図、図2は図1における左側面視の縦断面図、図3は発光管を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、図4は発光管のガラスバルブを平面的に展開した説明図、図5は発光管の変形例を示す下面図である。
【0039】
本実施例は、例えば定格ランプ電力が12Wの電球形蛍光ランプL1で、E型と呼ばれるねじ込み形の口金1、この口金に一端側を接着剤や、かしめなどの手段で固定されたカバー2、このカバー内に固定されたホルダ3、ホルダに支持され蛍光ランプを構成する発光管4、カバー2内に設けられた点灯装置5などからなる。
【0040】
なお、以下、本実施例を含め、各実施例において発光管4を上側、口金1を下側にして説明する。
【0041】
この発光管4は、上部に形成された螺旋形部4aと、下部に形成された直線形状をなす一対2本の短放電路部4b、4cとを有し、これらを一体に連接して構成する。
【0042】
螺旋形部4aは、管外径が6〜9mm、例えば、8.5mmの直状円管状のガラスバルブ4dを、ほぼ等分の2つ折りに折曲し、その等分位置の折返し部4fを頂端として、図示しない金型に巻き付けて、異なる径の重ね合わせで、同心軸上に広がりをもった略円錐台形状の2重螺旋形にモールド成形する。
【0043】
より詳細には、図4に示すように螺旋形部4aは、ガラスバルブ4dの一方の端部4gから螺旋形部の旋回軸o−o(以下「ランプ軸o−o」と称する)回りに螺旋径を順次縮小し旋回しながら上方の頂端である折返し部4fに至る第1の旋回部Aと、この折返し部4fの他端から旋回軸o−o回りに螺旋径を順次拡大し旋回しながら他方の端部4hに至る第2の旋回部Bとを有する2重螺旋形状を有するように、例えば、ほぼ2周旋回(ターン数)している。(図3)
これにより、螺旋形部4aは、外側の仮想形状が略円錐台形をなし、螺旋形部には、その下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する形状に構成され、かつこれら螺旋形状により放電路が長い長放電路を有して形成される。
【0044】
さらに、2重螺旋形状の螺旋終端部から、ガラスバルブ4dの両端部4g、4hを、ランプ軸o−oに略平行に下方に向けてほぼ直角に折曲げ、螺旋形部4aより放電路が短い略直線形状をなす一対2本の短放電路部4b、4cを形成する。
【0045】
さらに、一対2本の対向する短放電路部4b、4cの間に、略U字形状のバルブ4jを対向させて配置する。
【0046】
すなわち、図3に示すように略U字形状のバルブ4jは、本発明の連接部を構成するもので、螺旋形部4aと同じ管外径を有する1本のガラスバルブ4dを屈曲形成した一対2本の直管状部4k、4mと、この直管状部の両端を連結する1本の連結部4nからなり、ランプ軸o−oを中心にして一対の短放電路部4b、4cの直線形状のバルブを結ぶ直線a−aと略U字形状のバルブ4jの直管状部4k、4mを結ぶ直線b−bが略直交するように対向させて配置する。(図3(b))
なお、一方の短放電路部4cの端部と、略U字形状バルブ4jの一方の直管状部4mの下端とをガラス管からなる連結管4pを溶融および吹き破り等の手段により気密に連通させ、ガラスバルブ4dの短放電路部4b〜螺旋形部4a〜短放電路部4c〜連結管4p〜略U字形状のバルブ4jの直管状部4m〜連結部4n〜直管状部4kに至る、より一層長い1本の連通した放電路が形成される。(図4の展開図)
上記に構成されたガラスバルブ4dの両端部となる、短放電路部4bの端部4gと、略U字形状バルブ4jの直管状部4kの端部4h´に一対の電極4q、4rを、それぞれ封装して電極封止端部4s、4tを形成する。
【0047】
一対の電極4q、4rは、例えばタングステン製のフィラメントコイル電極が使用されており、例えばビーズガラスにより仮止めされた状態でガラスバルブ4d両端部の電極封止端部4s、4tに封着される。
【0048】
ガラスバルブ4dは、その内面に希土類等の蛍光体膜をほぼ全長に亘って形成し、内部にはアルゴンやクリプトン等の放電媒体が封入されており、一対の電極封止端部4s、4tの下面には、その内部に連通する細管4u、4vが突設され、細管内には水銀またはアマルガムが収容されている。
【0049】
なお、螺旋形部4aの頂端である折返し部4fは、そのガラスバルブ直径を第1、第2の旋回部A、Bの直径よりも大径の膨出部に形成し、この膨出部に最冷部を形成するようにしてもよい。
【0050】
上記により、径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形の螺旋形部4aと、螺旋形部の下部、換言すれば、白熱電球の根元部Nに対応する位置に、一対2本の短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状バルブ4jを有し、外側全体の仮想外形が略キノコ形をなす発光管4が構成される。
【0051】
このように構成された発光管4の具体構成の一例は、次の通りである。(図3)
すなわち、発光管の最大径部4iの直径寸法Φ1が約55mm、高さ寸法h1が約64mm、最大径部4iの水平中心軸から一対の電極封止端部4s、4tの下面までの高さ寸法h2が約40mm、連接部である略U字形状バルブ4jの高さ寸法h3が約43mmである。
【0052】
一対の電極4q、4r間の放電路長は200〜400mmであり、ガラスバルブ4dの管外径に応じて相違する。例えばガラスバルブの管外径が8mmのとき、放電路長が350mm、管外径が9mmのとき放電路長が320mmである。
【0053】
上記のように構成された略キノコ形をなす発光管4は、口金1に固定されたカバー2内のホルダ3に支持される。
【0054】
口金1は、図1、2に示すように、エジソンタイプのE26形などで、ねじ山を備えた筒状のシェル1a、このシェルの一端側の頂部に絶縁部1bを介して設けられたアイレット1cを備えている。
【0055】
シェル1aは銅板等の導電性の金属で構成され、その他端側をカバー2の一端部に被せてシリコーン樹脂等の耐熱性の接着剤またはかしめなどの手段により固定されている。
【0056】
カバー2は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂材料により開口部と円筒体部を一体に形成したカバー本体2aを有し、カバー本体の下端側に口金1のシェル1aが取り付けられ、カバー本体の上端側には、取付端部である環状の開口取付端部2bが形成されている。
【0057】
この開口取付端部2b内には、カバー本体2aの開口部と円筒体部との連結部内側の環状凸状段部2c上にて、ホルダ3の開口部の開口下端を載置して固着している。
【0058】
すなわち、ホルダ3は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂材料により有蓋円筒状に形成され、その蓋体をなす円板状の基板部3aの下面周縁部に、下端側に突出する円筒状の円筒部3bを一体に形成し、この円筒部の開口下端を、カバー本体の環状凸状段部2c上に載置して、シリコーン樹脂等の耐熱性の接着剤により固着している。
【0059】
ホルダ3は、基板部3a上に発光管4を載置させて支持する。すなわち、略キノコ形をなす発光管4の螺旋形部4aの根元部Nに対応する位置に設けられた一対2本の短放電路部4b、4cおよび略U字形状バルブ4jの下端部を載置させて支持する凹部と、これら発光管の下端部同士の間隙内に突出して、その径方向のずれを規制する筒状突部3cを突設している。
【0060】
さらに基板部3aには、その筒状突部3cの外側に挿通孔をそれぞれ形成し、これら挿通孔には、発光管4の一対の電極封止端部4s、4tからその外方に突出する細管4u、4vと図3に示すアウターワイヤ4w、4xをそれぞれ挿通させ、シリコーン樹脂等の耐熱性の接着剤により固着させ、ホルダ3の基板部3a上に発光管4を固定して支持する。
【0061】
なお、これらカバー2とホルダ3は別体に構成したが、合成樹脂により一体に形成してもよい。
【0062】
点灯装置5は、図1、2に示すように、発光管4を点灯制御するための点灯回路パターンを形成した回路基板5aを、縦方向にして口金1内面の一対の縦溝2d、2d内に嵌入し固定している。
【0063】
すなわち、口金1内のカバー2内面に、その直径方向で対向する一対の縦溝2d、2dを口金の軸方向に形成し、この縦溝内に回路基板5aを縦方向にして幅方向両側縁部を嵌入させて固定している。
【0064】
回路基板5aには、片面または両面に回路パターンが形成され、その実装面には、電解コンデンサ等のリード部品やトランジスタ等のチップ部品等、点灯回路を構成するための複数の電子部品5b・・・が実装されている。
【0065】
上記により、点灯装置5をE26形口金内に内蔵し、略キノコ形の螺旋形の発光管4を有し、定格ランプ電力が12Wのグローブレスの電球形蛍光ランプL1が構成される。
【0066】
この電球形蛍光ランプL1の寸法は、例えば全長H1(口金1部を含む)が約109mm、最大径部Φ1が約55mmである。(図2)
なお、この発明が適用できる電球形蛍光ランプL1は、全長H1(口金1部を含む)が110mm以下、膨出した最大径部Φ1が60mm以下のものが好ましい。
【0067】
そして、この電球形蛍光ランプL1は、略キノコ形の発光管4からなるガラスバルブ4d部分を把持して廻すことにより、白熱電球等が装着されるE26形口金対応のソケットへの着脱が行なわれて点灯される。
【0068】
以上、この電球形蛍光ランプL1によれば、白熱電球など一般照明用電球に近似した外観を有する小型で高効率の電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0069】
特に、発光管4は、径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形の螺旋形部4aと、螺旋形部の下部に一対2本の短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状バルブ4jを有し、より一層長い1本の連通した放電路が形成されるので、発光効率を飛躍的に向上させることができる。
【0070】
これにより、白熱電球式照明器具の光源として、白熱電球に代替可能な汎用性を有する電球形蛍光ランプを提供することができ、照明器具への適用率を一層高めることができ、照明器具の白熱電球の代替として用い、省電力、高効率の照明を提供することができる。
【0071】
さらに、外側全体の仮想外形が、略キノコ形をなす発光管4が発光することにより白熱電球のシルエットに近似した配光をもった照明を行うことができる。
【0072】
さらに、電球の中心部分となる発光管4の螺旋形部4aは、略円錐台形をなし、螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する形状に構成されているので、長い放電路が確保され光束の増大と発光効率の向上を図ることができ、十分な明るさをもった照明を行うことができる。
【0073】
特に、特許文献2に示されるような円筒状螺旋形体の場合には、内側に発光した光は発光管自体に閉じこまれる確立が高く、光の利用率が悪いが、本実施例のように発光管が略円錐台形をなしているため、内側に発光した光が閉じこまれることがなく、外側に向けて放射され光の利用率を高めることができる。
【0074】
さらに、電球の根元部に対応する位置に、一対2本の短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状のバルブ4jを有しているので、根元部においても十分な明るさをもって照明が行われる。
【0075】
従来は、一対2本の短放電路部のみで構成されており、根元部Nに暗部が形成され易かったが、本実施例では一対2本の短放電路部4b、4cに加え連接部である略U字形状のバルブ4jを設けているので、根元部Nにおいても十分な明るさをもった照明を行うことができ、電球全体としての輝度むらが発生することがない。
【0076】
特に、略U字形状のバルブ4jは、一対の直管状部4k、4mとこの直管状部に連接される連結部4nからなり、ランプ軸o−oを中心にして短放電路部4b、4cの一対の直線形状のバルブを結ぶ直線a−aと略U字形状のバルブ4jの直管状部を結ぶ直線b−bが略直交するように対向させて配置させたので、それぞれの直線状のバルブが円周方向に対して略90度の角度をもって均等に位置して配置され、根元部の周囲において均一な光を放射することができ、一層輝度むらのない照明を行うことができる。(図3(b))
さらに、本実施例の発光管は、螺旋形部4aが略円錐台形をなし、螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する形状に構成し、この螺旋終端部から、ガラスバルブの両端部4g、4hを下方に向けてほぼ直角に折曲げ、一対2本の短放電路部4b、4cを形成したので、金型を使用したモールド成形によりガラスバルブを螺旋形に成形する際の容易性を向上させることができる。
【0077】
すなわち、例えば、特許文献3に示されるように、「螺旋の中央部分(S1)の内径(D1)は、第1の端部分(S2)より大きい」、換言すれば、「螺旋の下端部の螺旋径が中央部の螺旋径より小さい」場合は、金型であるセグメントが下端部の小径部分から引き出すことができない。このために、金型を2分割に構成し、それぞれを広げた状態でガラスバルブを成形し、成形後に、広げられた金型を螺旋形のバルブの中心に向かって縮小し金型を小さく畳んだ状態で小径な下端部から引き出すための格別な機構および工程が必要となる。
【0078】
これに対し、本実施例の発光管4は、螺旋終端部から、直接、一対2本の短放電路部4b、4cを形成したので、発光管の下端部に小径な螺旋部分がなく、成形、冷却後、螺旋形の発光管を螺旋旋回方向とは逆の方向に単に回転させ、螺合状態を解除する工程のみで金型から発光管を引き出すことができる。このため複雑な金型や、金型を広げたり縮小するための複雑な移動機構およびこれらの格別な工程を経ることなく、簡単な構成および工程でガラスバルブを螺旋形状に容易に成形することができる。
【0079】
以上、本実施例において、発光管4の螺旋形部4aは、外観形状を白熱電球のシルエットに近似させるために螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを形成したが、特許文献2に示すように等しい螺旋径を有する円筒状螺旋形体の螺旋形部で構成し、短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状のバルブ4jを連接するようにしてもよい。
【0080】
略U字形状のバルブ4jは、1本のバルブを屈曲形成して構成したが、一対2本の直管状部4k、4mおよび1本の連結部4nを加熱溶融させ、吹き破り等の手段で連結して略U字形状に構成してよい。
【0081】
略U字形状のバルブ4jは、ランプ軸o−oを中心にして短放電路部4b、4cの一対の直線形状のバルブと、略U字形状のバルブ4jが略直交するように対向させて配置したが、図5の下面図に示すように、略U字形状のバルブ4jを2本または1本設け、それぞれの直線部を結ぶ直線a−aと直線b−bが略平行になるように配置してもよい。
【実施例2】
【0082】
図6〜図10は本発明の第2の実施形態の電球形蛍光ランプL2を示し、図6は正面視の縦断面図、図7は図6における左側面視の縦断面図、図8は変形例を示し、(a)は一部を切り欠いて示す左側面視の縦断面図、(b)は電極の位置を拡大して示す説明図、図9は他の変形例を示し、(a)(b)(c)は製造方法の各工程を示す説明図、図10はさらに他の変形例を示し、一部分を切り欠いて示す要部の断面図である。
【0083】
なお、図6〜図10には実施例1の図1〜図5と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0084】
この第2の実施形態の電球形蛍光ランプL2も、基本的には実施例1の電球形蛍光ランプL1と略同じ構成であるが、本実施形態に示す電球形蛍光ランプL2は、実施例1と同様に構成された径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形の螺旋形部4aと、螺旋形部の下部に、一対2本の短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状のバルブ4jを有し、外側全体の仮想外形が略キノコ形をなす発光管4が、白熱電球など一般照明用電球などに用いられているPS形(Pear shape type)バルブの形状をなし、この発光管4を覆うよう透光性の合成樹脂材料からなるPS形バルブと同形のグローブ6が設けられている。
【0085】
図6、7に従い、さらに詳述すると、ランプL2の定格は12Wで、発光管4は最大径部4iの直径寸法Φ1が50mm、高さ寸法h1が約64mm、最大径部4iの水平中心軸から一対の電極封止端部4s、4tの下面までの高さ寸法h2が約40mm、略U字形状バルブ4jの高さ寸法h3が約43mmで、一対の電極4q、4r間の放電路長は200〜400mmである。
【0086】
また、グローブ6は、例えば透光性のポリカーボネートなどの材料を用い透明または光拡散性を有する乳白色、ここでは乳白色の白熱電球など、一般照明用電球におけるガラス球形状の滑らかな曲面状に形成されている。
【0087】
すなわち、略球状に形成された球状部6aの下端部に、この球状部の直径よりも小径に漸次縮径された略円筒状の根元部6bを一体に形成し、球状部6aはグローブの最大径となる膨出した外径D1が約55mmの最大径部6cを有する。
【0088】
根元部6bは、グローブの下端部に開口端部6dが形成され、この開口端部の縁部がカバー2の開口取付端部2bの内側に嵌合されて、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの耐熱性の接着剤により固定されている。
【0089】
なお、本実施例におけるカバー2の開口取付端部2bは、下方に向けて漸次縮径する逆円錐台状部となして、グローブの下端部を嵌合するように構成する。
【0090】
そして、このグローブ6は、発光管のランプ軸o−oと同軸の中心線上で、図6中左半分6X1と右半分6X2とに縦割りで2分割された等分した形状で、その端面の周縁部に接合部6e、6fが形成される金型を用い成形されたものであって、この成形部材を2個1組として相互の接合部を合致させて構成する。
【0091】
すなわち、このグローブ6が、例えば非分割の一体成形品で形成されている場合には、発光管4の最大径部4iの外径Φ1の方がグローブの開口端部6dの開口径よりも大きいので、この開口端部から発光管を挿入することができない。
【0092】
しかし、このグローブ6はその中心軸o−oで左右に分割されているので、発光管4をホルダ3に支持して設立した後、この発光管の外側を、その両側面からグローブの左、右半分6X1、6X2によりそれぞれ被せ、これら左、右半分6X1、6X2を一体に突き合わせた状態でカバー2に取り付けることができる。
【0093】
グローブ6がポリカーボネート等の透光性樹脂製の場合には、接合部位を超音波溶着によって接合することでグローブの分割体である左、右半分6X1、6X2を一体に突き合わせることができる。
【0094】
なお、グローブ6の外面に、所定形状の図示省略した袋状の熱収縮フィルムを被せ、この熱収縮フィルムを熱収縮させることにより、グローブの左、右半分6X1、6X2同士を一体に結合させることができる。
【0095】
なお、この電球形蛍光ランプL2は、発光管4を取り付けたホルダ3をカバー2に固定し、このカバー2に点灯装置5を取り付けて口金1内に装着固定した後、グローブ6で覆われる。
【0096】
この電球形蛍光ランプL2の寸法は、例えば全長H1(口金1部を含む)が約109mm、膨出した略球形をなす最大径部D1が約55mmである。(図7)
また、この発明が適用できる電球形蛍光ランプL2は、全長H1(口金1部を含む)が110mm以下、膨出した最大径部4iの直径寸法D1が60mm以下のものが好ましい。
【0097】
以上、本実施例の電球形蛍光ランプL2によれば、発光管4は、透光性のグローブ6により覆われているので、白熱電球など一般照明用電球と近似、または同一形状にまで小型化が可能な電球形蛍光ランプが構成される。
【0098】
これにより、白熱電球式照明器具の光源として、白熱電球に代替可能な汎用性を有する電球形蛍光ランプを提供することができ、照明器具への適用率を一層高めることができ、照明器具の白熱電球の代替として用い、省電力、高効率の照明を提供することができる。
【0099】
さらに、乳白色のグローブ6を用いた場合は拡散光が放射されグローブ6の縦方向に形成される接合部6e、6fの陰影は薄く外観上はあまり目立つものではない。なお、グローブ6と発光管4との外形の関係は、グローブ6内壁に発光管4の外面が近接ないしは当接する程度の大きさとすることで発光管4の放電路を長くできる。
【0100】
また、発光管4に膨出した最大径部4iがあるので径小な開口端部6dを有する通常のグローブは最大径部を挿通できず全体を覆うことができなかったが、分割したグローブの左、右半分6X1、6X2を後から接合して組み立て一体化することにより全体を覆うことが可能となった。
【0101】
そして、このようなグローブ付の電球形蛍光ランプの構造とすることによって、グローブ6の組み付けが可能であると共に、その作業も容易であり、清掃に手間を要するガラスバルブ4dに塵埃が付着することを防止し平滑な表面を有するグローブ6の清掃でよいのでメンテナンスも容易で、光束維持特性も良好な発光効率の向上がはかれる電球形蛍光ランプL2を提供することができる。
【0102】
また、ガラスバルブ4dからなる発光管4をグローブ6で覆ってあるので把持がし易く、ソケットに対する着脱が容易で発光管4の破損不良発生を低減できる。
【0103】
その他、実施例1と同様の作用効果を奏するグローブ付の電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0104】
本実施例において、グローブ6を透光性のポリカーボネートなどの合成樹脂材料を用いて構成した場合に、融点がガラスより低く、150℃前後であることから発光管4の電極位置と樹脂グローブ6が近い場合、長期の使用にわたり発光管が寿命末期となって電極の寿命がきたときに、グロー放電等によって一時的に局所的な発熱量が増し、樹脂グローブの一部が変色、変形する恐れがある。
【0105】
この問題は、発光管4の電極4q、4rの設置位置を選定することにより解消することができる。
【0106】
すなわち、図8に示すように、グローブ6の略球状に形成された球状部6aの下端部に、この球状部の直径よりも小径に漸次縮径された曲線部分6gと直線部分6hを含む略円筒状の根元部Nにおいて、曲線部分6gと直線部分6hの境界部分a若しくはa位置より上方の位置b(図8(b)中の斜線範囲の位置)と、略水平となる電極封止端部4s、4t内の位置(電極封止端部からの高さ寸法h4)に、電極4q、4rのフィラメント4yの中心軸線x−xが位置するようにして、曲線部分6gによってグローブ6内壁をフィラメント4yから極力遠ざけるようにする。
【0107】
これにより、樹脂グローブにおける変色、変形の問題を解消することが下記の実験で明らかになった。
【0108】
すなわち、上記のポリカーボネート製のグローブ6を用い、発光管4として管外径約7mmのガラスバルブ4dを使用して上述した図6、7に示す螺旋形状に形成し、電極は電極封止端部4s、4t内の高さ寸法h4が約15mmに、フィラメント4yの中心軸線x−xが位置するように配置した電球形蛍光ランプを試作し、電極の片側エミッター未塗装品を6ピース作成して点灯試験を行った。周囲温度30℃、定格の110Vで点灯した。
【0109】
その結果、発光管4は半波放電、すなわち片側グローで6〜15分点灯したが、樹脂グローブ6の電極近傍部分を含めて変色、変形、溶融は発生しなかった。
【0110】
これにより、寿命末期における部材の変色、変形、溶融等の危険性を防ぐことが可能な、樹脂グローブ付の小型で高効率の電球形蛍光ランプを提供することができた。
【0111】
以上、本実施例において、2分割されたグローブ6の接合は、シリコーン樹脂等の透明で耐熱性を有する接着剤62を介して接合しても、超音波溶着等により結合してもよい。
【0112】
さらに、横方向(水平方向)に2分割してもよい。この場合は、図6に一点鎖線で示すように、グローブの最大径部6cの中心線Oa−Oaを水平分割線として上下に2分割し、上下一対のグローブ6Y1、6Y2を構成してもよい。
【0113】
これによれば、水平分割線が発光管4の最大径部4iの中心線上近傍にあるので、上下一対のグローブ6Y1、6Y2により発光管4の全体を被覆することができる。
【0114】
また、グローブ6は、透光性のポリカーボネートなどの材料を用いて構成したが、ソーダライムガラスなどのガラス材料で構成してもよい。
【0115】
ガラス材料を用いて2分割のグローブを構成する場合には、図9に示す製造方法により、分割されたガラス製の左、右半分6X1、6X2を接合して一体化し、ガラスグローブ付の電球形蛍光ランプL3を構成するようにしてもよい。
【0116】
まず、グローブ6は、ソーダライムガラスを使用して図6、7に示すPS形バルブと同形のグローブ6を構成する。
【0117】
すなわち、発光管4のランプ軸o−oと同軸の中心線上で、図6中左半分6X1と右半分6X2とに縦割りで2分割し等分した形状で、その端面の周縁部に接合部6e、6fが形成できる金型を用いて成形し、この成形部材を2個1組として用意する。
【0118】
バーナーは、PS形バルブと同形のグローブ接合部6e、6fの端面の形状に合わせて環状に形成したパイプバーナー10を用い、パイプの一側面にグローブ接合部6e、6fの端面形状に沿って多数の火炎噴出し孔10a・・・・を形成する。このパイプバーナー10を2台用意し、その火炎噴出し孔10a・・・・が互いに外側に向くように対向させて垂直に設置する。
【0119】
製造に際しては、まず、図9(a)に示すように、上記に設置したパイプバーナーに対し、2分割されたグローブの左、右半分6X1、6X2を、互いの接合部6e、6fがバーナーの火炎噴出し孔10a・・・・に対向するように位置決めしてセットする。
【0120】
次に、2台のパイプバーナー10、10を点火して火炎を噴出し、2分割されたグローブの左、右半分6X1、6X2のそれぞれの接合部6e、6fを短時間加熱し溶融させる。
【0121】
この際、パイプバーナー10、10の火炎噴出し孔10a・・・・は、グローブ接合部6e、6fの端面の形状に沿って形成されているので、グローブの各接合部のみが確実に加熱されて溶融する。
【0122】
次に、図9(b)に示すように、2台のパイプバーナー10、10を移動し、発光管4をグローブの左、右半分6X1、6X2の間にランプ軸o−oが垂直になるように位置決めして配置する。(図9(b))
なお、この発光管4は、すでに別途の工程でホルダ3に支持され、ホルダは点灯装置5が取り付けられたカバー2に固定され、カバーには口金1が組み込まれた状態となっている。
【0123】
次に、図9(c)に示すように対向し離間して配置されているグローブの左、右半分6X1、6X2を発光管4に向かって移動し、半身のグローブの内面に発光管4を包み込むようにして、溶融している互いの接合部6e、6fの端面を突き合わせて一体化する。
【0124】
次に、グローブ6を所定の時間冷却させ、一体化されたグローブ下端の開口端部6dをカバー2の開口取付端部2bの内側に嵌合させ、嵌合した部分にシリコーン樹脂からなる接着剤を塗布して固定する。
【0125】
次に、上記のように一体化されグローブで覆われた状態の発光管4を取り出す。これによりガラスグローブ付の電球形蛍光ランプL3が完成する。
【0126】
以上の各製造工程および2台のパイプバーナー10の点火時間、温度、冷却時間等の管理は、専用マシーンにより自動的に行われる。
【0127】
なお、バーナーは1台で構成し、パイプ両面に火炎噴出し孔を形成し、パイプバーナーの両面から火炎を噴出し、グローブの左、右半分6X1、6X2を、1台で同時に加熱するようにしてもよい。
【0128】
上記製造方法によれば、2分割されたガラスグローブを確実に一体化することができ、また自動化により量産化が可能なガラスグローブ付の電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0129】
特に、グローブとして透光性のポリカーボネート等の合成樹脂を使用することなく、ガラス材を使用することが可能となる。
【0130】
これにより、例えば、ポリカーボネートのような透光性の合成樹脂を用いた場合、融点がガラスより低く、150℃前後であることから、長期の使用にわたり発光管が寿命末期となって電極の寿命がきたときに、グロー放電等によって一時的に局所的な発熱量が増し、樹脂グローブの一部が変色、変形する恐れがある。
【0131】
これに対し、ガラスグローブ6を用いることによりこの問題を解消することが下記の実験で明らかになった。
【0132】
すなわち、上記構成のガラス製のグローブ6を用い、発光管4として管外径約8mmのガラスバルブを使用して上述した図6、7に示す螺旋形状に形成し、電極は上述した位置構成にした電球形蛍光ランプを試作し、電極の片側エミッター未塗装品を6ピース作成して点灯試験を行った。周囲温度30℃、定格の110Vで点灯した。
【0133】
その結果、発光管4は半波放電、すなわち片側グローで6〜15分点灯したが、ガラスグローブ6の電極近傍部分を含めて変色、変形、溶融は発生しなかった。
【0134】
これにより、寿命末期における部材の変色、変形、溶融等の危険性を防ぐことが可能な、ガラスグローブ付の小型で高効率の電球形蛍光ランプを提供することができた。
【0135】
なお、ガラスバルブを用いた本例において、電極は図8(b)の斜線領域よりも下方に位置させてもよい。この場合電極は、合成樹脂からなるホルダ3の基板部3a近傍がが熱的に影響を受けにくくなるように位置させる。
【0136】
また、上述したローブ付の小型で高効率の電球形蛍光ランプにおいて、さらなる高出力化(例えば、白熱電球100W相当品)や、さらなる小型化をすすめるためには、発光管の大幅な温度上昇が懸念され、点灯装置の回路部品、その他の合成樹脂部品等が熱により劣化、短寿命化、さらには発光管の破損等の可能性が生じる恐れがある。
【0137】
特に、本実施例の発光管4は、白熱電球の根元部Aに対応する位置に、一対2本の短放電路部4b、4cおよび略U字形状バルブ4jが集中して設けられることから、根元部における、より一層の温度対策が必要となる。
【0138】
この温度上昇の問題を解消するために、発光管を支持するホルダやカバーを金属で構成するようにしてもよい。
【0139】
すなわち、図10に示すように、カバー2とホルダ3をアルミニウムのダイカストで一体に構成する。
【0140】
カバー2は、下方に向けて漸次縮径する逆円錐台状部と円筒体部を一体に形成したカバー本体2aを有し、カバー本体の上端側に一体に連続してホルダ3を形成する。
【0141】
ホルダ3は、有蓋円筒状に形成され、その蓋体をなす円板状の基板部3aの下面周縁部に、下端側に突出する円筒状の円筒部3bを一体に形成し、この円筒部にカバー本体2aの上端を連続させて一体に構成し、カバー2およびホルダ3の内面に円筒状の空間部を形成し、内面には縦方向に一対の縦溝2d、2dを一体に形成する。
【0142】
一体化されたカバー2およびホルダ3の外周面の略中間部分に、グローブ6の取付端部となる環状の開口取付端部2bを一体に形成し、この開口取付端部2bおよびこの近傍部分が外方に露出するように構成する。
【0143】
さらに、口金1は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂材料により、外面にねじ山を一体に形成して樹脂製のシェル1aを構成し、シェル1a外面のネジ溝に銅、若しくは亜鉛等の導電性の金属をメッキして口金のねじ山1dを構成する。
【0144】
上記に構成した口金1を、カバー本体2aの下端側に、シェル1aの開口端部を嵌合して取り付ける。
【0145】
なお、嵌合した状態で、シリコーン等の耐熱性の接着剤で固定し、シェル1aの回り止めを行うようにしてもよいが、嵌合する面に凹凸形成したり、スリットと凸部を形成してカバー本体2aの下端と、シェル1aの開口端部を互いに係合させて回り止めを行うようにしてもよい。
【0146】
点灯装置5の回路基板5aは、一体化されたカバー2およびホルダ3の空間部の内面に形成された一対の縦溝2d、2d内に、電気絶縁シート等を介在させ絶縁を施して縦方向に嵌入して固定する。
【0147】
なお、口金1にメッキされたねじ山1dは、端子ピン1eによって、またアイレット1cは端子ピン1fによって、それぞれが電気的に絶縁された状態で回路基板5aの入力端子に接続される。
【0148】
上記に構成された電球形蛍光ランプが点灯すると、発光管4の温度が上昇し、グローブ6内の空気を加熱させると共に、特に電極4q、4r近傍の温度が上昇し、グローブ6内の高温の空気と発光管4の両端部からの熱の伝導及び放熱によって、ホルダ3が加熱され温度が上昇する。
【0149】
しかし、ホルダ3およびカバー2がアルミニウムの熱伝導性の良好な金属で構成され、かつ外周面の略中間部分に、グローブ6の取付端部となる環状の開口取付端部2bを一体に形成し、この開口取付端部2bおよびこの近傍部分が外方に露出するように構成したので、温度が上昇したホルダ3は、一体に形成したカバー2の開口取付端部2bおよびこの近傍部分が外気との対流によって熱が奪われ、ホルダおよびカバー全体が冷却される。
【0150】
この際、ホルダ3はカバー2と一体に形成してあり熱の伝導ロスを少なくして効果的に冷却される。
【0151】
その結果、ホルダ3およびカバー2全体の温度が低下し、内部に収納された回路基板5aおよび電子部品5bの温度上昇が抑制される。
【0152】
さらに、アルミニウムは熱の放射率が0.1以下と低いので、ホルダおよびカバーの内面から空間部を介する回路基板5a側への熱放射も低く抑えられる。
【0153】
これにより、発光管4を点灯制御する点灯回路への熱的影響を抑制して電子部品5bの信頼性を高めることができ、より小型で高出力化を実現した電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0154】
さらに、ホルダ3およびカバー2はアルミニウムで構成したので、軽量であり電球形蛍光ランプの重量が重くなることがない。
【0155】
ホルダ3の基板部3aとなる上面がアルミニウムで構成されているため、この面が光の反射面となり、発光管4から下方に向かって放射される光がアルミニウムの上面で上方に反射され、光ロスが発生しない。
【0156】
ホルダ3が合成樹脂の場合、変色と共に樹脂の分解によって発生する劣化物がガスとなりグローブ6内に放出され、グローブ内面に付着することにより光の透過率が低下する問題が発生するが、アルミニウムで構成したので分解して劣化物が発生することがなく、グローブの光の透過率を低下させることがない。
【0157】
なお、ホルダ3およびカバー2をアルミニウムで一体に形成したが、それぞれを別体に構成し、接合して一体化してもよい。
【0158】
若しくは、ホルダ3およびカバー2のいずれか一方をアルミニウムで構成し、他方を合成樹脂で構成するようにしてもよい。
【0159】
また、構成する金属材料は、アルミニウムに限らず、アルミニウムと亜鉛の合金もしくはアルミニウムを含む合金等、熱伝導率が高く安価でかつ軽量な金属であることが好ましいが、銅及び銅を含む合金、鉄及び鉄を含む合金等でもよい。
【0160】
なお、その他、本実施例における他の構成、作動、作用効果、変形例等は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0161】
図11は本発明の第3の実施形態の電球形蛍光ランプを示す図で、(a)は発光管の正面図、(b)はグローブレスの電球形蛍光ランプを示す正面図、(c)はグローブ付の電球形蛍光ランプを示す正面図である。
【0162】
なお、図11には、実施例1の図1〜図5、実施例2の図6〜図10と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0163】
この第3の実施形態の電球形蛍光ランプL4も、基本的には実施例1および実施例2の電球形蛍光ランプL1〜L3と略同じ構成であるが、この電球形蛍光ランプL4は、螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形状の発光管4において、短放電路部4b、4cにより形成される根元部Nの暗部を解消するために、短放電路部4b、4cを構成する一対2本直線形状のバルブを、螺旋形部の旋回軸(ランプ軸o−o)に対し、それぞれ互いが交差するよう傾斜して配置したものである。
【0164】
すなわち、図14に示すように、直線状の短放電路部31、31が互いに平行に配置された場合、直線状の短放電路部31、31の間に、発光管が存在しない縦方向に長い空間sが形成され、根元部Nにおける暗部発生の原因となる。
【0165】
これを解消するために、本実施例では、図11(a)に示すように、短放電路部4b、4cを構成する一対2本直線形状のバルブを、螺旋形部の旋回軸(ランプ軸o−o)に対し、それぞれ互いが交差するように、ねじりながら傾斜させて配置したものである。
【0166】
これにより、発光管が存在しなかった縦方向に長い空間sに直線形状のバルブが傾斜して位置し、さらに長い空間sの中心部に傾斜した直線形状のバルブの交差点xが存在し、根元部Nに暗部が発生することが解消され、明るさを確保して輝度むらのない電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0167】
上記の構成した発光管4は、図11(b)に示すように実施例1と同様にしてグローブレスの電球形蛍光ランプL4を構成することができる。
【0168】
また、図11(c)に示すように実施例2と同様にしてグローブ付の電球形蛍光ランプL5を構成することもできる。
【0169】
また、互いが交差するように傾斜して配置した短放電路部4b、4cに実施例1に示すU字形バルブ4jを付加して明るさをさらに増すようにしてもよい。
【0170】
なお、その他、本実施例における他の構成、作動、作用効果、変形例等は実施例1および実施例2と同様である。
【実施例4】
【0171】
図12は本発明の第4の実施形態の電球形蛍光ランプを示す図で、(a)は発光管の正面図、(b)は発光管の下面図、(c)はグローブレスの電球形蛍光ランプを示す正面図、(d)はグローブ付の電球形蛍光ランプを示す正面図である。
【0172】
なお、図12には、実施例1の図1〜図5、実施例2の図6〜図10、実施例3の図11と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0173】
この第4の実施形態の電球形蛍光ランプL6も、基本的には実施例1、実施例2および実施例3の電球形蛍光ランプ略同じ構成であるが、この電球形蛍光ランプL6は、螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形状の発光管4において、短放電路部4b、4cにより形成される根元部Nの暗部を解消するために、螺旋形部の最大径部4iと平行な状態を保ちながら、この螺旋終端部に連接して螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zを形成し、螺旋形部の最大径部4iの下方を収縮させたものである。
【0174】
すなわち、図12(a)、(b)に示すように、螺旋形部4aの最大径部4iの螺旋終端部に連接して、最終ターン部分全てでなく、約半ターン分を内側に向けて若干曲げて、螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zを形成して、螺旋形部4aの最大径部4iの下方を収縮させた形状となし、この最終ターン部4z、4zに連接してガラスバルブ4dの両端部4g、4hを、ランプ軸o−oに略平行に下方に向けてほぼ直角に折曲げ、螺旋形部4aより放電路が短い略直線形状をなす一対2本の短放電路部4b、4cを形成する。
【0175】
これにより、従来、発光管が存在しなかった縦方向に長い空間sに約半ターン分を内側に向けて曲げ、螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zが位置することにより、根元部Nに暗部が発生することが解消され、輝度むらのない電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0176】
また、根元部Nの暗部を解消して明るさを確保することができると同時に、約半ターン分を内側に向けて曲げ、螺旋径を最大径から5〜20%程度縮径した最終ターン部4z、4zにより放電路を伸ばすことができ、発光効率を向上させることができる。
【0177】
なお、螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zを形成する方法は、先に螺旋形部4aの下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形状の螺旋部を金型を用いて成形しておき、金型から引き出した後に、最終ターン部分をバーナーで焙り、手作業若しくは別途の金型を用いてガラスバルブの両端部4g、4hを、約半ターン分を内側に向けて曲げ、螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zを成形する(θ=150°)。
【0178】
最終ターンは、螺旋バルブの1ターン(360°)以下にすることが好ましく、加工性を考慮するとθ=45〜180°の範囲、最適には90〜160°の範囲内とするのが望ましい。
【0179】
これにより、例えば、特許文献3に示されるよう複雑な金型や移動機構および複雑で格別な工程を経ることなく、簡単な構成および工程でガラスバルブを成形することができ、製造性が容易となる。
【0180】
上記に構成した発光管4は、図12(c)に示すように実施例1と同様にしてグローブレスの電球形蛍光ランプL6を構成することができる。
【0181】
また、図12(d)に示すように実施例2と同様にしてグローブ付の電球形蛍光ランプL7を構成することもできる。
【0182】
この際、発光管4をグローブ6の球状部6aから小径に漸次縮径された曲線部分6gに対し、最終ターン部4z、4zを合わせることが可能となり、グローブ6全体を均一に発光させることができると共に、放電路長を伸ばすことができ発光効率を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0183】
また、最終ターン部4z、4zに連接する短放電路部4b、4cに実施例1に示すU字形バルブ4jを付加して明るさをさらに増すようにしてもよい。
【0184】
なお、その他、本実施例における他の構成、作動、作用効果、変形例等は実施例1、実施例2および実施例3と同様である。
【0185】
以上、上記各実施例に示す電球形蛍光ランプL1〜L7は、例えば図13に示すダウンライトなどの照明器具20の光源として用いられる。この図13は照明器具20を断面して示す説明図で、図において21は器具本体、22はこの本体21内に設けられたE26型などの口金1に対応するソケット、23は反射体で、上記ソケット22に例えば電球形蛍光ランプL2が装着される。
【0186】
電球形蛍光ランプL2は、白熱電球など一般照明用電球と近似、または同一形状をなしているので、器具の配光を一般照明用電球の配光に近似または同一となすことができ、ソケット22近傍の反射体23への光の照射量が充分に確保され、反射体の光学設計とおりの器具特性を得ることができる。
【0187】
また、電球形蛍光ランプL2の発光管の螺旋形部4aが図中下方に向いているので、直下照度を向上させることができる。
【0188】
このように本発明に関わる電球形蛍光ランプは、白熱電球などの一般照明用電球と同じ外形と、より高い発光特性が得られるとともに一般照明用電球を使用する照明器具20に装着できるので各種照明器具への適用率を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】本発明の第1の実施形態の電球形蛍光ランプを示す正面視の縦断面図。
【図2】同じく電球形蛍光ランプの図1における左側面視の縦断面図。
【図3】同じく電球形蛍光ランプの発光管を示し、(a)は正面図、(b)は下面図。
【図4】同じく電球形蛍光ランプのガラスバルブを平面的に展開した説明図。
【図5】同じく電球形蛍光ランプの発光管の変形例を示す下面図。
【図6】本発明の第2の実施形態の電球形蛍光ランプを示す正面視の縦断面図。
【図7】同じく電球形蛍光ランプの図6における左側面視の縦断面図。
【図8】同じく電球形蛍光ランプの変形例を示し、(a)は一部を切り欠いて示す左側面視の縦断面図、(b)は電極の位置を拡大して示す説明図。
【図9】同じく電球形蛍光ランプの他の変形例を示し、(a)(b)(c)は製造方法の各工程を示す説明図。
【図10】同じく電球形蛍光ランプのさらに他の変形例を示し、一部分を切り欠いて示す要部の断面図。
【図11】本発明の第3の実施形態の電球形蛍光ランプを示し、(a)は発光管の正面図、(b)はグローブレスの電球形蛍光ランプを示す正面図、(c)はグローブ付の電球形蛍光ランプを示す正面図。
【図12】本発明の第4の実施形態の電球形蛍光ランプを示し、(a)は発光管の正面図、(b)は発光管の下面図、(c)はグローブレスの電球形蛍光ランプを示す正面図、(d)はグローブ付の電球形蛍光ランプを示す正面図。
【図13】本発明の電球形蛍光ランプを用いた照明器具を断面して示す説明図。
【図14】従来の電球形蛍光ランプを、グローブを断面して示す正面図。
【符号の説明】
【0190】
L1〜L7:電球形蛍光ランプ
o−o:旋回軸(ランプ軸)
1:口金
2:カバー
3:ホルダ
4:発光管
4a:螺旋形部
4b、4c:短放電路部
4d:バルブ
4i:最大径部
4j:連接部(略U字形状のバルブ)
4k、4m:直管状部
4n:連結部
4q、4r:電極
4z、4z:最終ターン部
5:点灯装置
6:グローブ
20:照明器具
21:器具本体
22:ソケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、電球形蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
白熱電球などの一般照明用電球のソケットに装着可能な口金にホルダが設けられ、このホルダにガラス管バルブを曲成して形成した蛍光ランプおよび点灯装置が取付けられると共に、この蛍光ランプをグローブで覆った電球形蛍光ランプが知られている。
【0003】
従来の電球形蛍光ランプは、下記の特許文献1に示されるように、U字形に屈曲されたバルブを有する発光管、一端に口金を取り付け他端側で発光管を支持するカバー、このカバー内に収容される点灯装置、発光管を覆いカバーの他端側に取り付けられるグローブ等を有している。
【0004】
近年では、さらに小型化を図るために、グローブ内の狭い空間内に配置される発光管を螺旋状に屈曲形成して放電路長の増大を図ったものが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
【特許文献1】特開2000−21351号公報
【特許文献2】特開2003−263972号公報
【特許文献3】特開2003−31179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1ないし3などに示されるU字形または螺旋形の発光管を有する電球形蛍光ランプでは、発光管の終端部をカバー内に延在させてカバー内のホルダで支持する構成のため、カバーが大型化する問題が生じる。
【0006】
特に、このカバーが大型化すると、白熱電球など一般照明用電球のシルエットに近似させる際に、白熱電球の細い根元部に対応する部分が太くなり、白熱電球に置き換えて使用することを目的とした電球形蛍光ランプの小型化のための最大の課題となっている。
【0007】
さらに、カバーは発光管の光を透過させないために発光しない部分であり、発光管を支持するホルダの幅寸法が大きいとホルダの方向に照射された光が十分に反射されずに損失となり発光効率が低下し易くなる問題がある。
【0008】
これに対し、図14に示す電球形蛍光ランプが提案されている。この電球形蛍光ランプは、螺旋形部30に連接して直線状の放電路31、31を形成してホルダ32に支持されているので、根元部Nを細く形成することができ、白熱電球の細い根元部に近似させる形状に構成することができる。しかしこの螺旋形部30に連接した直線状の放電路31、31は、放電路が短いので十分な明るさを確保できない等、改善の余地があった。
【0009】
本発明は、上記課題に対処するためになされたもので、放電路長の増大を図れると共に、根元部を細く形成することができ、さらに輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に記載の電球形蛍光ランプは、口金と;この口金に設けられたホルダと;ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが螺旋形部、この螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部および螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部を有して構成されてなる発光管と;上記ホルダに取付けられた点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、バルブは螺旋形部を有することにより放電路長の増大を図れると共に、螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部により根元部を細く形成することができ、さらに螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部を有することにより根元部の明るさを確保して輝度むらを解消することが可能となる。
【0012】
本発明において、螺旋形部は、外観形状を白熱電球のシルエットに近似させるために径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形が好ましいが、例えば、特許文献2に示されるような等しい螺旋径を有する円筒状螺旋形体であってもよい。
【0013】
短放電路部は、1本または一対2本等、複数本のバルブで構成しても、さらに直線形状または曲線状のバルブから構成しても、これら直線状または曲線状のバルブを螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように配置してもよい。
【0014】
さらに、短放電路部は、螺旋形部に直接連接されて形成されても、径大な螺旋径に連接して螺旋径が縮径された最終ターン部を形成し、この最終ターンを介して螺旋形部に連接されるものであってもよい。
【0015】
短放電路部に接続される連接部は、1本の直管状部と1本の連接部からなる略J字形状に構成しても、さらには一対2本の直管状部と、これら直管状部の一端部を連接した1本の連結部からなる略U字形状や略V字形状に構成してもよい。
【0016】
また、連接部は、1本のバルブを屈曲形成して構成しても、個々に独立して構成された直管状部および連結部を加熱溶融させ、吹き破り等の手段で連接し、所望の形状に構成するようにしてもよい。
【0017】
短放電路部と連接部、例えば、一対の直線形状のバルブからなる短放電路部と、一対の直管状部を両端に有する略U字形状のバルブからなる連接部は、ランプ軸を中心にして短放電路部の一対の直線形状のバルブを結ぶ直線と略U字形状の連接部の直管状部を結ぶ直線が略直交するように対向させて配置することが好ましいが、それぞれの直線が略平行になるように配置してもよい。
【0018】
請求項2に記載の電球形蛍光ランプは、請求項1に記載の電球形蛍光ランプにおいて、前記発光管の短放電路部は一対の直線形状のバルブからなり、連接部は一対の直管状部を両端に有する略U字形状のバルブからなり、ランプ軸を中心にして短放電路部の一対の直線形状のバルブを結ぶ直線と略U字形状の連接部の直管状部を結ぶ直線が略直交するように対向させて配置したことを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の電球形蛍光ランプは、口金と;この口金に設けられたホルダと;ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形部およびこの螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように一対の直線形状のバルブが螺旋形部に連接されてなる螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を有して構成された発光管と;上記ホルダに取付けられた点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の電球形蛍光ランプは、口金と;この口金に設けられたホルダと;ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが径大な螺旋径を少なくとも一部に有し、この径大な螺旋径に連接して螺旋径が縮径された最終ターン部を形成した螺旋形部およびこの螺旋形部の最終ターンに連接され螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を備えた発光管と;上記ホルダに取付けられた点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし4のいずれか一記載の電球形蛍光ランプにおいて、前記発光管は、透光性のグローブにより覆われていることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、発光管は、透光性のグローブにより覆われているので、白熱電球など一般照明用電球と近似、または同一形状にまで小型化が可能な電球形蛍光ランプが構成される。
【0023】
このグローブにより所望の配光分布特性を得たり、バルブの外力からの衝撃や塵埃付着からの保護およびガラス管に比べ形状や材質が把持など取り扱い易い作用を有する。
【0024】
グローブの形状は、白熱電球など一般照明用電球のバルブと同じ外観形状を有するA形、S形、PS形などの通常涙滴形と呼ばれている形状やG形の球形をなすバルブと、同形ないしは略同形をなす類似形状である。また、このグローブ内に配設されるバルブの連続した仮想外形は、このグローブと略同形の涙滴形ないしは球形をなすグローブ内面に沿って折り返されることでU字管を接続して組合わせた従来のバルブよりも比較的長い放電路が得られるので発光効率が向上する。
【0025】
グローブは、透光性の合成樹脂やガラスなどの材料で作られ、要求される特性に応じ無色透明、着色または拡散などの手段が施されていてもよく、配光特性向上のためグローブなど、一部に反射膜などの反射手段が形成されていてもよい。
【0026】
請求項6に記載の照明器具は、ソケットが設けられた器具本体と;この器具本体のソケットに装着された請求項1ないし5のいずれか一記載の電球形蛍光ランプと;を具備していることを特徴とする。
【0027】
本発明の照明器具は、上記請求項1ないし6のいずれか一記載の電球形蛍光ランプを用いているので、器具の配光を白熱電球など一般照明用電球の配光に近似または同一となすことができる。
【0028】
器具本体は天井直付形、天井吊下形または壁面取付形などであって、本体に制光体としてグローブ、セード、反射体などが取付けられるものであっても、蛍光ランプが露出するものであってもよい。
【0029】
また、照明器具は器具本体に1個の電球形蛍光ランプを取付けたものに限らず、複数個の蛍光ランプが配設されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0030】
請求項1記載の発明によれば、螺旋形部、この螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部および螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部を有して構成されてなる発光管により、放電路長の増大を図れると共に、根元部を細く形成することができ、さらに輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、ランプ軸を中心にして短放電路部の一対の直線形状のバルブを結ぶ直線と略U字形状の連接部の直管状部を結ぶ直線が略直交するように対向させて配置したことにより、簡単な構成により確実に輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形部およびこの螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように一対の直線形状のバルブが螺旋形部に連接されてなる螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を有して構成された発光管により、放電路長の増大を図れると共に、根元部を細く形成することができ、さらに螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように一対の直線形状のバルブが螺旋形部に連接された短放電路部により輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0033】
請求項4記載の発明によれば、径大な螺旋径を少なくとも一部に有し、この径大な螺旋径に連接して螺旋径が縮径された最終ターン部を形成した螺旋形部およびこの螺旋形部の最終ターンに連接され螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を備えた発光管により、放電路長の増大を図れると共に、根元部を細く形成することができ、さらに螺旋径が縮径された最終ターン部により輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0034】
請求項5記載の発明によれば、発光管は、透光性のグローブにより覆われていることにより、白熱電球など一般照明用電球と近似、または同一形状にまで小型化が可能となり、白熱電球式照明器具の光源として、白熱電球に代替可能な汎用性を有する電球形蛍光ランプを提供することができ、各種照明器具への適用率を一層高めることができる。
【0035】
また、グローブの形成により所望の配光分布特性を得たり、バルブの外力からの衝撃や塵埃付着からの保護がなされ、バルブ強度および発光効率や光束維持特性の向上がはかれる電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0036】
請求項6記載の発明によれば、照明器具は、請求項1ないし5のいずれか一記載の輝度むらを解消することが可能な電球形蛍光ランプを用いているので、器具の配光を白熱電球など一般照明用電球の配光に近似または同一となすことができ、照明器具内に配置されたソケット近傍の反射体への光の照射量が充分に確保され、反射体の光学設計とおりの器具特性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下本発明に係る電球形蛍光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた照明器具の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0038】
本発明の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。図1〜図5は第1の実施形態を示す電球形蛍光ランプで、図1は正面視の縦断面図、図2は図1における左側面視の縦断面図、図3は発光管を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、図4は発光管のガラスバルブを平面的に展開した説明図、図5は発光管の変形例を示す下面図である。
【0039】
本実施例は、例えば定格ランプ電力が12Wの電球形蛍光ランプL1で、E型と呼ばれるねじ込み形の口金1、この口金に一端側を接着剤や、かしめなどの手段で固定されたカバー2、このカバー内に固定されたホルダ3、ホルダに支持され蛍光ランプを構成する発光管4、カバー2内に設けられた点灯装置5などからなる。
【0040】
なお、以下、本実施例を含め、各実施例において発光管4を上側、口金1を下側にして説明する。
【0041】
この発光管4は、上部に形成された螺旋形部4aと、下部に形成された直線形状をなす一対2本の短放電路部4b、4cとを有し、これらを一体に連接して構成する。
【0042】
螺旋形部4aは、管外径が6〜9mm、例えば、8.5mmの直状円管状のガラスバルブ4dを、ほぼ等分の2つ折りに折曲し、その等分位置の折返し部4fを頂端として、図示しない金型に巻き付けて、異なる径の重ね合わせで、同心軸上に広がりをもった略円錐台形状の2重螺旋形にモールド成形する。
【0043】
より詳細には、図4に示すように螺旋形部4aは、ガラスバルブ4dの一方の端部4gから螺旋形部の旋回軸o−o(以下「ランプ軸o−o」と称する)回りに螺旋径を順次縮小し旋回しながら上方の頂端である折返し部4fに至る第1の旋回部Aと、この折返し部4fの他端から旋回軸o−o回りに螺旋径を順次拡大し旋回しながら他方の端部4hに至る第2の旋回部Bとを有する2重螺旋形状を有するように、例えば、ほぼ2周旋回(ターン数)している。(図3)
これにより、螺旋形部4aは、外側の仮想形状が略円錐台形をなし、螺旋形部には、その下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する形状に構成され、かつこれら螺旋形状により放電路が長い長放電路を有して形成される。
【0044】
さらに、2重螺旋形状の螺旋終端部から、ガラスバルブ4dの両端部4g、4hを、ランプ軸o−oに略平行に下方に向けてほぼ直角に折曲げ、螺旋形部4aより放電路が短い略直線形状をなす一対2本の短放電路部4b、4cを形成する。
【0045】
さらに、一対2本の対向する短放電路部4b、4cの間に、略U字形状のバルブ4jを対向させて配置する。
【0046】
すなわち、図3に示すように略U字形状のバルブ4jは、本発明の連接部を構成するもので、螺旋形部4aと同じ管外径を有する1本のガラスバルブ4dを屈曲形成した一対2本の直管状部4k、4mと、この直管状部の両端を連結する1本の連結部4nからなり、ランプ軸o−oを中心にして一対の短放電路部4b、4cの直線形状のバルブを結ぶ直線a−aと略U字形状のバルブ4jの直管状部4k、4mを結ぶ直線b−bが略直交するように対向させて配置する。(図3(b))
なお、一方の短放電路部4cの端部と、略U字形状バルブ4jの一方の直管状部4mの下端とをガラス管からなる連結管4pを溶融および吹き破り等の手段により気密に連通させ、ガラスバルブ4dの短放電路部4b〜螺旋形部4a〜短放電路部4c〜連結管4p〜略U字形状のバルブ4jの直管状部4m〜連結部4n〜直管状部4kに至る、より一層長い1本の連通した放電路が形成される。(図4の展開図)
上記に構成されたガラスバルブ4dの両端部となる、短放電路部4bの端部4gと、略U字形状バルブ4jの直管状部4kの端部4h´に一対の電極4q、4rを、それぞれ封装して電極封止端部4s、4tを形成する。
【0047】
一対の電極4q、4rは、例えばタングステン製のフィラメントコイル電極が使用されており、例えばビーズガラスにより仮止めされた状態でガラスバルブ4d両端部の電極封止端部4s、4tに封着される。
【0048】
ガラスバルブ4dは、その内面に希土類等の蛍光体膜をほぼ全長に亘って形成し、内部にはアルゴンやクリプトン等の放電媒体が封入されており、一対の電極封止端部4s、4tの下面には、その内部に連通する細管4u、4vが突設され、細管内には水銀またはアマルガムが収容されている。
【0049】
なお、螺旋形部4aの頂端である折返し部4fは、そのガラスバルブ直径を第1、第2の旋回部A、Bの直径よりも大径の膨出部に形成し、この膨出部に最冷部を形成するようにしてもよい。
【0050】
上記により、径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形の螺旋形部4aと、螺旋形部の下部、換言すれば、白熱電球の根元部Nに対応する位置に、一対2本の短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状バルブ4jを有し、外側全体の仮想外形が略キノコ形をなす発光管4が構成される。
【0051】
このように構成された発光管4の具体構成の一例は、次の通りである。(図3)
すなわち、発光管の最大径部4iの直径寸法Φ1が約55mm、高さ寸法h1が約64mm、最大径部4iの水平中心軸から一対の電極封止端部4s、4tの下面までの高さ寸法h2が約40mm、連接部である略U字形状バルブ4jの高さ寸法h3が約43mmである。
【0052】
一対の電極4q、4r間の放電路長は200〜400mmであり、ガラスバルブ4dの管外径に応じて相違する。例えばガラスバルブの管外径が8mmのとき、放電路長が350mm、管外径が9mmのとき放電路長が320mmである。
【0053】
上記のように構成された略キノコ形をなす発光管4は、口金1に固定されたカバー2内のホルダ3に支持される。
【0054】
口金1は、図1、2に示すように、エジソンタイプのE26形などで、ねじ山を備えた筒状のシェル1a、このシェルの一端側の頂部に絶縁部1bを介して設けられたアイレット1cを備えている。
【0055】
シェル1aは銅板等の導電性の金属で構成され、その他端側をカバー2の一端部に被せてシリコーン樹脂等の耐熱性の接着剤またはかしめなどの手段により固定されている。
【0056】
カバー2は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂材料により開口部と円筒体部を一体に形成したカバー本体2aを有し、カバー本体の下端側に口金1のシェル1aが取り付けられ、カバー本体の上端側には、取付端部である環状の開口取付端部2bが形成されている。
【0057】
この開口取付端部2b内には、カバー本体2aの開口部と円筒体部との連結部内側の環状凸状段部2c上にて、ホルダ3の開口部の開口下端を載置して固着している。
【0058】
すなわち、ホルダ3は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂材料により有蓋円筒状に形成され、その蓋体をなす円板状の基板部3aの下面周縁部に、下端側に突出する円筒状の円筒部3bを一体に形成し、この円筒部の開口下端を、カバー本体の環状凸状段部2c上に載置して、シリコーン樹脂等の耐熱性の接着剤により固着している。
【0059】
ホルダ3は、基板部3a上に発光管4を載置させて支持する。すなわち、略キノコ形をなす発光管4の螺旋形部4aの根元部Nに対応する位置に設けられた一対2本の短放電路部4b、4cおよび略U字形状バルブ4jの下端部を載置させて支持する凹部と、これら発光管の下端部同士の間隙内に突出して、その径方向のずれを規制する筒状突部3cを突設している。
【0060】
さらに基板部3aには、その筒状突部3cの外側に挿通孔をそれぞれ形成し、これら挿通孔には、発光管4の一対の電極封止端部4s、4tからその外方に突出する細管4u、4vと図3に示すアウターワイヤ4w、4xをそれぞれ挿通させ、シリコーン樹脂等の耐熱性の接着剤により固着させ、ホルダ3の基板部3a上に発光管4を固定して支持する。
【0061】
なお、これらカバー2とホルダ3は別体に構成したが、合成樹脂により一体に形成してもよい。
【0062】
点灯装置5は、図1、2に示すように、発光管4を点灯制御するための点灯回路パターンを形成した回路基板5aを、縦方向にして口金1内面の一対の縦溝2d、2d内に嵌入し固定している。
【0063】
すなわち、口金1内のカバー2内面に、その直径方向で対向する一対の縦溝2d、2dを口金の軸方向に形成し、この縦溝内に回路基板5aを縦方向にして幅方向両側縁部を嵌入させて固定している。
【0064】
回路基板5aには、片面または両面に回路パターンが形成され、その実装面には、電解コンデンサ等のリード部品やトランジスタ等のチップ部品等、点灯回路を構成するための複数の電子部品5b・・・が実装されている。
【0065】
上記により、点灯装置5をE26形口金内に内蔵し、略キノコ形の螺旋形の発光管4を有し、定格ランプ電力が12Wのグローブレスの電球形蛍光ランプL1が構成される。
【0066】
この電球形蛍光ランプL1の寸法は、例えば全長H1(口金1部を含む)が約109mm、最大径部Φ1が約55mmである。(図2)
なお、この発明が適用できる電球形蛍光ランプL1は、全長H1(口金1部を含む)が110mm以下、膨出した最大径部Φ1が60mm以下のものが好ましい。
【0067】
そして、この電球形蛍光ランプL1は、略キノコ形の発光管4からなるガラスバルブ4d部分を把持して廻すことにより、白熱電球等が装着されるE26形口金対応のソケットへの着脱が行なわれて点灯される。
【0068】
以上、この電球形蛍光ランプL1によれば、白熱電球など一般照明用電球に近似した外観を有する小型で高効率の電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0069】
特に、発光管4は、径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形の螺旋形部4aと、螺旋形部の下部に一対2本の短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状バルブ4jを有し、より一層長い1本の連通した放電路が形成されるので、発光効率を飛躍的に向上させることができる。
【0070】
これにより、白熱電球式照明器具の光源として、白熱電球に代替可能な汎用性を有する電球形蛍光ランプを提供することができ、照明器具への適用率を一層高めることができ、照明器具の白熱電球の代替として用い、省電力、高効率の照明を提供することができる。
【0071】
さらに、外側全体の仮想外形が、略キノコ形をなす発光管4が発光することにより白熱電球のシルエットに近似した配光をもった照明を行うことができる。
【0072】
さらに、電球の中心部分となる発光管4の螺旋形部4aは、略円錐台形をなし、螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する形状に構成されているので、長い放電路が確保され光束の増大と発光効率の向上を図ることができ、十分な明るさをもった照明を行うことができる。
【0073】
特に、特許文献2に示されるような円筒状螺旋形体の場合には、内側に発光した光は発光管自体に閉じこまれる確立が高く、光の利用率が悪いが、本実施例のように発光管が略円錐台形をなしているため、内側に発光した光が閉じこまれることがなく、外側に向けて放射され光の利用率を高めることができる。
【0074】
さらに、電球の根元部に対応する位置に、一対2本の短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状のバルブ4jを有しているので、根元部においても十分な明るさをもって照明が行われる。
【0075】
従来は、一対2本の短放電路部のみで構成されており、根元部Nに暗部が形成され易かったが、本実施例では一対2本の短放電路部4b、4cに加え連接部である略U字形状のバルブ4jを設けているので、根元部Nにおいても十分な明るさをもった照明を行うことができ、電球全体としての輝度むらが発生することがない。
【0076】
特に、略U字形状のバルブ4jは、一対の直管状部4k、4mとこの直管状部に連接される連結部4nからなり、ランプ軸o−oを中心にして短放電路部4b、4cの一対の直線形状のバルブを結ぶ直線a−aと略U字形状のバルブ4jの直管状部を結ぶ直線b−bが略直交するように対向させて配置させたので、それぞれの直線状のバルブが円周方向に対して略90度の角度をもって均等に位置して配置され、根元部の周囲において均一な光を放射することができ、一層輝度むらのない照明を行うことができる。(図3(b))
さらに、本実施例の発光管は、螺旋形部4aが略円錐台形をなし、螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する形状に構成し、この螺旋終端部から、ガラスバルブの両端部4g、4hを下方に向けてほぼ直角に折曲げ、一対2本の短放電路部4b、4cを形成したので、金型を使用したモールド成形によりガラスバルブを螺旋形に成形する際の容易性を向上させることができる。
【0077】
すなわち、例えば、特許文献3に示されるように、「螺旋の中央部分(S1)の内径(D1)は、第1の端部分(S2)より大きい」、換言すれば、「螺旋の下端部の螺旋径が中央部の螺旋径より小さい」場合は、金型であるセグメントが下端部の小径部分から引き出すことができない。このために、金型を2分割に構成し、それぞれを広げた状態でガラスバルブを成形し、成形後に、広げられた金型を螺旋形のバルブの中心に向かって縮小し金型を小さく畳んだ状態で小径な下端部から引き出すための格別な機構および工程が必要となる。
【0078】
これに対し、本実施例の発光管4は、螺旋終端部から、直接、一対2本の短放電路部4b、4cを形成したので、発光管の下端部に小径な螺旋部分がなく、成形、冷却後、螺旋形の発光管を螺旋旋回方向とは逆の方向に単に回転させ、螺合状態を解除する工程のみで金型から発光管を引き出すことができる。このため複雑な金型や、金型を広げたり縮小するための複雑な移動機構およびこれらの格別な工程を経ることなく、簡単な構成および工程でガラスバルブを螺旋形状に容易に成形することができる。
【0079】
以上、本実施例において、発光管4の螺旋形部4aは、外観形状を白熱電球のシルエットに近似させるために螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを形成したが、特許文献2に示すように等しい螺旋径を有する円筒状螺旋形体の螺旋形部で構成し、短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状のバルブ4jを連接するようにしてもよい。
【0080】
略U字形状のバルブ4jは、1本のバルブを屈曲形成して構成したが、一対2本の直管状部4k、4mおよび1本の連結部4nを加熱溶融させ、吹き破り等の手段で連結して略U字形状に構成してよい。
【0081】
略U字形状のバルブ4jは、ランプ軸o−oを中心にして短放電路部4b、4cの一対の直線形状のバルブと、略U字形状のバルブ4jが略直交するように対向させて配置したが、図5の下面図に示すように、略U字形状のバルブ4jを2本または1本設け、それぞれの直線部を結ぶ直線a−aと直線b−bが略平行になるように配置してもよい。
【実施例2】
【0082】
図6〜図10は本発明の第2の実施形態の電球形蛍光ランプL2を示し、図6は正面視の縦断面図、図7は図6における左側面視の縦断面図、図8は変形例を示し、(a)は一部を切り欠いて示す左側面視の縦断面図、(b)は電極の位置を拡大して示す説明図、図9は他の変形例を示し、(a)(b)(c)は製造方法の各工程を示す説明図、図10はさらに他の変形例を示し、一部分を切り欠いて示す要部の断面図である。
【0083】
なお、図6〜図10には実施例1の図1〜図5と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0084】
この第2の実施形態の電球形蛍光ランプL2も、基本的には実施例1の電球形蛍光ランプL1と略同じ構成であるが、本実施形態に示す電球形蛍光ランプL2は、実施例1と同様に構成された径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形の螺旋形部4aと、螺旋形部の下部に、一対2本の短放電路部4b、4cおよび連接部である略U字形状のバルブ4jを有し、外側全体の仮想外形が略キノコ形をなす発光管4が、白熱電球など一般照明用電球などに用いられているPS形(Pear shape type)バルブの形状をなし、この発光管4を覆うよう透光性の合成樹脂材料からなるPS形バルブと同形のグローブ6が設けられている。
【0085】
図6、7に従い、さらに詳述すると、ランプL2の定格は12Wで、発光管4は最大径部4iの直径寸法Φ1が50mm、高さ寸法h1が約64mm、最大径部4iの水平中心軸から一対の電極封止端部4s、4tの下面までの高さ寸法h2が約40mm、略U字形状バルブ4jの高さ寸法h3が約43mmで、一対の電極4q、4r間の放電路長は200〜400mmである。
【0086】
また、グローブ6は、例えば透光性のポリカーボネートなどの材料を用い透明または光拡散性を有する乳白色、ここでは乳白色の白熱電球など、一般照明用電球におけるガラス球形状の滑らかな曲面状に形成されている。
【0087】
すなわち、略球状に形成された球状部6aの下端部に、この球状部の直径よりも小径に漸次縮径された略円筒状の根元部6bを一体に形成し、球状部6aはグローブの最大径となる膨出した外径D1が約55mmの最大径部6cを有する。
【0088】
根元部6bは、グローブの下端部に開口端部6dが形成され、この開口端部の縁部がカバー2の開口取付端部2bの内側に嵌合されて、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの耐熱性の接着剤により固定されている。
【0089】
なお、本実施例におけるカバー2の開口取付端部2bは、下方に向けて漸次縮径する逆円錐台状部となして、グローブの下端部を嵌合するように構成する。
【0090】
そして、このグローブ6は、発光管のランプ軸o−oと同軸の中心線上で、図6中左半分6X1と右半分6X2とに縦割りで2分割された等分した形状で、その端面の周縁部に接合部6e、6fが形成される金型を用い成形されたものであって、この成形部材を2個1組として相互の接合部を合致させて構成する。
【0091】
すなわち、このグローブ6が、例えば非分割の一体成形品で形成されている場合には、発光管4の最大径部4iの外径Φ1の方がグローブの開口端部6dの開口径よりも大きいので、この開口端部から発光管を挿入することができない。
【0092】
しかし、このグローブ6はその中心軸o−oで左右に分割されているので、発光管4をホルダ3に支持して設立した後、この発光管の外側を、その両側面からグローブの左、右半分6X1、6X2によりそれぞれ被せ、これら左、右半分6X1、6X2を一体に突き合わせた状態でカバー2に取り付けることができる。
【0093】
グローブ6がポリカーボネート等の透光性樹脂製の場合には、接合部位を超音波溶着によって接合することでグローブの分割体である左、右半分6X1、6X2を一体に突き合わせることができる。
【0094】
なお、グローブ6の外面に、所定形状の図示省略した袋状の熱収縮フィルムを被せ、この熱収縮フィルムを熱収縮させることにより、グローブの左、右半分6X1、6X2同士を一体に結合させることができる。
【0095】
なお、この電球形蛍光ランプL2は、発光管4を取り付けたホルダ3をカバー2に固定し、このカバー2に点灯装置5を取り付けて口金1内に装着固定した後、グローブ6で覆われる。
【0096】
この電球形蛍光ランプL2の寸法は、例えば全長H1(口金1部を含む)が約109mm、膨出した略球形をなす最大径部D1が約55mmである。(図7)
また、この発明が適用できる電球形蛍光ランプL2は、全長H1(口金1部を含む)が110mm以下、膨出した最大径部4iの直径寸法D1が60mm以下のものが好ましい。
【0097】
以上、本実施例の電球形蛍光ランプL2によれば、発光管4は、透光性のグローブ6により覆われているので、白熱電球など一般照明用電球と近似、または同一形状にまで小型化が可能な電球形蛍光ランプが構成される。
【0098】
これにより、白熱電球式照明器具の光源として、白熱電球に代替可能な汎用性を有する電球形蛍光ランプを提供することができ、照明器具への適用率を一層高めることができ、照明器具の白熱電球の代替として用い、省電力、高効率の照明を提供することができる。
【0099】
さらに、乳白色のグローブ6を用いた場合は拡散光が放射されグローブ6の縦方向に形成される接合部6e、6fの陰影は薄く外観上はあまり目立つものではない。なお、グローブ6と発光管4との外形の関係は、グローブ6内壁に発光管4の外面が近接ないしは当接する程度の大きさとすることで発光管4の放電路を長くできる。
【0100】
また、発光管4に膨出した最大径部4iがあるので径小な開口端部6dを有する通常のグローブは最大径部を挿通できず全体を覆うことができなかったが、分割したグローブの左、右半分6X1、6X2を後から接合して組み立て一体化することにより全体を覆うことが可能となった。
【0101】
そして、このようなグローブ付の電球形蛍光ランプの構造とすることによって、グローブ6の組み付けが可能であると共に、その作業も容易であり、清掃に手間を要するガラスバルブ4dに塵埃が付着することを防止し平滑な表面を有するグローブ6の清掃でよいのでメンテナンスも容易で、光束維持特性も良好な発光効率の向上がはかれる電球形蛍光ランプL2を提供することができる。
【0102】
また、ガラスバルブ4dからなる発光管4をグローブ6で覆ってあるので把持がし易く、ソケットに対する着脱が容易で発光管4の破損不良発生を低減できる。
【0103】
その他、実施例1と同様の作用効果を奏するグローブ付の電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0104】
本実施例において、グローブ6を透光性のポリカーボネートなどの合成樹脂材料を用いて構成した場合に、融点がガラスより低く、150℃前後であることから発光管4の電極位置と樹脂グローブ6が近い場合、長期の使用にわたり発光管が寿命末期となって電極の寿命がきたときに、グロー放電等によって一時的に局所的な発熱量が増し、樹脂グローブの一部が変色、変形する恐れがある。
【0105】
この問題は、発光管4の電極4q、4rの設置位置を選定することにより解消することができる。
【0106】
すなわち、図8に示すように、グローブ6の略球状に形成された球状部6aの下端部に、この球状部の直径よりも小径に漸次縮径された曲線部分6gと直線部分6hを含む略円筒状の根元部Nにおいて、曲線部分6gと直線部分6hの境界部分a若しくはa位置より上方の位置b(図8(b)中の斜線範囲の位置)と、略水平となる電極封止端部4s、4t内の位置(電極封止端部からの高さ寸法h4)に、電極4q、4rのフィラメント4yの中心軸線x−xが位置するようにして、曲線部分6gによってグローブ6内壁をフィラメント4yから極力遠ざけるようにする。
【0107】
これにより、樹脂グローブにおける変色、変形の問題を解消することが下記の実験で明らかになった。
【0108】
すなわち、上記のポリカーボネート製のグローブ6を用い、発光管4として管外径約7mmのガラスバルブ4dを使用して上述した図6、7に示す螺旋形状に形成し、電極は電極封止端部4s、4t内の高さ寸法h4が約15mmに、フィラメント4yの中心軸線x−xが位置するように配置した電球形蛍光ランプを試作し、電極の片側エミッター未塗装品を6ピース作成して点灯試験を行った。周囲温度30℃、定格の110Vで点灯した。
【0109】
その結果、発光管4は半波放電、すなわち片側グローで6〜15分点灯したが、樹脂グローブ6の電極近傍部分を含めて変色、変形、溶融は発生しなかった。
【0110】
これにより、寿命末期における部材の変色、変形、溶融等の危険性を防ぐことが可能な、樹脂グローブ付の小型で高効率の電球形蛍光ランプを提供することができた。
【0111】
以上、本実施例において、2分割されたグローブ6の接合は、シリコーン樹脂等の透明で耐熱性を有する接着剤62を介して接合しても、超音波溶着等により結合してもよい。
【0112】
さらに、横方向(水平方向)に2分割してもよい。この場合は、図6に一点鎖線で示すように、グローブの最大径部6cの中心線Oa−Oaを水平分割線として上下に2分割し、上下一対のグローブ6Y1、6Y2を構成してもよい。
【0113】
これによれば、水平分割線が発光管4の最大径部4iの中心線上近傍にあるので、上下一対のグローブ6Y1、6Y2により発光管4の全体を被覆することができる。
【0114】
また、グローブ6は、透光性のポリカーボネートなどの材料を用いて構成したが、ソーダライムガラスなどのガラス材料で構成してもよい。
【0115】
ガラス材料を用いて2分割のグローブを構成する場合には、図9に示す製造方法により、分割されたガラス製の左、右半分6X1、6X2を接合して一体化し、ガラスグローブ付の電球形蛍光ランプL3を構成するようにしてもよい。
【0116】
まず、グローブ6は、ソーダライムガラスを使用して図6、7に示すPS形バルブと同形のグローブ6を構成する。
【0117】
すなわち、発光管4のランプ軸o−oと同軸の中心線上で、図6中左半分6X1と右半分6X2とに縦割りで2分割し等分した形状で、その端面の周縁部に接合部6e、6fが形成できる金型を用いて成形し、この成形部材を2個1組として用意する。
【0118】
バーナーは、PS形バルブと同形のグローブ接合部6e、6fの端面の形状に合わせて環状に形成したパイプバーナー10を用い、パイプの一側面にグローブ接合部6e、6fの端面形状に沿って多数の火炎噴出し孔10a・・・・を形成する。このパイプバーナー10を2台用意し、その火炎噴出し孔10a・・・・が互いに外側に向くように対向させて垂直に設置する。
【0119】
製造に際しては、まず、図9(a)に示すように、上記に設置したパイプバーナーに対し、2分割されたグローブの左、右半分6X1、6X2を、互いの接合部6e、6fがバーナーの火炎噴出し孔10a・・・・に対向するように位置決めしてセットする。
【0120】
次に、2台のパイプバーナー10、10を点火して火炎を噴出し、2分割されたグローブの左、右半分6X1、6X2のそれぞれの接合部6e、6fを短時間加熱し溶融させる。
【0121】
この際、パイプバーナー10、10の火炎噴出し孔10a・・・・は、グローブ接合部6e、6fの端面の形状に沿って形成されているので、グローブの各接合部のみが確実に加熱されて溶融する。
【0122】
次に、図9(b)に示すように、2台のパイプバーナー10、10を移動し、発光管4をグローブの左、右半分6X1、6X2の間にランプ軸o−oが垂直になるように位置決めして配置する。(図9(b))
なお、この発光管4は、すでに別途の工程でホルダ3に支持され、ホルダは点灯装置5が取り付けられたカバー2に固定され、カバーには口金1が組み込まれた状態となっている。
【0123】
次に、図9(c)に示すように対向し離間して配置されているグローブの左、右半分6X1、6X2を発光管4に向かって移動し、半身のグローブの内面に発光管4を包み込むようにして、溶融している互いの接合部6e、6fの端面を突き合わせて一体化する。
【0124】
次に、グローブ6を所定の時間冷却させ、一体化されたグローブ下端の開口端部6dをカバー2の開口取付端部2bの内側に嵌合させ、嵌合した部分にシリコーン樹脂からなる接着剤を塗布して固定する。
【0125】
次に、上記のように一体化されグローブで覆われた状態の発光管4を取り出す。これによりガラスグローブ付の電球形蛍光ランプL3が完成する。
【0126】
以上の各製造工程および2台のパイプバーナー10の点火時間、温度、冷却時間等の管理は、専用マシーンにより自動的に行われる。
【0127】
なお、バーナーは1台で構成し、パイプ両面に火炎噴出し孔を形成し、パイプバーナーの両面から火炎を噴出し、グローブの左、右半分6X1、6X2を、1台で同時に加熱するようにしてもよい。
【0128】
上記製造方法によれば、2分割されたガラスグローブを確実に一体化することができ、また自動化により量産化が可能なガラスグローブ付の電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0129】
特に、グローブとして透光性のポリカーボネート等の合成樹脂を使用することなく、ガラス材を使用することが可能となる。
【0130】
これにより、例えば、ポリカーボネートのような透光性の合成樹脂を用いた場合、融点がガラスより低く、150℃前後であることから、長期の使用にわたり発光管が寿命末期となって電極の寿命がきたときに、グロー放電等によって一時的に局所的な発熱量が増し、樹脂グローブの一部が変色、変形する恐れがある。
【0131】
これに対し、ガラスグローブ6を用いることによりこの問題を解消することが下記の実験で明らかになった。
【0132】
すなわち、上記構成のガラス製のグローブ6を用い、発光管4として管外径約8mmのガラスバルブを使用して上述した図6、7に示す螺旋形状に形成し、電極は上述した位置構成にした電球形蛍光ランプを試作し、電極の片側エミッター未塗装品を6ピース作成して点灯試験を行った。周囲温度30℃、定格の110Vで点灯した。
【0133】
その結果、発光管4は半波放電、すなわち片側グローで6〜15分点灯したが、ガラスグローブ6の電極近傍部分を含めて変色、変形、溶融は発生しなかった。
【0134】
これにより、寿命末期における部材の変色、変形、溶融等の危険性を防ぐことが可能な、ガラスグローブ付の小型で高効率の電球形蛍光ランプを提供することができた。
【0135】
なお、ガラスバルブを用いた本例において、電極は図8(b)の斜線領域よりも下方に位置させてもよい。この場合電極は、合成樹脂からなるホルダ3の基板部3a近傍がが熱的に影響を受けにくくなるように位置させる。
【0136】
また、上述したローブ付の小型で高効率の電球形蛍光ランプにおいて、さらなる高出力化(例えば、白熱電球100W相当品)や、さらなる小型化をすすめるためには、発光管の大幅な温度上昇が懸念され、点灯装置の回路部品、その他の合成樹脂部品等が熱により劣化、短寿命化、さらには発光管の破損等の可能性が生じる恐れがある。
【0137】
特に、本実施例の発光管4は、白熱電球の根元部Aに対応する位置に、一対2本の短放電路部4b、4cおよび略U字形状バルブ4jが集中して設けられることから、根元部における、より一層の温度対策が必要となる。
【0138】
この温度上昇の問題を解消するために、発光管を支持するホルダやカバーを金属で構成するようにしてもよい。
【0139】
すなわち、図10に示すように、カバー2とホルダ3をアルミニウムのダイカストで一体に構成する。
【0140】
カバー2は、下方に向けて漸次縮径する逆円錐台状部と円筒体部を一体に形成したカバー本体2aを有し、カバー本体の上端側に一体に連続してホルダ3を形成する。
【0141】
ホルダ3は、有蓋円筒状に形成され、その蓋体をなす円板状の基板部3aの下面周縁部に、下端側に突出する円筒状の円筒部3bを一体に形成し、この円筒部にカバー本体2aの上端を連続させて一体に構成し、カバー2およびホルダ3の内面に円筒状の空間部を形成し、内面には縦方向に一対の縦溝2d、2dを一体に形成する。
【0142】
一体化されたカバー2およびホルダ3の外周面の略中間部分に、グローブ6の取付端部となる環状の開口取付端部2bを一体に形成し、この開口取付端部2bおよびこの近傍部分が外方に露出するように構成する。
【0143】
さらに、口金1は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂材料により、外面にねじ山を一体に形成して樹脂製のシェル1aを構成し、シェル1a外面のネジ溝に銅、若しくは亜鉛等の導電性の金属をメッキして口金のねじ山1dを構成する。
【0144】
上記に構成した口金1を、カバー本体2aの下端側に、シェル1aの開口端部を嵌合して取り付ける。
【0145】
なお、嵌合した状態で、シリコーン等の耐熱性の接着剤で固定し、シェル1aの回り止めを行うようにしてもよいが、嵌合する面に凹凸形成したり、スリットと凸部を形成してカバー本体2aの下端と、シェル1aの開口端部を互いに係合させて回り止めを行うようにしてもよい。
【0146】
点灯装置5の回路基板5aは、一体化されたカバー2およびホルダ3の空間部の内面に形成された一対の縦溝2d、2d内に、電気絶縁シート等を介在させ絶縁を施して縦方向に嵌入して固定する。
【0147】
なお、口金1にメッキされたねじ山1dは、端子ピン1eによって、またアイレット1cは端子ピン1fによって、それぞれが電気的に絶縁された状態で回路基板5aの入力端子に接続される。
【0148】
上記に構成された電球形蛍光ランプが点灯すると、発光管4の温度が上昇し、グローブ6内の空気を加熱させると共に、特に電極4q、4r近傍の温度が上昇し、グローブ6内の高温の空気と発光管4の両端部からの熱の伝導及び放熱によって、ホルダ3が加熱され温度が上昇する。
【0149】
しかし、ホルダ3およびカバー2がアルミニウムの熱伝導性の良好な金属で構成され、かつ外周面の略中間部分に、グローブ6の取付端部となる環状の開口取付端部2bを一体に形成し、この開口取付端部2bおよびこの近傍部分が外方に露出するように構成したので、温度が上昇したホルダ3は、一体に形成したカバー2の開口取付端部2bおよびこの近傍部分が外気との対流によって熱が奪われ、ホルダおよびカバー全体が冷却される。
【0150】
この際、ホルダ3はカバー2と一体に形成してあり熱の伝導ロスを少なくして効果的に冷却される。
【0151】
その結果、ホルダ3およびカバー2全体の温度が低下し、内部に収納された回路基板5aおよび電子部品5bの温度上昇が抑制される。
【0152】
さらに、アルミニウムは熱の放射率が0.1以下と低いので、ホルダおよびカバーの内面から空間部を介する回路基板5a側への熱放射も低く抑えられる。
【0153】
これにより、発光管4を点灯制御する点灯回路への熱的影響を抑制して電子部品5bの信頼性を高めることができ、より小型で高出力化を実現した電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0154】
さらに、ホルダ3およびカバー2はアルミニウムで構成したので、軽量であり電球形蛍光ランプの重量が重くなることがない。
【0155】
ホルダ3の基板部3aとなる上面がアルミニウムで構成されているため、この面が光の反射面となり、発光管4から下方に向かって放射される光がアルミニウムの上面で上方に反射され、光ロスが発生しない。
【0156】
ホルダ3が合成樹脂の場合、変色と共に樹脂の分解によって発生する劣化物がガスとなりグローブ6内に放出され、グローブ内面に付着することにより光の透過率が低下する問題が発生するが、アルミニウムで構成したので分解して劣化物が発生することがなく、グローブの光の透過率を低下させることがない。
【0157】
なお、ホルダ3およびカバー2をアルミニウムで一体に形成したが、それぞれを別体に構成し、接合して一体化してもよい。
【0158】
若しくは、ホルダ3およびカバー2のいずれか一方をアルミニウムで構成し、他方を合成樹脂で構成するようにしてもよい。
【0159】
また、構成する金属材料は、アルミニウムに限らず、アルミニウムと亜鉛の合金もしくはアルミニウムを含む合金等、熱伝導率が高く安価でかつ軽量な金属であることが好ましいが、銅及び銅を含む合金、鉄及び鉄を含む合金等でもよい。
【0160】
なお、その他、本実施例における他の構成、作動、作用効果、変形例等は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0161】
図11は本発明の第3の実施形態の電球形蛍光ランプを示す図で、(a)は発光管の正面図、(b)はグローブレスの電球形蛍光ランプを示す正面図、(c)はグローブ付の電球形蛍光ランプを示す正面図である。
【0162】
なお、図11には、実施例1の図1〜図5、実施例2の図6〜図10と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0163】
この第3の実施形態の電球形蛍光ランプL4も、基本的には実施例1および実施例2の電球形蛍光ランプL1〜L3と略同じ構成であるが、この電球形蛍光ランプL4は、螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形状の発光管4において、短放電路部4b、4cにより形成される根元部Nの暗部を解消するために、短放電路部4b、4cを構成する一対2本直線形状のバルブを、螺旋形部の旋回軸(ランプ軸o−o)に対し、それぞれ互いが交差するよう傾斜して配置したものである。
【0164】
すなわち、図14に示すように、直線状の短放電路部31、31が互いに平行に配置された場合、直線状の短放電路部31、31の間に、発光管が存在しない縦方向に長い空間sが形成され、根元部Nにおける暗部発生の原因となる。
【0165】
これを解消するために、本実施例では、図11(a)に示すように、短放電路部4b、4cを構成する一対2本直線形状のバルブを、螺旋形部の旋回軸(ランプ軸o−o)に対し、それぞれ互いが交差するように、ねじりながら傾斜させて配置したものである。
【0166】
これにより、発光管が存在しなかった縦方向に長い空間sに直線形状のバルブが傾斜して位置し、さらに長い空間sの中心部に傾斜した直線形状のバルブの交差点xが存在し、根元部Nに暗部が発生することが解消され、明るさを確保して輝度むらのない電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0167】
上記の構成した発光管4は、図11(b)に示すように実施例1と同様にしてグローブレスの電球形蛍光ランプL4を構成することができる。
【0168】
また、図11(c)に示すように実施例2と同様にしてグローブ付の電球形蛍光ランプL5を構成することもできる。
【0169】
また、互いが交差するように傾斜して配置した短放電路部4b、4cに実施例1に示すU字形バルブ4jを付加して明るさをさらに増すようにしてもよい。
【0170】
なお、その他、本実施例における他の構成、作動、作用効果、変形例等は実施例1および実施例2と同様である。
【実施例4】
【0171】
図12は本発明の第4の実施形態の電球形蛍光ランプを示す図で、(a)は発光管の正面図、(b)は発光管の下面図、(c)はグローブレスの電球形蛍光ランプを示す正面図、(d)はグローブ付の電球形蛍光ランプを示す正面図である。
【0172】
なお、図12には、実施例1の図1〜図5、実施例2の図6〜図10、実施例3の図11と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0173】
この第4の実施形態の電球形蛍光ランプL6も、基本的には実施例1、実施例2および実施例3の電球形蛍光ランプ略同じ構成であるが、この電球形蛍光ランプL6は、螺旋形部の下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形状の発光管4において、短放電路部4b、4cにより形成される根元部Nの暗部を解消するために、螺旋形部の最大径部4iと平行な状態を保ちながら、この螺旋終端部に連接して螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zを形成し、螺旋形部の最大径部4iの下方を収縮させたものである。
【0174】
すなわち、図12(a)、(b)に示すように、螺旋形部4aの最大径部4iの螺旋終端部に連接して、最終ターン部分全てでなく、約半ターン分を内側に向けて若干曲げて、螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zを形成して、螺旋形部4aの最大径部4iの下方を収縮させた形状となし、この最終ターン部4z、4zに連接してガラスバルブ4dの両端部4g、4hを、ランプ軸o−oに略平行に下方に向けてほぼ直角に折曲げ、螺旋形部4aより放電路が短い略直線形状をなす一対2本の短放電路部4b、4cを形成する。
【0175】
これにより、従来、発光管が存在しなかった縦方向に長い空間sに約半ターン分を内側に向けて曲げ、螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zが位置することにより、根元部Nに暗部が発生することが解消され、輝度むらのない電球形蛍光ランプを提供することができる。
【0176】
また、根元部Nの暗部を解消して明るさを確保することができると同時に、約半ターン分を内側に向けて曲げ、螺旋径を最大径から5〜20%程度縮径した最終ターン部4z、4zにより放電路を伸ばすことができ、発光効率を向上させることができる。
【0177】
なお、螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zを形成する方法は、先に螺旋形部4aの下方に径大な螺旋径からなる最大径部4iを有する略円錐台形状の螺旋部を金型を用いて成形しておき、金型から引き出した後に、最終ターン部分をバーナーで焙り、手作業若しくは別途の金型を用いてガラスバルブの両端部4g、4hを、約半ターン分を内側に向けて曲げ、螺旋径を縮径した最終ターン部4z、4zを成形する(θ=150°)。
【0178】
最終ターンは、螺旋バルブの1ターン(360°)以下にすることが好ましく、加工性を考慮するとθ=45〜180°の範囲、最適には90〜160°の範囲内とするのが望ましい。
【0179】
これにより、例えば、特許文献3に示されるよう複雑な金型や移動機構および複雑で格別な工程を経ることなく、簡単な構成および工程でガラスバルブを成形することができ、製造性が容易となる。
【0180】
上記に構成した発光管4は、図12(c)に示すように実施例1と同様にしてグローブレスの電球形蛍光ランプL6を構成することができる。
【0181】
また、図12(d)に示すように実施例2と同様にしてグローブ付の電球形蛍光ランプL7を構成することもできる。
【0182】
この際、発光管4をグローブ6の球状部6aから小径に漸次縮径された曲線部分6gに対し、最終ターン部4z、4zを合わせることが可能となり、グローブ6全体を均一に発光させることができると共に、放電路長を伸ばすことができ発光効率を飛躍的に向上させることが可能となる。
【0183】
また、最終ターン部4z、4zに連接する短放電路部4b、4cに実施例1に示すU字形バルブ4jを付加して明るさをさらに増すようにしてもよい。
【0184】
なお、その他、本実施例における他の構成、作動、作用効果、変形例等は実施例1、実施例2および実施例3と同様である。
【0185】
以上、上記各実施例に示す電球形蛍光ランプL1〜L7は、例えば図13に示すダウンライトなどの照明器具20の光源として用いられる。この図13は照明器具20を断面して示す説明図で、図において21は器具本体、22はこの本体21内に設けられたE26型などの口金1に対応するソケット、23は反射体で、上記ソケット22に例えば電球形蛍光ランプL2が装着される。
【0186】
電球形蛍光ランプL2は、白熱電球など一般照明用電球と近似、または同一形状をなしているので、器具の配光を一般照明用電球の配光に近似または同一となすことができ、ソケット22近傍の反射体23への光の照射量が充分に確保され、反射体の光学設計とおりの器具特性を得ることができる。
【0187】
また、電球形蛍光ランプL2の発光管の螺旋形部4aが図中下方に向いているので、直下照度を向上させることができる。
【0188】
このように本発明に関わる電球形蛍光ランプは、白熱電球などの一般照明用電球と同じ外形と、より高い発光特性が得られるとともに一般照明用電球を使用する照明器具20に装着できるので各種照明器具への適用率を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】本発明の第1の実施形態の電球形蛍光ランプを示す正面視の縦断面図。
【図2】同じく電球形蛍光ランプの図1における左側面視の縦断面図。
【図3】同じく電球形蛍光ランプの発光管を示し、(a)は正面図、(b)は下面図。
【図4】同じく電球形蛍光ランプのガラスバルブを平面的に展開した説明図。
【図5】同じく電球形蛍光ランプの発光管の変形例を示す下面図。
【図6】本発明の第2の実施形態の電球形蛍光ランプを示す正面視の縦断面図。
【図7】同じく電球形蛍光ランプの図6における左側面視の縦断面図。
【図8】同じく電球形蛍光ランプの変形例を示し、(a)は一部を切り欠いて示す左側面視の縦断面図、(b)は電極の位置を拡大して示す説明図。
【図9】同じく電球形蛍光ランプの他の変形例を示し、(a)(b)(c)は製造方法の各工程を示す説明図。
【図10】同じく電球形蛍光ランプのさらに他の変形例を示し、一部分を切り欠いて示す要部の断面図。
【図11】本発明の第3の実施形態の電球形蛍光ランプを示し、(a)は発光管の正面図、(b)はグローブレスの電球形蛍光ランプを示す正面図、(c)はグローブ付の電球形蛍光ランプを示す正面図。
【図12】本発明の第4の実施形態の電球形蛍光ランプを示し、(a)は発光管の正面図、(b)は発光管の下面図、(c)はグローブレスの電球形蛍光ランプを示す正面図、(d)はグローブ付の電球形蛍光ランプを示す正面図。
【図13】本発明の電球形蛍光ランプを用いた照明器具を断面して示す説明図。
【図14】従来の電球形蛍光ランプを、グローブを断面して示す正面図。
【符号の説明】
【0190】
L1〜L7:電球形蛍光ランプ
o−o:旋回軸(ランプ軸)
1:口金
2:カバー
3:ホルダ
4:発光管
4a:螺旋形部
4b、4c:短放電路部
4d:バルブ
4i:最大径部
4j:連接部(略U字形状のバルブ)
4k、4m:直管状部
4n:連結部
4q、4r:電極
4z、4z:最終ターン部
5:点灯装置
6:グローブ
20:照明器具
21:器具本体
22:ソケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金と;
この口金に設けられたホルダと;
ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが螺旋形部、この螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部および螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部を有して構成されてなる発光管と;
上記ホルダに取付けられた点灯装置と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
前記発光管の短放電路部は一対の直線形状のバルブからなり、連接部は一対の直管状部を両端に有する略U字形状のバルブからなり、ランプ軸を中心にして短放電路部の一対の直線形状のバルブを結ぶ直線と略U字形状の連接部の直管状部を結ぶ直線が略直交するように対向させて配置したことを特徴とする請求項1に記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
口金と;
この口金に設けられたホルダと;
ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形部およびこの螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように一対の直線形状のバルブが螺旋形部に連接されてなる螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を有して構成された発光管と;
上記ホルダに取付けられた点灯装置と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項4】
口金と;
この口金に設けられたホルダと;
ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが径大な螺旋径を少なくとも一部に有し、この径大な螺旋径に連接して螺旋径が縮径された最終ターン部を形成した螺旋形部およびこの螺旋形部の最終ターンに連接され螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を備えた発光管と;
上記ホルダに取付けられた点灯装置と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項5】
前記発光管は、透光性のグローブにより覆われていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項6】
ソケットが設けられた器具本体と;
この器具本体のソケットに装着された請求項1ないし5のいずれか一記載の電球形蛍光ランプと;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【請求項1】
口金と;
この口金に設けられたホルダと;
ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが螺旋形部、この螺旋形部に連接され螺旋形部よりも放電路が短い一対の短放電路部および螺旋形部のホルダ側に配設されて一対の短放電路部の少なくとも一方に接続された連接部を有して構成されてなる発光管と;
上記ホルダに取付けられた点灯装置と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
前記発光管の短放電路部は一対の直線形状のバルブからなり、連接部は一対の直管状部を両端に有する略U字形状のバルブからなり、ランプ軸を中心にして短放電路部の一対の直線形状のバルブを結ぶ直線と略U字形状の連接部の直管状部を結ぶ直線が略直交するように対向させて配置したことを特徴とする請求項1に記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
口金と;
この口金に設けられたホルダと;
ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが径大な螺旋径を少なくとも一部に有する螺旋形部およびこの螺旋形部の旋回軸にそれぞれ傾斜するように一対の直線形状のバルブが螺旋形部に連接されてなる螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を有して構成された発光管と;
上記ホルダに取付けられた点灯装置と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項4】
口金と;
この口金に設けられたホルダと;
ホルダに支持された一対の電極を有するバルブからなり、このバルブが径大な螺旋径を少なくとも一部に有し、この径大な螺旋径に連接して螺旋径が縮径された最終ターン部を形成した螺旋形部およびこの螺旋形部の最終ターンに連接され螺旋形部よりも放電路が短い短放電路部を備えた発光管と;
上記ホルダに取付けられた点灯装置と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項5】
前記発光管は、透光性のグローブにより覆われていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項6】
ソケットが設けられた器具本体と;
この器具本体のソケットに装着された請求項1ないし5のいずれか一記載の電球形蛍光ランプと;
を具備していることを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−47338(P2008−47338A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219862(P2006−219862)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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