説明

α−メチルスチレン系共重合体及びその製造方法

【課題】熱可塑性樹脂に添加されて耐熱性及び熱安定性に優れた成形品を与えるα−メチルスチレン系共重合体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のα−メチルスチレン系共重合体は、各単位の合計を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン単位68〜75質量%、スチレン単位3〜12質量%、及び、シアン化ビニル化合物単位20〜26質量%からなるα−メチルスチレン系共重合体において、上記単量体単位のうちの少なくとも1種を含む任意の3つの単量体単位が連続してなる連鎖ブロックの全量を100モル%とした場合に、α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位・スチレン単位からなる連鎖ブロックの含有量が2〜12モル%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂に添加されて耐熱性及び熱安定性に優れた成形品を与えるα−メチルスチレン系共重合体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、α−メチルスチレン単位を含む(共)重合体は、ABS樹脂等に配合して、耐熱性を向上させるものとして知られている(特許文献1、2等参照)。
特許文献1には、65〜90質量部のα−メチルスチレンと、35〜10質量部のアクリロニトリルと、0〜5質量部の共重合可能なビニル単量体とを共重合させて得られた共重合体において、α−メチルスチレン単位量が82質量%以上の重合体を30質量%以上含み、固有粘度が0.25〜1.2であるα−メチルスチレン高含量共重合体及びその製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、74〜82質量%のα−メチルスチレン(A)と、26〜18質量%のアクリロニトリル(B)とを共重合させて得られた共重合体であって、該共重合体中のモノマーの連鎖の比率が、(1)結合様式[(A)・(A)・(A)]の含有量が0〜10質量%、(2)結合様式[(A)・(A)・(B)]の含有量が55質量%以上、及び、(3)結合様式[(B)・(A)・(B)]の含有量が45質量%以下〔上記(1)、(2)及び(3)の合計を100質量%とする。〕である共重合体及びその製造方法が開示されている。
【0003】
熱可塑性樹脂の耐熱性を評価する方法は、様々であるが、成形品として、車両の内装部品や外装部品等を用途とする場合には、通常、JIS K7195に準じて測定されるヒートサグ値が実用耐熱の指標とされる。
【0004】
【特許文献1】特開昭58−23810号
【特許文献2】特開昭60−258217号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、熱可塑性樹脂に添加されて耐熱性及び熱安定性に優れた成形品を与えるα−メチルスチレン系共重合体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、α−メチルスチレン単位が高含量である共重合体の製造時に、特定量のスチレンを共重合させることで、α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位・スチレン単位からなる連鎖ブロックの含有割合が特定の範囲にあるα−メチルスチレン系共重合体を得た。この共重合体を熱可塑性樹脂に添加させたとき、実用耐熱性及び熱安定性に優れた成形品が得られたことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示される。
1.各単位の合計を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン単位68〜75質量%、スチレン単位3〜12質量%、及び、シアン化ビニル化合物単位20〜26質量%からなるα−メチルスチレン系共重合体において、上記単量体単位のうちの少なくとも1種を含む任意の3つの単量体単位が連続してなる連鎖ブロックの全量を100モル%とした場合に、α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位・スチレン単位からなる連鎖ブロックの含有量が2〜12モル%であることを特徴とするα−メチルスチレン系共重合体。
2.各化合物の合計を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン(m1)68〜78質量%、スチレン(m2)3〜13質量%、及び、シアン化ビニル化合物(m3)18〜28質量%を用いて、上記1に記載のα−メチルスチレン系共重合体を製造する製造方法であって、上記α−メチルスチレン(m1)のうちの90〜100質量%に相当するα−メチルスチレンと、上記スチレン(m2)のうちの0〜33質量%に相当するスチレンと、上記シアン化ビニル化合物(m3)のうちの65〜85質量%に相当するシアン化ビニル化合物とを重合する第1重合工程、及び、上記α−メチルスチレン(m1)のうちの0〜10質量%に相当するα−メチルスチレンと、上記スチレン(m2)のうちの67〜100質量%に相当するスチレンと、上記シアン化ビニル化合物(m3)のうちの15〜35質量%に相当するシアン化ビニル化合物とを重合する第2重合工程を、順次、備え、且つ、上記第2重合工程におけるスチレンの使用量が、本製造に係る単量体の全量に対して、3質量%以上であることを特徴とするα−メチルスチレン系共重合体の製造方法。
3.上記第2重合工程で用いられるスチレン及びシアン化ビニル化合物の使用比が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、25〜75質量%及び75〜25質量%である上記1に記載のα−メチルスチレン系共重合体の製造方法。
4.上記第1重合工程は、重合転化率が75〜95%となってから終了する上記2又は3に記載のα−メチルスチレン系共重合体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体によれば、熱可塑性樹脂に添加されて成形品とした場合に、ヒートサグ値で評価される耐熱性及び熱安定性に優れる。
本発明のα−メチルスチレン系共重合体の製造方法によれば、α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位・スチレン単位からなる連鎖ブロックの含有量が2〜12モル%であるα−メチルスチレン系共重合体を効率よく得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳しく説明する。本発明において、「(共)重合」とは、単独重合及び共重合を意味する。
【0009】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体は、各単位の合計を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン単位68〜75質量%、スチレン単位3〜12質量%、及び、シアン化ビニル化合物単位20〜26質量%からなるα−メチルスチレン系共重合体において、上記単量体単位のうちの少なくとも1種を含む任意の3つの単量体単位が連続してなる連鎖ブロックの全量を100モル%とした場合に、α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位・スチレン単位からなる連鎖ブロックの含有量が2〜12モル%であることを特徴とする。
【0010】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体は、α−メチルスチレン単位と、スチレン単位と、シアン化ビニル化合物単位とからなる三元共重合体である。各単位の含有量は、これらの合計を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン単位が68〜75質量%、好ましくは69〜74質量%、より好ましくは70〜73質量%であり、スチレン単位が3〜12質量%、好ましくは4〜11質量%、より好ましくは4〜10質量%であり、シアン化ビニル化合物単位が20〜26質量%、好ましくは21〜25質量%、より好ましくは22〜24質量%である。各単位の含有量が上記範囲にあると、耐熱性及び熱安定性の改良効果に優れる。
上記α−メチルスチレン単位の含有量が多すぎると、熱安定性の改良効果が十分でない場合がある。また、少なすぎると、耐熱性の改良効果が十分でない場合がある。
上記スチレン単位の含有量が多すぎると、耐熱性の改良効果が十分でない場合がある。また、少なすぎると、耐熱性及び熱安定性の改良効果が十分でない場合がある。
また、上記シアン化ビニル化合物単位の含有量が多すぎると、得られる成形品が黄変する場合がある。また、少なすぎると、耐衝撃性が低下する場合がある。
尚、上記シアン化ビニル化合物単位を形成するシアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−クロロメチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、クロトン酸ニトリル、ケイ皮酸ニトリル、イタコン酸ジニトリル、マレイン酸ジニトリル、フマル酸ジニトリル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの化合物のうち、アクリロニトリルが好ましい。
【0011】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体は、上記単量体単位のうちの少なくとも1種を含む任意の3つの単量体単位が連続してなる連鎖ブロックを複数備える。具体例は、下記の4種である。
・α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位・スチレン単位からなる連鎖ブロック(以下、「連鎖ブロック[AMS・AMS・St]」ともいう。)
・α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位・シアン化ビニル化合物単位からなる連鎖ブロック(以下、「連鎖ブロック[AMS・AMS・CV]」ともいう。)
・α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位からなる連鎖ブロック(以下、「連鎖ブロック[AMS・AMS・AMS]」ともいう。)
・シアン化ビニル化合物単位・α−メチルスチレン単位・シアン化ビニル化合物単位からなる連鎖ブロック(以下、「連鎖ブロック[CV・AMS・CV]」ともいう。)
【0012】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体において、上記4種の連鎖ブロックの全量を100モル%とした場合に、上記連鎖ブロック[AMS・AMS・St]の含有量は、2〜12モル%であり、より優れた耐熱性及び熱安定性を有する成形品を得るためには、好ましくは2〜10モル%、より好ましくは2〜9モル%である。
上記連鎖ブロック[AMS・AMS・CV]の含有量は、通常、55〜70モル%であり、好ましくは57〜70モル%、より好ましくは60〜70モル%である。

上記連鎖ブロック[AMS・AMS・AMS]の含有量は、通常、0〜10モル%であり、好ましくは0〜9モル%、より好ましくは0〜8モル%である。
また、上記連鎖ブロック[CV・AMS・CV]の含有量は、通常、20〜35モル%であり、好ましくは20〜34モル%、より好ましくは20〜33モル%である。
上記の各連鎖ブロックの含有量が、上記範囲にあると、熱可塑性樹脂に添加されて成形品とした場合に、ヒートサグ値で評価される耐熱性及び熱安定性に優れる。
【0013】
上記の各連鎖ブロックの含有量は、13C−NMR測定により求めることができ、以下に示される。
α−メチルスチレン系共重合体を重水素化クロロホルムに溶解し、テトラメチルシランを内部標準として13C−NMRを測定し、13C−NMRスペクトルを得る(図1参照)。この13C−NMRスペクトルにおいて、140〜150ppmに現れるシグナルの内、141〜144ppmの範囲のシグナルは連鎖ブロック[CV・AMS・CV]に、144.5〜147ppmの範囲のシグナルは連鎖ブロック[AMS・AMS・CV]に、147〜147.5ppmの範囲のシグナルは連鎖ブロック[AMS・AMS・St]に、141〜144ppmの範囲のシグナルは連鎖ブロック[AMS・AMS・AMS]に、それぞれ、帰属される。各連鎖ブロックの含有量は、各シグナルの面積から求めることができる。尚、141.4ppm及び143.4ppmの各シグナルは、残留モノマーに由来するものであるが、これらが検出された場合には、連鎖ブロック[CV・AMS・CV]の含有量を求めるに際して、上記の各シグナルの面積を減ずればよい。
【0014】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体の重量平均分子量は、好ましくは7万〜20万、より好ましくは8万〜15万、更に好ましくは9万〜13万である。尚、この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
【0015】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体を製造する方法は、特に限定されないが、好ましくは、重合開始剤の存在下、α−メチルスチレン、スチレン及びシアン化ビニル化合物を、分割して反応系に供給しながら重合する方法である。
【0016】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体の製造方法(以下、「本発明の製造方法」という。)は、各化合物の合計を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン(m1)68〜78質量%、スチレン(m2)3〜13質量%、及び、シアン化ビニル化合物(m3)18〜28質量%を用い、各単位の合計を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン単位68〜75質量%、スチレン単位3〜12質量%、及び、シアン化ビニル化合物単位20〜26質量%からなるα−メチルスチレン系共重合体を製造する方法であって、上記α−メチルスチレン(m1)のうちの90〜100質量%に相当するα−メチルスチレン、上記スチレン(m2)のうちの0〜33質量%に相当するスチレン、及び、上記シアン化ビニル化合物(m3)のうちの65〜85質量%に相当するシアン化ビニル化合物(以下、これらを合わせて「第1単量体」という。)を重合する第1重合工程と、上記α−メチルスチレン(m1)のうちの0〜10質量%に相当するα−メチルスチレン、上記スチレン(m2)のうちの67〜100質量%に相当するスチレン、及び、上記シアン化ビニル化合物(m3)のうちの15〜35質量%に相当するシアン化ビニル化合物(以下、これらを合わせて「第2単量体」という。)を重合する第2重合工程とを、順次、備え、且つ、上記第2重合工程におけるスチレンの使用量が、本製造に係る単量体の全量に対して、3質量%以上であることを特徴とする。即ち、本発明の製造方法は、第1重合工程における第1単量体の重合により第1重合体を製造し、第2重合工程における第2単量体の重合により第1重合体を更に高分子化して本発明のα−メチルスチレン系共重合体を得るものである。
【0017】
本発明の製造方法における単量体の種類別使用量は、第1重合工程における使用量及び第2重合工程における使用量の合計であり、本製造に係る単量体の全量を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン(m1)、スチレン(m2)及びシアン化ビニル化合物(m3)が、それぞれ、68〜78質量%、3〜13質量%及び18〜28質量%、好ましくは68〜76質量%、4〜10質量%及び20〜26質量%である。
【0018】
本発明の製造方法において、適用される重合方法としては、乳化重合、溶液重合、塊状重合及び懸濁重合が挙げられる。これらのうち、乳化重合、溶液重合及び懸濁重合が好ましく、乳化重合が特に好ましい。
上記乳化重合を適用する場合には、通常、乳化剤、重合開始剤、水等が用いられる。必要に応じて、連鎖移動剤(分子量調節剤)を用いることもできる。
上記乳化剤としては、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩;ラウリル酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸カリウム等の高級脂肪族カルボン酸塩;脂肪族リン酸塩;ロジン酸カリウム等のロジン酸塩等が挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型化合物、アルキルエーテル型化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記乳化剤の使用量は、各重合工程における単量体の全量に対し、通常、1〜4質量%である。
【0019】
上記重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物と、含糖ピロリン酸処方、スルホキシレート処方等の還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤;過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレイト、tert−ブチルパーオキシモノカーボネート、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上記重合開始剤の使用量は、各重合工程における単量体の全量に対し、通常、0.2〜1.0質量%である。
【0020】
上記連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、tert−テトラデシルメルカプタン等のメルカプタン類;ターピノーレン類;α−メチルスチレンのダイマー等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記連鎖移動剤の使用量は、各重合工程における単量体の全量に対し、通常、0.1〜0.7質量%である。
【0021】
上記第1重合工程において、上記α−メチルスチレン(m1)のうちの90〜100質量%、好ましくは95〜100質量%に相当するα−メチルスチレンと、上記スチレン(m2)のうちの0〜33質量%、好ましくは0〜15質量%に相当するスチレンと、上記シアン化ビニル化合物(m3)のうちの65〜85質量%、好ましくは70〜85質量%に相当するシアン化ビニル化合物とが重合され、第1重合体が製造される。
上記第1重合体を製造する際には、反応系において、重合開始剤の存在下に、上記第1単量体の全量を重合してよいし、上記第1単量体を分割して又は連続的に添加しながら重合を行ってもよい。上記の重合開始剤及び連鎖移動剤は、反応系に一括して添加しておいてよいし、重合開始とともに連続的に添加することができる。
【0022】
溶液重合及び懸濁重合により、第1重合体を製造する場合には、公知の方法を適用することができる。
溶液重合では、通常、ラジカル重合で用いられる溶媒、例えば、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の不活性溶媒が用いられる。その他、必要に応じて、連鎖移動剤(分子量調節剤)等を用いることができる。
【0023】
上記第1重合工程は、重合転化率が好ましくは75〜95%、より好ましくは80〜90%となった時点で終了する。この重合転化率を上記範囲とすることにより、上記連鎖ブロック[AMS・AMS・St]の含有量を2〜12モル%とすることができる。尚、反応系に残留する単量体の種類及び割合は、特に限定されない。
【0024】
次に、上記第2重合工程において、上記α−メチルスチレン(m1)のうちの0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%に相当するα−メチルスチレンと、上記スチレン(m2)のうちの67〜100質量%、好ましくは85〜100質量%に相当するスチレンと、上記シアン化ビニル化合物(m3)のうちの15〜35質量%、好ましくは15〜30質量%に相当するシアン化ビニル化合物とからなる第2単量体が重合される。そして、上記連鎖ブロック[AMS・AMS・St]の含有量を2〜12モル%とするために、スチレンの使用量を、本製造に係る単量体(第1重合工程及び第2重合工程における全ての単量体)の全量、即ち、上記α−メチルスチレン(m1)、上記スチレン(m2)及び上記シアン化ビニル化合物(m3)の合計に対して3質量%以上、好ましくは3〜13質量%、更に好ましくは4〜10質量%として第2単量体の重合を進めるものである。
尚、上記第2単量体におけるスチレン及びシアン化ビニル化合物の使用比は、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、好ましくは25〜75質量%及び75〜25質量%、より好ましくは30〜70質量%及び70〜30質量%、更に好ましくは35〜70質量%及び65〜30質量%である。上記組成割合とすることにより、上記連鎖ブロック[AMS・AMS・St]の含有量を2〜12モル%とすることができる。
【0025】
上記第2重合工程の重合方法は、好ましくは、上記第1重合工程におけるそれと同様にして進められる。その場合、通常、同じ反応系において進めることができるが、別途、新たな反応系を構築して、重合を進めることもできる。
【0026】
上記第2重合工程においては、上記第1重合体の存在下に、上記第2単量体の全量を重合してよいし、上記第2単量体を分割して又は連続的に添加しながら重合を行ってもよい。重合開始剤及び連鎖移動剤の使用方法については、上記第1重合工程における使用方法と同様とすることができる。
【0027】
上記第2重合工程は、重合転化率が好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上となった時点で終了する。この重合転化率を上記範囲とすることにより、上記連鎖ブロック[AMS・AMS・St]の含有量を2〜12モル%とすることができる。
【0028】
本発明の製造方法において、乳化重合を適用した場合、上記第2重合工程により得られたラテックスに凝固剤を添加し、含有する重合体成分を凝固する凝固工程、並びに、凝固物を水洗及び乾燥する精製工程を更に備えることができる。
【0029】
上記凝固工程において用いられる凝固剤としては、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム等の無機塩;硫酸、塩酸等の無機酸;酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸等が挙げられる。
【0030】
本発明の製造方法において、溶液重合を適用した場合、上記第2重合工程により得られた重合溶液から溶媒を除去する除去工程を更に備えることができる。
【0031】
本発明の製造方法により回収された成分は、大部分が本発明のα−メチルスチレン系共重合体であるが、未反応の単量体(以下、「残留モノマー」という。)が含まれることがある。この残留モノマーの含有量は、回収成分に対して、通常、10質量%以下、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜4質量%である。
【0032】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体は、熱可塑性樹脂に添加されて耐熱性及び熱安定性に優れた成形品を与える。上記熱可塑性樹脂としては、ゴム質重合体の存在下、ビニル系単量体を重合して得られたゴム強化樹脂;ビニル系単量体を重合して得られた(共)重合体;ポリカーボネート樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエステル樹脂(ポリ乳酸等);オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のα−メチルスチレン系共重合体は、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常、10〜300質量部、好ましくは20〜250質量部添加される。上記添加量とすることにより、ヒートサグ値を指標とする耐熱性及び熱安定性に優れた成形品を得ることができる。
【実施例】
【0033】
以下に、実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
【0034】
1.α−メチルスチレン系共重合体の製造
実施例1
撹拌機付き反応器に、水250質量部、ラウリル酸ナトリウム3質量部、tert−ドデシルメルカプタン0.2質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4質量部、硫酸第一鉄0.0025質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム0.01質量部及びクメンハイドロパーオキサイド0.5質量部を仕込み、反応器内の脱酸素を行った。その後、窒素気流中、60℃で撹拌しながら、α−メチルスチレン71質量部を仕込んだ(表1「第1工程」の欄参照)。十分に乳化させた後に、表1「第1工程」の欄において、α−メチルスチレン以外の成分である、アクリロニトリル17質量部(表1「第1工程」の欄参照)を5時間かけて連続的に滴下し、共重合を行い、重合転化率が85.0%になったところで重合を終了した(第1重合工程)。
次いで、重合溶液に、更に、クメンハイドロパーオキサイド0.5質量部、tert−ドデシルメルカプタン0.05部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4質量部、硫酸第一鉄0.0025質量部及びエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム0.01質量部を仕込んだ。その後、窒素気流中、60℃で撹拌しながら、表1「第2工程」の欄におけるスチレン6質量部及びアクリロニトリル6質量部を0.5時間かけて連続的に滴下し、共重合を行った。滴下終了後、60℃で1.5時間撹拌し、重合を終了した(第2重合工程)。最終の重合転化率は96.0%であった。反応器内の残留モノマー量は、重合に供した単量体の全量に対して、α−メチルスチレンが1.4質量%、スチレンが1.4質量%、及び、アクリロニトリルが1.2質量%であった。
【0035】
その後、塩化カルシウムにより凝固し、これを、日本プラコン社製ベント付き押出機「DMG40mm」(型式名)により、α−メチルスチレン系共重合体を回収し、組成分析を行ったところ、α−メチルスチレン単位72.5質量%、スチレン単位4.8質量%及びアクリロニトリル単位(シアン化ビニル化合物単位)22.7質量%であった。また、日本電子社製フーリエ変換核磁気共鳴装置「EX−270」(型式名)を用い、下記測定条件にて、13C−NMRにより連鎖ブロックの含有量を測定したところ、[AMS・AMS・St]が4.0モル%、[AMS・AMS・VC]が62.0モル%、[AMS・AMS・AMS]が9.0モル%及び[VC・AMS・VC]が25.0モル%であった(表1参照)。
<NMR測定条件>
測定溶媒 :重水素化クロロホルム(トリメチルシラン入り)
常磁性緩和試薬 :アセチルアセトンクロム(III)22mg
試料溶液濃度 :10mg/cc
共鳴周波数 :270MHz
検出パルスのフリップ角 :45°
データ取り込み時間 :0.819秒
遅延時間 :1.500秒
積算回数 :23,000回
測定温度 :25℃
【0036】
実施例2〜5及び比較例1〜6
表1及び表2に示す割合で、α−メチルスチレン、スチレン及びアクリロニトリルを用い、実施例1と同様にしてα−メチルスチレン系共重合体を得た(表1及び表2参照)。尚、実施例3で得られたα−メチルスチレン系共重合体の13C−NMRスペクトルを、図1に示した。
【0037】
比較例7
撹拌機付き反応器に、水250質量部、ラウリル酸ナトリウム3質量部、tert−ドデシルメルカプタン0.2質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4質量部、硫酸第一鉄0.0025質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム0.01質量部及びクメンハイドロパーオキサイド0.5質量部を仕込み、反応器内の脱酸素を行った。その後、窒素気流中、60℃で撹拌しながら、α−メチルスチレン58質量部を仕込んだ(表2「第1工程」の欄参照)。十分に乳化させた後に、表1「第1工程」の欄において、α−メチルスチレン以外の成分である、スチレン10質量部、アクリロニトリル11質量部(表2「第1工程」の欄参照)を5時間かけて連続的に滴下し、共重合を行い、重合転化率が77.2%になったところで重合を終了した(第1重合工程)。
次いで、重合溶液に、更に、クメンハイドロパーオキサイド0.5質量部、tert−ドデシルメルカプタン0.05部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4質量部、硫酸第一鉄0.0025質量部及びエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム0.01質量部を仕込んだ。その後、窒素気流中、60℃で撹拌しながら、表2「第2工程」の欄におけるスチレン13質量部及びアクリロニトリル8質量部を0.5時間かけて連続的に滴下し、共重合を行った。滴下終了後、60℃で1.5時間撹拌し、重合を終了した(第2重合工程)。最終の重合転化率は90.5%であった。反応器内の残留モノマー量は、重合に供した単量体の全量に対して、α−メチルスチレンが4.1質量%、スチレンが3.1質量%、及び、アクリロニトリルが2.3質量%であった。
その後、実施例1と同様にして、α−メチルスチレン系共重合体を回収した。
【0038】
比較例8
撹拌機付き反応器に、水250質量部、ラウリル酸ナトリウム3質量部、tert−ドデシルメルカプタン0.2質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4質量部、硫酸第一鉄0.0025質量部、エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム0.01質量部及びクメンハイドロパーオキサイド0.5質量部を仕込み、反応器内の脱酸素を行った。その後、窒素気流中、60℃で撹拌しながら、α−メチルスチレン73質量部を仕込んだ(表2「第1工程」の欄参照)。十分に乳化させた後に、表2「第1工程」の欄において、α−メチルスチレン以外の成分である、スチレン5質量部、アクリロニトリル18質量部(表2「第1工程」の欄参照)を5時間かけて連続的に滴下し、共重合を行い、重合転化率が81.0%になったところで重合を終了した(第1重合工程)。
次いで、重合溶液に、更に、クメンハイドロパーオキサイド0.5質量部、tert−ドデシルメルカプタン0.05部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4質量部、硫酸第一鉄0.0025質量部及びエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム0.01質量部を仕込んだ。その後、窒素気流中、60℃で撹拌しながら、表2「第2工程」の欄におけるスチレン1質量部及びアクリロニトリル3質量部を0.5時間かけて連続的に滴下し、共重合を行った。滴下終了後、60℃で1.5時間撹拌し、重合を終了した(第2重合工程)。最終の重合転化率は93.1%であった。反応器内の残留モノマー量は、重合に供した単量体の全量に対して、α−メチルスチレンが3.0質量%、スチレンが2.5質量%、及び、アクリロニトリルが1.4質量%であった。
その後、実施例1と同様にして、α−メチルスチレン系共重合体を回収した。
【0039】
2.α−メチルスチレン系共重合体の評価
上記の実施例及び比較例で得られたα−メチルスチレン系共重合体と、テクノポリマー社製ABS樹脂「テクノABS 170」(商品名)とを、質量比1/1でコンパウンドし、下記に示す手法で耐熱性及び熱安定性の評価を行った。その結果を表1及び表2に併記した。
(1)耐熱性
上記コンパウンド品を、JSW社製射出成形機「J−100E」(型式名)に供給し、以下の条件でJIS K7195に準じた試験片(4mm×10mm×80mm)を作製し、温度130℃でヒートサグ値を測定した。
<成形条件>
・成形温度 : NH(240℃),H1(240℃),H2(240℃),H3(240℃)
・スクリュー回転数: 80rpm
・射出速度 : 25%
・射出圧力 : 15%
・保圧 : 10%
・冷却時間 : 40秒
・金型温度 : 50℃
(2)熱安定性
上記コンパウンド品を、ファナック社製成形機「α150」(型式名)に供給し、以下の条件で試験片を成形し、表面におけるシルバー発生の有無を目視確認した。○印は、シルバーが無かったことを、×印は、シルバーが発生したことを示す。
<成形条件>
・成形温度 : NH(260℃),H1(260℃),H2(250℃),H3(240℃)
・スクリュー回転数: 80rpm
・背圧 : 10MPa
・最大射出圧力 : 160MPa
・射出率 : 50cm/秒
・保圧 : 40MPa
・冷却時間 : 30秒
・金型温度 : 50〜60℃
【0040】
(3)成形品の色調
上記コンパウンド品を、JSW社製射出成形機「J−100E」(型式名)に供給し、以下の条件でISO2039に準じたロックウェル試験片を成形し、Gardner社製分光光度計を用いて、その色調(b値)を評価した。
<成形条件>
・成形温度 : NH(240℃),H1(240℃),H2(240℃),H3(240℃)
・スクリュー回転数: 80rpm
・射出速度 : 25%
・射出圧力 : 15%
・保圧 : 10%
・冷却時間 : 40秒
・金型温度 : 50℃
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
表1及び表2によれば、以下のことが明らかである。
比較例1は、連鎖ブロック[AMS・AMS・St]の含有量が1.5モル%と低く、本発明の範囲外のα−メチルスチレン系共重合体を用いた例であり、熱安定性に劣っていた。比較例2は、共重合体を構成するα−メチルスチレン単位の含有量が少なく且つシアン化ビニル化合物単位の含有量が多く、本発明の範囲外のα−メチルスチレン系共重合体を用いた例であり、ヒートサグ値が高く、耐熱性に劣っており、成形品の黄変が顕著であった。比較例3は、共重合体を構成するα−メチルスチレン単位の含有量が多く、本発明の範囲外のα−メチルスチレン系共重合体を用いた例であり、ヒートサグ値が高く、耐熱性に劣っており、また、熱安定性に劣っていた。比較例4は、共重合体を構成するシアン化ビニル化合物単位の含有量が少なく、本発明の範囲外α−メチルスチレン系共重合体を用いた例であり、ヒートサグ値が高く、耐熱性に劣っており、また、熱安定性に劣っていた。比較例5は、[AMS・AMS・St]の含有量が1.6モル%と低く、共重合体を構成するシアン化ビニル化合物単位の含有量が多く、本発明の範囲外のα−メチルスチレン系共重合体を用いた例であり、ヒートサグ値が高く、耐熱性に劣っており、成形品の黄変が顕著であった。比較例6は、[AMS・AMS・St]の含有量が0.3モル%と低く、共重合体を構成するスチレン単位の含有量が少なく、本発明の範囲外のα−メチルスチレン系共重合体を用いた例であり、ヒートサグ値が高く、耐熱性に劣っており、成形品の黄変が顕著であった。比較例7は、[AMS・AMS・St]の含有量が多く、本発明の範囲外のα−メチルスチレン系共重合体を用いた例であり、ヒートサグ値が高く、耐熱性に劣っており、また、成形品の黄変が顕著であった。比較例8は、[AMS・AMS・St]の含有量が1.7モル%と低く、本発明の範囲外のα−メチルスチレン系共重合体を用いた例であり、ヒートサグ値が高く、耐熱性に劣っていた。
一方、実施例1〜5は、いずれも、本発明のα−メチルスチレン系共重合体を用いた例であり、耐熱性、熱安定性及び成形品の色調のバランスに優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のα−メチルスチレン系共重合体は、屋外又は屋内で用いられる樹脂製品、各種機器に配設される樹脂部品、車両等に配設される樹脂部品(内装部品、外装部品)、家電製品の筐体、建材部品等、耐熱性が要求される用途において、樹脂に配合される耐熱性向上剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例3で得られたα−メチルスチレン系共重合体の13C−NMRスペクトルを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各単位の合計を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン単位68〜75質量%、スチレン単位3〜12質量%、及び、シアン化ビニル化合物単位20〜26質量%からなるα−メチルスチレン系共重合体において、
上記単量体単位のうちの少なくとも1種を含む任意の3つの単量体単位が連続してなる連鎖ブロックの全量を100モル%とした場合に、α−メチルスチレン単位・α−メチルスチレン単位・スチレン単位からなる連鎖ブロックの含有量が2〜12モル%であることを特徴とするα−メチルスチレン系共重合体。
【請求項2】
各化合物の合計を100質量%とした場合に、α−メチルスチレン(m1)68〜78質量%、スチレン(m2)3〜13質量%、及び、シアン化ビニル化合物(m3)18〜28質量%を用いて、請求項1に記載のα−メチルスチレン系共重合体を製造する製造方法であって、
上記α−メチルスチレン(m1)のうちの90〜100質量%に相当するα−メチルスチレンと、上記スチレン(m2)のうちの0〜33質量%に相当するスチレンと、上記シアン化ビニル化合物(m3)のうちの65〜85質量%に相当するシアン化ビニル化合物とを重合する第1重合工程、及び、上記α−メチルスチレン(m1)のうちの0〜10質量%に相当するα−メチルスチレンと、上記スチレン(m2)のうちの67〜100質量%に相当するスチレンと、上記シアン化ビニル化合物(m3)のうちの15〜35質量%に相当するシアン化ビニル化合物とを重合する第2重合工程を、順次、備え、且つ、上記第2重合工程におけるスチレンの使用量が、本製造に係る単量体の全量に対して、3質量%以上であることを特徴とするα−メチルスチレン系共重合体の製造方法。
【請求項3】
上記第2重合工程で用いられるスチレン及びシアン化ビニル化合物の使用比が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、25〜75質量%及び75〜25質量%である請求項2に記載のα−メチルスチレン系共重合体の製造方法。
【請求項4】
上記第1重合工程は、重合転化率が75〜95%となってから終了する請求項2又は3に記載のα−メチルスチレン系共重合体の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−155473(P2009−155473A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335195(P2007−335195)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(396021575)テクノポリマー株式会社 (278)
【Fターム(参考)】