説明

うちわ形写真立てキット

【目的】 少し前の時代に日常の生活用品であったうちわの形を用い、そのような形を有しながら、写真立てとなったり、葉書や封書の代用となる郵便媒体にもなりうるものを提供し、現代人の生活にうるおいと面白さを演出する。
【構成】 扇面に紙、布などの貼付していないうちわ本体1、剥離紙で両面を被覆した両面粘着シートよりなる写真貼付シートC、剥離紙で一面を被覆し他面をメッセージカードにデザインしたシートよりなるメッセージシートD、およびそれらを収納する封筒Eからなる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は新規なうちわ形写真立てキットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
好みの写真や絵画などを身近に飾っておくために、写真立てが広く利用されている。この種の写真立ては、通常は角形、ときには円形やハート形等好みの形の枠組みとこの枠組みの内側に写真など貼付したり、またはそのような外形の枠組みと前面に透明ガラスを設けガラスの下側に写真などを納めるようにしているのが一般的である。 さらに、日常よく使う郵便は葉書や封書によるが、便せんには種々のデザインがあるものの、ペーパーを用いることに変りはなく、その意味で変化のとぼしいものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、いままでに全く考えられなかった観点に立ち、少し前の時代に日常の生活用品であったうちわの形を用い、そのような形を有しながら、写真立てとなったり、葉書や封書の代用となる郵便媒体にもなりうるものを提供し、現代人の生活にうるおいと面白さを演出しようと考えた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案のうちわ形写真立てキットは、扇面に紙、布などの貼付していないうちわ本体、剥離紙で両面を被覆した両面粘着シートよりなる写真貼付シート、剥離紙で一面を被覆し他面をメッセージカードにデザインした片面粘着シートよりなるメッセージシート、およびそれらを収納する封筒から構成されるものである。
また、このようなキットにおいて前記写真貼付シートは、うちわ本体の扇面より大きく、一方の剥離紙の表面に扇面と同形に切り取る切取線を印刷し、前記メッセージシートには、うちわ本体の扇面と同形であり、表面にメッセージ記入用の罫線が印刷されていることが好ましい。
【0005】
【作用】
うちわ本体の片面に写真貼付シートの片面を貼付すれば、そのシートの反対面に自分の好きな写真や絵などを貼付することができる。またメッセージシートをうちわ本体の反対面に貼付すると、その表面はメッセージカードになっているので、葉書や便せんとして使用することができる。 上記のように写真を貼付し、メッセージを書いたうちわ本体を封筒に入れれば、郵送が可能である。したがって、旅先からの郵便などに使うことができ、しかももらった人は、ただの葉書や便せんでなくうちわの形に驚き、面白く感ずると共に、送られてきた写真やメッセージにより一層感動することになる。
【0006】
【実施例】
つぎに本考案を実施例を図面に基づき説明する。 図1は本考案のキットの説明図であり、Aはうちわ、Cは写真貼付シート、Dはメッセージシート、Eは封筒である。これらによりキットが構成され、図示しない透明の袋などに一緒に入れて販売に供される。
【0007】
うちわAは、柄2および扇面3からなるうちわ本体1と、それを支持する支持台5とからなる。支持台5は柄2の末端部を支持できる構造のものであれば、どのようなものでもよい。なお、支持台5は任意の構成要件であり、あってもよく無くてもよい。ただし、あれば、うちわ本体1を写真立てとして利用するとき便利である。
【0008】
図示のうちわ本体1は、合成樹脂の射出成形によって作ったものの一例であって、粘着シートを表面に貼着し易いように通常のうちわ骨にはない縁の部分に枠4が設けられている。 本考案のうちわ本体1の材料は特に限定されるものではないが、柄2と支持台5との嵌挿結合が量産品においても常に一定の精度で行われるようにするために、合成樹脂の成形によって製造することが望ましい。また柄2を下にして直立させて用いるため、通常のうちわの大きさでは、支持台5を相当大形化しても安定して立てることは困難であり、郵送も容易ではないから、うちわ本体1の大きさは通常のものよりかなり小さめに作ることが好ましい。
【0009】
図2は前記写真貼付シートCの平面図、図3は同シートCの裏面図である。図2〜3に示すように、10は粘着シートであり、その表面側に剥離紙11が貼付され、その裏面側に剥離紙12が貼付された両面粘着シートにより構成されている。表面側の剥離紙11には、写真を貼る面であることの説明文13や貼り方の説明文14を印刷しておくのが好ましい。また、裏面側の剥離紙12には扇面3と同形の切取線15を印刷し、さらに写真の貼り方の説明文16を印刷しておくことが好ましい。
【0010】
図4は前記メッセージシートDの平面図であり、これは片面粘着シートにより構成されている。20は粘着シートであり、その表面にはメッセージを記入するための罫線など21を印刷しておき、かつ裏面には粘着剤層22が形成しておかれる。
また粘着剤層22には剥離紙23が貼付しておかれる。そして、このメッセージシートDは扇面3と同形の形状に予め作っておくのが好ましい。
【0011】
図1に示す封筒Eは、うちわAを入れて郵送できるものであれば、とくに制限なくどのようなものでも使用でき、これに任意のデザインを施すのも自由である。
【0012】
図5〜6はうちわAの片面に写真Fを貼り、反対面にメッセージシートDを貼付した状態を示す。まず、図5のように写真を貼るには写真貼付シートCの表面側の剥離紙11を剥がし取り、そこに貼りたい写真Fを貼り付ける。そして裏面側の切取線15に沿ってハサミを入れ扇形に切り取る。ついで裏面側の剥離紙12を剥がして、うちわAの扇面3に貼り付ける。このとき扇面3には骨だけでなく枠4も形成されているので、貼り付けやすく、貼ったあと簡単に剥がれることもない。また、メッセージシートDは裏面の剥離紙23を剥がして扇面3の反対面に貼り付ければよい。メッセージの記入は貼る前、貼った後に自由に行える。 このように写真を貼ったり、メッセージを記入したうちわ本体を知人に送ろうとすれば、図1に示す封筒Eに入れて郵送すればよい。
【0013】
【考案の効果】
本考案は、うちわの形をしながら、写真立てとなったり、葉書や封書の代用となる郵便媒体にもなるので、現代人の生活にうるおいと面白さを演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案うちわ形写真立てキットの説明図である。
【図2】写真貼付シートCの平面図である。
【図3】写真貼付シートCの裏面図である。
【図4】メッセージシートDの平面図である。
【図5】写真Fを貼付したうちわAの説明図である。
【図6】メッセージシートDを貼付したうちわAの説明図である。
【符号の説明】
1 うちわ本体 2 柄 3 扇面
A うちわ B 支持台 C 写真貼付シート
D メッセージシート E 封筒 F 写真

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】扇面に紙、布などの貼付していないうちわ本体、剥離紙で両面を被覆した両面粘着シートよりなる写真貼付シート、剥離紙で一面を被覆し他面をメッセージカードにデザインした片面粘着シートよりなるメッセージシート、およびそれらを収納する封筒からなることを特徴とするうちわ形写真立てキット。
【請求項2】前記写真貼付シートは、うちわ本体の扇面より大きく、一方の剥離紙の表面に扇面と同形に切り取る切取線を印刷している請求項1記載のうちわ形写真立てキット。
【請求項3】前記メッセージシートはうちわ本体の扇面と同形であり、表面にメッセージ記入用の罫線が印刷されている請求項1記載のうちわ形写真立てキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【登録番号】第3002043号
【登録日】平成6年(1994)7月6日
【発行日】平成6年(1994)9月13日
【考案の名称】うちわ形写真立てキット
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−3609
【出願日】平成6年(1994)3月15日
【出願人】(594031565)株式会社紙工芸やまだ (2)