説明

うぶ毛処理用剃刀

【課題】空気の流れを利用してうぶ毛が容易に剃れるうぶ毛処理用剃刀を提供する。
【解決手段】把持部4と、把持部4に連接された剃刀部1とから主として構成されるうぶ毛処理用剃刀である。剃刀部1の端部には剃刀刃部2を設けるとともに、少なくとも一つの空気孔3を配置し、空気孔3より空気を吸入又は排出する事によりうぶ毛を起毛させて剃る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭又は理容室及び美容室等において用いられるうぶ毛処理用剃刀に関し、更に詳しくは、剃刀刃部の近傍に空気を吸気又は排気できる空気孔を設け、空気の流れによりうぶ毛等を起毛させて効率良くうぶ毛剃り等ができるうぶ毛処理用剃刀に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、我が国において、男女を問わずファッションや外見が重視される傾向が高まり、特に髭やうぶ毛等のお手入れには気を使うようになってきている。そのお手入れの中でも、うぶ毛処理は、女性の間で常識となっている。
【0003】
顔のうぶ毛を剃る時、レザー(かみそり)で剃るときには、あらかじめシェービングフォームやシェービングジェル等の化粧品でうぶ毛を立たせて剃る。電気式のシェーバーは固いひげ等を剃るには適しているが、うぶ毛などの細かい毛を剃るのは効果的ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空気の流れを利用してうぶ毛が容易に剃れるようなうぶ毛処理用剃刀を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、以下の様なうぶ毛処理用剃刀が提供される。
[1]把持部と、前記把持部に連接された剃刀部とから主として構成されるうぶ毛処理用剃刀であって、前記剃刀部の端部には剃刀刃部を設けるとともに、少なくとも一つの空気孔を配設し、該空気孔より空気を吸入又は排出することにより、髭やうぶ毛を起毛して剃るうぶ毛処理用剃刀。
【0006】
[2]電動式動力による空気吸入/排出手段を設けたことにより、該空気孔より空気を吸入又は排出する上記[1]に記載のうぶ毛処理用剃刀。
【0007】
[3]該電動式動力を用いて該剃刀刃部を回転又は平行往復移動させて剃る上記[2]に記載のうぶ毛処理用剃刀。
なお、本発明において、「うぶ毛」とは、まゆ毛、むだ毛、はな毛を含めた総称である。
うぶ毛や人毛は人によって太さ、固さ、濃さがまちまちであり、平均的な頭髪の太さは0.05〜0.15mmといわれているが、本発明はこのうぶ毛だけでなく、人毛全般に有効であることはいうまでもない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一般家庭又は理容室及び美容室等において用いられるうぶ毛処理用剃刀であって、剃刀刃部の近傍に空気を吸気又は排気できる空気孔を設け、空気の流れによりうぶ毛等を起毛させて効率良くうぶ毛処理ができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は、これらに何ら限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものであることは言うまでもない。
【0010】
本発明は、上記したように、剃刀部の近傍に少なくとも一つの空気孔を配置し、空気孔より空気を吸入又は排出することにより、髭やうぶ毛を起毛して剃ることに特徴がある。
ところで、従来の電気シェーバー、電気トリマーの場合はのこぎり状の刃を左右に移動させて剃毛するものと、刃を回転させて、剃毛する2通りのものがある。これらに対して剃刀時に空気の吸引力や、空気の流れを利用して、うぶ毛を起毛させる事で電気式のシェーバーやトリマーであっても確実にうぶ毛を剃毛させる事が可能となる。刃を平行往復移動させて剃毛する、のこぎり式のトリマーの場合、空気孔は刃からなるべく近い方が良い。
【0011】
回転式のシェーバーの場合は、刃を回転させるための軸に、プロペラ等を付けると良い。また、刃が平行移動して剃る、のこぎり式の場合は、刃を左右に移動させるモーターの動力を利用して、プロペラ(ファン)を取り受けると良い。これらのプロペラの回転によって生じた空気の流れを利用して、うぶ毛を吸引する事ができる。また、プロペラの回転方向を変えることで空気を排気することも可能であり、この空気の排気によってもうぶ毛を起毛させる事が可能である。また、上記の剃刀とプロペラの駆動はそれぞれ2つのモーターで別々に駆動させても良いが一つのモーターの方がより省略化、省スペース、低コストで出来るので好ましい。
【0012】
空気孔にはメッシュのフィルターを取り付ける事ができる。このフィルターでうぶ毛を収納してまとめて破棄するためである。また、空気を吸引するファン、プロペラは、吸入孔からモーター軸の間でどこにつけてもかまわない。ファン、プロペラでなくポンプ様の機能で吸引しても構わない。空気を吸いうぶ毛を立たせる事も可能だが、上記のポンプ様の機能を利用して空気を排出してうぶ毛を立たせる事も可能である。またうぶ毛を立たせる方法では静電気やイオンを利用する方法もある。
【0013】
次に、本発明のうぶ毛処理用剃刀について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明のうぶ毛処理用剃刀の一実施形態を模式的に示す側面図である。剃刀部1の端部に剃刀刃部2を設け、剃刀刃部2の近傍に空気孔3を設けた。剃刀刃部周辺の空気は、空気孔3から空気孔へ空気移動領域10を介した空気吸排出手段によって、吸引または排出される。この時の空気の流れを利用してうぶ毛が起毛して、効率良く剃毛が行われる。空気孔3は剃刀刃部2からなるべく近い方が良いが、具体的には7mm以内が望ましく2mm以内がより望ましい。図3は本発明のうぶ毛処理用剃刀の一実施形態において、剃刀部1上での剃刀刃部2と空気孔3の位置関係を示すための模式的一部拡大側面図である。
また、剃刀刃部2には、本体から刃部を出すための溝が形成されており、その溝を空気孔3とすることもできる。
【0014】
図2は、本発明のうぶ毛処理用剃刀の別の実施形態を示す模式的一部透過側面図である。図2においては、図1の空気吸排出手段は、モーター6及びプロペラ5である。図2においては、モーター6は本体外部にある電源供給部8より電力を供給するが、乾電池や充電式乾電池を利用した場合には把持部4内に格納する事も出来る。モーター6によりプロペラ5を回転させて、空気を吸排出する事ができる。
【0015】
空気を吸引した場合には、空気孔3にメッシュを設置してうぶ毛を格納して、まとめて廃棄することができる。また、ブラシで取り去ることもできる。図2においては、空気移動領域は、明示していないが、プロペラ5、モーター6、空気孔7の位置関係によって適宜変更可能であって、把持部4内において空洞状や、管状のものであっても良く、特にその形状及び構造は問わないものとする。
【0016】
剃刀部1の片側だけでなく、左右両側に剃刀刃部2を設けた場合には、空気孔3も、両側に設けることが出来る。また、空気孔3は、剃刀刃部2の近傍であれば良く、複数設けることが出来る。
【0017】
また、図2においてモーター6の回転運動を動力変換手段12及びロッド11を用いて平行往復運動に変換して、剃刀刃部2を駆動する。動力変換手段は、歯車状のクランクが好ましいが、特にその構造及び形状は問わないものとする。
【0018】
図4(a)(b)は、本発明のうぶ毛処理用剃刀のさらに別の実施形態を示す説明図であり、回転式の電気シェーバータイプを示す。図4(a)においては、20はモーターで、電池21に連結されており、スイッチ22によりオンオフができるようになっている。図4(b)は図4(a)の一部を拡大し展開した図で、モーター20に連結した軸23に、うぶ毛処理用の刀24とともに、プロペラ25及びメッシュフィルター26が結合されており、これらのうぶ毛処理用刀24、プロペラ25及びメッシュフィルター26は金属製のメッシュカバー27により包囲(カバー)されている。
【0019】
このタイプのうぶ毛処理用剃刀では、スイッチ22をオンすることによりモーター20が起動しモーター20に連結した軸23が回転して刀24とともにプロペラ25を回転させる。プロペラ25の回転によって生じた空気の流れを利用して、うぶ毛を吸引し起毛させる事ができ、効率良く剃毛が行われる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のうぶ毛処理用剃刀は、一般家庭又は理容室及び美容室等において用いられ、剃刀刃部の近傍に空気を吸気又は排気できる空気孔を設け、空気の流れによりうぶ毛等を起毛させて効率の良いうぶ毛処理を行う事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のうぶ毛処理用剃刀の一実施形態を示す模式的側面図である。
【図2】本発明のうぶ毛処理用剃刀の別の実施形態を示す模式的一部透過側面図である。
【図3】本発明の剃刀刃部の一実施形態を示す一部拡大模式的側面図である。
【図4】図4(a)(b)は、本発明のうぶ毛処理用剃刀のさらに別の実施形態を示す説明図で、図4(a)は全体斜視図、図4(b)は図4(a)の一部を拡大し展開した図である。
【符号の説明】
【0022】
1:剃刀部、2:剃刀刃部、3、7:空気孔、4:把持部、5:プロペラ、6:モーター、8:電源供給部、9:空気吸排出手段、10:空気移動領域。11:動力伝脱手段、12:動力変換手段、20:モーター、21:電池、22:スイッチ、23:軸、24:うぶ毛処理用の刀、25:プロペラ、26:メッシュフィルター、27:メッシュカバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、前記把持部に連接された剃刀部とから主として構成されるうぶ毛処理用剃刀であって、
前記剃刀部の端部には剃刀刃部を設けるとともに、少なくとも一つの空気孔を配設し、該空気孔より空気を吸入又は排出することによりうぶ毛を起毛させて剃るうぶ毛処理用剃刀。
【請求項2】
電動式動力による空気吸入/排出手段を設けた事により、該空気孔より空気を吸入又は排出する請求項1に記載のうぶ毛処理用剃刀。
【請求項3】
該電動式動力を用いて該剃刀刃部を回転又は平行往復移動させて剃る請求項2に記載のうぶ毛処理用剃刀。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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