説明

おむつ、およびおむつの製造方法

【課題】2枚の離間したシートに液吸収性パネルを取り付ける工程を有するおむつの製造方法で、製造スペースを小さくすることができるおむつの製造方法、および該おむつの製造方法で製造したパンツ型おむつ、テープ止めタイプのおむつまたは再締結可能なパンツ型おむつを提供する。
【解決手段】本発明のおむつの製造方法は、第1のシートと第2のシートとを相互に隣接させて並んで走行させるシート並行工程(S2)と、第1のシートと第2のシートとの間に伸長可能な第3のシートを渡設するシート渡設工程(S3)と、第1のシートと第2のシートとの間の間隔を広げて、第1のシートと第2のシートとを走行させ、第3のシートを伸長させるシート伸長工程(S4)と、伸長した第3のシートに液吸収性パネルを取り付ける液吸収性パネル取付工程(S5)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつおよびおむつの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1枚のウェブを幅方向に2分し、2分されたウェブを幅方向に離間し、離間した2枚のウェブを連結するように、液吸収性パネルをホットメルト型接着剤で一定間隔を開けて連続的に固着させた後、離間した2枚のウェブとそのウェブを連結する1つの液吸収性パネルとが1組になるように、離間した2枚のウェブを切断して、離間した2枚のウェブを重ね合わせて切断端同士を固着することによって、使い捨ておむつを製造する方法が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この方法で使い捨ておむつを製造することにより、使い捨ておむつを製造する際に切り捨てるウェブの量を少なくすることができ、使い捨ておむつの製造コストを低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3732459号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されている使い捨ておむつの製造方法のように、2枚のウェブを離間すると、使い捨ておむつを製造するために広いスペースが必要となる。このため、2枚のウェブが離れ始める地点から、2枚の離間したウェブに吸収体パネルを取り付ける地点までの距離が短くなる程、好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を採用した。
すなわち、本発明のおむつの製造方法は、第1のシートと第2のシートとを相互に隣接させて並んで走行させるシート並行工程と、第1のシートと第2のシートとの間に伸長可能な第3のシートを渡設するシート渡設工程と、第1のシートと第2のシートとの間の間隔を広げて、第1のシートと第2のシートとを走行させ、第3のシートを伸長させるシート伸長工程と、伸長した第3のシートに液吸収性パネルを取り付ける液吸収性パネル取付工程とを含む。ここで、第3のシートは折り畳まれたシートであり、シート伸長工程で、折り畳まれていた第3のシートが伸展することによって、第3のシートは伸長することが好ましい。また、折り畳まれた第3のシートは、シート伸長工程まで第3のシートが展開するのを防止するための仮止め手段を有してもよい。または、シート伸長工程で、第3のシート自体が伸びることによって、第3のシートは伸長するようにしてもよい。さらに、第1のシートおよび/または第2のシートに、おむつの脚繰り部の少なくとも一部を形成するための脚繰りカットを施す脚繰りカット工程を含むことが好ましい。また、脚繰りカット工程は、さらに第3のシートに脚繰りカットを施してもよい。ここで、脚繰りカット工程は、シート渡設工程とシート伸長工程との間で行うことが好ましい。また、第1のシートおよび/または第2のシートは、シート並行工程の走行方向に延びる弾性部材を有してもよい。さらに、第1のシートおよび/または第2のシートは、トラバース弾性部材を有してもよい。また、第4のシートを走行させ、第4のシートを走行方向に切断して第1のシートと第2のシートとを形成するシート切断工程を含んでもよい。本発明の別の態様は、上記のおむつの製造方法で製造されたパンツ型おむつ、テープ止めタイプのおむつまたは再締結可能なパンツ型おむつである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、2枚のシートが離れ始める地点から、2枚の離間したシートに液吸収性パネルを取り付ける地点までの距離を短くすることができ、製造スペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、着用状態における本発明の第1の実施形態のおむつを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のおむつを平面に展開した平面図であり、着用者の肌側から見たときの図である。
【図3】図3は、図2のおむつのA−A’断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態におけるおむつの製造方法を説明するための概略図である。
【図5】図5(a)は、折り畳まれた連結シートの斜視図であり、図5(b)は、図5(a)の折り畳まれた連結シートのB−B’断面図であり、図5(c)は、図5(a)の折り畳まれた連結シートの展開図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のおむつの変形例を説明するための図である。
【図7】図7は、着用状態における本発明の第2の実施形態のおむつを示す斜視図である。
【図8】図8は、図7のおむつを平面に展開した平面図であり、着用者の肌側から見たときの図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態におけるおむつの製造方法を説明するための概略図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施形態のおむつの変形例を説明するための図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施形態のおむつの変形例を説明するための図である。
【図12】図12は、本発明の第3の実施形態のおむつを平面に展開した平面図であり、着用者の肌側から見たときの図である。
【図13】図13は、本発明の第3の実施形態におけるおむつの製造方法を説明するための概略図である。
【図14】図14は、本発明の第3の実施形態におけるおむつの変形例を説明するための図である。
【図15】図15は、本発明の第3の実施形態におけるおむつの変形例を説明するための図である。
【図16】図16は、本発明の第4の実施形態のおむつを平面に展開した平面図であり、着用者の肌側から見たときの図である。
【図17】図17は、第4の実施形態におけるおむつの製造方法を説明するための概略図である。
【図18】図18(a)は、図5と異なる折り畳まれ方で折り畳まれた連結シートの斜視図であり、図18(b)は、図18(a)の折り畳まれた連結シートのD−D’断面図であり、図18(c)は、図18(a)の折り畳まれた連結シートの展開図である。
【図19】図19は、折り畳まれていない連結シートを使用した場合の本発明の実施形態におけるおむつの製造方法を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
−第1の実施形態−
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、着用状態における本発明の第1の実施形態のおむつ1Aを示す斜視図であり、図2は、図1のおむつ1Aを平面に展開した平面図であり、着用者の肌側から見たときの図である。おむつ1Aは、着用者の下腹部および臀部を覆う環状のシャーシ2Aと、着用者の股下部を覆う吸収体部3Aとから構成される。
【0010】
シャーシ2Aは、着用者の下腹部を覆う腹側シート4Aと、臀部を覆う背側シート5Aとを含み、腹側シート4Aの腹側縁部43Aと背側シート5Aの腹側縁部53Aとが、接合部44Aにおいて熱融着手段によって接合される。なお、腹側シート4Aの腹側縁部43Aの長さは、背側シート5Aの腹側縁部53Aの長さよりも短いが、腹側シート4Aの腹側縁部43Aの長さと、背側シート5Aの腹側縁部53Aの長さとを同じにしてもよい。図2に示すように、腹側シート4Aおよび背側シート5Aの形状は、矩形形状である。図1に示すように、腹側シート4Aの上縁部45Aと背側シート5Aの上縁部55Aとで、おむつ1Aの胴周りの開口部が形成される。
【0011】
腹側シート4Aおよび背側シート5Aには、所定間隔で並んで複数配置された胴回り方向に延びる弾性部材41A,51Aが設けられており、この弾性部材41A,51Aの伸縮性により、着用者の下腹部および臀部におむつ1Aをフィットさせることができる。なお、弾性部材41A,51Aを用いる代わりに、または、用いるとともに、腹側シート4Aおよび背側シート5Aに、伸縮性を有する不織布を用いてもよい。この場合も、おむつ1Aのウェストレッグ周りのフィット性を良好にすることができる。
【0012】
腹側シート4Aおよび背側シート5Aには、着用時の蒸れを防止するために、通気性を有する不織布やプラスチックフィルムなどが使用される。また、弾性部材41A,51Aには、たとえば、天然ゴム、合成ゴム、スパンデックスのような弾性繊維などが用いられる。
【0013】
吸収体部3Aは、連結シート6Aと、液吸収性パネル7Aとを有する。図2に示すように、連結シート6Aおよび液吸収性パネル7Aの形状は矩形形状である。連結シート6Aは、腹側シート4Aの下縁部46Aと背側シート5Aの下縁部56Aとが離間した状態で、腹側シート4Aの下縁部46Aと背側シート5Aの下縁部56Aとを連結させるシートである。また、連結シート6Aは、液吸収性パネル7Aを取り付けるときの基礎となる。連結シート6Aは、ホットメルト接着剤などの接着剤を使用して、腹側シート4Aと背側シート5Aとに接合される。スパンボンド法やエアースルー法などによって作製された、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維などからなる親水性不織布が連結シート6Aに使用される。なお、連結シート6Aに、生地自体が伸びる生地を使用してもよいし、生地自体が伸びない生地を使用してもよい。
【0014】
液吸収性パネル7Aは、着用者からの体液を吸収する吸収体である。腹側シート4Aから背側シート5Aへ向かう方向(以下、縦方向と呼ぶ)の液吸収性パネル7Aの長さは、連結シート6Aの縦方向の長さよりも長い。一方、縦方向と直交する横方向の液吸収性パネル7Aの長さは、連結シート6Aの横方向の長さよりも短い。
【0015】
図3を参照して、液吸収性パネル7Aをさらに詳細に説明する。図3は、図2のおむつ1AのA−A’断面図である。図3において、液吸収性パネル7Aの上側が着用者の皮膚と接する側である。背側シート5Aは、2層のシート57A,58Aから構成される複合シートである。背側シート5Aの上に1層のシートから構成される連結シート6Aが積層される。連結シート6Aの上に液吸収性パネル7Aが設けられている。吸収性パネル7Aは、不図示のホットメルト接着剤などの接着剤を使用して連結シート6Aに取り付けられる。
【0016】
液吸収性パネル7Aは、トップシート71A、液吸収体72A、バックシート73Aおよび防漏部材74Aを含む。トップシート71Aは、着用者の体液を素早く吸収して液吸収体72Aに移行させるシートである。トップシート71Aは着用者の肌と接触するため、肌触りがよいこと、および皮膚への安全性が要求される。また、トップシート71Aは、液吸収体72Aに吸収された体液を逆戻りさせないことも必要である。たとえば、エアースルー不織布、スパンボンド不織布、立体開孔フィルムなど、液透過性のシートがトップシート71Aに使用される。
【0017】
液吸収体72Aは、着用者の体液を吸収し保持する吸収体である。吸収体72Aは、綿状パルプや高吸収性ポリマーなどの吸収部材と、吸収部材を包み込む吸収紙などとから主に構成される。バックシート73Aは、体液を透過しない液不透過性シートであり、排出された体液が外に漏れないようにするために設けられている。バックシート73Aの材料には、たとえば、防水処理を施した不織布、ポリエチレンなどから構成されるプラスチックフィルム、不織布とプラスチックフィルムとの複合材料などが用いられる。
【0018】
液吸収性パネル7Aの横方向の側縁部に防漏部材74Aが設けられており、防漏部材74Aは、着用者から排出された体液が液吸収性パネル7Aの両側から外部へ漏出するのを抑制する。防漏部材74Aには、液吸収性パネル7Aの縦方向に延びる弾性部材75Aが設けられており、この弾性部材75Aの伸縮力により、着用時に防漏部材74Aは、着用者の肌に向けて立ち上がり、防漏壁として作用する。
【0019】
図1および図2に示すように、腹側シート4Aの下縁部46A、背側シート5Aの下縁部56Aおよび連結シート6Aの横方向にある横縁部61Aにより、着用者の脚周りの開口部、すなわち、脚繰り部を形成する。この脚繰り部に足を通して着用者はおむつ1Aを着用する。すなわち、おむつ1Aは、いわゆるパンツ型おむつである。
【0020】
次に、図4を参照して、本発明の第1の実施形態におけるおむつの製造方法を説明する。図4は、第1の実施形態におけるおむつの製造方法を説明するための概略図である。図面を見て左側が、シートが走行する方向、すなわち、機械方向MDであり、上下方向がシートの幅の方向、すなわち、幅方向CDである。本発明の第1の実施形態におけるおむつの製造方法は、複合パネル作製工程(S1)、複合パネル切断工程(S2)、折畳連結シート渡設工程(S3)、切断複合パネル間拡幅工程(S4)、液吸収性パネル取付工程(S5)、切断複合パネル重ね合わせ工程(S6)および接着・分割工程(S7)を含む。
【0021】
複合パネル作製工程(S1)
複合パネル作製工程では、まず、ホットメルト接着剤が面上に塗布された、連続する第1の連続ウェブシート101を機械方向MDへ走行させる。次に、第1の連続ウェブシート101上に、糸状の弾性部材102を伸長状態で複数並列に配置して取り付ける。そして、第1の連続ウェブシート101の弾性部材102が取り付けられた面に、連続する第2の連続ウェブシート103を機械方向MDへ連続的に供給する。その後、第2の連続ウェブシート103を第1の連続ウェブシート101と接合して連続複合パネル104を作製する。
【0022】
複合パネル切断工程(S2)
複合パネル切断工程では、円形状のスリッター105を使用して、機械方向MDに走行している連続複合パネル104を機械方向MDに切断する。これにより1枚の連続複合パネルが2枚の連続複合パネル107,108になる。切断された連続複合パネル107,108は、相互に隣接して並んで走行する。
【0023】
折畳連結シート渡設工程(S3)
折畳連結シート渡設工程では、ホットメルト接着剤を使用して、連続複合パネル104の切断部106を跨ぐように、折り畳まれた連結シート6Aを連続複合パネル104に貼り付ける。すなわち、折り畳まれた連結シート6Aを切断連続複合パネル107,108の間に渡設する。折り畳まれていた連結シート6Aは、伸展することによって、伸長することができる。
【0024】
折り畳まれた連結シート6Aの模式図を図5に示す。図5(a)は、折り畳まれた連結シート6Aの斜視図であり、図5(b)は、図5(a)の折り畳まれた連結シート6AのB−B’断面図であり、図5(c)は、図5(a)の折り畳まれた連結シート6Aの展開図である。また、図5の左右の方向が長手方向であり、上下方向が短手方向である。図5(c)に示すように、連続シート6Aは、短手方向に延びる点線62A,65Aを内折りにし、点線63A,64Aを外折りにすることによって、図5(b)に示す断面形状の連結シート6Aを形成することができる。図5(b)に示すように、折り畳まれた連結シート6Aの断面形状は略Ω形状である。図5(b)の断面形状のように折り畳むことを以下、略Ω状に折り畳むと呼ぶことにする。なお、図5(a),(b)に示す連結シート6Aの折り畳み方と比較して、折り畳む位置などを偏倚させて折り畳むことも略Ω状に折り畳むことに含まれるものとする。連結シート6Aを略Ω状に折り畳むことによって、連結シート6Aをコンパクトにすることができるとともに、連結シートの展開もスムーズに行うことができる。また、折り畳み方も簡素であるので、連結シートを大量に折り畳むことが容易である。
【0025】
折り畳まれた連結シート6Aを切断連続複合パネル107,108の間に渡設することによって、2枚の切断連続複合パネル107,108は、安定的に、隣接して相互に並んで走行することができる。すなわち、一方の切断複合パネル107,108の走行が他方の切断複合パネル107,108に遅れたり、一方の切断複合パネル107,108が他方の切断複合パネル107,108から離れたりするのが抑制される。
【0026】
切断複合パネル間拡幅工程(S4)
切断複合パネル間拡幅工程では、連続複合パネル104を切断したもの(以下、連続切断複合パネル107,108と呼ぶ。)同士の間隔を拡幅して連続切断複合パネル107,108を走行させる。たとえば、連続切断複合パネル107,108をそれぞれ別のベルトコンベアーで走行させ、2つベルトコンベアーの間隔を広げることによって、2枚の連続切断複合パネル107,108の間隔を広げて走行させることができる。これにより、折り畳まれていた連結シート6Aが伸展する。連続切断複合パネル107,108の間隔を拡幅するときの間隔は、伸展した連結シート6Aが緊張する程度の間隔であることが好ましい。
【0027】
連結シート6Aが伸展することによって、後述の液吸収性パネル取付工程で液吸収性パネル7Aを取り付けるための基礎が形成される。また、伸展した連結シート6Aが緊張している場合、液吸収性パネル7Aを取り付ける箇所が平らになるので、取り付けやすくなる。
【0028】
液吸収性パネル取付工程(S5)
液吸収性パネル取付工程では、ホットメルト接着剤を使用して、伸展した連結シート6A上に液吸収性パネル7Aを取り付ける。
【0029】
切断複合パネル重ね合わせ工程(S6)
切断複合パネル重ね合わせ工程では、連続切断複合パネル107,108の外側の縁同士を合わせて、連続切断複合パネル107,108の表面同士が接するように連続切断複合パネル107,108を重ね合わせる。このとき、液吸収性パネル7Aに折り目が入らないように連続切断複合パネル107,108を重ね合わせることが好ましい。図4では、連続切断複合パネル108を連続切断複合パネル107に重ねているが、連続切断複合パネル107を連続切断複合パネル108に重ねるようにしてもよい。また、連続切断複合パネル107,108が、両方とも面方向を変えながら重なり合うようにしてもよい。
【0030】
接着・分割工程(S7)
接着・分割工程では、重ね合わせた連続切断複合パネル107,108の腹側シート4Aの腹側縁部43Aおよび背側シート5Aの腹側縁部53A(図2参照)に相当する位置109を熱融着手段などを使用して接合する。そして、C−C’1点鎖線で切断することによって、重ね合わされた連続切断複合パネル107,108を分割し、おむつ1Aを形成する。
【0031】
以上の第1の実施形態で、図2に示すおむつ1Aを作製したが、第1の実施形態のおむつの製造方法を利用して、図6に示すおむつ1Bを作製するようにしてもよい。すなわち、連結シート6Bの縦方向が液吸収性パネル7Aの縦方向の長さよりも長く、連結シート6Bの横方向が液吸収性パネル7Aの横方向の長さよりも長いおむつ1Bを第1の実施形態のおむつの製造方法を利用して作製するようにしてもよい。連結シート6Bが大きいので、より安定的に液吸収性パネル7Aを連結シート6Bに取り付けることができる。また、連結シート6Bが大きいので、2つの連続切断複合パネル107,108の走行をより安定的に合わせることができる。
【0032】
−第2の実施形態−
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態のおむつについて説明する。第1の実施形態のおむつ1Aと共通する部分には共通の符号を付し、第1の実施形態のおむつ1Aと異なる部分を主に説明する。第2の実施形態のおむつには、脚繰りカットが施されている。
【0033】
図7は、着用状態における本発明の第2の実施形態のおむつ1Cを示す斜視図であり、図8は、図7のおむつ1Cを平面に展開した平面図であり、着用者の肌側から見たときの図である。図8に示すように、腹側シート4Cおよび背側シート5Cの形状は、2つの角を湾曲状に切り欠いた矩形形状である。第2の実施形態のおむつ1Cでは、腹側シート4Cの下縁部46Cおよび背側シート5Cの下縁部56Cには、湾曲状の脚繰りカットが施されている。これにより、腹側シート4Cの下縁部46C、背側シート5Cの下縁部56Cおよび連結シート6Aの横方向にある横縁部61Aにより形成される脚繰り部が、着用者の脚周りによりフィットするようになる。
【0034】
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施形態におけるおむつの製造方法を説明する。第1の実施形態のおむつの製造方法と共通する部分には共通の符号を付し、第1の実施形態のおむつの製造方法と異なる部分を主に説明する。
【0035】
図9は、本発明の第2の実施形態におけるおむつの製造方法を説明するための概略図である。折畳連結シート渡設工程(S3)と切断複合パネル間拡幅工程(S4A)との間に、脚繰りカット工程(S8)を有する点で、本発明の第2の実施形態におけるおむつの製造方法は第1の実施形態におけるおむつ製造方法と異なる。したがって、脚繰りカット工程(S8)の部分を主に説明する。
【0036】
脚繰りカット工程(S8)
折畳連結シート渡設工程を終了した連続切断複合パネル107,108は、次に脚繰りカット工程に進む。脚繰りカット工程では、隣接する2つの連結シート6Aの間に、おむつ1Cの脚繰り部の形状に合わせたカットライン110を連続切断複合パネル107,108に形成し、カットライン110内の部分111を連続切断複合パネル107,108から取り除く。隣接する2つの連結シート6Aの間で脚繰りカットを行うので、2枚の連続切断複合パネル107,108が、カットされているときにめくり上がったり、幅方向CDに移動したりするのが抑制される。カットライン110の形状は、幅方向CDの軸に対して対称である。そして、カットライン110内の部分111が取り除かれ、連続切断複合パネル107,108は、次に、第1の実施形態におけるおむつの製造方法で説明した切断複合パネル間拡幅工程へ進む。
【0037】
以上の第2の実施形態で、図8に示すおむつ1Cを作製したが、第2の実施形態のおむつの製造方法を利用して、図10に示すおむつ1Dを作製するようにしてもよい。すなわち、連結シート6Dの横方向にある横縁部61Dにも湾曲状の脚繰りカットが施されているおむつ1Dを第2の実施形態のおむつの製造方法を利用して作製するようにしてもよい。この場合、切断複合パネル間拡幅工程の後に脚繰りカット工程を行い、伸展した連結シートの一部にもカットラインが形成され、連結シートのカットライン内部分が連結シートから取り除かれる。これにより、連結シートの横の部分が脚繰りに沿ったラインにカットされるので、製品の股下部分が体に沿いやすくなる、すなわち、フィット性がよくなる。
【0038】
また、第2の実施形態のおむつの製造方法を利用して、図11に示すおむつ1Eを作製するようにしてもよい。すなわち、脚繰りカットが施されている背側シート5Cの下縁部56Cの一部が、連結シート6Aよりも横方向の長さが長い液吸収性パネル7Eによって隠されているおむつ1Eを第2の実施形態のおむつの製造方法を利用して作製するようにしてもよい。連結シート6Aにより、脚繰りカットが施されている連続切断複合パネル107,108がしわになったり歪んだりすることが広い領域にわたって抑制されるので、このような大きな液吸収性パネル7Eを取り付けるときもときにも第2の実施形態のおむつの製造方法を使用することができる。
【0039】
−第3の実施形態−
以下、図面を参照して本発明の第3の実施形態のおむつについて説明する。第2の実施形態のおむつ1Cと共通する部分には共通の符号を付し、第2の実施形態のおむつ1Cと異なる部分を主に説明する。第3の実施形態のおむつには、トラバース手段を利用して形成された糸状の弾性部材が設けられている。
【0040】
図12は、本発明の第3の実施形態のおむつ1Fを平面に展開した平面図であり、着用者の肌側から見たときの図である。第3の実施形態のおむつ1Fでは、たとえば、特開平6−197925号公報などに記載されていて公知である、弾性部材をサインカーブ状に配置するトラバース手段を利用して、糸状の弾性部材59Fが背側シート5Fに、波状に設けられている。トラバース手段を利用して設けられたこの波状の弾性部材59Fを以下、トラバース弾性部材と呼ぶ。トラバース弾性部材59Fは、脚繰りカットが施されている背側シート5Fの下縁部56Cに沿って設けられている。トラバース弾性部材59Fの伸縮により、腹側シート4Cの下縁部46C、背側シート5Fの下縁部56Cおよび連結シート6Aの横縁部61Aにより形成される脚繰り部が、着用者の脚周りによりフィットするようになり、また、背側シート5Fが着用者の臀部によりフィットするようになる。
【0041】
次に、図13を参照して、本発明の第3の実施形態におけるおむつの製造方法を説明する。第2の実施形態のおむつの製造方法と共通する部分には共通の符号を付し、第2の実施形態のおむつの製造方法と異なる部分を主に説明する。
【0042】
図13は、本発明の第3の実施形態におけるおむつの製造方法を説明するための概略図である。複合パネル作製工程で、糸状の弾性部材102の他にトラバース弾性部材112を伸長状態で取り付ける点で、本発明の第3の実施形態におけるおむつの製造方法は第2の実施形態におけるおむつ製造方法と異なる。図13に示すように、トラバース弾性部材112は、波状であり、山の部分112aと谷の部分112bとを有する。折畳連結シート渡設工程では、トラバース弾性部材112のうちの山の部分と重なるように、折り畳まれた連結シート6Aを連続切断複合パネル107,108に貼り付ける。さらに、脚繰りカット工程では、トラバース弾性部材111の谷の部分に沿って、おむつ1Fの脚繰り部の形状に合わせたカットライン110を連続切断複合パネル107,108に形成する。このように、連結シート6Aおよびカットライン110を配置することにより、おむつ1Fが着用者にフィットするための適切な位置にトラバース弾性部材59Fおよび脚繰りカット46C,56Cを形成することができる。
【0043】
上述したようにトラバース弾性部材112は波状であるため、弾性部材112の収縮しようとする方向が、弾性部材102に比べて複雑である。このため、連続切断複合パネル108は、第1および第2の実施形態の連続切断複合パネル108に比べてさらにしわや歪みを生じやすい。しかし、連結シート6Aによって、切断複合パネル間拡幅工程の前も後も、連続切断複合パネル108のしわや歪みの発生を抑制することができるので、安定して脚繰りカット工程および液吸収性パネル取付工程を行うことができる。
【0044】
以上の第3の実施形態で、図12に示すおむつ1Fを作製したが、第3の実施形態のおむつの製造方法を利用して、図14に示すおむつ1Gを作製するようにしてもよい。すなわち、背側シート5Fにトラバース弾性部材59Fを設けるとともに、腹側シート4Gにもトラバース弾性部材49Gが設けられたおむつ1Gを第3の実施形態のおむつの製造方法を利用して作製するようにしてもよい。この場合、複合パネル作製工程で、糸状の弾性部材102の他に、相互に山および谷の位置が逆である2組のトラバース弾性部材112を伸長状態で取り付ける。また、折畳連結シート渡設工程では、2組のトラバース弾性部材がもっとも接近している部分と重なるように、折り畳まれた連結シート6Aを連続切断複合パネル107,108に貼り付ける。さらに、脚繰りカット工程では、2組のトラバース弾性部材がもっとも離れている部分で、2組のトラバース弾性部材の間におむつ1Gの脚繰り部の形状に合わせたカットライン110を連続切断複合パネル107,108に形成する。
【0045】
腹側シート4Gにも背側シート5Fにもトラバース弾性部材49G,59Fが設けられているので、トラバース弾性部材49G,59Fの収縮により、連続切断複合パネル107と連続切断複合パネル108との機械方向MDの位置がずれてしまう場合がある。しかし、連結シート6Aによって、連続切断複合パネル107と連続切断複合パネル108との機械方向MDの位置のずれを抑制することができるので、安定して脚繰りカット工程および液吸収性パネル取付工程を行うことができる。
【0046】
さらに、第3の実施形態のおむつの製造方法を利用して、図15に示すおむつ1Hを作製するようにしてもよい。すなわち、山の部分および谷の部分を有する波状のトラバース弾性部材の山の部分の少なくとも一部49Hを腹側シート4Hに設けるとともに、波状のトラバース弾性部材112のその他の部分59Hを背側シート5Hに設けたおむつ1Hを第3の実施形態のおむつの製造方法を利用して作製するようにしてもよい。この場合、複合パネル切断工程では、波状のトラバース弾性部材111の山の部分の少なくとも一部が切断されるように、機械方向MDに走行している連続複合パネル104を機械方向MDに切断する。
【0047】
連続切断複合パネル107,108には、機械方向MDにおいて、トラバース弾性部材112が設けられている部分と、設けられていない部分とが生じる。このため、弾性部材112の収縮しようとする方向が複雑になり、連続切断複合パネル107,108にしわや歪みが生じやすくなる。しかし、連結シート6Aによって、切断複合パネル間拡幅工程の前も後も、連続切断複合パネル107,108のしわや歪みの発生を抑制することができるので、安定して脚繰りカット工程および液吸収性パネル取付工程を行うことができる。
【0048】
−第4の実施形態−
以下、図面を参照して本発明の第4の実施形態のおむつについて説明する。第2の実施形態のおむつ1Cと共通する部分には共通の符号を付し、第2の実施形態のおむつ1Cと異なる部分を主に説明する。第4の実施形態のおむつの連結シートは、連続したシートから形成されたものである。
【0049】
図16は、本発明の第4の実施形態のおむつ1Iを平面に展開した平面図であり、着用者の肌側から見たときの図である。第4の実施形態のおむつ1Iでは、連結シート6Iの横縁部61Iには直線状の脚繰りカットが施されている。この連結シート6Iは、以下の第4の実施形態におけるおむつの製造方法で説明するように連続したシートから形成される。
【0050】
次に、図17を参照して、本発明の第4の実施形態におけるおむつの製造方法を説明する。第2の実施形態のおむつの製造方法と共通する部分には共通の符号を付し、第2の実施形態のおむつの製造方法と異なる部分を主に説明する。
【0051】
図17は、第4の実施形態におけるおむつの製造方法を説明するための概略図である。折畳連結シート渡設工程で、連続している折り畳まれた連続連結シート113を連続切断複合パネル107,108に貼り付ける点で、本発明の第4の実施形態におけるおむつの製造方法は第2の実施形態におけるおむつ製造方法と異なる。この場合もホットメルト接着剤などの接着剤を使用して連続連結シート113を連続切断複合パネル107,108に取り付ける。さらに、脚繰りカット工程で、連続している折り畳まれた連続連結シート113の上から連続切断複合パネル107,108にカットライン110を形成する点で、本発明の第4の実施形態におけるおむつの製造方法は第2の実施形態におけるおむつ製造方法と異なる。
【0052】
連続している折り畳まれた連結シート113を連続切断複合パネル107,108に供給するので、連続連結シート113を1枚ずつ分割する必要がなく、製造工程を簡易にできる。
【0053】
以上の実施形態によるおむつの製造方法は、次のような効果を奏する。
(1)切断連続複合パネル107,108を相互に隣接させて並んで走行させる複合パネル切断工程(S2)と、切断連続複合パネル107,108の間に伸長可能な連結シート6Aを渡設する折畳連結シート渡設工程(S3)と、切断連続複合パネル107,108の間の間隔を広げて、切断連続複合パネル107,108を走行させ、折り畳まれていた連結シート6Aを伸展させる切断複合パネル間拡幅工程(S4)と、伸展した連結シート6Aに液吸収性パネル7Aを取り付ける液吸収性パネル取付工程(S5)とを含むようにした。これにより、切断複合パネル間拡幅工程(S4)に入るまで、2枚の切断連続複合パネル107,108を相互に隣接させて並んで走行させることができるので、2枚の切断連続複合パネル107,108が離れ始める地点から、2枚の離間した切断連続複合パネル107,108に液吸収性パネルを取り付ける地点までの距離を短くすることができ、製造スペースを小さくすることができる。
【0054】
(2)折り畳んだ連結シート6Aを使用することによって、切断複合パネル間拡幅工程(S4)で、連結シート6Aを伸長させるようにした。これにより、連結シート6Aは、切断複合パネル間拡幅工程(S4)までは折り畳まれているので、切断連続複合パネル107,108を相互に隣接させて走行させることができ、切断複合パネル間拡幅工程(S4)では、切断連続複合パネル107,108の拡幅に合わせて伸長することができる。
【0055】
(3)折畳連結シート渡設工程(S3)と切断複合パネル間拡幅工程(S4)との間で、おむつの脚繰り部の少なくとも一部を形成するための脚繰りカットを切断連続複合パネル107,108に施す脚繰りカット工程(S8)を行うようにした。これにより、折り畳まれている連結シート6Aによって、切断連続複合パネル107,108の脚繰りカットを施す部分がめくり上がったり歪んだりすることが抑制されるので、脚繰りカットを適切に施すことができる。また、切断連続複合パネル107,108が相互に隣接しているときに、脚繰りカットを施すことができるので、離間した状態で切断するよりも、脚繰りカットを行うためのカッター装置を小型化することが可能になり、設備投資費用を低減することができる。
【0056】
(4)脚繰りカット工程で、さらに連結シート6Aにも脚繰りカットを施すようにした。これにより、着用者の脚周りに、さらにフィットした脚繰り部を形成することができる。
【0057】
(5)切断連続複合パネル107,108は、複合パネル切断工程(S2)の走行方向に延びる弾性部材102を有するようにした。弾性部材を有する複合パネルは、一般に弾性部材の収縮で歪みやすくなるが、本発明の実施形態におけるおむつ製造方法では、折り畳まれた連結シート6Aによって、切断連続複合パネル107,108の歪みが抑制されるので、精度よくおむつを製造することができる。また、連結シート6Aが伸長した後も、連結シート6Aによって、相互に離隔した切断連続複合パネル107,108において弾性部材102の収縮に起因して発生するしわを抑制することができるので、液吸収性パネル7Aを安定して取り付けることができる。すなわち、本発明の実施形態によるおむつの製造方法の効果は、おむつの生地が弾性部材102を有する場合に、より顕著になる。
【0058】
(6)切断連続複合パネル107,108のうちの一方、または両方の切断連続複合パネルは、トラバース弾性部材を有するようにした。トラバース弾性部材を有する複合パネルは、一般にトラバース弾性部材の収縮で歪みやすくなり、その後の脚繰り周りのカットなどが困難になる場合があるが、本発明の実施形態におけるおむつ製造方法では、折り畳まれた連結シート6Aによって、トラバース弾性部材の収縮による切断連続複合パネル107,108の歪みが抑制されるので、精度よくおむつを製造することができる。また、連結シート6Aが伸長した後も、連結シート6Aによって、相互に離隔した切断連続複合パネル107,108においてトラバース弾性部材の収縮に起因して発生するしわを抑制することができるので、液吸収性パネル7Aを安定して取り付けることができる。すなわち、本発明の実施形態によるおむつの製造方法の効果は、おむつの生地がトラバース弾性部材112を有する場合に、より顕著になる。
【0059】
(7)連続複合パネル104を走行させ、連続複合パネル104を走行方向に切断して切断連続複合パネル107,108を形成する複合パネル切断工程(S2)を含むようにした。これにより、1枚の複合パネル104で、腹側シート4Aも背側シート5Aも作製できるので、同じ部材を大量に購入することができ、製造コストを低減することができる。
【0060】
以上の実施形態によるおむつ1A〜Jおよび以上の実施形態によるおむつの製造方法を以下のように変形することができる。
(1)第2の実施形態におけるおむつの製造方法および第3の実施形態におけるおむつの製造方法では、折畳連結シート渡設工程の後に、脚繰りカット工程を行っていたが、脚繰りカット工程の後に折畳連結シート渡設工程を行うようにしてもよい。
【0061】
(2)以上の実施形態によるおむつの製造方法では、腹側シートの腹側縁部および背側シートの腹側縁部を接合したおむつ、いわゆるパンツ型のおむつを製造したが、以上の実施形態によるおむつの製造方法でテープ止めタイプのおむつを製造するようにしてもよい。テープ止めタイプのおむつとは、腹側シートの腹側縁部と背側シートの腹側縁部とが接合されておらず、おむつを着用した後、テープを貼り付けて腹側シートの腹側縁部を背側シートに固定するおむつである。この場合、おむつの製造工程で、連続切断複合パネル107,108の表面同士が接するように連続切断複合パネル107,108を重ね合わせて接着する工程は必要ない。
【0062】
または、以上の実施形態によるおむつの製造方法で再締結可能なパンツ型おむつを製造するようにしてもよい。再締結可能なパンツ型おむつとは、腹側シートの腹側縁部と背側シートの腹側縁部とを着脱自在にする面ファスナーや粘着テープが取り付けられているパンツ型のおむつである。
【0063】
(3)以上の実施形態によるおむつの製造方法では、1枚の連続複合パネル104を複合パネル切断工程で切断して2枚の連続複合パネルを相互に隣接させて並んで走行させていたが、最初から2枚の連続複合パネルを使用して隣接させて並んで走行させるようにしてもよい。この場合、腹側シートに用いる連続複合パネルと背側シートに用いる連続複合パネルとを異なるようにすることができる。これにより、腹側シートおよび背側シートにそれぞれ適した連続複合パネルを選択することができる。
【0064】
(4)以上の実施形態によるおむつの製造方法の折畳連結シート渡設工程で、略Ω状に折り畳まれた連結シートを使用した。しかし、切断複合パネル間拡幅工程(S4)まで、切断連続複合パネル107,108を相互に隣接させて走行させることができ、切断複合パネル間拡幅工程(S4)では、切断連続複合パネル107,108の拡幅に合わせて伸展することができる折り畳み方であれば、連結シートの折り畳み方は、Ω状の折り畳み方に限定されない。
【0065】
たとえば、図18に示すように折り畳まれた連結シート6Jを切断連続複合パネル107,108に貼り付けてもよい。図18(a)は、折り畳まれた連結シート6Jの斜視図であり、図18(b)は、図18(a)の折り畳まれた連結シート6JのD−D’断面図であり、図18(c)は、図18(a)の折り畳まれた連結シート6Jの展開図である。図18(b)に示すように、折り畳まれた連結シート6Jの断面形状は略Z形状である。図18に示すような折り畳み方を、以下、略Z状の折り畳み方と呼ぶ。
【0066】
(5)以上の実施形態によるおむつの製造方法では、折り畳まれた連結シートを連続複合パネルに貼り付けていたが、図19に示すように、折り畳まれていない連結シート6Kを連続複合パネル104に貼り付けてもよい。この場合、切断複合パネル間拡幅工程(S4)では、連結シート6K自体が伸びることになる。この場合も、連結シート6Kは、切断複合パネル間拡幅工程(S4)までは伸びないので、切断連続複合パネル107,108を相互に隣接させて走行させることができ、切断複合パネル間拡幅工程(S4)では、切断連続複合パネル107,108の拡幅に合わせて伸長することができる。
【0067】
(6)図6に示すおむつ1Bのように、連結シートの大きさが液吸収性パネルよりも大きい場合、体液を透過しない液不透過性シートを連結シートに使用して、液吸収性パネルにバックシートを設けないようにしてもよい。連結シートがバックシートとしての機能を有するので、排出された体液は外に漏れない。これにより、液吸収性パネルの部材点数が減り、液吸収性パネルの製造コストを低減できる。
【0068】
(7)以上の実施形態のおむつでは、腹側シート4Aおよび背側シート5Aに伸縮性を持たせるために、弾性部材を使用したが、腹側シート4Aおよび背側シート5Aに使用する生地自体に伸縮性を持たせ、弾性部材を使用しないようにしてもよい。伸縮性を有する生地には、たとえば、伸縮性を有する不織布、プラスチックフィルムなどがある。伸縮性を有する生地を使用する腹側シート4Aおよび/または背側シート5Aについて、単層のシートで構成されるようにしてもよい。また、伸縮性を有する生地と弾性部材とを併用して、腹側シート4Aおよび背側シート5Aに伸縮性を持たせるようにしてもよい。
【0069】
(8)以上の実施形態のおむつの製造方法では、複合パネル作製工程で、複合パネルの内部に弾性部材を設けたが、複合パネルの表面に弾性部材を設けてもよい。また、この場合、腹側シートおよび背側シートの生地は複合パネルである必要がないので、腹側シートおよび背側シートに一層の不織布やプラスチックシートを用いてもよい。
【0070】
(9)以上の実施形態のおむつの製造方法では、糸状の弾性部材を使用したが、リボン状の弾性部材を使用してもよい。
【0071】
(10)以上の実施形態のおむつの製造方法の液吸収性パネル取付工程では、腹側シートおよび背側シートと接合している面とは反対側の面で連結シートが液吸収性パネルと接合するように、液吸収性パネルを連結シートに貼り付けていた。しかし、腹側シートおよび背側シートと接合している面と同じ面で連結シートが液吸収性パネルと接合するように、液吸収性パネルを連結シートに貼り付けるようにしてもよい。
【0072】
(11)折り畳まれた連結シートが切断複合パネル間拡幅工程まで展開しないように、折り畳まれた連結シートの折り目の少なくとも一部に仮止めをするようにしてもよい。これにより、連結シートが確実に折り畳まれた状態で搬送されるようになるため、切断複合パネル間拡幅工程まで2枚の連続複合パネルは、確実に近接した状態で並走することができ、製造スペースを小さくすることができる。また、連続複合パネルが浮き上がったりするのを防止することができる。仮止めの方法としては、たとえば、ホットメルト接着剤などの接着剤による接着、熱エンボス加工や超音波溶着による極めて弱い溶着ないし圧着、連続シートと係合可能なフックテープの連続複合パネルへの貼り付けなどの方法がある。
【0073】
(12)連続複合パネル104および連続切断複合パネル107,108を2層のシートで構成しているが、単層のシートで構成してもよいし3層以上の多層シートで構成するようにしてもよい。また、連続複合パネル104および連続切断複合パネル107,108は、連続したシートであるが、1枚1枚にカットされたシートであってもよい。
【0074】
(13)腹側シート4Cの下縁部46Cおよび背側シート5Cの下縁部56Cに施した脚繰りカットの形状は湾曲状であったが、所望のおむつの脚繰り部の形状にしたがって湾曲状以外の形状に脚繰りカットを行ってもよい。また、脚繰りカット工程で連続切断複合パネル107,108に施すカットラインの形状も以上の実施形態に限定されない。
【0075】
(13)第1の実施形態で、液吸収性パネル7Aの横方向の長さは、連結シート6Aの横方向の長さよりも短かったが、液吸収性パネル7Aの横方向の長さが、連結シート6Aの横方向の長さと同じにしてもよく、また、液吸収性パネル7Aの横方向の長さが、連結シート6Aの横方向の長さよりも長くしてもよい。
【0076】
(14)以上の実施形態で、腹側シートの腹側縁部の長さを、背側シートの腹側縁部の長さよりも短くしてもよいし、腹側シートの腹側縁部の長さと、背側シートの腹側縁部の長さとを同じにしてもよい。
【0077】
以上の実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。また、変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0078】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1A〜I,1K おむつ
2A シャーシ
3A 吸収体部
4A,4C,4G,4H 腹側シート
5A,5C,5F 背側シート
6A,6B,6I,6J,6K 連結シート
7A,7E 液吸収性パネル
41A,51A,75A 弾性部材
43A,53A 腹側縁部
45A,55A 上縁部
46A,46C,56A,56C 下縁部
57A,58A シート
49G,49H,59F,59H トラバース弾性部材
61A,61D,61I 横縁部
71A トップシート
72A 液吸収体
73A バックシート
74A 防漏部材
101 第1の連続ウェブシート
102 弾性部材
103 第2の連続ウェブシート
104 連続複合パネル
105 スリッター
106 切断部
107,108 連続複合パネル
110 カットライン
112 トラバース弾性部材
113 連続連結シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシートと第2のシートとを相互に隣接させて並んで走行させるシート並行工程と、
前記第1のシートと前記第2のシートとの間に伸長可能な第3のシートを渡設するシート渡設工程と、
前記第1のシートと前記第2のシートとの間の間隔を広げて、前記第1のシートと前記第2のシートとを走行させ、前記第3のシートを伸長させるシート伸長工程と、
前記伸長した第3のシートに液吸収性パネルを取り付ける液吸収性パネル取付工程とを含むおむつの製造方法。
【請求項2】
前記第3のシートは折り畳まれたシートであり、
前記シート伸長工程で、折り畳まれていた前記第3のシートが伸展することによって、前記第3のシートは伸長する請求項1に記載のおむつの製造方法。
【請求項3】
前記折り畳まれた第3のシートは、前記シート伸長工程まで前記第3のシートが展開するのを防止するための仮止め手段を有する請求項2に記載のおむつの製造方法。
【請求項4】
前記シート伸長工程で、前記第3のシート自体が伸びることによって、前記第3のシートは伸長する請求項1に記載のおむつの製造方法。
【請求項5】
前記第1のシートおよび/または前記第2のシートに、おむつの脚繰り部の少なくとも一部を形成するための脚繰りカットを施す脚繰りカット工程を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のおむつの製造方法。
【請求項6】
前記脚繰りカット工程は、さらに前記第3のシートに脚繰りカットを施す請求項5に記載のおむつの製造方法。
【請求項7】
前記脚繰りカット工程は、前記シート渡設工程と前記シート伸長工程との間で行う請求項5または6に記載のおむつの製造方法。
【請求項8】
前記第1のシートおよび/または前記第2のシートは、前記シート並行工程の走行方向に延びる弾性部材を有する請求項1乃至4,7のいずれか1項に記載のおむつの製造方法。
【請求項9】
前記第1のシートおよび/または前記第2のシートは、トラバース弾性部材を有する請求項1乃至4,7,8のいずれか1項に記載のおむつの製造方法。
【請求項10】
第4のシートを走行させ、該第4のシートを走行方向に切断して前記第1のシートと前記第2のシートとを形成するシート切断工程を含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載のおむつの製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至10に記載のいずれか1項に記載のおむつの製造方法で製造されたパンツ型おむつ、テープ止めタイプのおむつまたは再締結可能なパンツ型おむつ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−212373(P2011−212373A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85237(P2010−85237)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】