説明

きのこ栽培用の巻紙代用筒体

【課題】きのこ栽培瓶の瓶口周囲に巻紙を巻き付ける巻紙作業を簡易化、省力化できるきのこ栽培用の巻紙代用筒体を提供する。
【解決手段】きのこ10を栽培中のきのこ栽培瓶の瓶口22周囲に、その上方から被せて、その上端をきのこ栽培瓶の瓶口22上方に筒状に起立させた状態とする筒体本体30を設ける。そして、その筒体本体の内側空間32で、きのこ10を生育する。筒体本体30の下端内側には、係止爪34を備えて、その係止爪34をきのこ栽培瓶の瓶口周囲に突設されたキャップ係止用の鍔24に引掛けて係止させる。そして、筒体本体30がきのこ栽培瓶の瓶口22周囲からその上方に抜け出るのを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、きのこ栽培瓶の瓶口を通して瓶口上方に伸張するきのこ周囲を被って、その栽培中のきのこ周囲を支持する、きのこ栽培用の巻紙代用筒体に関する。
【背景技術】
【0002】
えのき茸等のきのこは、広口のきのこ栽培瓶を用いた栽培法により、人工栽培されている。
この栽培法においては、きのこ栽培瓶に充填されたおが屑、米ぬか等が所定比率で水と混合されてなる培地に、きのこの種菌を接種、培養して、その培地からきのこを発芽させている。そして、その発芽させたきのこを、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、きのこ栽培瓶上方に、収穫可能な大きさになるまで生育している。
この栽培法において、培地から発芽させたきのこを、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通して、きのこ栽培瓶上方に生育する際には、きのこ栽培瓶の瓶口周囲に、厚手の巻紙を筒状に巻き付けている。そして、その巻紙上端を、きのこ栽培瓶の瓶口上方に筒状に起立させている。そして、その瓶口上方に筒状に起立する巻紙の内側空間で、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通してその上方に伸張するきのこを、収穫可能な大きさになるまで生育している。
【0003】
このようにして、栽培中のきのこを、瓶口上方に筒状に起立させた巻紙の内側空間で生育する理由は、きのこ栽培瓶の瓶口内側を通してその上方に株状等になって伸張するえのき茸等のきのこが、きのこ栽培瓶外方に倒れるのを防いで、そのきのこを真っすぐに見栄え良く生育するためである。また、その栽培中のきのこが外気に触れて乾燥し過ぎた状態となり、茶色等に変色したり、立ち枯れ等したりするのを防いで、そのきのこを白色等をした水々しい状態に生育するためである。
【特許文献1】特開2000−092984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、えのき茸等のきのこ栽培において、上記のきのこ栽培瓶の瓶口周囲に巻紙を巻き付ける巻紙作業は、多大な手数と時間を要し、きのこ栽培の省力化、効率化を妨げる最大要因となっていた。
【0005】
そこで、本発明者は、鋭意研究の結果、予め筒状に形成された筒体を、きのこ栽培瓶の瓶口周囲に、その上方から被せて、その筒体の上端を、きのこ栽培瓶の瓶口上方に起立させた状態とすれば、巻紙をきのこ栽培瓶の瓶口周囲に巻き付ける巻紙作業を、大幅に簡易化、省力化でき、その巻紙作業を、機械装置を用いて、人手を掛けずに行うことが可能となることに、想到した。
また、その際には、そのきのこ栽培瓶の瓶口周囲に被せた筒体の一部に係止爪を備えて、その爪をきのこ栽培瓶の瓶口周囲に突設された瓶口上端の開口部を被うキャップ周囲を止める鍔に係止させた状態とすれば、その筒体内側空間で伸張するきのこに推されて、その瓶口周囲に被せた筒体が、その内側空間で栽培中のきのこに瓶口上方に持ち上げられて、瓶口上方に抜け出るのを、防ぐことができることに、想到した。
ここで、えのき茸等の栽培に用いられるきのこ栽培瓶に、その瓶口上端の開口部を被うキャップ周囲を止める前記鍔が突設されている理由は、きのこ栽培瓶に充填された培地にきのこの菌糸を、接種して、蔓延させる際には、その広口の瓶口を通して、きのこ栽培瓶内に雑菌が侵入するのを防ぐ必要があるからである。そのためには、そのきのこ栽培瓶の瓶口上端開口部を、通気性のあるキャップで被って、雑菌がきのこ栽培瓶内に侵入するのを、防ぐ必要があるからである。そして、その際には、その瓶口上端開口部を被うキャップが、瓶口上端周囲から脱落せぬように、そのキャップ周囲を、瓶口周囲に突設された鍔に係止させた状態とする必要があるからである。加えて、その薄く形成された瓶口の上端開口部周囲に雑菌侵入防止用のキャップを隙間少なく的確に被せることが可能なように、その変形しやすい瓶口上端を補強するための補強用リブとして、前記鍔を瓶口上端周囲に備える必要があるからである。
【0006】
即ち、本発明は、きのこ栽培瓶の瓶口周囲に巻紙を巻き付ける巻紙作業を大幅に簡易化、省力化して、その巻紙作業を、機械装置を用いて、人手を掛けずに行うことを可能とする、きのこ栽培用の巻紙代用筒体(以下、巻紙代用筒体という)を提供することを、目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明の巻紙代用筒体は、きのこを栽培中のきのこ栽培瓶の瓶口周囲に、その上端を瓶口上方に筒状に起立させた状態で被せる筒体本体であって、きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸張するきのこが、きのこ栽培瓶外方に倒れるのを防ぐ筒体本体と、該筒体本体の下端内側に並べて突設された複数の係止爪であって、きのこ栽培瓶の瓶口周囲に突設された鍔に係止させて、筒体本体の内側空間を伸張するきのこに推されて、筒体本体がきのこ栽培の瓶口周囲からその上方に抜け出るのを防ぐ係止爪とを有し、前記筒体本体又は/及び係止爪が可撓性部材で形成されてなることを特徴としている。
【0008】
このような構成の巻紙代用筒体においては、その筒体本体を、きのこを栽培中のきのこ栽培瓶の瓶口周囲に、その上方から被せて、その筒体本体の上端を、きのこ栽培瓶の瓶口上方に筒状に起立させた状態とすることができる。そして、その筒体本体の下端内側に並べて突設された複数の係止爪をきのこ栽培瓶の瓶口周囲に突設された鍔に係止させることができる。そして、そのきのこ栽培瓶の瓶口上方に筒状に起立させた筒体本体の内側空間で、きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸張するきのこを、収穫できるまでに大きく生育できる。その際には、その筒体内側空間で生育中のきのこ周囲を筒体本体の側壁で支えて、その栽培中のきのこが、きのこ栽培瓶外方に倒れるのを、防ぐことができる。それと共に、その栽培中のきのこ周囲を、筒体本体の側壁で被って、そのきのこが外気に直接に触れて過度に乾燥した状態となるのを、防ぐことができる。
また、筒体本体をきのこ栽培瓶の瓶口周囲にその上方から被せる際には、筒体本体又は/及び係止爪がフレキシブルな可撓性部材で形成されていると共に、係止爪が幅狭く複数に分割されて筒体本体の下端内側に並べて突設されているため、それらの筒体本体又は/及び係止爪を適宜変形させて、係止爪に妨害されることなく、筒体本体をきのこ栽培瓶の瓶口周囲にその上方から押し込んで被せることができる。そして、その筒体本体の下端内側に並べて突設された複数の係止爪を、筒体本体又は/及び係止爪の持つ弾性力を利用して、きのこ栽培瓶の瓶口周囲に突設された鍔に容易に抜け出ぬように確実に係止させることができる。そして、そのきのこ栽培瓶の瓶口周囲に被せた筒体本体が、その筒体本体内側空間で伸張するきのこに推されて、きのこ栽培の瓶口周囲からその上方に抜け出るのを防ぐことができる。
【0009】
本発明の巻紙代用筒体においては、前記筒体本体が、その上端に行くに従いその外周径及び内周径が漸次増大するラッパ状をしていることが好ましい。
そうした場合には、その筒体本体の内側空間で栽培するえのき茸等のきのこを、その周囲を内側に過度に締め付けることなく、その上方に行くに従いその周囲径が漸次増大するボリューム感ある自然体に近い状態に、体裁よく生育できる。
【0010】
本発明の巻紙代用筒体においては、前記筒体本体が、その周囲側壁に、約3mm以下の、複数の空気流通孔を持つことが好ましい。
そうした場合には、その筒体本体周囲側壁の複数の空気流通孔を通して、筒体本体の内側空間で栽培中のきのこに、酸素を多量に含む新鮮な外気を円滑に十分供給できる。そして、その筒体本体の内側空間で栽培中のきのこが、酸欠状態や二酸化炭素過多の状態に落ち入って、その生育が阻害されるのを、防ぐことができる。
また、空気流通孔は、約3mm以下と小径なため、その空気流通孔を通して、筒体本体の内側空間で生育中のきのこが、筒体本体外方に突き出るのを、防ぐことができる。
【0011】
本発明の巻紙代用筒体においては、前記筒体本体が、その一方の筒体本体の内側空間に他方の筒体本体を差し込んで、複数の筒体本体を上下に積み重ねられる構造をしていることが好ましい。又は、前記筒体本体が、平板状に折り畳める構造をしていることが好ましい。
そうした場合には、複数の筒体本体を、その一方の筒体本体の内側空間に他方の筒体本体を差し込んで、上下に幾重にも積み重ねて、コンパクトに纏めることができる。又は、複数の筒体本体を、平板状に折り畳んで、上下に幾重にも積み重ねて、コンパクトに纏めることができる。そして、その複数の筒体本体を、倉庫等にコンパクトに纏めて容易に依然と収容したり、手数を掛けずにコンパクトに纏めて運搬したりできる。
【0012】
本発明の巻紙代用筒体においては、前記筒体本体が、その周囲側壁を左右に開いて平面状に展開させたり、その平面状に展開させた周囲側壁を筒状に結合し直したり可能な構造をしていても良い。
そうした場合にも、複数の筒体本体を、その周囲側壁を左右に開いて平面状に展開させた状態として、上下に幾重にも積み重ねて、コンパクトに纏めることができる。そして、その複数の筒体本体を、倉庫等にコンパクトに纏めて容易に依然と収容したり、手数を掛けずにコンパクトに纏めて運搬したりできる。
また、その平面状に展開させた筒体本体を、きのこ栽培に用いる際には、その左右に開いて平面状に展開させた筒体本体の周囲側壁を筒状に結合し直すことができる。そして、その周囲側壁を筒状に結合し直した筒体本体を、きのこ栽培瓶の瓶口周囲に被せて、その筒体本体の内側空間で、きのこを生育できる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の巻紙代用筒体によれば、その筒体本体を、きのこを栽培中のきのこ栽培瓶の瓶口周囲に、その上方から被せて、その筒体本体の一部を、係止爪を介して、きのこ栽培瓶の瓶口周囲に突設された鍔に係止させるだけで、きのこ栽培瓶の瓶口周囲に巻紙を巻き付ける巻紙作業を手数を掛けずに容易かつ迅速に行うことができ、その巻紙作業の大幅な簡易化、省力化を図ったり、その巻紙作業を機械装置を用いて行ったりすることが、可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1ないし図3は本発明の巻紙代用筒体の好適な実施の形態例を示し、図1と図3はその使用状態を示す断面図、図2はその使用状態を示す平面図である。以下に、この巻紙代用筒体を説明する。
【0015】
図1ないし図3に示された巻紙代用筒体は、その下端をきのこ10を栽培中のきのこ栽培瓶20の瓶口22周囲に被せて、その上端を瓶口22上方に筒状に起立させた状態とする筒体本体30を備えている。そして、図3に示したように、その瓶口22上方に筒状に起立させた筒体本体30の側壁により、きのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸張するきのこ10が、きのこ栽培瓶20外方に倒れるのを防いで、そのきのこ10を、真っすぐに体裁よく生育できるようにしている。
筒体本体30下端の内径は、きのこ栽培瓶の瓶口22よりも若干大きめに形成されていて、その筒体本体30の下端を、鍔24を持つ瓶口22周囲に隙間少なく被せることができるようにしている。筒体本体30の下端内側には、該筒体本体の下端をきのこ栽培瓶の瓶口周囲に突設されたキャップ係止用の鍔24の下端段差部内側に係止させて、筒体本体の内側空間32を伸張するきのこ10に推されて、筒体本体30がきのこ栽培の瓶口22周囲からその上方に抜け出るのを防ぐ幅狭の係止爪34が備えられている。係止爪34は、図2に示したように、筒体本体30の下端内側の4方等に、複数個間隔をおいて備えられている。
筒体本体30及び係止爪34は、可撓性部材の例えばプラスチック材を用いて一体成形されている。なお、この巻紙代用筒体においては、筒体本体30又は係止爪34の一方のみを可撓性部材で形成し、他方の係止爪34又は筒体本体30は可撓性のない厚手のプラスチック材等を用いて形成することも可能であり、そうした場合も、図1ないし図3に示された巻紙代用筒体とほぼ同等な作用、効果を持つ巻紙代用筒体を提供できる。
【0016】
図1ないし図3に示した巻紙代用筒体は、以上のように構成されている。
次に、この巻紙代用筒体の使用例を説明する。
この巻紙代用筒体を用いたきのこ栽培においては、例えば、図1に示したような、きのこ栽培瓶20に充填された培地から発芽させたきのこ10が、きのこ栽培瓶の瓶口22からその外方に覗き始めた、きのこ栽培の生育初期に、その筒状をした筒体本体30を、きのこ10を栽培中のきのこ栽培瓶の瓶口22周囲に、その上方から被せて、その筒体本体30の上端を、きのこ栽培瓶の瓶口22上方に筒状に起立させた状態とする。そして、図3に示したように、そのきのこ栽培瓶の瓶口22上方に筒状に起立させた筒体本体の内側空間32で、きのこ栽培瓶の瓶口22上方に伸張するきのこ10を、収穫できるまでに大きく生育する。その際には、その筒体本体内側空間32で生育中のきのこ10周囲を筒体本体30の側壁で支えて、その栽培中のきのこ10が、きのこ栽培瓶20外方に倒れるのを、防ぐ。それと共に、その栽培中のきのこ10周囲を、筒体本体30の側壁で被って、そのきのこ10が外気に直接に触れて過度に乾燥した状態となるのを、防ぐ。
また、筒体本体30をきのこ栽培瓶の瓶口22周囲にその上方から被せる際には、図1と図3に示したように、フレキシブルな可撓性部材で形成された筒体本体30又は/及び係止爪34を適宜変形させて、筒体本体30の下端をきのこ栽培瓶の瓶口22周囲にその上方から隙間少なく押し込んで被せる。そして、その筒体本体30の下端内側に並べて突設された複数の係止爪34を、きのこ栽培瓶の瓶口22周囲に突設された鍔24の下端段差部内側に、可撓性部材で形成された筒体本体30又は/及び係止爪34の持つ弾性力を利用して、容易に抜け出ぬように確実に圧入、係止させる。そして、そのきのこ栽培瓶の瓶口22周囲に被せた筒体本体が、その筒体本体内側空間32で伸張するきのこ10に推されて、きのこ栽培の瓶口22周囲からその上方に抜け出るのを防ぐ。
【0017】
この巻紙代用筒体においては、図1と図3に示したように、筒体本体30の最大周囲径が、きのこ栽培瓶の最大周囲径を持つ箇所に当たる瓶胴部26の周囲径と同じか又はそれよりも小さいことが好ましい。
そして、その筒体本体30をきのこ栽培瓶の瓶口22周囲に被せた状態で、きのこ10を栽培中の複数本のきのこ栽培瓶20を、籠状等をしたコンテナ(図示せず)内に、その瓶胴部26の一部を互いに密着させた状態で、きのこ栽培瓶の瓶口22周囲に被せた筒体本体30に邪魔されることなく、前後、左右に並べて整然と纏めて収容できるようにすると良い。そして、そのコンテナ内に並べて収容されたきのこ10を栽培中の複数本のきのこ栽培瓶20を、一度に纏めてきのこ栽培棚に収容したり運搬したりできるようにすると良い。
【0018】
この巻紙代用筒体において、筒体本体30は、図1等に示したように、その上端に行くに従いその外周径及び内周径が漸次増大するラッパ状をしていることが好ましい。
そして、その筒体本体の内側空間32で株状等に生育するえのき茸等のきのこ10を、その内側に過度に締め付けることなく、その上方に行くに従いその周囲径が漸次増大するボリューム感ある自然体に近い状態に、体裁よく生育できるようにすると良い。
【0019】
この巻紙代用筒体において、筒体本体30は、その周囲側壁に、約3mm以下の、複数の空気流通孔(図示せず)を持つことが好ましい。空気流通孔は、筒体本体30を構成する部材に、微細孔を持つものを用いるか、又はパンチ等を用いて、筒体本体30の側壁に開口すると良い。
そして、その筒体本体30周囲側壁の複数の空気流通孔を通して、筒体本体の内側空間32で栽培中のきのこ10に、酸素を多量に含む新鮮な外気を円滑に十分供給できるようにすると良い。そして、その筒体本体の内側空間32で栽培中のきのこ10が、酸欠状態や二酸化炭素過多の状態に落ち入って、その生育が阻害されるのを、防ぐと良い。
その際には、空気流通孔を約3mm以下と小径に形成して、その空気流通孔を通して、筒体本体の内側空間32で生育中のきのこ10が、筒体本体30外方に突き出るのを、防ぐと良い。
【0020】
この巻紙代用筒体において、筒体本体30は、その一方の筒体本体の内側空間32に他方の筒体本体30を差し込んで、複数の筒体本体30を上下に積み重ねられる構造をしていることが好ましい。具体的には、例えば、筒体本体30が、図1や図3に示したような、ラッパ状をしていることが好ましい。そして、複数の筒体本体30を、その一方の筒体本体の内側空間32に他方の筒体本体30を差し込んで、上下に幾重にも積み重ねて、コンパクトに纏められるようにすると良い。
又は、筒体本体30は、平板状に折り畳める構造をしていることが好ましい。具体的には、例えば、筒体本体30が、折り目の付いた、平板状に押し潰し可能な構造をしていることが好ましい。そして、その複数の筒体本体30を、平板状に押し潰して、上下に幾重にも積み重ねて、コンパクトに纏められるようにすると良い。
そして、それらの複数の筒体本体30を、倉庫等にコンパクトに纏めて容易に依然と収容したり、手数を掛けずにコンパクトに纏めて運搬したりできるようにすると良い。
【0021】
この巻紙代用筒体において、筒体本体30は、図4に示したように、その周囲側壁を左右に開いて平面状に展開させたり、その平面状に展開させた周囲側壁を筒状に結合し直したり可能な構造としても良い。具体的には、例えば、図4に示したように、筒体本体30の周囲側壁を、平面状に展開可能なフレキシブルなプラスチック材等で形成して、その左右に開く側壁開口部36、38に沿って、長尺の掛止爪42、44をそれぞれ備えた構造としても良い。そして、それらの掛止爪42、44を互いに掛け合わせたり解放させたりすることにより、筒体本体10の周囲側壁を左右に開いて平面状に展開させたり、その左右に開いた筒体本体10の周囲側壁を筒状に結合し直したりできる構造としても良い。
そして、巻紙代用筒体を倉庫等に収容したり運搬したりする際には、筒体本体30の周囲側壁を左右に開いて平面状に展開させた状態として、その平面状に展開させた複数の筒体本体30を、幾重にも上下に積み重ねて、コンパクトに纏められるようにしても良い。そして、その複数の筒体本体30を、倉庫等にコンパクトに纏めて容易に整然と収容したり、手数を掛けずにコンパクトに纏めて運搬したりできるようにしても良い。
また、巻紙代用筒体をきのこ栽培に使用する際には、図4に示したように、その掛止爪42、44を互いに掛け合わせて、筒状に結合し直した筒体本体30を、きのこ栽培瓶の瓶口22周囲に被せて、その筒体本体の内側空間32で、きのこ10を生育できるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の巻紙代用筒体は、きのこ栽培瓶に充填された培地を用いて、えのき茸等のきのこ栽培を行う際に、広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の巻紙代用筒体の使用説明図である。
【図2】本発明の巻紙代用筒体の使用例を示す平面図である。
【図3】本発明の巻紙代用筒体の使用説明図である。
【図4】本発明の巻紙代用筒体の使用例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0024】
20 きのこ栽培瓶
22 きのこ栽培瓶の瓶口
24 鍔
26 きのこ栽培瓶の瓶胴部
30 筒体本体
32 筒体本体の内側空間
34 係止爪
42、44 掛止爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
きのこを栽培中のきのこ栽培瓶の瓶口周囲に、その上端を瓶口上方に筒状に起立させた状態で被せる筒体本体であって、きのこ栽培瓶の瓶口上方に伸張するきのこが、きのこ栽培瓶外方に倒れるのを防ぐ筒体本体と、該筒体本体の下端内側に並べて突設された複数の係止爪であって、きのこ栽培瓶の瓶口周囲に突設された鍔に係止させて、筒体本体の内側空間を伸張するきのこに推されて、筒体本体がきのこ栽培の瓶口周囲からその上方に抜け出るのを防ぐ係止爪とを有し、前記筒体本体又は/及び係止爪が可撓性部材で形成されてなることを特徴とするきのこ栽培用の巻紙代用筒体。
【請求項2】
前記筒体本体が、その上端に行くに従いその外周径及び内周径が漸次増大するラッパ状をしていることを特徴とする請求項1記載のきのこ栽培用の巻紙代用筒体。
【請求項3】
前記筒体本体が、その周囲側壁に、約3mm以下の、複数の空気流通孔を持つことを特徴とする請求項1記載のきのこ栽培用の巻紙代用筒体。
【請求項4】
前記筒体本体が、その一方の筒体本体の内側空間に他方の筒体本体を差し込んで、複数の筒体本体を上下に積み重ねられる構造をしていることを特徴とする請求項1記載のきのこ栽培用の巻紙代用筒体。
【請求項5】
前記筒体本体が、平板状に折り畳める構造をしていることを特徴とする請求項1記載のきのこ栽培用の巻紙代用筒体。
【請求項6】
前記筒体本体が、その周囲側壁を左右に開いて平面状に展開させたり、その平面状に展開させた周囲側壁を筒状に結合し直したり可能な構造をしていることを特徴とする請求項1記載のきのこ栽培用の巻紙代用筒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−20479(P2007−20479A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−207811(P2005−207811)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(391003679)長野木田工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】