説明

くじ抽選装置

【課題】ユーザの負担を抑えつつ、顧客に対して特定の期間内における再来店への動機付けを行うことを可能とするポイントくじ抽選装置を提供する。
【解決手段】ポイントくじ発券手段11は、入力されたカードの保持するカード情報に基づいて予め定められた抽選期間を有するくじを予め定められた発券期間内に発券する。この時、先行して発券されるくじの抽選期間が当該くじの後に発券されるくじの発券期間に重なるように設定される。ポイントくじ抽選手段12は、くじについての抽選を行う。景品引換券発券手段13は、発券されたくじが抽選期間内に入力された場合、くじ抽選手段12の行なった当該くじについての抽選結果に従って、景品引換券を発券する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、くじ抽選装置に関し、特に、カードのカード情報に基づいてくじを発券し、予め定めた抽選期間におけるくじの抽選を行うくじ抽選装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商店街などの事業者が、会員カード等の各種のカードを発行して顧客を囲い込み、更に、カードの会員である顧客の来店に応じてポイントを与え、貯まったポイントに応じて景品を提供する等のサービスを行うことが行われている。
【0003】
例えば、商品等の購入額に基づいて発生するポイントを利用者が蓄積し、株式、債権、投資信託や、株式を購入する権利等の金融商品と交換するポイントシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−169963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、商店街等において前述のようなサービスを提供するコンピュータシステムを実現しようとする場合、POSシステムなどの大規模システムが必要とされることが多い。また、大規模システム上で動作する前述のようなサービスを提供するプログラムを開発し、当該POSシステムにインストールする必要がある。この場合、大規模システムの導入やプログラムの開発等、ユーザの負担が極めて大きい。
【0005】
また、前述のようなサービスを提供するコンピュータシステムを導入した場合であっても、実際には、ある特定の期間内に来店すれば景品の提供等のサービスを受けられることを、顧客に対してアピールすることができにくい。このため、顧客の再来店につなげることは困難であった。
【0006】
本発明は、顧客に対して特定の期間内における再来店への動機付けを行うことを可能とするくじ抽選装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のくじ抽選装置は、入力されたカードの保持するカード情報に基づいて予め定められた抽選期間を有するくじを予め定められた発券期間内に発券するくじ発券手段と、くじについての抽選を行うくじ抽選手段と、発券されたくじが抽選期間内に入力された場合、くじ抽選手段の行なった当該くじについての抽選結果に従って、景品引換券を発券する景品引換券発券手段とを備える。
【0008】
また、好ましくは、本発明のくじ抽選装置において、くじ発券手段は、発券期間内に発券するくじの抽選期間を、発券期間の経過後の期間となるように設定する。
【0009】
また、好ましくは、本発明のくじ抽選装置において、くじ発券手段は、相互に発券期間の異なる複数の種類のくじを発券し、先行して発券されるくじの抽選期間を当該くじの後に発券されるくじの発券期間に重なるように設定する。
【0010】
また、好ましくは、本発明のくじ抽選装置において、くじ発券手段は、当該用紙の表面に印刷された抽選期間と、目視では解読不能なように暗号化され、当該用紙の表面に印刷され、印刷された抽選期間を含むくじ情報とを備えるくじを発券する。景品引換券発券手段は、発券されたくじが入力された場合、暗号化されたくじ情報を解読することにより、発券されたくじが抽選期間内に入力されたか否かを決定する。
【0011】
また、好ましくは、本発明のくじ抽選装置において、くじ発券手段は、暗号化されたくじ情報がくじ毎に一意に定まる識別番号とを含むくじを発券する。景品引換券発券手段は、暗号化されたくじ情報を解読することにより識別番号を抽出し、識別番号と共にくじ抽選手段に当該くじについての抽選結果の通知を依頼する。くじ抽選手段は、識別番号を用いて抽選を行なう。
【0012】
また、好ましくは、本発明のくじ抽選装置が、更に、くじの発券履歴を記憶するくじ発券履歴記憶手段を備える。くじの発券履歴は、少なくとも、発券されたくじの識別番号とくじの発券年月日とくじ抽選手段によるくじの抽選結果とを含む。くじ抽選手段は、くじの発券履歴に基づいてくじの抽選を行う。
【発明の効果】
【0013】
本発明のくじ抽選装置によれば、予め定められた抽選期間を有するくじを予め定められた発券期間内に発券し、発券されたくじが抽選期間内に入力された場合に限って、抽選結果に従って景品引換券を発見する。従って、くじは特定の抽選期間中にしか使用できないので、くじの発券を受けた顧客が、当該抽選期間内に、再度当該店舗に来店しようとすることを期待することができる。これにより、発券されたくじを持っている顧客に対して、特定の抽選期間内における再来店への動機付けをすることができる。また、本発明のくじ抽選装置は、くじの発券、くじの抽選、景品引換券の発券までの全ての処理を行う。従って、例えばスタンドアロン型のコンピュータシステムとして構成することができ、既存のPOSシステムを用意して改良する必要がないので、開発時のユーザの負担を最小限に抑えることができる。
【0014】
また、発券期間内に発券するくじの抽選期間を、発券期間の経過後の期間となるように設定することにより、顧客を発券期間とは異なる期間に来店するように誘導することができる。更に、先行して発券されるくじの抽選期間を当該くじの後に発券されるくじの発券期間に重なるように設定することにより、あるくじを所持している顧客を他のくじの発券期間に来店するように誘導することができる。
【0015】
また、くじが印刷された抽選期間と目視では解読不能なように暗号化され印刷された抽選期間を含むくじ情報とを備えるので、顧客を印刷された抽選期間に来店するように誘導し、くじ情報により顧客が抽選期間に来店したか否かを決定することができる。更に、暗号化されたくじ情報が識別番号を含むので、これを用いて平等で公正な抽選を行なうことができる。
【0016】
また、くじの発券履歴を記憶して、これに基づいてくじの抽選を行うので、くじの抽選における例えば当選率等を正確に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、くじ抽選装置構成図であり、本発明のくじ抽選装置(ポイントくじ抽選装置)の構成の一例を示す図である。
【0018】
くじ抽選装置(ポイントくじ抽選装置)1は、ポイントくじ発券手段11、ポイントくじ抽選手段12、景品引換券発券手段13、キャンペーンマスタ(ファイル)14、ポイントくじ発券履歴記憶手段15、当選マスタ(ファイル)16を備える。なお、この例において、「くじ」が商店街の発行する会員カードのようなポイントを持つカードの入力に応じて発行されるので、当該くじを「ポイントくじ」と言うこととし、これに応じて、例えば、くじ抽選装置1はポイントくじ抽選装置1と言い、くじ発券手段11等もポイントくじ発券手段11と言うこととする。
【0019】
例えば、来店したカード100の会員である顧客が、図2(A)に示すように、カード100をポイントくじ抽選装置1に挿入する。これに応じて、ポイントくじ抽選装置1は、ポイントくじ101を発券する。ポイントくじ101は、例えば1日につき1枚発券される。発券されたポイントくじ101は、発券された日には使用できず、予め定められた抽選期間中にのみ使用できる。そこで、抽選期間に来店した顧客が、図2(B)に示すように、カード100とポイントくじ101をポイントくじ抽選装置1に挿入する。これに応じて、ポイントくじ抽選装置1は、ポイントくじ101の抽選結果を確認し、抽選結果が当たりの場合、景品引換券102を発券する。顧客は、図2(C)に示すように、発券された景品引換券102を景品と引き換える。
【0020】
図3は、カード100のカード情報の一例を示す図である。カード100は、例えば磁気カード又はICカード等からなり、所定の入会手続きをした会員に対して発行される。カード情報は、周知のように、カード100に磁気的又は電気的な信号として書き込まれ、磁気的又は電気的に読み出される。この例では、カード情報は、例えば、事業者コードと、会員IDとからなる。事業者コードは、ポイントくじ101の発券者(事業者)を一意に識別するコードである。会員IDは、カード100の会員である顧客を一意に識別する識別子である。
【0021】
ポイントくじ発券手段11は、顧客によりポイントくじ抽選装置1に入力(挿入)されたカード100の保持するカード情報に基づいて、ポイントくじ101を発券する。即ち、ポイントくじ発券手段11は、カード100がポイントくじ抽選装置1に入力されると、当該カード100の保持するカード情報を読み取って、会員チェック処理(後述する)を行い、当該チェックの結果が正当(OK)であれば、これに基づいて、ポイントくじ101を発券することの可否を決定する。
【0022】
ポイントくじ101を発券する場合、ポイントくじ発券手段11は、キャンペーンマスタ14及びポイントくじ発券履歴記憶手段15を参照する。これにより、ポイントくじ発券手段11は、カード100のカード情報とキャンペーンマスタ14に記憶された情報と、ポイントくじ発券履歴記憶手段15内に記憶されたポイントくじ発券履歴とに基づいて、ポイントくじ101(の発券情報)を作成して、発券する(印刷出力する)。
【0023】
図4(A)は、ポイントくじ101の一例を示す図である。図4(A)に示すポイントくじ101の表面には、「○○商店街」という事業者名と、「2005年4月」というポイントくじ101の抽選期間と、ポイントくじ情報とが印刷されている。これらの情報は、ポイントくじ発券手段11により生成され印刷される。これらの情報は、当該用紙の表面に貼付されるようにしても良く、また、当該用紙の表面及び裏面に印刷又は貼付されるようにしても良い。
【0024】
この例では、ポイントくじ情報はQRコードからなる。ポイントくじ情報は、例えば二次元バーコード、バーコード等からなっていても良い。即ち、ポイントくじ情報は、目視では解読不能なように暗号化(又は、記号化)される。
【0025】
図4(B)は、図4(A)に示すポイントくじ101に印刷されたポイントくじ情報の一例を示す図である。ポイントくじ情報は、例えば、事業者コード、キャンペーンコード、発券年月日、抽選期間、券番号(識別番号とも言う)からなる。キャンペーンコードは、事業者が行う販売促進等のキャンペーンを一意に識別するコードである。発券年月日は、当該ポイントくじ101の発券された年月日を示す。抽選期間は、当該ポイントくじ101の抽選年月(期間)を示す。券番号は、当該ポイントくじ101を一意に識別するユニークな番号であり、例えば、事業者、発券年、キャンペーンコード毎に付与される。
【0026】
このように、ポイントくじ情報は、暗号化された抽選期間を含む。即ち、ポイントくじ情報は、少なくとも、印刷された抽選期間と同一の抽選期間と、ポイントくじ101毎に一意に定まる識別番号(以下、券番号とも言う)とを含む。従って、ポイントくじ101は、当該用紙の表面に印刷された抽選期間と、これと同一であるが暗号化された抽選期間とを備える。
【0027】
図5は、キャンペーンマスタの一例を示す図である。キャンペーンマスタ14は、例えば、キャンペーン毎に、キャンペーンコード、キャンペーン期間、抽選期間、複数枚数発券可否からなる。これらの情報は、例えば当該事業者により予め設定される。図5に示すように、ポイントくじ101は、相互にキャンペーン期間、即ち発券期間の異なる複数の種類が発券される。
【0028】
キャンペーン期間は、当該キャンペーンが行われる期間を示す。抽選期間は、当該キャンペーン期間中に発券されたポイントくじ101の抽選期間を示す。複数枚数発券可否は、当該キャンペーン期間中に同一の顧客(同一の会員ID)に対して当該キャンペーンについてのポイントくじ101を複数枚発券できるか否かを示す。複数枚数発券可否が「可」である場合、同一の顧客に対してポイントくじ101を複数枚発券でき、「否」である場合、同一の顧客に対してポイントくじ101を複数枚発券できない。
【0029】
ポイントくじ発券履歴記憶手段15は、ポイントくじ101の発券履歴を記憶する。ポイントくじ101の発券履歴は、少なくとも、発券されたポイントくじ101の識別番号と、ポイントくじ101の発券年月日と、ポイントくじ抽選手段12によるポイントくじ101の抽選結果とを含む。
【0030】
図6は、ポイントくじ発券履歴のデータ構成の一例を示す図である。ポイントくじ発券履歴記憶手段15内のポイントくじ発券履歴は、発券された全てのポイントくじ101について記録され、ポイントくじ101(即ち、券番号)毎に、例えばキャンペーンコード、会員ID、券番号、発券年月日、当たりランク、賞品名、抽選フラグからなる。これらの情報は、ポイントくじ101の発券の都度及び抽選の都度に、ポイントくじ発券手段11により生成され格納される。
【0031】
当たりランクは、ポイントくじ101の当たりの等級を示し、賞品名は、ポイントくじ101が当たった場合に発券される景品引換券102の名称を示す。抽選フラグは、ポイントくじ101の抽選が行われたか未抽選かを示す。抽選が行われた場合は抽選フラグに「済(又は1)」が設定され、未抽選の場合は抽選フラグに「未(又は0)」が設定される。
【0032】
会員チェック処理の結果がOKである(ポイントくじ101を発券する)場合、その後、ポイントくじ発券手段11は、キャンペーンマスタ14を参照し、後述するように、キャンペーン期間のチェック処理を行い、複数枚数発券可否のチェック処理を行なう。これにより、ポイントくじ発券手段11は、実際にポイントくじ101を発券するか否かを決定する。即ち、「実際に決定」とは、会員チェック処理の結果がOKであれば無条件に発券するのではなく、これに加えて、カード100を入力した日がキャンペーン期間中である場合に発券し、かつ、当該発券が当該会員IDにつき(そのキャンペーン期間中の)1枚目のポイントくじ101であるか又は複数枚数発券が「可」である場合に発券することを意味する。従って、キャンペーンマスタ14のキャンペーン期間によりポイントくじ101の発券期間を定める。また、ポイントくじ101の発券は2段階に判断される。
【0033】
なお、当該会員IDにつき1枚目のポイントくじ101の発券であるかを判断するために、ポイントくじ発券手段11は、図6に示すポイントくじ発券履歴記憶手段15を参照する。即ち、複数枚数発券可否に「否」が設定されている場合、ポイントくじ発券手段11は、ポイントくじ発券履歴記憶手段15を参照する。ポイントくじ発券履歴記憶手段15に当該会員ID(その時点で入力されているカード100の会員ID)が登録されている場合、既に当該顧客(会員ID)に対してポイントくじ101が発券されている。従って、ポイントくじ発券手段11は、当該顧客(会員ID)にポイントくじ101を発券しないようにする。
【0034】
また、この例において、複数枚数発券可否に「可」が設定されている場合でも、ポイントくじ発券手段11は、同一日には同一の顧客(同一の会員ID)に対してポイントくじ101を複数枚発券しないようにする。
【0035】
実際にポイントくじ101を発券する場合、ポイントくじ発券手段11は、キャンペーンマスタ14を参照し、キャンペーンコード、抽選期間を取得する。この抽選期間は、当該抽選期間を印刷するため、及び、ポイントくじ情報を生成するために用いられる。また、ポイントくじ発券手段11は、入力されたカード100から事業者コードを取得し、当日の日付を用いて発券年月日を生成し、発券に応じてインクリメントされるカウンタ(図示せず)を用いて券番号を生成する。発券年月日はカード100が入力された日(当日)である。ポイントくじ発券手段11は、周知のように、これらの情報(2進数からなる)を図4(B)に示す順に並べた後に暗号化して、QRコードからなるポイントくじ情報を生成する。
【0036】
そして、ポイントくじ発券手段11は、抽選期間やポイントくじ情報等を当該用紙に印刷出力する。この時、図4(A)に示す「○○商店街」や「ポイントくじ」の文字(絵柄も含む)等は、共通(不変)のものであるので、予め印刷データとしてポイントくじ発券手段11に保持される。
【0037】
以上のように、ポイントくじ発券手段11は、キャンペーンマスタ14の設定に従って、予め定められた抽選期間を有するポイントくじ101を、予め定められた発券期間内に発券する。抽選期間と発券期間との関係はキャンペーンマスタ14の設定により定まる。即ち、発券するポイントくじ101の抽選期間は、発券期間の経過後の期間となるように設定される。先行して発券されるポイントくじ101の抽選期間は、当該ポイントくじ101の後に発券されるポイントくじ101の発券期間に重なるように設定される。
【0038】
例えば、あるキャンペーン期間中に発券されたポイントくじ101はそのキャンペーン期間中は使用(抽選)できず、次のキャンペーン期間中に使用(抽選)できるようにされる。例えば、図5に示すように、キャンペーンコード「001」のポイントくじ101は、そのキャンペーン期間である2005年2月に発券され、その抽選期間は、2005年4月に設定される。この期間は、キャンペーンコード「002」のポイントくじ101のキャンペーン期間(2005年4月、5月)に含まれる期間である。
【0039】
ポイントくじ101の発券後、ポイントくじ発券手段11は、ポイントくじ発券履歴記憶手段15にポイントくじ発券履歴を登録する。即ち、ポイントくじ発券手段11は、当該ポイントくじ101の発券のために取得したキャンペーンコード、会員ID、券番号、発券年月日を、当該ポイントくじ101のポイントくじ発券履歴として登録する。この時点で、当たりランク及び賞品名は「空」とされ、抽選フラグは「未」とされる。
【0040】
ポイントくじ抽選手段12は、当選マスタ16内に記憶された情報とポイントくじ発券履歴記憶手段15内に記憶されたポイントくじ発券履歴とに基づいて、各ポイントくじ101の抽選を行い、抽選結果をポイントくじ発券履歴中に設定する。この時、くじの発券履歴に基づいて、ポイントくじ101の識別番号(券番号)を用いて、ポイントくじ101についての抽選が行なわれる。
【0041】
図7は、当選マスタのデータ構成の一例を示す図である。当選マスタ16は、キャンペーンコード、当たりランク、賞品名、当たり予定本数、当たり結果本数からなる。これらの情報は、例えば事業者によって、当該キャンペーン期間(当該ポイントくじ101の発券期間)の終了後であって抽選期間の開始前に、キャンペーン(キャンペーンコード)毎に設定される。当たり予定本数は、予め定められた当たりの本数を示し、当たり結果本数は、抽選の結果、当たったポイントくじ101の本数を示している。
【0042】
景品引換券102の発券に先立って、景品引換券発券手段13は、発券されたポイントくじ101が入力された場合、暗号化されたポイントくじ情報を解読する。即ち、景品引換券発券手段13は、周知のように、当該ポイントくじ101から読み取ったQRコードを解読し、当該解読結果であるデータ列において所定の位置に存在する抽選期間と識別番号(券番号)とを抽出する。これにより、景品引換券発券手段13は、発券されたポイントくじ101が抽選期間内に入力されたか否かを決定(判断)する。
【0043】
景品引換券発券手段13は、ポイントくじ101が抽選期間内に入力された場合、当該券番号と共に、ポイントくじ抽選手段12に当該ポイントくじ101についての抽選結果の通知を依頼する。実際には、景品引換券発券手段13は、当該券番号を用いてポイントくじ発券履歴記憶手段15を参照し、当該券番号のポイントくじ発券履歴を読み出して、前記依頼と共に、ポイントくじ抽選手段12に送る。
【0044】
この依頼に応じて、ポイントくじ抽選手段12は、当該券番号を用いて抽選を行い、その抽選結果を景品引換券発券手段13に通知する。従って、この例では、抽選は前記依頼の都度に行なう。抽選結果は、例えば、当たり又ははずれと当たりランク(賞品名を含む)とからなる。抽選は、乱数を用いる等の種々の方法によって行えば良く、また、予め抽選を行なって当選番号(当選した券番号)を決定しても良い。実際には、ポイントくじ抽選手段12は、ポイントくじ発券履歴記憶手段15を更新して、これを景品引換券発券手段13に通知する。即ち、当該券番号のポイントくじ発券履歴において、当該抽選結果である当たりランク及び賞品名を書き込み、抽選フラグを「済」とする。
【0045】
前記通知を受けると、景品引換券発券手段13は、当該券番号のポイントくじ発券履歴を参照して、前記抽選結果に従って、景品引換券102を発券する。換言すれば、景品引換券発券手段13は、ポイントくじ抽選装置1に挿入されたカード100のカード情報と、ポイントくじ101のQRコードから読み取ったポイントくじ情報と、ポイントくじ発券履歴記憶手段15内のポイントくじ発券履歴とに基づいて、ポイントくじ101が抽選期間内に入力された場合、景品引換券102を発券する。
【0046】
景品引換券102は、実際には、抽選結果に従って、当たりである場合にのみ発券され、当たりでない場合には発券されない。景品引換券102は、その当たりランクに応じたものとされる。景品引換券発券手段13は、通知された抽選結果に基づいて、景品引換券102に、図8に示すように、例えば当たりランク「2等」と賞品名「DVD引換券」を印刷する。景品引換券102の発券を受けた顧客は、景品引換券102と引き換えに景品を受け取ることが可能となる。
【0047】
なお、本発明のポイントくじ抽選装置1は、当該装置のCPU上で実行されるプログラムとして実現される。当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な媒体、例えば半導体メモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD等の適当な記録媒体に格納することができ、これらの記録媒体に記録して提供され、又は、通信インタフェースを介してネットワークを利用した送受信により提供される。
【0048】
図9は、ポイントくじ発券処理説明図であり、ポイントくじ発券手段11が実行するポイントくじ発券処理フローの一例を示す。
【0049】
ポイントくじ発券手段11は、入力されたカード100のカード情報を読み込んで、事業者コード及び会員IDを取得する(ステップS1)。次に、ポイントくじ発券手段11は、取得した事業者コード及び会員IDに基づいて、会員チェックを行う(ステップS2)。
【0050】
即ち、ポイントくじ発券手段11は、会員チェック処理として、読み取った事業者コードが正しく、かつ、読み取った会員IDが正しいか否かを調べ、その結果に基づいて、両者が正しい(OKである)場合、ポイントくじ101を発券する。事業者コードは、読み取った事業者コードが当該ポイントくじ抽選装置1を設置した事業者のものである場合、正しいものと判断される。会員IDは、読み取った会員IDが当該ポイントくじ抽選装置1(の会員マスタ)に登録された会員のものである場合、正しいものと判断される。このために、ポイントくじ抽選装置1は、図示しないが、入会手続きにより得られた会員IDを含む会員の種々の情報を予め登録した会員マスタ(ファイル)を備える。
【0051】
ポイントくじ発券手段11は、会員チェックがNGである(OKでない)場合、エラー通知を行って(ステップS7)、処理を終了する。会員チェックがOKである場合、ポイントくじ発券手段11は、キャンペーンマスタ14からキャンペーン情報を取得し(ステップS3)、当日がキャンペーン期間かをチェックする(ステップS4)。
【0052】
例えば、当日が2005年4月10日の場合、ポイントくじ発券手段11は、図5に示すキャンペーンマスタ14を参照して、当日がキャンペーンコード「002」のキャンペーン期間であると判断する。
【0053】
ポイントくじ発券手段11は、当日がキャンペーン期間でない場合、エラー通知を行って(ステップS7)、処理を終了する。ポイントくじ発券手段11は、当日がキャンペーン期間である場合、ポイントくじ発券履歴に基づいて、ポイントくじ101が発券可能かをチェックする(ステップS5)。
【0054】
例えば、ポイントくじ発券手段11は、キャンペーンマスタ14において、キャンペーンコード「002」のキャンペーン期間に対応する複数枚数発券可否に「可」が設定されていることを確認し、ポイントくじ101を複数枚数発券することができると判断する。そして、ポイントくじ発券手段11は、例えば、図6に示すポイントくじ発券履歴中の会員IDと発券年月日を参照して、ポイントくじ101を発券できるかを判断する。即ち、ポイントくじ発券手段11は、ステップS1で取得した会員IDがポイントくじ発券履歴中に設定されていない場合、又は、取得した会員IDがポイントくじ発券履歴中に設定されているが、設定されている発券年月日が当日と異なっている場合、ポイントくじ101を発券できると判断する。ポイントくじ発券手段11は、ポイントくじ発券履歴中に、取得した会員IDが設定され、かつ、設定されている発券年月日が当日である場合、ポイントくじ101を発券できないと判断する。
【0055】
なお、ポイントくじ発券手段11は、例えば、図5に示すキャンペーンマスタ14を参照して、複数枚数発券可否に「否」が設定されている場合、取得した会員IDがポイントくじ発券履歴中に既に設定されているか否かに基づいて、ポイントくじ101を発券できるかを判断する。即ち、取得した会員IDが既にポイントくじ発券履歴中に設定されている場合、ポイントくじ101は発券されず、ポイントくじ101の二重発券を回避することができる。
【0056】
ポイントくじ発券手段11は、顧客に対してポイントくじ101を発券できないと判断した場合、エラー通知を行い(ステップS8)、処理を終了する。顧客に対してポイントくじ101を発券できると判断した場合、ポイントくじ発券手段11は、前述のように、ポイントくじ情報を生成してポイントくじ101を発券し、ポイントくじ発券履歴記憶手段15にポイントくじ発券履歴を追加する(ステップS6)。
【0057】
図10は、ポイントくじ抽選処理説明図であり、ポイントくじ抽選手段12が実行するポイントくじ抽選処理フローの一例を示す。図10は、例えばキャンペーンコード「001」のキャンペーン期間中に発券されたポイントくじ101の対応する抽選期間についてのポイントくじ抽選処理を示す。
【0058】
ポイントくじ抽選手段12は、事業者の入力に従って、当選マスタ16に、キャンペーンコード、当たりランク、賞品名、当たり予定本数を登録する(ステップS11)。例えば、ポイントくじ抽選手段12は、当選マスタ16に示すように、キャンペーンコード「001」の1等から4等までのそれぞれの当たりランクについて、賞品名と当たり予定本数を登録する。
【0059】
次に、ポイントくじ抽選手段12は、ポイントくじ発券履歴における「当たりランク」と「賞品名」の更新数を「0」とした後(ステップS12)、乱数で券番号を取得する(ステップS13)。このために、ポイントくじ抽選手段12は、乱数発生器(図示せず)を備える。
【0060】
ポイントくじ抽選手段12は、ポイントくじ発券履歴をチェックし、当該ポイントくじ発券履歴中に、取得した券番号が未抽選でかつ当たりなしの状態で設定されているか否かを調べる(ステップS14)。設定されていない場合、ポイントくじ抽選手段12は、ステップS13以下の処理を繰り返す。
【0061】
ポイントくじ抽選手段12は、取得した券番号が未抽選でかつ当たりなしの状態で設定されている場合、ポイントくじ発券履歴に「当たりランク」と「賞品名」を更新する(ステップS15)。
【0062】
即ち、ポイントくじ抽選手段12は、ポイントくじ発券履歴において、取得した券番号に対応する抽選フラグに「未」が設定され、かつ、当たりランクと賞品名にデータが設定されていない場合、ポイントくじ発券履歴に当たりランクと賞品名を設定する。例えば、ステップS13で取得した券番号が「00020」である場合、ポイントくじ抽選手段12は、例えば図6のポイントくじ発券履歴において、券番号「00020」に対応する当たりランクに「2等」、賞品名に「DVD引換券」を設定する。
【0063】
次に、ポイントくじ抽選手段12は、当選マスタをチェックする(ステップS16)。即ち、当選マスタ16の当たり予定本数がステップS15における「当たりランク」と「賞品名」の更新数に等しくない場合、ポイントくじ抽選手段12は、ステップS13以下の処理を繰り返す。当たり予定本数がステップS15における「当たりランク」と「賞品名」の更新数に等しい場合、ポイントくじ抽選手段12は、全ての当たりランクの当たり予定本数分の「当たりランク」と「賞品名」がポイントくじ発券履歴中に設定されたかを判断する(ステップS17)。
【0064】
ポイントくじ抽選手段12は、予定本数分の「当たりランク」と「賞品名」がポイントくじ発券履歴に設定されていない当たりランクがある場合、ステップS12以下の処理を繰り返す。全ての当たりランクの当たり予定本数分の「当たりランク」と「賞品名」がポイントくじ発券履歴中に設定された場合、ポイントくじ抽選手段12は、ポイントくじ発券履歴の当たり以外の全てに「はずれ」を設定して(ステップS18)、処理を終了する。例えば、ポイントくじ抽選手段12は、図6のポイントくじ発券履歴において、券番号「00138」に対応する「当たりランク」に「はずれ」を設定する。
【0065】
図11は、景品引換券発券処理説明図であり、景品引換券発券手段13が実行する景品引換券発券処理フローの一例を示す図である。
【0066】
景品引換券発券手段13は、カード100のカード情報を読み込んで、事業者コード及び会員IDを取得する(ステップS21)。次に、景品引換券発券手段13は、取得した事業者コード及び会員IDに基づいて、会員チェックを行う(ステップS22)。景品引換券発券手段13は、会員チェックがNGの場合はエラー通知を行い(ステップS29)、処理を終了する。
【0067】
会員チェックがOKの場合、景品引換券発券手段13は、ポイントくじ101の券番号を読み込み(ステップS23)、当日が抽選期間中であるか否かをチェックする(ステップS24)。景品引換券発券手段13は、当日が抽選期間中でない場合、エラー通知を行い(ステップS29)、処理を終了し、一方、当日が抽選期間中である場合、ポイントくじ発券履歴を参照し、当該券番号についての抽選結果を確認する(ステップS25)。
【0068】
抽選結果が当たりである場合、景品引換券発券手段13は、ポイントくじ発券履歴に設定された「当たりランク」と「賞品名」に基づいて、景品引換券102を発券する(ステップS26)。例えば、景品引換券発券手段13は、図6のポイントくじ発券履歴を参照して、券番号が「00020」のポイントくじ101に対応する「当たりランク」が「2等」で、「賞品名」が「DVD引換券」であることを確認し、例えば図8に示すような景品引換券102を発券する。
【0069】
この後、景品引換券発券手段13は、当選マスタ16における当たり結果本数を更新し(ステップS27)、ポイントくじ発券履歴における抽選フラグを「済」に更新して(ステップS28)、処理を終了する。一方、ステップS25において、抽選結果がはずれである場合、景品引換券発券手段13は、ステップS26及びS27を省略して、ステップS28を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、くじ抽選装置において、くじを特定の抽選期間中にしか使用できないように設定し、抽選期間を発券期間の経過後の他のくじの発券期間に重なるように設定し、印刷することにより、顧客に発券期間とは異なる期間を印象付け、抽選期間かつ他のくじの発券期間に来店するように誘導することができる。一方、暗号化されたくじ情報に抽選期間を含むことにより、これとくじの発券履歴とにより、くじの抽選を行いくじを正確に管理することができる。また、本発明のくじ抽選装置は、例えばスタンドアロン型のコンピュータシステムにより構成することができ、開発時のユーザの負担を最小限に抑えることができる。以上のように、最小限のユーザの負担により、顧客を効率良く所望の期間に来店するように誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明のポイントくじ抽選装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の概念図の一例である。
【図3】カードのカード情報の一例を示す図である。
【図4】ポイントくじ又はポイントくじ情報の一例を示す図である。
【図5】キャンペーンマスタの一例を示す図である。
【図6】ポイントくじ発券履歴のデータ構成の一例を示す図である。
【図7】当選マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【図8】景品引換券の一例を示す図である。
【図9】ポイントくじ発券処理フローの一例を示す図である。
【図10】ポイントくじ抽選処理フローの一例を示す図である。
【図11】景品引換券発券処理フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
1 ポイントくじ抽選装置
11 ポイントくじ発券手段
12 ポイントくじ抽選手段
13 景品引換券発券手段
14 キャンペーンマスタ
15 ポイントくじ発券履歴記憶手段
16 当選マスタ
100 カード
101 ポイントくじ
102 景品引換券

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたカードの保持するカード情報に基づいて、予め定められた抽選期間を有するくじを、予め定められた発券期間内に発券するくじ発券手段と、
前記くじについての抽選を行うくじ抽選手段と、
前記発券されたくじが前記抽選期間内に入力された場合、前記くじ抽選手段の行なった当該くじについての抽選結果に従って、景品引換券を発券する景品引換券発券手段とを備える
ことを特徴とするくじ抽選装置。
【請求項2】
前記くじ発券手段は、前記発券期間内に発券するくじの前記抽選期間を、前記発券期間の経過後の期間となるように設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のくじ抽選装置。
【請求項3】
前記くじ発券手段は、相互に発券期間の異なる複数の種類のくじを発券し、先行して発券されるくじの抽選期間を当該くじの後に発券されるくじの発券期間に重なるように設定する
ことを特徴とする請求項2に記載のくじ抽選装置。
【請求項4】
前記くじ発券手段は、当該用紙の表面に印刷された前記抽選期間と、目視では解読不能なように暗号化され、当該用紙の表面に印刷され、前記印刷された抽選期間を含むくじ情報とを備えるくじを発券し、
前記景品引換券発券手段は、前記発券されたくじが入力された場合、前記暗号化されたくじ情報を解読することにより、前記発券されたくじが前記抽選期間内に入力されたか否かを決定する
ことを特徴とする請求項3に記載のくじ抽選装置。
【請求項5】
前記くじ発券手段は、前記暗号化されたくじ情報がくじ毎に一意に定まる識別番号とを含むくじを発券し、
前記景品引換券発券手段は、前記暗号化されたくじ情報を解読することにより前記識別番号を抽出し、前記識別番号と共に前記くじ抽選手段に当該くじについての抽選結果の通知を依頼し、
前記くじ抽選手段は、前記識別番号を用いて抽選を行なう
ことを特徴とする請求項4に記載のくじ抽選装置。
【請求項6】
当該くじ抽選装置が、更に、
前記くじの発券履歴を記憶するくじ発券履歴記憶手段を備え、
前記くじの発券履歴は、少なくとも、発券されたくじの識別番号とくじの発券年月日と前記くじ抽選手段によるくじの抽選結果とを含み、
前記くじ抽選手段は、前記くじの発券履歴に基づいて前記くじの抽選を行う
ことを特徴とする請求項2に記載のくじ抽選装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−11941(P2007−11941A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194843(P2005−194843)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】