説明

こんろ

【課題】被加熱物を配置した加熱部を操作するための操作部を容易に認識でき、且つ、加熱部による加熱が正常に終了した時の報知と異常時の報知との2種類の報知を明確に区別して認識できるこんろを提供する。
【解決手段】被加熱物が加熱部3上に配置された際に当該加熱部3に対応する操作部8a〜8cの発光部41を点灯させる制御手段を備える。被加熱物が加熱部3上に配置された状態で異常検知手段によってこんろの異常状態を検知することなく当該加熱部3による加熱を設定手段による設定に基づいて正常に終了した際には、当該加熱部3に対応する操作部8a〜8cの発光部41を第1の発光色で点滅させる。被加熱物が加熱部3上に配置された状態で異常検知手段によってこんろの異常を検知した際には当該加熱部3に対応する操作部8a〜8cの発光部41を第2の発光色で点滅させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加熱物が加熱部上に配置された際に当該加熱部に対応する操作部の発光部を点灯させるこんろに関する。
【背景技術】
【0002】
鍋等の被加熱物を加熱する加熱部としてバーナーを複数備えたこんろは、各バーナーの操作部をバーナー毎に設けている。
【0003】
例えば特許文献1に示すこんろは、複数のバーナーの夫々にバーナー上に鍋が配置されたことを検知する鍋検知センサを設けている。また、操作部の位置を知らせるために各バーナー毎に設けた操作部にランプを設けてあり、バーナー上に鍋が配置された際には、当該バーナーに対応する操作部のランプを発光させ、これを見て使用者は当該操作部の位置を認識できる。
【0004】
ところで、最近のガスこんろは多機能であり、調理タイマーモードや湯沸しモード、炊飯モード等のバーナーを自動で消火する自動調理モードや、途中消火(立ち消え)や高温時に異常を検知してガスの供給を強制的に停止する制御を備えており、自動調理モード終了時や、ガスの供給を強制的に停止した異常時には、このことをブザー音や、火力LEDランプの点滅等で使用者に報知するようになっている。
【0005】
ここで、特許文献1のこんろにおいて、上記自動調理モード終了時や異常時に応じた報知を行うには、前記ランプの発光による報知と、ブザー音や、火力LEDランプによる報知とが混在し、このような異なる報知手段による報知は使用者にとって認識し難いものである。
【0006】
また、上記ブザー音や火力LEDランプによる報知には、自動調理モード終了時の動作に応じた正常終了時の報知と、異常時の報知の2種類があり、使用者はこれら2種類の報知を区別して認識することが難しいものである。
【特許文献1】特開2001−141244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、被加熱物を配置した加熱部を操作するための操作部を容易に認識でき、且つ、加熱部による加熱が正常に終了した時の報知と異常時の報知との2種類の報知を明確に区別して認識することができるこんろを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明に係るこんろは、複数の加熱部3と加熱部3毎に設けた操作部8a〜8cを備え、操作部8a〜8cを操作して該操作部8a〜8cに対応する加熱部3により当該加熱部3上に配置された被加熱物を加熱するこんろにおいて、加熱部3上に被加熱物が配置された状態にあることを検知する被加熱物検知手段12と、加熱部3による被加熱物の加熱を自動で終了させる設定を行うための設定手段と、こんろの異常を検知する異常検知手段と、各操作部8a〜8cに設けた発光部41と、被加熱物が加熱部3上に配置された際に当該加熱部3に対応する操作部8a〜8cの発光部41を点灯させる制御手段を備え、前記制御手段は、被加熱物が加熱部3上に配置された状態で前記異常検知手段によってこんろの異常状態を検知することなく当該加熱部3による加熱を前記設定手段による設定に基づいて正常に終了した際には、当該加熱部3に対応する操作部8a〜8cの発光部41を第1の発光色で点滅させ、被加熱物が加熱部3上に配置された状態で前記異常検知手段によってこんろの異常を検知した際には当該加熱部3に対応する操作部8a〜8cの発光部41を前記第1の発光色とは異なる第2の発光色で点滅させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2は請求項1において、上記被加熱物が加熱部3上に配置された際の発光部41の点灯は、当該加熱部3により被加熱物が加熱されていない状態にあるときには上記第1の発光色で点灯させ、当該加熱部3により被加熱物が加熱されている状態にあるときには上記第2の発光色で点灯させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明では、被加熱物が加熱部上に配置された際に当該加熱部に対応する操作部の発光部を点灯させることができ、この場合、使用者は、点灯する発光部を見て、当該発光部を設けた操作部が被加熱物を配置した加熱部を操作するための操作部であることを容易に認識できる。
【0011】
また、被加熱物が加熱部上に配置された状態で異常検知手段によってこんろの異常状態を検知することなく当該加熱部による加熱を設定手段による設定に基づいて正常に終了した際には、当該加熱部に対応する操作部の発光部を第1の発光色で点滅させることができ、この場合、使用者は、第1の発光色で点滅する発光部を見て、当該発光部を設けた操作部に対応する加熱部による加熱が正常に終了したことを容易に認識できる。
【0012】
また、被加熱物が加熱部上に配置された状態で異常検知手段によってこんろの異常を検知した際には、当該加熱部に対応する操作部の発光部が第2の発光色で点滅させることができ、この場合、使用者は、第1の発光色とは異なる第2の発光色で点滅する発光部を見て、当該発光部を設けた操作部に対応する加熱部による加熱が異常により終了したことを容易に認識できる。
【0013】
また、請求項2に係る発明では、上記請求項1の発明の効果に加えて、上記被加熱物が加熱部上に配置された際の発光部の点灯は、当該加熱部により被加熱物が加熱されていない状態にあるときには上記第1の発光色で点灯させ、当該加熱部により被加熱物が加熱されている状態にあるときには上記第2の発光色で点灯させるものであるので、発光部の発光色数を減少させて構成を簡略化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。図1乃至図7に示す本実施形態のこんろはキッチンキャビネットに組み込まれるドロップインタイプのガスこんろ1である。
【0015】
ガスこんろ1の天面部を構成するガラス製のトッププレート2にはこんろバーナーからなる加熱部3を複数設けている。図示例では、加熱部3として、標準バーナー3a、小バーナー3b、高火力バーナー3cの計3個のこんろバーナーを設けている。
【0016】
標準バーナー3a及び高火力バーナー3cはガスこんろ1の前部に設けてあり、左右方向の一側である向かって左側に標準バーナー3aが位置し、他側である右側に高火力バーナー3cが位置する。小バーナー3bはガスこんろ1の後部で且つ左右方向の中央部に位置する。
【0017】
トッププレート2の上面には各こんろバーナー3a〜3cを中央に配置した五徳6を設けている。よって本実施形態では各五徳6がこんろバーナー3a〜3cによって鍋等の被加熱物を加熱する際に載置するための載置部となる。
【0018】
ガスこんろ1内には図示しないグリルバーナーを設けたグリル庫を設けている。グリル庫の前開口はガスこんろ1の前面に設けたグリル扉4によって開閉自在に閉塞される。
【0019】
標準バーナー3a、小バーナー3b、高火力バーナー3c、グリルバーナーへのガスの供給は図7に示すガス供給路19からなされる。ガス供給路19には開閉弁25を設けている。開閉弁25は電磁弁からなり、その開閉はガスこんろ1に設けたマイクロコンピュータを備えた制御手段(図示せず)によって制御される。
【0020】
図7のようにガス供給路19の開閉弁25よりも下流側は各こんろバーナー3a〜3c及びグリルバーナー側の夫々に分岐し、これら各分岐路20には流量調整弁21を設けている。各流量調整弁21の開度は流量調整弁21毎に設けたステッピングモータ22の駆動により変更される。各ステッピングモータ22の駆動は制御手段によって制御され、これにより各こんろバーナー3a〜3cやグリルバーナーの燃焼量、即ち火力が調整される。
【0021】
既述の各こんろバーナー3a〜3c及びグリルバーナーの夫々には点火プラグ11を設けている(図3参照)。各点火プラグ11を作動させるイグナイタは制御手段からの指令により動作する。
【0022】
図1に示すようにガスこんろ1の前面部を構成する前面パネル10には、標準バーナー3aを操作するための操作部8aと、小バーナー3bを操作するための操作部8bと、高火力バーナー3cを操作するための操作部8cを設けている。
【0023】
操作部8a〜8cはガスこんろ1の高火力バーナー3c側、即ち向かって右側の部位に設けてある。操作部8a〜8cは上記こんろバーナー3a〜3cの並びと同順序で左右方向に並んでいる。つまり、操作部8a、8b、8cはこの順序で向かって左側から並んでいる。
【0024】
各操作部8a〜8cは手動で操作されて対応するこんろバーナー3a〜3cの点火及び消火の切り替えや火力調節を指令するものであり、これを受けて制御手段が各こんろバーナー3a〜3cの点消火の切り替えや火力調節を行う。
【0025】
図5に示すように各操作部8a〜8cは前面を閉塞した有底円筒状に形成してあり、各操作部8a〜8cは前面パネル10に形成した貫通孔23に前後方向に移動自在且つ前後軸回りに回動自在に挿通してある。
【0026】
ガスこんろ1には各操作部8a〜8cにより操作される押し操作式の点消火用スイッチ24を内装している。各点消火用スイッチ24は対応する操作部8a〜8cの前後動に伴い切り替えられ、この切り替え情報を制御手段に伝える。各点消火用スイッチ24は、図5(a)のように操作部8a〜8cを後方に押し込んだ状態では制御手段に消火を指令する状態となる。また図5(b)のように操作部8a〜8cを前面パネル10よりも前方に突出させた状態では制御手段に点火を指令する状態となる。なお、各操作部8a〜8cは点消火用スイッチ24のばね力等により押し操作される毎に上記図5(a)に示す状態と図5(b)に示す状態に切り替えられる。
【0027】
ガスこんろ1の各操作部8a〜8cに対応する位置にはロータリーエンコーダ26を内装している。各ロータリーエンコーダ26の操作軸部27は対応する操作部8a〜8cに前記操作部8a〜8cの前後動を許容する状態で接続してあり、対応する操作部8a〜8cと共に回動する。
【0028】
各ロータリーエンコーダ26は対応する操作部8a〜8cの一方向への回動操作に伴って2つのパルス信号のうちの一方のパルス信号が他方のパルス信号より位相が進み、また他方向への回動操作に伴って前記他方のパルス信号が前記一方のパルス信号より位相が進む状態で、異なる位相の2つのパルス信号を制御手段に出力するよう構成されている。つまり、各ロータリーエンコーダ26はその2つの出力端子から上述した位相の異なるパルス信号を出力するものであり、このパルス信号に基づいて制御手段はステッピングモータ22の駆動を制御し、対応するこんろバーナー3a〜3cへの燃料供給量、即ち火力を調節する。
【0029】
前面パネル10の各操作部8a〜8cの下側には対応するこんろバーナー3a〜3cの調理の設定を指令するための設定手段を構成する設定入力パネル34を設けている。
【0030】
上記設定入力パネル34を操作することで、こんろバーナー3a〜3c毎に、調理タイマーモード、湯沸しモード、炊飯モード等の自動調理モードを設定できるようになっている。
【0031】
調理タイマーモードは、選択されたこんろバーナー3a〜3cの点火後、前記設定入力パネル34を用いて使用者により設定された時間後にこんろバーナー3a〜3cを自動で消火するモードである。また、湯沸しモードや炊飯モードは、選択されたこんろバーナー3a〜3cの点火後、当該こんろバーナー3a〜3cを予め設定された燃焼条件で燃焼させ、湯沸しや炊飯の完了が予測される時点で自動的にこんろバーナー3a〜3cを消火するモードである。
【0032】
また、前面パネル10における向かって左側の部位、即ち、グリル扉4を挟んで設定入力パネル34と左右方向における反対側に位置する部位には、グリルバーナーの点火及び消火の切り替えや火力調整を指令するための設定入力パネル35を設けている。設定入力パネル34、35の指令は共に制御手段に送られ、これを受けて制御手段は各種制御を行う。
【0033】
また、ガスこんろ1は、各こんろバーナー3a〜3cの点火時において、当該こんろバーナー3a〜3cの途中消火(立ち消え)や当該こんろバーナー3a〜3c上に配置した被加熱物が高温になったことを検知する異常検知手段を備えており、制御手段は異常検知手段により異常を検知した際には、開閉弁25を閉じてこんろバーナー3a〜3cへのガスの供給を停止し、こんろバーナー3a〜3cを消火状態とする。
【0034】
上記途中消火は、こんろバーナー3a〜3c毎に設けた着火状態検知手段36や、同じくこんろバーナー3a〜3c毎に設けた五徳6上に載置された被加熱物の温度を検知する温度検知手段16を用いて検知される。また、被加熱物の高温状態は温度検知手段16を用いて検知される。つまり、この場合は、着火状態検知手段36や温度検知手段16が異常検知手段を構成する。
【0035】
上記ガスこんろを用いて設定入力パネル34によるモード設定なしの状態で調理を行う場合、前面に設けた電源スイッチ40をONにした後、操作部8a〜8cや設定入力パネル35を押し操作して制御手段に点火の指令を送る。この指令を受けると制御手段は、開閉弁25を開き、且つ任意のこんろバーナー3a〜3c又はグリルバーナーに対応する流量調整弁21を所定開度で開くと共に点火プラグ11をスパークさせ、こんろバーナー3a〜3c又はグリルバーナーを点火する。これにより、こんろバーナー3a〜3cの炎により対応する五徳6上に載置した被加熱物を加熱したり、グリルバーナーの炎によりグリル庫内の肉や魚を焼くことができる。
【0036】
また、既述の調理タイマーモードや湯沸しモード、炊飯モード等に設定して調理を行う場合には、使用者が設定入力パネル34を操作して任意の自動調理モードに設定し、この後、選択されたこんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cを押し操作して制御手段に点火の指令を送る。この指令を受けると制御手段は、前述同様、選択されたこんろバーナー3a〜3cを点火させ、当該こんろバーナー3a〜3cを予め設定された条件で燃焼させて被加熱物を加熱し、この後、タイマーや温度検知手段16により検知された温度等に基づいて当該こんろバーナー3a〜3cを自動で消火する。これにより、各モードにより設定された燃焼条件で燃焼するこんろバーナー3a〜3cの炎により、対応する五徳6上に載置した被加熱物を加熱することができる。なお、電源スイッチ40がOFFの時には制御手段には電力が供給されるが、操作部8a〜8cや設定入力パネル34、35等が操作されたとしても、既述の動作は行われない。
【0037】
また、上記各こんろバーナー3a〜3cの点火時において、異常検知手段によりこんろバーナー3a〜3cの途中消火やこんろバーナー3a〜3c上に配置した被加熱物が高温になったことを検知した場合には、制御手段は開閉弁25を閉じてこんろバーナー3a〜3cへのガスの供給を停止し、こんろバーナー3a〜3cを消火状態とする。
【0038】
ここで、上記ガスこんろ1の各操作部8a〜8cの前面には当該操作部8a〜8cが被加熱物を配置したこんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cであることを報知するための報知手段として図2及び図4に示す発光部41を設けている。
【0039】
各発光部41はスモーク処理を施した透明樹脂製で操作部8a〜8cと同心の円環状の部材からなり、操作部8a〜8cの前面部の中央に形成した孔に嵌入して取り付けてある。リング状の各発光部41の内側は操作部8a〜8cの前面部を構成する非透光性の部材で閉塞してあり、これにより操作部8a〜8cの前面部の一部のみが前記発光部41で構成されることとなる。
【0040】
各操作部8a〜8cには発光色の異なる2種類の発光体42を内装している。発光体42としては各操作部8a〜8cに白色LEDと橙色LEDを3個づつ設けてある。各白色LED及び各橙色LEDはガスこんろ1に内装した基板44の表面に実装してある。
【0041】
上記各操作部8a〜8cの2種類の発光体42は選択的に発光可能となっている。
【0042】
発光体42のうち各白色LEDを継続して発光させると、この光は発光部41に到達して円環状の発光部41全体が白色発光状態で点灯する。また、各白色LEDを断続的に発光させると、発光部41全体が白色発光で点滅する。本実施形態ではこの白色を第1の発光色としている。
【0043】
また、発光体42のうち各橙色LEDを継続して発光させると、この光は発光部41に到達して円環状の発光部41全体が橙色発光で点灯する。また、各橙色LEDを断続的に発光させると、発光部41全体が橙色発光で点滅する。本実施形態ではこの橙色を第1の発光色とは異なる第2の発光色としている。
【0044】
上記各発光部41の発光の制御、即ち各発光体42の発光の制御は以下の被加熱物検知手段12の検知結果に基づいて制御手段により制御される。
【0045】
被加熱物検知手段12は、標準バーナー3a、小バーナー3b及び高火力バーナー3cの夫々に設けてあり、対応する五徳6に被加熱物が載置された状態にあるか否か、即ち、各こんろバーナー3a〜3c上に被加熱物が配置された状態にあるか否かを検知するものである。
【0046】
図3に示すように各被加熱物検知手段12は、ガスこんろ1に固定的に設けた支持部14と、支持部14に上下方向に移動自在に支持される可動部13と、可動部13の上下位置を検出する検出スイッチ15を備えている。
【0047】
可動部13は図示しないばねにより上方に付勢され、その上端部は通常五徳6よりも上方に突出する。また、この状態で五徳6上に被加熱物が載置されると可動部13の上端部は被加熱物の底部により押し下げられる。この可動部13の上下動に伴い前記検出スイッチ15は切り替えられる。つまり五徳6上に被加熱物が載置されていない状態では可動部13は五徳6よりも上方に突出して検出スイッチ15がOFFとなり、五徳6上に被加熱物が載置されると可動部13は被加熱物により押し下げられて検出スイッチ15がONとなり、これによりこんろバーナー3a〜3c上に被加熱物が配置された状態にあるか否かを検知する。
【0048】
また、上記各被加熱物検知手段12の可動部13の上端部には温度センサ16aを設けてあり、該温度センサ16aにより既述の温度検知手段16を構成している。各温度センサ16aは対応する五徳6上に載置された被加熱物の底部に当接し、この状態で被加熱物の温度を検出する。
【0049】
また、標準バーナー3a、小バーナー3b、高火力バーナー3cの夫々には既述の着火状態検知手段36として熱電対36a(図7参照)を設けてあり、熱電対36aの検知結果に基づいて対応するこんろバーナー3a〜3cが着火状態にあるか否かを判定できるようになっている。
【0050】
以下、制御手段による発光部41の発光状態の制御について詳述する。
【0051】
制御手段は、電源スイッチ40がONの状態にあるときには、こんろバーナー3a〜3c毎に設けた被加熱物検知手段12による検知を行い、この結果、こんろバーナー3a〜3c上に被加熱物が配置されておらず、且つ、当該こんろバーナー3a〜3cが点火状態にないときには、対応する操作部8a〜8cの発光部41を消灯状態とする。
【0052】
また、被加熱物検知手段12によりこんろバーナー3a〜3c上に被加熱物が配置されていることを検知し、且つ、当該こんろバーナー3a〜3cが点火状態にないときには、当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cの発光部41を前記白色の発光色で発光させ点灯状態とする。
【0053】
この場合、被加熱物検知手段12により被加熱物がこんろバーナー3a〜3c上に配置された時点から所定時間(具体的には30秒)が経過するまでは当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cの発光部41を所定の明るさで点灯させる。なお、この所定時間内に当該こんろバーナー3a〜3c上の被加熱物を他の箇所に移動したときや、当該こんろバーナー3a〜3cが点火されたときは、発光部41を白色点灯状態から消灯状態や橙色点灯状態に変化させる。
【0054】
また、当該被加熱物がこんろバーナー3a〜3c上に配置された時点から前記所定時間経過後は、当該発光部41を前記所定の明るさよりも暗い明るさで発光させ、以後、当該こんろバーナー3a〜3c上の被加熱物を他の箇所に移動したときや、当該こんろバーナー3a〜3cが点火されるときまで、当該点灯状態を維持する。
【0055】
なお、上記発光部41を所定の明るさよりも暗い明るさで発光させる方法としては、発光体42の駆動電流のデューティー比を下げたり、発光体42の駆動電流値を低下させる等が挙げられる。
【0056】
また、電源スイッチ40をONにした状態で、バーナー3a〜3cが点火状態にあるときには、被加熱物検知手段12による検知結果に関わらず、当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cの発光部41を橙色の発光色で発光させた点灯状態とする。
【0057】
また、上記こんろバーナー3a〜3cが点火状態にある時に、自動調理モードにおける制御によりこんろバーナー3a〜3cが自動的に消火された際には、当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cの発光部41を白色の発光色で点滅させる。この発光部41の白色点滅は当該こんろバーナー3a〜3cの消火時点から所定時間(例えば5分間)経過後に消灯されるようにし、省エネルギー化を図ることも可能であるが、本実施形態では、使用者による操作部8a〜8cの、消火を指令する状態への復帰操作を促すために、操作部8a〜8cが、消火を指令する状態に復帰操作されるまで、点滅を継続させている。
【0058】
なお、上記こんろバーナー3a〜3cが点火状態にある時に、操作部8a〜8cの操作によりこんろバーナー3a〜3cが消火された際には、被加熱物検知手段12によりこんろバーナー3a〜3c上に被加熱物が配置されていることを検知した場合には、当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cの発光部41を白色の発光色で発光させた点灯状態とし、こんろバーナー3a〜3c上に被加熱物が配置されていない場合には、当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cの発光部41が消灯される。
【0059】
また、上記こんろバーナー3a〜3cが点火状態にある時に、異常検知手段によりこんろバーナー3a〜3cの途中消火やこんろバーナー3a〜3c上に配置した被加熱物が高温になったことを検知した場合には、被加熱物検知手段12による検知結果に関わらず、前述のようにこんろバーナー3a〜3cへのガスの供給を強制的に停止すると共に、当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cの発光部41を橙色の発光色で点滅させる。なお、この異常検知に伴うこんろバーナー3a〜3cの消火後は、異常を検知しない正常な状態となるまで発光部41を橙色の発光色で点滅させる。
【0060】
以下使用例を挙げる。
【0061】
設定入力パネル34によるモード設定なしの状態で調理を行う場合は、例えば、任意のこんろバーナー3a〜3c上に被加熱物を配置し、この後、当該こんろバーナー3a〜3cを操作部8a〜8cを用いて点火し、次に対応する操作部8a〜8cを操作して当該こんろバーナー3a〜3cを消火し、この後、当該こんろバーナー3a〜3c上から他の箇所に被加熱物を移動するが、このとき、対応する操作部8a〜8cに設けた発光部41は、消灯状態、白色点灯状態、橙色点灯状態、白色点灯状態、消灯状態と順に発光状態が変化する。
【0062】
また、例えば、設定入力パネル34により調理タイマーモードに設定して調理を行う場合は、設定入力パネル34によりタイマー時間を設定し、この後、対応するこんろバーナー3a〜3c上に被加熱物を配置し、次に当該こんろバーナー3a〜3cを操作部8a〜8cを用いて点火し、所定時間後に当該こんろバーナー3a〜3cが自動で消火された後に当該こんろバーナー3a〜3c上から他の箇所に被加熱物を移動するが、このとき、対応する操作部8a〜8cに設けた発光部41は、消灯状態、白色点灯状態、橙色点灯状態、白色点滅状態、消灯状態と順に発光状態が変化する。
【0063】
また、例えば、任意のこんろバーナー3a〜3c上に被加熱物を配置し、この後、当該こんろバーナー3a〜3cを操作部8a〜8cを用いて点火し、この後、吹きこぼれが生じて当該こんろバーナー3a〜3cが途中消火された場合には、対応する操作部8a〜8cに設けた発光部41は、消灯状態、白色点灯状態、橙色点灯状態、橙色点滅状態と順に変化する。
【0064】
以上説明したこんろは、被加熱物がこんろバーナー3a〜3c上に配置された際には、当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cに設けた発光部41が白色で点灯する。このため、使用者は、白色で点灯する発光部41を見て、当該発光部41を設けた操作部8a〜8cが被加熱物を配置したこんろバーナー3a〜3cを操作するための操作部8a〜8cであることを容易に認識できる。
【0065】
また、被加熱物がこんろバーナー3a〜3c上に配置された状態で異常検知手段によってこんろの異常状態を検知することなく当該こんろバーナー3a〜3cによる加熱を設定入力パネル34による設定に基づいて正常に終了した際には、当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cの発光部41が白色の発光色で点滅する。このため、使用者は、白色で点滅する発光部41を見て、当該発光部41を設けた操作部8a〜8cに対応するこんろバーナー3a〜3cによる加熱が正常に終了したことを容易に認識できる。
【0066】
また、被加熱物がこんろバーナー3a〜3c上に配置された状態で異常検知手段によってこんろの異常を検知して当該こんろバーナー3a〜3cによる加熱を終了した際には、当該こんろバーナー3a〜3cに対応する操作部8a〜8cの発光部41が橙色の発光色で点滅する。このため、使用者は、橙色で点滅する発光部41を見て、当該発光部41を設けた操作部8a〜8cに対応するこんろバーナー3a〜3cによる加熱が異常により終了したことを容易に認識できる。
【0067】
なお、本実施形態では、各操作部8a〜8cに設けた発光部41の第1の発光色を白色とすると共に第2の発光色を橙色としたが、第2の発光色が第1の発光色よりも警報レベルが高いと認識される発光色であれば、これら第1の発光色及び第2の発光色はその他の発光色としても良いものとする。
【0068】
また、被加熱物がこんろバーナー3a〜3c上に配置された際の発光部41の点灯は、当該こんろバーナー3a〜3cにより被加熱物が加熱されていない状態にあるときには、
こんろバーナー3a〜3cによる加熱を正常に終了したときの発光色と同一の発光色としたが、異なる発光色としても良い。
【0069】
また、被加熱物がこんろバーナー3a〜3c上に配置された際の発光部41の点灯は、当該こんろバーナー3a〜3cにより被加熱物が加熱されている状態にあるときには、異常検知手段によりこんろバーナー3a〜3cの異常を検知してこんろバーナー3a〜3cによる加熱を終了したときの発光色と同一の発光色としたが、異なる発光色としても良い。
【0070】
さらに、本実施形態のこんろはキッチンキャビネットに組み込まれるドロップインタイプのガスこんろ1であるが、こんろ台上に設置されるガスこんろ1であっても良く、また、IH調理器であっても良いものとする。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態の一例を示すガスこんろの全体斜視図である。
【図2】同上の操作部の内部構造を示す断面図である。
【図3】同上の被加熱物検知手段の構造を示す断面図である。
【図4】同上の操作部の正面図であり、(a)は操作部内のLEDに通電されておらず発光部が発光していない状態を示し、(b)は操作部内のLEDに通電され発光部が発光している状態を示すものである。
【図5】同上の操作部近傍の側断面図であり、(a)は操作部の消火指令状態を示し、(b)は操作部の点火指令状態を示すものである。
【図6】同上の操作部近傍の斜視図である。
【図7】同上のシステム構成図である。
【符号の説明】
【0072】
3 加熱部
8a〜8c 操作部
12 被加熱物検知手段
41 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の加熱部と加熱部毎に設けた操作部を備え、操作部を操作して該操作部に対応する加熱部により当該加熱部上に配置された被加熱物を加熱するこんろにおいて、加熱部上に被加熱物が配置された状態にあることを検知する被加熱物検知手段と、加熱部による被加熱物の加熱を自動で終了させる設定を行うための設定手段と、こんろの異常を検知する異常検知手段と、各操作部に設けた発光部と、被加熱物が加熱部上に配置された際に当該加熱部に対応する操作部の発光部を点灯させる制御手段を備え、前記制御手段は、被加熱物が加熱部上に配置された状態で前記異常検知手段によってこんろの異常状態を検知することなく当該加熱部による加熱を前記設定手段による設定に基づいて正常に終了した際には、当該加熱部に対応する操作部の発光部を第1の発光色で点滅させ、被加熱物が加熱部上に配置された状態で前記異常検知手段によってこんろの異常を検知した際には当該加熱部に対応する操作部の発光部を前記第1の発光色とは異なる第2の発光色で点滅させることを特徴とするこんろ。
【請求項2】
上記被加熱物が加熱部上に配置された際の発光部の点灯は、当該加熱部により被加熱物が加熱されていない状態にあるときには上記第1の発光色で点灯させ、当該加熱部により被加熱物が加熱されている状態にあるときには上記第2の発光色で点灯させることを特徴とする請求項1に記載のこんろ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−38474(P2010−38474A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203521(P2008−203521)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(301066992)株式会社ハーマンプロ (145)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)