説明

ごみ処理施設の照明装置

【課題】低コストで、点灯に対する応答性が高く、消費電力量の低減を図ることができるごみ処理施設の照明装置を提供する。
【解決手段】被処理物3を収容する収容空間4を形成するピット壁部5に、被処理物3を投入する複数の投入扉G1〜G6が設けられるピット構造体と、床部9と天井部との間に車両Tが通行可能なプラットホーム空間11が形成されるプラットホーム構造体と、投入扉G1〜G6毎に配置される複数の表示灯L1〜L6を有し、各表示灯のいずれか1つを点灯させる誘導表示手段14と、車両に搭載される被処理物3の重量を計測し、ごみ処理施設に、発光ダイオードを光源とする複数の照明ユニットを有する照明手段17と、ごみ計量機の計量値信号に応答して、被処理物3の収容空間4内の堆積状況に応じて選ばれる投入扉に対応する表示灯を点灯させるとともに、投入扉に予め関連付けられた照明ユニットを点灯させる制御装置20とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭ごみおよび産業廃棄物などの被処理物を投入扉からごみピット内へ投入する廃棄物収集車両のプラットホームを照明するために好適に実施することができるごみ処理施設の照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ごみ処理施設には、一般家庭で発生したごみおよび工場で発生した産業廃棄物などの被処理理物を搭載した廃棄物収集車両が到着して、前記ごみピットに前記搭載してきた被処理物を投入するためのプラットホームが設けられている。
【0003】
このプラットホームでは、一灯あたりの消費電力が400Wの水銀灯を20〜30灯、常時点灯させ、プラットホーム全体を照明している。そのため、照明に要する電力コストが多く、省電力化の要求が高まる近年、低コストで、より消費電力量の削減が求められている。また水銀灯は、電力を印加されてから充分な輝度に達するまでに長い時間を要し、応答性が低いという問題がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−4435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低コストで、応答性が高く、消費電力量の低減を図ることができるごみ処理施設の照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被処理物を収容するための収容空間を形成するピット壁部に、被処理物を投入するための複数の投入扉が設けられるピット構造体と、
床部と天井部とを有し、前記床部と前記天井部との間に、車両が前記ピット構造体まで通行可能なプラットホーム空間が形成されるプラットホーム構造体と、
前記複数の投入扉毎に個別に対応付けて配置される複数の表示灯を有し、各表示灯のいずれか1つを点灯させる誘導表示手段と、
前記車両に搭載される被処理物の重量を計測し、計測した重量を表す計量値信号を出力する計量手段とを含むごみ処理施設に設けられる照明装置であって、
前記天井部に設置されて前記床部に向かって光を照射し、発光ダイオードを光源とする複数の照明ユニットを有する照明手段と、
前記計量手段からの計量値信号に応答して、前記被処理物の収容空間内の堆積状況に応じて選ばれる投入扉に対応する表示灯を点灯させるとともに、前記堆積状況に応じて選ばれた投入扉に予め関連付けられた照明ユニットを点灯させる制御手段とを含むことを特徴とするごみ処理施設の照明装置である。
【0007】
また本発明は、前記制御手段は、前記選ばれた投入扉が閉鎖されたときから予め定める時間が経過したとき、前記点灯中の照明ユニットを消灯させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、計量手段によって収集車両に搭載される被処理物の重量が計量され、計量した被処理物の重量を表す計量値信号を出力されると、制御手段は、前記計量手段からの計量値信号に応答して、前記被処理物の収容空間内の堆積状況に応じて選ばれる投入扉に対応する表示灯を点灯させるとともに、前記堆積状況に応じて選ばれた投入扉に予め関連付けられた照明ユニットだけを点灯させるので、消費電力量を低減し、低コスト化を図ることができる。
【0009】
また、各照明ユニットは、発光ダイオードを光源とするので、前記従来技術のように、水銀灯を光源とする照明装置に比べて、短時間で所要の輝度に達し、応答性が高いとともに、消費電力が格段に少なく、これによってもまた、消費電力量を低減することができる。
【0010】
しかも、制御手段は、誘導表示手段の表示灯を選択するための信号に応答して、照明ユニットを点灯させるので、既存のシステムを大きく変更せずに、容易に本発明に係る照明装置を実施することができる。
【0011】
また本発明によれば、制御手段によって、前記選ばれた投入扉が閉鎖されたときから予め定める時間が経過したとき、前記点灯中の照明ユニットを消灯させるので、照明ユニットの無駄な点灯時間の削減が図られ、より一層、消費電力量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の照明装置1の概略的構成を示す系統図である。
【図2】照明装置1が適用されるごみ処理施設2の簡略化した断面図である。
【図3】照明ユニットUの具体的構成を示す拡大断面図である。
【図4】制御装置20の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】制御装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施形態のごみ処理施設の照明装置1aの照明ユニットUを示す斜視図である。
【図7】図6に示す照明装置1aの照明ユニットUの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の一実施形態の照明装置1の概略的構成を示す系統図であり、図2は照明装置1が適用されるごみ処理施設2の簡略化した断面図である。本実施形態の照明装置1は、被処理物3を収容するための収容空間4を形成するピット壁部5を有し、このピット壁部5には、前記収容空間4に被処理物3を投入するための投入口6を開閉する複数の投入扉G1〜G6が設けられるピット構造体8と、床部9と天井部10とを有し、前記床部9と前記天井部10との間に、被処理物3の収集車両Tが通行可能なプラットホーム空間11が形成されるプラットホーム構造体12と、前記複数の投入扉G1〜G6毎に個別に対応付けて配置される複数の表示灯L1〜L6を有し、各表示灯L1〜L6のいずれか1つを点灯させて、点灯させた表示灯L1〜L6に対応する投入扉G1〜G6に前記収集車両Tを誘導するための誘導表示手段14と、前記収集車両Tに搭載される被処理物3の重量を計測し、計測した重量を表す計量値信号を出力する計量手段としてのごみ計量機15とを含む。
【0014】
前記複数の表示灯L1〜L6の点灯は、時系列的に点灯と消灯とを繰り返して点滅させる場合と、光源を連続して発光状態にして、遮蔽板または反射板によって光源光を遮断/透過を繰り返す場合とがあり、本実施形態では、光源自体を点滅させて、看者の注意を喚起するように構成されている。前記床部9には、収集車両Tを検出して各投入扉G1〜G6を個別に開閉するための構成として、投入扉G1〜G6毎にたとえばループコイルが埋設され、後述する制御装置20によって収集車両Tをループコイルが検出すると、対応する投入扉G1〜G6を開放し、ループコイルが収集車両Tを検出状態から引検出状態に変化すると、開放されていた投入扉G1〜G6を閉鎖する。
【0015】
前記照明装置1は、さらに前記天井部10に設置されて前記収集車両Tの床部9に向かって光を照射し、発光ダイオード(Light Emitting Diode;略称LED)を光源とする複数の照明ユニットU11,U12,U13;……;U61,U62,U63(総称する場合には、「照明ユニットU」と記す。また、各照明ユニットU11,U12,U13;……の各照明ユニット列を称する場合には、「照明ユニット列U1」、「照明ユニット列U2」、……と記す。)を有する照明手段17と、前記ごみ計量機15からの計量値信号に応答して、前記被処理物3の収容空間4内の堆積状況に応じて選ばれる投入扉G1〜G6に対応する表示灯L1〜L6を点灯させるとともに、前記堆積状況に応じて選ばれた投入扉G1〜G6に予め関連付けられた照明ユニットUを照明ユニット列U1,U2,…毎に点灯させる制御手段としての制御装置20とを含む。
【0016】
前記ごみ処理施設2は、ごみピット21、焼却炉22、ごみクレーン23、ごみ投入ホッパ24、破砕機25、給じん装置26、ごみピット汚水受層27、ろ液貯留槽28、ろ液噴霧ポンプ29、二次送風機30、および不燃物取出コンベア31を含む。前記ごみピット21は、前述のピット構造体8およびプラットホーム構造体12を含んで構成される。
【0017】
収集車両Tが焼却用ごみとして選別された被処理物3を収集してくると、収集車両Tをごみ計量機15によって計量し、車両重量を差し引いた被処理物3の重量が算出されて計量値信号として前述の制御装置20へ出力される。被処理物3は、プラットホーム空間11に停車した収集車両Tから投入扉G1〜G6のいずれか1つの投入扉、たとえば投入扉G1の投入口6から投入され、ごみピット構造体8内の収容空間4内が一定量になるまで堆積させる。その間、オペレータは、ごみクレーン23によって、収容空間4内の被処理物3を局所的に集中して堆積しないように、収容空間4内に投入された被処理物3を移動させる。
【0018】
ごみクレーン23は、図2の紙面に垂直な奥行き方向Y1,Y2に延びる一対の走行レール33に沿って走行可能なクレーンビーム34と、クレーンビーム34に奥行き方向Y1,Y2に垂直な幅方向X1,X2に移動可能でかつ奥行き方向Y1,Y2および幅方向X1,X2を水平面に垂直な上下方向Z1,Z2にワイヤの巻上げ/巻下しによって移動可能なバケット35とを有する。
【0019】
このようなごみクレーン23は、ごみピット21のピット壁部5に装備された操作室36内のクレーン操作装置37をオペレータが操作することによって、運転制御され、ごみピット21内の被処理物3をバケット35によって掴んで、ごみホッパ24へ投入することができる。
【0020】
ごみホッパ24へ投入された被処理物3は、破砕機25によって破砕された後、給じん装置26によって焼却炉22内へ供給され、焼却される。また、ごみピット21におけるピット構造体8の底部には、収容空間4内に溜まった汚水を回収するためのごみピット汚水受槽27が設けられる。ごみピット汚水受槽27内に溜まった汚水のうち、沈降分離によって上方へ分離したろ液は、ごみピット汚水受槽27内に設置されたポンプ32によって汲上げられ、ろ液貯留槽28へ供給される。
【0021】
ろ液貯留槽28内に貯留されるろ液は、ろ液噴霧ポンプ29から管路を経て焼却炉22へ導かれて噴霧され、その一部は助燃バーナ38からの火炎に接触し、残部は火格子39上に堆積した高温の燃焼生成物である残渣に接触して、熱分解処理される。火格子39上の残渣は、不燃物取出コンベア31によって、後続する処理施設へ供給されて処理される。
【0022】
ごみピット21の収容空間4内に投入された被処理物3の重量は、前述のようにごみ計量機15によって計量されているため、被処理物3の重量とその体積から、ごみピット21の収容空間4内に堆積している被処理物3の見掛け比重を算出することができ、この見掛け比重の算出を、たとえば30分〜90分の時間間隔で定期的に行うことによって、被処理物3から水分が除去されていく過程における被処理物3の乾燥度を推測し、ごみピット21内の被処理物3の見掛け比重が一定の値になったとき、被処理物3の乾燥度が焼却に適した状態であるという経験則に基く判断基準によって、焼却時期の適否を判断している。このような被処理物3の乾燥度からは、焼却時における発生熱量をも予測することができ、焼却炉22の燃焼状態の制御に用いられる。
【0023】
図3は、照明ユニットUの具体的構成を示す拡大断面図である。前記天井部10は、複数の鋼材などによって構築された天井構造体40を含み、この天井構造体40には、断面が略C字状の形鋼材によって実現される複数の取付部材41が水平でかつ平行に固定される。各取付部材41には、前述した複数の照明ユニットUが垂下した状態で取付けられる。
【0024】
各照明ユニットUは、吊下構造体42と、底部が開放した中空の円錐台状の反射カバー体43と、反射カバー体43の中央部に設けられる光源部44とを有する。
【0025】
前記吊下構造体42は、一対の挟持板45,46、第1吊下部材47、第2吊下部材48、ブラケット49、一対の挟着用ナット50,51、および自在継手52を含む。各挟持板45,46は、矩形の鋼板から成る。第1吊下部材47は、棒状体の軸線方向一端部に外ねじが刻設され、軸線方向他端部には、前記自在継手52の嵌合凹部53が設けられる。第2吊下部材48は、棒状体の軸線方向一端部に前記自在継手52の嵌合凸部54が設けられ、軸線方向他端部は前記ブラケット49に固定される。ブラケット49は、反射カバー体43の頂部に同一軸線上で複数のビス(図示せず)などによって固定される。
【0026】
前記嵌合凹部53は、球面の一部を成す内面によって規定される嵌合凹所53aを有する。また嵌合凸部54は、球面の一部を成す外面を有する略球状の部材によって実現される。嵌合凸部54は嵌合凹所43aに手作業によって回動可能な状態で嵌合し、反射カバー体43の向きを変化させて、光源部44の光の照射方向を調整することができるように構成されている。
【0027】
前記光源部44は、複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode;略称LED)が光源として実装される発光体60と、発光体60が搭載され、発光体60で発生する熱を放散するヒートシンク61とを有する。発光体60は、たとえば出力が110W程度のいわゆる電球型LEDによって実現され、前記従来技術の出力400W程度の水銀灯に比べて、オン・オフ制御に対する応答性が高く、消費電力が少ないために、長時間点灯しても消費電力量を低減して、低コスト化を図ることができる。
【0028】
前記反射カバー体43は、反射カバー本体62と、反射カバー本体62の頂部に固定され、該頂部から突出する前記ヒートシンク61を覆う補助カバー体63とを有する。反射カバー本体62は、円錐台状の側壁部64と、側壁部64の小径端部に連なる円板状の小径底部65とを有する。このような反射カバー本体62は、ステンレス鋼またはアルミニウム合金から成る。側壁部64の内周面64aおよび小径底部65の内面65aは、反射面を構成するため、反射塗膜または金属めっき層によって高い反射率を有する。
【0029】
補助カバー体63は、円筒状の側壁部68と、側壁部68の前記ブラケット49寄りに配置される軸線方向一端部に連なる円板状の底部69と、側壁部68の軸線方向他端部に連なるフランジ部70とを有する。側壁部68には、複数の通気孔71が形成され、ヒートシンク61に送風して、ヒートシンク61から放出される熱の大気への拡散効率を向上するための送風ファンユニット72が設けられる。この送風ファンユニット72は、モータと、モータの出力軸に装着されたプロペラとを有する軸流ファンであって、出力が5W程度のシロッコファンによって実現される。
【0030】
図4は、制御装置20の電気的構成を示すブロック図である。前記制御装置20は、制御部75と、制御部75からの制御信号に応答して、各表示灯L1〜L6および各照明ユニットU11〜U13;……;U61〜U63を、各照明ユニット列U1,U2,……毎に個別に点灯/消灯させる複数の駆動部D1〜D6とを有する。制御装置20は、タッチパネルなどの入力手段によって、詳細な設定、たとえば自動/手動、点灯箇所設定、消灯時間設定、累積点灯時間が可能である。
【0031】
前記制御部75は、ごみ計量機15からの計量値信号に応答して、各表示灯L1〜L6のいずれか1つを点灯させて、点灯させた表示灯L1〜L6に対応する投入扉G1〜G6に前記収集車両Tを誘導することができるとともに、被処理物3の収容空間4内の堆積状況に応じて投入扉G1〜G6の1つを選択し、選択された投入扉G1〜G6に対応する表示灯L1〜L6を点灯させるための駆動信号を誘導表示手段14に出力するとともに、たとえばごみピット21内の収容空間4内をカメラで撮像した画像に基く演算処理によって算出した堆積状況から選ばれた投入扉G1〜G6の1つに予め関連付けられた、たとえば照明ユニットU11,U12,U13、すなわち照明ユニット列U1を点灯させる。また、制御部75は、前記ループコイルが収集車両Tを検出しなくなると、前記投入扉G1〜G6の1つ閉鎖指令信号を出力して閉鎖させた後、この閉鎖指令信号を出力した時刻から一定時間、たとえば3〜5分後に前記点灯した照明ユニットU1を消灯するように構成される。
【0032】
このような制御部75は、中央演算処理装置(Central Processing Unit、略称CPU)によって実現され、前記制御装置20は、操作室36に設置される前述のクレーン操作装置37に組込まれたコンピュータによって実現される。
【0033】
各駆動部D1〜D6は、各表示灯L1〜L6の1つを選択的に点灯させる点灯指令信号を誘導表示手段14に出力するとともに、点灯させた表示灯L1〜L6の1つに対応する照明ユニット列U1〜U6の1つを点灯させる点灯指令信号を照明手段17に出力する駆動回路によって実現される。
【0034】
図5は、制御装置20の動作を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS1で、被処理物3を搭載した収集車両Tがごみ処理施設2にくると、ステップS2で、収集車両Tはごみ計量機15によって被処理物3の重量が計量され、その計量値信号は制御装置20の制御部75に入力される。制御部75が計量値信号を入力すると、被処理物3の重量の計量が終了したものと判断して、次のステップS3に移り、投入扉G1〜G6のうちで、ごみピット21内の収容空間4内で被処理物3の堆積量の少ない場所の上方に位置している投入扉、たとえば投入扉G1に対応する表示灯L1を点灯させ、収集車両Tを誘導する。
【0035】
制御部75はまた、次のステップS4において、前記表示灯L1を点灯させる番号灯点灯信号を受信すると、ステップS5で、プラットホーム空間11内において収集車両Tの搬入経路の照明ユニットU11〜U13に対応するフラグをセットし、ステップS6で、当該照明ユニットU11〜U13を点灯させる。
【0036】
次に、ステップS7で、収集車両を検知状態で投入扉G1が閉じられると、ステップS8で、その投入扉G1の閉鎖指令信号が制御部75に入力され、制御部75は閉鎖指令信号に応答して、フラグをリセットし、表示灯L1を消灯させた後、前述のように、表示灯L1の消灯からたとえば3〜5分後に照明ユニットU11〜U13から成る照明ユニット列U1を消灯させる。
【0037】
ステップS9で、制御部75が再び計量値信号を入力すると、ステップS2へ戻り、制御部75はごみ計量機15による計量が完了したか否かを判断する。制御部75が照明ユニットU11〜U13を消灯してから一定時間、たとえば5〜10分を超えて計量完了信号を入力しない場合には、ステップS10で、制御装置20を実行モードからスタンバイモードに切り換えて、待機状態にする。
【0038】
図6は本発明の他の実施形態のごみ処理施設の照明装置1aの照明ユニットUを示す斜視図であり、図7は図6に示す照明装置1aの照明ユニットUの断面図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には同一の参照符を付す。本実施形態の照明装置1aの照明ユニットUは、前述と同様に構成される吊下構造体42と、中空の半円錐台状の反射カバー体100と、反射カバー体100の一側部に設けられる光源部101とを有する。
【0039】
前記反射カバー体100は、半円錐台状の周壁部103と、周壁部103の小径端部に連なる端壁部104と、周壁部103の大径端部に連なる端壁部105とを有する。この反射カバー体100は、ステンレス鋼またはアルミニウム合金から成り、内面は塗膜または金属めっき層から成る反射率の高い反射膜によって形成されている。
【0040】
前記大径側の端壁部105には、光源部101が設けられる。この光源部101は、前述の実施形態と同様な複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode;略称LED)が光源として実装される発光体60と、発光体60が搭載され、発光体60で発生する熱を放散するヒートシンク61とを有する。
【0041】
前記反射カバー体100の周壁部103には、ブラケット49が固定され、ブラケット49には第2吊下部材48の軸線方向他端部が固定され、この第2吊下部材48から上方の構成は、前述の吊下構造体42と同様な構成によって、天井部10に連結されて吊下されている。
【0042】
このような照明ユニットUを用いることによって、投入扉G1〜G6に対して水平面上で垂直な方向X1,X2、すなわち各投入扉G1〜G6に対して正面から近接/離反する方向に長い照明領域を得ることができる。したがって、各投入扉G1〜G6に正面から近接/離反する方向に長いプラットホーム空間が構築されている場合に、該近接/離反する方向に垂直な横方向(すなわち、Y1,Y2方向)に隣接する各照明ユニットUの照明領域の重複を可及的に少なくして、照明ユニットUの使用個数を少なくし、照明ユニットUの取付作業の手間を少なくし、工事に要するコストを削減することができる。
【0043】
以上のように本発明の各実施形態では、収集車両Tがプラットホーム空間11に進入するときだけ、投入扉G1〜G6のうちで投入口6を開放する1つの投入扉Gに関連付けられた照明ユニットUだけを点灯させるので、前記従来技術のように、常時、水銀灯を点灯させている場合に比べて、消費電力量を格段に低減することができる。
【0044】
また、各照明ユニットUは、発光ダイオードを発光素子に用いた光源を採用するので、消費電力量を従来技術のたとえば2/10以下に低減し、消費電力コストを削減することができ、発電によるCO発生量を削減して地球温暖化の抑制に寄与することができる。
【0045】
さらに、制御装置20は、誘導表示手段14の表示灯L1〜L6の1つを選択するための信号に応答して、照明ユニットUを点灯させるので、既存のシステムを大きく変更せずに、容易に本発明に係る照明装置を実施することができ、高い産業上の利用性を有する。
【符号の説明】
【0046】
1 照明装置
2 ごみ処理施設
3 被処理物
4 収容空間
5 ピット壁部
6 投入口
8 ピット構造体
9 床部
10 天井部
11 プラットホーム空間
12 プラットホーム構造体
14 誘導表示手段
15 ごみ計量機
17 照明手段
20 制御装置
21 ごみピット
22 焼却炉
23 ごみクレーン
24 ごみ投入ホッパ
25 破砕機
26 給じん装置
27 ごみピット汚水受層
31 不燃物取出コンベア
40 天井構造体
41 取付部材
42 吊下構造体
43 反射カバー体
44 光源部
60 発光体
61 ヒートシンク
62 反射カバー本体
63 補助カバー体
75 制御部
G,G1〜G6 投入扉
L,L1〜L6 表示灯
T 収集車両
U 照明ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物を収容するための収容空間を形成するピット壁部に、被処理物を投入するための複数の投入扉が設けられるピット構造体と、
床部と天井部とを有し、前記床部と前記天井部との間に、車両が前記ピット構造体まで通行可能なプラットホーム空間が形成されるプラットホーム構造体と、
前記複数の投入扉毎に個別に対応付けて配置される複数の表示灯を有し、各表示灯のいずれか1つを点灯させる誘導表示手段と、
前記車両に搭載される被処理物の重量を計測し、計測した重量を表す計量値信号を出力する計量手段とを含むごみ処理施設に設けられる照明装置であって、
前記天井部に設置されて前記床部に向かって光を照射し、発光ダイオードを光源とする複数の照明ユニットを有する照明手段と、
前記計量手段からの計量値信号に応答して、前記被処理物の収容空間内の堆積状況に応じて選ばれる投入扉に対応する表示灯を点灯させるとともに、前記選ばれた投入扉に予め関連付けられた照明ユニットを点灯させる制御手段とを含むことを特徴とするごみ処理施設の照明装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記選ばれた投入扉が閉鎖されたときから予め定める時間が経過したとき、前記点灯中の照明ユニットを消灯させることを特徴とする請求項1に記載のごみ処理施設の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−54861(P2013−54861A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191031(P2011−191031)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(392008194)オリエンタル機電株式会社 (8)
【Fターム(参考)】