説明

ねじりブラシ

【課題】被清掃面のばり取り、研削、研磨、表面処理、洗浄等の各種加工をする時において、劣悪な加工条件の場合においても、外部からの加圧、衝撃時におけるブラシ部の根元部の座屈、曲り、振れ等を防止できると共に、芯ブレ等が極めて少ない真直度の高い製品精度を形成でき、ブラシ片の脱落を防止できると共に、軽量化が図れ、芯振れの極めて少ない回転体として使用できるねじりブラシを提供する。
【解決手段】各種加工をする為のねじりブラシにおいて、前記ねじりブラシは、保持部、支軸部、ブラシ部、及び芯材を有し、前記保持部、及び支軸部は線材により形成されてあると共に、前記ブラシ部は前記保持部の外周部に複数のブラシ片が少なくとも前記線材にて挟み付けられて形成されてあり、前記芯材は前記支軸部、及び保持部を連通するように形成されてあるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被清掃面の各種加工をする為に使用するねじりブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のねじりブラシに関しては、使用目的に応じて、様々な改良がなされ、例えば、合成繊維単糸を集束し、下撚りをかけてなる集束糸を複数本合糸し、上撚りをかけるとともに、接着剤で前記合成繊維単糸間を接着して毛材となし、複数本の前記毛材を、少なくとも二本の心材間に挟持させて捻り、前記心材に固定し、各毛材の先端を解きほぐした状態となした塗布用捻りブラシの技術が、保液性を向上し得る塗布用ブラシとして、特開2005−130963号公報に開示されてある。
【0003】
また、例えば、4本の芯線の間に毛材を井桁状に配列して設け、芯線にねじりを加えたねじりブラシの技術が、ねじりブラシとして、特開平7−246114号公報に開示されてある。
【0004】
さらにまた、金属製棒部材に形成された割り込み部にブラシ毛を挟み込み、この部分をねじることにより構成されるねじりブラシにおいて、シャンク部とブラシ毛挟み込み領域とが一体成形されている金属製棒部材と、前記ブラシ毛挟み込み領域に形成されている割り込み部と、前記割り込み部に挟み込まれたブラシ毛がねじられて形成されているブラシ部から構成されていることを特徴とするねじりブラシの技術が、ねじりブラシおよびねじりブラシの製造方法として、特開2005−198687号公報に開示されてある。
【特許文献1】 特開2005−130963号公報
【特許文献2】 特開平7−246114号公報
【特許文献3】 特開2005−198687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のねじりブラシに関しては、例えば、上記の如くの各種の特徴を有する技術が、開示されてあるが、特開2005−130963号公報においては、一般にねじりブラシは、複数本の毛材を少なくとも二本の心材間に挟持させて捻り、前記心材に固定されてある。その為、複数本の心材をブラシ片に挟みつけた後、ねじりを加えてある為、心材はブラシが形成されて無い手持部及び、ブラシ部の中心部には、芯材が形成されていなかった。その為、容易に、振れ、曲がり、折れるという課題を有していた。
【0006】
また、毛材の形成方法として、特開平7−246114号公報の如く、4本の芯線の間に毛材を井桁状に配列して設け、芯線にねじりを加えたねじりブラシがあるが、4本の芯線の中心部に芯材が形成されていない為、上記と同様の課題を有していた。
【0007】
また、特開2005−198687号公報においては、金属製棒部材を使用した割り込み部と、前記割り込み部に挟み込まれたブラシ毛がねじられてブラシ部が構成されている為、手持部は、中実構造になっているがブラシ部は割り込み部にブラシ毛を挟み込んだ後、ねじりを加えてある為、ブラシ部の中心部は芯材が形成されていなかった。その為、ねじられた割り込み部は、容易に、振れ、曲がり、折れるという課題を有していた。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、被清掃面のばり取り、研削、研磨、表面処理、洗浄等の各種加工をする時において、劣悪な加工条件の場合においても、外部からの加圧、衝撃時におけるブラシ部の根元部の座屈、曲り、振れ等を防止できると共に、芯ブレ等が極めて少ない真直度の高い製品精度を形成でき、ブラシ片の脱落を防止できると共に、軽量化が図れ、芯振れの極めて少ない回転体として使用できるねじりブラシを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の課題解決手段は、各種加工をする為のねじりブラシにおいて、前記ねじりブラシは、保持部、支軸部、ブラシ部、及び芯材を有し、前記保持部、及び支軸部は線材により形成されてあると共に、前記ブラシ部は前記保持部の外周部に複数のブラシ片が少なくとも前記線材にて挟み付けられて形成されてあり、前記芯材は前記支軸部、及び保持部を連通するように形成されてある構成としたものである。
【0010】
第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段のねじりブラシにおいて、前記ブラシ片は前記線材、及び前記芯材にて挟み付けられて形成されてある構成としたものである。
【0011】
第3の課題解決手段は、第1及び第2の課題解決手段のねじりブラシにおいて、前記支軸部は、少なくとも片側の支軸部が芯材にて形成されてある構成としたものである。
【0012】
第4の課題解決手段は、第1から第3の課題解決手段のねじりブラシにおいて、前記芯材は筒状体に形成されてある構成としたものである。
【0013】
第5の課題解決手段は、第1から第4の課題解決手段のねじりブラシにおいて、前記支軸部の外周部に支持部材Aが形成されてある構成としたものである。
【0014】
第6の課題解決手段は、第1から第5の課題解決手段のねじりブラシにおいて、前記支軸部を構成する芯材の外周部に支持部材Bが形成されてある構成としたものである。
【0015】
第7の課題解決手段は、第1から第6の課題解決手段のねじりブラシにおいて、前記支軸部を構成する芯材の空洞部に支持部材Cが形成されてある構成としたものである。
【0016】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、ねじりブラシを構成する保持部は、ブラシ片を線材で挟み付けられて形成されてあり、支軸部は、線材にて形成されてある。また、芯材は、保持部と支軸部を連通している為、保持部は芯材を有すると共に、支軸部も芯材を有している。その為、保持部、及び支軸部は、ねじりブラシの外部からの加圧、衝撃等にたいして、芯材の無い場合と比べて、外部からの加圧、衝撃等にたいする機械的強度が大きくなる。また、支軸部、及び保持部の根元部は、芯材にて連通している。その為、保持部の根元部は、例えば、保持部の側部からの加圧、衝撃等があった場合には、芯材の無い場合と比べて、外圧に対する機械的強度が大きくなる。また、芯材は保持部、及び支軸部を連通しているので、芯材の周りに保持部、及び支軸部を構成している線材を巻きつけて捩る事により、芯材の長手方向の軸芯の精度を保持した保持部、及び支軸部が形成される。
【0017】
上記第2の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1の課題解決手段のねじりブラシを構成するブラシ片は、線材と芯材に挟み付けられて形成されてある。その為、芯材に対してブラシ片を線材にて押しつけて形成できる。その為、ブラシ片を線材のみにて挟み付けられた場合に比べて、芯材の外周部にズレること無くブラシ片が挟みつけられ形成される。
【0018】
上記第3の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1及び第2の課題解決手段のねじりブラシにおいて、支軸部は、少なくとも片側の支軸部が、芯材にて形成されてある。その為、芯材に外径精度の高い芯材を使用することで、外径精度の高い支軸部が形成できる。その為、外径精度の高い支軸部の外径を回転体に保持する事により、芯ブレ等が極めて少ないねじりブラシを回転させて使用する形態を採用できる。
【0019】
上記第4の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1及び第3の課題解決手段のねじりブラシを構成する芯材は、筒状体であり、筒状体の内部には、長手方向に空洞部が形成されてある為、空洞部に回転軸、固定部材等が設置可能となる。また、筒状体の断面積は筒状体と同じ外径を有する中実構造の柱状体の断面積と比べて小さくなる為、軽量となる。
【0020】
上記第5の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1から第4の課題解決手段のねじりブラシにおいて、支持部材Aが支軸部の外周部に形成されてある。その為、支持部材Aの回転時における保持部への加圧があった場合には、芯材が保持部、及び支軸部を連通して無い場合に比べて、加圧にたいする耐機械的強度が大きくなる。また、保持部の根元部に当接するように支持部材Aを形成した場合には、保持部の根元部に当接して無い場合と比べて、加圧にたいする耐機械的強度が大きくなる。さらにまた、支持部材Aが芯材の外周部に形成されてある為、芯材の外径精度と同様の内径の支持部材Aを嵌合する構造が可能となる。
【0021】
上記第6の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1から第5の課題解決手段のねじりブラシにおいて、支持部材Bが支軸部を構成する芯材の外周部に形成されてある。その為、支持部材Bが芯材の外周部に形成されて無い場合に比べて、芯材の外径精度を高く設定することにより、高い内径精度の支持部材Bを嵌合する形態が採用できる。その為、回転体として使用した場合には、回転精度の極めて高い回転体として使用できる。
【0022】
上記第7の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1から第6の課題解決手段のねじりブラシにおいて、支持部材Cが支軸部を構成する芯材の空洞部に形成されてある。その為、支持部材Cが芯材の空洞部に形成されて無い場合に比べて、芯材は、機械的強度が支持部材Cの有する強度分だけ付加される。また、中実構造の芯材を形成することなく、回転体として使用形態を採用できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のねじりブラシは、芯材は、保持部と支軸部を連通している為、ねじりブラシの外部からの加圧、衝撃等が加わった場合においても、ブラシの根元部の座屈、曲り等を防止できる。また、芯振れ等が極めて少ない真直度の高いねじりブラシを製造できる。また、回転体として使用した場合には、回転精度を高く設定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
第1の発明は、ねじりブラシを構成する保持部は、ブラシ片を線材で挟み付けられて形成されてあり、支軸部は、線材にて形成されてある。また、芯材は、保持部と支軸部を連通している為、保持部は芯材を有すると共に、支軸部も芯材を有している。その為、保持部、及び支軸部は、ねじりブラシの外部からの加圧、衝撃等にたいして、芯材の無い場合と比べて、外部からの加圧、衝撃等にたいする機械的強度が大きくなる。その為、外部からの加圧、衝撃等にたいする耐久性の高いねじりブラシを製作できる。また、支軸部、及び保持部の根本部は、芯材にて連通している。その為、保持部の根元部は、例えば、保持部の側部からの加圧、衝撃等があった場合には、芯材の無い場合と比べて、外圧にたいする機械的強度が大きくなる。その為、ブラシ部の根元部の座屈、曲り等を防止できる。さらにまた、芯材は保持部、及び支軸部を連通しているので、芯材の周りに保持部、及び支軸部を構成している線材を巻きつけて捩る事により、芯材の長手方向の軸芯の精度を保持した保持部、及び支軸部が形成される。その為、芯ブレ等が極めて少ない真直度の高い製品精度を有したねじりブラシを製作できる。
【0025】
第2の発明は、ねじりブラシを構成するブラシ片は、線材と芯材に挟み付けられて形成されてある。その為、芯材にたいしてブラシ片を線材にて押しつけて形成できる。その為、ブラシ片を線材のみにて挟み付けられた場合に比べて、芯材の外周部にズレること無くブラシ片が挟みつけられ形成される。その為、ブラシ片が保持部から脱落することが無いねじりブラシを製作できる。
【0026】
第3の発明は、ねじりブラシにおいて、支軸部は、少なくとも片側の支軸部が、芯材にて形成されてある。その為、芯材に外径精度の高い芯材を使用することで、外径精度の高い支軸部が形成できる。その為、外径精度の高い支軸部の外径を回転体に保持する事により、芯ブレ等が極めて少ないねじりブラシを回転させて使用する形態を採用できる。その為、支軸部は、芯ブレ等が極めて少ないねじりブラシを製作できる。また、例えば、電動ドリル、旋盤等に取りつけて回転体として使用できる。
【0027】
第4の発明は、ねじりブラシを構成する芯材は、筒状体であり、筒状体の内部には、長手方向に空洞部が形成されてある為、空洞部に回転軸、固定部材等を装着できる。また、筒状体の断面積は筒状体と同じ外径を有する中実構造体の断面積と比べて小さくできる為、軽量化ができる。
【0028】
第5の発明は、ねじりブラシにおいて、支持部材Aが支軸部の外周部に形成されてある。その為、支持部材Aの回転時において保持部への加圧があった場合には、芯材が保持部、及び支軸部を連通して無い場合に比べて、加圧にたいする耐機械的強度が大きくなる。また、保持部の根元部に当接するように支持部材Aを形成した場合には、保持部の根元部に当接して無い場合と比べて、加圧にたいする耐機械的強度が大きくなる。
【0029】
第6の発明は、ねじりブラシにおいて、支持部材Bが支軸部を構成する芯材の外周部に形成されてある。その為、支持部材Bが芯材の外周部に形成されて無い場合に比べて、芯材の外径精度を高く設定することにより、高い内径精度の支持部材Bを嵌合する形態が採用できる。その為、回転体として使用した場合には、芯ブレ等が極めて少なく回転精度の極めて高い回転体として使用できる。
【0030】
第7の発明は、ねじりブラシにおいて、支持部材Cが支軸部を構成する芯材の空洞部に形成されてある。その為、支持部材Cが芯材の空洞部に形成されて無い場合に比べて、芯材は、機械的強度が支持部材Cの有する強度分だけ付加される。また、中実構造の芯材を形成することなく、回転体として使用する形態を採用できる。
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0032】
図1から図2にて、実施例1を示す。図1の(A)は、ねじりブラシの正面図であり、(B)は、ねじりブラシの側面図である。図1において、1はねじりブラシ、2は芯材、3は線材、4はブラシ部、5はブラシ片、6は保持部、7は支軸部である。図2は、図1のねじりブラシの断面図である。図2において、8は根元部である。
【0033】
本発明のねじりブラシ1は、図1の如く、芯材2、線材3、ブラシ部4、保持部6、支軸部7より形成されてある。また、保持部6、及び支軸部7は、芯材2の外周に線材3が巻きつけられて形成されてある。また、複数のブラシ片5が線材3にて挟みつけられることにより、保持部6の外周部にブラシ部4が形成されてある。また、図2の如く、芯材2は、保持部6、及び支軸部7を形成する線材3の内周部に、保持部6、及び支軸部7を連通するように形成されてある。また、芯材2、及び線材3は、概円形の断面を有する長尺材が使用されてあり、材質として鋼線が使用されてある。また、芯材2の外周部にたいして4本の線材3が円周等分になるよう芯材2の長手方向にたいして捩りを有して、螺旋状に形成されてある。また、4本の線材3は、互いに密接して形成されてある。
【0034】
次にねじりブラシ1の動作、作用を説明する。ねじりブラシ1は、支軸部7を手で保持することにより使用できる。使用時においては、ねじりブラシ1は、被清掃面にたいして、ブラシ部4を形成するブラシ片5が接触する。この時、ねじりブラシ1は、保持部6、及び支軸部7を連通するように保持部6、及び支軸部7を形成する線材3の内周部に、芯材2が形成されてある。その為、被清掃面に加圧等を加えた時の反力は、保持部6、及び支軸部7を形成する線材3、及び芯材2にたいして加えられる。
【0035】
次に、ねじりブラシ1の製造手順について説明する。最初に芯材2、線材3、及びブラシ片5を所定の長さに切断する。次に、芯材2の外周部に円周等分になるように4本の線材3を設置した後、ブラシ片5を芯材2の長手方向に直交するように、線材3の間に挿入して挟みつける。次に、芯材2の外周部にたいして4本の線材3が円周等分になるよう、線材3を螺旋状に形成する。その為、芯材2の外周部に螺旋状の線材3を有する保持部6、及び支軸部7が形成される。また、ブラシ部4は複数のブラシ片5を保持部6の外周部に挟みつけられることにより形成される。以上の手順によりねじりブラシ1が製作される。また、前記ねじりブラシ1を旋盤等にチャックすることにより、ブラシ片5の毛先を、所定の回転外径になるように毛刈り、研磨等の加工をした場合には、ブラシ部4の外径精度の高い
ねじりブラシ1を製作できる。
【0036】
また、本発明のねじりブラシ1は、主に、被清掃面のばり取り、研削、研磨、表面処理、洗浄等の各種加工をする為に使用される。ばり取りとは、製品の縁等にできた余分な部分を、ブラシで削って除去する加工である。また、研削とは、被加工面の表面をブラシで削って滑らかにする加工である。また、研磨とは、被清掃面の表面をブラシで砥き磨いて滑らかにする加工である。また、表面処理とは、被清掃面の表面をブラシで硬化、美化、平滑化、耐食化させる等、被清掃面の状態を改善させるための加工である。また、洗浄とは、被清掃面の表面をブラシで洗い清める加工である。
【0037】
実施例1のねじりブラシ1は、上記の如くの構成となっているので、ねじりブラシ1を構成する保持部6は、ブラシ片5を線材3で挟み付けられて形成されてあり、支軸部7は、線材3にて形成されてある。また、芯材2は、保持部6と支軸部7を連通している為、保持部6は芯材2を有すると共に、支軸部7も芯材2を有している。その為、保持部6、及び支軸部7は、ねじりブラシ1の外部からの加圧、衝撃等にたいして、芯材2の無い場合と比べて、外部からの加圧、衝撃等にたいする機械的強度が大きくなる。その為、外部からの加圧、衝撃等にたいする耐久性の高いねじりブラシ1を製作できる。また、支軸部7、及び保持部6の間に形成されてある根元部8は、線材3の内周部に芯材2が形成されてある。その為、根元部8は、例えば、保持部6の側部からの加圧、衝撃等があった場合には、芯材2の無い場合と比べて、外圧にたいする機械的強度が大きくなる。その為、根元部8の座屈、曲り等を防止できる。さらにまた、芯材2は保持部6、及び支軸部7を連通しているので、芯材2の周りに保持部6、及び支軸部7を構成している線材2を巻きつけて捩る事により、芯材2の長手方向の軸芯の精度を保持した保持部6、及び支軸部7が形成される。その為、芯ブレ等が極めて少ない真直度の高い製品精度を有したねじりブラシ1を製作できる。また、ねじりブラシ1は芯材2を有しているので、芯材2の外径精度を高く加工することにより、線材3を芯材2の外周にたいして位置ズレすることなく、互いの線材3が密集するように巻きつける事ができる。その為、高い真直度を有するねじりブラシ1を形成できる。
【0038】
また、ねじりブラシ1は、上記に記載の被清掃面のバリ取り、研削、研磨、表面処理、洗浄等の各種加工にたいして使用できるが、特に、外部からの加圧、衝撃等が断続的に加わるバリ取り加工、研削加工にたいして特に効果を発揮する。
【0039】
実施例1のねじりブラシ1は、上記の如くの構成となっているが、ねじりブラシを構成する芯材2、及び線材3の材質については、鋼線以外にも、例えば、SUS304等に代表されるステンレス鋼線、各種ピアノ線、硬鋼線等の鋼線、真鍮線、りん青銅線等の非鉄金属線等を使用できる。また、前記記載の材質の撚り線が使用できる。また、芯材2、及び線材3の形状についても、丸形形状以外にも、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、あるいは概波形、楕円形、概V字形、概X字形、概Y字形等、各種異形断面形状を採用できる。断面が多角形にて形成されてある芯材2、及び線材3を採用した場合には、芯材2、及び線材3に形成されてある多角形の断面の平面部でブラシ片5を挟みつけられることにより、挟みつける接触面積が大きくなる為、線材3を芯材2の外周部にたいしてより位置ズレすることなく巻きつけることができる。また、多角形に形成されてある芯材2、及び線材3の断面の角部でブラシ片5を挟みつけた場合には、断面の角部がブラシ片5にたいしてくい込むように押しつける為、ブラシ片5の位置ズレ、及び脱落の無いねじりブラシ1を製作できる。
【0040】
また、ねじりブラシ1の構造についても、支軸部7は保持部6の両側に2箇所形成される構造も採用できる。また、ブラシ部4の形状についても、上記の如く、円柱形状以外にも、三角、四角、五角等の多角柱形状、円錐台形状等、使用目的に応じて、ブラシ片5を毛刈りする事により、前記各種形状を採用できる。また、芯線2については複数本の芯線2を束ねて使用することもできる、また、線材3については、上記の如く4本のみならず、2本、3本、4本、5本等、使用目的に応じて本数を設定できる。また、線材3については、1本のみでも設定できる。1本のみの線材3を設定した場合には、ねじりブラシ1は、芯材2の外周部にたいしてブラシ片5を線材3と芯材2にて挟みつけると共に、線材3に捩りを加えて線材3、及びブラシ片5を螺旋状に形成する方法が採用できる。さらにまた、線材3については、異なる外径の線材3を複数本使用することもできる。
【実施例2】
【0041】
図3にて実施例2を示す。図3は、ねじりブラシの断面図である。図3において、11はねじりブラシ、12は芯材、13は線材、14はブラシ部、15ブラシ片である。
【0042】
本発明のねじりブラシ11は、図3の如く、ねじりブラシを構成するブラシ片15が、線材13と芯材12にて挟み付けられてあると共に、線材13にて押しつけられて形成されてある。また、ねじりブラシ11は、前記実施例1のねじりブラシ1と同形態の構造を有して形成されてあり、ブラシ片15は芯材12と線材13に挟みつけられてあると共に、芯材12の外周部に螺旋状に形成された互いの線材13の間にて挟みつけられてある。
【0043】
実施例2のねじりブラシ11は、上記の如くの構成となっているので、ねじりブラシ11を構成するブラシ片15は、線材13と芯材12に挟み付けられて形成されてある。その為、芯材12の外周部にて位置ズレする事が無くブラシ片15を挟みつけることができる。その為、ブラシ片15が脱落することが無いねじりブラシ11を製作できる。また、ブラシ片15は、互いの線材13の間にて挟みつけてある為、芯材12の外周部に、螺旋状に形成できると共に、位置ズレ、脱落が無いねじりブラシ11を製作できる。
【実施例3】
【0044】
図4にて実施例3を示す。図4は、ねじりブラシの断面図である。図4において、21はねじりブラシ、22は芯材、23は線材、24はブラシ部、25ブラシ片、26は保持部、27は支軸部である。
【0045】
本発明のねじりブラシ21は、図4の如く、ねじりブラシ21において、支軸部27は、保持部26の一端に延設して形成されてあると共に、芯材22にて形成されてある。また、芯材22は、実施例1のねじりブラシ1と同形態の構造を有して形成されてあり芯線22は保持部26、及び支軸部27を連通するように形成されてある。
【0046】
次にねじりブラシ21の動作、作用を説明する。ねじりブラシ21は、支軸部27を電動ドリル、旋盤等に取付けて使用できる。使用時においては、ねじりブラシ21は、被清掃面にたいして、ブラシ部24を形成するブラシ片25が接触する。この時、ねじりブラシ21は、保持部26、及び支軸部27を連通するように芯材22が形成されてある。その為、芯材22に外径精度の高い芯材22を使用することで、芯ブレ等が極めて少ない回転体として使用できる。その為、ブラシ片25を被清掃面に均一の加圧力にて接触できる。
【0047】
実施例3のねじりブラシ21は、上記の如くの構成となっているので、支軸部27は、保持部26の一端に延設して形成されてあると共に、芯材22にて形成されてある。その為、芯材22に外径精度の高い芯材22を使用することで、外径精度の高い支軸部27が形成できる。その為、外径精度の高い支軸部27の外径を回転体に保持する事により、芯ブレ等が極めて少ないねじりブラシ21を回転させて使用する形態を採用できる。その為、支軸部27は、被清掃面にたいして均一、かつ正確に接触できるねじりブラシ21を製作できる。また、例えば、電動ドリル、旋盤等に取りつけて回転体として使用できる。
【0048】
実施例3のねじりブラシ21は、上記の如くの構成となっているが、支軸部27を構成する芯材22の形状は、丸形形状以外にも三角、四角、五角等の多角形、あるいは、キー溝、ネジ加工、スパナ溝等の各種異形断面形状を採用できる。支軸部27を構成する芯材22の形状として、キー溝の異形断面形状を採用した場合においては、電動ドリル、旋盤等に取付けて回転体として使用した時に、キー溝部に回り止めのキーを取付けることにより、電動ドリル、旋盤等の回転駆動力を、支軸部27を構成する芯材22にたいして空廻りする事無く伝達する事ができると共に、位置ズレする事無く固定できる。また、支軸部27を構成する芯材22の形状として、スパナ溝の異形断面形状を採用した場合には、スパナ等の工具を使用する事により電動ドリル、旋盤等に確実に取付けて固定できる。
【実施例4】
【0049】
図5から図6にて、実施例4を示す。図5の(A)は、ねじりブラシの正面図であり、(B)は、ねじりブラシの側面図である。図5において、9は空洞部、18は根元部、31はねじりブラシ、32は芯材、33は線材、34はブラシ部、35はブラシ片、36は保持部、37は支軸部である。図6は、図5のねじりブラシ31の断面図である。
【0050】
本発明のねじりブラシ31は、図5から図6の如く、ねじりブラシ31を構成する芯材32は、筒状体であり、筒状体の内部には、長手方向に空洞部9が形成されてある。また、芯材32は、保持部36、及び支軸部37を形成する線材33の内周部に、保持部36、及び支軸部37を連通するように形成されてある。
【0051】
次に、ねじりブラシ31の動作、作用を説明する。ねじりブラシ31は、空洞部9に回転軸等を挿入して使用できる。使用時においては、ねじりブラシ31は、被清掃面にたいして、ブラシ部34を形成するブラシ片35が接触する。この時、ねじりブラシ31は、芯材32の内周部を高精度にて形成することにより空洞部9にたいして回転軸等を嵌合させる事で、芯ブレ等が極めて少ない回転体として使用できる。その為、ブラシ片35を被清掃面に均一の加圧力にて接触できる。
【0052】
本発明のねじりブラシ31は、上記の如くの構成となっているので、ねじりブラシ31を構成する芯材32は、筒状体であり、筒状体の内部には、長手方向に空洞部9が形成されてある為、空洞部9に回転軸、固定部材等を装着できる。また、筒状体の断面積は筒状体と同じ外径を有する中実構造体の断面積と比べて小さくできる為、軽量化ができる。さらにまた、空洞部9に各種配線等の部材を挿入、貫通する事ができる。
【0053】
本発明のねじりブラシ31は、上記の如くの構成となっているが、空洞部9の形状については、上記の如くの丸形形状以外にも、三角、四角、五角等の多角形、あるいは、キー溝、ネジ加工等の異形断面形状も採用できる。空洞部9の形状として、キ−溝の異形断面形状を使用した場合には、空洞部9に回転軸を挿入した場合に、互いのキー溝部に回り止めのキーを取付けることにより、空廻り無く回転力を伝達でき、位置ズレ等無く固定できる。
【実施例5】
【0054】
図7にて、実施例5を示す。図7は、ねじりブラシの断面図である。図7において、10は支持部材A、28は根元部、41はねじりブラシ、42は芯材、43は線材、44はブラシ部、45はブラシ片、46は保持部、47は支軸部、68は接合部である。
【0055】
本発明のねじりブラシ41は、図7の如く、ねじりブラシ41において、支持部材A10が支軸部47の外周部に形成されてある。また、支持部材A10は一端が保持部46の根元部28に当接するように形成されてある。また、ねじりブラシ41は、支軸部47に支持部材A10を挿入後、カシメ加工あるいは、接着にて接合部68が形成されてある。また、支持部材A10は、概円筒形状にて形成されてあり、材質として鋼材が使用されてある。
【0056】
実施例5のねじりブラシ41は、上記の如くの構成となっているので、ねじりブラシ41は、支軸部47の外周部に支持部材A10が形成されてある。その為、ねじりブラシ41は、支持部材A10の回転時において保持部46への加圧があった場合には、芯材42が保持部46、及び支軸部47を連通して無い場合に比べて、加圧にたいする耐機械的強度が大きくなる。また、保持部46の根元部28に当接するように支持部材A10を形成した場合には、保持部46の根元部28に当接して無い場合と比べて、加圧にたいする耐機械的強度が大きくなる。
【0057】
本発明のねじりブラシ41は、上記の如くの構成となっているが、支持部材A10の材質は上記の如くの鋼材以外にも、例えば、SUS304等に代表されるステンレス鋼の非鉄金属材、合成樹脂材、竹、木材等の天然繊維の線材等、適時、採用できる。また、支持部材A10の形状についても、上記の如くの円筒形状以外にも、三角、四角、五角等の多角形、あるいは、キー溝、ネジ加工等の異形断面形状も採用できる。支持部材A10の形状として、外径にネジ加工を有する形状を採用した場合においては、支持部材A10は、回転体等にたいして着脱可能にネジ止め固定できる。
【実施例6】
【0058】
図8にて、実施例6を示す。図8は、ねじりブラシの断面図である。図8において、20は支持部材B、38は根元部、51はねじりブラシ、52は芯材、53は線材、54はブラシ部、55はブラシ片、56は保持部、57は支軸部、78は接合部である。
【0059】
本発明のねじりブラシ51は、図8の如く、ねじりブラシ51において、支持部材B20が支軸部57を構成する芯材52の外周部に形成されてある。また、支持部材B20は一端が保持部56の根元部38に当接するように形成されてある。また、ねじりブラシ51は、支軸部57に支持部材B20を挿入後、嵌合、カシメ加工あるいは、接着にて接合部78が形成されてある。また、支持部材B20は、概円筒形状にて形成されてあり、材質として鋼材が使用されてある。
【0060】
実施例6のねじりブラシ51は、上記の如くの構成となっているので、支持部材20Bが支軸部57を構成する芯材52の外周部に形成されてある。その為、支持部材20Bが芯材52の外周部に形成されて無い場合に比べて、芯材52の外径精度を高く設定することにより、高い内径精度の支持部材20Bを嵌合する形態が採用できる。その為、回転体として使用した場合には、芯ブレ等が極めて少なく回転精度の極めて高い回転体として使用できる。
【0061】
本発明のねじりブラシ51は、上記の如くの構成となっているが、支持部材B20の材質は上記の如くの鋼材以外にも、例えば、SUS304等に代表されるステンレス鋼の非鉄金属材、合成樹脂材、竹、木材等の天然繊維の線材、石材等、適時、採用できる。また、支持部材B20の形状についても、上記の如くの円筒形状以外にも、三角、四角、五角等の多角形、あるいは、キー溝、ネジ加工等の異形断面形状も採用できる。支持部材B20の形状として、キー溝の異形断面形状を採用した場合においては、電動ドリル、旋盤等に取付けて回転体として使用した時に、キー溝部に回り止めのキーを取付けることにより、電動ドリル、旋盤等の回転駆動力を、支持部材B20にたいして空廻りする事無く伝達する事ができる
【実施例7】
【0062】
図9にて、実施例7を示す。図9は、ねじりブラシの断面図である。図9において、19は空洞部、30は支持部材C、61はねじりブラシ、62は芯材、63は線材、64はブラシ部、65はブラシ片、66は保持部、67は支軸部、88は接合部である。
【0063】
本発明のねじりブラシ61は、図9の如く、ねじりブラシ61において、支持部材C30が支軸部67を構成する芯材62の内周部に形成されてある。また、ねじりブラシ61は、支軸部67を構成する芯材62の内周部に支持部材C30を挿入後、カシメ加工あるいは、接着にて接合部88が形成されてある。また、支持部材C30は、概円柱形状にて形成されてあり、材質として鋼材が使用されてある。
【0064】
実施例7のねじりブラシ61は、上記の如くの構成となっているので、空洞部19は、芯材62の内周部に支持部材30Cに隣接して芯材62の内周部に空洞部19が形成されてある。その為、たとえば空洞部19の形成されて無い中実構造の芯材62を採用した場合に比べて、空洞部19の重量分だけ軽量化が図れる。また、空洞部19に使用目的に応じて、各種部材、配線等を装着できる。
【0065】
本発明のねじりブラシ61は、上記の如くの構成となっているが、支持部材C30については、上記の如く、線材62の片側に形成されてある形態以外にも、芯材62の両側に形成されてある形態も採用できる。前記の形態を採用した場合においては、たとえば、ブラシ部64を長尺形状に形成した場合においても、軽量かつ芯ブレの少ないねじりブラシ61が製作できる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のねじりブラシ及びねじりブラシは、被清掃面を、ばり取り、研削、研磨、表面処理、洗浄等の各種加工する為に好適に使用するものである。また、歯の隙間を被清掃面とする歯間洗浄ブラシ、一般家庭、あるいは事業所内の室内清掃用ブラシ、電気掃除機の床ノズルに搭載される回転ブラシ等、広く好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】 (A)本発明のねじりブラシの正面図、(B)(A)の側面図
【図2】 図1のねじりブラシの断面図
【図3】 他の実施の形態のねじりブラシの断面図
【図4】 他の実施の形態のねじりブラシの断面図
【図5】 (A)他の実施の形態のねじりブラシの正面図、(B)(A)の側面図
【図6】 図5のねじりブラシの断面図
【図7】 他の実施の形態のねじりブラシの断面図
【図8】 他の実施の形態のねじりブラシの断面図
【図9】 他の実施の形熊のねじりブラシの断面図
【符号の説明】
【0068】
1、11、21、31、41、51、61 ねじりブラシ
2、12、22、32、42、52、62 芯材
3、13、23、33、43、53、63 線材
4、14、24、34、44、54、64 ブラシ部
5、15、25、35、45、55、65 ブラシ片
6、26、36、46、56、66 保持部
7、27、37、47、57、67 支軸部
8、18、28、38 根元部 9、19 空洞部 68、78、88 接合部
10 支持部材A 20 支持部材B 30 支持部材C

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種加工をする為のねじりブラシにおいて、前記ねじりブラシは、保持部、支軸部、ブラシ部、及び芯材を有し、前記保持部、及び支軸部は線材により形成されてあると共に、前記ブラシ部は前記保持部の外周部に複数のブラシ片が少なくとも前記線材にて挟み付けられて形成されてあり、前記芯材は前記支軸部、及び保持部を連通するように形成されてあることを特徴とするねじりブラシ。
【請求項2】
請求項1記載の構成よりなるねじりブラシにおいて、前記ブラシ片は前記線材、及び前記芯材にて挟み付けられて形成されてあることを特徴とするねじりブラシ。
【請求項3】
請求項1及び2記載の構成よりなるねじりブラシにおいて、前記支軸部は、少なくとも片側の支軸部が芯材にて形成されてあることを特徴とするねじりブラシ。
【請求項4】
請求項1及び3記載の構成よりなるねじりブラシにおいて、前記芯材は筒状体にて形成されてあることを特徴とするねじりブラシ。
【請求項5】
請求項1及び4記載の構成よりなるねじりブラシにおいて、前記支軸部の外周部に支持部材Aが着脱可能に構成されてあることを特徴とするねじりブラシ。
【請求項6】
請求項1及び5記載の構成よりなるねじりブラシにおいて、前記支軸部を構成する芯材の外周部に支持部材Bが着脱可能に構成されてあることを特徴とするねじりブラシ。
【請求項7】
請求項1及び6記載の構成よりなるねじりブラシにおいて、前記支軸部を構成する芯材の空洞部に支持部材Cが着脱可能に構成されてあることを特徴とするねじりブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−244816(P2007−244816A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108006(P2006−108006)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】