説明

ねじ付きの容器および蓋の音のする閉じる機構

【課題】突起およびノッチの閉じる機構であって、蓋が容器を十分に閉じるとき音による表示をもたらし、蓋を容器から外すときは抵抗が最小であり、移送および/または収納の間に蓋と容器の間のねじ緩みを少なくするか無くすことができる機能が開示される。
【解決手段】ねじ付きの蓋と備えたねじ付きの容器のための音のする閉じる機構であって、容器と蓋が突起およびノッチ構成を含む。その構成によって、蓋が容器を十分に閉じたことを示す音による指示がなされるとともに、蓋を容器から外すときはその抵抗が最小限となる。音による閉じる機構はさらに輸送や収納の間の蓋と容器との間のねじ緩みを低減するかあるいは排除する。蓋と容器は少なくとも突起かノッチのいずれか一方を含み、それによって、突起がノッチによって収容されて蓋が容器を十分に閉じたことを音によって示すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ねじ付きの容器および蓋の音のする閉じる機構に関し、詳しくは、蓋が容器を十分に閉じていることを音で示すようにする突起およびノッチの構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ねじ付き容器および蓋の閉じ構造は、それらの間に種々の係合構成を有することができる。典型的な構成は、蓋および容器の一方または両方のねじにおけるまたは隣接した、ノッチあるいは突起部を備えて種々の機能を実現することができる。
【0003】
そのような機能の1つは、容器中の圧力を逃すことができる通気路を与えることである。圧力通気システムは蓋のねじおよび/または容器のねじにおけるノッチを含むことができる。圧力通気システムを備えた容器は、炭酸飲料のような、圧力を受けた飲料を入れるのに用いることができる。特許文献1は、蓋のねじにおける通気のためのノッチを提供している。特許文献2は、容器のねじにおける通気のためのノッチを提供している。特許文献3は、蓋と容器の両方のねじにおける通気のためのノッチを提供している。しかしながら、上述の特許はいずれも蓋が十分に容器を閉じているときを音で示すことを開示していない。
【0004】
蓋と容器の係合構成の他の機能は、蓋と容器の間の固定機能を与えることである。この固定機能の1つの目的は、蓋が容易に容器から外れないような、対子供用の固定を与えることである。特許文献4は、蓋がその蓋のねじに、容器のねじにおけるくぼみと適合する突起を含む、突起およびくぼみ装置を開示する。さらに、容器から閉じたものを取り除こうとするとき、突起がくぼみを通過させるばねの圧縮を生じるような閉じたものに対する十分な軸方向の力がない限りは、突起の当接面がくぼみの当接面と協働して、閉じたもの蓋を回して開けることを防止することが開示されている。特許文献5には、蓋における一連のラチェット歯と係合する容器のねじ端部における一連のラチェット部が開示されている。閉じた後に容器を開けるため、ラチェット部から歯を外すことは、蓋が開ける方角に回転可能になる前に最初に達成されなければならない。これは、ラチェット部から歯を外すべく閉じたものあるいは蓋に対して軸線方向下向きの力を作用させることによってなされる。特許文献6には、開ける回転方向でのキャップの回転に対する抵抗をもたらす、蓋あるいは容器のどちらか一方における突起および戻り止めのシステムが開示されている。突起および戻り止めは共にそれぞれの部分(すなわち、蓋または容器)のねじに形成される。突起は側面が傾斜した直角三角形の形で下方に突出し、それによって、反対方向(すなわち、固定を解除する方向)への回転が、突起の垂直の側面が戻り止めの壁に留まることに起因して大いに妨げられる。特許文献7には、蓋が内側のキャップ、中央のキャップおよび外側のキャップを含む対子供用の安全固定機能が開示されている。内側のキャップは容器のねじ部と係合するためにねじ部を有している。内側のキャップの隣にある、中央のキャップは内側のキャップとともに回転し、内側のキャップが完全に閉じられた位置にある場所で固定する。蓋を閉じるために、外側のキャップは回転され、それが回転するにつれて中央および内側のキャップが完全に閉じられるまで回転させられる。一度完全に閉じられると、内側および中央のキャップは外側のキャップが回転させられるときもはや回転しない。外側のキャップが回転され続けるとき、中央のキャップが静止したままでいる間、外部キャップは中央のキャップを通過して回転し、それが中央のキャップの一部をスライドして通過するとき、カチッという音を生じる。外側のキャップの突起が中央のキャップのカム面の後縁に接触するときにカチッという音を生じ、それによって中央のキャップが完全に閉じられた位置にあるときの戻り止めがなされる。キャップを取り外して容器を開けるためには、ユーザーは回転および軸線方向の力の両方を与えて内側のキャップのねじ部を容器のねじ部から外さなければならない。このような対子供用の安全な固定装置は、特に容器から蓋を取り外すことを妨げるよう設計されている。
【0005】
蓋と容器の係合構成のもう1つの機能は、耐ねじ緩みシステムを提供するものであり、それによって、移送および/または収納の間に、蓋が閉まった位置から緩まないようにすなわちねじ緩みしないようにすることができる。特許文献8には、蓋の底ねじに沿ってくさび形歯を設けることによって、蓋が容器からねじ緩みすることを妨げる目的で蓋を決まった場所に固定することが開示されている。歯はその際、蓋が輸送の間にねじ緩みすることを妨げる目的で容器に沿ったねじの裏側に当接する。さらに、この種の構成は、閉じたものを直ぐに取り除くことが望まれていない用途に限って有効であることが開示されている。特許文献9には、蓋と容器リムの両方のねじの一部としての隆起とへこみの交互の列であって、一方の隆起が他方のへこみに係合するものを設けることが開示されている。特許文献10には、下方に延在する突起と、ねじの下方における容器リム上の接合部および突出部を設けることが開示されている。蓋の上の突起は接合部と係合して、蓋の内部における突起が回転して容器の接合部を通り過ぎるときカチッという音を生じさせる。容器の突出部は蓋のねじと連結して輸送および/または収納の間の蓋のねじ緩みを低減する。
【0006】
【特許文献1】合衆国特許6,736,280号明細書
【特許文献2】合衆国特許5,533,633号明細書
【特許文献3】合衆国特許6,006,930号明細書
【特許文献4】合衆国特許6,848,590号明細書
【特許文献5】合衆国特許4,084,717号明細書
【特許文献6】合衆国特許3,741,421号明細書
【特許文献7】合衆国特許5,197,616号明細書
【特許文献8】合衆国特許5,169,033号明細書
【特許文献9】合衆国特許4,461,394号明細書
【特許文献10】合衆国特許5,803,287号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記文献のいずれも、蓋が十分に容器を閉じているときに、音による指示を与えることを開示していない。
【0008】
突起およびノッチの閉じる機構であって、蓋が容器を十分に閉じるとき音による表示をもたらし、蓋を容器から外すときは抵抗が最小であり、移送および/または収納の間に蓋と容器の間のねじ緩みを少なくするか無くすことができる機能が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開口を取り巻く首を備えた本体および頂部壁および頂部壁から垂れ下がったすそを備えた蓋を有する容器が提供される。容器の首はその位置に少なくとも1つのノッチ、好ましくは、それには限定されないが、少なくとも3つのほぼ等しい間隔をおかれたノッチを有した雄ねじを含んでいる。蓋のすそは首の雄ねじと係合する雌ねじを有し、また、少なくとも1つの内側を向けて延在する突起、好ましくは、それに限定されないが、ノッチごとの、ほぼ等しい間隔がおかれた少なくとも1つの突起を有している。突起は雌ねじと頂部壁との間に位置する。蓋が容器を十分に閉じたことを示す音を生じさせるため、突起は雄ねじにおけるノッチに音を立てて篏合する。
【0010】
蓋が容器の首の回りに回転させられると、突起が雄ねじの傾斜部に接する。そして突起は傾斜部を雄ねじ上り、それによって、蓋および容器の一方または両方が変形する。そして、突起はノッチにスナップ篏合して蓋が十分に回転して閉じ位置にあることを音によって示し、蓋および容器の一方または両方が変形しない状態、すなわち緩和された状態に戻る。
【0011】
他の形態では、音による閉じる機構は同様の容器および蓋と含む。しかし、首の雄ねじが少なくとも1つの半径方向外向きに延在する突起、好ましくは、それに限定されないけれども、少なくとも3つのほぼ等しい間隔がおかれた突起を有し、また、雌ねじが蓋のすそに少なくとも1つのノッチ、好ましくは、それに限定されないが、ほぼ等しい間隔がおかれた少なくとも3つのノッチを有する。容器の首の突起は、雄ねじと開口との間に位置する。音による指示は、首における突起が蓋のノッチにスナップ篏合することによって生じる。
【0012】
容器上の蓋の位置を音によって指示するための方法において、雌ねじと蓋の頂部壁との間にほぼ等しい間隔の少なくとも3つの突起を設け、容器本体の首の雄ねじにほぼ等しい間隔の少なくとも3つのノッチを設け、前記容器の首および前記蓋のすその少なくとも一方が、前記突起を前記雄ねじに係合させることによって変形され、前記首および前記すその少なくとも一方を、前記突起を前記雄ねじの前記ノッチに整列させることによって変形していない状態に戻す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
ねじが切られた蓋を備えた容器の音がする閉じる機構、特に、突起およびノッチの構成が開示されて、図1から図5に例示されている。容器は、閉じるものにおける少なくとも1つの突起と、容器のねじに沿った少なくとも1つのノッチであって、上記突起を受け入れて蓋が容器を十分に閉じたときを音で指示し、蓋を容器から外すときの抵抗を最小とし、また、移送および/または収納の間の、蓋と容器の間のねじ緩みを防止することができる。
【0014】
容器と蓋は、共に、相互に係合して蓋を容器に固定するねじを有する。蓋は、蓋の上面とねじの最上部との間に位置した、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも3つの突起を有するものである。蓋が容器を十分に閉じるとき、突起のそれぞれは容器の首の雄ねじにおける対応したノッチすなわちすき間と一致するか、あるいはこれに代わって、突起のいくつかのみが一致する対応したノッチを有し総ての突起が一致しないものとすることもできる。蓋が容器首の周りを回転させられるに連れて、対応した一致するノッチを有した突起は雄ねじの傾斜部分の端部と接することになる。突起が雄ねじの傾斜部分に乗り上げ、ねじに乗ると、蓋のすそと容器の首の一方または両方が変形する。3つまたはそれより多い突起を用いる場合、変形は均一とすることができる。突起はねじに沿ってスライドし最終的に雄ねじにおけるノッチ内にはめ込まれる。突起がノッチの中にはめ込まれるとき、音による表示がなされて、蓋が十分に回転させられて閉位置にあること、および容器が適切に閉じられていることを示し、それによって、消費者は容器が十分に閉じられたことを確信することができる。
【0015】
さらに、突起と容器のねじとの係合によって、容器の輸送および/または収納の間、不正開封防止フィルムが開口を覆っているときに容器から蓋がねじ緩みすることを防ぐことができる。このフィルムは、蓋と容器の間の回転に対する抵抗を大きくするものであり、突起もフィルムに接触するとき、あるいは突起がノッチの中にあってフィルムがねじとの間の圧力を加重するときは、上記抵抗が強められる。
【0016】
容器14は、図4に示されるように、その一端の開口24と、この容器14の開口24を囲む首28とを含んでいる。容器14の首28は、蓋12の雌ねじ18と係合するための雄ねじ16を有する。さらに、容器14の雄ねじ16は、ねじ16において少なくとも1つのノッチ20、好ましくは、それに限定されるわけではないが、概略等し距離の間隔をおいた少なくとも3つのノッチ20を含むものである。これに代わって、容器14は、ノッチ20を有するねじ16の下方において容器14の首28の回りにリングもしくは連続したねじ型の突出部を有することもできる。
【0017】
ねじ16におけるノッチ20は、ねじを異なる部分に分離する。結果として、多数のねじ部分が形成される。容器14の首28における雄ねじ16は、不連続で、雄ねじの1つの終端が別の1つの先端に重なるように容器14の首28の周りで斜めに配置される。雄ねじが少なくとも3つの不連続な雄ねじを有する場合、好ましくは、それに限定されるわけではないが、少なくとも4つの不連続な雄ねじを有し、それらの角度が、第1の雄ねじの最も上側の端部が第2の雄ねじの最も下側の端部の上方で重なり合うような角度である場合、図4および図5に示されるように、第1の雄ねじの最も上側の端部がノッチを含む。この形態に代わって、反対の重なり合う構成とすることもできる。さらに代わりの形態として、ねじを連続としたものとすることもできる。
【0018】
ノッチ20は最上部のねじ16、すなわち、容器14の頂部すなわち開口24最も近いねじに配することができる。さらに、ノッチ20は、不連続な雄ねじの最上位ねじの端点の近くに配され、それによって、ねじ16の隣接した部分を2つの部分に分離する。すなわち、ノッチ20によって長い部分と短い部分に分離される。
【0019】
蓋12は、雌ねじ18を備え、この雌ねじは不連続とすることができる。蓋12は、頂部壁30とその壁からたれるすそ32を有し、このすそ32はその裏側にねじ18を配している。蓋12の雌ねじ18は、容器首28の雄ねじ16と係合するように構成され、これにより容器14を閉じることができる。蓋12のねじ18を斜めに配置し、容器14の首28のねじ16の構成に応じて、一方の終端がもう一方の先端に重なるようにすることができる。例えば、第1の雌ねじの最上端が第2の雌ねじの最下端に重なることができる。
【0020】
蓋12は、少なくとも1つの突起部材22を有し、この突起部材はねじ18の最上位の部分と蓋12の頂部壁30の裏側の面との間に位置する。好ましくは、それに限定されないが、少なくとも3つの等間隔の突起22を、蓋の少なくとも3つの不連続な雌ねじを配した、すそ32の裏面に沿って配置することができる。突起22はねじ18の上側と接してもよく、あるいは、その上側から間隔を空けてもよい。同様に、突起22は頂部壁30とすそ32の交わりの部分と接してもよく、あるいはその交わりから間隔をおいて配されてもよい。1つの実施形態の突起22は、最上位のねじ18の上側に配置され、この場合、ねじ18は重なり、また、図4に示されるように、突起は、重なり位置において最上位ねじ18の開始点の近くに配置される。他の実施形態として、突起22が、重なり部分でない部分においてねじ18の上側に配されるようにすることができ、それによって、突起22がねじ18と接するだけで頂部壁30とすそ32との交わり部分から離れたものとすることができる。
【0021】
突起22のサイズは、容器14のねじ16上に位置するノッチ20に嵌めることができるものであり、ノッチ20に対してより小さく、相補的であり、あるいはより大きい、種々の形と大きさとすることができる。一般的に、突起22は、先端および後端を有し、さらに突起22が挿入されたときにノッチ20と接触する接触面を含んでいる。接触面の反対側の面は、蓋12のすそ32に取り付けられるまっすぐな端部とすることができる。突起22の先端はノッチ20と接触する最初の端であり、後縁はノッチ20と接触する突起22の最後の部分である。突起の形の一例は概略台形であり、その4つの直線の端縁には、90°の角度の先端と、異なった角度の後端があり、そして、他の直線の1つがすそに取り付けられる。突起の他の形状として、丸い端縁と直線端縁の頂部および底を有したものすることができる。先端および後端は同じ形状、例えば丸い形状とすることができ、また、突起の接触面が直線端で、その場合に接触面の反対側はすそに取り付けら直線端とすることができる。他の可能な形状として半円状の突起とすることができ、その場合には、半円側とすそに取り付けられる直線端の2つだけ側面となる。さらに他の形状として、3つの側部を有した4半円突起とすることができる。先端縁は、接触突起の残りの部分が直線である直線端で、また、蓋のすそに取り付けられる側を直線端縁とすることができる。さらに、突起部材22の他の形状は、上述されたものに限定されていない。
【0022】
ノッチ20の形状は蓋12に配置された突起22を受け入れるものであり、また、どのような数の形状も有することができる。ノッチ20は突起22よりわずかに大きいサイズとすることができ、あるいは突起22のサイズと相補的なサイズとすることができ、あるいは突起22よりわずかに小さいサイズとすることができる。ノッチ20は、好ましくは突起22より小さいサイズとし、それによって、突起22がノッチ20より長く、また、ノッチ20の外周の長さより大きい外周を有するようにすることができ、突起22とノッチ20の間のより緊密な嵌合を実現することができる。このような構成によって、突起22とノッチ20の一方あるいは両方に繰り返しの使用による摩耗のおそれがある場合には、利点とすることができる。ノッチ20は、好ましくはねじ16の少なくともほぼ全体を通って延在し、それを2つの部分に分ける。
【0023】
音のする閉じる機構10は、少なくとも1つの突起22と対応する少なくとも1つのノッチ20を有し、これらの突起およびノッチによって蓋12が十分に容器を閉じていることを示す可聴音がもたらせられる。容器14を閉じようとするとき、蓋12は、開口24の上に置かれ、一般的なねじの切られた閉じシステムのように、蓋12はそのねじ18が容器首28のねじ16に係合するように回転させられる。蓋12の突起22は、最初蓋が回転させられるとき、始めのうちは容器14のねじ16の間を通り過ぎる。しかしながら、音のする閉じる機構10は、例えば、ノッチ20より多数の突起22のように等しくない数の突起22とノッチ20を有することができる。等しい数でない突起22とノッチ20を持っている音のする閉じる機能10の一例は、4つの突起22と2つだけのノッチ20を持つものであり、それによって、2つの突起22だけが2つのノッチと整列させることができる。
【0024】
蓋12がその回転の最終点に近付くと、図1に示すように、突起22が容器14のねじ16の傾斜部に係合し始める。(図1中のA−Cは、容器14の頂部に置かれた蓋12の横断面図で、容器14の内部から外側を見た図を示している。)傾斜は、容器14の不連続な雄ねじ16の短い部分に配置され、ノッチ20の位置で終わるか、あるいは容器の首28の周りのリングに沿って配置され、ノッチ20で終わることができる。図1中のBに見られるように、突起22が傾斜部に係合し雄ねじ16上の傾斜に沿って摺動しながら昇ると、突起22が傾斜に沿って摺動するにつれて、容器14の首28は内側へ均一に変形し、および/または蓋12のすそ32は外側へ均一に変形する。突起22によって容器14のねじ16に圧力が作用するとき蓋12と容器14の間に張力が増し、容器14および/または蓋12の一様な変形を生じさせることができる。一度突起22がその対応するノッチと整列し、突起がノッチ20の中で所定の位置でスナップ嵌合すると、首28および/または蓋12のすそ32は、それぞれの変形しない状態すなわち力が緩和された状態に戻ることができる。図1中のCは、完全に整列した突起22とノッチ20および完全に閉じられた位置の蓋12を示している。突起22がノッチ20の中であるべき所にスナップ嵌合すると、可聴音が生じて蓋12が十分に容器14を閉じていることを示す。これは、好ましくは蓋12と容器14の間の最大値回転の位置で生じる。
【0025】
突起22のねじ16との係合によって、容器14の輸送や移動の間に容器14からの蓋12のねじ緩みを防ぐことができる。最初に使用する前や輸送および/または収納の間は、蓋の上で容器14の首28と蓋12との間に不正開封防止フィルムが配されることによって、蓋12の突起22がノッチ20と整列することが妨げられる。蓋12と容器14の間のフィルムは突起22とノッチ20の整列を調和させることができ、ノッチへ近づくことを阻止し、また、蓋12がノッチ20に向けてさらに回転することを妨げることによって突起22がノッチ20内に落ち込むことを妨げている。このようにして、フィルムで覆われた容器14のねじ16に作用する突起22の張力はねじ緩みを防ぐことができる。これに代わって、ねじまで延在しない不正開封防止フィルムなど、フィルムが蓋12と容器14との間の回転に対する抵抗を増すようにすることもできる。その抵抗の増加は、突起22がフィルムと接触するとき、あるいは突起22がノッチ20内にあってフィルムがねじ間のさらなる圧力を生じさせるとき、高められる。さらには、突起22とノッチ20の構成は、好ましくは、軸方向の力の無い単純な蓋12の回転によって、蓋12を容器14からねじ緩みさせて容器14を開けることを容易にするものである。
【0026】
他の構成では、突起22が容器14の首28上に設けられ、また、ノッチ20が蓋12のねじ18に設けられ、その場合にも突起22がノッチ20に整列したとき可聴音を生じさせるものでとすることができる。
【0027】
蓋12における突起22の数は、必ずしも容器ねじ16におけるノッチ20の数と等しい必要はない。ノッチ20より多数の突起22を有することが可能であり、あるいはその逆も可能である。例えば、蓋12が4つの突起22を含み、容器14が2つだけのノッチを含んでもよく、その場合には、蓋12の2つの突起22がノッチ20にはめ込まれないままである。あるいはそれに代わって、少なくとも1つの突起22と、突起22ごとの少なくとも1つの対応するノッチ20であってもよい。さらに、好ましくは、少なくとも3つの突起22と、突起ごとの対応するノッチ20、例えば、少なくとも3つのノッチ20とし、さらに好ましくは、図2〜図3に示すように、総てがほぼ等しい間隔で離れた4つの突起22と4つのノッチ20とすることができる。少なくとも3つの突起および3つのノッチを有することにより、容器14の首28および/または蓋12のすそ32の一様な変形を維持することができる。これは、さらに容器14が元の変形されていない形状に戻るときの突起22とノッチ20の篏合を容易にし、それによって音による指示を与えることができる。
【0028】
上述のことから、ねじが施された容器の音のする閉じ機構を設けることによって、蓋と容器の首に配置された突起とノッチの閉じるシステムの係合が可能となり、十分に閉じたときに可聴音を生じさせることができることが理解できる。しかしながら、本開示は、上述した態様および実施形態に限定されず、あるいは特定の実施形態に限定されない。音のする閉じる機構の種々の変形例は実質的に同じ機構をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】Aは、容器首の雄ねじの先端に隣接して位置する、蓋の突起の横断面図であり、Bは、容器首の雄ねじの上に位置する、蓋の突起の横断面図であり、Cは、容器首の雄ねじにおけるノッチに位置する、蓋の突起の横断面図である。
【図2】容器の上面図である。
【図3】蓋の底面図である。
【図4】容器の首の上方に間隔をおいた蓋とともに示す容器の斜視図である。
【図5】雄ねじおよびノッチを示す容器首の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音のする閉じる機構を備えた容器において、
開口を取り巻く首を備えた本体と、
少なくとも1つのノッチを有した前記首の雄ねじと、
頂部壁と該壁から垂れ下がったすそを有した蓋と、
前記首の雄ねじと係合する、前記すそにおける雌ねじと、半径方向内側に向かって延在する少なくとも1つの突起であって、前記雌ねじと前記頂部壁との間に位置して前記雄ねじにおけるノッチに音による指示を伴って挿入される突起と、
を具えたことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記首の雄ねじはほぼ等しい間隔をおかれた少なくとも3つのノッチを有し、前記すそは、半径方向内側に向かって延在する、ほぼ等しい間隔をおかれた少なくとも3つの突起を有することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記雄ねじは前記首の外表面に沿った少なくとも3つの不連続な雄ねじを有し、前記雄ねじは傾斜して第1の雄ねじの最上端が第2の雄ねじの最下端と重なり、前記第1の雄ねじの前記最上端はノッチを含み、
前記雌ねじは前記すその内側面に沿った少なくとも3つの不連続なねじを有し、前記雌ねじは傾斜して第1の雌ねじの最上端が第2の雌ねじの最下端と重なり、突起のそれぞれは、隣接する雌ねじの最上端と前記頂部壁の内側面との間で前記すその内側面に沿って配置される、
ことを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
少なくとも3つのノッチが少なくとも3つの不連続な雄ねじの終端に隣接することにより、不連続な雄ねじのそれぞれが前記ノッチによって分けられる長い部分と短い部分を含むことを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項5】
少なくとも3つの突起が、少なくとも3つの不連続な雌ねじの終点に隣接したことを特徴とする請求項4に記載の容器。
【請求項6】
ノッチの数は突起の数と異なっていることを特徴とする請求項5に記載の容器。
【請求項7】
ノッチと突起の数は4つであることを特徴とする請求項5に記載の容器。
【請求項8】
突起は不連続な雄ねじと係合して、前記突起が前記首のノッチに整列するまで、前記容器の首および前記蓋のすその少なくとも一方を変形させることを特徴とする請求項6に記載の容器。
【請求項9】
前記突起は不連続な雄ねじの傾斜部に係合し、前記傾斜部は前記不連続な雄ねじの短い部分に位置することを特徴とする請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記音による指示は、前記突起が前記ノッチ内に篏合するときに生じ、前記蓋が十分に回転して閉じた位置にあることを示すことを特徴とする請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記突起の周囲長は、ノッチの周囲長より長いことを特徴とする請求項10に記載の容器。
【請求項12】
前記突起が前記容器のねじと係合することによって、前記容器の輸送および移動の間の、前記蓋と前記容器との間のねじ緩みが防止されることを特徴とする請求項10に記載の容器。
【請求項13】
前記突起のそれぞれは先端および後端を有し、前記先端は、前記ノッチに接する前記突起の最初の端縁であり、曲線状とされていることを特徴とする請求項10に記載の容器。
【請求項14】
前記突起のそれぞれは先端および後端を有し、前記先端は、前記ノッチに接する前記突起の最初の端縁であり、直線状とされていることを特徴とする請求項10に記載の容器。
【請求項15】
前記雄ねじは、前記首の外表面に沿った4つの不連続な雄ねじを有し、それぞれの雄ねじはノッチを有し、前記雌ねじは前記すその内側面に沿った4つの不連続な雌ねじを有し、4つの突起が雌ねじの最上端と前記頂部壁の内側面との間で前記すその内側面に沿って配置されたことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項16】
前記突起の周囲長は、前記ノッチの周囲長より長いことを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項17】
前記音による指示は、前記突起が前記ノッチ内に篏合するときに生じ、前記蓋が十分に回転して閉じた位置にあることを示すことを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項18】
容器上の蓋の位置を音によって指示するための方法において、
雌ねじと蓋の頂部壁との間にほぼ等しい間隔の少なくとも3つの突起を設け、
容器本体の首の雄ねじにほぼ等しい間隔の少なくとも3つのノッチを設け、
前記容器の首および前記蓋のすその少なくとも一方を、前記突起を前記雄ねじに係合させることによって変形させ、
前記容器の首および前記蓋のすその少なくとも一方を、前記突起を前記雄ねじの前記ノッチに整列させることによって変形していない状態に戻す、
工程を有したことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記雄ねじは前記首の外表面に沿った少なくとも3つの不連続な雄ねじを有し、前記雄ねじは傾斜して第1の雄ねじの最上端が第2の雄ねじの最下端と重なり、前記第1の雄ねじの前記最上端はノッチを含み、
前記雌ねじは前記すその内側面に沿った少なくとも3つの不連続なねじを有し、前記雌ねじは傾斜して第1の雌ねじの最上端が第2の雌ねじの最下端と重なり、突起のそれぞれは、隣接する雌ねじの最上端と前記頂部壁の内側面との間で前記すその内側面に沿って配置される、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
音のする閉じる機構を備えた容器において、
頂部壁および該頂部壁から垂れ下がるすそを有した蓋と、
少なくとも1つのノッチを有した前記すそにおける雌ねじと、
開口を取り巻く首を備えた本体と、
前記すその雌ねじと係合するための前記首における雄ねじと、少なくとも1つの外側を向けて延在する突起であって、前記雄ねじと前記開口との間に位置し前記雌ねじにおける少なくとも1つのノッチに可聴音を伴って挿入される突起と、
を具えたことを特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−120459(P2008−120459A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288756(P2007−288756)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(501360131)クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
【Fターム(参考)】