ねじ部品の頭部駆動穴
【課題】
ねじ締め初期に係合溝とドライバビットとの係合を確実にする駆動穴を得る。
【解決手段】
頭部2と一体の脚部にねじ山を形成したねじにおいて、頭部2に駆動穴4の中心から放射方向に等間隔をあけて複数条の係合溝10を形成する。これら係合溝の間に形成される丘陵部20は、ねじ締め回転方向後方側に位置する係合溝の締め付け方向側の係合壁との境界において当該係合壁を駆動穴中心側ほど低くするよう傾斜角(α)の角度で傾斜しており、ねじ締め回転方向前方側に位置する係合溝の緩め方向側の係合壁との境界においては、当該係合壁を外周側ほど高くするよう前記傾斜角(α)よりも小さい傾斜角(β)で傾斜している。そして、丘陵部20の表面は傾斜角(α)から傾斜角(β)に変化する傾斜面となっている。
ねじ締め初期に係合溝とドライバビットとの係合を確実にする駆動穴を得る。
【解決手段】
頭部2と一体の脚部にねじ山を形成したねじにおいて、頭部2に駆動穴4の中心から放射方向に等間隔をあけて複数条の係合溝10を形成する。これら係合溝の間に形成される丘陵部20は、ねじ締め回転方向後方側に位置する係合溝の締め付け方向側の係合壁との境界において当該係合壁を駆動穴中心側ほど低くするよう傾斜角(α)の角度で傾斜しており、ねじ締め回転方向前方側に位置する係合溝の緩め方向側の係合壁との境界においては、当該係合壁を外周側ほど高くするよう前記傾斜角(α)よりも小さい傾斜角(β)で傾斜している。そして、丘陵部20の表面は傾斜角(α)から傾斜角(β)に変化する傾斜面となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品をワークに所定の締結力で締結するねじであって、特に、ねじ締め時に頭部に駆動力を伝達するドライバビットとねじの駆動穴との係合がねじの係合溝を潰すことなく確実に係合可能となる形状にしたねじ部品の頭部駆動穴に関する。
【背景技術】
【0002】
近年多く普及している携帯電話、パソコンおよび携帯型音楽プレーヤ等の電気製品や自動車部品等においては、その軽量化、薄型化および小型化等から比較的呼び径の小さいねじが使用されている。このようなねじとしては、主としてJIS(日本工業規格)に定められているねじが採用されており、前記のように呼び径の小さいねじにおいても図11に示すように、その頭部十字穴は同じ形状となっている。この図11は十字穴付きねじ101であって、その頭部102にはねじ101の中心を基準として放射方向の四方向に係合溝110が形成されており、これら溝110の間の丘陵部120の輪郭はこの溝を形成する壁となった形状であり、ドライバビットの羽根がこの溝に係合してねじ締め駆動力が伝達されるようになっており、このときに潰れないようになっている。
【0003】
このような丘陵部は前記十字形状の駆動穴以外に例えば、この+ドライバビットではねじを緩めることのできないY字形状の係合溝が形成されたねじ、所謂いじり止め用ねじにおいても同様に形成される。このねじは通常一般に普及している+ドライバビットでは緩めて機械内部を勝手に触れることのできない個所に主に採用されており、この頭部駆動穴の形状では十字形状の駆動穴がねじの中心から放射方向の四方向になっているのに対してY字形状の駆動穴は三方向となっているだけの違いであり、どちらも係合溝の間には丘陵部が形成されている。
【0004】
このため、ドライバビットをねじの駆動穴に係合させるために、特に自動ねじ締め機によりねじ締め作業を行う場合には、ねじの頭部にドライバビットを接触させると同時にドライバビットを回転させてドライバビットの係合羽根をねじの係合溝に係合させるようにしているが、この係合初期に僅かでもねじの中心とドライバビットの中心とがずれていたり、ドライバビットの係合羽根が駆動穴の係合溝に確実に嵌らないと係合溝の角を潰すことが多く、特に、ねじが小さいとこの現象が顕著に発生している。
【0005】
また、従来技術として、特許文献1に示される打込ネジがある。この特許文献1の打込ネジは、十字形状のビット位置決め溝間の突状部に駆動穴の底部に向かって下り傾斜する稜部を形成し、この稜部から突状部をはさむビット位置決め溝の各溝部に向かって下り傾斜の傾斜面を形成したものである。この傾斜面により、ビットをビット位置決め溝に正しく係合するよう案内できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭63−26566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながらこのような従来例の中で、JISに規定された駆動穴の場合は、既に説明したように、手動ドライバビットによる締結作業においては係合羽根と係合溝とを嵌め合わせてからねじ締め作業を行うので、ねじ締め初期に駆動穴を潰すことはないが、組み立て作業ライン等の機械による自動化された組立工場においては、自動ねじ締め機が使用されているから、ねじ締め初期において駆動穴が潰れやすい。特に、呼び径の小さいねじにおいては、駆動穴が潰れねじが所定締結トルクでねじ締められないという問題が発生している。また、特許文献1のような駆動穴では、例えば、自動ねじ締め機でドライバビットがねじの頭部に接するのと同時に回転を始めるような場合、ドライバビットがその回転方向に対して上り傾斜となる傾斜面(稜部をはさんでドライバビットの回転方向とは反対側に下り傾斜している傾斜面)に案内されてしまうと、ドライバビットの回転が当該傾斜面に伝わり、ねじがはじき飛ばされてしまう等の問題が生じる。さらに、特許文献1のような駆動穴では、突状部には稜部をはさんでほぼ対称な傾斜面が形成されるため、ねじ締め時にドライバビットからトルク伝達を受けるべき係合壁面の面積が小さくなってしまい、容易に溝部が破損するといった問題も発生する。
【0008】
本発明の目的は、このような課題を解消するとともにねじ締め初期において係合溝とドライバビットとの係合を確実にするねじ部品の頭部駆動穴を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、駆動穴4を有する頭部2とこれと一体の脚部3とから構成され、この脚部にねじ山5を形成したねじにおいて、前記頭部の中心に頭部表面側から脚部にかけて駆動穴を形成し、この駆動穴の中心から放射方向に且つ円周方向等間隔をあけて複数条形成された係合溝10を形成し、これら係合溝の間に形成される丘陵部20は、ねじ締め回転方向後方側に位置する係合溝の締め付け方向側の係合壁との境界において当該係合壁を外周から駆動穴中心側の全長に渡って駆動穴中心側ほど低くするよう傾斜角(α)の角度で傾斜し、ねじ締め回転方向前方側に位置する係合溝の緩め方向側の係合壁との境界においては、当該係合壁を外周側ほど高くするよう前記傾斜角(α)の傾斜に連続して傾斜角(α)よりも小さい傾斜角(β)で傾斜するとともに、これら傾斜角(α)の傾斜から傾斜角(β)の傾斜に至る表面を傾斜角(α)から傾斜角(β)に変化する傾斜面として構成されるねじ部品の頭部駆動穴を提供するものである。なお、頭部表面から丘陵部の表面に至る外周壁は、すり鉢形状に構成されていることが望ましい。また、合成傾斜角はねじの軸線に直交する平面に対して8°32′より大きく17°より小さい角度であることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、JISに規定されたねじの駆動穴のように自動組み立て作業において、ドライバビットの係合羽根がねじ締め初期にねじの頭部の駆動穴を潰す恐れがなく、特に、ねじの呼び径の小さいものを自動ねじ締め機でねじ締めする際に頭部の破損が回避される。また、係合溝と係合溝との間の丘陵部はねじ締め方向側および中心側が深くなるように傾斜した表面となっているため、ドライバビットの中心がねじの駆動穴の中心とずれてもねじの中心に向かってドライバビットを案内することができ、ドライバビットの中心とねじの中心とが一致すると同時にねじ締め時に確実に係合羽根が係合溝に嵌る。しかも、自動組み立て作業においてドライバビットを回転させながらねじの駆動穴に嵌合させる場合においても、丘陵部の傾斜面に沿ってドライバビットを円滑に案内し、嵌合させることができる。
【0011】
さらに、この丘陵部の周囲には駆動穴中心に向かってすり鉢状に傾斜した外周壁が形成されているので、ねじ締め時にドライバビットはねじの駆動穴から外へ出ることなく、常に中心線上に一致させることを可能にしている。しかも、ねじ締め時にドライバビットが係合する締め付け方向側の係合壁は、外周端付近において従来の駆動穴を構成している係合溝の壁と同様の高さを有しているので、ねじ締めトルクの伝達に何らの支障も生じない。その上、傾斜角は推力がほとんど加わらなくてもドライバビットの係合羽根がねじの頭部の丘陵部に当接するだけで係合羽根が係合溝に滑り案内される最適な傾斜角に設定されているので、呼び径の小さいねじであっても、ねじの頭部の破損が皆無となるとともに安定したねじ締め作用が得られる等の特有の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態としての一実施例を示す正面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図2におけるA−A線要部断面図である。
【図4】図2におけるB−B線要部断面図である。
【図5】丘陵部の傾斜表面を示す要部拡大断面図である。
【図6】本発明とドライバビットとの関係を示す要部断面図である。
【図7】(a)、(b)は丘陵部の傾斜表面とドライバビットの滑り状態を示す断面図である。
【図8】本発明における力の作用状態を示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す平面図である。
【図10】図9におけるC−C線要部断面図である。
【図11】本発明の従来例を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図10に基づき説明する。本発明の一実施例としての図1および図2において、1は頭部2とこれに一体に形成された脚部3とからなるねじであり、頭部2にはねじ1にドライバビット30(図6参照)からねじ締め駆動力が伝達される駆動穴4が形成されている。この頭部2と一体の前記脚部3にはねじ山5が頭部2の座面6の近くから脚部3の先端にかけて形成してあり、この脚部3は断面円形形状となっている。この脚部3と頭部2との間には脚部側が細く頭部側が太い円錐形状の首部7が形成してあり、前記頭部2の駆動穴4はその先端が略円錐穴形状に形成されてこの首部7まで達している。
【0014】
前記駆動穴4は図3および図4に示すように、ねじ1の中心線上にその中心を有しており、頭部2の表面から脚部3にかけて凹設されている。この駆動穴4の中心の円錐穴8から放射方向には円周方向に等間隔をあけて複数条の係合溝10が形成してあり、これら係合溝10は図2に示すように、互いに隣設することになるもう一つの係合溝10との間に丘陵部20を形成している。この丘陵部20はこの実施例においては、係合溝10がY字形状になっているので、係合溝10の間にそれぞれ形成されており、具体的には係合溝10aと10b、10bと10c、10cと10aとの間にそれぞれ同一傾斜表面形状の丘陵部20が形成されている。
【0015】
丘陵部20の形状について、係合溝10aと、この係合溝10aのねじ締め回転方向後方に隣設する係合溝10cとの間に形成された丘陵部20を例に説明する。この丘陵部20の表面は、図2ないし図6に示すように、係合溝10cにおける締め付け方向側の係合壁11(ドライバビット30の係合羽根31がねじを締め付ける時に係合する係合壁)との境界において、この係合壁11を外周端(頭部2の表面との交点)から駆動穴中心側までの全長に渡って駆動穴中心側ほど低くするよう、傾斜角(α)で傾斜している。また、係合溝10aにおける緩め方向側の係合壁12(ドライバビット30の係合羽根31がねじを緩める時に係合する係合壁)との境界においては、この係合壁13を外周側ほど高くするよう、前記傾斜角(α)の傾斜に連続し、かつ前記傾斜角(α)よりも小さい傾斜角(β)で傾斜する構成となっている。さらに、前記傾斜角(α)の係合壁11との境界から傾斜角(β)の係合壁12との境界へ至る丘陵部20の表面は、傾斜角(α)から傾斜角(β)に変化する傾斜面となっている。傾斜角(α)よりも傾斜角(β)が小さく、傾斜角(β)の駆動穴中心側は傾斜角(α)に連続しているため、丘陵部20の傾斜面は、傾斜角(β)側および駆動穴中心側へ徐々に深くなる傾斜となっている。例えば、係合溝10cの中心線に直交する垂線上のある一点で見れば、垂線に沿う図2の矢印(イ)方向および、これに直交する矢印(ロ)方向ほど深くなるように構成されている。また、丘陵部20の傾斜面は、締め付け方向側の係合壁11の外周端で頭部2の表面に一致している。
【0016】
前述の通り、丘陵部20の表面はねじ締め回転方向および駆動穴中心側へそれぞれ深くなる傾斜面であるため、この傾斜面にドライバビット30の先端が当接することにより、ドライバビット30は駆動穴4の中心に移動案内される。また、ドライバビット30がねじ締め方向に回転している時は、その回転に逆らわずにドライバビット30を案内することができる。また、全ての丘陵部20の表面は駆動穴4の中心側が最も深く、かつ全ての丘陵部20の表面の駆動穴中心側にある内縁21が同じ深さに揃った構成となっている。このため、ドライバビット30の中心と駆動穴4の中心とが一致すると、ドライバビット30の係合羽根31は傾くことなく安定して係合溝10に係合することができる。
【0017】
一方、この傾斜した丘陵部20の表面の傾斜角(α)および(β)はねじ締め方向側が頭部表面から深くなるよう傾斜していれば十分であるが、この傾斜角の最適角度を(θ)とすると、即ち、その最小角はねじ1の頭部2にドライバビット30の先端あるいは係合羽根31が接すればほとんど推力(ドライバビットをワークの方に押し付ける力)が加わらなくても滑り出す角度であり、この滑り出すための角度を求めると、次のようになる。ここで一般的なねじ1の摩擦係数μ=0.15程度であることは従来から知られており、これから斜面上での物体が静止できる最大角度を(θ)とし、物体の重量(または推力)をMgとすると、数式1で釣り合っていることになる(図8参照)。
【0018】
【数1】
【0019】
そして、これから得られる角度(θ)は、tan−1μとなり、約8°32′となる。
これにより、丘陵部20の表面の傾斜角度が8°32′を超えれば、物体はこの傾斜表面を滑ることになるからこれが滑るための最小角度となる。
【0020】
一方、この最適角度の上限である最大角はドライバビット30の先端角度(JISに規定されている角度である18°±1°)より小さい値に設定するのがもっともよい。このように傾斜表面の最適角度(θ)を8°32′〜17°の範囲に設定することで、図7(a)に示すように、ドライバビット30の先端が傾斜した丘陵部20の表面を滑ることになり、これ以上の角度即ち、最適角度の上限より大きい角度(θ+γ)になると、図7(b)に示すように、ドライバビット30の先端が傾斜した丘陵部20の表面の角に当接することになるから滑りが生じにくくなるので、前記角度の範囲が最適角度となる。しかも、この角度の範囲で傾斜させていることにより丘陵部20の中心側内壁(前記内縁21から深さ方向の面)は十分な高さに形成され、ドライバビットとの嵌め合わせ(喰い付き)において支障は生じない。
【0021】
さらに、図2ないし図6に示すように、前記頭部2表面から丘陵部20表面に至る外周壁22は、丘陵部20の傾斜面に従ってねじ締め回転方向に向かって高くなっており、その表面は円錐形状、すなわち駆動穴中心側に向かってすり鉢形状となっている。このことから、この部分にドライバビット30の先端が触れることでもドライバビット30はねじ1の中心側への移動作用を受けることになる。
【0022】
しかも、丘陵部20の表面は図3ないし図6に示すように、係合溝10の締め付け方向側の係合壁11は、緩め方向側の係合壁12より係合溝10の底面13からの高さが高くなっているので、ドライバビット30からのねじ締めトルクの伝達は安定することになる。
【0023】
このように構成されたねじ1をねじ込む場合は、図6に示すように、ねじ1の頭部2に形成されている駆動穴4に一致させるよう、ドライバビット30を押し付ける。このとき、ねじ1の係合溝10にはドライバビット30の係合羽根31が必ずしも一致して係合しないが、ドライバビット30の先端は頭部表面の丘陵部20に形成されている傾斜表面により、ねじ締め方向および駆動穴4の中心側に滑るので、係合羽根31は係合溝10に嵌ることになる。また、係合溝10の締め付け方向側の係合壁11はその外方端側がねじ1の緩め方向側の係合壁12より係合溝10の底面13からの高さが高いので、係合羽根31が係合溝10から滑り出ることなく確実に嵌ることになる。
【0024】
このようにして、ドライバビット30のねじ締めトルクがねじ1の駆動穴4に伝達されると、ねじ1の脚部3はワーク(図示せず)にねじ込まれる。このねじ締め作用によりねじ1が所定量ねじ込まれてワークに頭部2の座面6が着座すると、ねじ締め設定トルクとなり、ねじ締め作業が完了する。
【0025】
なお、この実施例では、頭部2の表面にY字形状の係合溝10を有する駆動穴4について説明したが、これを図9および図10に示すように、十字形状の係合溝10を有する駆動穴4としてもよく、この場合は係合溝10が前記実施例とは多くなるので、前記丘陵部20が狭くなっている。しかしながら、丘陵部20の表面は前記実施例と同様に合成傾斜角による傾斜表面を有するものであり、このため、同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0026】
1 ねじ
2 頭部
3 脚部
4 駆動穴
5 ねじ山
6 座面
7 首部
8 円錐穴
10 係合溝
11 締め付け方向側の係合壁
12 緩め方向側の係合壁
13 底面
20 丘陵部
21 内縁
22 外周壁
30 ドライバビット
31 係合羽根
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品をワークに所定の締結力で締結するねじであって、特に、ねじ締め時に頭部に駆動力を伝達するドライバビットとねじの駆動穴との係合がねじの係合溝を潰すことなく確実に係合可能となる形状にしたねじ部品の頭部駆動穴に関する。
【背景技術】
【0002】
近年多く普及している携帯電話、パソコンおよび携帯型音楽プレーヤ等の電気製品や自動車部品等においては、その軽量化、薄型化および小型化等から比較的呼び径の小さいねじが使用されている。このようなねじとしては、主としてJIS(日本工業規格)に定められているねじが採用されており、前記のように呼び径の小さいねじにおいても図11に示すように、その頭部十字穴は同じ形状となっている。この図11は十字穴付きねじ101であって、その頭部102にはねじ101の中心を基準として放射方向の四方向に係合溝110が形成されており、これら溝110の間の丘陵部120の輪郭はこの溝を形成する壁となった形状であり、ドライバビットの羽根がこの溝に係合してねじ締め駆動力が伝達されるようになっており、このときに潰れないようになっている。
【0003】
このような丘陵部は前記十字形状の駆動穴以外に例えば、この+ドライバビットではねじを緩めることのできないY字形状の係合溝が形成されたねじ、所謂いじり止め用ねじにおいても同様に形成される。このねじは通常一般に普及している+ドライバビットでは緩めて機械内部を勝手に触れることのできない個所に主に採用されており、この頭部駆動穴の形状では十字形状の駆動穴がねじの中心から放射方向の四方向になっているのに対してY字形状の駆動穴は三方向となっているだけの違いであり、どちらも係合溝の間には丘陵部が形成されている。
【0004】
このため、ドライバビットをねじの駆動穴に係合させるために、特に自動ねじ締め機によりねじ締め作業を行う場合には、ねじの頭部にドライバビットを接触させると同時にドライバビットを回転させてドライバビットの係合羽根をねじの係合溝に係合させるようにしているが、この係合初期に僅かでもねじの中心とドライバビットの中心とがずれていたり、ドライバビットの係合羽根が駆動穴の係合溝に確実に嵌らないと係合溝の角を潰すことが多く、特に、ねじが小さいとこの現象が顕著に発生している。
【0005】
また、従来技術として、特許文献1に示される打込ネジがある。この特許文献1の打込ネジは、十字形状のビット位置決め溝間の突状部に駆動穴の底部に向かって下り傾斜する稜部を形成し、この稜部から突状部をはさむビット位置決め溝の各溝部に向かって下り傾斜の傾斜面を形成したものである。この傾斜面により、ビットをビット位置決め溝に正しく係合するよう案内できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭63−26566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながらこのような従来例の中で、JISに規定された駆動穴の場合は、既に説明したように、手動ドライバビットによる締結作業においては係合羽根と係合溝とを嵌め合わせてからねじ締め作業を行うので、ねじ締め初期に駆動穴を潰すことはないが、組み立て作業ライン等の機械による自動化された組立工場においては、自動ねじ締め機が使用されているから、ねじ締め初期において駆動穴が潰れやすい。特に、呼び径の小さいねじにおいては、駆動穴が潰れねじが所定締結トルクでねじ締められないという問題が発生している。また、特許文献1のような駆動穴では、例えば、自動ねじ締め機でドライバビットがねじの頭部に接するのと同時に回転を始めるような場合、ドライバビットがその回転方向に対して上り傾斜となる傾斜面(稜部をはさんでドライバビットの回転方向とは反対側に下り傾斜している傾斜面)に案内されてしまうと、ドライバビットの回転が当該傾斜面に伝わり、ねじがはじき飛ばされてしまう等の問題が生じる。さらに、特許文献1のような駆動穴では、突状部には稜部をはさんでほぼ対称な傾斜面が形成されるため、ねじ締め時にドライバビットからトルク伝達を受けるべき係合壁面の面積が小さくなってしまい、容易に溝部が破損するといった問題も発生する。
【0008】
本発明の目的は、このような課題を解消するとともにねじ締め初期において係合溝とドライバビットとの係合を確実にするねじ部品の頭部駆動穴を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、駆動穴4を有する頭部2とこれと一体の脚部3とから構成され、この脚部にねじ山5を形成したねじにおいて、前記頭部の中心に頭部表面側から脚部にかけて駆動穴を形成し、この駆動穴の中心から放射方向に且つ円周方向等間隔をあけて複数条形成された係合溝10を形成し、これら係合溝の間に形成される丘陵部20は、ねじ締め回転方向後方側に位置する係合溝の締め付け方向側の係合壁との境界において当該係合壁を外周から駆動穴中心側の全長に渡って駆動穴中心側ほど低くするよう傾斜角(α)の角度で傾斜し、ねじ締め回転方向前方側に位置する係合溝の緩め方向側の係合壁との境界においては、当該係合壁を外周側ほど高くするよう前記傾斜角(α)の傾斜に連続して傾斜角(α)よりも小さい傾斜角(β)で傾斜するとともに、これら傾斜角(α)の傾斜から傾斜角(β)の傾斜に至る表面を傾斜角(α)から傾斜角(β)に変化する傾斜面として構成されるねじ部品の頭部駆動穴を提供するものである。なお、頭部表面から丘陵部の表面に至る外周壁は、すり鉢形状に構成されていることが望ましい。また、合成傾斜角はねじの軸線に直交する平面に対して8°32′より大きく17°より小さい角度であることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、JISに規定されたねじの駆動穴のように自動組み立て作業において、ドライバビットの係合羽根がねじ締め初期にねじの頭部の駆動穴を潰す恐れがなく、特に、ねじの呼び径の小さいものを自動ねじ締め機でねじ締めする際に頭部の破損が回避される。また、係合溝と係合溝との間の丘陵部はねじ締め方向側および中心側が深くなるように傾斜した表面となっているため、ドライバビットの中心がねじの駆動穴の中心とずれてもねじの中心に向かってドライバビットを案内することができ、ドライバビットの中心とねじの中心とが一致すると同時にねじ締め時に確実に係合羽根が係合溝に嵌る。しかも、自動組み立て作業においてドライバビットを回転させながらねじの駆動穴に嵌合させる場合においても、丘陵部の傾斜面に沿ってドライバビットを円滑に案内し、嵌合させることができる。
【0011】
さらに、この丘陵部の周囲には駆動穴中心に向かってすり鉢状に傾斜した外周壁が形成されているので、ねじ締め時にドライバビットはねじの駆動穴から外へ出ることなく、常に中心線上に一致させることを可能にしている。しかも、ねじ締め時にドライバビットが係合する締め付け方向側の係合壁は、外周端付近において従来の駆動穴を構成している係合溝の壁と同様の高さを有しているので、ねじ締めトルクの伝達に何らの支障も生じない。その上、傾斜角は推力がほとんど加わらなくてもドライバビットの係合羽根がねじの頭部の丘陵部に当接するだけで係合羽根が係合溝に滑り案内される最適な傾斜角に設定されているので、呼び径の小さいねじであっても、ねじの頭部の破損が皆無となるとともに安定したねじ締め作用が得られる等の特有の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態としての一実施例を示す正面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図2におけるA−A線要部断面図である。
【図4】図2におけるB−B線要部断面図である。
【図5】丘陵部の傾斜表面を示す要部拡大断面図である。
【図6】本発明とドライバビットとの関係を示す要部断面図である。
【図7】(a)、(b)は丘陵部の傾斜表面とドライバビットの滑り状態を示す断面図である。
【図8】本発明における力の作用状態を示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す平面図である。
【図10】図9におけるC−C線要部断面図である。
【図11】本発明の従来例を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図10に基づき説明する。本発明の一実施例としての図1および図2において、1は頭部2とこれに一体に形成された脚部3とからなるねじであり、頭部2にはねじ1にドライバビット30(図6参照)からねじ締め駆動力が伝達される駆動穴4が形成されている。この頭部2と一体の前記脚部3にはねじ山5が頭部2の座面6の近くから脚部3の先端にかけて形成してあり、この脚部3は断面円形形状となっている。この脚部3と頭部2との間には脚部側が細く頭部側が太い円錐形状の首部7が形成してあり、前記頭部2の駆動穴4はその先端が略円錐穴形状に形成されてこの首部7まで達している。
【0014】
前記駆動穴4は図3および図4に示すように、ねじ1の中心線上にその中心を有しており、頭部2の表面から脚部3にかけて凹設されている。この駆動穴4の中心の円錐穴8から放射方向には円周方向に等間隔をあけて複数条の係合溝10が形成してあり、これら係合溝10は図2に示すように、互いに隣設することになるもう一つの係合溝10との間に丘陵部20を形成している。この丘陵部20はこの実施例においては、係合溝10がY字形状になっているので、係合溝10の間にそれぞれ形成されており、具体的には係合溝10aと10b、10bと10c、10cと10aとの間にそれぞれ同一傾斜表面形状の丘陵部20が形成されている。
【0015】
丘陵部20の形状について、係合溝10aと、この係合溝10aのねじ締め回転方向後方に隣設する係合溝10cとの間に形成された丘陵部20を例に説明する。この丘陵部20の表面は、図2ないし図6に示すように、係合溝10cにおける締め付け方向側の係合壁11(ドライバビット30の係合羽根31がねじを締め付ける時に係合する係合壁)との境界において、この係合壁11を外周端(頭部2の表面との交点)から駆動穴中心側までの全長に渡って駆動穴中心側ほど低くするよう、傾斜角(α)で傾斜している。また、係合溝10aにおける緩め方向側の係合壁12(ドライバビット30の係合羽根31がねじを緩める時に係合する係合壁)との境界においては、この係合壁13を外周側ほど高くするよう、前記傾斜角(α)の傾斜に連続し、かつ前記傾斜角(α)よりも小さい傾斜角(β)で傾斜する構成となっている。さらに、前記傾斜角(α)の係合壁11との境界から傾斜角(β)の係合壁12との境界へ至る丘陵部20の表面は、傾斜角(α)から傾斜角(β)に変化する傾斜面となっている。傾斜角(α)よりも傾斜角(β)が小さく、傾斜角(β)の駆動穴中心側は傾斜角(α)に連続しているため、丘陵部20の傾斜面は、傾斜角(β)側および駆動穴中心側へ徐々に深くなる傾斜となっている。例えば、係合溝10cの中心線に直交する垂線上のある一点で見れば、垂線に沿う図2の矢印(イ)方向および、これに直交する矢印(ロ)方向ほど深くなるように構成されている。また、丘陵部20の傾斜面は、締め付け方向側の係合壁11の外周端で頭部2の表面に一致している。
【0016】
前述の通り、丘陵部20の表面はねじ締め回転方向および駆動穴中心側へそれぞれ深くなる傾斜面であるため、この傾斜面にドライバビット30の先端が当接することにより、ドライバビット30は駆動穴4の中心に移動案内される。また、ドライバビット30がねじ締め方向に回転している時は、その回転に逆らわずにドライバビット30を案内することができる。また、全ての丘陵部20の表面は駆動穴4の中心側が最も深く、かつ全ての丘陵部20の表面の駆動穴中心側にある内縁21が同じ深さに揃った構成となっている。このため、ドライバビット30の中心と駆動穴4の中心とが一致すると、ドライバビット30の係合羽根31は傾くことなく安定して係合溝10に係合することができる。
【0017】
一方、この傾斜した丘陵部20の表面の傾斜角(α)および(β)はねじ締め方向側が頭部表面から深くなるよう傾斜していれば十分であるが、この傾斜角の最適角度を(θ)とすると、即ち、その最小角はねじ1の頭部2にドライバビット30の先端あるいは係合羽根31が接すればほとんど推力(ドライバビットをワークの方に押し付ける力)が加わらなくても滑り出す角度であり、この滑り出すための角度を求めると、次のようになる。ここで一般的なねじ1の摩擦係数μ=0.15程度であることは従来から知られており、これから斜面上での物体が静止できる最大角度を(θ)とし、物体の重量(または推力)をMgとすると、数式1で釣り合っていることになる(図8参照)。
【0018】
【数1】
【0019】
そして、これから得られる角度(θ)は、tan−1μとなり、約8°32′となる。
これにより、丘陵部20の表面の傾斜角度が8°32′を超えれば、物体はこの傾斜表面を滑ることになるからこれが滑るための最小角度となる。
【0020】
一方、この最適角度の上限である最大角はドライバビット30の先端角度(JISに規定されている角度である18°±1°)より小さい値に設定するのがもっともよい。このように傾斜表面の最適角度(θ)を8°32′〜17°の範囲に設定することで、図7(a)に示すように、ドライバビット30の先端が傾斜した丘陵部20の表面を滑ることになり、これ以上の角度即ち、最適角度の上限より大きい角度(θ+γ)になると、図7(b)に示すように、ドライバビット30の先端が傾斜した丘陵部20の表面の角に当接することになるから滑りが生じにくくなるので、前記角度の範囲が最適角度となる。しかも、この角度の範囲で傾斜させていることにより丘陵部20の中心側内壁(前記内縁21から深さ方向の面)は十分な高さに形成され、ドライバビットとの嵌め合わせ(喰い付き)において支障は生じない。
【0021】
さらに、図2ないし図6に示すように、前記頭部2表面から丘陵部20表面に至る外周壁22は、丘陵部20の傾斜面に従ってねじ締め回転方向に向かって高くなっており、その表面は円錐形状、すなわち駆動穴中心側に向かってすり鉢形状となっている。このことから、この部分にドライバビット30の先端が触れることでもドライバビット30はねじ1の中心側への移動作用を受けることになる。
【0022】
しかも、丘陵部20の表面は図3ないし図6に示すように、係合溝10の締め付け方向側の係合壁11は、緩め方向側の係合壁12より係合溝10の底面13からの高さが高くなっているので、ドライバビット30からのねじ締めトルクの伝達は安定することになる。
【0023】
このように構成されたねじ1をねじ込む場合は、図6に示すように、ねじ1の頭部2に形成されている駆動穴4に一致させるよう、ドライバビット30を押し付ける。このとき、ねじ1の係合溝10にはドライバビット30の係合羽根31が必ずしも一致して係合しないが、ドライバビット30の先端は頭部表面の丘陵部20に形成されている傾斜表面により、ねじ締め方向および駆動穴4の中心側に滑るので、係合羽根31は係合溝10に嵌ることになる。また、係合溝10の締め付け方向側の係合壁11はその外方端側がねじ1の緩め方向側の係合壁12より係合溝10の底面13からの高さが高いので、係合羽根31が係合溝10から滑り出ることなく確実に嵌ることになる。
【0024】
このようにして、ドライバビット30のねじ締めトルクがねじ1の駆動穴4に伝達されると、ねじ1の脚部3はワーク(図示せず)にねじ込まれる。このねじ締め作用によりねじ1が所定量ねじ込まれてワークに頭部2の座面6が着座すると、ねじ締め設定トルクとなり、ねじ締め作業が完了する。
【0025】
なお、この実施例では、頭部2の表面にY字形状の係合溝10を有する駆動穴4について説明したが、これを図9および図10に示すように、十字形状の係合溝10を有する駆動穴4としてもよく、この場合は係合溝10が前記実施例とは多くなるので、前記丘陵部20が狭くなっている。しかしながら、丘陵部20の表面は前記実施例と同様に合成傾斜角による傾斜表面を有するものであり、このため、同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0026】
1 ねじ
2 頭部
3 脚部
4 駆動穴
5 ねじ山
6 座面
7 首部
8 円錐穴
10 係合溝
11 締め付け方向側の係合壁
12 緩め方向側の係合壁
13 底面
20 丘陵部
21 内縁
22 外周壁
30 ドライバビット
31 係合羽根
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動穴(4)を有する頭部(2)とこれと一体の脚部(3)とから構成され、この脚部にねじ山(5)を形成したねじにおいて、
前記頭部の中心に頭部表面側から脚部にかけて駆動穴を形成し、この駆動穴の中心から放射方向に且つ円周方向等間隔をあけて複数条形成された係合溝(10)を形成し、
これら係合溝の間に形成される丘陵部(20)は、
ねじ締め回転方向後方側に位置する係合溝の締め付け方向側の係合壁との境界において当該係合壁を外周から駆動穴中心側の全長に渡って駆動穴中心側ほど低くするよう傾斜角(α)の角度で傾斜し、
ねじ締め回転方向前方側に位置する係合溝の緩め方向側の係合壁との境界においては、当該係合壁を外周側ほど高くするよう前記傾斜角(α)の傾斜に連続して傾斜角(α)よりも小さい傾斜角(β)で傾斜するとともに、
これら傾斜角(α)の傾斜から傾斜角(β)の傾斜に至る表面を傾斜角(α)から傾斜角(β)に変化する傾斜面として構成されることを特徴とするねじ部品の頭部駆動穴。
【請求項2】
頭部表面から丘陵部の表面に至る外周壁は、すり鉢形状に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ部品の頭部駆動穴。
【請求項3】
合成傾斜角はねじの軸線に直交する平面に対して8°32′より大きく17°より小さい角度であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のねじ部品の頭部駆動穴。
【請求項1】
駆動穴(4)を有する頭部(2)とこれと一体の脚部(3)とから構成され、この脚部にねじ山(5)を形成したねじにおいて、
前記頭部の中心に頭部表面側から脚部にかけて駆動穴を形成し、この駆動穴の中心から放射方向に且つ円周方向等間隔をあけて複数条形成された係合溝(10)を形成し、
これら係合溝の間に形成される丘陵部(20)は、
ねじ締め回転方向後方側に位置する係合溝の締め付け方向側の係合壁との境界において当該係合壁を外周から駆動穴中心側の全長に渡って駆動穴中心側ほど低くするよう傾斜角(α)の角度で傾斜し、
ねじ締め回転方向前方側に位置する係合溝の緩め方向側の係合壁との境界においては、当該係合壁を外周側ほど高くするよう前記傾斜角(α)の傾斜に連続して傾斜角(α)よりも小さい傾斜角(β)で傾斜するとともに、
これら傾斜角(α)の傾斜から傾斜角(β)の傾斜に至る表面を傾斜角(α)から傾斜角(β)に変化する傾斜面として構成されることを特徴とするねじ部品の頭部駆動穴。
【請求項2】
頭部表面から丘陵部の表面に至る外周壁は、すり鉢形状に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ部品の頭部駆動穴。
【請求項3】
合成傾斜角はねじの軸線に直交する平面に対して8°32′より大きく17°より小さい角度であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のねじ部品の頭部駆動穴。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−52668(P2012−52668A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261882(P2011−261882)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【分割の表示】特願2008−115504(P2008−115504)の分割
【原出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000227467)日東精工株式会社 (263)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【分割の表示】特願2008−115504(P2008−115504)の分割
【原出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000227467)日東精工株式会社 (263)
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