説明

ぼかし用具

【課題】水性インキ組成物で形成した筆跡を擦って、ぼかし部分を形成するのに適した用具を提供する。
【解決手段】表面に微細な孔を有し、気孔率が40〜90%である、多孔質体1を含むぼかし用具10で、水性インキ組成物により形成された筆跡を擦って、ぼかし部分を形成する。ぼかし用具10は、多孔質体1が、水性インキ組成物が充填された筆記具のキャップ2または尾栓に取り付けられたものであってよく、または筆記具以外の棒状物の端部に取り付けられたものであってよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性インキ組成物を筆記した後、一定時間の間に、筆跡を擦って、筆跡の周囲にぼかし部分を形成するのに用いる、ばかし用具に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、盛り上がった立体状の筆跡を形成できる水性インキ組成物が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。この水性インキ組成物に代表されるように、筆記具には、単に文字等を筆記する役割だけでなく、筆跡それ自体に意匠効果を付与する役割も求められている。
【特許文献1】特開2005−8873号公報
【特許文献2】特開2006−70236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように、筆記具の分野においては、筆跡それ自体に意匠効果を付与することが要求されている。例えば、筆跡の周囲に、ぼかし部分(または薄色部分もしくはパステル調部分)を形成できる筆記具は、筆跡の意匠性を向上させ得ると考えられる。そこで、本出願人は、筆跡の周囲に容易にぼかし部分を形成することが可能である、水性インキ組成物の提供を予定している。
【0004】
筆跡の周囲にぼかし部分を形成する簡便な方法は、指で筆跡を擦ることである。しかし、指で筆跡を擦ると、指にインキが付着するため、利用者によっては、そのような方法を好まない可能性がある。また、細かい場所にぼかし部分を形成したいときには、指では不都合なこともある。そのため、本発明者らは、筆跡を擦る専用の用具が必要であると考えた。
【0005】
絵画の分野では、パステルおよびコンテをぼかすための用具が、種々提供されている。しかし、それらはいずれも、それで水性インキ組成物で筆記した筆跡を擦っても、良好なぼかし部分が形成されない、即ち、指で擦ったときのようなぼかし効果を与えないものであった。かかる実情に鑑み、本発明は、水性インキ組成物のぼかしに適した、ぼかし用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表面に微細な孔を有し、気孔率が40〜90%である、多孔質体から成る、ぼかし用具を提供する。そのような多孔質体で筆跡を擦ると、多孔質体は、水性インキ組成物で形成された筆跡の表面の一部を擦り取り、擦り取った水性インキ組成物を孔に保持して、筆跡の周囲に運んだ後、筆跡の周囲の筆記面または描画面に保持していた水性インキ組成物を付着させると考えられる。
【0007】
多孔質体は、平均気孔径が10〜100μmであり、ゴム硬度が、5°〜100°である、ポリウレタン多孔質焼結体であることが好ましい。そのような多孔質体は、水性インキ組成物の筆跡の周囲にぼかし部分を形成するのに適している。
【0008】
上記ポリウレタン多孔質焼結体は、平均気孔径が10〜50μmであり、ゴム硬度が、5〜50°であるものであることがより好ましい。そのような多孔質体は、水性インキ組成物の筆跡の周囲にぼかし部分を形成するのに特に適している。
【0009】
あるいはまた、多孔質体は、繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させた繊維束であってよい。そのような繊維束は、繊維長手方向に連続する気孔を有しており、水性インキ組成物の筆跡の周囲にぼかし部分を形成するのに適している。
【0010】
本発明はまた、上記多孔質体が棒状物の端部に取り付けられた、棒状のぼかし用具を提供する。そのようなぼかし用具は、筆跡を擦る作業を容易にする。棒状物は、水性インキ組成物が充填された筆記具であってよい。
【0011】
本発明はまた、水性インキ組成物で形成された筆跡の周囲にぼかし部分を形成する方法であって、水性インキ組成物で筆跡を形成すること、および上記本発明のぼかし用具で、筆跡を擦ることを含む方法を提供する。この方法によれば、指を汚すことなく、水性インキ組成物で形成された筆跡から、インキを擦り取って筆跡の周囲に、ぼかし部分を形成でき、形成されたぼかし部分は、指でぼかしたような色調を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のぼかし用具は、指や手のひらを汚すことなく、水性インキ組成物で形成された筆跡の周囲にぼかし部分を形成することを可能にする。また、本発明のぼかし用具は、多孔質体を筆記具の端部に取り付けたり、または他の棒状物に取り付けたりして、より使い勝手のよい形態で提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のぼかし用具は、所定の気孔率を有する多孔質体を、筆跡を擦る部分として有する。そのような多孔質体は、1)筆跡を形成する水性インキ組成物の一部を擦り取る(または擦り落とす)、2)擦り取った、粉状の水性インキ組成物を保持する、3)保持した水性インキ組成物を、擦っている作業の間に徐々に放出して、筆跡の周囲の広い範囲にわたって再付着させる作用を奏すると考えられる。それらの作用を効果的に奏する多孔質体を以下に説明する。
【0014】
本発明のぼかし用具は、気孔率が40〜90%である、多孔質体を含む。気孔率は、体積と質量、および多孔質体を構成している材料の理論密度から求められる。気孔率が40%未満であると、多孔質体の表面における孔の数が少なくなり、擦り取ったインキを保持しにくくなる。気孔率が90%を越えると、擦り取ったインキを、筆記面または描画面に再付着させにくくなり、また、多孔質体の強度が小さくなって、筆跡を擦っている間に破損するおそれがある。
【0015】
この多孔質体は、表面に微細な孔を多数有する。微細な孔は独立気泡であっても、連続気泡であってもよく、好ましくは連続気泡である。
【0016】
多孔質体は、上記範囲内にある気孔率を有し、かつ平均気孔径が10〜100μmであり、ゴム硬度が、5°〜100°である、ポリウレタン多孔質焼結体であることが好ましい。そのようなポリウレタン焼結体は、より好ましくは、10〜50μmの平均気孔径、および5°〜50°のゴム硬度を有し、さらにより好ましくは、20〜40μmの平均気孔径および10〜30°のゴム硬度を有する。
【0017】
平均気孔径は、光学顕微鏡および電子顕微鏡にて、20個の気孔について測定した気孔径の平均値である。気孔が円形でない場合は、気孔を形成する輪郭の任意の2点を結ぶ線分のうち、最も長い線分の長さと最も短い線分の長さを足して2で割った値を、その気孔の気孔径とする。平均気孔径が小さいと、インキ組成物を擦り取りにくくなり、平均気孔径が大きくても、インキ組成物を擦り取にくく、また擦り取ったインキが多量に気孔内に保持されて、再付着させにくくなる。ゴム硬度は、JIS K6253に従って、例えば、株式会社テクロック製のデュロメータを用いて測定される。ゴム硬度が小さすぎると、柔らかくて、筆跡を擦りにくくなり、ゴム硬度が大きすぎると、筆跡を擦るときに、筆跡に密着させにくくなり、擦り取ったインキ組成物を筆跡の周囲に均等に伸ばすことができず、ムラが生じることがある。
【0018】
上記のより好ましい平均気孔径(即ち、10〜50μm)およびゴム硬度(即ち、5°〜50°)を有する、ポリウレタン多孔質焼結体は、例えば、トーヨーポリマー株式会社から、「ルビーセル」の商品名で販売されている。「ルビーセル」は、連続気孔を有し、適度な弾性を有することから、筆跡を擦って、ぼかし部分を形成するのに適している。
【0019】
あるいは、別の好ましいポリウレタン多孔質焼結体として、平均気孔径が50〜100μmであり、ゴム硬度が、50°〜100°であるものが挙げられる。そのようなポリウレタン多孔質焼結体において、平均気孔径は、50〜80μmであることがより好ましく、ゴム硬度は、50°〜80°であることがより好ましい。このようなポリウレタン多孔質焼結体は、筆記具のペン先に使用されるものである。このポリウレタン多孔質焼結体もまた、筆記具を擦ってぼかし部分を形成するのに適している。
【0020】
あるいはまた、本発明のぼかし用具は、上記気孔率を有する多孔質体として、繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させた繊維束であってよい。繊維束は、筆記具のペン先に使用されているようなものであってよい。具体的には、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、またはポリオレフィン繊維を集束したものを、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂またはポリウレタン樹脂で接着硬化させたものを用いることができる。この繊維束で、水性インキ組成物の筆跡を擦ったときも、ぼかし部分を良好に形成することができる。繊維束のより好ましい気孔率は40〜70%である。
【0021】
多孔質体は、そのままぼかし用具として用いてよい。即ち、消しゴムのように、ある程度の大きさの塊として提供し、それをぼかし用具として用いてよい。
【0022】
あるいは、図1に示すように、多孔質体(1)を適当な形状および寸法に加工して、ぼかし部分を形成する水性インキ組成物が充填された筆記具のキャップ(2)または尾栓の端部に取り付けて、筆記具兼ぼかし用具(10)として提供してよい。そのような筆記具は、利用者には便利である。また、筆記具は一種の棒状物であるから、これの端部に多孔質体が取り付けられたものは、取り扱いやすく、細かいぼかし部分を形成するのに適している。さらに、筆記具において一色の水性インキ組成物が充填されている場合には、多孔質体は一色の筆跡のみを擦ることになるから、ぼかし部分で色が混合しない。好ましくは、筆記具のキャップまたは尾栓の端部には、多孔質体を嵌め込むための凹部が設けられ、多孔質体は、その凹部に嵌め込んで使用することが好ましい。そのような形態によれば、多孔質体が汚損したときに、多孔質体を容易に取り替えることができる。
【0023】
図示した筆記具は、ボールペンである。ボールペンは、インキを装填したインキ収容管が軸内に設けられ、小さい球を装着したペン先から、インキを滲出させて筆記を行う筆記具である。筆記具はボールペンに限られず、インキをペン先から滲出させる、マーカー及びサインペンのような中芯式筆記具であってもよい。中芯式筆記具は、インキ収容部として繊維束が収束された中芯、および中芯に貯蔵されたインキを流出するペン先(チップ)を有し、ペン先として、例えば、ボール、繊維、プラスチック芯、ブラシ状物、または筆状物を備える筆記具である。
【0024】
あるいは、多孔質体は、筆記具ではない棒状物の端部に取り付けてよい。その場合、ぼかし用具は、独立した用具となる。そのような棒状のぼかし用具は、例えば、寸法を選択することにより、より細かいぼかし部分を形成するのに適したものとなる。また、この棒状のぼかし用具も、取扱いやすく、多孔質体が汚損したときに、多孔質体を容易に取り替え可能である。また、複数の色の筆跡を擦って、複数の色のぼかし部分を形成するときには、色ごとに、多孔質体を取り替えることによって、ぼかし部分で色が混合するのを防止できる。
【0025】
多孔質体は、棒状物の一方の端部または両方の端部に取り付けてよい。また、棒状物の寸法は特に限定されず、棒状物が筆記具である場合には、筆記具のその他の構成要素の寸法を考慮して決定され、棒状物が筆記具でない場合には、例えば、直径2〜10mm、長さ2〜10cm程度としてよい。棒状物は、その断面が円形であってよく、あるいは多角形(例えば三角形、四角形、五角形、六角形等)であってもよく、あるいはそのような断面を有する筒状体であってもよい。多孔質体の形状および寸法も特に限定されないが、例えば、筆記具に取り付ける場合には、直径5〜10mm、長さ5〜20mmのロッド状としてよく、上記寸法の棒状物に取り付ける場合には、直径5〜20mm、長さ10〜20mmのロッド状としてよい。
【0026】
多孔質体は、繰り返し使用されている間に、表面の孔が水性インキ組成物で塞がれて、ぼかし形成に適さないものとなることがある。その場合、表面部分を切り取って、新しい面を露出させると、再び、ぼかし形成を行うことができる。
【0027】
本発明のぼかし用具で、ぼかし部分を形成するのに適した水性インキ組成物は、樹脂粒子、定着剤としての水溶性樹脂、および水を含む組成物である。樹脂粒子は、好ましくは白色樹脂粒子であり、水溶性樹脂は、好ましくは、デキストリン、デンプン、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンから選択される、少なくとも1種の樹脂である。水性インキ組成物は、さらに着色剤を含んでよい。この水性インキ組成物は、筆記または描画したときに、盛り上がった筆跡を形成する。この筆跡を、筆記または描画後、数分以内(例えば、2〜3分以内)に本発明のぼかし用具で擦ると、筆跡の表面が擦り取られ、擦り取られたインキ組成物が、多孔質体により筆跡の周囲に運ばれて、ぼかし部分を形成する。その後、筆跡を数時間放置すると、筆跡およびぼかし部分はともに、筆記面又は描画面に定着して、他の紙等が重ねられても、色移りしなくなる。
【実施例】
【0028】
多孔質体として、以下のものを用意し、それぞれ1cm角の正方体にカットして、ぼかし用具とした。
・ポリウレタン多孔質焼結体1:「ルビーセル」(トーヨーポリマー株式会社製、ポリウレタン、気孔率80%、ゴム硬度10°、平均気孔径30μm)
・ポリウレタン多孔質焼結体2:筆記具のペン先用チップ(ポリウレタン、気孔率80%、ゴム硬度70°、平均気孔径15μm)
・繊維束:「MOタイプ」(オーベクス株式会社製、ポリエステル繊維をポリウレタン樹脂で接着硬化、気孔率50%)
・スポンジ:「カラーフォームEMB」(株式会社イノアックコーポレーション製、ポリウレタン、気孔率95%、平均気孔径500μm、ゴム硬度5°)
・シリコンゴム:「カラーシェイパー」(ターレンス社製、コンテ用ぼかし具)
・筆(馬毛):「パステルブラシNPF−S」(ターレンス社製、コンテ用ぼかし具)
【0029】
上記において、気孔率は、それぞれの体積および質量、ならびに多孔質体を構成している材料の理論密度から求めた。平均気孔径は、光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて、20個の気孔の気孔径の平均値とした。ゴム硬度は、JIS K6253に従って、デュロメータ(株式会社テクロック製)を用いて測定した。
【0030】
下記の組成を有する、水性インキ組成物を調製した。
(樹脂粒子)
「ローペイクウルトラ」(ローム&ハース社製、中空状白色樹脂粒子、固形分30%の水分散体、平均粒子径0.3μm):75.00重量%
(水溶性樹脂)
「ペノンPKW」(日澱化学社製、デキストリン):1.00重量%
(着色剤)
「ルミコールNKW6238E」(日本蛍光化学者製、固形分50重量%の青色樹脂球分散体):5.00重量%
(水溶性有機溶剤)
エチレングリコール:15.00重量%
(水)
イオン交換水:残部
【0031】
水性インキ組成物は、まず、所定量の水に水溶性樹脂を溶解させ、次いで、他の成分を投入し、ディゾルバーを用いて、室温(20℃)で1時間撹拌することにより調製した。得られた水性インキ組成物を、ステンレスボールペンチップ(ボール材質:セラミックス、ボール径:0.8mm)を一端に取り付けたポリプロピレン製インキ収容管に水性インキ組成物を充填し、インキ逆流防止体(ポリブテンをゲル化したもの)を充填して、ボールペンレフィールを作製した。次に、本体にボールペンレフィールを取り付け、キャップを装着した後、遠心分離機により管中の空気を除去し、それから尾栓を装着して、ボールペンを得た。
【0032】
このボールペンで形成した筆跡を、上記各ぼかし具で擦って、ぼかし具がインキを擦り取る力を目視にて評価し、ぼかし効果を色差を測定することによって評価した。
ぼかし具が水性インキ組成物を擦り取る力の目視による評価は、PPC用紙(上質紙)に筆記し、筆記してから、3分後に各ぼかし具で擦って、ぼかしたときの筆跡の状態を観察して実施した。評価基準は下記のとおりである。
○:筆跡(インキ組成物)の表面部を崩し、粉末状にすることができる。
×:筆跡(インキ組成物)を崩すことができない。
【0033】
色差による評価は、PPC用紙に直径3cmの円を描き、筆記してから、3分後に指で擦って、ぼかしたときの円の内部と用紙との色差(ΔE)を、旧ミノルタ株式会社製の色彩色差計CR−300を用いて求めることにより実施した。色差は、下記の式で表わされる。式中、Lは明度指数、aおよびbはクロマティクネス指数を示す。詳細は、同装置の取扱説明書(特に第77頁)に記載されている。ΔEが大きいほど、ぼかし効果が高いといえる。
【数1】

【0034】
評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
気孔率が40〜90%の多孔質体である、ポリウレタン多孔質焼結体1および2、ならびに繊維束は、筆跡の表面部を良好に擦り取ることができ、擦り取ったインキ組成物が筆跡の周囲で再定着して、良好なぼかし部分を形成した。これに対し、気孔率の大きいスポンジ、ならびにコンテのぼかし具として用いられているゴムおよび筆は、水性インキ組成物のぼかしには適していなかった。具体的には、スポンジは、擦り取る力が小さく、良好なぼかし効果を発揮できなかった。また、スポンジで筆跡を擦ると、スポンジそれ自体が傷んで、使用することができなくなった。シリコンゴムで筆跡を擦ると、ゴムが筆跡を押し固めてしまい、結果的に、インキ組成物は擦り取られず、よって周囲に付着する(伸びる)インキ組成物の量も少なく、ΔEが小さくなった。筆は筆跡を擦り取る力が弱く、したがってΔEも小さかった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のぼかし用具は、水性インキ組成物で形成した筆跡を擦ることにより、指で擦って得られるような、意匠効果の高いぼかし部分を形成するものであり、文房具または描画材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のぼかし用具の一例であって、筆記具を兼ねるぼかし用具の斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 多孔質体
2 キャップ
10 筆記具兼ぼかし用具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に微細な孔を有し、気孔率が40〜90%である、多孔質体を含む、水性インキ組成物用のぼかし用具。
【請求項2】
多孔質体が、平均気孔径が10〜100μmであり、ゴム硬度が、5°〜100°である、ポリウレタン多孔質焼結体である、請求項1に記載の水性インキ組成物用のぼかし用具。
【請求項3】
ポリウレタン多孔質焼結体が、10〜50μmの平均気孔径、および5°〜50°のゴム硬度を有する、請求項2に記載の水性インキ組成物用のぼかし用具。
【請求項4】
多孔質体が、繊維を集束して、バインダー樹脂で接着硬化させた繊維束である、請求項1に記載の水性インキ組成物用のぼかし用具。
【請求項5】
多孔質体が棒状物の端部に取り付けられて成る、棒状のぼかし用具である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性インキ組成物用のぼかし用具。
【請求項6】
棒状物が、水性インキ組成物が充填された筆記具である、請求項5に記載の水性インキ組成物用のぼかし用具。
【請求項7】
水性インキ組成物で形成された筆跡の周囲にぼかし部分を形成する方法であって、
水性インキ組成物で筆跡を形成すること、および
請求項1〜6のいずれか1項に記載のぼかし用具で、筆跡を擦ること
を含む方法。

【図1】
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