説明

まな板用シート

【課題】 料理の際、まな板上に使い捨てタイプのクリーンキープ用シートを敷くことにより、まな板表面の雑菌あるいは料理材料臭等を除去する料理用清浄シートを提供する。
【解決手段】 まな板用シートは料理の一工程終了後使い捨て、次の料理工程が新たな料理材料の場合には、新しいまな板用シートをまな板の上に敷くとともにまな板用シートは内部の吸湿・吸油性ペーパー3を表面シールカバー2と裏面シールカバー3でサンドウィッチ状に構成され、裏面シールカバー3の表面にはまな板上での滑り止め機能を持たせ、料理中に表面シールカバーが包丁により切られることが発生しても、この切り口を通して料理材料の液汁が内部の吸湿・吸油性ペーパーに吸収されるので、吸湿・吸油性ペーパーの汚れ状況を見て、このシートを更に使用するか、新しいシートに取り替えるかを判断でき、絶えず清浄な状態で料理をすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まな板上に使い捨て用清浄シートを敷くことにより、まな板に発生する雑菌などを心配することなく常に清浄な状態で料理をすることができる状況を提供するまな板カバーシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
料理は一般に肉類、野菜、果物など各種料理材料を1枚のまな板上で行われている。また、絶えず液汁を含む料理材料が多く、時には時間経過により雑菌が増殖しまな板の料理面が不衛生になる。このため、まな板表面に熱湯をかけるか、あるいは日光に直射させることによりまな板表面を消毒している。あるいは吊具に引掛けて液汁を滴下させ、あるいは乾燥させている。
【特許文献1】特開2000−316734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これまで、料理中あるいは料理後、まな板表面の臭気あるいは料理材料の残滓除去のため、また清浄度を保つために度重なる水と洗剤での表面洗浄、熱湯や日光消毒処置を行っているが、この様なまな板表面の洗浄作業は家庭における主婦にとって精神的にも肉体的にも重労働の一つである。そのために洗浄の手間や腐敗菌の発生を防止する目的の「まな板シート」が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この提案は剛体であって防菌効果は小さく、且つ重量体で取扱いが良好ではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が提供するまな板シートは、上記課題を解決するために、吸湿性と吸油性を有するペーパーと、この両面とその周囲を化学系樹脂薄膜で包囲する包囲体とからなり、まな板の大きさに加工成形されているものである。したがって、この清浄なシートをまな板上に敷いて料理ができ、料理毎あるいは必要に応じ清浄シートを取り替えることによりまな板の清浄性が維持できる。しかも化学系樹脂薄膜がポリエチレンであり、製作が容易である。さらに本発明は、吸湿性と吸油性を有するペーパーと、この両面とその周囲を化学系樹脂薄膜で包囲する包囲体とからなり、まな板の短尺幅に合わせて長尺化形成するとともに、まな板の長尺に合わせた位置にミシン目加工し、このミシン目にて1枚ずつ切り取りできるようにしたことを特徴とするまな板用シートであり、料理毎に新しいまな板用シートを使用でき、清潔性がより維持される。
【発明の効果】
【0005】
まな板は料理には欠かせぬ厨房上の道具であり、肉魚類、野菜類、果物類など各種材料の使用においても同一まな板上で料理されるケースが多い。本発明によるまな板用シートは使い捨て形のシートである。肉や魚の料理において、包丁操作によりまな板用シートの表面の一部が切れても材料からでた血液を含む液汁等はまな板用シート内の吸湿・吸油性ペーパーが吸い取り、まな板表面を汚すことが極めて少なくなる。材料を変えて料理する場合、破損したまな板用シートを捨て、新たなまな板用シートを敷くことにより、どのような材料でもその新しい清浄シート上で料理することができるため、従来行ってきたまな板の洗浄、殺菌回数を大幅に減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、料理材料に変質を与えることなく、生体にとっても安全が確立しているポリエチレンあるいはポリ塩化ビニールデンのような化学系樹脂薄膜をシールカバーとして
その材料2枚で吸湿・吸油性の良いペーパーを上下で挟み前面シール化する。一枚のシートは標準的なまな板の大きさにする。これらのシートを一枚、一枚切り取りやすいミシン目を付けて連鎖状にして、各シートが平面を保つため折り畳む形で保管できる形態とする。
【実施例1】
【0007】
まず、本発明が提供するまな板用シートについて説明する。
図1は、まな板用シートの全体の斜視図であり、図2はその側面図であり、図3は図2内のAA断面図である。図中、1はまな板用シート1枚分の全体であり、2は表面シールカバー、3は吸湿・吸油性ペーパー、4は裏面シールカバー、5は滑り止めで裏面シールカバー上に前面付着させたもの、6は滑り止めの変形例で裏面シールカバー上にイボ形状のものを付着させたもの、7はミシン目でシートを1枚、1枚切り取るためのものである。
本発明のまな板用シート1の構成は、図3 A−A断面に示すように、吸湿・吸油性ペーパー3を薄い化成品シートによる表面シールカバー2と裏面シールカバー4をサンドウィッチ上に挟み上下および両側面のシールカバーで内部の空気を抜いた状態で吸湿・吸油性ペーパー3を封入する。大きさは標準まな板の大きさか、それより若干小さめのシートに加工成形する。このまな板用シート上で料理材料を包丁で切る際、まな板用シート1がまな板上で滑り、料理上問題がでる可能性があるが、この場合は裏面シールカバー4上に滑り止め5を設ける。この滑り止め5により料理中にまな板用シート1が滑ることはなくなり安定した状態で包丁さばきが可能となる。包丁を使用しての料理中、表面シート2は料理材料と一緒に切られることが屡々発生するが、吸湿・吸油性ペーパー3までを切るケースは少ない。表面シート2が包丁によって切られた場合、材料から出た液汁は切れ目を通し吸湿・吸油性ペーパー3に吸収される。料理が終了した場合、あるいは料理材料が魚から野菜に変わるような時、魚料理に使用したシートを捨て、新しいまな板シートを使用する。
【実施例2】
【0008】
図4と図5の違いは、まな板用シート1の裏面シールカバー4の表面に滑り止めをつけた状態を示し、図4は裏面シールカバー4の表面全面がサンドペーパー状になっている図であり、図5は裏面シールカバー4の表面全面の所々にイボ状の突起を設けることにより料理中にまな板用シート1が左右に動かないようにしたものである。このまな板用シート上で料理材料を包丁で切る際、まな板用シート1がまな板上で滑り、料理上問題がでる可能性があるが、この滑りを裏面シールカバー4上の滑り止め5により、料理中にまな板用シート1が滑ることなく安定した状態で包丁さばきが可能となる。包丁を使用しての料理中、表面シート2は料理材料と一緒に切られることが屡々発生するが、吸湿・吸油性ペーパー3までを切るケースは少ない。表面シート2が包丁によって切られた場合、材料から出た液汁は切れ目を通し吸湿・吸油性ペーパー3に吸収される。料理が終了した場合、あるいは料理材料が魚から野菜に変わるような時、魚料理に使用したシートを捨て、新しいまな板用シート1を準備する。
【実施例3】
【0009】
まな板用シート1にミシン目を入れたまな板用シートである。このミシン目間のサイズは特に規定するものではない。料理の内容によりシートの大きさが異なるため、各種サイズの大きさを選び料理できるようミシン目を付けることで適当なサイズで使用できる構造となる。但し、ミシン目の数が多くなりすぎると複数のミシン目7をもつシートを1枚のシートとして使用する場合、ミシン目を通して料理材料の汁あるいは血液などがまな板上のしみ出るため、切り取りようミシン目7の間隔が小さすぎることは、本発明のまな板用シート1を使用する価値が減少するため商品化の時点ではユーザ要望仕様を考慮に入れてミシン目7の間隔を決めねばならない。
【0010】
本発明のまな板用シート1の利点は、料理に際し、必ずしもまな板上で使用するだけでなく、平面上のところであればどこでも平面台を汚すことなく使用できる利点を有する。また、料理中に表面シート2に包丁による切り傷が付いても、料理材料からでた液汁や油、あるいは肉料理の場合の肉汁(血液)など表面シート2に付いた包丁の切れ目から吸湿・吸油性ペーパー3が吸い取るため周囲を汚すことなく、また、臭気も押さえることができる。
本発明のまな板用シートは上述したように、料理をする際、まな板あるいはそれに変わる台を汚すことなく、衛生管理上安全を保つことができ、料理後は簡単に廃棄できるため、常に安価で且つ衛生的な料理を可能とさせるものを提供する。実施例3に示すミシン目入り長尺形まな板用シートは折りたたみ式にして収納することもできるし、ロールに巻いてもよい。このロールは厨房の場にて天井から吊持させ、まな板シートを順次取り出せるようにすることができ、上記説明ならびに図示例には限定されない。さらに円形のまな板に対しては円形のまな板シートが提供される。本発明が請求の範囲で特定するまな板の大きさは、その形状に対しても適用されるものであり、矩形体に限定されるものではない。また、まな板を使用せず、本発明のまな板シートをテーブル上に敷いて使用することも可能でありシートサイズは必ずしもまな板サイズにとらわれるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明が提供するまな板用シートの斜視図である。
【図2】本発明によるまな板用シートの側面図である。
【図3】図2のA−A断面図で、まな板用シートの構成を示す。
【図4】(a)は他の変形例を示す断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図5】(a)はさらに別な変形例を示す断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【符号の説明】
【0012】
1 まな板用シート
2 表面シールカバー
3 吸湿・吸油性ペーパー
4 裏面シールカバー
5 滑り止めで裏面シールカバー上に前面付着させたもの
6 滑り止めで裏面シールカバー上にイボ状の形状のものを付着させたもの
7 ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸湿性と吸油性を有するペーパーとこの両面とその周囲を化学系樹脂薄膜での包囲体とからなり、まな板の大きさに加工成形したことを特徴とするまな板用シート。
【請求項2】
化学系樹脂薄膜がポリエチレンであることを特徴とする請求項1記載のまな板シート。
【請求項3】
化学系樹脂薄膜がポリ塩化ビニールデンであることを特徴とする請求項1記載のまな板シート。
【請求項4】
吸湿性と吸油性を有するペーパーと、その両面と周囲を化学系樹脂膜で包囲する包囲体とからなり、まな板の短尺幅に合わせて長尺化形成するとともに、まな板の長尺に合わせた位置にミシン目を加工し、このミシン目にて1枚、1枚切り取りできるようにしたことを特徴とするまな板用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−125522(P2009−125522A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306761(P2007−306761)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(591123540)
【Fターム(参考)】