めっき補助具及びこれを用いためっき方法
【課題】吊下げ具と樹脂成形品との間に補助具を介在させることで、異なる形状の樹脂成形品を同時にめっき処理することができ、かつ迅速にめっき処理でき、更にめっきムラが生じることを防止する。
【解決手段】長方形状の主板材2に、その長手方向に対して直角方向に根元部分で切り離し自在に並列させた複数の舌片3と、主板材2から、舌片3を容易に折損して切り離し得るように、主板材2と各舌片3との間に形成した折損用折り線4と、から成るめっき補助具1であり、めっき処理に際して、不要な舌片3を切り離し、残した舌片3の先端を樹脂成形品Wのめっきをしない面に接着すると共に、主板材2に吊下げ具51を掛け止めるように構成した。
【解決手段】長方形状の主板材2に、その長手方向に対して直角方向に根元部分で切り離し自在に並列させた複数の舌片3と、主板材2から、舌片3を容易に折損して切り離し得るように、主板材2と各舌片3との間に形成した折損用折り線4と、から成るめっき補助具1であり、めっき処理に際して、不要な舌片3を切り離し、残した舌片3の先端を樹脂成形品Wのめっきをしない面に接着すると共に、主板材2に吊下げ具51を掛け止めるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品にめっきを施す際に使用するめっき用治具に係り、特に異なる形状の樹脂成形品を同時に樹脂めっきする際に用いるめっき補助具及びこれを用いためっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な樹脂めっき方法は、図8に示すように、めっきする樹脂成形品に、その樹脂成形品の表面粗化するエッチング工程、エッチング中和工程、触媒付与工程、導電化工程(又は無電解めっき)を施し、このように前処理した樹脂成形品に、銅めっき工程、ニッケルめっき工程の順で各めっき処理を施し、最後にクロムめっき工程を施して終了する。
【0003】
このような各工程を経る樹脂めっきでは、図9に示すように、樹脂成形品を吊下げ具51のようなめっき用治具に取り付けて実施している。この吊下げ具51は、支柱52に挟持部53を複数取り付けたものである。挟持部53はばねで先端が開閉挟持するようになっている。各挟持部53の先端は樹脂成形品Wを掛け止められるように鉤部54が形成されている。この吊下げ具51は、例えば、自動車用内装ドアハンドル、外装ドアハンドル、外装ハンドルカバー部品等のような自動車用樹脂めっき部品、シャワーヘッド、蛇口部品等のような住宅関連樹脂めっき部品、更に携帯電話部品のように同一形状のものを大量に生産する際に適している。
【0004】
また、図10に示すように、上下2本ずつの計4本の挟持部53で1個の樹脂成形品Wを4か所の鉤部54で掛け止めるようになる構成の吊下げ具51も使用されている。これは、大きな樹脂成形品の取り付けに適している。
【0005】
プリント板のような薄板状のワークにめっきをする場合に使用されるめっき用ハンガー治具に関する技術について、例えば特許文献1の実開平7−40774号公報「めっき用ハンガー治具」に、薄板状のワークを確実に保持することができ、ロボットによるワークの着脱を容易に行うことができ、ワークのサイズに応じて下枠の高さ調節を行うことができ、しかもめっき液中における金属面の露出をなくすることができるめっき用ハンガー治具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平7−40774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、文字、数字などの表札、部屋番号、銘板のような変形形状の樹脂成形品Wについて樹脂めっきする際には、このような従来の大量生産用の吊下げ具51では様々な形態の樹脂成形品Wに対応することが困難であった。樹脂成形品Wに合わせて寸法の調節、接触間隔をその都度調節する必要があり大変煩雑な作業であった。文字のように、漢字は元より、平仮名、片仮名では、主要部分から分離した部分、いわゆる「離れ小島」の文字が多いからである。作業中に樹脂成形品Wが落下するという不具合も生じることがあった。
【0008】
例えば、図11に示すように、(a),(c)のクエスチョンマーク(疑問符)又は(b),(d)のエクスクラメイションマーク(感嘆符)を表示する樹脂成形品Wは、1組が3個の部材から構成されている。クエスチョンマークの場合は枠61と鉤状部62と点部63の3点から成る。エクスクラメイションマークの場合も枠61と棒状部64と点部63の3点から成る。これらを別々にめっき処理すると先ず寸法が大きく異なり、上述した吊下げ具51の挟持部53の鉤部54に掛け止めることが困難であった。例えば、一番大きな枠61を固定する吊下げ具51の挟持部53を、そのまま一番小さい点部63に用いることは困難であった。そこで、この樹脂成形品Wを吊下げ具51に取り付ける際に長時間を要し、かつ煩雑な作業になりやすいという問題を有していた。
【0009】
また、樹脂成形品Wを鉤部54(針金部分)に直接掛け止めると、その鉤部54に「めっきムラ」が生じやすいという問題を有していた。特に、銘板のように人の目に触れやすい製品における「めっきムラ」は商品価値が大きく低下することがあった。
【0010】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、吊下げ具と樹脂成形品との間に補助具を介在させることで、異なる形状の樹脂成形品を同時にめっき処理することができ、かつ迅速にめっき処理でき、更にめっきムラが生じることを防止することができるめっき補助具及びこれを用いためっき方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のめっき補助具は、樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、樹脂成形品(W)を吊下げ具(51)に吊り掛ける際に一時的に取り付けるめっき補助具(1)であって、長方形状の主板材(2)に、その長手方向に対して直角方向に根元部分で切り離し自在に並列させた複数の舌片(3)と、前記主板材(2)から、舌片(3)を容易に折損して切り離し得るように、該主板材(2)と各舌片(3)との間に形成した折損用折り線(4)と、から成り、めっき処理に際して、不要な舌片(3)を切り離し、残した舌片(3)の先端を樹脂成形品(W)のめっきをしない面に取り付けると共に、前記主板材(2)に吊下げ具(51)を掛け止めるように構成した、ことを特徴とする。
【0012】
前記舌片(3)は、全体が四角形状になるもの又は樹脂成形品(W)が取り付けられる先端(3a)が根元より狭く形成されたものが好ましい。
【0013】
前記折損用折り線(4)は、前記主板材(2)と各舌片(3)の根元の間に形成された溝である。
【0014】
前記主板材(2)に、該主板材(2)を複数に分割できるように、該主板材(2)の長手方向に対して直角方向に分割用折り線(22)を更に形成することができる。
前記分割用折り線(22)は、前記主板材(2)を容易に折損分割できるように、該該主板材(2)に形成した溝である。
前記分割用折り線(22)は、前記隣接する舌片(3)同士の間から延長するように形成したものである。
前記舌片(3)自体に、その根元部から先端方向に対して直角方向に複数の折損用折り線(4)を形成することも可能である。
【0015】
本発明のめっき方法は、樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、樹脂成形品(W)をめっき補助具(1)に一時的に取り付け、該めっき補助具(1)を吊下げ具(51)に掛け止めるめっき補助具を用いためっき方法であって、先ず、前記めっき補助具(1)の略長方形状の主板材(2)に複数並列具備した舌片(3)から不要な舌片(3)を切り離し、次に、このめっき補助具(1)に残した舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)のめっきをしない面を取り付け、この樹脂成形品(W)を取り付けためっき補助具(1)の主板材(2)を、吊下げ具(51)に掛け止めて湿式めっきする、ことを特徴とする。
【0016】
前記主板材(2)を樹脂成形品(W)の大きさになるように折損分割し、短くしためっき補助具(1)の舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)を取り付けることができる。
前記主板材(2)から舌片(3)を切り離し、残したそれぞれの舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)を取り付けることにより、1枚のめっき補助具(1)に複数の樹脂成形品(W)を取り付けることもできる。
【発明の効果】
【0017】
上記構成のめっき補助具(1)では、樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、この樹脂成形品(W)の裏面のような樹脂めっきをしない面に、めっき補助具(1)を接着剤などで接着して取り付け、このめっき補助具(1)を吊下げ具(51)で吊り下げてめっき浴に浸漬する。そこで、従来のように、樹脂成形品(W)自体に吊下げ具(51)の針金の先端が、樹脂成形品(W)の複数箇所を挟むように保持していないので、めっきムラが生じない。
【0018】
このめっき補助具(1)は、複数ある舌片(3)は何れも主板材(2)から折損用折り線(4)部分で必要に応じて容易に折損して切り離すことができる。複数の部品で1組を構成する樹脂成形品(W)については、必要な舌片(3)を残し、残した各舌片(3)の先端に樹脂成形品(W)を接着剤などで取り付ける。この状態で、このめっき補助具(1)を吊下げ具(51)で吊り下げてめっき浴に浸漬する。いわゆる離れ小島になる樹脂成形品(W)についても同一条件で湿式めっきを実施することができる。
【0019】
全体が四角形状になる舌片(3)は、その先端が広範囲になり、樹脂成形品(W)に広い範囲で接着剤などを塗布することができ、大きく重量がある樹脂成形品(W)の場合に適している。なお、1枚の樹脂成形品(W)には、必ずしも1枚の舌片(3)を使用することに限定されず、大きな樹脂成形品(W)の場合は、複数の舌片(3)を取り付けて、強度的に安定した状態で使用する。
一方、先端(3a)が根元より狭く形成された舌片(3)は、小さい樹脂成形品(W)に適している。例えば、上述した四角形状になる舌片(3)の1辺より短い対角線を有する樹脂成形品(W)に適している。あるいは、細い部分がある樹脂成形品(W)、複雑な形状を有する樹脂成形品(W)に適している。
【0020】
溝状の折損用折り線(4)は、この折損用折り線(4)部分で容易に主板材(2)から各舌片(3)を折損して切り離すことができる。プライヤー、ペンチなどの工具を使用しても、使用しなくても簡単に折損することができる。なお、この折損用折り線(4)は樹脂成形品(W)を接着剤などで取り付ける際に、ある程度の剛性を維持し、吊下げ具(51)で吊り下げてめっき浴に浸漬するときに不用意に破損しない程度の強度は有している。
【0021】
更に、主板材(2)は、その分割用折り線(22)部分で所望の長さに、折損分割して容易に寸法の調節をすることができる。長尺の樹脂成形品(W)のときは、主板材(2)そのままの長さで用いるが、寸法が短い樹脂成形品(W)のときは、その樹脂成形品(W)の大きさに主板材(2)の長さを調節して使用する。
【0022】
複数本の折損用折り線を形成した舌片(3)では、段差を有する樹脂成形品(W)に適している。あるいは厚い樹脂成形品(W)と薄い樹脂成形品(W)とを同時にめっきするときに適している。厚い樹脂成形品(W)は短く折損した舌片(3)に取り付け、薄い樹脂成形品(W)は折損していない舌片(3)に接着することにより、それぞれのめっきする面が略同一の位置なり同じめっき条件でめっきでき、めっきムラが生じにくい。
【0023】
上記構成の方法では、複数の部材で1組を構成する樹脂成形品(W)については、必要な舌片(3)を残し、残した各舌片(3)の先端に樹脂成形品(W)を接着剤などで取り付ける。この状態で、めっき補助具(1)を吊下げ具(51)で吊り下げてめっき浴に浸漬する。いわゆる離れ小島になる樹脂成形品(W)についても同一条件で湿式めっきを実施することができる。
めっき処理が終了したら、吊下げ具(51)からめっき補助具(1)の主板材(2)を外し、次に、樹脂成形品(W)に取り付けている舌片(3)を外す。このとき、樹脂成形品(W)の面に対して舌片(3)の先端が、「線」で接着されているので、弱い力で樹脂成形品(W)から舌片(3)を外すことができる。
【0024】
長方形状の主板材(2)から切り離し自在になる複数の舌片(3)に、異なる形状の複数の樹脂成形品(W)を接着剤などで取り付けることができ、これら異なる形状の樹脂成形品(W)ついて同時に樹脂めっきすることができる。従来のような樹脂成形品(W)に合わせて、吊下げ具(51)の挟持部(53)の鉤部(54)の寸法の調節、接触間隔の調節などの手間が省略でき、迅速なめっき処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1のめっき補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図2】図1のB−B線拡大断面図であり、(a)は舌片の切り離し前の状態、(b)は舌片の切り離し中の状態、(c)は舌片を切り離した状態である。
【図3】めっき補助具の主板材を短く分割し、かつ4枚の舌片を切り離した状態を示す拡大正面図である。
【図4】めっき補助具を吊下げ具に掛け止めてめっき浴に浸漬する状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の1本のめっき補助具に複数個の樹脂成形品を取り付けた状態を示す斜視図(a)と、これと対比するために従来方式の状態を示す斜視図(b)である。
【図6】めっき補助具の他の使用方法を示し、クエスチョンマークとエクスクラメイションマークの配置状態で1本のめっき補助具に取り付けた状態を示し、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図7】実施例2のめっき補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図8】一般的な樹脂めっき方法を示す工程図である。
【図9】1個の樹脂成形品を挟持部で掛け止める構成の吊下げ具を示す斜視図である。
【図10】上下4本の挟持部で1個の樹脂成形品を掛け止める構成の吊下げ具を示す斜視図である。
【図11】樹脂成形品の一例を示す正面図であり、(a)はクエスチョンマーク、(b)はエクスクラメイションマーク、(c)はクエスチョンマーク用部品をバラバラにした状態、(d)はエクスクラメイションマーク用部品をバラバラにした状態である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、異なる形状の樹脂成形品を同時に樹脂めっきする際に、樹脂成形品を吊下げ具に吊り掛け、一時的に取り付けるめっき補助具用である。
【実施例1】
【0027】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1のめっき補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。図2は図1のB−B線拡大断面図であり、(a)は舌片の切り離し前の状態、(b)は舌片の切り離し中の状態、(c)は舌片を切り離した状態である。
実施例1のめっき補助具1は、略長方形状の主板材2に、その長手方向に対して直角方向に根元部分で切り離し自在に複数の舌片3を並列させたものである。本発明のめっき補助具1には、主板材2から不要な舌片3を容易に折損して切り離し得るように、主板材2と各舌片3との間に折損用折り線4が形成されている。
【0028】
実施例1の主板材2は、図示するように1枚の細長い板状の部材である。めっき補助具1は合成樹脂材からなり、容易に切断又は接着剤または粘着剤を塗布できる素材が好ましい。また、樹脂成形品Wを吊下げ具51で吊り掛ける補助具として機能させるために、ある程度の剛性と強度を有する。その一方で、めっき浴への浸漬が終了し、乾燥工程が終了したら、樹脂成形品Wから容易に取り外せる素材のものが好ましい。更に、主板材2には、吊下げ具51の挟持部53の鉤部54を掛け止めやすいように、複数の貫通孔や凹凸面を形成したものでもよい(図示していない)。
【0029】
複数の舌片3は、その先端に樹脂成形品Wを接着剤又は粘着剤などで取り付ける部材である。原則として複数並列している舌片3の先端は面一になっている。この舌片3は、その根元部分、即ち折損用折り線4で主板材2から切り離すことができ、1箇所の舌片3に1個の樹脂成形品Wを接着剤などで取り付ける。但し、大きな樹脂成形品Wのときは、これに複数の舌片3を同時に取り付けることも可能である。このときは、複数の舌片3の先端は面一になっていると樹脂成形品Wとの密着性が高まり、樹脂成形品Wへの取り付けが容易になる。
【0030】
図示例の折損用折り線4は、主板材2と各舌片3の根元とに形成された溝である。この溝は、主板材2と各舌片3の板厚より薄くなったものである。この折損用折り線4の溝が他の部材より脆弱になり、容易に折損しやすくなる。そこで、めっき補助具1の使用に際して、図2(a)から(b)に示すように、折損用折り線4の溝部分で舌片3を折り曲げる。次に図2(c)に示すように、折損したらその舌片3を切り離す。
【0031】
図3はめっき補助具の主板材を短く分割し、かつ4枚の舌片を切り離した状態を示す拡大正面図である。
図示例では主板材2を短く分割し、その主板材2の両端に舌片3を1カ所ずつ残した例を示している。このように舌片3を残しためっき補助具1は、両端の舌片3に樹脂成形品Wを接着剤又は粘着剤で取り付け、この隙間になる舌片3を切り離した空間は、吊下げ具51の挟持部53の鉤部54を掛け止める部分になる。閉鎖された空間を形成するため、挟持部53の鉤部54が外れづらくなり、安心してめっき処理作業を実施することができる。
【0032】
なお、折損用折り線4はこの溝構造に限定されず、複数の貫通孔が開けられたものでもよい(図示していない)。この折損用折り線4は舌片3を主板材2から容易に切り離せる構造であれば、溝又は貫通孔の構成以外のものでもよい。例えば、舌片3と主板材2とが別部材から成り、これらを後から接着剤で連結した構造でもよい。
【0033】
また、舌片3は、全体が四角形状になるものと、樹脂成形品Wが取り付けられる先端3aが根元より狭く形成されたものとが交互に並べられている。
全体が四角形状になる舌片3は、その先端が広範囲になり、樹脂成形品Wに広い範囲で接着剤又は粘着剤を塗布することができ、大きいもの、又は重量がある樹脂成形品Wの場合に適している。なお、1枚の樹脂成形品Wには、必ずしも1枚の舌片3を使用することに限定されず、大きな樹脂成形品Wの場合は、複数の舌片3を使用することができる。
【0034】
一方、先端3aが根元より狭く形成された舌片3は、小さい樹脂成形品Wに適している。例えば、上述した四角形状になる舌片3の1辺より短い対角線を有する樹脂成形品Wに適している。あるいは樹脂成形品Wが複雑な形状からなるものに適している。
【0035】
図1では2種類の舌片3を交互に配列した例を示している。しかし、この交互の配列に限定されず、全部が同じ四角形状になる舌片3を並列したもの、逆に全部が先端3aが細くなる同じ形状の舌片3を並列したものでもよい。取り付ける樹脂成形品Wの形状に合わせて配列することができる。または、1枚の主板材2の真ん中で分けて1側に四角形状になる舌片3をまとめて並列し、他側に先端3aが細くなる形状の舌片3をまとめて並列するという組み合わせでもよい。
【0036】
図4はめっき補助具を吊下げ具に掛け止めてめっき浴に浸漬する状態を示す斜視図である。
本発明のめっき補助具1は、舌片3の先端に樹脂成形品Wを接着剤又は粘着剤等で取り付ける。この状態で、このめっき補助具1を吊下げ具51に掛け止めてめっき浴に浸漬する。いわゆる離れ小島になる樹脂成形品Wについても同一条件で湿式めっきを実施する。更に舌片3を切り離していない隣接する舌片3の隙間に吊下げ具51の挟持部53の鉤部54に掛け止める。
【0037】
めっき処理が終了したら、吊下げ具51からめっき補助具1の主板材2を外し、次に、樹脂成形品Wに取り付けている舌片3を外す。このとき、樹脂成形品Wの面に対して舌片3の先端部が、「線」又は「点」で取り付けられているので、弱い力で樹脂成形品Wから舌片3は剥離することができる。
【0038】
図5は本発明の1本のめっき補助具に複数個の樹脂成形品を取り付けた状態を示す斜視図(a)と、これと対比するために従来方式の状態を示す斜視図(b)である。
本発明のめっき補助具1は必ずしも樹脂成形品Wの寸法に合わせて小さく分割して使用する必要はない。図示するように。1本のめっき補助具1の舌片3の先端に複数の樹脂成形品Wを接着剤又は粘着剤で接着して取り付けることができる。図示例では異なるアルファベット文字の樹脂成形品Wを1本のめっき補助具1に取り付けた状態を示している。文字1個の樹脂成形品Wは1本又は2本の舌片3で固定している。樹脂成形品Wが隣接する位置の舌片3は切り離してある。このように、本発明のめっき補助具1は複数の形状が異なる樹脂成形品Wを同時に取り扱うことができ大量生産が可能になる。
【0039】
対比して表示した図5(b)は、従来の複数本の針金に樹脂成形品Wを取り付けた固定方式であり、1個の樹脂成形品Wに4か所の針金を掛け止める方式である。この4か所の針金を掛け止める作業は、大変煩雑な作業である。また、めっき処理の作業終了後も4か所の針金を外す作業時間が必要になり長時間を要するものであった。
これに対して、本発明の1本のめっき補助具1の各舌片3に接着剤又は粘着剤を塗布し、これに並べた複数の樹脂成形品Wに押し当てれば一瞬で取り付けが完了する。逆に、めっき処理の作業終了後に、複数の樹脂成形品Wからめっき補助具1を外すときは、めっき補助具1を傾ければ、舌片3は樹脂成形品Wから容易かつ迅速に外すことができ、作業が短時間で終了する。
【0040】
図6はめっき補助具の他の使用方法を示し、クエスチョンマークとエクスクラメイションマークの配置状態で1本のめっき補助具に取り付けた状態を示し、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
例えばクエスチョンマーク(疑問符)又はエクスクラメイションマーク(感嘆符)を表示する樹脂成形品Wは、図11に示したように1組が3個の部材61,62,63又は64から構成されている。これを従来では大きさと形状が同じ枠61のみだけをまとめてめっき処理し、同様に点部63のみ、鉤状部62(又は棒状部64)のみと処理していた。しかし、本発明のめっき補助具1を使用すれば、樹脂成形品Wの配置状態、枠61内に鉤状部62(又は棒状部64)と点部63が配置された状態で、本発明の1本のめっき補助具1の舌片3を取り付けることができる。勿論この時は、実際の使用するときにおける裏面側、めっきをしない面側にめっき補助具1を取り付ける。
【0041】
このようにめっき補助具1を用いてめっき処理すれば、1つの製品は常に同一条件のめっき処理を実施することができ、その製品のバラつきが生じない。また、1組の製品の部材の個数も常に同数になり、無駄に多くのめっき処理を実施したり、逆に個数が少ない部材が生じることもない。
【実施例2】
【0042】
図7は実施例2のめっき補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
実施例2のめっき補助具21は、主板材2にも、この主板材2を複数に分割できるように、主板材2の長手方向に対して直角方向に分割用折り線22を形成したものである。例えば、この主板材2を容易に折損分割できるように、この主板材2に溝を形成したものである。これらの分割用折り線22は、隣接する舌片3同士の間から延長するように形成したものである。
【0043】
実施例2のめっき補助具21の分割用折り線22は、主板材2を所望の長さに、折損分割して容易に寸法の調節をすることができる。長尺の樹脂成形品Wのときは、主板材2そのままの長さで用いるが、寸法が短い樹脂成形品Wのときは、その樹脂成形品Wの大きさに主板材2の長さを調節して使用する。なお、図示例では、全舌片3が隣接する位置に分割用折り線22を形成した状態を示しているが、全部に設ける必要はなく、数箇所に分散した状態で設けることも可能である。
【実施例3】
【0044】
実施例3のめっき補助具1は舌片3に複数本の折損用折り線を形成することもできる(図示していない)。複数本の折損用折り線を形成した舌片3では、厚みが相違する樹脂成形品Wを同時に取り付けるときに適している。厚い樹脂成形品Wは短く折損した舌片3に接着し、薄い樹脂成形品Wは折損していない舌片3に接着することにより、それぞれのめっきする面が略同一の位置になり同じめっき条件でめっきすることができ、めっきムラが生じにくい。
【0045】
または、めっきしない面側に段差を有する樹脂成形品Wについても、実施例3のめっき補助具1が適している。裏面側へ飛び出ている部分は舌片3全体を切り離し、少し出ている部分は、その長さに合わせて、舌片3先端の折損用折り線を切り離す。その他の突出していない部分はそのままの舌片3を取り付ける。
【0046】
なお、本発明は、吊下げ具51と樹脂成形品Wとの間にめっき補助具1,21を介在させることで、異なる形状の樹脂成形品Wを同時にめっき処理することができ、かつ迅速にめっき処理でき、更にめっきムラが生じることを防止することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のめっき補助具及びこれを用いためっき方法は、樹脂成形品に湿式めっきするときに利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 めっき補助具
2 主板材
3 舌片
3a 舌片の先端
4 折損用折り線
21 めっき補助具
22 分割用折り線
51 吊下げ具
W 樹脂成形品
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品にめっきを施す際に使用するめっき用治具に係り、特に異なる形状の樹脂成形品を同時に樹脂めっきする際に用いるめっき補助具及びこれを用いためっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な樹脂めっき方法は、図8に示すように、めっきする樹脂成形品に、その樹脂成形品の表面粗化するエッチング工程、エッチング中和工程、触媒付与工程、導電化工程(又は無電解めっき)を施し、このように前処理した樹脂成形品に、銅めっき工程、ニッケルめっき工程の順で各めっき処理を施し、最後にクロムめっき工程を施して終了する。
【0003】
このような各工程を経る樹脂めっきでは、図9に示すように、樹脂成形品を吊下げ具51のようなめっき用治具に取り付けて実施している。この吊下げ具51は、支柱52に挟持部53を複数取り付けたものである。挟持部53はばねで先端が開閉挟持するようになっている。各挟持部53の先端は樹脂成形品Wを掛け止められるように鉤部54が形成されている。この吊下げ具51は、例えば、自動車用内装ドアハンドル、外装ドアハンドル、外装ハンドルカバー部品等のような自動車用樹脂めっき部品、シャワーヘッド、蛇口部品等のような住宅関連樹脂めっき部品、更に携帯電話部品のように同一形状のものを大量に生産する際に適している。
【0004】
また、図10に示すように、上下2本ずつの計4本の挟持部53で1個の樹脂成形品Wを4か所の鉤部54で掛け止めるようになる構成の吊下げ具51も使用されている。これは、大きな樹脂成形品の取り付けに適している。
【0005】
プリント板のような薄板状のワークにめっきをする場合に使用されるめっき用ハンガー治具に関する技術について、例えば特許文献1の実開平7−40774号公報「めっき用ハンガー治具」に、薄板状のワークを確実に保持することができ、ロボットによるワークの着脱を容易に行うことができ、ワークのサイズに応じて下枠の高さ調節を行うことができ、しかもめっき液中における金属面の露出をなくすることができるめっき用ハンガー治具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平7−40774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、文字、数字などの表札、部屋番号、銘板のような変形形状の樹脂成形品Wについて樹脂めっきする際には、このような従来の大量生産用の吊下げ具51では様々な形態の樹脂成形品Wに対応することが困難であった。樹脂成形品Wに合わせて寸法の調節、接触間隔をその都度調節する必要があり大変煩雑な作業であった。文字のように、漢字は元より、平仮名、片仮名では、主要部分から分離した部分、いわゆる「離れ小島」の文字が多いからである。作業中に樹脂成形品Wが落下するという不具合も生じることがあった。
【0008】
例えば、図11に示すように、(a),(c)のクエスチョンマーク(疑問符)又は(b),(d)のエクスクラメイションマーク(感嘆符)を表示する樹脂成形品Wは、1組が3個の部材から構成されている。クエスチョンマークの場合は枠61と鉤状部62と点部63の3点から成る。エクスクラメイションマークの場合も枠61と棒状部64と点部63の3点から成る。これらを別々にめっき処理すると先ず寸法が大きく異なり、上述した吊下げ具51の挟持部53の鉤部54に掛け止めることが困難であった。例えば、一番大きな枠61を固定する吊下げ具51の挟持部53を、そのまま一番小さい点部63に用いることは困難であった。そこで、この樹脂成形品Wを吊下げ具51に取り付ける際に長時間を要し、かつ煩雑な作業になりやすいという問題を有していた。
【0009】
また、樹脂成形品Wを鉤部54(針金部分)に直接掛け止めると、その鉤部54に「めっきムラ」が生じやすいという問題を有していた。特に、銘板のように人の目に触れやすい製品における「めっきムラ」は商品価値が大きく低下することがあった。
【0010】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、吊下げ具と樹脂成形品との間に補助具を介在させることで、異なる形状の樹脂成形品を同時にめっき処理することができ、かつ迅速にめっき処理でき、更にめっきムラが生じることを防止することができるめっき補助具及びこれを用いためっき方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のめっき補助具は、樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、樹脂成形品(W)を吊下げ具(51)に吊り掛ける際に一時的に取り付けるめっき補助具(1)であって、長方形状の主板材(2)に、その長手方向に対して直角方向に根元部分で切り離し自在に並列させた複数の舌片(3)と、前記主板材(2)から、舌片(3)を容易に折損して切り離し得るように、該主板材(2)と各舌片(3)との間に形成した折損用折り線(4)と、から成り、めっき処理に際して、不要な舌片(3)を切り離し、残した舌片(3)の先端を樹脂成形品(W)のめっきをしない面に取り付けると共に、前記主板材(2)に吊下げ具(51)を掛け止めるように構成した、ことを特徴とする。
【0012】
前記舌片(3)は、全体が四角形状になるもの又は樹脂成形品(W)が取り付けられる先端(3a)が根元より狭く形成されたものが好ましい。
【0013】
前記折損用折り線(4)は、前記主板材(2)と各舌片(3)の根元の間に形成された溝である。
【0014】
前記主板材(2)に、該主板材(2)を複数に分割できるように、該主板材(2)の長手方向に対して直角方向に分割用折り線(22)を更に形成することができる。
前記分割用折り線(22)は、前記主板材(2)を容易に折損分割できるように、該該主板材(2)に形成した溝である。
前記分割用折り線(22)は、前記隣接する舌片(3)同士の間から延長するように形成したものである。
前記舌片(3)自体に、その根元部から先端方向に対して直角方向に複数の折損用折り線(4)を形成することも可能である。
【0015】
本発明のめっき方法は、樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、樹脂成形品(W)をめっき補助具(1)に一時的に取り付け、該めっき補助具(1)を吊下げ具(51)に掛け止めるめっき補助具を用いためっき方法であって、先ず、前記めっき補助具(1)の略長方形状の主板材(2)に複数並列具備した舌片(3)から不要な舌片(3)を切り離し、次に、このめっき補助具(1)に残した舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)のめっきをしない面を取り付け、この樹脂成形品(W)を取り付けためっき補助具(1)の主板材(2)を、吊下げ具(51)に掛け止めて湿式めっきする、ことを特徴とする。
【0016】
前記主板材(2)を樹脂成形品(W)の大きさになるように折損分割し、短くしためっき補助具(1)の舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)を取り付けることができる。
前記主板材(2)から舌片(3)を切り離し、残したそれぞれの舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)を取り付けることにより、1枚のめっき補助具(1)に複数の樹脂成形品(W)を取り付けることもできる。
【発明の効果】
【0017】
上記構成のめっき補助具(1)では、樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、この樹脂成形品(W)の裏面のような樹脂めっきをしない面に、めっき補助具(1)を接着剤などで接着して取り付け、このめっき補助具(1)を吊下げ具(51)で吊り下げてめっき浴に浸漬する。そこで、従来のように、樹脂成形品(W)自体に吊下げ具(51)の針金の先端が、樹脂成形品(W)の複数箇所を挟むように保持していないので、めっきムラが生じない。
【0018】
このめっき補助具(1)は、複数ある舌片(3)は何れも主板材(2)から折損用折り線(4)部分で必要に応じて容易に折損して切り離すことができる。複数の部品で1組を構成する樹脂成形品(W)については、必要な舌片(3)を残し、残した各舌片(3)の先端に樹脂成形品(W)を接着剤などで取り付ける。この状態で、このめっき補助具(1)を吊下げ具(51)で吊り下げてめっき浴に浸漬する。いわゆる離れ小島になる樹脂成形品(W)についても同一条件で湿式めっきを実施することができる。
【0019】
全体が四角形状になる舌片(3)は、その先端が広範囲になり、樹脂成形品(W)に広い範囲で接着剤などを塗布することができ、大きく重量がある樹脂成形品(W)の場合に適している。なお、1枚の樹脂成形品(W)には、必ずしも1枚の舌片(3)を使用することに限定されず、大きな樹脂成形品(W)の場合は、複数の舌片(3)を取り付けて、強度的に安定した状態で使用する。
一方、先端(3a)が根元より狭く形成された舌片(3)は、小さい樹脂成形品(W)に適している。例えば、上述した四角形状になる舌片(3)の1辺より短い対角線を有する樹脂成形品(W)に適している。あるいは、細い部分がある樹脂成形品(W)、複雑な形状を有する樹脂成形品(W)に適している。
【0020】
溝状の折損用折り線(4)は、この折損用折り線(4)部分で容易に主板材(2)から各舌片(3)を折損して切り離すことができる。プライヤー、ペンチなどの工具を使用しても、使用しなくても簡単に折損することができる。なお、この折損用折り線(4)は樹脂成形品(W)を接着剤などで取り付ける際に、ある程度の剛性を維持し、吊下げ具(51)で吊り下げてめっき浴に浸漬するときに不用意に破損しない程度の強度は有している。
【0021】
更に、主板材(2)は、その分割用折り線(22)部分で所望の長さに、折損分割して容易に寸法の調節をすることができる。長尺の樹脂成形品(W)のときは、主板材(2)そのままの長さで用いるが、寸法が短い樹脂成形品(W)のときは、その樹脂成形品(W)の大きさに主板材(2)の長さを調節して使用する。
【0022】
複数本の折損用折り線を形成した舌片(3)では、段差を有する樹脂成形品(W)に適している。あるいは厚い樹脂成形品(W)と薄い樹脂成形品(W)とを同時にめっきするときに適している。厚い樹脂成形品(W)は短く折損した舌片(3)に取り付け、薄い樹脂成形品(W)は折損していない舌片(3)に接着することにより、それぞれのめっきする面が略同一の位置なり同じめっき条件でめっきでき、めっきムラが生じにくい。
【0023】
上記構成の方法では、複数の部材で1組を構成する樹脂成形品(W)については、必要な舌片(3)を残し、残した各舌片(3)の先端に樹脂成形品(W)を接着剤などで取り付ける。この状態で、めっき補助具(1)を吊下げ具(51)で吊り下げてめっき浴に浸漬する。いわゆる離れ小島になる樹脂成形品(W)についても同一条件で湿式めっきを実施することができる。
めっき処理が終了したら、吊下げ具(51)からめっき補助具(1)の主板材(2)を外し、次に、樹脂成形品(W)に取り付けている舌片(3)を外す。このとき、樹脂成形品(W)の面に対して舌片(3)の先端が、「線」で接着されているので、弱い力で樹脂成形品(W)から舌片(3)を外すことができる。
【0024】
長方形状の主板材(2)から切り離し自在になる複数の舌片(3)に、異なる形状の複数の樹脂成形品(W)を接着剤などで取り付けることができ、これら異なる形状の樹脂成形品(W)ついて同時に樹脂めっきすることができる。従来のような樹脂成形品(W)に合わせて、吊下げ具(51)の挟持部(53)の鉤部(54)の寸法の調節、接触間隔の調節などの手間が省略でき、迅速なめっき処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1のめっき補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図2】図1のB−B線拡大断面図であり、(a)は舌片の切り離し前の状態、(b)は舌片の切り離し中の状態、(c)は舌片を切り離した状態である。
【図3】めっき補助具の主板材を短く分割し、かつ4枚の舌片を切り離した状態を示す拡大正面図である。
【図4】めっき補助具を吊下げ具に掛け止めてめっき浴に浸漬する状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の1本のめっき補助具に複数個の樹脂成形品を取り付けた状態を示す斜視図(a)と、これと対比するために従来方式の状態を示す斜視図(b)である。
【図6】めっき補助具の他の使用方法を示し、クエスチョンマークとエクスクラメイションマークの配置状態で1本のめっき補助具に取り付けた状態を示し、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
【図7】実施例2のめっき補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図8】一般的な樹脂めっき方法を示す工程図である。
【図9】1個の樹脂成形品を挟持部で掛け止める構成の吊下げ具を示す斜視図である。
【図10】上下4本の挟持部で1個の樹脂成形品を掛け止める構成の吊下げ具を示す斜視図である。
【図11】樹脂成形品の一例を示す正面図であり、(a)はクエスチョンマーク、(b)はエクスクラメイションマーク、(c)はクエスチョンマーク用部品をバラバラにした状態、(d)はエクスクラメイションマーク用部品をバラバラにした状態である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、異なる形状の樹脂成形品を同時に樹脂めっきする際に、樹脂成形品を吊下げ具に吊り掛け、一時的に取り付けるめっき補助具用である。
【実施例1】
【0027】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1のめっき補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。図2は図1のB−B線拡大断面図であり、(a)は舌片の切り離し前の状態、(b)は舌片の切り離し中の状態、(c)は舌片を切り離した状態である。
実施例1のめっき補助具1は、略長方形状の主板材2に、その長手方向に対して直角方向に根元部分で切り離し自在に複数の舌片3を並列させたものである。本発明のめっき補助具1には、主板材2から不要な舌片3を容易に折損して切り離し得るように、主板材2と各舌片3との間に折損用折り線4が形成されている。
【0028】
実施例1の主板材2は、図示するように1枚の細長い板状の部材である。めっき補助具1は合成樹脂材からなり、容易に切断又は接着剤または粘着剤を塗布できる素材が好ましい。また、樹脂成形品Wを吊下げ具51で吊り掛ける補助具として機能させるために、ある程度の剛性と強度を有する。その一方で、めっき浴への浸漬が終了し、乾燥工程が終了したら、樹脂成形品Wから容易に取り外せる素材のものが好ましい。更に、主板材2には、吊下げ具51の挟持部53の鉤部54を掛け止めやすいように、複数の貫通孔や凹凸面を形成したものでもよい(図示していない)。
【0029】
複数の舌片3は、その先端に樹脂成形品Wを接着剤又は粘着剤などで取り付ける部材である。原則として複数並列している舌片3の先端は面一になっている。この舌片3は、その根元部分、即ち折損用折り線4で主板材2から切り離すことができ、1箇所の舌片3に1個の樹脂成形品Wを接着剤などで取り付ける。但し、大きな樹脂成形品Wのときは、これに複数の舌片3を同時に取り付けることも可能である。このときは、複数の舌片3の先端は面一になっていると樹脂成形品Wとの密着性が高まり、樹脂成形品Wへの取り付けが容易になる。
【0030】
図示例の折損用折り線4は、主板材2と各舌片3の根元とに形成された溝である。この溝は、主板材2と各舌片3の板厚より薄くなったものである。この折損用折り線4の溝が他の部材より脆弱になり、容易に折損しやすくなる。そこで、めっき補助具1の使用に際して、図2(a)から(b)に示すように、折損用折り線4の溝部分で舌片3を折り曲げる。次に図2(c)に示すように、折損したらその舌片3を切り離す。
【0031】
図3はめっき補助具の主板材を短く分割し、かつ4枚の舌片を切り離した状態を示す拡大正面図である。
図示例では主板材2を短く分割し、その主板材2の両端に舌片3を1カ所ずつ残した例を示している。このように舌片3を残しためっき補助具1は、両端の舌片3に樹脂成形品Wを接着剤又は粘着剤で取り付け、この隙間になる舌片3を切り離した空間は、吊下げ具51の挟持部53の鉤部54を掛け止める部分になる。閉鎖された空間を形成するため、挟持部53の鉤部54が外れづらくなり、安心してめっき処理作業を実施することができる。
【0032】
なお、折損用折り線4はこの溝構造に限定されず、複数の貫通孔が開けられたものでもよい(図示していない)。この折損用折り線4は舌片3を主板材2から容易に切り離せる構造であれば、溝又は貫通孔の構成以外のものでもよい。例えば、舌片3と主板材2とが別部材から成り、これらを後から接着剤で連結した構造でもよい。
【0033】
また、舌片3は、全体が四角形状になるものと、樹脂成形品Wが取り付けられる先端3aが根元より狭く形成されたものとが交互に並べられている。
全体が四角形状になる舌片3は、その先端が広範囲になり、樹脂成形品Wに広い範囲で接着剤又は粘着剤を塗布することができ、大きいもの、又は重量がある樹脂成形品Wの場合に適している。なお、1枚の樹脂成形品Wには、必ずしも1枚の舌片3を使用することに限定されず、大きな樹脂成形品Wの場合は、複数の舌片3を使用することができる。
【0034】
一方、先端3aが根元より狭く形成された舌片3は、小さい樹脂成形品Wに適している。例えば、上述した四角形状になる舌片3の1辺より短い対角線を有する樹脂成形品Wに適している。あるいは樹脂成形品Wが複雑な形状からなるものに適している。
【0035】
図1では2種類の舌片3を交互に配列した例を示している。しかし、この交互の配列に限定されず、全部が同じ四角形状になる舌片3を並列したもの、逆に全部が先端3aが細くなる同じ形状の舌片3を並列したものでもよい。取り付ける樹脂成形品Wの形状に合わせて配列することができる。または、1枚の主板材2の真ん中で分けて1側に四角形状になる舌片3をまとめて並列し、他側に先端3aが細くなる形状の舌片3をまとめて並列するという組み合わせでもよい。
【0036】
図4はめっき補助具を吊下げ具に掛け止めてめっき浴に浸漬する状態を示す斜視図である。
本発明のめっき補助具1は、舌片3の先端に樹脂成形品Wを接着剤又は粘着剤等で取り付ける。この状態で、このめっき補助具1を吊下げ具51に掛け止めてめっき浴に浸漬する。いわゆる離れ小島になる樹脂成形品Wについても同一条件で湿式めっきを実施する。更に舌片3を切り離していない隣接する舌片3の隙間に吊下げ具51の挟持部53の鉤部54に掛け止める。
【0037】
めっき処理が終了したら、吊下げ具51からめっき補助具1の主板材2を外し、次に、樹脂成形品Wに取り付けている舌片3を外す。このとき、樹脂成形品Wの面に対して舌片3の先端部が、「線」又は「点」で取り付けられているので、弱い力で樹脂成形品Wから舌片3は剥離することができる。
【0038】
図5は本発明の1本のめっき補助具に複数個の樹脂成形品を取り付けた状態を示す斜視図(a)と、これと対比するために従来方式の状態を示す斜視図(b)である。
本発明のめっき補助具1は必ずしも樹脂成形品Wの寸法に合わせて小さく分割して使用する必要はない。図示するように。1本のめっき補助具1の舌片3の先端に複数の樹脂成形品Wを接着剤又は粘着剤で接着して取り付けることができる。図示例では異なるアルファベット文字の樹脂成形品Wを1本のめっき補助具1に取り付けた状態を示している。文字1個の樹脂成形品Wは1本又は2本の舌片3で固定している。樹脂成形品Wが隣接する位置の舌片3は切り離してある。このように、本発明のめっき補助具1は複数の形状が異なる樹脂成形品Wを同時に取り扱うことができ大量生産が可能になる。
【0039】
対比して表示した図5(b)は、従来の複数本の針金に樹脂成形品Wを取り付けた固定方式であり、1個の樹脂成形品Wに4か所の針金を掛け止める方式である。この4か所の針金を掛け止める作業は、大変煩雑な作業である。また、めっき処理の作業終了後も4か所の針金を外す作業時間が必要になり長時間を要するものであった。
これに対して、本発明の1本のめっき補助具1の各舌片3に接着剤又は粘着剤を塗布し、これに並べた複数の樹脂成形品Wに押し当てれば一瞬で取り付けが完了する。逆に、めっき処理の作業終了後に、複数の樹脂成形品Wからめっき補助具1を外すときは、めっき補助具1を傾ければ、舌片3は樹脂成形品Wから容易かつ迅速に外すことができ、作業が短時間で終了する。
【0040】
図6はめっき補助具の他の使用方法を示し、クエスチョンマークとエクスクラメイションマークの配置状態で1本のめっき補助具に取り付けた状態を示し、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
例えばクエスチョンマーク(疑問符)又はエクスクラメイションマーク(感嘆符)を表示する樹脂成形品Wは、図11に示したように1組が3個の部材61,62,63又は64から構成されている。これを従来では大きさと形状が同じ枠61のみだけをまとめてめっき処理し、同様に点部63のみ、鉤状部62(又は棒状部64)のみと処理していた。しかし、本発明のめっき補助具1を使用すれば、樹脂成形品Wの配置状態、枠61内に鉤状部62(又は棒状部64)と点部63が配置された状態で、本発明の1本のめっき補助具1の舌片3を取り付けることができる。勿論この時は、実際の使用するときにおける裏面側、めっきをしない面側にめっき補助具1を取り付ける。
【0041】
このようにめっき補助具1を用いてめっき処理すれば、1つの製品は常に同一条件のめっき処理を実施することができ、その製品のバラつきが生じない。また、1組の製品の部材の個数も常に同数になり、無駄に多くのめっき処理を実施したり、逆に個数が少ない部材が生じることもない。
【実施例2】
【0042】
図7は実施例2のめっき補助具を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
実施例2のめっき補助具21は、主板材2にも、この主板材2を複数に分割できるように、主板材2の長手方向に対して直角方向に分割用折り線22を形成したものである。例えば、この主板材2を容易に折損分割できるように、この主板材2に溝を形成したものである。これらの分割用折り線22は、隣接する舌片3同士の間から延長するように形成したものである。
【0043】
実施例2のめっき補助具21の分割用折り線22は、主板材2を所望の長さに、折損分割して容易に寸法の調節をすることができる。長尺の樹脂成形品Wのときは、主板材2そのままの長さで用いるが、寸法が短い樹脂成形品Wのときは、その樹脂成形品Wの大きさに主板材2の長さを調節して使用する。なお、図示例では、全舌片3が隣接する位置に分割用折り線22を形成した状態を示しているが、全部に設ける必要はなく、数箇所に分散した状態で設けることも可能である。
【実施例3】
【0044】
実施例3のめっき補助具1は舌片3に複数本の折損用折り線を形成することもできる(図示していない)。複数本の折損用折り線を形成した舌片3では、厚みが相違する樹脂成形品Wを同時に取り付けるときに適している。厚い樹脂成形品Wは短く折損した舌片3に接着し、薄い樹脂成形品Wは折損していない舌片3に接着することにより、それぞれのめっきする面が略同一の位置になり同じめっき条件でめっきすることができ、めっきムラが生じにくい。
【0045】
または、めっきしない面側に段差を有する樹脂成形品Wについても、実施例3のめっき補助具1が適している。裏面側へ飛び出ている部分は舌片3全体を切り離し、少し出ている部分は、その長さに合わせて、舌片3先端の折損用折り線を切り離す。その他の突出していない部分はそのままの舌片3を取り付ける。
【0046】
なお、本発明は、吊下げ具51と樹脂成形品Wとの間にめっき補助具1,21を介在させることで、異なる形状の樹脂成形品Wを同時にめっき処理することができ、かつ迅速にめっき処理でき、更にめっきムラが生じることを防止することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のめっき補助具及びこれを用いためっき方法は、樹脂成形品に湿式めっきするときに利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 めっき補助具
2 主板材
3 舌片
3a 舌片の先端
4 折損用折り線
21 めっき補助具
22 分割用折り線
51 吊下げ具
W 樹脂成形品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、樹脂成形品(W)を吊下げ具(51)に吊り掛ける際に一時的に取り付けるめっき補助具(1)であって、
長方形状の主板材(2)に、その長手方向に対して直角方向に根元部分で切り離し自在に並列させた複数の舌片(3)と、
前記主板材(2)から、舌片(3)を容易に折損して切り離し得るように、該主板材(2)と各舌片(3)との間に形成した折損用折り線(4)と、から成り、
めっき処理に際して、不要な舌片(3)を切り離し、残した舌片(3)の先端を樹脂成形品(W)のめっきをしない面に取り付けると共に、前記主板材(2)に吊下げ具(51)を掛け止めるように構成した、ことを特徴とするめっき補助具。
【請求項2】
前記舌片(3)は、全体が四角形状になるものである、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項3】
前記舌片(3)は、樹脂成形品(W)が取り付けられる先端(3a)が根元より狭く形成されたものである、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項4】
前記折損用折り線(4)は、前記主板材(2)と各舌片(3)の根元の間に形成された溝である、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項5】
前記主板材(2)に、該主板材(2)を複数に分割できるように、該主板材(2)の長手方向に対して直角方向に分割用折り線(22)を更に形成した、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項6】
前記分割用折り線(22)は、前記主板材(2)を容易に折損分割できるように、該主板材(2)に形成した溝である、ことを特徴とする請求項5のめっき補助具。
【請求項7】
前記分割用折り線(22)は、前記隣接する舌片(3)同士の間から延長するように形成したものである、ことを特徴とする請求項5のめっき補助具。
【請求項8】
前記舌片(3)自体に、その根元部から先端方向に対して直角方向に複数の折損用折り線を形成した、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項9】
樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、樹脂成形品(W)をめっき補助具(1)に一時的に取り付け、該めっき補助具(1)を吊下げ具(51)に掛け止めるめっき補助具を用いためっき方法であって、
先ず、前記めっき補助具(1)の略長方形状の主板材(2)に複数並列具備した舌片(3)から不要な舌片(3)を切り離し、
次に、このめっき補助具(1)に残した舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)のめっきをしない面を取り付け、
この樹脂成形品(W)を取り付けためっき補助具(1)の主板材(2)を、吊下げ具(51)に掛け止めて湿式めっきする、ことを特徴とするめっき補助具を用いためっき方法。
【請求項10】
前記主板材(2)を樹脂成形品(W)の大きさになるように折損分割し、短くしためっき補助具(1)の舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)を取り付ける、ことを特徴とする請求項9のめっき補助具を用いためっき方法。
【請求項11】
前記主板材(2)から舌片(3)を切り離し、残したそれぞれの舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)を取り付けることにより、1枚のめっき補助具(1)に複数の樹脂成形品(W)を取り付ける、ことを特徴とする請求項9のめっき補助具を用いためっき方法。
【請求項1】
樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、樹脂成形品(W)を吊下げ具(51)に吊り掛ける際に一時的に取り付けるめっき補助具(1)であって、
長方形状の主板材(2)に、その長手方向に対して直角方向に根元部分で切り離し自在に並列させた複数の舌片(3)と、
前記主板材(2)から、舌片(3)を容易に折損して切り離し得るように、該主板材(2)と各舌片(3)との間に形成した折損用折り線(4)と、から成り、
めっき処理に際して、不要な舌片(3)を切り離し、残した舌片(3)の先端を樹脂成形品(W)のめっきをしない面に取り付けると共に、前記主板材(2)に吊下げ具(51)を掛け止めるように構成した、ことを特徴とするめっき補助具。
【請求項2】
前記舌片(3)は、全体が四角形状になるものである、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項3】
前記舌片(3)は、樹脂成形品(W)が取り付けられる先端(3a)が根元より狭く形成されたものである、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項4】
前記折損用折り線(4)は、前記主板材(2)と各舌片(3)の根元の間に形成された溝である、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項5】
前記主板材(2)に、該主板材(2)を複数に分割できるように、該主板材(2)の長手方向に対して直角方向に分割用折り線(22)を更に形成した、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項6】
前記分割用折り線(22)は、前記主板材(2)を容易に折損分割できるように、該主板材(2)に形成した溝である、ことを特徴とする請求項5のめっき補助具。
【請求項7】
前記分割用折り線(22)は、前記隣接する舌片(3)同士の間から延長するように形成したものである、ことを特徴とする請求項5のめっき補助具。
【請求項8】
前記舌片(3)自体に、その根元部から先端方向に対して直角方向に複数の折損用折り線を形成した、ことを特徴とする請求項1のめっき補助具。
【請求項9】
樹脂成形品(W)について湿式めっきする際に、樹脂成形品(W)をめっき補助具(1)に一時的に取り付け、該めっき補助具(1)を吊下げ具(51)に掛け止めるめっき補助具を用いためっき方法であって、
先ず、前記めっき補助具(1)の略長方形状の主板材(2)に複数並列具備した舌片(3)から不要な舌片(3)を切り離し、
次に、このめっき補助具(1)に残した舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)のめっきをしない面を取り付け、
この樹脂成形品(W)を取り付けためっき補助具(1)の主板材(2)を、吊下げ具(51)に掛け止めて湿式めっきする、ことを特徴とするめっき補助具を用いためっき方法。
【請求項10】
前記主板材(2)を樹脂成形品(W)の大きさになるように折損分割し、短くしためっき補助具(1)の舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)を取り付ける、ことを特徴とする請求項9のめっき補助具を用いためっき方法。
【請求項11】
前記主板材(2)から舌片(3)を切り離し、残したそれぞれの舌片(3)の先端に、樹脂成形品(W)を取り付けることにより、1枚のめっき補助具(1)に複数の樹脂成形品(W)を取り付ける、ことを特徴とする請求項9のめっき補助具を用いためっき方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−36083(P2013−36083A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172833(P2011−172833)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(594035138)柿原工業株式会社 (14)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(594035138)柿原工業株式会社 (14)
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