説明

アイシャドーブラシ

【課題】 ブラシ部を中央ブラシ部と周辺ブラシ部との二重構成とすることで、コシを持たせた中央ブラシ部で目の際やアイラインをスムーズに描けるようにし、柔らかさに優れる周辺ブラシ部でアイシャドーのぼかし塗りを行えるようにしたアイシャドーブラシを一本にまとめたものを提供する。
【解決手段】 アイシャドーブラシ10は、管状体11の先端部12に刷毛を取り付けてブラシ部13を形成し、管状体11の基端部14に柄15を設け、ブラシ部13の先端を先細状に形成し、中央ブラシ部17にコシを持たせるように毛組をしたものである。ブラシ部13の中央ブラシ部17を、松りすとイタチの毛とをそれぞれ50%ずつ混合したコシのある混毛とし、中央ブラシ部17の周囲の周辺ブラシ部18を、松りす100%の比較的柔らかい毛としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアイシャドーブラシに係り、さらに詳しくは、管状体の先端部に刷毛を植設してブラシ部を形成し、管状体の基端部に設けた柄を掴んでブラシ部の先端部で目の際やアイラインをスムーズに描けるようにしたアイシャドーブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、目の際やアイラインを描くためにアイシャドーブラシが使用されている。このアイシャドーブラシは、通常、管状体の先端部に刷毛を植設してブラシ部を形成し、管状体の基端部に柄が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−295441号公報 また、アイシャドーブラシのなかには、管状体の先端部に植設する刷毛として、複数種の毛を均一に混毛したものもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、アイシャドーブラシとしては、目の際のアイライン等を専用とするブラシ(一般的にイタチの毛等,コシのある毛を使用したもの)と、ふんわりとぼかすことを専用とするブラシ(一般的に灰りすや松りすの毛等,柔らかな感触のある毛を使用したもの)の二種が必要となる。
【0004】
しかしながら、これらの二種のアイシャドーブラシを別々に用意すると、この二種を使い分ける際に持ち替えたり、一方をバッグ内に収納したりと手間のかかることがあった。
【0005】
この発明は、ブラシ部を中央ブラシ部と周辺ブラシ部との二重構成とすることで、コシを持たせた中央ブラシ部で目の際やアイラインをスムーズに描けるようにし、柔らかさに優れる周辺ブラシ部でアイシャドーのぼかし塗りを行えるようにしたアイシャドーブラシを一本にまとめたものを提供して、上述した全ての問題点を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、管状体の先端部に刷毛を植設してブラシ部を形成し、管状体の基端部に柄を設けたアイシャドーブラシにおいて、前記ブラシ部を中央ブラシ部と周辺ブラシ部との二重構成とし、ブラシ部の先端部を先細状に形成し、中央ブラシ部にコシを持たせるように毛組をしたことを特徴とする。
【0007】
ブラシ部を中央ブラシ部と周辺ブラシ部との二重構成とし、ブラシ部の先端部を先細状に形成し、中央ブラシ部にコシを持たせるように毛組をしたので、先端部を肌に沿わせながら、所望の強さで肌に押し付けることが可能となり、この中央ブラシ部の先端部で目の際やアイラインを描くことが容易となった。
【0008】
一方、中央ブラシ部を囲う周辺ブラシ部の毛には、ある程度の柔らかさを持たせたので、周辺ブラシ部は肌にやさしいブラシ部となり、この周辺ブラシ部でアイシャドーのぼかし塗りを行えるようにした。
【0009】
請求項2は、前記ブラシ部の中央ブラシ部を松りすとイタチの毛とをそれぞれ50%ずつ混合した混毛とし、該中央ブラシ部の周囲の周辺ブラシ部を松りす100%の毛としたことを特徴とする。
【0010】
ブラシ部の中央ブラシ部を松りすとイタチの毛とをそれぞれ50%ずつ混合することで、中央ブラシ部に適度のコシを持たせることが可能となった。
【0011】
請求項3は、前記ブラシ部の中央ブラシ部をイタチの毛50%、灰りすの毛50%とし、該中央ブラシ部の周囲の周辺ブラシ部を灰りすの毛としたことを特徴とする。
【0012】
ブラシ部の中央ブラシ部をイタチの毛50%、灰りすの毛50%で構成することで、中央ブラシ部に適度のコシを持たせることが可能となった。
【発明の効果】
【0013】
請求項1乃至3に係る発明では、ブラシ部の先端部を先細状に形成し、ブラシ部の中央ブラシ部にコシを持たせるように毛組をすることで、コシのある中央ブラシ部で目の際やアイラインをスムーズに描けるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下添付図面に基づいて、本発明に係るアイシャドーブラシの一実施の形態を詳説する。
図1は本発明に係るアイシャドーブラシの第1実施の形態を示す平面図、図2は同側面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は本発明に係るアイシャドーブラシの第2実施の形態を示す側面図、図5は図4のB−B線断面図である。
【0015】
まず本発明に係るアイシャドーブラシを製造するに際しては、刷毛の材料となる各種の毛を準備(混毛する場合は、その混毛割合のものを準備する)し、穂先形状を整えるためにつぼと称する型を利用して整形し(つぼ入れ)、この毛をつぼから取り出してのりでかため、その長さを調整した後、中央ブラシ部17と、周辺ブラシ部18とを準備する。
【0016】
ついで、周辺ブラシ部18の中央付近をドリルで穴あけし、その穴の中に中央ブラシ部17をセットしてブラシ部13を完成させ、その状態のブラシ部13をのりで固め、これを口金にセットしてアイシャドーブラシ10を得るものである。
このため、ブラシ部13の先端部16は先細状に形成されている。
【0017】
図1〜図3に示すように、第1実施の形態のアイシャドーブラシ10は、アルミ製の管状体11の先端部12に上記のブラシ部13を取付け、管状体11の基端部14に柄15を設けたもので、中央ブラシ部17にコシを持たせるように毛組をしたものである。
柄15は、例えば黒檀ツヤ無しの円柱状のロッドで、表面にクリア塗装を施したものである。
【0018】
管状体11の先端部12を断面扁平状に形成することにより、図3に示すようにブラシ部13の断面を扁平状に形成することができる。またブラシ部13の先端部16を先細状に形成することで、ブラシ部13全体を剣状に形成できる。
このアイシャドーブラシ10は、フラットタイプの熊野化粧筆である。
【0019】
このブラシ部13の、中央ブラシ部17には、松りすとイタチの毛とをそれぞれ50%ずつ混合したコシのある混毛を使用し、中央ブラシ部17の周囲の周辺ブラシ部18には、松りす100%の比較的柔らかい毛を使用することが好ましい。
【0020】
このように構成することで、ブラシ部13の中央ブラシ部17の先端で目の際やアイラインを描きやすくし、先端部14の中央ブラシ部17を使用者の肌に沿わせながら、所望の強さで肌に押し付けて、目の際やアイラインをスムーズに描けるようにしている。
【0021】
つぎに中央ブラシ部17を覆う周囲の周辺ブラシ部18の毛に、松りすの毛100%の比較的柔らかい毛を用いると、特に柔らかさを持たせることが可能になり、ふんわりとぼかすような使用に適したアイシャドーブラシとなる。
【0022】
ブラシ部13の中央ブラシ部17を松りすとイタチの毛とをそれぞれ50%ずつ混合すると、中央ブラシ部17に所望のコシを持たせることが可能となる。
【0023】
ついで、図4〜図5に基づいて第2実施の形態のアイシャドーブラシ20を説明する。なお、第2実施の形態のアイシャドーブラシ20において第1実施の形態のアイシャドーブラシ10と同一類似の部材については、同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
図4〜図5に示すように、第2実施の形態のアイシャドーブラシ20は、アルミ製の管状体21の先端部22を断面円形に形成してブラシ部24を断面円形に形成したもので、その他の構成は第1実施の形態のアイシャドーブラシ10と同様である。
【0025】
図5に示すように、ブラシ部24の断面を円形に形成し、ブラシ部24を先細状に形成することで、ブラシ部24をペンシル状の先端に形成することができる。
管状体21の基端部23には柄15を設ける。
このアイシャドーブラシ20は、スティックタイプの熊野化粧筆である。
【0026】
このブラシ部24の中央ブラシ部26を、イタチの毛50%、灰りすの毛50%のコシを有する毛とし、中央ブラシ部の周囲の周辺ブラシ部27を、灰りすの毛100%の比較的柔らかい毛としている。
これにより、ペンシル状に形成されたブラシ部24の先端部25のうち、特に影響の大きい中央ブラシ部26を、コシのある毛で形成している。
【0027】
第2実施の形態のアイシャドーブラシ20によれば、第1実施の形態のアイシャドーブラシ10と同様の効果を得ることができる。
すなわち、ブラシ部24の中央ブラシ部26で目の際やアイラインを描きやすくし、中央ブラシ部26を使用者の肌に沿わせながら、所望の強さで使用者の肌に押し付けることで、目の際やアイラインをスムーズに描けるようにしている。
【0028】
また、中央ブラシ部26を覆う周囲の周辺ブラシ部27の毛に、灰りすの毛100%の比較的柔らかい毛を用いると柔らかさを持たせることが可能になり、この部分を使用してアイシャドーのぼかし塗りが容易に行えるようになる。
【0029】
また、ブラシ部24の中央ブラシ部26をイタチの毛50%、灰りすの毛50%で構成すると、特に使い勝手の良いアイシャドーブラシを形成することができる。
【0030】
なお、前記実施の形態で示したブラシ部13,24の毛は、一例を示したものであり、このブラシ部13,24の毛として用いたイタチの毛、松りす、灰りすの毛は適宜変更することも可能である。
さらに、前記実施の形態では、ブラシ部13,24を断面扁平状や円形状のものを例に説明したが、ブラシ部13,24の断面形状は適宜変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るアイシャドーブラシの第1実施の形態を示す平面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】本発明に係るアイシャドーブラシの第2実施の形態を示す側面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0032】
10,20…アイシャドーブラシ
11,21…管状体
12,22…管状体の先端部
13,24…ブラシ部
14,23…管状体の基端部
15…柄
16,25…ブラシ部の先端部
17,26…中央ブラシ部
18,27…周辺ブラシ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状体の先端部に刷毛を植設してブラシ部を形成し、管状体の基端部に柄を設けたアイシャドーブラシにおいて、
前記ブラシ部を中央ブラシ部と周辺ブラシ部との二重構成とし、ブラシ部の先端部を先細状に形成し、中央ブラシ部にコシを持たせるように毛組をしたことを特徴とするアイシャドーブラシ。
【請求項2】
前記ブラシ部の中央ブラシ部を松りすとイタチの毛とをそれぞれ50%ずつ混合した混毛とし、該中央ブラシ部の周囲の周辺ブラシ部を松りす100%の毛としたことを特徴とする請求項1に記載のアイシャドーブラシ。
【請求項3】
前記ブラシ部の中央ブラシ部をイタチの毛50%、灰りすの毛50%とし、該中央ブラシ部の周囲の周辺ブラシ部を灰りすの毛としたことを特徴とする請求項1に記載のアイシャドーブラシ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate