説明

アウト玉回収装置

【課題】多数のアウト玉が同時に押し寄せてきても目詰まりし難いアウト玉回収装置を提供する。
【解決手段】パチンコ台又はその付属装置に取り付け可能であって、1個のアウト玉の直径よりも大きい直径を有する上方の開口と、各々アウト玉を1個ずつ排出することができる2つ以上の下方の開口と、を備え、パチンコ台のアウト玉排出口から落下してきたアウト玉を上方の開口から取り込み、この取り込んだアウト玉を2つ以上の下方の開口からそれぞれ排出する、ことを特徴とするアウト玉回収装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ台、パチンコ台機能を含む遊技装置に用いるアウト玉回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アウト玉排出口から落下してくるアウト玉を受け皿により受け取って貯溜し、この受け皿に貯溜したアウト玉を落下孔からアウト玉回収樋に排出するパチンコ玉収容器が提案された。このパチンコ玉収容器においては、落下孔を通過するパチンコ玉の量が検出される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平4−32134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のパチンコ玉収容器では、大量のアウト玉が落下孔に同時に押し寄せてきた場合、落下孔が目詰まりしてしまい、アウト玉がパチンコ玉収容器から溢れてしまう、あるいは、アウト玉の数やアウト玉が排出されたタイミングを正確に測定することが困難になるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、多数のアウト玉が同時に押し寄せてきても目詰まりし難いアウト玉回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記課題は、次の手段により解決される。
【0007】
本発明は、パチンコ台又はその付属装置に取り付け可能であって、1個のアウト玉の直径よりも大きい直径を有する上方の開口と、各々アウト玉を1個ずつ排出することができる2つ以上の下方の開口と、を備え、パチンコ台のアウト玉排出口から落下してきたアウト玉を前記上方の開口から取り込み、この取り込んだアウト玉を前記2つ以上の下方の開口からそれぞれ排出する、ことを特徴とするアウト玉回収装置である。
【0008】
また、本発明は、上記のアウト玉回収装置であって、さらに、前記上方の開口から取り込んだアウト玉を前記2つ以上の下方の開口へそれぞれ振り分ける振分部を具備することを特徴とするアウト玉回収装置である。
【0009】
また、本発明は、上記のアウト玉回収装置であって、さらに、2つ以上の下方の開口へそれぞれ振り分けられたアウト玉同士が干渉しないように装置内部を仕切る仕切部を具備することを特徴とするアウト玉回収装置である。
【0010】
また、本発明は、上記のアウト玉回収装置であって、さらに、前記2つ以上の下方の開口のそれぞれにアウト玉を検出するセンサを取り付けたことを特徴とするアウト玉回収装置である。
【0011】
また、本発明は、前記上方の開口を所定の軸方向において移動可能にすることを特徴とする上記のアウト玉回収装置である。
【0012】
また、本発明は、前記上方の開口を傾斜可能にすることを特徴とする上記のアウト玉回収装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、多数のアウト玉が同時に押し寄せてきても目詰まりし難いアウト玉回収装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置をパチンコ台の背面にある受け皿に取り付けた様子を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置の斜視図である。
【図3】第1例に係る回収容器を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)はA−A断面図、(d)は底面図である。
【図4】第2例に係る回収容器を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)はB−B断面図、(d)は底面図である。
【図5】第3例に係る回収容器を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)はC−C断面図、(d)は底面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る保持部及び取付部の分解斜視図である。
【図7】保持部が回収容器を上下移動可能にする様子を説明する図である。
【図8】保持部が回収容器を傾斜可能にする様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置をパチンコ台の背面にある受け皿に取り付けた様子を示す図である。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10は、パチンコ台20の背面に設けられた受け皿30に取り付けられる。従来、パチンコ台20の背面から排出されるアウト玉は、受け皿30により回収されてきたが、本発明の実施形態では、この受け皿30に代わり、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10がパチンコ台20の背面から排出されるアウト玉を回収する。本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10により回収されたアウト玉は、受け皿30を通って、アウト玉樋40に排出される。
【0018】
本発明に係るアウト玉回収装置10は、パチンコ台20又はその付属装置に取り付け可能に構成される。上記の受け皿30は、パチンコ台20の付属装置の一例であり、本発明に係るアウト玉回収装置10は、パチンコ台10に付属している受け皿30以外の付属装置に取り付けることもできる。本発明に係るアウト玉回収装置10は、パチンコ台20に直接取り付けることもできる。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置の斜視図である。
図2に示すように、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10は、回収容器11と、保持部12と、取付部13と、を具備している。回収容器11が保持部12に取り付けられ、保持部12が取付部13に取り付けられ、取付部13が受け皿30に取り付けられることにより、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10は受け皿30に取り付けられる。回収容器11の下方に形成された開口には、パチンコ玉を検出するセンサが取り付けられる(図3〜5参照)。
【0020】
回収容器11は、図2中の矢印で示すように上下左右に移動させることができ、また、傾斜させることができる。したがって、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10によれば、パチンコ台背面のアウト玉排出口21に対して回収容器11を適切に位置させることができ、アウト玉排出口21から排出されるアウト玉をほぼ漏れることなく回収することができる。
【0021】
なお、アウト玉排出口の位置や形状はパチンコ台の機種ごとに異なるが、上記のように、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10によれば、上下左右への移動や傾斜により、アウト玉が排出されるアウト玉排出口21に対して回収容器11を適切に位置させることができる。したがって、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10は、パチンコ台の異なる機種間で用いることができる。
【0022】
[回収容器]
次に、本発明の実施形態に係る回収容器について説明する。
【0023】
(第1例に係る回収容器)
図3は、第1例に係る回収容器を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)はA−A断面図、(d)は底面図である。第1例の理解を容易にするため、図3(a)においては、傾斜している部分を波線で示している。また、図3(c)のA−A断面図には、パチンコ玉の流れの一例を示している。
【0024】
図3に示すように、第1例に係る回収容器11−1は、1個のアウト玉の直径よりも大きい直径を有する上方の開口11aと、各々アウト玉を1個ずつ排出することができる2つの下方の開口11bとを備えている。
【0025】
また、図3に示すように、第1例に係る回収容器11−1は、パチンコ台20のアウト玉排出口21から落下してきたアウト玉を上方の開口11aから取り込み、この取り込んだアウト玉を2つの下方の開口11bからそれぞれ排出する。
【0026】
このように、第1例に係る回収容器11−1を備えたアウト玉回収装置10によれば、上方の開口11aから取り込んだアウト玉を2つの下方の開口11bにより分散して排出することができるため、下方の開口11bが1つしかない従来の受け皿20と比較して、多数のアウト玉が同時に押し寄せてきても目詰まりし難いアウト玉回収装置10を提供することができる。
【0027】
(第2例に係る回収容器)
図4は、第2例に係る回収容器を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)はB−B断面図、(d)は底面図である。第2例の理解を容易にするため、図4(a)においては、傾斜している部分を波線で示している。また、図4(c)のB−B断面図には、パチンコ玉の流れの一例を示している。
【0028】
図4に示すように、第2例に係る回収容器11−2は、第1例に係る回収容器11−1において振分部11cを設けたものである。本発明の実施形態に係る振分部11cは、三角柱状に構成されており、三角柱の上面と底面とが第2例に係る回収容器11−2の側面に接するように設けられる。
【0029】
図4に示すように、第2例に係る回収容器11−2によれば、振分部11cにより、上方の開口11aから取り込んだアウト玉を2つの下方の開口11bへそれぞれ振り分けることができる。
【0030】
このように、第2例に係る回収容器11−2を備えたアウト玉回収装置10によれば、振分部11cにより、上方の開口11aから取り込んだアウト玉が2つの下方の開口11bへそれぞれ振り分けられ、2つ設けた下方の開口11bの両方へより均等に方向付けられるので、2つの下方の開口11bのうちの1つにアウト玉が集中してしまう事態を回避して、上方の開口11aから取り込んだアウト玉を2つの下方の開口11bによってより一層分散して排出することができるようになる。したがって、第2例に係る回収容器11−2を備えたアウト玉回収装置10によれば、より一層目詰まりし難いアウト玉回収装置10を提供することができる。
【0031】
(第3例に係る回収容器)
図5は、第3例に係る回収容器を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)はC−C断面図、(d)は底面図である。第3例の理解を容易にするため、図5(a)においては、傾斜している部分を波線で示している。また、図5(c)のC−C断面図には、パチンコ玉の流れの一例を示している。
【0032】
図5に示すように、第3例に係る回収容器11−3は、第2例に係る回収容器11−2において仕切部11dを設けたものである。第3例において、仕切部11dは、振分部11cと一体化している。
【0033】
また、図5に示すように、第3例に係る回収容器11−3によれば、仕切部11dにより、2つの下方の開口11bへそれぞれ振り分けられたアウト玉同士が干渉しないように装置内部が仕切られる。
【0034】
このように、第3例に係る回収容器11−3を備えたアウト玉回収装置10によれば、上方の開口11aから取り込まれたアウト玉が、仕切部11dにより、2つの下方の開口11bへより均等に振り分けられ、振り分けられたアウト玉同士が干渉しないように装置内部が仕切られるため、2つの下方の開口11bのうちの一方へ振り分けられたアウト玉が振り分け後に他方の下方の開口11bへ転がっていくなどの事態を回避して、上方の開口11aから取り込んだアウト玉を2つの下方の開口11bによってより一層分散して排出することができるようになる。したがって、第3例に係る回収容器11−3を備えたアウト玉回収装置10によれば、より一層目詰まりし難いアウト玉回収装置10を提供することができる。
【0035】
なお、上記の説明では、仕切部11dを振分部11cと一体化したものとして構成したが、仕切部11dは振分部11cとは別個のものとして構成することもできる。
【0036】
また、上記の説明では、第1例〜第3例に係る回収容器が下方の開口11bを2つ備えている形態について説明したが、本発明に係る回収容器には、2つ以上の下方の開口を備えさせることができる。
【0037】
[センサ]
以上説明した第1例〜第3例に係る回収容器のいずれにおいても、回収容器の下面における開口11bの縁にパチンコ玉を検出するセンサ14が取り付けられる。
【0038】
本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10によれば、下方の開口11bにおいてアウト玉が目詰まりし難くなるため、回収容器11の下面において、当該下方の開口11bの縁にパチンコ玉を検出するセンサ14を取り付けることにより、アウト玉の数やアウト玉が排出されたタイミングを正確に測定することができるようになる。
【0039】
従来のパチンコ玉収容器では、アウト玉排出口の位置がパチンコ台の機種によってまちまちであることに鑑み、アウト玉排出口がどのような位置に設けられていてもアウト玉を漏れなく回収できるよう、アウト玉を一旦受け皿に貯溜することとし、この受け皿に収納したアウト玉をスロープを介してアウト玉回収樋に流し込む方式をとっていた。そして、この従来のパチンコ玉収容器は、スロープの端(アウト玉回収樋側)にある落下孔に測定装置を設けてパチンコ玉の量を計数する。
【0040】
しかしながら、このような計数方法では、落下孔が目詰まりしてしまいアウト玉が溢れたり、貯留時間が長かったりして、排出されてから測定するまでに時間を要してしまうため、アウト玉がアウト玉排出口から排出されたタイミングを正確且つ迅速に捉えることができず、アウト玉回収装置の本来の目的である「より正確に、より早く」回収・計数する機能が十分果たされないという問題があった。
【0041】
本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10によれば、2つの下方の開口11bが上方の開口11aのほぼ直下に設けられ、回収容器11の下面において、当該下方の開口11bの縁にパチンコ玉を検出するセンサ14が設けられるため、アウト玉排出口21から排出されたアウト玉をただちに検出できるようになる。
【0042】
よって、本発明の実施形態に係るアウト玉回収装置10によれば、アウト玉がアウト玉排出口から排出されたタイミングを正確且つ迅速に捉えることができるようになり、アウト玉回収装置10の本来の目的である「より正確に、より早く」回収・計数する機能を十分に立たすことが可能となる。
【0043】
なお、センサ14は、例えば、貫通形近接センサなどにより構成することができる。
【0044】
[保持部、取付部]
図6は、本発明の実施形態に係る保持部及び取付部の分解斜視図である。
図6に示すように、本発明の実施形態に係る保持部12には、孔12aが4つ形成されている。この孔12aには取付部13が備える軸13aが通され、これにより、保持部12が所定の軸方向(本実施形態では軸13aの方向)に移動可能とされる。このように、本発明の実施形態に係る保持部12によれば、回収容器11を容易に左右移動させることができる。
【0045】
また、図6に示すように、本発明の実施形態に係る保持部12は、2つの切り欠き12bと2つの開口12cとを備えている。保持部12は、回収容器11のネジ穴に開口12cを介してネジ12dを取り付けることにより回収容器11を保持する(図2参照)。また、回収容器11の突起11eは、切り欠き12bに嵌められる(図2参照)。
【0046】
図7は、保持部が回収容器を上下移動可能にする様子を説明する図である。
図7に示すように、保持部12は、保持部12の開口12cにおけるネジ12dの位置を調整することにより、回収容器11を上下移動させる。このように、本発明の実施形態に係る保持部12によれば、回収容器11を容易に上下移動させることができる。
【0047】
なお、保持部12の上下移動は、ネジ12dの位置を調整する方法のほか、ラッチを用いた方法等、可動且つ任意の位置で固定が可能な適宜の手段によって実現することができる。
【0048】
図8は、保持部が回収容器を傾斜可能にする様子を説明する図である。
図8に示すように、保持部12は、開口12cの高さ方向におけるネジ12dの位置と切り欠き12bの高さ方向における突起11eの位置とを調整することにより、回収容器11を傾斜させる。このように、本発明の実施形態に係る保持部12によれば、回収容器11を容易に傾斜させることができる。
【0049】
なお、保持部12の傾斜は、開口12cの高さ方向におけるネジ12dの位置と切り欠き12bの高さ方向における突起11eの位置とを調整する方法のほか、ヒンジを用いた方法によっても実現することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの説明は、本発明の一例に関するものであり、本発明は、これらの説明によって何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0051】
10 アウト玉回収装置
11 回収容器
11−1 回収容器
11−2 回収容器
11−3 回収容器
11a 上方の開口
11b 下方の開口
11c 振分部
11d 仕切部
11e 突起
12 保持部
12a 孔
12b 切り欠き
12c 開口
12d ネジ
13 取付部
13a 軸
14 センサ
20 パチンコ台
21 アウト玉排出口
30 受け皿
40 アウト玉樋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ台又はその付属装置に取り付け可能であって、
1個のアウト玉の直径よりも大きい直径を有する上方の開口と、
各々アウト玉を1個ずつ排出することができる2つ以上の下方の開口と、
を備え、
パチンコ台のアウト玉排出口から落下してきたアウト玉を前記上方の開口から取り込み、この取り込んだアウト玉を前記2つ以上の下方の開口からそれぞれ排出する、
ことを特徴とするアウト玉回収装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアウト玉回収装置であって、さらに、前記上方の開口から取り込んだアウト玉を前記2つ以上の下方の開口へそれぞれ振り分ける振分部を具備することを特徴とするアウト玉回収装置。
【請求項3】
請求項2に記載のアウト玉回収装置であって、さらに、2つ以上の下方の開口へそれぞれ振り分けられたアウト玉同士が干渉しないように装置内部を仕切る仕切部を具備することを特徴とするアウト玉回収装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のアウト玉回収装置であって、さらに、前記2つ以上の下方の開口のそれぞれにアウト玉を検出するセンサを取り付けたことを特徴とするアウト玉回収装置。
【請求項5】
前記上方の開口を所定の軸方向において移動可能にすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のアウト玉回収装置。
【請求項6】
前記上方の開口を傾斜可能にすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のアウト玉回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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