説明

アクセサリー、及びアクセサリー制御プログラム

【課題】利便性を向上できるアクセサリー、及びアクセサリー制御プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】外部機器と情報通信が可能な第1情報通信部と、カメラと情報通信が可能な第2情報通信部と、制御部と、を備え、制御部は、カメラへの予め定められているデータの送信よりも外部機器との間におけるデータの送信または受信を優先して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセサリー、及びアクセサリー制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラは、閃光装置等のアクセサリーとともに使用されることがある(例えば、特許文献1参照)。アクセサリーは、カメラのアクセサリーシュー(シュー座、ホットシュー等ともよばれる)に接続されて、使用される。アクセサリーシューは、アクセサリーを制御する制御信号をアクセサリーへ供給する端子を有する。カメラは、アクセサリーシューの端子を介してアクセサリーに制御信号を送信し、アクセサリーを制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0329302号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アクセサリーは、電池を内蔵しているか、ケーブルを介してカメラから供給されていたので利便性が悪かった。本発明は、上記の事情に鑑み成されたものであって、利便性を向上できるアクセサリー、及びアクセサリー制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明アクセサリーは、外部機器と情報通信が可能な第1情報通信部と、カメラと情報通信が可能な第2情報通信部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記カメラへの予め定められているデータの送信よりも前記外部機器との間におけるデータの送信または受信を優先して行うことを特徴としている。
【0006】
また、本発明に係るアクセサリー制御プログラムは、外部機器と情報通信が可能な第1情報通信部と、制御部と、カメラと情報通信が可能な第2情報通信部と、を有するアクセサリーの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、前記カメラへの予め定められているデータの送信よりも、前記外部機器との間でのデータの送信または受信を行う手順をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利便性を向上できるアクセサリー、及びアクセサリー制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係るカメラシステムの外観を示す図である。
【図2】本実施形態に係るカメラシステムを図1とは反対側から見た図である。
【図3】本実施形態に係るカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係るカメラとアクセサリーとの接続関係を説明する構成図である。
【図5】本実施形態のアクセサリー600の構成を示すブロック図である。
【図6】航法メッセージの構成を説明する図である。
【図7】NMEAデータ(第1GPS情報)の一例である。
【図8】本実施形態に係る第2GPS情報に含まれるデータの構成を説明する図である。
【図9】本実施形態に係るカメラシステムにおける処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係るアクセサリーにおける定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
【図11】パソコンからGPS制御部660へデータを送信する第1のデータ送受信処理の一例を示す図である。
【図12】本実施形態に係るカメラ、アクセサリー及びパソコン間の第1のデータ送受信処理の一例を説明する図である。
【図13】本実施形態に係るパソコンからGPS制御部660へデータを送信する第2のデータ送受信処理の一例を示す図である。
【図14】本実施形態に係るカメラ、アクセサリー及びパソコン間の第2のデータ送受信処理の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態について説明する。以下の説明において、同様の構成要素については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
【0010】
図1は、本実施形態に係るカメラシステム1の外観を示す図である。図2は、本実施形態に係るカメラシステム1を図1とは反対側から見た図である。
【0011】
図1及び図2に示すカメラシステム1は、カメラ10(カメラボディ100及び撮影レンズ200)及びアクセサリー600を備える。本実施形態のアクセサリー600は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、位置の測位を行うこと等ができる。カメラ10は、アクセサリー600と通信して、アクセサリー600を制御することができる。カメラシステム1は、例えば、アクセサリー600によって撮像位置を測位し、カメラ10によって撮像された画像データに関連付けて測位した撮像位置情報をメモリー140に記憶させることができる。
【0012】
図1に示すように、カメラ10は、カメラボディ100及び撮影レンズ(交換レンズ)200を備える。カメラボディ100は、撮影レンズ200を取り付け可能なレンズマウント11を備える。なお、撮影レンズ200は、カメラボディ100とマウントするためのレンズ側マウント(不図示)を備えている。撮影レンズ200はそのレンズ側マウントを介して、レンズマウント11に対して着脱可能である。カメラボディ100は、レンズマウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち上部に配置された頂面(上面)13と、正面12とは反対側に配置された背面14とを有する。
【0013】
カメラボディ100は、それぞれ頂面13に配置された、レリーズ釦16、アクセサリーシュー(以下、シュー座15という)、及び電源スイッチ31を備える。カメラ10は、レリーズ釦16が押下されたことを検出して、撮像処理等の各種処理を行う。シュー座15は、アクセサリー600を取り付け可能なように、構成されている。電源スイッチ31は、カメラボディ100のオン状態とオフ状態とを切り替えるスイッチである。
【0014】
本実施形態において、図1等に示すXYZ直交座標系を設定し、構成要素の位置関係等を説明することがある。このXYZ直交座標系において、Y軸方向は、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向である。このXYZ直交座標系において、X軸方向及びZ軸方向は、それぞれY軸方向と直交し、かつ互いに直交する方向である。正面12及び背面14は、それぞれ、Y軸方向とほぼ直交している。頂面13は、Z軸方向とほぼ直交している。
【0015】
アクセサリー600は、各種部品を収容したアクセサリー本体610と、アクセサリー本体610に設けられたコネクター620とを含む。アクセサリー600は、シュー座15に対して着脱可能である。アクセサリー600は、シュー座15に取り付けられて、カメラボディ100に対して固定される。なお、アクセサリー600は、シュー座15とケーブル等を介して電気的に接続可能であって、カメラボディ100とは別の装置に保持されていてもよい。アクセサリー600は、シュー座15の開口24にコネクター620を挿入して所定の方向(+Y方向)にスライドさせることによって、シュー座15に取付けられる(図1参照)。
【0016】
図2に示すように、カメラボディ100は、背面14に配置された表示部102と、背面14に配置された設定スイッチ104とを備える。表示部102は、液晶表示素子や有機エレクトロルミネッセンス表示素子等の表示素子を備える。表示部102は、撮像される画像、各種設定を示す画像、アクセサリー600の状態を示す画像、撮像条件を示す画像等を表示することができる。設定スイッチ104は、カメラ10とアクセサリー600の各種設定項目を変更するためのユーザーからの入力を、受け付けることができる。各種設定項目は、ズーム倍率設定、撮影モード設定、ホワイトバランス設定、露光時間設定、表示切り替え設定のうちの少なくとも1つを含む。撮影モード設定は、例えば、オートモード設定又はマニュアルモード設定である。
【0017】
図2に示すように、アクセサリー600は、操作部630、LED635、及びデータ端子640を備える。操作部630は、アクセサリー600をカメラボディ100から取り外すために、ユーザーによって操作される操作部材である(換言すれば操作部630は取外し操作部材である)。
LED635は、例えば、アクセサリー600の測位動作状態を表示する。
データ端子640は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子である。
【0018】
図3は、本実施形態に係るカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、カメラシステム1は、カメラボディ100、撮影レンズ200、及びアクセサリー600から構成される。
撮影レンズ200は、光学系210、光学系駆動部220、及び光学系制御部230を含む。被写体から撮影レンズ200へ入射した光は、光学系210を通ってカメラボディ100の撮像素子121の受光面へ入射する。
【0019】
光学系210は、レンズや絞り等の複数の光学部品、及び複数の光学部品を収容するレンズ鏡筒等を備える。光学系210は、カメラボディ100の外部から入射した光を結像させることができる。
【0020】
光学系駆動部220は、光学系210を駆動するアクチュエータ、光学系210における光学部品の位置を検出するエンコーダ、及び手振れ等による光学系210の移動(併進移動と回転移動の少なくとも一方)を検出するセンサーを備える。光学系駆動部220のアクチュエータは、例えば、フォーカシング制御用モータ、パワーズーム制御用モータ、絞り開口制御用モータ、手ブレ補正(Vibration Reduction;VR)制御用モータ、伸筒・縮筒制御用モータを含む。
【0021】
光学系駆動部220は、光学系制御部230からの制御指令に従って光学系駆動部220のアクチュエータを動作させることによって、フォーカシング制御、ズーミング制御、露出制御、VR制御、及び撮影レンズ200の伸縮制御を行うことができる。フォーカシング制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをフォーカシング制御用モータによって光軸方向に移動して、光学系210の焦点を調整する制御である。ズーミング制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをパワーズーム制御用モータによって光軸方向に移動して、撮像画角を変更する制御である。露出制御は、光学系210を構成する絞りを絞り開口制御用モータにより駆動して、絞りの開口サイズを変化させることによって、光学系210を通って撮像素子121へ入射する光の光量等を調整する制御である。VR制御は、光学系210が有するレンズ等の光学部品の少なくとも1つをVR制御用モータによって光軸と交差する方向に移動して、手ブレによる像揺れを補正する制御である。伸縮制御は、伸筒・縮筒制御用モータを駆動することによって、撮影レンズ200を光軸方向に伸筒又は縮筒させる制御である。
【0022】
光学系駆動部220は、カメラボディ100の電池収納部110に収納された電池BATから電力が供給される。光学系駆動部220は、カメラボディ100のレンズマウント11に配置された端子を介して、電池BATから電力が供給される。光学系駆動部220を構成するアクチュエータ、エンコーダ、及びセンサーは、電池BATから供給される電力によって動作する。
【0023】
光学系制御部230は、カメラボディ100のレンズマウント11に配置された端子を介して、カメラボディ100のカメラ制御部170(後述する)と通信することができる。光学系制御部230は、光学系駆動部220のエンコーダの検出結果を示す情報及びセンサーの検出結果を示す情報を、カメラ制御部170に供給することができる。光学系制御部230からカメラ制御部170に供給される情報は、撮影レンズ200の種類を示すレンズ種類情報、レンズ焦点距離情報、露出制御によって設定された絞り値、フォーカシング制御により設定された被写体焦点距離情報、消費電力情報等を含む。消費電力情報は、駆動状態に消費する消費電力を示し、レンズ種類情報や、駆動されている状態に応じて変化する情報である。
【0024】
アクセサリー600は、GPSモジュール部650、GPS制御部(アクセサリー制御部)660、及びバッファメモリー663を含む。GPSモジュール部650、GPS制御部660、及びバッファメモリー663は、例えば、図1及び図2に示したアクセサリー本体610に収容されている。アクセサリー600の詳細については、後述する。
【0025】
カメラボディ100は、電池収納部110、撮像処理部120、シャッター駆動部130、表示部制御回路135、メモリー140、メモリー制御回路145、入力部150、操作検出回路155、記憶部158、及びカメラ制御部170を備える。
【0026】
電池収納部110は、一次電池や二次電池等の電池BATを収納することができる。電池BATは、電池収納部110に収納されることによって、カメラボディ100に搭載される。電池収納部110に収納された電池BATは、カメラシステム1の構成要素、例えば表示部102や撮影レンズ200、アクセサリー600等の動作に必要な電力(PWR)を供給することができる。
【0027】
撮像処理部120は、撮像素子121、撮像素子制御回路122、及び画像回路123を備える。撮像素子121は、二次元的に配列された複数の画素を備える。撮像素子121の各画素は、CCD(Charge Coupled device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の受光素子を備える。撮像素子121の受光素子は、光学系210から各画素へ入射した光の光量に応じた電荷を発生する。撮像素子121は、各画素に入射した光により受光素子に発生した電荷を信号に変換する。撮像素子121は、光学系210を介して撮像素子121の受光面に形成された像(光学像)に応じたアナログの画像信号を生成する。撮像素子121は、撮像素子制御回路122と画像回路123のそれぞれに接続されている。画像回路123は、撮像素子121から出力された画像信号を増幅し、アナログの画像信号をデジタル信号に変換する。撮像素子制御回路122は、撮像素子121を制御して、撮像素子121に像に応じた画像信号を生成させることや、生成した画像信号を出力させること等ができる。
【0028】
シャッター駆動部130は、カメラボディ100に収容されているシャッターの開閉を制御する。このシャッターは、光学系210を通って撮像素子121の受光面へ入射してくる光を、シャッターが閉じた状態で遮光する。なお、カメラボディ100に露出制御用のシャッター機構が搭載されていない場合には、このシャッター駆動部130も不要である。
【0029】
表示部制御回路135は、例えば、表示部102の点灯や明るさ調整、消灯等の表示制御や、カメラ制御部170から出力される画像データを表示部102に表示させる処理を行う。
【0030】
メモリー140は、例えば、メモリーカード等のようにカメラボディ100から抜き差し可能な記憶媒体である。メモリー140は、例えば、カメラ制御部170によって生成される画像データ等を記憶する。メモリー制御回路145は、カメラ制御部170とメモリー140との間の情報の入出力を制御する。メモリー制御回路145は、例えば、カメラ制御部170によって生成された画像データ等の情報をメモリー140に記憶させる処理や、メモリー140に記憶されている画像データ等の情報を読み出してカメラ制御部170に出力する処理等を行う。
【0031】
入力部150は、ユーザーが操作することが可能な設定スイッチ104及びレリーズ釦16を備える。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を検出する。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を示す操作情報を生成し、生成した操作情報をカメラ制御部170に出力する。
【0032】
記憶部158は、不揮発性メモリー160及びバッファメモリー165を備える。不揮発性メモリー160は、カメラ制御部170を動作させるプログラムや、撮像により生成された画像データ、装置の状態を示す情報、ユーザーから入力された各種設定や撮像条件等の情報を記憶する。装置の状態を示す情報は、カメラボディ100の電池収納部110に収納された電池BATの電圧情報(電池残量)、撮影レンズ200の各アクチュエータの制御状態を示す情報等を含む。バッファメモリー165は、カメラ制御部170の制御処理に用いられる一時的な情報の記憶部である。カメラ制御部170は、例えば、撮像素子121から出力される画像信号や、画像信号に応じて生成された画像データ、アクセサリー600が出力する第2GPS情報(後述する)等をバッファメモリー165に一時的に記憶させる。
【0033】
カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に記憶されたプログラムに基づいてカメラボディ100の構成要素の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電子部品とを備える。カメラ制御部170は、例えば、操作検出回路155がカメラ制御部170に出力した操作情報に応じて、カメラボディ100への電源の投入や、光学系駆動部220を介した光学系210の駆動制御、撮像素子制御回路122を介した撮像素子121の駆動制御、表示部制御回路135を介した表示部102の表示制御、画像回路123に出力された画像信号に対する処理の制御等を行う。
【0034】
カメラ制御部170は、画像処理部171、表示制御部172、撮像制御部173、操作検出処理部174、電力制御部175、及び通信部176を含む。
【0035】
画像処理部171は、画像回路123から出力された画像信号に基づいて、画像データを生成する画像処理を行う。画像処理部171は、画像処理により生成した画像データをバッファメモリー165に記憶させる。
【0036】
表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、読み出した画像データを表示部102に繰り返し表示させる。また、表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、動画形式のデータ(動画データ)としてメモリー140に記録させる。また、表示制御部172は、後述する電力制御部175の判定結果に応じて、電池BATの充電残量を表示部102に表示させる。
【0037】
操作検出処理部174は、操作検出回路155が出力した操作情報に基づいて操作検出回路155が検出したユーザーの操作を判定し、判定した情報をバッファメモリー165に記憶させる。操作検出処理部174は、ユーザーからの操作に応じた各種処理の制御指令を、操作に対応する処理を実行する構成要素(機能部)に出力する。操作検出処理部174は、例えば撮像処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、撮像処理の実行を要求する制御指令を撮像制御部173に出力する。また、操作検出処理部174は、例えばオートフォーカス(AF)処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、AF処理の実行を要求する制御指令を出力する。AF処理において、光学系制御部230は、操作検出処理部174が出力した制御指令に基づいて、光学系210を介して撮像素子121で検出された画像を利用した測距結果を参照しつつ、光学系駆動部220のフォーカシング制御用モータを制御して、例えばユーザーが指定した被写体にピントが合うように、光学系210の焦点を調整する。
【0038】
撮像制御部173は、操作検出回路155が出力した制御指令に基づいて、カメラシステム1の構成要素に撮像処理を実行させるための制御信号を、カメラシステム1の構成要素に出力する。撮像制御部173は、撮像処理に関連する処理として、例えば以下のような処理を実行させる。撮像処理において、撮像制御部173は、予めユーザーから入力された撮像条件に応じて、光学系制御部230を介して光学系210のフォーカシング制御、露出制御、ズーミング制御、VR制御等の制御を行う。また、撮像制御部173は、撮像処理において、シャッター駆動部130を制御することによって、シャッターが開いている時間(露光時間)を制御し、撮像素子121の受光面に光学系210からの光を露光時間だけ照射させる。
【0039】
電力制御部175は、電池BATから出力される電源電圧を検出した結果と判定閾値とを比較することにより、電池BATにおける電力の残量を判定する。
【0040】
通信部176は、カメラシステム1のうちカメラボディ100の外部に配置される外部装置に対して、各外部装置の制御部と通信可能な状態で接続される。本実施形態の撮影レンズ200は、外部装置の1つであり、光学系制御部230が通信部176と通信可能に接続される。また、本実施形態のアクセサリー600は、外部装置の1つであり、GPS制御部660が通信部176と通信可能に接続される。
【0041】
図4は、本実施形態に係るカメラ10(上述したカメラボディ100及び撮影レンズ200)とアクセサリー600との接続関係を説明する構成図である。
【0042】
図4に示すように、カメラ10は、負荷部30、電源スイッチ31、電源部32、アクセサリー電源制御部33、及び計時部34を備える。
【0043】
負荷部30は、既述のシャッター駆動部130や表示部102等のようにカメラボディ100の負荷部と、光学系駆動部220や光学系制御部230等のようにカメラボディ100の外部の負荷部とを含む。負荷部30は、消費電力が大きい重負荷部と、重負荷部よりも相対的に消費電力が小さい軽負荷部とを含む。重負荷部は、例えば光学系駆動部220やカメラボディ100におけるシャッター駆動部130等のように、アクチュエータを有する負荷部を含む。軽負荷部は、光学系制御部230や画像処理部171、各制御回路、表示部等を含む。
【0044】
電源スイッチ31は、電池BATから負荷部30の重負荷部への電力の供給を遮断するスイッチである。
【0045】
電源部32は、電池BATから供給される電力に基づいて、電池BATの出力電圧を安定化して負荷部30の軽負荷部及びカメラ制御部170に供給する。電源部32は、電池BATの出力電圧を検出する電圧検出センサーと、電池BATの出力電圧を安定化する定電圧回路とを備える。
【0046】
アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に基づき、アクセサリー600への電力の供給を制御する。
【0047】
計時部34は、水晶発振器等により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をカメラ制御部170に出力する。計時部34は、カメラ制御部170と同様に電源とGND(基準電位)とに接続されている。
【0048】
カメラボディ100の端子部25は、アクセサリー600の端子部623と電気的に接続可能である。端子部25は、符号Tp1から符号Tp12で示される複数の端子を含む(図4参照)。本実施形態の説明において、シュー座15の端子部25の各端子を、端子の並び順を示す番号を付して、区別する場合がある。この番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号である。例えば、端子部25の複数の端子のうち、最も+X側に配置された端子を1番目の端子と呼び、最も−X側に配置された端子を12番目の端子と呼ぶ。
【0049】
カメラ制御部170は、端子部25及び端子部623を介して、アクセサリー600と通信してアクセサリー600を制御するための制御信号を、アクセサリー600に供給する。本実施形態において、カメラ制御部170がアクセサリー600に供給する制御信号は、通信信号DATA、及びカメラ10とアクセサリー600との間の通信タイミングを定める通信制御信号Csである。
【0050】
次に、図4を参照して、カメラ10における各構成要素の接続関係について説明する。以下の説明における電池BATは、電池収納部110に収納された状態とする。電池BATの正極は、電源線40(PWR)を介して、電源スイッチ31の一端に接続されている。電源スイッチ31の他端は、負荷部30の重負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の重負荷部の接地端子は、接地線41(PGND)を介して、電池収納部110に収納された電池BATの負極に接続されている。
【0051】
また、電池BATの正極は、電源線40を介して、電源部32の入力端子に接続されている。電源部32の第1出力端子は、負荷部30の軽負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の軽負荷部の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。また、電源部32の第2出力端子は、カメラ制御部170の電源端子に接続されている。第2出力端子の電位は、第1出力端子の電位と異なっている。カメラ制御部170の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。
【0052】
接地端子Tp1は、接地線43(GND)を介して、電池BATの負極に接続されている。接地端子Tp2は、接地端子Tp1とは並列に、接地線43を介して電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp3は、接地線42を介して、電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、基準電位端子Tp3とは並列に、接地線42を介して電池BATの負極に接続されている。なお、本実施形態のカメラ10のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
【0053】
同期信号端子Tp4、通信信号端子Tp6、起動状態検出端子Tp7、発光制御信号端子Tp8、及び通信制御信号端子Tp9は、それぞれ、信号線を介してカメラ制御部170に接続されている。オープン端子Tp10は、カメラ制御部170、電源線40、接地線41、接地線42、及び接地線43等の他の回路と絶縁されている。
通信信号端子Tp6に接続しているラインにはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部32の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Tp6における電位(レベル)は、アクセサリー600の装着前及びアクセサリー600との通信開始前にHレベルに維持される。なお、起動状態検出端子Tp7に接続しているラインにも、上記通信信号端子Tp6と同様に、プルアップ抵抗が設けられている。
【0054】
電源端子Tp11は、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。電源端子Tp12は、電源端子Tp11と並列に、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。アクセサリー電源制御部33の第2端子は、電源線40を介して、電池BATの正極に接続されている。アクセサリー電源制御部33は、その制御端子にカメラ制御部170から入力される制御信号によって、電池BATから電源端子Tp11と電源端子Tp12への電力供給を遮断することができる。
【0055】
次に、図5を参照して、アクセサリー600側の構成について説明する。図5は、本実施形態のアクセサリー600の構成を示すブロック図である。本実施形態のアクセサリー600は、カメラ10から供給される電力PWRによって動作する。
【0056】
図5に示すように、アクセサリー600は、端子部623(第2情報通信部)、操作部630、LED635、データ端子640(第1情報通信部)、GPSモジュール部650(測位部)、GPS制御部660、バッファメモリー663、充電部664、2次電池665、及び電源部670を含む。また、GPSモジュール部650は、アンテナ651、GPS演算部652、及びRTC653を含む。
【0057】
本実施形態のアクセサリー600は、カメラ10の端子部25を介して供給される電力PWRによって動作する。カメラ10から電力PWRが供給されていない状態では、アクセサリー600は、2次電池665によりGPSモジュール部650の記憶部652aに記憶されているデータの保持とRTC653の動作のみを行う。
【0058】
カメラ10は、アクセサリー600が装着されている(装着状態)ことを検出すると、アクセサリー600への電力供給を、端子部25を介して開始する。アクセサリー600がカメラ10に装着されると、カメラ10の起動状態検出端子Tp7が、アクセサリー600の起動状態提供端子Ts7と端子630bとを介して端子630aと電気的に接続される。端子630aはGND(基準電位)に接続されているため、カメラ10の起動状態検出端子Tp7の電位が基準電位となり、カメラ10はアクセサリー600の装着状態を検出する。アクセサリー600は、操作部630を操作することでカメラ10から取り外すことができる。
【0059】
操作部630は、シュー座15に固定(ロック)されているアクセサリー600のロックを解除するためのロック解除レバーである。操作部630は、機械式スイッチであり、端子630a、端子630b、及び端子630cを含む。アクセサリー600のロックが操作部630によって解除されるとともに、アクセサリー600がシュー座15から取り外されると、端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れる。端子630aと端子630bとの電気的な接続が切れることで、起動状態検出端子Tp7と起動状態提供端子Ts7の電位が基準電位よりも高くなり、カメラ10はアクセサリー600が取り外されたことを検出する。
【0060】
また、GPS制御部660は、操作部630の状態(端子630aと端子630bとが電気的に接続されているか否か)を端子630cの電位の変化によって検出する。例えば、端子630cが抵抗666を介して電源端子群(Ts11、Ts12)と接続されているため、操作部630の機械式スイッチが閉じていない(アクセサリー600がシュー座15に固定されていない)場合、端子630cの電位はHレベル(基準電位よりも高い)となる。一方、操作部630の機械式スイッチが閉じた(アクセサリー600がシュー座15に固定されている)場合、端子630cは接地されるため、端子630cの電位はLレベル(基準電位)となる。GPS制御部660は、端子630cの電位の変化を検出することで操作部630の状態を検出する。
【0061】
次に、アクセサリー600の端子部623について説明する。図4及び図5に示したように、端子部623は、アクセサリー600がカメラ10に装着されている場合に、カメラ10の端子部25と電気的に接続される。端子部623は、符号Ts1から符号Ts12で示される複数(12個)の端子を含む。ここでは、次に説明する端子の並び順を示す番号は、端子の配列方向(X軸方向)の一方側(+X側)から他方側(−X側)に向って昇順する番号であるものとする。
【0062】
端子部623における各端子の機能は、次のように割り付けられる。ここで、この端子部623の各端子Ts1〜Ts12は、図4にて既述したカメラ10側の端子部25の各端子(Tp1〜Tp12)に対応して設けられているものである。そして端子部623の各端子の機能についても、上述した端子部25の各端子の機能と対応付けられるものである。このため本実施形態の説明では、上記にて端子部25に関して既述した説明との重複を避けるため、各端子の端子番号1〜12について、カメラ側の端子部25の各端子と対応する端子の端子番号を同じ番号で記載することで、各端子の機能や配置について重複する内容については、その説明を簡略化または割愛する。
【0063】
端子部623において、電源端子Ts11と電源端子Ts12はそれぞれ、カメラ10から電力PWRが供給される端子である。接地端子Ts1と接地端子Ts2は、電源端子Ts11及び電源端子Ts12に対応する接地端子であり、電位が電力PWRの基準電位(グランド)になる端子である。
【0064】
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5はそれぞれ、電位が信号の授受を行うための基準電位(シグナルグランド)になる端子である。
【0065】
同期信号端子Ts4は、通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKをカメラ10に対して出力する端子である。
【0066】
通信信号端子Ts6は、既述したようなカメラ側の通信データを含む通信信号DATAがカメラ10側から入力されたり、或いはアクセサリー側の通信信号DATAをカメラ10に対して出力したりする端子である。
【0067】
起動状態提供端子Ts7は、既述の起動検出レベルDET(Lレベル/SGNDによる基準電位)をカメラ10に提供する端子である。
【0068】
発光制御信号端子Ts8は、指令信号Xがカメラ10から入力される端子であるが、GPS機能を有するアクセサリー600では使用しない。
【0069】
通信制御信号端子Ts9は、既述の通信制御信号(通信起動信号)Csがカメラ10から入力される端子である。
【0070】
電源端子Ts11と通信制御信号端子Ts9との間には、オープン端子Ts10が配置されている。
【0071】
次に、カメラ10とアクセサリー600との接続関係について説明する。アクセサリー600がカメラ10に装着されている状態(以下、装着状態という)において、接地端子Ts1は、カメラ10の接地端子Tp1に接続される。接地端子Ts2は、装着状態において、カメラ10の接地端子Tp2に接続される。そしてこれらアクセサリー600側の接地端子Ts1、Ts2に接続している箇所(充電部664の接地端子など)は、装着状態において、接地端子Tp1及び接地端子Ts1を介した経路と、接地端子Tp2及び接地端子Ts2を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、接地線43に接続されて電池BATの負極に接続される。そのため、接地端子Ts1、Ts2及びそれらに接続している箇所の電位は、装着状態において、電池BATの負極の電位に応じた基準電位になる。
【0072】
電源端子Ts11は、装着状態において、カメラ10の電源端子Tp11に接続される。電源端子Ts12は、装着状態において、カメラ10の電源端子Tp12に接続される。アクセサリー電源制御部33は、装着状態において、電源端子Tp11及び電源端子Ts11を介した経路と、電源端子Tp12及び電源端子Ts12を介した経路との少なくとも一方の経路を介して、電源部670に接続される。そのため、アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に従って、電池BATからアクセサリー電源制御部33に供給された電力PWRを、アクセサリー600内の各回路や電気部品に供給することができる。
【0073】
基準電位端子Ts3は、装着状態において、カメラ10の基準電位端子Tp3に接続される。基準電位端子Ts5は、装着状態において、カメラ10の基準電位端子Tp5に接続される。基準電位端子Ts3の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp3の電位(基準電位)になる。基準電位端子Ts5の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp5の電位(基準電位)になる。
【0074】
起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー600がカメラ10に装着された状態であって、接地線42に接続される。そのため、カメラ制御部170は、カメラ10に接続されている状態(以下、第1状態と称す)であるときに、第1状態であることを示す起動検出レベルDET(SGNDレベル/基準電位レベル/Lowレベル/Lレベル)を、起動状態提供端子Ts7及び起動状態検出端子Tp7を介して検出することができる。また、カメラ制御部170は、下記の第2状態であるときに、第1状態とは電気的にレベルが異なる起動検出レベルDETを検出することができる。第2状態は、アクセサリー600がカメラ10に装着されていない状態を含む。
【0075】
同期信号端子Ts4は、装着状態において、カメラ10の同期信号端子Tp4に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、同期信号端子Tp4及び同期信号端子Ts4を介して、カメラ制御部170に接続される。これにより、GPS制御部660は、カメラ制御部170と同期通信を行うための同期信号CLKを、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、カメラ制御部170へ送信することができる。
【0076】
通信信号端子Ts6は、装着状態において、カメラ10の通信信号端子Tp6に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170とGPS制御部660は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、シリアルデータ通信を行うことができる。この通信信号端子Tp6及びTs6はいずれも入力/出力機能を切り替え可能であり、これら両端子間における通信は、通信方向を切り替え可能な双方向通信である。通信信号DATAとして通信されるデータは次のようなものがある。カメラ10側から出力されるデータとしては、カメラ制御部170がアクセサリー600に処理を実行させる指令(コマンド)や、カメラ10に関する情報(カメラデータ)などである。一方、アクセサリー600側から出力されるデータとしては、アクセサリー600に関する情報(アクセサリー情報)などである。本実施形態において、指令あるいは情報を示すデータを送信(又は受信)することを、単に指令あるいは情報を送信(又は受信)するということがある。なお、通信信号DATAは、カメラ制御部170が送信する場合とGPS制御部660が送信する場合のいずれにおいても、アクセサリー600側から出力される同期信号CLKに同期させて送信される。
【0077】
例えば、カメラ制御部170は、指定した項目の情報をカメラ制御部170からGPS制御部660へ送信することを通知する送信通知コマンド(指令)を、GPS制御部660に送信する。カメラ制御部170は、送信通知コマンドの送信終了後に、所定の時間間隔をあけて送信通知コマンドの送信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をGPS制御部660へ送信する。
【0078】
また、例えば、カメラ制御部170は、指定した情報をGPS制御部660からカメラ制御部170へ送信することを要求する送信要求コマンドを、GPS制御部660へ送信することができる。GPS制御部660は、送信要求コマンドの受信完了後に、送信通知コマンドの受信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をカメラ制御部170へ送信する。
【0079】
通信制御信号端子Ts9は、装着状態において、カメラ10の通信制御信号端子Tp9に接続される。すなわち、GPS制御部660は、装着状態において、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170は、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、GPS制御部660へ通信制御信号Csを供給することができる。
【0080】
この通信制御信号Csは、通信信号端子Ts6を介したカメラ10とアクセサリー600との間の通信の通信開始タイミングを定める信号である。アクセサリー600側において、通信制御信号端子Ts9に接続している配線パターンにはプルアップ抵抗(図示せず)が接続されている。このため通信信号端子Ts6における通信制御信号Csの信号レベルは、通信開始前にHレベルに維持される。通信制御信号Csの信号レベルは、通信信号端子Ts6を介したデータ通信を開始する際に、カメラ制御部170によってLレベルに立ち下げられて維持される。通信制御信号Csの信号レベルがLレベルに維持されている期間に、通信信号DATAとして複数ビットのデータが同期信号CLKに同期して送受信される。複数ビットのデータが送受信された後に、通信制御信号Csの信号レベルは、次回の通信信号DATAの送信までの期間において、再び上述のプルアップ抵抗によってHレベルに維持される。このように、通信制御信号Csは、通信信号DATA及び同期信号CLKと比較して、信号レベル(HレベルとLレベルの)の単位時間あたりの切替わり回数が少ない信号である。
【0081】
次に、GPSモジュール部650について説明する。
GPS演算部652は、アンテナ651を介して測位や計時に必要なGPS情報(航法メッセージ)を測位衛星(GPS衛星)から受信する。GPS演算部652は、測位衛星から受信したGPS情報(航法メッセージ)からGPS時刻を示す情報(GPS時刻情報)を抽出する。GPS情報からGPS時刻情報が抽出できた場合、RTC653の計時情報をGPS時刻に合わせる。GPS演算部652は、GPS情報を受信できない場合、またはGPS情報を受信できてもGPS時刻情報を抽出できない場合、RTC653の計時情報をGPS時刻情報の代わりに用いる。なお、記憶部652aは、フラッシュメモリーであってもよい。
また、GPS演算部652は、GPS情報から第1GPS情報を生成し、第1GPS情報をGPS制御部660に出力する。第1GPS情報は、例えば、NMEA(National Marine Electronics Association(米国会用電子協会))が規定したGPS受信機などの通信プロトコルを有するNMEAデータである。GPS演算部652は、第1GPS情報を記憶部652a(第2記憶部)に記憶させる。
また、GPS演算部652は、GPSモジュール部650の測位動作状態(測位が完了しているか否か)を示す情報をGPS制御部660に出力する。GPS制御部660は、GPSモジュール部650の測位動作状態を、LED635を制御することで表示(点灯、もしくは点滅)する。
【0082】
RTC(リアル・タイム・クロック)653は、例えば水晶発振器により生成されたクロック信号に基づいて計時情報を生成(計時)し、生成した計時情報をGPS演算部652に出力する。RTC653は、アクセサリー600がカメラ10に装着されていない場合、2次電池665から供給される電力を用いて計時を継続する。
【0083】
LED635は、GPS制御部660の制御に基づき、GPSモジュール部650の測位動作状態を表示する。LED635は、例えば赤色、緑色の複数の色の光を発光することができる。LED635は、例えば、アクセサリー600がカメラ10に装着され、GPSモジュール部650による測位で3機の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、赤色で点滅する。GPSモジュール部650による測位で4機以上の測位衛星からのGPS情報を取得していた場合、緑色で点灯する。
【0084】
データ端子640は、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子である。アクセサリー600は、データ端子640を介して接続ケーブルでパソコン(PC)等の外部機器と接続することで、パソコンからコマンドやデータを取得することができる。また、アクセサリー600は、データ端子640を介してGPS制御部660が出力するコマンドやデータをパソコンに送信する。また、データ端子640は、接続ケーブルを介して供給された電力を電源部670に供給する。
【0085】
GPS制御部660は、端子部623及びカメラ10の端子部25を介してカメラ制御部170と通信する。また、GPS制御部660は、アクセサリー600の各構成要素の制御を行う。
GPS制御部660は、GPSモジュール部650(GPS演算部652)が出力する第1GPS情報から、カメラ10に出力するデータを抽出する。カメラ10に出力するデータとは、例えば、Exifファイルを生成するために必要なデータであり、緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時(UTC)を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報の各情報等である。
また、GPS制御部660は、第1GPS情報から、該第1GPS情報が有効か無効かを示すフラグ(以下、第1GPS情報の有効/無効フラグ(有効性情報)という)、2D測位状態(経度と緯度が測位できている状態)か3D測位状態(経度と緯度と高度が測位できている状態)かを示すフラグ(以下、2D測位/3D測位フラグという)を生成する。
さらに、GPS制御部660は、後述するように第1GPS情報から、カメラ10に出力するデータ(緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報)の各情報が取得できているか否かを判定する。GPS制御部660は、判定結果に基づき、該各情報が取得できているか否かを示すフラグ(以下、第1GPS取得情報フラグという)を生成する。第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ、第1GPS取得情報フラグについては後で詳述する。
GPS制御部660は、カメラ10に出力するデータに、第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ及び第1GPS取得情報フラグを付加するとともに、第1GPS情報をカメラ10に出力する第2GPS情報(第2のデータ)に変換する。GPS制御部660は、バッファメモリー663(第1記憶部、第2記憶部)のバンクを切り替えて、変換した第2GPS情報を一方のバンクに記憶させる。GPS制御部660は、カメラ制御部170からの要求に応じて、バッファメモリー663に記憶されている第2GPS情報を読み出して送信する。または、GPS制御部660は、バッファメモリー663を、例えば2つの領域として扱い、変換した第2GPS情報を一方の領域に記憶させる。
なお、第1GPS情報(NMEAデータ)は、例えばASCIIデータである。一方、第2GPS情報は、例えば1バイト単位のデータである。なお、GPS制御部660は、第2GPS情報と、生成した情報取得可否フラグとを関連付けて第2GPS情報を生成するようにしてもよい。
【0086】
バッファメモリー663には、GPS制御部660が変換した第2GPS情報が記憶されている。バッファメモリーは、例えば2つのバンク、または2つの記憶領域を有している。
【0087】
充電部664は、電源部670の第2出力端子と接続されている。充電部664は、カメラ10から端子Ts12及び端子Ts11を介して供給された電力を用いて2次電池665を充電する。
【0088】
電源部670は、第1の入力端子が、端子部623の端子Ts11及びTs12と接続され、第2の入力端子が、データ端子640に接続されている。電源部670は、第1の出力端子が、GPS演算部652、及び充電部664に接続され、第2の出力端子が、GPS制御部660、バッファメモリー663及びプルアップ抵抗666の一方端に接続されている。
電源部670は、カメラ10から端子部623を介して供給された電力をアクセサリー600内部で使用する電圧値に変換し、電圧値を変換した電力を第1と第2の出力端子から各部に供給する。
【0089】
次に、GPSの概要について説明する。
GPSは、位置測定、測量などに用いられている。現在、地球上空の6つの軌道を24機以上の測位衛星が周回している。各測位衛星は、航法メッセージ(GPS情報)を送信している。航法メッセージは、フレームを単位に送信している。1フレームの送信には、30秒を要する。1フレームは、5組のサブフレームで構成され、サブフレーム1から5が順番に送信される。また、サブフレーム1から3は、各測位衛星に固有の情報を含み、毎回同じ内容で構成される。サブフレーム4と5は、全測位衛星が同じ内容の情報で構成され、サブフレーム毎にページ1から25で構成されている。このため、サブフレーム4と5の全ての情報を送信するには、25フレームが必要である。このため、GPS受信機が航法メッセージの全情報を得るには、12分30秒の時間がかかる。また、各サブフレームには、GPS時刻が含まれている。なお、GPS時刻とは、GPS時刻とは、1週間を単位として測位衛星で管理されている時間であり、毎週、日曜日の0時からの経過時間で表される情報である。
【0090】
5組のサブフレームには、図6に示すような航法メッセージが収容されている。図6は、航法メッセージの構成を説明する図である。
サブフレーム1(g601)は、各測位衛星の状態(正常に動作しているか否か)、測位衛星が送信する測位衛星のクロック誤差を補正するための係数であるクロック補正係数などにより構成されている。
サブフレーム2(g602)は、各測位衛星の軌道情報(エフェメリス(Ephemeris)・データ)1/2で構成されている。
サブフレーム3(g601)は、各測位衛星の軌道情報(エフェメリス・データ)2/2で構成されている。
サブフレーム4(g604−1〜g604−25)は、GPS受信機が受信する信号が、電離層により遅延する量を補正するための係数である電離層遅延補正係数、GPS時刻とUTC(協定世界時間;Universal Time, Coordinated))との関係を表す情報であるUTC関係情報、全測位衛星の軌道情報(アルマナック(Almanac)・データ)1/2などで構成されている。
サブフレーム5(g605−1〜g605−25)は、全測位衛星の軌道情報(アルマナック・データ)2/2で構成されている。また、各サブフレームの先頭には、GPS時刻を示す情報が含まれている。なお、GPS時刻とは、1週間を単位として測位衛星で管理されている時間であり、毎週、日曜日の0時からの経過時間で表される情報である。
【0091】
また、エフェメリス・データは、測位衛星の位置を計算するために必要な軌道の6要素(昇交点赤経、軌道傾斜角、近地点引数、軌道長半径、離心率、真近点角)のデータ、各補正値、及び軌道のエポック時刻toe(軌道の元期(ephemeris reference time))などにより構成されている。エフェメリス・データは、2時間毎に更新される。また、エフェメリス・データの有効期間は、2時間±2時間である。
アルマナック・データは、各測位衛星の軌道情報である。また、アルマナック・データは、約1日に1度の頻度で更新されている。また、アルマナック・データの有効期間は、エポック時刻±3日間である。
【0092】
GPSモジュール部650は、受信したこれらのデータを記憶部652aに記憶する。記憶されているアルマナック・データ及びエフェメリス・データ共に有効な状態から測位を開始することをホットスタートという。また、エフェメリス・データが無効でありアルマナック・データのみ有効な状態から測位を開始することをウォームスタートという。アルマナック・データ及びエフェメリス・データ共に無効な状態から測位を開始することをコールドスタートという。
そして、ホットスタートの場合、GPSモジュール部650において、電源投入後に最初の位置情報が出力されるまでの時間は、記憶されているエフェメリス・データを用いて測位できるので数秒程度である。
一方、ウォームスタートの場合、GPSモジュール部650は、エフェメリス・データを再取得する必要がある。このため、エフェメリス・データを再取得に30秒以上の時間がかかり、さらに取得したエフェメリス・データの検査にも時間がかかる。このため、ウォームスタート場合、電源投入後に最初の位置情報が出力されるまでの時間は、30秒〜60秒程度である。
さらに、コールドスタートの場合、GPSモジュール部650は、全ての航法メッセージを取得する必要がある。このため、測位信号の捕獲と航法メッセージの取得に数分〜12分30秒かかる。従って、電源投入後に最初の位置情報が出力されるまでの時間は、数分〜12分30秒程度である。
【0093】
図7は、NMEAデータ(第1GPS情報)の一例である。
図7に示すように、NMEAデータは、航法メッセージ(GPS情報)から抽出されたデータが、規定されている内容に分類されたASCIIデータである。データは、センテンス毎に送信され、「$」文字とセンテンスの種類を示す文字列で始まり、改行コード「CR、LF」コードでセンテンスが終了する。図7では、RMCセンテンス、GGAセンテンス、GSAセンテンスの例を示している。センテンスg631は、RMC(Recommended Minimum Navigation Information)センテンスである。センテンスg631は、センテンス名g611、測位時刻g612、データの有効性を示すステータスg613、緯度g614、経度g615、対地速度g616、進行方向g617、測位年月g618、磁気偏差g619、測位モードg620、チェックサムg621を含む。なお、測位モードとは、1台のGPSモジュール部による測位である単独測位か、2台のGPSモジュール部による測位である相対測位(DGPS(Differential GPS))等の測位の種類である。
センテンスg632は、GGA(Global Positioning System Fix Data. Time, Position and fix related data for a GPS receiver)センテンスである。センテンスg633は、RMF(Position Fix Sentence)センテンスである。
【0094】
図8は、本実施形態に係る第2GPS情報に含まれるデータの構成を説明する図である。図8に示すように、第2GPS情報は、11種類のデータを番号1から11まで順番に含んでいる。番号1から11の順は、例えば、Exifデータに書き込む際のデータの順番と一致するように構成している。
【0095】
「GPSデータ有効/無効」データは、第1GPS情報の有効/無効フラグ、2D測位/3D測位フラグ、地磁気センサの有/無フラグを含んでいる。なお、第1GPS情報が有効とは、GPSモジュール部650によって位置情報が得られている状態(測位状態)を示している。一方、第1GPS情報が無効とは、GPSモジュール部650によって位置情報が得られていない状態(非測位状態)を示す。また、2D測位状態とは、3機の測位衛星からGPS情報を受信し位置情報を得ている状態である。3D測位状態とは、4機の測位衛星からGPS情報を受信し位置情報を得ている状態である。また、地磁気センサーの有/無フラグは、地磁気センサーがアクセサリー600に搭載されているか否かをフラグで示している。GPS制御部660は、第1GPS情報の有効か無効かの情報、2D測位か3D測位かの情報を第1GPS情報から抽出する。そして、GPS制御部660は、抽出した該各情報に基づき、1バイトデータである「GPSデータ有効/無効」データを生成する。第1GPS情報の有効/無効フラグは、画像ファイルデータ(例えばExifファイルデータ)を生成するために必要なデータ(緯度を示す情報、経度を示す情報、高度を示す情報、協定世界時を示す情報、測位に使用した衛星数を示す情報、測位の信頼性を示す情報、進行方向を示す情報、対地情報)が有効であるか否かを表している。すなわち、GPS情報が無効を示すフラグの場合、第1GPS情報に含まれる画像ファイルデータを生成するために必要なデータが無効であることを表している。データが無効である場合、データは画像ファイルデータに記憶しない。
【0096】
「GPSデータ取得情報」データは、第1GPS取得情報フラグを含んでいる。第1GPS取得情報フラグとは、第1GPS情報に含まれる緯度、経度、高度、UTC、測位に使用した測位衛星信号、測位の信頼性、進行方向、対地速度の各情報を取得できているか否かを示す複数のフラグである。GPS制御部660は、該各情報を第1GPS情報から抽出する。そして、抽出した該各情報に基づき、該各情報が取得できているか否かを判定する。GPS制御部660は、判別結果に基づき、1バイトデータである「GPSデータ取得情報」データを生成する。
具体的に例えば、「GPSデータ有効/無効」データの第1GPS情報の有効/無効フラグに無効を示す0が設定されている場合、GPSモジュール部650は、まだ測位ができていない状態(非測位状態)である。この場合、「GPSデータ取得情報」データの第1GPS取得情報フラグには、各々、データが取得できていないことを示す0が設定されている。
また、「GPSデータ有効/無効」データの第1GPS情報の有効/無効フラグに有効を示す1が設定されている場合、且つ2D測位/3D測位フラグに2D測位状態を示す0が設定され、緯度、経度、高度、UTC、測位に使用した測位衛星信号、測位の信頼性、進行方向、対地速度の各情報に対する複数のフラグのうち、いずれかのフラグに取得できていないことを示す0が設定されている。
さらに、「GPSデータ有効/無効」データの第1GPS情報の有効/無効フラグに有効を示す1が設定され、且つ2D測位/3D測位フラグに3D測位状態を示す1が設定されている場合、緯度、経度、高度、UTC、測位に使用した測位衛星信号、測位の信頼性、進行方向、対地速度の各情報に対する全てのフラグに取得できていることを示す1が設定されている場合がある。ただし、2D測位/3D測位フラグに3D測位状態を示す1が設定されている場合であっても、例えば、「対地速度」データが未取得であり、フラグに取得できていないことを示す0が設定されていない場合もある。
【0097】
「緯度」データと「経度」データ及び「高度」データは、緯度と経度及び高度を示す情報である。GPS制御部660は、緯度、経度、及び高度の情報を第1GPS情報から抽出して、抽出した情報を「緯度」データと「経度」データ及び「高度」データとする。
【0098】
「UTC」データ及び「衛星信号」データは、UTC情報と測位に使用した測位衛星の個数を示す情報である。GPS制御部660は、UTCと衛星信号との情報を第1GPS情報から抽出して、抽出した情報を「UTC」データ及び「衛星信号」データとする。
【0099】
「測位の信頼性」データは、測位の信頼性を表す情報であり、PDOP(Position Dilution of Precision;位置精度劣化度)、HDOP(Horizontal Dilution of Precision)VDOP(Vertical Dilution of Precision)などの値である。PDOPは、測位衛星の幾何学的配置を指数化したものである。PDOP値が小さければ位置の精度が高く、大きければ位置の精度が低いことを示している。PDOPの水平成分、垂直成分だけを指数化したものが、それぞれHDOPとVDOPである。GPS制御部660は、PDOP、HDOP、及びVDOPの情報を第1GPS情報から抽出して、抽出した情報を「測位の信頼性」データとする。
【0100】
「進行方向」データ及び「対地速度」データは、測位衛星の進行方向情報と対地速度情報である。GPS制御部660は、進行方向と対地速度との情報を第1GPS情報から抽出して、抽出した情報を「進行方向」データ及び「対地速度」データとする。
【0101】
「方位」データは、図示しない地磁気センサーから取得した方位を示す情報である。GPS制御部660は、アクセサリー600に地磁気センサーが搭載されているか否かを判別する。地磁気センサーが搭載されていると判別した場合、GPS制御部660は、地磁気センサーから出力されたデータから方位を示す情報を抽出し、抽出した情報を「方位」データとする。
【0102】
以上のように、GPS制御部660は、GPSモジュール部650から得られる第1GPS情報から第2GPS情報を生成する。そして、GPS制御部660は、第2GPS情報をカメラ10に通信信号端子Ts6を介して送信する。
【0103】
次に、「GPSデータ有効/無効」データの各フラグの設定方法について説明する。
まずは、第1GPS情報の有効/無効フラグについて説明する。GPS制御部660は、GPSモジュール部650が出力する第1GPS情報からGGAセンテンスを抽出し、抽出したGGAセンテンスの中からGPS Quality Indicator情報g622(図7参照。以下、情報g622という)を抽出する。情報g622の値が0の場合、受信不能を表している。情報g622の値が0の場合、GPS制御部660は、第1GPS情報が無効であるとして、第1GPS情報が有効か無効かを示すフラグに無効を示す0を設定する。情報g622の値が1の場合、単独受信モードを表し、情報g622の値が2の場合、Differential GPS測位モードを表している。情報g622の値が1または2の場合、GPS制御部660は、GPSデータが有効であるとして、GPSデータが有効か無効かを示すフラグに有効を示す1を設定する。
【0104】
2D測位/3D測位フラグについて説明する。GPS制御部660は、GPSモジュール部650が出力する第1GPS情報からRMFセンテンスを抽出し、抽出したRMFセンテンスの中からFix type情報g623(図7参照。以下、情報g623という)を抽出する。情報g623の値が1の場合、3機の衛星からのGPS情報を利用できることを表している。このため、GPS制御部660は、2D測位状態であるとして、2D測位状態か3D測位状態かを示すフラグに、2D測位状態を示す0を設定する。情報g623の値が2の場合、4機以上の衛星からのGPS情報を利用できることを表している。このため、GPS制御部660は、3D測位状態であるとして、2D測位状態か3D測位状態かを示すフラグに、3D測位状態を示す1を設定する。
このように、「GPSデータ有効/無効」データの各フラグは、第1GPS情報から抽出したセンテンスの情報の値に基づき設定されるフラグである。
【0105】
次に、「GPSデータ取得情報」データのフラグの設定方法について説明する。
GPS制御部660は、GPSモジュール部650が出力する第1GPS情報からUTCに関するデータを抽出する。UTCに関するデータとは、例えば、第1GPS情報のZDA(Time & Date - UTC, Day, Month, Year and Local Time Zone)データ、GGA(Global Positioning System Fix Data. Time, Position and fix related data for a GPS receiver)センテンス等である。GPS制御部660は、これらの抽出したデータのステータスが有効であるか否かを抽出し、さらにUTCデータを抽出する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータが予め定められている範囲の数値であるか否かを判定する。なお、UTCデータは、西暦、月、日、時刻(時、分、秒)により構成されている。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「月」を示すデータが、1月から12月を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「年」を示すデータが、例えば2000年から3000年を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「日」を示すデータが、1日から31日を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「時」を示すデータが、0時から23時を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「分」を示すデータが、0分から59分を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。GPS制御部660は、抽出したUTCデータの「秒」を示すデータが、0秒から59秒を示す値であると判定した場合、このデータを有効であると判定する。以上の判定により全てのデータが有効であり、さらに抽出したデータのステータスが有効である場合、GPS制御部660は、UTCデータが取得できていると判定し、UTCデータ取得に対するフラグを1に設定する。
GPS制御部660は、西暦、月、日、時刻(時、分、秒)のうちいずれかのデータが予め定めた範囲外の値の場合、または抽出したデータのステータスが無効である場合、UTCデータが取得できていないと判定し、UTCデータ取得に対するフラグを0に設定する。
このように、GPS制御部660は、第1GPS情報から1つ以上のセンテンスを抽出し、抽出したセンテンスの情報に基づき、取得できているか否かを判定する。そして、「GPSデータ取得情報」データのフラグは、該判定結果に基づき設定されるフラグである。
【0106】
次に、図9を参照して、カメラシステムにおける処理の手順について説明する。
図9は、本実施形態に係るカメラシステム1における処理の手順を示すフローチャートである。カメラシステム1は、アクセサリー600を起動するための一連の処理(起動シーケンス)を行う。
(ステップS1、S2)カメラシステム1は、起動シーケンス(ステップS1)において、カメラ10とアクセサリー600との間で通信ができるように準備する一連の処理(通信準備シーケンス)を行う。カメラシステム1は、通信準備シーケンスにおいて、カメラ10にアクセサリー600が装着されているか否かを検出する。カメラシステム1は、カメラ10にアクセサリー600が装着されている場合、アクセサリー600に電力の供給を開始し、また、カメラ10は、アクセサリー600に通信を許可する。
【0107】
(ステップS3)カメラシステム1は、起動シーケンスにおいて通信準備シーケンスの終了後に、撮像に必要な情報をカメラ制御部170とGPS制御部660との間で相互に通信する一連の処理(初期通信シーケンス)を行う。初期通信シーケンスにおいて、カメラ制御部170は、アクセサリー600が有する機能を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、測位開始要求をGPS制御部660へ送信する。
なお、カメラシステム1は、ステップS2の起動シーケンスに行う以外に、例えば、カメラ10がスリープ状態から復帰後、初期通信シーケンスを行う。また、カメラシステム1は、アクセサリー600の状態が変化した場合等に、アクセサリー600からカメラ10に初期通信シーケンスを行う依頼を行った後、初期通信シーケンスを行う。なお、スリープ状態とは、所定時間ユーザー操作がなかった場合に移行する低消費電力状態である。
【0108】
(ステップS4)カメラシステム1は、初期通信シーケンスの終了後に、設定変更等で変化した情報を更新できるように、カメラ制御部170とGPS制御部660との間で相互に通信する一連の処理(定常通信シーケンス)を行う。
【0109】
(ステップS5)カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの終了後に、割込要求が有るか否かを判定する判定処理を行う。カメラシステム1は、割込要求が無いとステップS5で判定した場合(ステップS5;No)、ステップS4に戻り、定常通信シーケンスの処理を再度行う。
(ステップS6)カメラシステム1は、割込要求が有るとステップS5で判定した場合(ステップS5;Yes)、割込処理を行う。割込処理は、例えば、撮影シーケンスに含まれる一連の処理である。カメラシステム1は、割込処理の終了後に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。すなわち、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、定常通信シーケンスの処理を行わない。
【0110】
次に、図10を参照して、ステップS4(図9)で行う定常通信シーケンスにおける処理の手順について説明する。図10は、本実施形態に係るアクセサリー600における定常通信シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
カメラ制御部170は、ステップS104で受信した、アクセサリー初期状態情報に含まれる機能種類情報に基づいて、アクセサリー600がGPS機能を有するか否かを判定する。アクセサリー600が拡張機能を有する場合、以下の定常通信シーケンスを行う。
【0111】
(ステップS201)カメラ制御部170は、撮像中であるか否かを判定する。撮像中であると判定された場合(ステップS5201;Yes)、定常通信シーケンスを終了する。撮像中ではないと判定された場合(ステップS5201;No)、ステップS202に進む。
【0112】
(ステップS202)カメラ制御部170は、第2GPS情報の送信を要求する第2GPS情報送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS203)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPS情報送信要求コマンドC5011を受信する。
(ステップS204)GPS制御部660は、第2GPS情報送信要求コマンドC5011に従って、第2GPS情報をカメラ制御部170へ送信する。
(ステップS205)カメラ制御部170は、GPS制御部660からの第2GPS情報を受信する。
【0113】
(ステップS206)カメラ制御部170は、第2GPS情報から「GPSデータ有効/無効」データを抽出する。カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データから第2GPS情報が有効か無効かを示す情報を抽出し、抽出結果に基づき第2GPS情報が有効か否かを判定する。
次に、カメラ制御部170は、判定結果に基づき、第2GPS情報が有効か無効かを示す情報を不揮発性メモリー160、またはバッファメモリー165に書き込んで更新する。
第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS206;Yes)、ステップS207に進む。第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS206;No)、ステップS208に進む。
【0114】
(ステップS207)第2GPS情報が有効であると判定した場合(ステップS206;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ10内のGPSデータ更新処理を行う。カメラ10内のGPSデータ更新処理終了後、第2定常通信シーケンスを終了する。
(ステップS208)第2GPS情報が有効ではないと判定した場合(ステップS206;No)、カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続しているか否かを判定する。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS208;Yes)、ステップS209に進む。第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していない、すなわち60秒以内に第2GPS情報が有効に変化した場合(ステップS208;No)、ステップS5207に進む。
(ステップS209)第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合(ステップS208;Yes)、カメラ制御部170は、カメラ10内のGPSデータの無効処理を行う。カメラ10内のGPSデータの無効処理終了後、定常通信シーケンスは終了される。
【0115】
次に、ステップS4(図9)で行う定常通信シーケンスにおけるカメラ10内のGPSデータ更新における処理の手順について説明する。
カメラ制御部170は、「GPSデータ有効/無効」データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されているデータ有効・無効状態データを書き換えて更新する。例えば、第2GPS情報が無効である場合、カメラ制御部170は、データ有効・無効状態データとして“0”を記録する。第2GPS情報が有効である場合、カメラ制御部170は、データ有効・無効状態データとして“1”を記録する。
カメラ制御部170は、第2GPS情報が有効である場合、第2GPS情報から図8を参照して説明した、各データ(「緯度」データ、「経度」データ、「高度」データ、「UTC」データ、「衛星信号」データ、「測位の信頼性」データ、「進行方向」データ、「対地速度」データ、「方位」データ)を抽出し、抽出した各データに基づき、不揮発性メモリー160に記憶されている各データを書き換えて更新する。
【0116】
次に、ステップS214(図11)で行う第2GPS情報の無効処理について説明する。
カメラ制御部170は、第2GPS情報の無効状態が60秒以上継続していると判定した場合、撮像された画像データが保存されている画像ファイルに対して、第2GPS情報に基づく情報を書き込まない。また、カメラ10の表示部102に表示する位置情報に関する表示を無効表示にする。なお、無効表示とは、例えば、「――」(ハイフォン)である。
【0117】
[第1のデータ送受信処理の説明]
次に、図11及び図12を参照して、アクセサリー600とパソコン等の外部機器とをデータ端子640を介して接続ケーブルで接続した場合の動作について説明する。図11は、パソコンからGPS制御部660へデータを送信する第1のデータ送受信処理の一例を示す図である。接続ケーブルは、例えば、USBケーブルである。図12は、本実施形態に係るカメラ、アクセサリー及びパソコン間の第1のデータ送受信処理の一例を説明する図である。
また、アクセサリー600がカメラ10に装着されているとき、データ端子640を介して接続ケーブルで外部機器が接続された場合、アクセサリー600には、カメラ10から電力が供給される。一方、アクセサリー600がカメラ10から取り外され、データ端子640に接続ケーブル経由で外部機器が接続されている場合、アクセサリー600は、外部機器からデータ端子640を介して電力が供給される。
【0118】
アクセサリー600がカメラ10に装着されているとき、データ端子640を介して接続ケーブルで外部機器が接続された場合、アクセサリー600には、カメラ10から電力が供給される。一方、アクセサリー600がカメラ10から取り外され、データ端子640に接続ケーブル経由で外部機器が接続されている場合、アクセサリー600は、外部機器からデータ端子640を介して電力が供給される。
【0119】
(ステップS301)利用者は、アクセサリー600とパソコン(図示せず)とをデータ端子640を介して接続ケーブル(図示せず)で接続する。
(ステップS302)パソコンが接続された場合、GPS制御部660は、パソコンが接続されたことを、例えばデータ端子640の電圧変化に基づき検出する。
【0120】
(ステップS303)時刻t0において、パソコンは、アクセサリー600にデータの送信を開始する。
(ステップS304)GPS制御部660は、パソコンからデータを受信し、受信したデータをバッファメモリー663に記憶させる。なお、パソコンからGPS制御部660に送信するデータは、例えばアシストデータである。なお、アシストデータとは、位置情報の取得に必要な測位衛星の軌道情報で、アクセサリー600に このデータを記憶さえておくことでGPSモジュール部650が位置情報を取得するまでの時間を短くすることができるデータである。この場合、パソコンは、図示しないネットワークを介して、このアシストデータを予め取得する。また、アシストデータの有効期間は、30日程度である。
なお、GPS制御部660は、パソコンから受信したデータがアシストデータの場合、受信したデータを記憶部652aに記憶させるようにしてもよい。
【0121】
(ステップS305)パソコンは、GPS制御部660へのデータ送信が完了したか判定する。データ送信が完了していないと判定した場合(ステップS305;No)、ステップS303に戻り、パソコンは、GPS制御部660へのデータ送信を継続する。データ送信が完了したと判定した場合(ステップS305;Yes)、パソコンは、アクセサリー600とのデータ通信処理を完了する。
【0122】
(ステップS306)時刻t1において、カメラ制御部170は、第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS307)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を受信する。
【0123】
(ステップS308)GPS制御部660は、パソコンからのデータ受信が完了したか否かを判定する。データ受信が完了したと判定した場合(ステップS308;Yes)、ステップS310に進む。データ受信が完了していないと判定した場合(ステップS308;No)、ステップS304に戻り、パソコンからのデータ受信を継続する。データ受信が完了していないと判定した場合、GPS制御部660は、ステップS307で受信した第2GPSデータ送信要求コマンドC5011に応答せず、例えば、カメラ制御部170に第2GPSデータの送信やコマンドに対する応答を送信しない。
【0124】
(ステップS309)カメラ制御部170は、ステップS306で送信した第2GPSデータ送信要求コマンドC5011への応答が有るか否かを判定する。第2GPSデータ送信要求コマンドC5011への応答が有ると判定した場合(ステップS309;Yes)ステップS311に進む。第2GPSデータ送信要求コマンドC5011への応答が無いと判定した場合(ステップS309;No)、ステップS306に戻る。
カメラ制御部170は、時刻t1において第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を送信したことに対する応答がなかった場合(ステップS309;No)、リトライ処理として、時刻t2及びt3において、例えば所定の時間間隔で第2GPSデータ送信要求コマンドC5011をGPS制御部660へ予め定められている回数、送信する。
次に、時刻t2及びt3において、GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を受信する。しかしながら、時刻t2及びt3において、パソコンとのデータ送受信が完了していないため、GPS制御部660は、パソコンとのデータ送受信を継続し、カメラ制御部170へ応答しない。
【0125】
次に、時刻t4において、カメラ制御部170は、リトライ処理として、GPS制御部660へ第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を再送信する(ステップS306)。
時刻t4において、GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を受信する。GPS制御部660は、データ受信が完了したか否かを判定する(ステップS307及びS308)。
【0126】
(ステップS310)データ受信が完了したと判定したため、GPS制御部660は、時刻t4からt5の期間に、カメラ制御部170へ第2GPS情報を送信する。
(ステップS311)時刻t4からt5の期間、カメラ制御部170は、GPS制御部660から第2GPS情報を受信する。
カメラ10とアクセサリー600との間のデータ送受信が完了後、データ通信処理を完了する。
【0127】
なお、図11及び図12を参照して説明した例では、パソコンがGPS制御部660にデータ送信を開始する例を説明したが、これに限られない。例えば、パソコンからGPS制御部660へアシストデータを送信する場合、パソコンは、まずネットワーク経由でアシストデータを取得する。アシストデータ取得後、パソコンはGPS制御部660へ、取得したアシストデータの送信を開始する。このような場合、パソコンとアクセサリー600との間の通信は継続されている状態であり、GPS制御部660は、パソコンとの通信が継続しているときもカメラ制御部170からの第2GPSデータ送信要求コマンドC5011に対して応答しないようにしてもよい。
【0128】
また、図11及び図12において、パソコンからアクセサリー600へデータを送信する例を説明したが、アクセサリー600からパソコンへデータを送信、あるいはパソコンとアクセサリー600との間でデータ送受信を行うようにしてもよい。
【0129】
[第2のデータ送受信処理の説明]
次に、図13及び図14を参照して、アクセサリー600とパソコン等の外部機器とをデータ端子640を介して接続ケーブルで接続した場合の他の動作について説明する。図13は、本実施形態に係るパソコンからGPS制御部660へデータを送信する第2のデータ送受信処理の一例を示す図である。図14は、本実施形態に係るカメラ、アクセサリー及びパソコン間の第2のデータ送受信処理の一例を説明する図である。
図13及び図14の例において、カメラ制御部170は、第2GPSデータ送信要求コマンドC5011をGPS制御部660へ、予め定められている周期で送信する。図11及び図12を参照して説明した例との差異は、カメラ制御部170は、予め定められた回数、第2GPSデータ送信要求コマンドC5011をGPS制御部660へ送信しても応答が無い場合、アクセサリー600に何らかの異常が発生したと判定してGPS制御部660に対して電源オフ処理を行う。このため、GPS制御部660は、カメラ制御部170から第2GPSデータ送信要求コマンドC5011の受信回数(コマンド受信回数)が、予め定められている回数より少ない期間内にパソコンとのデータ送受信を行う。
【0130】
ステップS401からS404は、図11で説明したステップS301からS304と同様に行い、パソコンは、時刻t0からGPS制御部660との通信を開始し、GPS制御部660にデータ1(第1のデータ)の送信を開始する。
【0131】
(ステップS405)パソコンは、GPS制御部660へのデータ送信が完了したか判定する。データ送信が完了していないと判定した場合(ステップS405;No)、ステップS414に進む。データ送信が完了したと判定した場合(ステップS405;Yes)、パソコンは、アクセサリー600とのデータ通信処理を完了する。
【0132】
(ステップS406)時刻t101において、カメラ制御部170は、第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を、GPS制御部660へ送信する。
(ステップS407)GPS制御部660は、カメラ制御部170からの第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を受信する。
【0133】
(ステップS408)第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を受信後、GPS制御部660は、パソコンからのデータ受信が完了したか否かを判定する。データ受信が完了したと判定した場合(ステップS408;Yes)、ステップS417に進む。データ受信が完了していないと判定した場合(ステップS408;No)、ステップS409に進む。
【0134】
(ステップS409)GPS制御部660は、コマンド受信回数をカウントする。図14に示したように、時刻t101において、コマンド受信回数は1回である。
(ステップS410)GPS制御部660は、コマンド受信回数がn回以上であるか否かを判定する。コマンド受信回数がn回以上であると判定した場合(ステップS410;Yes)、ステップS413に進む。コマンド受信回数がn回以上ではないと判定した場合(ステップS410;No)、ステップS404に戻り、ステップS404からS410を繰り返す。
【0135】
(ステップS411)カメラ制御部170は、ステップS406で送信した第2GPSデータ送信要求コマンドC5011への応答が有るか否かを判定する。第2GPSデータ送信要求コマンドC5011への応答が有ると判定した場合(ステップS411;Yes)ステップS418に進む。第2GPSデータ送信要求コマンドC5011への応答が無いと判定した場合(ステップS411;No)、ステップS412に進む。
【0136】
(ステップS412)カメラ制御部170は、GPS制御部170に第2GPSデータ送信要求コマンドC5011の送信回数(コマンド送信回数)がn回より大きいか否かを判定する。コマンド送信回数がn回より大きくないと判定した場合(ステップS412;No)、ステップS406に戻り、第2GPSデータ送信要求コマンドC5011をGPS制御部660へ予め定められている周期で送信し続ける(時刻t102及びt103)。
コマンド送信回数がn回より大きいと判定した場合(ステップS412;Yes)、ステップS421に進む。
【0137】
(ステップS413)コマンド受信回数がn回以上であると判定した場合、例えば図14の時刻t103において、GPS制御部660は、データ送信の一時停止要求コマンドをパソコンへ送信する。
(ステップS414)パソコンは、GPS制御部660からのデータ送信一時停止要求コマンドが送信されてきたか否かを判定する。データ送信一時停止要求コマンドが送信されてきたと判定した場合(ステップS414;Yes)、パソコンは、GPS制御部660からのデータ送信一時停止要求コマンドを受信し、ステップS415に進む。データ送信一時停止要求コマンドが送信されてきていないと判定した場合(ステップS414;No)、ステップS403に戻り、GPS制御部660との通信を継続する。
(ステップS415)パソコンは、受信したデータ送信一時停止要求コマンドに従って、GPS制御部660へデータ1の送信を一時停止する。
【0138】
(ステップS416)データ送信一時停止要求コマンドを送信後、時刻t103からt104の期間に、GPS制御部660は、第2GPS情報(第2のデータ)をカメラ制御部170に送信する。
(ステップS417)時刻t103からt104の期間、カメラ制御部170は、GPS制御部660から第2GPS情報を受信する。
カメラ10とアクセサリー600との間のデータ送受信が完了後、データ通信処理を完了する。
【0139】
(ステップS418)時刻t104において、カメラ制御部170への第2GPS情報送信後、GPS制御部660は、データ送信再開要求コマンドをパソコンへ送信する。
(ステップS419)パソコンは、GPS制御部660からのデータ送信再開要求コマンドを受信する。パソコンは、受信したデータ送信再開要求コマンドに従って、ステップS403に戻り、残りのデータ2をGPS制御部660への送信を再開する。
図14に示した例では、パソコンは、データ2を時刻105からt106の期間、GPS制御部660へ送信する。このため、GPS制御部660は、時刻t105において、カメラ制御部170から受信した第2GPSデータ送信要求コマンドC5011に対して応答しないで、パソコンとのデータ送受信を継続する。
【0140】
(ステップS420)ステップS412において、コマンド送信回数がn回より大きいと判定した場合、カメラ制御部170は、アクセサリー600に何らかの異常が発生したと判定してGPS制御部660に対して電源オフ処理を行う。
【0141】
また、図13及び図14において、パソコンからアクセサリー600へデータを送信する例を説明したが、アクセサリー600からパソコンへデータを送信、あるいはパソコンとアクセサリー600との間でデータ送受信を行うようにしてもよい。この場合においても、GPS制御部660は、カメラ制御部170から第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を受信した場合、予め定められているコマンド受信回数以内にパソコンとのデータ送受信を行い、データ送受信後に第2GPS情報をカメラ制御部170へ送信する。
なお、カメラ制御部170からGPS制御部660へ送信するコマンドとして第2GPSデータ送信要求コマンドC5011を例に説明したが、これに限られず他のコマンドでもよい。他のコマンドを受信した場合であっても、GPS制御部660は、予め定められているコマンド受信回数以内にパソコンとのデータ送受信を行い、データ送受信後にコマンドに応じた応答をカメラ制御部170へ送信するようにしてもよい。なお、予め定められているコマンド受信回数は、コマンド毎に異なる回数であっても、同じ回数であってもよい。
【0142】
図11〜図14を参照して説明したように、アクセサリー600は、データ端子640を備えている。アクセサリー600のデータ端子640に接続ケーブルが接され、アクセサリー600がパソコンとの通信を行っている場合、パソコンは、アシストデータをアクセサリー600に送信、または書き込むことができる。
また、アクセサリー600は、データ端子640に接続ケーブルが接され、パソコンとの通信が行われている場合、カメラ10から送信されるコマンドに対して応答せず、第2GPS情報を送信しない。従って、パソコンとアクセサリー600との間で迅速にデータ送受信ができる。
この結果、GPS制御部660は、アシストデータを用いて、測位衛星からの受信データを受信することができるので、スリープ解除後や電源供給開始後に行う測位にかかる時間を短くできる。また、測位にかかる時間を短くできるため、アクセサリー600の消費電力を削減することができる。また、ネットワークから取得したアシストデータによっては、衛星軌道のデータの有効期間が最大で7日程度にできるため、測位衛星から航法メッセージを取得して更新する間隔を長くできる。
【0143】
さらに、図13及び図14を参照して説明したように、カメラ制御部170から送信されるコマンドが、予め定められている回数、アクセサリー600へ再送信される場合、GPS制御部660は、この予め定められている回数より少ないコマンドが再送信されている期間内にパソコンとのデータ送受信を行う。
また、GPS制御部660は、カメラ制御部170のコマンド送信のリトライ処理期間内に、パソコンとのデータ送受信を行い、データ送受信中は、カメラ制御部170からのコマンドに応答しない。そして、カメラ制御部170のコマンド送信のリトライ処理期間内にパソコンとのデータ送受信が完了しない場合、GPS制御部660は、一度、パソコンとのデータ送受信を停止するコマンドをパソコンへ送信した後、第2GPS情報をカメラ制御部170へ送信する。
この結果、GPS制御部660は、カメラ制御部170からのコマンドのリトライ処理期間内にパソコンとのデータ送受信を行うことができる。
【0144】
次に、図11〜図14を参照して説明したGPS制御部660とパソコンとの間で送受されるデータの他の使用例を説明する。
パソコンは、GPS制御部660から測位データを受信する。測位データ受信後、パソコンは、例えばネットワーク経由で、測位データに基づく地図の画像データを取得し、取得した地図の画像データをGPS制御部660に送信する。
GPS制御部660は、パソコンから地図の画像データを受信し、受信した地図の画像データを記憶されている測位データと合わせて、図示しないアクセサリー600の表示部に表示する。または、GPS制御部660は、パソコンから受信した地図の画像データを第2GPS情報に付加してカメラ制御部170に送信する。カメラ制御部170は、受信した第2GPS情報及び地図の画像データに基づき画像データを生成し、生成した画像データを表示部102に表示させる。カメラ制御部170が生成する画像データは、例えば、地図の画像上に第2GPS情報に基づく測位データを文字情報として合成したものである。
上述したように、アクセサリー600とパソコンとの間で送受信したデータを用いることで、さらにカメラシステム1の利便性を向上できる。
【0145】
なお、図11から図14を参照して説明した例において、パソコンとGPS制御部660との間で送受信するデータの容量は、例えば、予め定められた容量毎にデータを送信する。すなわち、例えば、パソコンは、GPS制御部660に送信するデータの容量が予め定められた容量より大きい場合、予め定められている容量に送信データを分けて、GPS制御部660へ送信するようにしてもよい。
【0146】
また、図11から図14に示したパソコンとアクセサリー600との間のデータ送受信が行われている期間、GPS制御部660は、GPSモジュール部650に対して、測位を停止させるように制御してもよい。
【0147】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した要件のうち少なくとも1つの要件は、省略される場合がある。上記の実施形態で説明した各要件は、適宜、組み合わせることができる。
【0148】
なお、上述のカメラボディ100とアクセサリー600は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、各機能部の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリーやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0149】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0150】
1・・・カメラシステム、10・・・カメラ、15・・・シュー座(アクセサリーシュー)、25・・・端子部、160・・・不揮発性メモリー、165・・・バッファメモリー、Tp1・・・接地端子、Tp2・・・接地端子、Tp3・・・基準電位端子、Tp4・・・同期信号端子、Tp5・・・基準電位端子、Tp6・・・通信信号端子、Tp7・・・起動検出レベル端子、Tp8・・・発光制御信号端子、Tp9・・・通信制御信号端子、Tp10・・・オープン端子、Tp11・・・電源端子、Tp12・・・電源端子、Ts1・・・接地端子、Ts2・・・接地端子、Ts3・・・基準電位端子、Ts4・・・同期信号端子、Ts5・・・基準電位端子、Ts6・・・通信信号端子、Ts7・・・起動状態提供端子、Ts8・・・発光制御信号端子、Ts9・・・通信制御信号端子、Ts10・・・オープン端子、Ts11・・・電源端子、Ts12・・・電源端子、CLK・・・同期信号、DET・・・起動検出レベル、DATA・・・通信信号、PWR・・・電力、PGND・・・基準電位、SGND・・・基準電位、
34・・・計時部、600・・・アクセサリー、623・・・端子部(第2情報通信部)、630・・・操作部、635・・・LED、640・・・データ端子(第1情報通信部)、650・・・GPSモジュール部(測位部)、660・・・GPS制御部(アクセサリー制御部)、663・・・バッファメモリー(第1記憶部、第2記憶部)、664・・・充電部、665・・・2次電池、651・・・アンテナ、652・・・GPS演算部、652a・・・記憶部、653・・・RTC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器と情報通信が可能な第1情報通信部と、
カメラと情報通信が可能な第2情報通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記カメラへの予め定められているデータの送信よりも前記外部機器との間におけるデータの送信または受信を優先して行う
ことを特徴とするアクセサリー。
【請求項2】
前記制御部は、
前記外部機器との間におけるデータの送信または受信が完了した後、前記カメラへの予め定められているデータを送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のアクセサリー。
【請求項3】
前記制御部は、
前記カメラから受信する予め定められているデータの受信回数をカウントし、当該カウントしたデータの受信回数が予め定められている回数より少ない場合、前記カメラへの予め定められているデータの送信よりも、前記外部機器との間でのデータの送信または受信を優先して行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアクセサリー。
【請求項4】
前記制御部は、
前記カウントしたデータの受信回数が予め定められている回数以上の場合、前記カメラからの予め定められているデータを送信または受信
ことを特徴とする請求項3に記載のアクセサリー。
【請求項5】
前記制御部は、
前記カウントしたデータの受信回数が予め定められている回数以上の場合、前記外部機器との通信を一時停止する要求を前記外部機器に送信する
ことを特徴とする請求項3または請求項4のいずれか1項に記載のアクセサリー。
【請求項6】
前記外部機器との間で送信または受信が行われる第1のデータの大きさは、
前記第2情報通信部と前記カメラとの間で行われる通信期間内に送受信できる大きさである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアクセサリー。
【請求項7】
第2のデータを記憶している第1記憶部
を備え、
前記予め定められているデータは、
前記第1記憶部に記憶されている前記第2のデータを前記カメラへ送信させる送信要求である
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のアクセサリー。
【請求項8】
測位を行う測位部、
を備え、
前記制御部は、
前記外部機器から受信した情報を第2記憶部に記憶させ、
前記記憶させた情報が、測位に関するデータである場合、前記第2記憶部に記憶させた情報に基づいて前記測位部に測位を行わせるように制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のアクセサリー。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1情報通信部と前記外部機器との間で通信を行っている場合、前記測位部による測位を禁止する
ことを特徴とする請求項8に記載のアクセサリー。
【請求項10】
前記カメラから前記第2情報通信部を介して電力が供給される
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のアクセサリー。
【請求項11】
前記外部機器から前記第1情報通信部を介して電力が供給される
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のアクセサリー。
【請求項12】
外部機器と情報通信が可能な第1情報通信部と、制御部と、カメラと情報通信が可能な第2情報通信部と、を有するアクセサリーの制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
前記カメラへの予め定められているデータの送信よりも、前記外部機器との間でのデータの送信または受信を行う手順
をコンピュータに実行させるためのアクセサリー制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−66044(P2013−66044A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203307(P2011−203307)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】