説明

アクセス装置

アクセス装置は患者の体内空間内に医療物品を配置する。本装置は、細長い本体、その細長い本体上の側面穿孔および針ハブを含む針を備えている。本装置は、さらに、上述の針の細長い本体上に配置され、且つその細長い本体に沿って摺動可能な拡張器、および医療物品も含んでいる。医療物品は拡張器上に配置され、且つ、拡張器に沿って摺動可能である。この拡張器および針は上述の側面穿孔と連通した1つ以上のスペースを形成している。拡張器および医療物品の少なくとも一部は前述のスペース内における体液の存在を視覚的に決定することができるように構成されている。針の外面および拡張器の内面は界面活性剤を含むことができる。その上、針および拡張器のうちの少なくとも一方は、さらに、前述のスペースからの空気の脱出を許容し、且つ、スペースからの体液の脱出を阻止する、スペースと連通した通気口を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、米国仮特許出願第61/036,900号(2008年3月14日出願)、第61/095,886号(2008年9月10日出願)および第61/107,632号(2008年10月22日出願)に関し、それらの仮特許出願に対する35U.S.C.§119(e)の下での利益を主張するものである。これらの各仮特許出願は、参照によりそれらの内容全体が本明細書に明確に組み入れられる。
【0002】
本発明は、一般的に、たとえば動脈、静脈、脈管、体腔またはドレナージ部位などの体内空間内に医療物品(たとえばカテーテル、カニューレ、シースなど)を導入および/または送達するためのアクセス装置を対象としている。
【背景技術】
【0003】
血管内へカテーテルまたは脈管シースを挿入するための好適な非外科的方法は、Seldinger法または修正Seldinger法の使用を含み、それらの方法は患者の血管内に挿入されるアクセス針を含む。ガイドワイヤーがその針を通じて血管内へ挿入される。針が取り除かれた後、拡張器およびシースが組み合わせてまたは別々にガイドワイヤー上に沿って挿入される。次いで、拡張器およびシースが一緒にまたは別々に組織を通じて血管内へ短い距離だけ挿入され、その後、拡張器およびガイドワイヤーが取り除かれ、廃棄される。この後、シースを通じて血管内へカテーテルもしくは他の医療物品を所望の場所まで挿入することができ、または単にシースを血管内に留置しておくこともできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
数多くの脈管アクセス装置が公知である。米国特許第4,241,019号、第4,289,450号、第4,756,230号、第4,978,334号、第5,124,544号、第5,424,410号、第5,312,355号、第5,212,052号、第5,558,132号、第5,885,217号、第6,120,460号、第6,179,823号、第6,210,332号、第6,726,659号および第7,025,746号はそのような装置の例を開示している。しかし、これらの装置はどれも、医師および他の医療サービス提供者が希望すると考えられる使い勝手の良さおよび使用の安全性を有していない。したがって、使い勝手が改良され且つ一層安全な脈管アクセス装置に対するニーズが存在し、とくに、血管が穿刺されたときに明確に、且つ、即座にそれを示すことができるアクセス装置、ならびに偶発的な針刺しおよびワイヤーに沿った脈管アクセスに関わる他の付随するリスクを低減することができるアクセス装置に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記載されている実施形態は、たとえば血管またはドレナージ部位などの患者の身体内における空間にカテーテルまたはシースを送達するのに有用なアクセス装置としての幾つかの特徴を含んでいる。本発明の範囲を限定するものではないが、中でも一層顕著な特徴が簡潔に検討される。この検討を考慮した後、とくにはこのセクションと組み合わせて以降の「好適な実施形態の詳細な説明」セクションを読んだ後には、これらの実施形態の特徴および態様がどのように従来のアクセス装置を上回る幾つかの利点をもたらすのかが理解されよう。
【0006】
1つの実施形態においては、体内空間に医療物品を配置するためのアクセス装置が提供され、そのアクセス装置は針、拡張器およびシースを含んでいる。針は、遠位側端部を伴った細長い針本体とそこから針本体が延びるハブとを有することができる。針本体は内面、外面および側方穴を有することができる。拡張器は、針本体上に配置することができ、拡張器本体および拡張器ハブを含むことができる。拡張器本体は内面および外面を含むことができる。シースは、拡張器本体上に配置することができ、シース本体およびシースハブを含むことができる。シース本体は内面および外面を含むことができる。針の表面、拡張器の表面およびシースの表面のうちの少なくとも1つに界面活性剤または潤滑性材料を少なくとも部分的にコーティングすることができる。場合によっては、シースの内面と針の外面との間のどこかにスペースを定め、そのスペースを上述の側方穴と連通させることもできる。
【0007】
さらに、上で検討されているものや、以下のパラグラフで検討されているものを含め、これらの実施形態およびもっと特定的な実施形態において、それらの表面のあらゆるサブコンビネーションを界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができる。たとえば、針の外面および/または拡張器の内面を界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができ;および/または、拡張器の外面および/またはシースの内面を界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができる。したがって、1つ、2つ、3つまたは4つすべての表面が界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされてよい。さらに、場合によっては針の内面および/またはシースの外面も界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされてよい。一般的に、本明細書で言及されている場合、少なくとも部分的にコーティングされている針、拡張器またはシースの表面という表現は、全体的にコーティングされている表面、大部分がコーティングされている表面または一部分がコーティングされている表面を含むことができる。さらに、本明細書で記載されている他の実施形態におけるこれらの要素および表面、ならびに同様な要素および表面は、上述の実施形態との関係において記載されているようにして、少なくとも部分的にコーティングすることができる。
【0008】
本発明の1つの態様は、体内空間に医療物品を配置するためのアクセス装置である。該装置は、遠位側端部を伴った細長い針本体とそこから針本体が延びるハブとを有する針を含んでいる。前記装置は、さらに、針本体上に配置された拡張器を含んでいる。針および拡張器は、針の遠位側端部が拡張器の遠位側に在る第1の位置および針の遠位側端部が拡張器内に在る第2の位置から相互に相対的に移動可能である。拡張器は、拡張器ハブと該拡張器ハブから延びる細長い拡張器シャフトとを含んでいる。前記装置は、さらに、第2の位置に在るときに拡張器に対して相対的な針の移動を阻止すべく針と拡張器との間で作動するロック機構を含んでいる。前記ロック機構は、移動に対する抵抗を少なくするために、ロック機構による係合を伴うことなく針が第1の位置から第2の位置へ向けて移動することができるように構成されている。前記装置は、さらに、拡張器上に配置されたシースを含み、前記拡張器およびシースは相互に相対的に移動可能である。さらに、針の外面、拡張器の内面、拡張器の外面またはシースの内面のうちの少なくとも1つを界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができる。場合によっては、針の内面および/またはシースの外面が界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされる。
【0009】
本発明の別の態様は、体内空間に医療物品を配置するためのアクセス装置である。該装置は、長手方向軸を伴った針本体、遠位側先端部、および針本体がそこから延びる針ハブを有する針を含んでいる。前記装置は、さらに、拡張器シャフトおよび拡張器ハブを有する拡張器を含んでいる。拡張器シャフトは、拡張器ハブが針ハブの遠位側に配置されている状態で針本体に沿って摺動可能に針本体上に配置されている。前記装置は、さらに、チューブ状セクションおよびハブを有するシースを含んでいる。前記チューブ状セクションは、前記ハブが拡張器ハブの遠位側に配置されている状態で拡張器に沿って摺動可能に拡張器上に配置されている。前記装置は、拡張器ハブから近位側方向に延びるトラック、ならびに拡張器に対して相対的な針の近位方向の移動を選択的に阻止するために前記トラックおよび針ハブの間で作動可能に配置されたロック機構を含んでいる。さらに、針の外面、拡張器の内面、拡張器の外面またはシースの内面のうちの少なくとも1つを界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができる。場合によっては、針の内面および/またはシースの外面が界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされる。
【0010】
本発明の尚も別の態様は、体内空間に医療物品を配置するためのアクセス装置である。該装置は遠位側端部と第1の穿孔とを有する針を含んでいる。前記装置は、さらに、前記針に沿って摺動可能にその針に配置され、且つ、第2の穿孔を有する拡張器を含んでいる。第1および第2の穿孔のうちの1つは、少なくとも1つの方向において、該方向における第1および第2の穿孔のうちのもう一方よりも大きな寸法を有する。前記装置は、さらに、拡張器に同軸的に配置され、且つ、その拡張器上で長手方向に移動可能なシースを含んでいる。さらに、針の外面、拡張器の内面、拡張器の外面またはシースの内面のうちの少なくとも1つを界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができる。場合によっては、針の内面および/またはシースの外面が界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされる。
【0011】
尚も別の態様は、体内空間に医療物品を配置するためのアクセス装置である。該装置は遠位側端部と少なくとも1つの穿孔とを有する針を含んでいる。前記装置は、さらに、針の少なくとも一部に配置されたシャフトを有する拡張器を含んでいる。前記装置は、さらに、拡張器の少なくとも一部に配置されたシース、および針と拡張器シャフトの長さのうちの少なくとも実質的な一部に沿って延びるシースの外面との間に配置された少なくとも1つの細長いチャンネルを含んでいる。前記チャンネルは針における穿孔と連通し、拡張器の長手方向軸の周りで360度未満のスパン角度を有する。さらに、針の外面、拡張器の内面、拡張器の外面またはシースの内面のうちの少なくとも1つを界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができる。場合によっては、針の内面および/またはシースの外面が界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされる。
【0012】
別の態様は、体内空間に医療物品を配置するための予め組み立てられたアクセス装置に関する。該装置は、少なくとも1つの穿孔を伴った遠位側端部を有する針、および該針の少なくとも一部の周りに同軸的に配置されたシャフトを含む拡張器を含んでいる。前記装置は、さらに、拡張器の少なくとも一部の周りに同軸的に配置されたシース、および針と医療物品の外面との間に形成された少なくとも1つの細長いチャンネルを含んでいる。前記チャンネルは拡張器シャフトの長さのうちの少なくとも実質的な一部に沿って延びている。前記チャンネルは針における穿孔と連通している。チャンネルは、少なくとも一部では、医療用具の内面に形成された溝、拡張器の外面に形成された溝、拡張器の内面に形成された溝、またはそのような溝の組み合わせによって定められている。幾つかの様式においては、溝は針の長手方向軸の周囲で部分的にのみ延び、別の様式においては、溝はその軸に沿って螺旋形を成している。さらに、針の外面、拡張器の内面、拡張器の外面またはシースの内面のうちの少なくとも1つを界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができる。場合によっては、針の内面および/またはシースの外面が界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされる。
【0013】
更なる態様は、体内空間に医療物品を配置するためのアクセス装置に関する。該アクセス装置は、遠位側端部および長手方向軸を有する針、ならびに針の少なくとも一部に配置され、且つ、外面を有する拡張器を含んでいる。シースが拡張器の少なくとも一部に配置されており、内面を有する。少なくとも医療物品の内面の一部または拡張器の外面の一部は、それらの間に長手方向軸に沿って延びるギャップを形成するため、(それぞれ)拡張器の外面またはシースの内面の隣接した部分の形状とは異なる形状を有する。さらに、針の外面、拡張器の内面、拡張器の外面またはシースの内面のうちの少なくとも1つを界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングすることができる。場合によっては、針の内面および/またはシースの外面が界面活性剤および/または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされる。
【0014】
少なくとも針が患者に挿入されるときの針と拡張器との間での相対的な回転運動を阻止するため、幾つかの実施形態においては、解放可能なインターロックを設けることができる。そのような相対的な回転運動を阻止することにより、血液または流体がそこを通って流れ得る簡易化されたチャンネルを提供すべく、針および拡張器に設けられた連通用穿孔を整列した状態で保持することができる。したがって、針が患者の血管またはドレナージ部位に入ったときに、血液または他の体液がチャンネル内に迅速に流入する。結果として生じる血液または流体のフラッシュはシース(またはカテーテル)を通じて視覚可能であり、これは、針の先端が血管またはドレナージ部位に入ったことを示している。
【0015】
たとえば、これに限定するものではないが、拡張器は、幾つかの実施形態においては、拡張器ハブおよび1つ以上の側面穿孔を有する拡張器を含むことができる。この拡張器ハブはルアー式接続手段および解放可能なロック機構を有していてよい。解放可能なロック機構は、拡張器を針ハブなどの別のパーツに解放可能に係合および固定できるように構成することができる。針ハブおよび拡張器ハブがそれらの間で生じる回転を防止するために解放可能にロックされているときには、拡張器に設けられた1つ以上の側面穿孔のうちの少なくとも一部が針における1つ以上の側面穿孔のうちの少なくとも一部と整列している。また、このロック機構は、針と拡張器との間で生じる意図しない相対的軸方向移動を阻止することができるように構成することもできる。
【0016】
シースは、必ずという訳ではないが、好適にはシースハブを含んでいる。シースは、部分的にまたは完全に、透明感のある材料、半透明の材料、半不透明な材料または透明な材料でできていてよい。そのような透明な材料、半透明の材料、半不透明な材料および透明感のある材料は、血液または他の体液が、1つもしくは複数の針穿孔を通じて、さらには1つもしくは複数の側面拡張器穿孔を通じて針内に流入したときに、および拡張器とシースとの間の観察用スペース内に血液または他の体液が流入したときに、それを見ることができる能力を臨床医師に付与する。また、シースは、観察用のスペースを覆い隠さないようにして配置される放射線不透過性ストライプも有していてよい。さらに、シースはシリコーンコーティングを有することもできる。
【0017】
さらに、本発明の幾つかの実施形態においては、体内空間に医療物品を配置するためのアクセス装置を提供することができる。該アクセス装置は針、拡張器および医療物品を含むことができる。針は、遠位側端部を伴った細長い針本体、さらには針本体がそこから延びるハブを有することができる。細長い針本体は、さらに、少なくとも1つの側面穿孔を有することができる。拡張器は前記針本体上に配置することができ、拡張器ハブとその拡張器ハブから延びる細長い拡張器シャフトとの両方を含むことができる。ここで、拡張器シャフトおよび細長い針本体は一緒になって1つ以上のスペースを形成することができ、これらのスペースのうちの少なくとも1つは針における側面穿孔と連通することができる。前記医療物品はチューブ状セクションおよびハブを含むことができる。前記医療物品のチューブ状セクションは拡張器上に配置することができる。さらに、拡張器および医療物品のうちの少なくとも一部は、観察者が前記スペース内における体液の存在を視覚的に決定することができるように構成することができる。加えて、針または拡張器のうちの少なくとも一方は、前記スペースと連通した通気口を含むことができる。前記通気口は、前記スペースから空気が流出するのを可能にし、且つ、前記スペースから体液が漏出するのを阻止することができる。さらに、これらの実施形態は、本明細書で記載されているように、界面活性剤およびシリコーンコーティングを含むことができる。
【0018】
本発明のこれらの態様および他の態様は、当業者であれば、添付図面を参照して行われる以下の好適な実施形態の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。しかし、本発明は、開示されているこれらの特定の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本明細書で開示されているアクセス装置のこれらの特徴、態様および利点、ならびに他の特徴、態様および利点が好適な実施形態の図面を参照しながら以下で説明されるが、それらの実施形態は例証することを意図したものであり、本発明を制限することを意図したものではない。さらに、これらの幾つもの図面にわたって、例証されている実施形態の同じ構成要素を指定するために同じ参照番号が使用されている。これらの例証されている実施形態間における似通った構成要素は、同様に、別の実施形態を示すための添え字を伴った同一の参照番号として記されている。以下は各図の簡単な説明である。
【図1A】図1Aは本発明にしたがって構成されるアクセス装置の1つの好適な実施形態の斜視図であり、針、拡張器および医療物品と同軸的に整列された状態で予め組み込まれているガイドワイヤーセクションを示す。
【図1B】図1Bは、図1Aに描かれている実施形態の平面図である。
【図2A】図2Aは図1Aからの針の平面図であり、遠位側端部付近の穿孔を示す。
【図2B】図2Bは図1Aからの針の側面図であり、近位側端部付近のフィンを示す。
【図2C】図2Cは、図2Aの線2C−2Cに沿って切り取った断面図である。
【図2D】図2Dは図2Aの針の一部の拡大平面図であり、穿孔を示す。
【図2E】図2Eは、図2Aの針の針ハブの拡大平面図である。
【図2F】図2Fは、図2Aの針の針ハブの拡大側面図である。
【図2G】図2Gは、図2Aの針の針ハブの拡大近位側端面図である。
【図3A】図3Aは図1Aからの拡張器の平面図であり、遠位側端部付近の穿孔を示す。図3Aは、拡張器とシースとの間から空気を放出するためにルアー表面に長手方向に配列された溝も示す。
【図3B】図3Bは、図3Aの線3B−3Bに沿って切り取った断面図である。
【図3C】図3Cは図3Aからの拡張器の一部の拡大平面図であり、穿孔および長手方向に延びるチャンネルを示す。
【図3D】図3Dは、図3Aからの拡張器ハブの拡大端面図である。
【図3E】図3Eは、対応するネジ山を有するシースに固定することができるように構成されたロック用回転ナットを含む、拡張器ハブの別の実施形態の斜視図である。
【図3F】図3Fは図3Aの線3F−3Fに沿って切り取った断面図であり、ルアー表面の円周の周りに等間隔で設けられた溝を示す。
【図4A】図4Aは図1Aからのシースの平面図であり、シースの近位側端部に結合されたシースハブを示す。
【図4B】図4Bは図4Aの線4B−4Bに沿って切り取った断面図である。
【図4C】図4Cは、図4Aからのシースの拡大端面図である。
【図4D】図4Dは、図4Aからのシースの近位側部分の拡大斜視図である。
【図5A】図5Aは図1Aからのガイドワイヤーセクションの斜視図であり、ガイドワイヤーの近位側端部に連結されたガイドワイヤーハブを示す。
【図5B】図5Bは、図5Aに描かれている実施形態のガイドワイヤーセクションの平面図である。
【図6A】図6Aは、図1Aからのトラックの斜視図である。
【図6B】図6Bは図6Aのトラックの平面図であり、拡張器に対して相対的に針をロックするためのロック機構を示す。
【図6C】図6Cは、図6Bのトラックの側面図である。
【図6D】図6Dは、図6Bからのロック機構の拡大図である。
【図6E】図6Eは、予め組み込まれた状態のガイドワイヤーセクションをロックする別のロック機構の拡大図である。
【図7A】図7Aは図1Aからのアクセス装置の平面図であり、予め組み込まれた状態のトラックにロックされたガイドワイヤーセクションと共に、図6Eからのロック機構を示す。
【図7B】図7Bは、図7Aからのアクセス装置およびロック機構の側面図である。
【図7C】図7Cは図7Aのアクセス装置を通った断面図であり、トラックの要素と留め具との間に配置されたガイドワイヤーハブを示す。
【図7D】図7Dは図7Bからのアクセス装置の拡大端面図であり、ガイドワイヤーハブの少なくとも一部の周りでトラックから延びる2つのアームを示す。
【図8A】図8Aは図1Aに描かれている実施形態の平面図であり、アクセス装置の遠位側端部を患者に挿入する様子を示す。
【図8B】図8Bは、患者に隣接したアクセス装置の領域に焦点を当てた、図8Aに描かれている実施形態の拡大図である。
【図8C】図8Cは図8Bに描かれている実施形態の一部の拡大図であり、隠れ線において、拡張器の開口または穿孔と整列した針の開口または穿孔を描いている。
【図8D】図8Dは図8Cに描かれている実施形態の一部の拡大断面図であり、流体が針の内部からシースと拡張器との間で形成されたチャンネルへ流れることができるようにするために、拡張器の開口または穿孔と整列した針の開口または穿孔を示す。
【図8E】図8Eは、流体が0.002インチのギャップ高さ幅を有するチャンネルを通じて引き上げられる速度を示すグラフである。
【図8F】図8Fは、流体が0.001インチのギャップ高さ幅を有するチャンネルを通じて引き上げられる速度を示すグラフである。
【図8G】図8Gは、流体が0.0005インチのギャップ高さ幅を有するチャンネルを通じて引き上げられる速度を示すグラフである。
【図8H】図8Hは、拡張器内におけるチャンネルの遠位側領域を通って切り取った、図8Cに描かれている実施形態の一部の拡大断面図である。
【図8I】図8Iは、針ハブが第1の位置に在るときに針ハブが拡張器ハブにロックされる領域に焦点を当てた、図8Aに描かれている実施形態体の拡大図である。
【図8J】図8Jは、図8Iに描かれている実施形態の断面図である。
【図9A】図9Aは、ガイドワイヤーが針先端部から遠位側方向に進められている様子を描いた、図1Aに描かれている実施形態の側面図である。
【図9B】図9Bは、針ハブが第1の位置に在るときにガイドワイヤーハブが針ハブにロックされる領域に焦点を当てた、図9Aに描かれている実施形態の拡大図である。
【図9C】図9Cは、図9Bに描かれている実施形態の断面図である。
【図10A】図10Aは、図9Aに描かれている位置から針本体に対して相対的に遠位側方向に進められている拡張器およびシースを描いた、図1Aに描かれている実施形態の側面図である。
【図10B】図10Bは、針ハブが第2の位置に在るときに針ハブがトラックにロックされる領域に焦点を当てた、図10Aに描かれている実施形態の拡大背面図である。
【図11A】図11Aは、シースからガイドワイヤー、針本体および拡張器を除去する様子を描いた、図1Aに描かれている実施形態の側面図である。
【図11B】図11Bは、シースからガイドワイヤー、針本体および拡張器を除去している間に針先端部が拡張器によって覆われている様子を示した、図11Aに描かれている実施形態の一部の拡大図である。
【図12A】図12Aは、針および拡張器における整列された開口または穿孔の別の実施形態を描いた、拡大平面図である。
【図12B】図12Bは図12Aの線13B−13Bに沿った、拡大断面図であり、流体が針の内部からシースと拡張器との間に形成されたチャンネルへ流れることができるようにするために、拡張器の開口または穿孔と整列された針の開口または穿孔を示す。
【図13A】図13Aは、針および拡張器における整列された開口または穿孔の別の実施形態を描いた、拡大平面図である。
【図13B】図13Bは図13Aの線13B−13Bに沿った、拡大断面図であり、流体が針の内部からシースと拡張器との間に形成されたチャンネルへ流れることができるようにするために、拡張器の開口または穿孔と整列された針の開口または穿孔を示す。
【図14A】図14Aは、拡張器とシースとの間に形成されるチャンネルの別の実施形態を描いた、拡大平面図である。
【図14B】図14Bは図14Aの線14B−14Bに沿った断面図であり、シース内へ延びるチャンネルの厚みを示す。
【図15A】図15Aは、拡張器とシースとの間に形成されるチャンネルの別の実施形態を描いた、拡大平面図である。
【図15B】図15Bは図15Aの線15B−15Bに沿った断面図であり、拡張器とシースとの両方へ延びるチャンネルの厚みを示す。
【図16A】図16Aは、拡張器とシースとの間に形成されるチャンネルの別の実施形態を描いた、拡大平面図である。
【図16B】図16Bは図15Aの線16B−16Bに沿った断面図であり、拡張器内へ延びるスプラインの形態における複数の等間隔のチャンネルを示す。
【図17】図17は本アクセス装置の別の実施形態を通る拡大断面図であり、異なる形状を有するシースと拡張器との間で形成されるチャンネルを示す。
【図18A】図18Aは本アクセス装置の別の実施形態の一部の拡大平面図であり、針と拡張器との間で今回形成されるチャンネルの別の実施形態を描いている。
【図18B】図18Bは、18B−18Bで切り取られた図18Aの実施形態を通る拡大断面図である。
【図18C】図18Cは、18C−18Cで切り取られた図18Aの実施形態を通る拡大断面図である。
【図18D】図18Dは、図18Aに描かれている針のパーツを形成するように構成された針ハブの拡大斜視図である。
【図18E】図18Eは、図18Aの拡張器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(好適な実施形態の詳細な説明)
本開示は、医療物品(たとえばカテーテルまたはシース)を血管またはドレナージ部位へ送達するためのアクセス装置を提供する。図1Aは、本発明の1つの好適な実施形態にしたがって血管(たとえば静脈または動脈)内に挿入することができるように構成されたアクセス装置20を描いている。以下では該アクセス装置がこれに関連して(即ち、脈管アクセスに関して)記載されているが、該アクセス装置は、医療物品(たとえばカテーテルまたはシース)を、患者の身体内における他の場所(たとえばドレナージ部位)に、また、他の目的で(たとえば膿瘍を排液するために)アクセスし、且つ、配置するために使用することもできる。
【0021】
前記アクセス装置の目下の実施形態は、患者のある体内空間に例証的なシングルピースのチューブ状医療物品を配置するという状況において開示される。一旦配置されると、そのチューブ状物品は、次いで、その体内空間へのアクセスを提供すべく他の医療物品(たとえばカテーテル、ガイドワイヤーなど)を受け入れるために使用することができ、および/またはその体内空間に流体を導入するためもしくはその体内空間から流体を除去する(たとえば排液する)ための小路を提供するために使用することができる。この描かれている実施形態においては、チューブ状の医療物品は、主として静脈内への流体通路を提供するように構成されたシースまたはカテーテルである。しかし、本発明の原理は、シングルピースのシースもしくはカテーテルの配置、またはシースまたはカテーテルを介して行われるその後の医療物品の挿入に限定されるものではない。むしろ、当業者であれば本開示に照らして、本明細書で開示されるアクセス装置は、他のタイプのシース、流体ドレナージ用チューブおよび送達用チューブ、ならびにシングル・ルーメン・カテーテルまたはマルチ・ルーメン・カテーテルを含む1つ以上の他のタイプの医療物品を患者に直接的にまたは別の医療物品を介して間接的に配置することとの関連においても成功裏に利用され得ることが理解されよう。
【0022】
たとえば、これに限定するものではないが、本明細書で開示されるアクセス装置は、中心静脈カテーテル、末梢から中心静脈まで挿入されるカテーテル、血液透析用カテーテル、外科的ドレナージ用チューブ、引き裂き式のシース、マルチ・ピース・シース、内視鏡、さらには外部型または埋め込み型の電子装置もしくはセンサーに接続されているワイヤーまたはケーブル用の電気導管を直接的または間接的に配置するように構成することもできる。これまでの箇所で説明されているように、上記にリストアップされる医療物品は、直接的に本アクセス装置の拡張器、針およびガイドワイヤーを介して患者の体内に配置されてよく、または本アクセス装置の拡張器、針およびガイドワイヤーを介して患者の体内に配置された医療物品を介してその後に患者の体内に配置されてもよい。
【0023】
さらに、本明細書で開示される実施形態は単一の医療物品の同軸的挿入に限定されるものではない。たとえば、挿入済みのシースを介して2つのカテーテルが患者に挿入されてよく、または挿入済みの第1のカテーテルを介して第2のカテーテルが患者に挿入されてもよい。さらに、脈管または他の体内空間に導管を提供することに加え、拡張器、針およびガイドワイヤーを介して挿入された医療物品が、その後に挿入される医療物品の1つまたは複数の内腔(ルーメン)とは別のある内腔を形成することもできる。当業者であれば、本明細書で開示される装置およびシステムに対して種々の付加的な適用法を見出すこともできよう。したがって、(たとえば微小穿刺用途での)シースとの関連における本アクセス装置の説明および記載は、本アクセス装置の1つの可能な適用法の単なる例示に過ぎない。
【0024】
図1Aおよび1Bはアクセス装置20の好適な実施形態を示す。アクセス装置20は針22、拡張器24およびシース26を含んでいる。図示されている実施形態においては、前記アクセス装置はガイドワイヤーセクション28およびトラック30も含んでいる。図1Bに最も分かりやすく示されているように、拡張器24は好適には針22上に同軸的に取り付けられ、また、シース26は拡張器24上に同軸的に取り付けられている。本アクセス装置の構成要素のこの入れ子式の性状は、同軸的にではなく、それらの構成要素を実質的に平行に配列された軸を伴って配列すること(たとえばモノレール式の設計)により達成することもできる。
【0025】
これらの各構成要素は終端部または移行部に管腔取付け具(即ち、ハブ)を含み、取付け具から延びる細長い構造を有する。したがって、図示されている実施形態においては、針22は針ハブ34から遠位側方向に延びる針本体32を含み、拡張器24は拡張器ハブ38から遠位側方向に延びる拡張器シャフト36を含み、シース26はシースハブ42から遠位側方向に延びるシース本体40を含んでいる。ガイドワイヤーセクション28はガイドワイヤー44を含み、好適にはガイドワイヤーハブまたはキャップ46も含んでいる。図示されている実施形態においては、ガイドワイヤーハブ46はガイドワイヤー44の近位側端部に配置されている;しかし、他の適用形態においてはハブ46はガイドワイヤー44の両端間の場所に配置することもできる。
【0026】
図2A−2Gは、本アクセス装置の1つの好適な実施形態にしたがって構成された針22の針本体32および針ハブ34を本アクセス装置20の他の構成要素から分離して描いている。図2Aおよび2Bに最も分かりやすく示されているように、針ハブ34は針本体32の近位側端部に配置されている。針本体32は針22の遠位側部分50付近の遠位側端部で終わり、針ハブ34は針22の近位側部分52に位置する。
【0027】
針本体32は、好適には、円形で一定直径の内穴と円形で一定直径の外面とを有する細長いチューブ状の形状を有する。しかし、別の実施形態では、針本体32は他の形状の穴および外面形状(たとえば、これに限定しないが、長円形の断面形状など)を有することができる。この針の内面または外面は溝またはチャンネルを含むこともできる。これらの溝またはチャンネルは、上述の針の内穴内に存在する流体を針22の特定の構造の周囲へもしくはその特定の構造へ、または針22の内部へ(たとえばガイドワイヤーの周囲へ)誘導するものであってよい。幾つかの実施形態においては、それらの溝またはチャンネルは、拡張器に対して針22の望ましい配向を維持する上で助けとなるものであってよい。
【0028】
針本体32は、標的とされた皮下の体内空間へアクセスするのに充分に長い長さを有し、且つ、その体内空間にアクセスするときに必要以上の外傷を引き起こすことなく挿入力に耐えるのに充分なゲージサイズを有する。多くの用途に対して、針本体は3〜20cmの間の長さを有することができ、より好適には3〜10cmの間の長さを有することができる。たとえば、成人の胸部における体内空間(たとえば脈管)へアクセスする場合、針本体32は好適には7cmまたはそれ以上の長さを有し、より好適には9cmまたはそれ以上の長さを有し、最も好適には9cmから10cmまでの長さを有する。針のサイズは、微小穿刺用途(末梢IVs)の場合、好適には18ゲージまたはそれより小さく、より好適には18〜28ゲージの間、最も好適には18〜26ゲージの間である。新生児に適用する場合には、針本体32の長さおよびゲージは有意にもっと短くおよびもっと小さくすべきであり、好適にはたとえば3〜4cmの間および26〜28ゲージの間にすべきである。
【0029】
図2Aおよび2Dに最も分かりやすく示されるように、針本体32は、針本体32の遠位側端部付近に少なくとも1つの穿孔または開口56を含んでいる。穿孔56は針本体32の壁を通じて広がっており、以下で詳しく説明されるように、針本体32上で様々な形状および配向を有することができる。さらに、針本体32は、遠位側部分50に配置された傾斜先端部54も有することができる。
【0030】
図2Aおよび2Bに描かれているように、好適には、フィン58が針ハブ34の周囲の円周方向位置に配置され、針ハブ34は、針先端部での傾斜および針に設けられた開口または穿孔56の円周方向位置と整列されている。即ち、フィン58は上述の傾斜および穿孔を指標としている。使用する際、医師または医療サービス提供者は、傾斜が血管の内部に在り、且つ、穿孔がシースおよび/または拡張器によって覆い隠されている場合であっても、露出しているフィン58の配向を観察することにより、傾斜した針先端部(および穿孔56)の配向を決定することができる。たとえば、図示されている実施形態においては、患者から離れた場所に在るフィン58の配向は、血管内における針先端部の傾斜上向きの配向と一致する。図2Cから分かるように、穿孔56もフィン58と同じ側面に在る。
【0031】
フィン58は、針ハブ34を操作するための把持領域も提供する。たとえば、医師または医療サービス提供者は、拡張器24および/またはシース26に対して相対的に針ハブ34を安定化させるため、フィン58の側面に人差し指と親指を添えることができる。図示されている実施形態においては、拡張器/シースが針上を遠位側方向に摺動するときに、針ハブ34は、第1の位置121と第2の位置123(図6Aに描かれている例示的な部分)との間でトラック30に沿って相対的に摺動する。フィン58は、挿入ステップ(以下で説明される)を実施するときに保持しておくことができる。これに加え、フィン58は、拡張器ハブ38を回転させている間に針ハブ34を安定化させるために使用することもできる。さらに、フィン58は、針ハブ34がトラック30に沿ったいずれかの位置に配置されるときに、医師または医療サービス提供者がアクセス装置20を把持するための補助手段として使用することもできる。
【0032】
図2Dは、針本体32における側面開口または穿孔56の拡大図である。これら1つ以上の穿孔56は針本体32の側面を通じる経路を提供する。図2Dに描かれている穿孔56は長楕円形の形状を有する。しかし、側面開口56の形状は図示されている実施形態に限定されるものではなく、円形、長楕円形、四角形または他の形状であってよい。
【0033】
とくに図2E〜2Gを参照しながら説明すると、針ハブ34は、好適には、針ハブ34の近位側部分および遠位側部分にロック用構造を含んでいる。これらのロック用構造は、ルアー−ネジ型または別のタイプの接続手段であってよい。
【0034】
針ハブ34の近位側部分52のロック用構造は、医師または医療サービス提供者が針ハブ34の近位側端部に別の医療物品を固定することを可能にする。たとえば、図示されている実施形態における針ハブ34は環状のフランジまたは縁部63を含んでいる。縁部63は、対応するルアー−ナット式のロック機構を備えた他の医療物品に針ハブ34を取り付けるためのネジ山が付けられている。さらに、医師または医療サービス提供者は、所望の他の手順を果たすために、近位側端部でのロック用構造にシリンジまたはモニタリング装置を取り付けることもできる。針ハブ34は、特定の用途にとってこれらの機構が望ましい場合には、針ハブの近位側端部および/または側面ポートに隔膜を含むこともできる。
【0035】
針ハブ34の遠位側部分に設けられたロック用構造は、医師または医療サービス提供者が、たとえば、針ハブ34が第1の位置121に在るときに針ハブ34を拡張器ハブ38に係止することを可能にする。図示されている実施形態においては、そのロック用構造は、針ハブ34のラッチ要素66を含んでいる。ラッチ要素66は、針ハブ34を拡張器ハブ38に解放可能にロックする。このロック用構造は、医療サービス提供者が、針ハブ34、拡張器ハブ38またはそれらの両方を把持しながら、針を患者の体内に進行させることを可能にする。
【0036】
以下でさらに詳しく説明するように、ガイドワイヤー44は、針ハブ34の中空部分62を通り、針本体32を通って、穿刺された脈管内に導入される。ガイドワイヤー44は、医療サービス提供者が拡張器24およびシース26を上述の脈管内に誘導することを可能にする
【0037】
針ハブ34は、針ハブ34が第1の位置121と第2の位置123との間でトラック30に沿って摺動できるようにする2つの突端68も含んでいてよい。この好適な実施形態においては針ハブ34の2つの突端68が第1の位置121と第2の位置123との間でトラック30と係合されるが、別の実施形態においては、針ハブ34は、第1の位置121と第2の位置123との間でトラック30の長さのうちの一部でのみトラック30と係合される。トラック30と針ハブ34との間での摺動式の相互接続は、別の協働構造(たとえば、ダブテール接続の対応するピンおよびテール)を用いて果たすこともできる。
【0038】
図3Aは、図1Aに描かれている実施形態の拡張器24の平面図である。図3Bは、図3Aに描かれている実施形態の拡張器24の線3B−3Bに沿って切り取った断面図である。図3Aおよび3Bに示されるように、この描かれている拡張器24は拡張器シャフト36、拡張器ハブ38、遠位側領域70および近位側領域72を含んでいる。図示されている実施形態においては、拡張器シャフト36は1つの側面開口または穿孔74を含んでいる;しかし、別の実施形態においては、拡張器シャフト36はもっと少ない数またはもっと多い数の穿孔74を含むことができる。たとえば、拡張器シャフト36は、(以下でもっと詳しく説明されるように)1つまたは複数の血液フラッシュチャンバーが拡張器内に配置されている場合には、穿孔74を含んでいなくてもよい。
【0039】
拡張器ハブ38は1つ以上の通気口を含んでいてよい。図示されている実施形態においては、拡張器ハブ38の通気口は溝75により形成されている。さらに、拡張器シャフト36は、拡張器シャフト36の外面に形成された1つ以上の長手方向に延びるチャンネル含んでいてよい。図示されている実施形態においては、チャンネルは開放型のチャンネルである。開放型チャンネルの側壁は隆線状部76により形成されている。図示されている実施形態においては、隆線状部76は、シース26と整合する総じて滑らかな弓状の外面を定めている;しかし、別の実施形態においては、隆線状部は他の形状を有することができる(たとえば、もっと顕著な尖端を定めていてもよい)。一旦シース本体40内に組み立てられると、拡張器シャフト36の開放型チャンネルはシース本体40の内径により閉じられる。
【0040】
図3Cは、図3Aに描かれている実施形態の一部分の拡大平面図である。上で記されているように、図示されている拡張器シャフト36は、1つ以上の側面開口74および隆線状部76間に形成された1つ以上のチャンネルを含んでいる。この側面開口または穿孔74は、拡張器シャフト36の側面を通じる流体経路を提供する。側面開口74の形状は図示されている実施形態に限定されるものではなく、円形、長楕円形もしくは四角形であってよく、または別の形状であってもよい。図3Cに描かれている開口または穿孔74は長楕円形の形状を有する。
【0041】
図示されている実施形態では、拡張器シャフト36の開口74は、それの長軸が針22の長楕円形開口56の長軸に対して相対的に非平行である長楕円形の形状を有する。たとえば、針の開口56が長手方向に延びていて、拡張器の開口74が円周方向に延びていてよく、またはその逆であってもよい。言い換えれば、拡張器開口74の長軸は針開口56の長軸に対して総じて垂直に配置されている。以下で付加的な実施形態との関連において説明されるように、これらの開口56、76は、好適には製作公差および回転不整合を説明するのに充分な程度のオーバーラップをもたらす他の形状、サイズおよび配向を有することができる。この理由から、穿孔のうちの1つは、少なくとも1つの方向において、それと同一の方向におけるそれとは別の穿孔よりも大きな寸法を有することが好適である。したがって、図示されている実施形態においては、針穿孔56は、拡張器穿孔74の長手方向寸法よりも長い長手方向寸法を有する。
【0042】
隆線状部76間に形成されたチャンネルは、開口74より遠位側のあるポイントから近位側方向に延びている。図示されている実施形態における隆線状部76は、シース内における拡張器シャフト36のバランスをとるため、拡張器シャフト36に沿って拡張器シャフト36の対向する各側に配置されている。図示されている実施形態においては、隆線状部76は、それらの間に2つのチャンネルを形成する。シース内における拡張器のバランスを保つことにより、拡張器はシースの内側周辺に等しい圧力を加えることが可能になる。
【0043】
拡張器ハブ38は拡張器24の近位側領域72および遠位側領域にロック用構造を含んでいてよい。それぞれのロック用構造はルアー型または別のタイプの接続手段であってよい。図示されている実施形態においては、拡張器ハブ38は、第1のルアー式接続手段78、第2のルアー式接続手段80、縁部77および基部79を含んでいる。第1のルアー式接続手段78は、図2Eに描かれている針22の針ハブ34と係合する。第2のルアー式接続手段80は、第1のルアー式接続手段78よりも遠位側に配置されている。幾つかの実施形態においては、第2のルアー式接続手段80(たとえば雄型ルアー・スリップ・コネクター)は、図1Aに描かれているシース26に設けられたシースハブ42(たとえば雌型ルアー・スリップ・コネクター)と係合するように構成することができる。さらに、これらの構成要素に設けられた雄型−雌型ルアー・スリップ・コネクターを逆にすることもできる。
【0044】
図3Dは、図3Aの拡張器24の拡大された近位側端面図である。図3Dに最も明白に示されているように、拡張器ハブ38は開口82を含み、この開口82は、針ハブ34が第1の位置に在るときに拡張器ハブ38を針ハブ34に固定するために、図2E〜2Fに描かれている針ハブ34に設けられたラッチ要素66と解放可能に係合する。繰り返し述べると、別の実施形態においては、拡張器ハブおよび針ハブ34での雄型−雌型ルアー・スリップ・コネクターは逆にすることもできる。
【0045】
拡張器24の色は、血液または他の流体と拡張器24との間でのコントラストを増強することができるように選択されてよい。たとえば、血液フラッシュの間、針が血管内に適切に配置されているのを確かめるため、血液が拡張器24およびシースの間を流れているのが観察される。流体がシースと拡張器24との間を流れているときのその流体の可視性を高めるため、シースは、好適には、拡張器24が流体の色と対照を成す色を有する状態で、透明感のある材料または透明な材料から製作される。たとえば、拡張器24は、赤色の血液とのコントラストを増強するために白色を有していてよい。流体の色や所望のコントラストの程度に依存して、別の色の拡張器24を使用することもできよう。さらに、血液フラッシュの領域における拡張器の一部のみが異なる色を有する残りの部分と対照を成す色を有することもできる。針と拡張器24との間に形成されたチャンネルを有する実施形態の場合には、拡張器24は、医師がシースと拡張器24との両方を通る血液フラッシュを観察することができるようにするために、シースと同様の透明感のある材料または透明な材料で製作することができる。
【0046】
図3Eは、別の実施形態の拡張器ハブ38Aの拡大斜視図である。拡張器ハブ38Aは、拡張器ハブ38Aがさらに回転ナットまたはカラー84を含む点を除き、図3Aに描かれている拡張器ハブ38と同様である。回転ナット84の近位側端部は、拡張器ハブ38における環状の溝73(図3A参照)の周りで回転する。一旦環状の溝73内に配置されると、回転ナット84は、遠位側方向への移動が阻止されるが、拡張器ハブ38Aの周りで自由に回転することができる。回転ナット84は、シース26上の対応する相互係合要素に係止する相互係合要素を有することができる。図示されている実施形態においては、回転ナット84は、図1Aに描かれているシース26に設けられたシースハブ42の雄ネジと係合する雌ネジを含んでいる。
【0047】
拡張器24またはシース26は、別々にまたは共に、空気もしくは気体を逃すことができるようにするための、または拡張器24とシース26との間からおよび/または針と拡張器との間から通気することができるようにするための1つ以上の通路を形成していてよい。これらの1つ以上の通路は、さらに、空気がそこを通過するのを許容しながら、血液などの液体の流れを阻止することができるようなサイズに成されていてよい。これら1つ以上の通路は、シース26の壁、シースハブ、拡張器ハブ38、拡張器シャフトの露出セクション在ってよく、ならびに/または拡張器24およびシース26の隣接した表面間に形成された露出セクションに形成されてもよい。たとえば、図3Aは、拡張器24およびシース26の隣接した表面間に形成されている、長手方向に配列された溝75を示す。そのような通気用の通路はラビリンスであってもよい。上述の隣接した表面は、シース26と拡張器24との間にルアースリップ式の接続手段を形成する。
【0048】
図3Fは図3Aの線3F−3Fに沿って切り取った断面図であり、等間隔であることが要求されるものではないが、ルアースリップ表面の円周の周りに等間隔で配列された溝75を示す。溝75は、血液フラッシュが生じたときに、拡張器とシースなどの医療物品との間から空気が逃れることを可能にするサイズである。上で述べられているように、これら1つ以上の通路は表面溝75の形態である必要はなく、代わりに、開口または小路の形態であってもよい。
【0049】
図示されている実施形態においては、これら1つ以上の通路は、空気がシースハブと拡張器ハブとの間のルアー式接続手段を通過することを可能にする。図示されている実施形態においては、通路75の遠位側端部は、通路75の近位側端部がルアー式接続手段の近位側に位置付けられている状態で、ルアー式接続手段の遠位側に位置付けられている。
【0050】
これら1つ以上の通路は、血液もしくは他の液体をろ過することができるサイズに成されていてよく、または空気の通過を許容しながら液体の通過を阻止するフィルターもしくは他の構造を含んでいてもよい。たとえば、シース自体が小さな開口、細孔または多孔質材料の形態の1つ以上の通路を含んでいてよい。それら1つ以上の通路のサイズ、ならびに流体分子および形成される要素(たとえば赤血球)の想定されるサイズに依存して、シースにおけるそれら1つ以上の小さな開口、細孔または多孔質材料は、血液は保持するものの、空気が通過することを許容する多孔性の通気口を形成することができる。
【0051】
次に、隆線状部付きの拡張器を製造する方法が記載される。最初に、それの外径(OD)上にまたは拡張器の実体内に1つ以上の長手方向に延びる溝またはチャンネルを有する長いチューブ状本体を作製するために押し出しプロセスが行われる。長いチューブ状本体は単一の拡張器の必要な長さを超えており、好適には、単一の拡張器の長さより何倍も大きい長さを有する。押し出しプロセスにおいては、拡張器の内径および外径、ならびに長手方向に延びる溝もしくはチャンネルまたは内部チャンネルの厚みおよび円周方向スパンに関する所望の幾何学的形状を反映した構造を有する製造用金型が使用される。図1〜11の図示されている実施形態においては、長いチューブ状の本体は、シース内における拡張器のバランスを高めるため、その本体の対向する側面に設けられた2つの長手方向ODチャンネルを含んでいる。しかし、単一のチャンネルは、血液フラッシュに対する可視インジケーターを提供することができる。これら2つのチャンネルは、好適には、押し出しされたチューブ状本体の長さに沿って延びている。図示されている実施形態は拡張器とシースとの間に配置された1つ以上のチャンネルを含むが、それに加えて、または代替的に、1つ以上のチャンネルを針と拡張器との間、拡張器内、および/またはシース内に形成することができる。したがって、幾つかの実施形態においては、拡張器24は、そのチャンネル内における流体のフラッシュを視覚化するため、部分的もしくは完全に透明感のある材料、半透明な材料、透明な材料または半不透明な材料でできている。
【0052】
戻って、図示されている実施形態に関して説明すると、押し出しされたチューブ状本体が単一の拡張器に適した長さに切断される。この好適な方法においては、上述の2つのOD溝がこの切断された拡張器の全長にわたって延びている。
【0053】
この後、先端部の形態を整えるため、切断された拡張器の端部に先端加工プロセスが施される。切断された拡張器の端部が、完成した状態の拡張器の先端部の望ましい幾何学的形状に適合した構造を有する金型/マンドレルに押し入れられる。望ましい幾何学的形状は、たとえばシースの内径に依存して選択される。溝付きの拡張器およびシースの間に形成されたチャンネルを上る近位側方向への血液の流れを促進するため、シースおよび拡張器には、その先端部付近で密着した嵌合部またはシールを形成することが望ましい。好適には、先端部領域における拡張器のODは遠位側方向に向けて先細になっている。
【0054】
金型/マンドレル内に在るときに、その先端部に熱エネルギーが加えられ、金型/マンドレルに合わせて先端部の形態が整えられる。熱エネルギーは、赤外線源またはRF熱源からの放射加熱を含め、あらゆる公知の技術により加えられてよい。先端加工プロセスの一部として、拡張器は、その先端部領域において、溝が本質的に取り除かれるような形態に整えられる。溝が取り除かれた状態になると、拡張器はその先端部付近でシースとの密着した嵌合部またはシールを形成することができる。溝は、シース26の先端部が拡張器に着座する場所の近位側で拡張器の残りの部分に沿って維持される。金型/マンドレルから取り出した後、あらゆる製造残留物を取り除く必要がある場合には、拡張器の先端の端部を清浄化し、切断することができる。
【0055】
拡張器の1つ以上の穿孔が先端部領域付近および溝内または溝の近辺において拡張器を通じて切り開かれる。各穿孔は、ドリルまたはレーザーを含め、あらゆる公知の手段によって切り開かれてよい。さらに、穿孔用の長楕円形または他の形状を達成するため、拡張器に対して切削装置が移動されてよく、またはその逆であってもよい。
【0056】
先端の端部とは反対側の拡張器の端部は、拡張器に拡張器ハブをオーバーモールドしやすくするため、フレア加工されてよい。
【0057】
図4Aは、図1Aに描かれている実施形態のシース26の平面図である。図4Bは、図4Aに描かれている実施形態のシース26の線4B−4Bに沿って切り取った断面図である。図4Cは、図4Aのシース26の拡大された近位側端面図である。図4Dは、図4Aのシース26のシースハブ42の拡大斜視図である。図4A〜4Dに示されているように、シース26は、シース本体40、シースハブ42、遠位側部分90および近位側領域92を含むことができる。シース本体40は、部分的にまたは完全に、透明感のある材料、半透明の材料、透明な材料または半不透明な材料からできていてよい。また、シース本体40は、たとえば硫酸バリウムストライプなどの1つ以上の放射線不透過性マーカーも含むことができる。1つの好適な実施形態においては、シースは、本体40の直径方向に互いに対向する側面に配置された2つのそのような放射線不透過性ストライプを含んでいる。
【0058】
シース本体40は、そこを通じてカテーテルまたは他の医療物品(たとえばガイドワイヤー)が脈管内に挿入されるシングル・ピース・シースであってよい。そのような実施形態においては、シース本体40は、カテーテルまたは他の医療物品(たとえばガイドワイヤー)を挿入するための導管を形成している。導管を提供することに加え、シースまたはシースの一部は、カテーテルの1つまたは複数の内腔とは別のある内腔を形成することもできる。たとえば、シース本体40自体が第3の内腔を形成しているシース本体40を通じてデュアル・ルーメン・カテーテルを挿入することにより、トリプル・ルーメン・カテーテルと同等物を形成することができる。
【0059】
アクセス装置20を使用した後に、脈管内に挿入されることとなるカテーテルまたは医療物品のタイプに依存して、シース本体40の一部または全体を取り除くことが有利であり得る。たとえば、カテーテルまたは他の医療物品が脈管に挿入された後、シース本体40の一部を分離または剥離し、取り除くことができる。剥離型のシースは、医師または医療サービス提供者がシース本体40の一部もしくは全体を容易に取り除くことができるようにするため、ミシン目、鋸歯状の刻み目、スカイブもしくは他の構造、または他の材料(たとえばビスマスを伴ったPTFE)を含むことができる。
【0060】
シースハブ42はルアースリップ式の接続手段およびロック部材94を含んでいてよい。ロック用部材94は、対応する構造と結合または係合するロック用または取付け用構造を含むことができる。たとえば、ロック部材94は、拡張器ハブ38の第2のルアー型接続手段80と係合するように構成することができるルアー型接続手段94であってよい。
【0061】
図4Cおよび4Dに最も分かりやすく示されているように、シースハブ42は、好適には、拡張器ハブ38のロック機構または第2のルアー型接続手段80が実質的に妨げられることなくシースハブ42に入ることができるように設計されている。しかし、使用するに当たっては、一旦シースハブ53が拡張器シャフト36上の望ましい場所に配置されると、医師または医療サービス提供者は、拡張器ハブ42を押す、引くまたはひねることができ、さらに、恐らくは、ロック用部材94と別の医療物品に設けられた対応するコネクターとの係合を開放すること、またはロック用部材94を別の医療物品に設けられた対応するコネクターと係合させることもできよう。ロック用部材94は、たとえば、拡張器ハブ38およびシースハブ42が解放可能にインターロックされるような機械的な嵌合部を創出するルアー式接続手段、突き出た隆起、くぼみなどであってよい。図示されている実施形態においては、シースハブ42のロック用部材94はルアー式の接続手段を含んでいる。シースハブ42は、好適には、拡張器ハブ38に設けられた対応する第2のルアー式接続手段80と係合する。好適には、そのロックされた位置は、シースハブ42に対して相対的に拡張器ハブ38を引くこと、圧搾すること、押すことまたはひねることにより、係合を外すことができ、または係合させることができる。
【0062】
幾つかの実施形態においては、シースハブ42は縁部95を含むことができる。縁部95は、対応するロック機構を伴った別の医療物品にシースハブ42を取り付けられるようにするためにネジ山が付けられていてよい。
【0063】
シースハブ42は、好適には、医師または医療サービス提供者がシース26および/またはアクセス装置20を容易に把持または操作できるようにするための1つ以上の表面特徴を含んでいる。図示されている実施形態においては、シースハブ42は四角形のグリップ96および隆線状部98を含んでいる。
【0064】
更なる実施形態においては、シースハブ42は、アクセス装置20の他の部分からのシース本体40の容易な解放および除去を可能にするため、放射状に延びる翼状物またはハンドル構造物を含んでいてよい。幾つかの適用形態においては、前述の翼状物は、医療サービス提供者にシースハブ42をバラバラにするための梃子装置を提供するようなサイズに成されている。たとえば、シースハブ42は、シースハブ42の両半分を接続する薄膜を含むことができる。この膜は、医療サービス提供者がアクセス装置からシースハブ42を取り除くことを決定するまで、これらシースハブ42の両半分を一緒に保持しておくことができるサイズに成されている。医療サービス提供者は前述の翼状物を操作してその膜を破り、シースハブ42を除去可能な半分ずつに分離する。
【0065】
図5Aは、図1Aに描かれている実施形態のガイドワイヤーセクション28の斜視図である。図5Bは図5Aに描かれているガイドワイヤーセクション28の平面図であり、このガイドワイヤーセクションは好適にはガイドワイヤーハブ46を含んでいる。ガイドワイヤーハブ46は、医師または医療サービス提供者がガイドワイヤーハブ46および/またはアクセス装置20を容易に把持または操作できるようにするための1つ以上の表面特徴を含むことができる。図示されている実施形態においては、ガイドワイヤーハブ46は1つ以上の隆線状部110を含んでいる。予め組み込まれた状態において、ガイドワイヤーハブ46の外面は、ガイドワイヤーハブ46が第3の位置125(例示的な第3の位置が図6Aに描かれている)に在るときに、トラック30に設けられたロック機構130と係合する。
【0066】
幾つかの実施形態においては、ガイドワイヤー44は、引っ込められるときに自己吸引機能をもたらすことができるように針本体の内径と共に密着した嵌合部を形成していてよい。たとえば、ガイドワイヤー44の外径は、ガイドワイヤーの長さに沿ってまたはガイドワイヤー44の一部のみに沿って、針との密着した嵌合部を形成するように選択されてよい。
【0067】
幾つかの実施形態においては、ガイドワイヤーの遠位側端部部分は、ガイドワイヤーの他のセクションと比較して低減された直径を有することができる。そのような低減された直径のセクションのサイズは、ガイドワイヤーが針の遠位側先端部を越えて進められたときにおいても、流体が針本体の穿孔56に移動するのを許容するように選択することができる。
【0068】
図6Aは、図1Aに描かれている実施形態のトラック30の斜視図である。図6Bは、図6Aに描かれているトラック30の平面図である。図6Cは、図6Aに描かれているトラック30の側面図である。図6A〜6Cに示されているように、図示されている実施形態のトラック30は、遠位側部分120、近位側部分122、トラックを拡張器ハブ38に連結する遠位側のロック用部材124、一旦針ハブ34がトラック30に沿って第1の位置121から第2の位置123へ摺動されると針ハブ34の更なる近位側および遠位側への移動を阻止するロック機構128、ならびにガイドワイヤーハブが予め組み込まれた状態または第3の位置125に在るときにガイドワイヤーハブ46がトラック30に取り付けられることを可能にするロック機構130を含んでいる。好適には、トラックはポリカーボネート材料でできている;しかし、以下で説明されるように、他の材料を使用することもできる。
【0069】
トラック30は、さらに、図6Aおよび6Bに最も明確に示されているように、幅が狭められたトラックセクション132を含むことができる。この低減された幅は、トラック30への針ハブの組み付けを容易化する。図示されている実施形態は、トラック30の遠位側部分120に設けられたリブ133を含んでいる。リブ133は、遠位側のロック用部材124とトラック30の残りの部分との間に付加的な構造補強をもたらす。
【0070】
図1Aに描かれているように、遠位側のロック用部材124は拡張器24に接続し、トラック30が拡張器24から近位側に延びることを可能にする。たとえば、ロック用部材124は、拡張器ハブの縁部77と拡張器ハブの基部79との間で拡張器ハブ38に接続する2つの湾曲したアーム124を含むことができる。ロック用部材124は、拡張器ハブ38に対して相対的なトラック30の遠位側方向または近位側方向の動きを制限するが、トラック30が拡張器ハブ38の周りで自由に回転することを許容する。
【0071】
図6Dは、図6Bに描かれている実施形態の一部の拡大図である。図示されているように、ロック機構128は、第2の位置123の領域におけるトラックの幅を変えることにより形成されている。たとえば、図示されている実施形態は、遠位側方向に向かって幅が増大するトラックセクション134、幅が漸増しているトラックセクション134の遠位側で幅が低減されているトラックセクション136、および2つのフィンガー要素138を含んでいる。2つのフィンガー要素138は、トラックセクション136の遠位側端部からトラック30の近位側端部に向かって突き出て、トラック30の長手方向軸から離れる方向に広がっている。
【0072】
図6Eは、図6Bに描かれている実施形態の一部の拡大図である。ロック機構130は、ガイドワイヤーハブの一部またはガイドワイヤーハブが第3の位置に在るときのトラック30の一部と係合するクリップ、締め具または他の構造により形成される。係合構造のうちの幾分かまたはすべてがトラック30の一部であってよく、ガイドワイヤーハブの一部であってよく、またはトラック30とガイドワイヤーハブとの間で分けられていてよい。図示されている実施形態においては、ロック機構130はトラック30から延び、ガイドワイヤーハブと係合している。このロック機構130は、トラック30から突出している矩形要素140、矩形要素140の遠位側でトラック30から突き出た2つのトラックアーム142、およびトラックアーム142の遠位側でトラック30から隆起している留め具144を含んでいる。
【0073】
図示されている実施形態においては、針ハブと拡張器との間でのロック機構は拡張器ハブの近位側に存在する。しかし、別の実施形態においては、ロック機構は別の場所にも配置することができる。たとえば、ロック機構がロック用ヒンジによって接合されている2つのピボットレバーを含む場合には、そのロック機構は針ハブに対して放射状に配置することができる。そのような実施形態においては、1つのレバーは枢動可能に拡張器に連結され、もう一方のレバーは針に枢動可能に連結されている。針ハブが拡張器ハブから離れる方向に動かされると、それらのレバーはヒンジがロックするポイントまでまっすぐになる。同様な効果は、拡張器に対して相対的なある特定のポイントを越える針ハブの近位方向への移動を制限し、これによりそれらの構成要素を一緒にロックする係留手段によっても得ることができる。更なる実施形態においては、細長い構造物が拡張器内において針ハブから針本体に平行に延びていてよい。一旦針ハブが拡張器から充分な距離だけ離れる方向に動かされると、ロック機構の付加的な構造物(たとえばくぼみ)がその細長い構造物に係合し、拡張器に対して相対的な針の更なる移動を阻止する。したがって、これらの付加的な実施形態により例証されているように、針と拡張器との間で作動するロック機構は拡張器ハブに対して相対的な様々な場所に配置することができる。
【0074】
図7Aは、ガイドワイヤーが予め組み込まれている状態の、図1Aに描かれている実施形態のアクセス装置の拡大平面図である。図7Bは、図7Aに描かれている実施形態の側面図である。図7Cは、線7C−7Cに沿った、図7Aに描かれている実施形態の断面図である。図7Dは、図7Aのアクセス装置20の近位側端面図である。この予め組み込まれた状態では、ガイドワイヤーハブ46は、ガイドワイヤーハブ46が第3の位置125に所在しているときにトラック30にロックされている。この位置において、ガイドワイヤーハブ46は、矩形要素140と留め具144との間でトラック30に固定することができる。たとえば、ガイドワイヤーハブ46は、矩形要素140と留め具144との間を解放可能にロックすることができる。これに加え、トラックアーム142はガイドワイヤーハブ46をさらにトラック30に固定することができる。このロック機構は、ガイドワイヤーハブ46が第3の位置125に在るときに、少なくとも遠位側方向におけるガイドワイヤー44の意図しない回転運動および軸方向運動を阻むことができる。もちろん、医療サービス提供者は、アクセス装置20を通じてガイドワイヤーを遠位側へ移動させることができるようにするために、トラック30からガイドワイヤーハブ46を解放することができる。
【0075】
図7A〜7Cに描かれている予め組み込まれた状態では、針ハブ34は、針ハブ34が第1の位置121に在るときに拡張器ハブ38にロックされている。好適には、このロックされた位置において、針および拡張器に設けられた開口または穿孔は相互に一致した状態または整列した状態にある。ロックされているときには、針22および拡張器24は相互に関して少なくとも意図しない回転運動および軸方向運動が阻止される。針34に対する拡張器ハブの意図しない回転を防止することにより、穿孔または開口はそれらの全体の整列状態を維持する。
【0076】
予め組み込まれた状態では、拡張器ハブ38はシースハブ42に固定されている。これは、拡張器24およびシース26の間での少なくとも意図しない回転および軸方向運動を阻止することができる。シースハブ42および拡張器24がルアースリップ式の接続手段のみを有する実施形態においては、拡張器24およびシースハブ42は相互に相対的に回転することが可能である。
【0077】
図8Aは、アクセス装置20を使用する1つの方法の操作ステップを例証する図1Aに描かれている実施形態の平面図である。図8Aは、静脈などの脈管148に挿入されたアクセス装置20の針本体32を描いている。描かれている方法は脈管アクセスについての言及であるが、アクセス装置20は、(たとえば膿瘍を排液するために)患者の体内の別の場所にカテーテルまたはシースをアクセスおよび配置するために使用することもでき、さらには別の目的で使用することもできる。
【0078】
図8Bは、図8Aに描かれている実施形態の線8B−8Bにより円で囲まれた部分の拡大平面図である。図8Cは、図8Bに描かれている実施形態の線8C〜8Cにより円で囲まれた部分の拡大平面図である。図8Dは、図8Cに描かれている実施形態の線8D−8Dに沿った拡大断面図である。
【0079】
上で記されているように、針本体32は、それの側壁に設けられた1つ以上の側面開口56を含んでいる。拡張器シャフト36は1つ以上の側面開口74を含んでいる。これらの開口56、74は同一または異なる形状ならびにアスペクト比を有していてよい。図示されている実施形態においては、針本体32の側面開口56は、拡張器シャフト36の側面開口74とは異なるアスペクト比を有する。針本体32の側面開口56は1つの方向(たとえば針本体32の長手方向軸に実質的に平行な方向)に引き伸ばされている。拡張器シャフト36の側面開口74はそれとは異なる方向(たとえば拡張器シャフト36の円周に沿った方向)に引き伸ばされている。針本体32および拡張器シャフト36の開口56、74がずれた方向に引き伸ばされていることは、針本体32および拡張器シャフト36の開口56、74が針の側面開口56および拡張器の側面開口74を通じて血液が流れるのに充分な程度に整列する可能性を増大させる。図8A〜Dは、1つのセットのみの対応する側面開口間での整列状態を描いている。針本体32および拡張器シャフト36の相対的な配向に依存して、別のセットの側面開口も整列させることができ、または不整合状態にすることもできる。
【0080】
図示されている実施形態においては、拡張器シャフト36は、針本体32と拡張器シャフト36との間の環状スペース150を最小化するため、同軸的に位置付けられている。拡張器シャフト36の内面152は、そうであってもよいが、針本体32の外面154に直接的に接触した状態で存在している必要はない。好適には、本実施形態においては、針本体32の外面154と拡張器シャフト36の内面152との間の環状スペース150は、拡張器シャフト36と針本体32との間の環状スペース150内への血液もしくは血液の構成成分(または他の体液)の流入を阻止することができるように最小化されている。有利なことに、この特徴は多数回の外部表面への血液の暴露を最小化し、汚染、感染および凝血のリスクを低減する。
【0081】
図8Aに描かれているように、拡張器シャフト36は、針本体32に配置されている1つの側面開口56の少なくとも一部が、拡張器シャフト36に設けられている1つの側面開開口74の少なくとも一部と回転方向に関して整列するように、針本体32に同軸的に取り付けられている。好適には、針本体32および拡張器シャフト36は、血液が針の側面開口56および拡張器の側面開口74を通じて流れるように、回転方向に関する整列状態を維持している。
【0082】
これまでに記載されているように、シース本体40は好適には、血液が針本体32に流入し、(1)針の側面開口56を通り、(2)拡張器の側面開口74を通り、そして(3)チャンネル156内に流入するときに、医師または医療サービス提供者がその血液を見ることができるように、部分的もしくは完全に透明感のある材料、半不透明な材料、半透明な材料または透明な材料からできていてよい。幾つかの様式においては、チャンネル156は拡張器シャフト36とシース本体40との間に形成され、拡張器シャフト36に設けられた1つ以上の隆線状部76により定められている。また、幾つかの様式においては、チャンネル156は、好適には拡張器シャフト36が透明な材料を含む状態で、拡張器シャフト36の壁内に形成されている。血液は、針本体32の傾斜先端部54が脈管148を穿刺したことを医師または医療サービス提供者に示すであろう。
【0083】
幾つかの実施形態においては、複数の側面開口のうちの幾つかもしくはすべてを回転方向に関して整列させることができる場合、針本体32および拡張器シャフト36は(両方が)多数の側面開口を有していてよい。
【0084】
チャンネル156は、シース26の長さとほとんど同じ広がりの軸方向長さを有することができる。別の実施形態においては、チャンネル156は、上で記載されたばかりの細長いチャンネル156よりも有意に小さくてよい。たとえば、これに限定しないが、チャンネル156は、シース26の遠位側部分、中間部分および/または近位側部分に配置することができる。代替的に、チャンネル156は、シース26の軸方向長さに沿った直線形、曲線形もしくは螺旋形を有することができ、または複数のそのような形状により形成することもできる。チャンネル156は様々な厚みおよびスパン角度を有していてよい。チャンネル156の厚みはほとんどゼロに近い値から0.010インチまでの範囲であってよい。好適には、チャンネル156は約0.0005インチから約0.003インチまでの厚みを有する。より好適には、チャンネル156は約0.001インチから約0.002インチまでの厚みを有することができる。チャンネル156は、拡張器24の軸の周りで約30度から約210度までまたはそれ以上のスパン角度Φを有することができるが、好適には360度未満である。より好適には、チャンネル156は約60から150までのスパン角度Φを有することができる。図示されている実施形態においては、チャンネル156のスパン角度は120度である。この厚みおよびスパン角度Φは、流体(たとえば全血)がチャンネル156に入る際にチャンネル156内において生じる毛細管作用を最適化するように選ぶことができ、さらには、体腔内において想定される圧力および液体の粘度に基づいて選択することができる。
【0085】
図8E〜8Gは、スパン角度が120度で、接触角(θ)が5度であり、そして60度における円周長さ(H)が0.64mmであるときに、チャンネル156の表面に流体がどのくらい迅速に引き上げられるかを示した試験データのグラフである。それぞれのグラフには、y−軸に充填長さ(mm)がプロットされており、時間(秒)がx−軸にプロットされている。これらの試験は、末梢血管において経験される圧力と同様な流体力学的圧力において実施された。図8Eは流体が0.002インチのギャップ高さ幅を有するチャンネル156を通じて引き上げられる速度を示し、図8Fは流体が0.001インチのギャップ高さ幅を有するチャンネル156を通じて引き上げられる速度を示し、そして図8Gは流体が0.0005インチのギャップ高さ幅を有するチャンネル156を通じて引き上げられる速度を示している。図8E〜Gに示されているように、流体は0.0005インチのギャップ高さ幅を有するチャンネルで最も速く引き上げられ、0.001インチのギャップ高さ幅を有するチャンネルがそれに続き、さらに0.002インチのギャップ高さ幅を有するチャンネルがそれに続く。
【0086】
上で説明されているチャンネル156の形状および結果として生じる毛細管作用は、全血とは異なる粘度を有する他の流体(たとえば白血球、膿汁、尿、血漿)とは対照的に、全血での使用に合わせて最適化された。しかし、チャンネル156の形状は上で開示される形状に限定されるものではなく、膿汁などの他の液体を排液する場合に合わせて最適化することもできる。さらに、上で説明されているチャンネル156の形状は、血管内の圧力が毛細管作用および結果として生じる血液フラッシュを増強する末梢に位置する血管に合わせて、さらには圧力が低いと考えられる領域に存在する血管に合わせて最適化されたものである。たとえば、患者が呼吸するとき、身体の胸部領域においては、それらの血管内における予想される圧力は末梢に位置する血管の場合よりも低いものと考えられる。身体の他の領域においてアクセス装置20を使用する際には、その血管または体腔内における予想される圧力を考慮に入れて、異なるサイズのチャンネルを使用することができる。
【0087】
さらに、チャンネル156内における毛細管作用を促進または増強するため、拡張器シャフト36の外面160および/またはシース本体40の内面158をある物質でコーティングすることができる。たとえば、毛細管作用を増強すべく拡張器シャフト36の外面160および/またはシース本体40の内面158をコーティングするために親水性物質を使用することができる。別の例として、拡張器シャフト36の外面160およびシース本体40の内面158をコーティングするために界面活性剤を使用することもできる。使用可能な界面活性剤の1つの例は、BASFTMから商業的に入手可能なLutrol 68TMであり;他の界面活性剤も使用可能である。コーティングすることができる他の表面としては、針本体32の内面、針本体32の外面154、拡張器シャフト36の内面152およびガイドワイヤー44が挙げられる。拡張器シャフト36の外面160およびシース本体40の内面158を含めたこれらの表面は個別的にまたは組み合わせて界面活性剤をコーティングすることができる。上で説明されている実施形態においては、チャンネル156を通じる体液の進行を促進または増強するため、拡張器シャフト36の外面160とシース本体40の内面158との両方をコーティングすることが好適であり得る。しかし、幾つかの実施形態においては、これら2つの表面のうちの一方のみを界面活性剤でコーティングすることが好適であり得る。
【0088】
界面活性剤の使用は針、拡張器またはシースを通じる血液の進行を加速および促進することができる。したがって、操作者に針が血管またはドレナージ部位に入ったことを示すのに充分なスピードを持って血液がそれらの部片を通じて走行することを尚も許容しながら、比較的小さな針、拡張器およびシースを使用することができる。とりわけ、ほとんどの実施形態においては体液が針を通過することとなり、したがって、ほとんどの実施形態においては、針の内面に界面活性剤を適用することが望ましい。
【0089】
同様に、これらのうちの1つ以上の構成要素が親水性材料でできていてよい。これに加え、患者へのシース26の挿入を容易化するための潤滑剤として作用させるために、シース26の外面に親水性物質を適用することもできる。他の潤滑剤もしくは潤滑性コーティングをシース26の外部に使用することができ、またはシースの少なくとも外面を潤滑性材料で形成することもできる。さらに、シース26を、アクセス装置20の臨床的適用を促進するため、シースから溶出する物質(たとえばヘパリン)でコーティングまたは形成することができる。1つの例において、シース26の外面は、Dow Corningから商業的に入手可能なDow Corning 360 Medical Fluid、12,5000 CSTTMなどのシリコーンコーティングを含むことができる。同様に、幾つかの実施形態においてはシースを界面活性剤でコーティングすることもできる。
【0090】
図8Hは、図8Cに描かれている実施形態の線8H−8Hに沿った断面図である。図示されているアクセス装置20のこの領域では、尚もシース本体40および拡張器シャフト36の相対的な動きを許容しながら、シース本体40と拡張器シャフト36との間の環状スペース157を最小化するため、シース本体40が同軸的に位置付けられている。シース本体40の内面158は、そうであってもよいが、拡張器シャフト36の外面160に直接的に接触した状態で存在している必要はない。拡張器シャフト36の外面160とシース本体40の内面158との間の環状界面157は、拡張器シャフト36に設けられた開口74からの血液もしくは血液の構成成分(または他の体液)の遠位側方向における流れを阻止するため、この領域において縮小されていてよい。
【0091】
図8Iは、図8Aに示されている実施形態の線8I−8Iによって円で囲まれた部分の拡大平面図である。図8Jは、図8Iに描かれている実施形態の断面図である。図8Iおよび8Jは、針ハブが第1の位置121に在るときに拡張器ハブ38にロックされた状態の針ハブ34を描いている。拡張器シャフト36は、針本体32上で拡張器シャフト36の中空セクション84を摺動させ、拡張器ハブ38を解放可能に針ハブ34に固定することにより、針本体32に同軸的に取り付けられてよい。拡張器ハブ38の近位側端部86は、針ハブ34と機械的に嵌合してインターロックすることができるように構成されている。
【0092】
拡張器シャフト36は、針本体32に対して相対的に同軸的な位置に拡張器シャフト36を取り付け、且つ、その同軸的な位置から拡張器シャフト36を解除することができるように、またはその逆が可能なように、針本体32に解放可能に取り付けられてよい。このロック機構は、針ハブ34が第1の位置に在るときに、針22と拡張器24との間で生じる少なくとも幾分かの意図しない回転および軸方向運動を阻止することができる。図示されているように、針ハブ34は、拡張器ハブ38のルアー式接続手段78に係止するルアー式接続手段64を有していてよい。さらに、針ハブ34は、拡張器ハブ38に設けられた開口82に係止するラッチ要素66も有していてよい。
【0093】
さらに、図8Iおよび8Jは、アクセス装置20が脈管148に挿入されるときにシースハブ42と係合される拡張器ハブ38を描いている。好適には、シースハブ42の近位側端部86は、拡張器ハブ38と機械的に嵌合し、且つ、解放可能に係合され得るように構成されている。図示されているように、拡張器ハブ38に設けられたルアー式接続手段80はシースハブのロック部材94と係合することができる。結果としてもたらされる摩擦嵌合は、アクセス装置20が脈管148に挿入されるときに拡張器24とシース26との間で生じる少なくとも幾分かの意図しない回転および軸方向運動を阻止することができる。
【0094】
図9Aは図1Aに描かれている実施形態の側面図であり、アクセス装置20の更なる操作ステップを示す。図9Aは、脈管148内に遠位側方向に進められたアクセス装置20のガイドワイヤー44を描いている。これは、ガイドワイヤーハブ46を第3の位置125から遠位側方向に進めることにより達成することができる。この後、ガイドワイヤーハブ46は、針ハブ34が第1の位置121に在るときに、針ハブ34にロックされる。
【0095】
図9Bは、図9Aに示されている実施形態の線9B−9Bにより円で囲まれている部分の拡大側面図である。図9Cは、図9Bに描かれている実施形態の断面図である。図9Cは、ガイドワイヤーハブ46と針ハブ34との間でのロック機構を示す。好適には、ガイドワイヤーハブ46は、針ハブ34と機械的に嵌合し、且つ、解放可能にまたは不可逆的にインターロックすることができるように構成されている。図示されているように、ガイドワイヤーハブ46は、ガイドワイヤーハブ46の内面に設けられた節162を含んでいる。ガイドワイヤーハブの節162は、節162が針ハブ46の縁部に設けられたネジ山付きの溝内に固定されるまでガイドワイヤーハブ46を遠位側方向に進めることにより、針ハブ34に係止することができる。別の実施形態においては、ガイドワイヤーハブ46は対応するネジ山付きの要素を介して針ハブ34に係止することができる。
【0096】
図10Aは図1Aに描かれている実施形態の側面図であり、アクセス装置20の別の操作ステップを示す。図10Aは、脈管148内に遠位側方向に進められた拡張器シャフト36およびシース本体40を描いている。これは、針ハブ34から拡張器ハブ38を解放し、拡張器24およびシース26を、ガイドワイヤーおよび針に沿って、針ハブ34に対して相対的に遠位側方向へ進めることにより達成される。図10Aは、さらに、拡張器24およびシース26に対して相対的な針22およびガイドワイヤーセクション28の近位側方向の動きも示す。針ハブ34は、針ハブ36が第2の位置123に到達したときにトラック30に係止するであろう。
【0097】
図10Bは、図10Aに示されている実施形態の線10B−10Bによって円で囲まれた部分の拡大背面図である。図10Bに描かれているように、針ハブ34は、第2の位置123において、ロック機構128を介してトラック30に係止する。針ハブの突端68はトラックのフィンガー138上を近位側方向に摺動し、そして、突端68はトラックフィンガー138と幅が広くなっているトラックセクション134との間の場所に係止することができる。これは、針ハブ34が第2の位置123に在るときに、針本体32の軸方向の動き、少なくとも遠位側方向における軸方向の動きを阻み、より好適には、そのような軸方向の動きを実質的に不可逆的に防止する。図示されている実施形態においては、ロック機構128は、一旦係合された後に針ハブ34が近位側方向または遠位側方向のどちらにも移動するのを不可逆的に防止する。さらに、針ハブ34が第2の位置123に在るときには、遠位側先端部54を鞘に収めるべく針22の遠位側先端部54が拡張器24内に引き入れられる。したがって、このロック機構128は、使用中に一旦拡張器シャフト36が針本体32上へ進められた後に針本体32の遠位側部分50に配置された傾斜先端部54が拡張器シャフト36の遠位側端部を越えて進められるのを阻止する。このようにして、拡張器シャフト36は、偶発的な針刺しが起こるのを阻止するため、針本体32の鋭利な傾斜先端部54を鞘に納める。
【0098】
図11Aは図1Aに描かれている実施形態の側面図であり、アクセス装置20の最終操作ステップを示す。図11Aは、脈管148内に適切に挿入されたシース本体40を残し、その脈管からガイドワイヤー44および拡張器シャフト36を除去する様子を描いている。図11Bは、図11Aに示されている実施形態の線11B−11Bにより円で囲まれた部分の拡大平面図である。図11Bにはっきりと示されているように、拡張器シャフト36の遠位側端部およびガイドワイヤー44は、偶発的な針刺しが起こるのを阻止するため、針本体32の鋭利な傾斜先端部54を越えて延びている。
【0099】
上で記されているように、針本体32および拡張器シャフト36に異なるアスペクト比を持った開口56、74を有することは、血液が針の側面開口56および拡張器の側面開口74を通じて実質的に妨げられることなく流れることができるように、針本体32および拡張器シャフト36の開口56、74が整列する可能性を増大させるであろう。
【0100】
以下の実施形態においては、別の実施形態からの構造物と類似した1つの実施形態の構造物は、固有の添え字(32、32A、32Bなど)を含めて、各実施形態で同じルーツの参照番号を分かち合う。図12Aは、図8Bおよび8Cに描かれている針本体32および拡張器シャフト36の開口56、74の別の実施形態の平面図である。図12Bは、図12Aに描かれている実施形態の線12B−12Bに沿った拡大断面図である。図12Aおよび12Bは、長楕円形の開口56Aを伴った針本体32Aおよび円形の開口74Aを伴った拡張器シャフト36Aを描いている。別の実施形態においては、針が円形の開口を有していてよく、且つ、拡張器が長楕円形の開口を有していてよい。これらの実施形態は、血液が針の側面開口56Aおよび拡張器の側面開口74Aを通じて流れることができるように、開口56A、74Aが少なくとも実質的に整列する可能性を増大させることができる。
【0101】
図13Aは、図8Bおよび8Cに描かれている針本体32および拡張器シャフト36の開口56、74の別の実施形態の平面図である。図13Bは、図13Aに描かれている実施形態の線13B−13Bに沿った拡大断面図である。図13Aおよび13Bは、円形の開口56Bを伴った針本体32B、および針本体32Bの円形の開口56Bよりも大きい円形の開口74Bを伴った拡張器シャフト36Bを描いている。別の実施形態においては、拡張器の開口が針の開口よりも小さくてよい。これらの実施形態も、血液が針の側面開口56Bおよび拡張器の側面開口74Bを通じて流れることができるように、開口56B、74Bが少なくとも実質的に整列する可能性を増大させることができる。
【0102】
上で記されているように、拡張器シャフト36は針本体32の傾斜先端部54が脈管を適切に穿刺した後に医師または医療サービス提供者が血液を見ることができるようにすることを目的としてシース本体40と拡張器シャフト36との間に導管または流路を形成すべく隆線状部76間に形成された1つ以上のチャンネル156を含んでいてよく、または、隆線状部を伴ってはいないが、種々の可能な構造の軸方向窪みを押し出しすることにより、または拡張器シャフトもしくは拡張器本体内に充分に囲い込まれたチャンネルを形成することによりそのようなチャンネルが形成されていてもよい。
【0103】
図14Aは、図8Cに描かれている隆線状部76の別の実施形態の平面図である。図14Bは、図8Dに描かれている隆線状部76の別の実施形態の拡大断面図である。図14Aおよび14Bはシース本体40Cの内面158Cに設けられた2つの隆線状部76Cを描いており、これら2つの隆線状部がシース本体40Cと拡張器シャフト36Cとの間に少なくとも1つのチャンネル156Cを形成している。
【0104】
図15Aは、図8Cに描かれている隆線状部76の別の実施形態の平面図である。図15Bは、図8Dに描かれている隆線状部76の別の実施形態の拡大断面図である。図15Aおよび15Bはシース本体40Dの内面158Dに設けられた2つの隆線状部76Dおよび拡張器シャフト36Dの外面160Dに設けられた2つの隆線状部76Eを描いており、これらの隆線状部が組み合わさってシース本体40Dと拡張器シャフト36Dとの間にチャンネル156Dを形成している。たとえば、所望のチャンネル厚みが約0.001インチである場合、シース本体40Dの内面158Dに設けられる2つの隆線状部76Dは厚みがそれぞれ約0.0005インチであってよく、また、拡張器シャフト36Dの外面160Dに設けられる2つの隆線状部76Eは厚みがそれぞれ約0.0005インチであってよい。
【0105】
図16Aは、図8Cに描かれている隆線状部76の別の実施形態の平面図である。図16Bは、図8Dに描かれている隆線状部76の別の実施形態の拡大断面図である。図16Aおよび16Bは、拡張器シャフト36Eの外面160Eに設けられた多数の隆線状部を描いている。隣接した隆線状部間にはスプライン76Fが存在する。これらのスプライン76Fはシース本体40Eと拡張器シャフト36Eとの間に複数のチャンネル156Eを形成している。そのうちの1つ以上のチャンネル156Eは同じスパン角度Φを有することができ、または異なるスパン角度Φを有することもできる。図示されている実施形態においては、チャンネル156Eは120度および23度のスパン角度を有する。別の実施形態においては、単一の隆線状部76が拡張器の外側の周りでそれの長さ方向に沿って螺旋形になっていてよい。
【0106】
図17は本アクセス装置の別の実施形態による拡大断面図であり、異なる形状を有する医療物品またはシース本体40Fと拡張器シャフト36との間に形成されたチャンネル156Fを示す。図示されている実施形態においては、拡張器シャフト36Fの外面は長円形を成しており、その一方でシース本体40Fの内面は円形を成している。この長円形の拡張器シャフト36Fとそれに隣接した円形のシース本体40Fがシース本体40Fと拡張器シャフト36Fとの間に1つ以上のチャンネルまたはギャップ156Fを形成している。もちろん、シース本体40Fおよび拡張器シャフト36Fの形状は円形および長円形に限定されるものではなく、シース本体40Fおよび拡張器シャフト36Fの隣接した領域におけるあらゆる他の異なる形状の組み合わせを含むことができる。幾つかの様式においては、拡張器シャフト36Fの外面は長楕円形であり、シース本体または医療物品40Fの内面は円形である。幾つかの様式においては、拡張器シャフト36Fの外面は円形であり、医療物品40Fの内面は四角形である。このギャップまたはチャンネル156Fは、長手方向軸、長手方向軸に沿った螺旋経路、長手方向軸に沿った直線経路または本アクセス装置に沿った他の経路をたどることができる。幾つかの様式においては、前述の直線経路は長手方向軸に平行である。ギャップまたはチャンネル156Fの厚みは、そのギャップまたはチャンネル156Fの長さの少なくとも一部に沿って変動していてよい。
【0107】
別の様式においては、本アクセス装置は、針のシャフトと拡張器のシャフトとの間に定められた血液フラッシュ・バック・スペースを含んでいる。この様式において、前述のフラッシュ・バック・スペースは好適には大気に通気しており、より好適にはシースとは無関係に通気している。詳細には、以下で説明されるように、通気路は拡張器を通じて、針を通じて、または拡張器と針との間に形成される。
【0108】
図18A〜18Eはこの様式のアクセス装置の1つの実施形態を描いており、ここでは通気用のチャンネルが針と拡張器との間に形成されている。図18A〜18Cに最も分かりやすく示されているように、針本体32Gは1つ以上の穿孔56および1つ以上の隆線状部176(たとえば、この図示されている実施形態においては2つの隆線状部176が示されている)を含んでいる。隆線状部176は、針本体32Gの長さに沿って延びる少なくとも1つのチャンネル256の側面を定めている。幾つかの実施形態においては、付加的なチャンネル256を付加的な隆線状部とともに形成することができる。別の実施形態においては、チャンネル256は、突出した隆線状部を伴って、または1つもしくは複数の凹部や同心性のギャップを伴うなどして突出した隆線状部を伴わずに形成することができる。同様に、チャンネル256は、(針本体32Gに設けられた特徴物の代わりに、またはそのような特徴物に加えて)拡張器シャフト36Gの内面に設けられた突出状または非突出状の隆線状部を伴って形成することもできる。チャンネル256は直線として描かれているが、螺旋などの他のパターンまたは本アクセス装置の周りを包み込む他の形状を形成することもできる。さらに、多数のチャンネルが存在する場合、それらのチャンネルは交差する螺旋、平行な螺旋または他のパターンを形成することができる。別の実施形態においては、(たとえば拡張器シャフトの内径が針本体の外径を上回っている場合)針本体32Gと拡張器シャフト36Gとの間の間隔が、一般的にチャンネル256によって創出されるスペースと同様なあるスペースまたは全体的に環状のスペースを定めることができる。
【0109】
図18Dに最も分かりやすく示されているように、針ハブ34Gは1つ以上の通気用の溝175を含んでいる。図示されているように、通気溝175はルアー式接続手段64に設けられているが、別の実施形態では、それらの通気溝は、針本体32Gや拡張器シャフト36Gに配置することができ、針ハブ34Gや拡張器ハブ38Gを通過することができ、または別の経路を取ることもできる。通気溝175はチャンネル256(または同様なスペース)と周辺雰囲気との間の連絡路を提供することができる。ルアー式接続手段64は、拡張器ハブ38Gと協働して、たとえばある物質のみが通気溝175を通じて逃れることができるような実質的にきっちりとした液体シールを形成するように構成することができる。通気溝175が半径方向に延びていないような実施形態においては、針ハブ34Gの全体的に半径方向に延びている側面180が、拡張器ハブ38Gの対応する面200から充分に離れた遠い場所に位置するように構成することができ、これにより、空気は通気溝175からそれらの間を通過することが可能になる。
【0110】
幾つかの実施形態においては、通気溝175は、大きな分子サイズや粘度または表面張力を有する体液(たとえば赤血球)が周辺雰囲気へ逃れるのを妨げながら、気体(たとえば空気)が周辺雰囲気へ逃れるのを可能にするのに充分に小さい断面積の通路を形成することができる。さらに、幾つかの実施形態においては多数のそのような通路を設けることもでき、これにより、小さな断面積の通路であるにもかかわらず充分な空気の通気を可能にする。
【0111】
別の実施形態においては、小さな断面積の通路を拡張器ハブ38Gと針ハブ34Gとの2つの対向する表面の間に設けることもできる。たとえば、針ハブ34Gに設けられた通気溝175の少なくとも一部が、その通気溝を全体的に遮断することなく拡張器ハブ38G設けられた全体的に対応する形状の通気用表面を受け入れることができるように構成されてよい。このようにして針ハブ34Gの表面と拡張器ハブ38Gの表面との間に結果的にもたらされる通路は、空気の流れは許容するが体液の流れは抑制するための比較的小さな断面積からなる少なくともある領域を定める。
【0112】
図示されている実施形態では、通気用の構造は溝175として描かれているが、他の構造も同様な機能を果たすことができる。たとえば、針本体32Gと拡張器本体34Gとの間の単一のスペースが縮小された場所が空気が逃れることを許容し、その一方で、そのスペースが縮小された場所を越えて血液が近位側方向に流れるのを阻止することができる。同様に、ラビリンス通路を周辺雰囲気とフラッシュ・バック・スペース(針と拡張器との間のスペース)との間に配置することもできる。
【0113】
別の実施形態においては、1つ以上の通気溝175を、気体がその材料を通じて流れることを許容するが体液(たとえば血液)の通過を阻止する多孔質材料で少なくとも部分的に充填することができる。そのような材料は、その材料がハブと一体となるように針ハブ34Gまたは拡張器ハブ38Gに一体的に組み入れることができる。その際、その材料は通気溝175の長さのうちのどのような部分を構成してもよい。別の実施形態においては、その材料を通気溝175に入れることができ、または1つもしくは複数の溝と連通した容器に入れることもできる。そのような材料が溝175に入れられる場合、溝はその多孔質材料を受け入れるように構成された溝ノッチ185などの受け入れ用の部分を含むことができる。別の実施形態においては、1つ以上の通気用通路を全体的にそのような多孔質材料によって形成することができる。適切な多孔質材料としては、これらに限定しないが、細孔の大きさが約2.5ミクロンのHDPE、UHMWPE、PP、PTFE、PVDF、EVA、PE、ナイロンおよびPUなどの多孔質ポリマーが挙げられる。更なる実施形態においては、気体(空気など)の通過は許容するが体液(血液など)の通過を阻止することができるように、細孔容積および細孔径の組み合わせを選択することができる。
【0114】
更なる実施形態においては、それらの通気用通路は針ハブ34Gまたは拡張器ハブ38Gのいずれか単独によって定められたチューブであってよい。たとえば、チャンネル256が針ハブ34Gに設けられた開口につながっていてよい。この開口は、気体および流体の通過をコントロールすべく上で検討されているいずれかの特徴を含むことができる。したがって、その開口は、気体(たとえば空気)が針ハブ34Gを通じて周辺雰囲気へ逃れることを許容し、その一方で、体液(たとえば血液)の通過を阻止することができる。別の実施形態においては、同様な通気用通路が拡張器ハブ38G単独によって定められたチューブであってよい。気体(たとえば空気)が周辺雰囲気へ逃れることを許容し、その一方で、体液(たとえば血液)が逃れることを阻止するために様々な通路(たとえば通気溝175、チューブ、多孔質材料など)が利用可能であることは本明細書における開示から明らかであろう。
【0115】
別の実施形態においては、通気用通路は拡張器シャフト36Gおよびシース本体40内に在ってよい。たとえば、通気孔または通気性材料でできたパッチを拡張器シャフト36Gおよびシース本体40のそれぞれに設けることができる。幾つかの実施形態においては、これらの通気用構造は重なり合っていてよく、気体が一方からもう一方へ直接的に通れるようにすることができる。別の実施形態においては、これらの通気用構造は互いにある程度の間隔をあけて配置されてよく、この場合においては、それらの通気用構造を連通させるために、図18Dの場合と同様なチャンネルまたは溝を拡張器シャフト36Gとシース本体40の間に設けることができる。これらの通気用構造は針本体32Gの穿孔56から近位側に設けることができる。
【0116】
図示されるように、この実施形態における拡張器シャフト36Gは穿孔を何ら有していなくてよく、概して連続的であってよい。したがって、拡張器シャフト36Gは半径方向に関してチャンネル256(または同様なスペース)を閉じることができる。同様な実施形態において、穿孔56を含む他の概して連続的な針32Gと協働する拡張器シャフト36Gに設けられた隆線状部で同じ機能性を果たすことができる。拡張器シャフト36Gは全体が半透明な材料で形成されていてよく、または代替的に、少なくともチャンネル256に隣接した領域が半透明であってもよい。シース本体40も同様に半透明の材料で形成されてよい。別の実施形態においては、その材料は、半透明なだけでなく透明であってもよい。更なる実施形態においては、その材料は、空間的および時間的の両観点に関して部分的にのみ半透明であってよい。空間的には、拡張器シャフト36Gおよび/またはシース本体40の材料はチャンネル256付近が半透明であってよく、これにより、たとえば血液のフラッシュバックを視覚的に確認することができる。時間的には、この材料の視覚的特性が(たとえば温度の変化または分子の相互作用により)体液の進入時に変化してよい。したがって、その材料は体液の進入時に半透明になることができ、または別の実施形態においては、色が変わり、もしくは何らかの他の視覚的指標を与えることができる。
【0117】
さらに、図18A〜18Eに描かれているアクセス装置は、上で説明されているように、界面活性剤および/または潤滑性コーティングを含むことができる。たとえば、幾つかの実施形態においては、拡張器シャフト36Gの内側、針32Gの外側および/または針の内側に界面活性剤を適用することができる。界面活性剤は、所望の効果に依存して、これらの表面のあらゆる組み合わせに適用することができる。たとえば、界面活性剤を針の外面に単独で適用することができ、拡張器の内面に単独で適用することができ、または針の内面に単独で適用することができる。別の例として、界面活性剤をこれらの表面の組み合わせに、たとえば拡張器の内面と針の外面との両方などに適用することもできる。界面活性剤は本アクセス装置内のスペースを通じる体液の通過を容易化し、フラッシュバックを加速することができる。別の例として、幾つかの実施形態においては、拡張器シャフトとシース本体との間に同様なチャンネルを設けることができ、且つ、シースの内面および拡張器の外面に界面活性剤を適用することができる。尚もさらに、幾つかの実施形態においては、拡張器と針との間および拡張器とシースとの間の両方にチャンネルを設けることもでき、この場合、それらのチャンネルは、本明細書において記載されているように、拡張器に設けられた穿孔を介して連通している。さらに、上で記載されているように、シースの外面に界面活性剤や潤滑性材料などをコーティングすることもできる。
【0118】
別の実施形態においては、シースの内面に1つの完全な隆線状部を持たせ、且つ、拡張器の外面に1つの完全な隆線状部を持たせることによりチャンネル156を形成することができる。別の実施形態においては、シースの内面はチャンネル156の長さのうちの50%を走る2つの隆線状部を持つことができ、そして、拡張器の外面はチャンネル156の残りの50%を走る2つの隆線状部を持つことができる。
【0119】
ここで記載されている実施形態は従来型の生体適合性材料から構成される。たとえば、針は、好適には、セラミック、硬質ポリマー、またはステンレス鋼もしくはニチノールなどの金属から構成される。それ以外の要素は適切なポリマー材料(たとえばポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、フルオロポリマーおよびコポリマー(たとえばペルフルオロ(エチレン−プロピレン)コポリマー)、ポリウレタンポリマーまたはコポリマー)などから形成することができる。
【0120】
上で記されているように、本アクセス装置はカテーテルを患者の身体内の別の場所に配置するために使用することができる。したがって、本アクセス装置は、これらに限定しないが、たとえば膿瘍から流体を排液するための、気胸から空気を排出するための、および腹腔へアクセスするための様々なカテーテルとして、またはそのような様々なカテーテルとともに使用することができる。そのような用途においては、体液は針が適切に位置付けられたときを示すために観察用スペースに流入する。
【0121】
この発明を特定の好適な実施形態および実施例との関連で開示してきたが、当業者であれば、本発明は、具体的に開示される実施形態を越えて、本発明の他の代替的な実施形態および/または使用、ならびに明白な変更態様およびそれらの同等物にまで及ぶことが理解されよう。これに加え、本発明の数多くの変形態様が示され且つ詳細に説明されてきたが、当業者であれば、この開示に基づき、この発明の範囲内である他の変更態様も容易に明白になるであろう。また、これらの実施形態の特定の特徴および態様の様々な組み合わせまたはサブコンビネーションも作ることができ、且つ、それらの組み合わせが尚も本発明の範囲内に収まることが想定されている。したがって、ここで開示される実施形態の様々な特徴および態様は、その開示された発明の種々の変形様式を形成するために互いに組み合わせることができ、または相互に置換できることを理解すべきである。たとえば、図18Dに描かれている針ハブの全体的な形状は、付加的な方式において、図2Fに描かれている針ハブとは異なっている。しかし、これらの全体的な針ハブの形状は、記載および図示されるそれらの実施形態間で互いに置き換えることができる。したがって、本明細書で開示される本発明の範囲は、上で説明されている特定の開示実施形態によって限定されるべきではなく、開示内容および以下に続くクレームの公正な読み取りによってのみ決定されるべきであることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療物品を体内空間に配置するためのアクセス装置であって、該アクセス装置は、
遠位側端部を伴った細長い針本体と該針本体がそこから延びているハブとを有する針であって、該針本体が内面、外面および側方穴を含んでいる、針と、
前記針本体上に配置された拡張器であって、該拡張器は拡張器本体および拡張器ハブを含んでおり、前記拡張器本体が内面および外面を含んでいる、拡張器と、
前記拡張器本体上に配置されたシースであって、該シースはシース本体およびシースハブを含んでおり、前記シース本体が内面および外面を含んでいる、シースと、
を含み、
前記針の外面、前記拡張器の内面、前記拡張器の外面および前記シースの内面のうちの少なくとも1つが界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされ、
且つ、
前記シースの内面と前記針の外面との間のある場所にスペースが定められていて、該スペースが前記側方穴と連通している、
アクセス装置。
【請求項2】
前記針の内面が界面活性剤で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項1に記載のアクセス装置。
【請求項3】
前記針の外面が界面活性剤で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項1および2のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項4】
前記拡張器の内面が界面活性剤で少なくとも部分的にコーティングされている、先行する請求項のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項5】
前記拡張器の外面が界面活性剤で少なくとも部分的にコーティングされている、先行する請求項のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項6】
前記シースの内面が界面活性剤で少なくとも部分的にコーティングされている、先行する請求項のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項7】
前記シースの外面が潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、先行する請求項のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項8】
前記拡張器またはシースのうちの少なくとも一方において通気口をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項9】
前記通気口が周辺雰囲気への空気の脱出を許容し、且つ、流体の脱出を妨げる、請求項8に記載のアクセス装置。
【請求項10】
前記通気口が多孔質材料を含む、請求項9に記載のアクセス装置。
【請求項11】
前記通気口が幅の狭いチャンネルを含む、請求項9に記載のアクセス装置。
【請求項12】
医療物品を体内空間に配置するためのアクセス装置であって、該アクセス装置は、
遠位側端部を伴った細長い針本体と前記針本体が延びているハブとを有する針と、
前記針本体上に配置された拡張器であって、前記針および該拡張器は、相互に、前記針の遠位側端部が該拡張器の遠位側に在る第1の位置および前記針の遠位側端部が該拡張器内に在る第2の位置から相対的に移動可能であり、該拡張器が拡張器ハブと該拡張器ハブから延びる細長い拡張器シャフトとを含む、拡張器と、
前記第2の位置に在るときに、前記拡張器に対する前記針の相対的な移動を阻止すべく、前記針と前記拡張器との間で作動するロック機構であって、該ロック機構が、移動に対する抵抗を少なくするために該ロック機構による係合を伴うことなく、前記第1の位置から前記第2の位置へ向けた前記針の移動を許容するように構成されている、ロック機構と、
前記拡張器上に配置されたシースであって、該シースおよび前記拡張器が相互に相対的に移動可能である、シースと、
を含み、
前記針の外面、前記拡張器の内面、前記拡張器の外面および前記シースの内面のうちの少なくとも1つが界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、
アクセス装置。
【請求項13】
前記シースの内面および/または前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項12に記載のアクセス装置。
【請求項14】
前記拡張器の内面および/または前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項12または13のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項15】
前記シースの外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項12〜14のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項16】
前記シースの内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項12〜15のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項17】
前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項12〜16のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項18】
前記拡張器の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項12〜17のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項19】
前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項12〜18のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項20】
前記針の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項12〜19のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項21】
さらに、前記拡張器またはシースのうちの少なくとも一方において通気口をさらに含む、請求項12〜20のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項22】
前記通気口が周辺雰囲気への空気の脱出を許容し、且つ、流体の脱出を妨げる、請求項21に記載のアクセス装置。
【請求項23】
前記通気口が多孔質材料を含む、請求項22に記載のアクセス装置。
【請求項24】
前記通気口が狭いチャンネルを含む、請求項22に記載のアクセス装置。
【請求項25】
前記針の長手方向長さが前記拡張器の長手方向長さよりも大きく、且つ、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離が前記針の長手方向長さよりも小さい、請求項12に記載のアクセス装置。
【請求項26】
前記シースがカテーテルの少なくとも一部を受け入れることができるように構成されている、請求項12に記載のアクセス装置。
【請求項27】
前記ロック機構が前記拡張器ハブの近位側に前記拡張器ハブから間隔をあけて支持されている第1の部材と前記針により支持された第2の部材とを含んでいて、前記第1および第2の部材は前記針ハブが前記拡張器ハブから離れた距離を通じて移動されたときに相互に係合することができるように構成され、前記距離は前記針ハブと前記拡張器ハブとが並置されたときに前記針本体の遠位側端部が前記拡張器を越えて延びる距離よりも大きい、請求項12に記載のアクセス装置。
【請求項28】
細長い支持具が前記拡張器ハブから間隔をあけた場所において前記ロック機構の第1部材を吊り下げている、請求項27に記載のアクセス装置。
【請求項29】
前記細長い支持具および前記針ハブは、前記針が前記細長い支持具に沿って摺動するような協働する構造を含む、請求項28に記載のアクセス装置。
【請求項30】
前記細長い支持具が前記拡張器ハブに回転可能に連結する、請求項29に記載のアクセス装置。
【請求項31】
前記細長い支持具が前記針本体の長手方向軸に概して平行な状態にある、請求項28に記載のアクセス装置。
【請求項32】
前記細長い支持具が前記拡張器ハブの近位側方向に延びている、請求項28に記載のアクセス装置。
【請求項33】
ガイドワイヤーキャップから遠位側方向に延びるガイドワイヤーをさらに含んでおり、前記ガイドワイヤーキャップが前記細長い支持具に解放可能に連結されている、請求項28に記載のアクセス装置。
【請求項34】
前記ガイドワイヤーキャップが前記ロック機構の前記第1部材の近位の場所で前記細長い支持具と係合する、請求項33に記載のアクセス装置。
【請求項35】
前記針本体が少なくとも1つの穿孔を含み、且つ、前記拡張器シャフトが前記針の穿孔と連通する少なくとも1つの穿孔を含む、請求項12〜34のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項36】
前記穿孔のうちの1つが前記穿孔のうちのそれ以外の1つよりも少なくとも1つの方向において大きな寸法を有する、請求項35に記載のアクセス装置。
【請求項37】
前記シースが前記拡張器シャフトの周りに同軸的に配置されていて、且つ、少なくとも1つの細長いチャンネルが、前記拡張器シャフトと前記拡張器シャフトの長さの少なくとも実質的な一部に沿って延びる前記シースとの間に形成され、前記チャンネルが前記拡張器シャフトにおける前記穿孔と連通していて、且つ、前記拡張器シャフトの長さ方向に垂直な方向において前記拡張器シャフトの最大外径よりも小さな寸法を有する、請求項35に記載のアクセス装置。
【請求項38】
前記シースが前記拡張器シャフトの周りに同軸的に配置されていて、且つ、少なくとも1つの細長いチャンネルが前記拡張器シャフトと前記拡張器シャフトの長さの少なくとも実質的な一部に沿って延びる前記シースとの間に形成され、前記チャンネルが前記拡張器シャフトにおける前記穿孔と連通していて、且つ、前記拡張器の長手方向軸の周りで360度未満のスパン角度を有する、請求項35に記載のアクセス装置。
【請求項39】
医療物品を体内空間に配置するためのアクセス装置であって、該アクセス装置は、
遠位側先端部を伴った長手方向軸を有する針本体、および前記針本体が延びている針ハブを含む針と、
拡張器シャフトおよび拡張器ハブを含む拡張器であって、前記拡張器シャフトが、前記拡張器ハブが前記針ハブの遠位側に配置されている状態で、前記針本体に沿って摺動可能に該針本体上に配置されている、拡張器と、
チューブ状のセクションおよびハブを含むシースであって、前記チューブ状セクションが、前記ハブが前記拡張器ハブの遠位側に配置されている状態で、前記拡張器に沿って前記拡張器上に摺動可能に配置されている、シースと、
前記拡張器ハブから近位側方向に延びるトラックと、
前記拡張器に対する相対的な前記針の近位側方向への移動を選択的に阻止するために前記トラックと前記針との間で作動可能に配置されている、ロック機構と、
を含み、
前記針の外面、前記拡張器の内面、前記拡張器の外面および前記シースの内面のうちの少なくとも1つが界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、
アクセス装置。
【請求項40】
前記シースの内面および/または前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項39に記載のアクセス装置。
【請求項41】
前記拡張器の内面および/または前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項39または40のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項42】
前記シースの外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項39〜41のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項43】
前記シースの内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項39〜42のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項44】
前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項39〜43のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項45】
前記拡張器の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項39〜44のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項46】
前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項39〜45のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項47】
前記針の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項39〜46のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項48】
前記拡張器またはシースのうちの少なくとも一方における通気口をさらに含む、請求項39〜47のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項49】
前記通気口が周辺雰囲気への空気の脱出を許容し、且つ、流体の脱出を妨げる、請求項48に記載のアクセス装置。
【請求項50】
前記通気口が多孔質材料を含む、請求項49に記載のアクセス装置。
【請求項51】
前記通気口が狭いチャンネルを含む、請求項49に記載のアクセス装置。
【請求項52】
前記針が前記トラックと係合する少なくとも1つの突端を含む、請求項39に記載のアクセス装置。
【請求項53】
前記トラックが前記拡張器ハブの長手方向軸の周りで回転可能である、請求項39に記載のアクセス装置。
【請求項54】
前記ロック機構が前記トラックから突き出た少なくとも1つのフィンガー要素を含んでいる、請求項39に記載のアクセス装置。
【請求項55】
前記トラックの幅が該トラックの長手方向長さに沿って変動する、請求項39に記載のアクセス装置。
【請求項56】
前記針が第1の位置と第2の位置との間で前記トラックの少なくとも一部に沿って摺動することができるように構成され、前記第2の位置は前記第1の位置の近位側に在り、前記ロック機構は前記針が前記第2の位置に在るときに前記針の更なる近位側方向への移動を阻止する、請求項39に記載のアクセス装置。
【請求項57】
前記拡張器の長手方向長さは、少なくとも前記針が前記第2の位置に在るときに前記針本体の遠位側先端部が前記拡張器内に存在するのに充分な長さである、請求項56に記載のアクセス装置。
【請求項58】
前記ロック機構が前記トラックにおいてスロットを含み、前記スロットが前記長手方向軸に垂直に配列されていて、且つ、少なくとも前記針が前記第2の位置に在るときに前記針の前記少なくとも1つの突端を受け入れることができるように構成されている、請求項56に記載のアクセス装置。
【請求項59】
ガイドワイヤーをさらに含み、該ガイドワイヤーが前記針本体の少なくとも一部を通じて摺動可能な状態で前記針本体と該ガイドワイヤーが同軸的に配置されている、請求項39に記載のアクセス装置。
【請求項60】
前記ガイドワイヤーがワイヤーおよびハブを含み、該ハブが前記針ハブと係合することができるように構成されている、請求項59に記載のアクセス装置。
【請求項61】
前記トラックと前記ガイドワイヤーハブとの間で作動可能に配置された第2のロック機構をさらに含み、該第2のロック機構は、前記ガイドワイヤーが前記針本体を通じて摺動するときに前記ガイドワイヤーハブが遠位側方向に移動することを許容するために前記トラックから前記ガイドワイヤーハブを選択的に解放することができるように構成されている、請求項60に記載のアクセス装置。
【請求項62】
前記第2のロック機構は、
前記トラックから突出していて、且つ、前記トラックに対して相対的な前記ハブの近位側方向における長手方向軸の移動を阻止することができるように構成された要素と、
前記要素の遠位側で前記トラックから突き出た少なくとも1つのアームであって、前記トラックに対して相対的な前記ハブの少なくとも横方向における動きを選択的に阻止することができるように構成されている少なくとも1つのアームと、
前記少なくとも1つのアームの遠位側で前記トラックから隆起した留め具であって、前記トラックに対して相対的な前記ハブの遠位側方向における長手方向の移動を選択的に阻止することができるように構成されている留め具と、
を含む、請求項61に記載のアクセス装置。
【請求項63】
前記トラックが前記拡張器に回転可能に連結されている、請求項39に記載のアクセス装置。
【請求項64】
第3のロック機構が前記針ハブと前記拡張器ハブとの間で作動する、請求項39に記載のアクセス装置。
【請求項65】
前記第3のロック機構が前記針ハブおよび前記拡張器ハブの間における相対的な回転運動によってロックを解除され、ここで、前記針ハブが前記拡張器ハブの外面の上方に突き出た長手方向タブを含む、請求項64に記載のアクセス装置。
【請求項66】
前記針本体が傾斜した遠位側先端部を含んでいて、前記タブは、前記傾斜が形成されている前記針本体の側面と対応する前記針ハブの側面に位置付けられている、請求項65に記載のアクセス装置。
【請求項67】
医療物品を体内空間に配置するためのアクセス装置であって、該アクセス装置は、
遠位側端部および第1の穿孔を有する針と、
前記針に沿って摺動可能に前記針に配置され、且つ、第2の穿孔を有する拡張器であって、前記第1および第2の穿孔のうちの一方が前記方向における該第1および第2の穿孔のうちのもう一方よりも少なくとも1つの方向において大きな寸法を有する、拡張器と、
前記拡張器上を長手方向に移動可能に前記拡張器に同軸的に配置されたシースと、
を含み、
前記針の外面、前記拡張器の内面、前記拡張器の外面および前記シースの内面のうちの少なくとも1つが界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、
アクセス装置。
【請求項68】
前記シースの内面および/または前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項67に記載のアクセス装置。
【請求項69】
前記拡張器の内面および/または前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項67または68のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項70】
前記シースの外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項67〜69のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項71】
前記シースの内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項67〜70のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項72】
前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項67〜71のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項73】
前記拡張器の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項67〜72のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項74】
前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項67〜73のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項75】
前記針の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項67〜74のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項76】
前記拡張器またはシースのうちの少なくとも一方において通気口をさらに含む、請求項67〜75のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項77】
前記通気口が周辺雰囲気への空気の脱出を許容し、且つ、流体の脱出を妨げる、請求項76に記載のアクセス装置。
【請求項78】
前記通気口が多孔質材料を含む、請求項77に記載のアクセス装置。
【請求項79】
前記通気口が狭いチャンネルを含む、請求項77に記載のアクセス装置。
【請求項80】
前記少なくとも1つの方向が長手方向である、請求項67に記載のアクセス装置。
【請求項81】
前記少なくとも1つの方向が円周方向である、請求項67に記載のアクセス装置。
【請求項82】
前記第1の穿孔の形状が長楕円形であり、前記第2の穿孔の形状が円形である、請求項67に記載のアクセス装置。
【請求項83】
前記第1および第2の穿孔のそれぞれの形状が長楕円形である、請求項67に記載のアクセス装置。
【請求項84】
前記第1の長楕円形の穿孔が前記第2の長楕円形の穿孔に概して垂直に配列されている、請求項67に記載のアクセス装置。
【請求項85】
医療物品を体内空間に配置するためのアクセス装置であって、該アクセス装置は、
遠位側端部および少なくとも1つの穿孔を有する針と、
前記針の少なくとも一部に配置されたシャフトを含む拡張器と、
前記拡張器の少なくとも一部に配置されたシースと、
該針と、前記拡張器シャフトの長さの少なくとも実質的な一部に沿って延びる該シースの外面との間に配置された少なくとも1つの細長いチャンネルであって、該チャンネルが該針の穿孔と連通していて、且つ、該拡張器の長手方向軸の周りで360度未満のスパン角度を有する、チャンネルと、
を含み、
前記針の外面、前記拡張器の内面、前記拡張器の外面および前記シースの内面のうちの少なくとも1つが界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、
アクセス装置。
【請求項86】
前記シースの内面および/または前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項85に記載のアクセス装置。
【請求項87】
前記拡張器の内面および/または前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項85または86のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項88】
前記シースの外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項85〜87のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項89】
前記シースの内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項85〜88のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項90】
前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項85〜89のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項91】
前記拡張器の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項85〜90のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項92】
前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項85〜91のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項93】
前記針の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項85〜92のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項94】
前記拡張器またはシースのうちの少なくとも一方における通気口をさらに含む、請求項85〜93のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項95】
前記通気口が周辺雰囲気への空気の脱出を許容し、且つ、流体の脱出を妨げる、請求項94に記載のアクセス装置。
【請求項96】
前記通気口が多孔質材料を含む、請求項95に記載のアクセス装置。
【請求項97】
前記通気口が狭いチャンネルを含む、請求項95に記載のアクセス装置。
【請求項98】
前記拡張器が第2の穿孔を含んでいて、前記第2の穿孔が前記針の穿孔と連通している、請求項85に記載のアクセス装置。
【請求項99】
前記第2の穿孔の少なくとも一部が前記拡張器の穿孔の一部と整合する、請求項98に記載のアクセス装置。
【請求項100】
前記チャンネルが前記拡張器と前記シースとの間に配置されている、請求項85に記載のアクセス装置。
【請求項101】
前記チャンネルが、前記拡張器シャフトの外面に形成された少なくとも1つの長手方向の溝によって少なくとも部分的に定められている、請求項100に記載のアクセス装置。
【請求項102】
前記溝が約120度のスパン角度を有する、請求項100に記載のアクセス装置。
【請求項103】
前記溝の少なくとも一部がおよそ0.001インチの半径方向寸法を有する、請求項100に記載のアクセス装置。
【請求項104】
前記長手方向の溝が前記拡張器シャフトの長さの少なくとも一部に沿った螺旋経路をたどる、請求項100に記載のアクセス装置。
【請求項105】
前記拡張器シャフトの外面に設けられた前記もう一方の溝と直径方向的に対向する、第2の長手方向の溝をさらに含む、請求項100に記載のアクセス装置。
【請求項106】
前記溝が前記拡張器シャフトの長さに満たない長手方向長さを有する、請求項100に記載のアクセス装置。
【請求項107】
前記溝の遠位側端部が前記拡張器の遠位側端部の近位側に在る、請求項100に記載のアクセス装置。
【請求項108】
医療物品を体内空間に配置するためのアクセス装置であって、該アクセス装置は、
遠位側端部および長手方向軸を有する針と、
前記針の少なくとも一部に配置され、且つ、外面を有する拡張器と、
前記拡張器の少なくとも一部に配置され、且つ、内面を有するシースであって、該シースの前記内面の少なくとも一部が該拡張器の前記外面の隣接した部分とは異なる形状を有していて前記内面と前記外面との間にギャップを形成し、該ギャップが前記長手方向軸に沿って延びている、シースと、
を含み、
前記針の外面、前記拡張器の内面、前記拡張器の外面および前記シースの内面のうちの少なくとも1つが界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、
アクセス装置。
【請求項109】
前記シースの内面および/または前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項108に記載のアクセス装置。
【請求項110】
前記拡張器の内面および/または前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項108または109のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項111】
前記シースの外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項108〜110のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項112】
前記シースの内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項108〜111のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項113】
前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項108〜112のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項114】
前記拡張器の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項108〜113のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項115】
前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項108〜114のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項116】
前記針の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項108〜115のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項117】
前記拡張器またはシースのうちの少なくとも一方における通気口をさらに含む、請求項108〜116のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項118】
前記通気口が周辺雰囲気への空気の脱出を許容し、且つ、流体の脱出を妨げる、請求項117に記載のアクセス装置。
【請求項119】
前記通気口が多孔質材料を含む、請求項118に記載のアクセス装置。
【請求項120】
前記通気口が狭いチャンネルを含む、請求項118に記載のアクセス装置。
【請求項121】
前記拡張器の外面が長楕円形であり、且つ、前記シースの内面が円形である、請求項108に記載のアクセス装置。
【請求項122】
前記拡張器の外面が円形であり、且つ、前記シースの内面が四角形である、請求項108に記載のアクセス装置。
【請求項123】
前記ギャップが前記長手方向軸に沿った螺旋経路をたどる、請求項108に記載のアクセス装置。
【請求項124】
前記ギャップが前記長手方向軸に沿った直線経路をたどる、請求項108に記載のアクセス装置。
【請求項125】
前記直線経路が前記長手方向軸に平行である、請求項124に記載のアクセス装置。
【請求項126】
前記ギャップの厚みが該ギャップの長さの少なくとも一部に沿って変動する、請求項108に記載のアクセス装置。
【請求項127】
前記医療用具および前記拡張器のうちの一方が溝付きの表面を含む、請求項108に記載のアクセス装置。
【請求項128】
医療物品を体内空間に配置するためのアクセス装置であって、該アクセス装置は、
遠位側端部を伴った細長い針本体と前記針本体が延びているハブとを有する針であって、該細長い針本体が少なくとも1つの側面穿孔を含む、針と、
前記針本体上に配置された拡張器であって、該拡張器は拡張器ハブおよび前記拡張器ハブから延びる細長い拡張器シャフトを含み、ここで、該拡張器シャフトおよび前記細長い針本体は1つ以上のスペースを形成していて、該スペースのうちの少なくとも1つが該針における前記側面穿孔と連通している、拡張器と、
チューブ状セクションおよびハブを含む医療物品であって、該チューブ状セクションが前記拡張器上に配置されている医療物品と、
を含み、
前記拡張器および前記医療物品のうちの少なくとも一部が前記スペース内における体液の存在の視覚的な決定を可能に成すことができるように構成されており、
前記針および拡張器のうちの少なくとも一方が、さらに、前記スペースから空気が逃れることを許容し、且つ、前記スペースから前記体液が逃れることを阻止する、前記スペースと連通した通気口を含む、
アクセス装置。
【請求項129】
前記針の内面、前記針の外面、前記拡張器の内面、前記拡張器の外面、前記シースの内面および前記シースの外面のうちの少なくとも1つが界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項128に記載のアクセス装置。
【請求項130】
前記シースの内面および/または前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項129に記載のアクセス装置。
【請求項131】
前記拡張器の内面および/または前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項129または130のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項132】
前記シースの外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項129〜131のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項133】
前記シースの内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項129〜132のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項134】
前記拡張器の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項129〜133のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項135】
前記拡張器の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項129〜134のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項136】
前記針の外面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項129〜135のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項137】
前記針の内面が界面活性剤または潤滑性材料で少なくとも部分的にコーティングされている、請求項129〜136のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項138】
前記針本体が1つ以上の隆線状部を含む、請求項128に記載のアクセス装置。
【請求項139】
前記拡張器シャフトが1つ以上の隆線状部を含む、請求項128に記載のアクセス装置。
【請求項140】
前記1つ以上の隆線状部が前記針シャフトに沿って概して直線的である、請求項138に記載のアクセス装置。
【請求項141】
前記1つ以上の隆線状部がチャンネルを形成している、請求項138に記載のアクセス装置。
【請求項142】
前記針ハブが1つ以上の通気用の溝を含む、請求項128または141のいずれか1項に記載のアクセス装置。
【請求項143】
前記通気用の溝が多孔質材料を含んでいて、前記多孔質材料は、気体が該材料を通じて流れることを許容するが、体液の通過を阻止する、請求項142に記載のアクセス装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【公表番号】特表2011−515127(P2011−515127A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550910(P2010−550910)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/037204
【国際公開番号】WO2009/114837
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(507324142)アクセス サイエンティフィック、インク. (7)
【Fターム(参考)】