説明

アクチュエータ

【課題】液圧式であっても車両における乗り心地を向上することが可能なアクチュエータを提供することである。
【解決手段】上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段における鉄道車両の車体Bと台車Wとの間に介装されるシリンダCとシリンダCに液圧を供給するモータMで駆動される液圧ポンプ1とを備え、車体Bを台車Wに対して傾斜させるアクチュエータAにおいて、車体Bの振動あるいは車体Bの台車Wに対する振動のうち、所定周波数帯における振動の振幅Lに基づいて、モータMへ供給する電流量を制限する電流リミット値±Iを調節することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の車体と台車との間に介装されて車体を台車に対して傾斜させるアクチュエータの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両が曲線区間を走行する場合、車体には曲線区間の曲率中心とは反対側に向く遠心力が作用する。この遠心力は、車両の走行速度が高くなればなるほど大きくなる。そこで、鉄道車両の軌道では、曲率中心側の内側レールと反対側の外側レールにカントと呼ばれる高低差を設けて、上記遠心力を緩和し、曲線走行時の鉄道車両の速度向上を図っている。
【0003】
しかしながら、カント量(各レールの高低差量)は一端設定されると変更することができず、走行速度が異なる鉄道車両が走行する線区では、高速走行する鉄道車両になればなるほど、カント量が不足して超過遠心力が鉄道車両に作用して、乗心地が悪化してしまうといった問題がある。
【0004】
そこで、近年では、振子式の車体傾斜装置や台車と車体との間に設けた気体バネを用いて車体を台車に対して傾斜させる車体傾斜装置を搭載するようにし、上記カント量不足による超過遠心力を緩和するため、鉄道車両が曲線区間を走行する際に、台車に対して車体を曲率中心側に傾けるようにして乗り心地の悪化を抑制することで、曲線区間での高速走行を実現している。
【0005】
このような車体傾斜装置にあっては、具体的にはたとえば、車体と台車との間に空気圧で駆動される直動型のアクチュエータを介装し、このアクチュエータを伸縮させることで車体を台車に対して傾斜させるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−154432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記アクチュエータは、その駆動を大きな圧縮性を持つ圧縮空気を利用して行うため、推力と応答性が不十分となって狙った車体傾斜角の確保が難しく、乗り心地を充分に向上することが難しいという問題があり、これを解消するには、アクチュエータには、空気圧ではなく、液圧で駆動するものを採用することが考えられる。
【0007】
ところが、アクチュエータの作動流体を液体とする場合、今度は、液体の圧縮性の小ささ故にアクチュエータの見掛け上の剛性が高くなって、この車体傾斜用に供されるアクチュエータを介して台車における車体進行方向に対する左右方向の振動が車体に伝達されてしまい、車両における乗り心地を悪化させてしまう虞がある。なお、アクチュエータの見掛け上の剛性とは、作動流体を含めたアクチュエータ全体の伸縮方向の剛性であり、作動流体の圧縮性が小さくなればなるほど上記の見掛け上の剛性は高くなる傾向を示すことになる。
【0008】
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、液圧式であっても車両における乗り心地を向上することが可能なアクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段におけるアクチュエータは、鉄道車両の車体と台車との間に介装されるシリンダとシリンダに液圧を供給するモータで駆動される液圧ポンプとを備え、車体を台車に対して傾斜させるアクチュエータであって、車体の振動あるいは車体の台車に対する振動のうち、所定周波数帯における振動の振幅に基づいて、モータへ供給する電流量を制限する電流リミット値を調節するとした。
【発明の効果】
【0010】
本発明のアクチュエータによれば、所定周波数帯における振動の振幅に基づいて、モータへ供給する電流量を制限するリミット値を調節するので、外乱によって乗り心地を悪化させる周波数帯の振動が台車に作用しても、台車側へ入力された振動が車体側へ伝播することを抑制することができ、液圧式のアクチュエータを車体傾斜に用いても車両における乗り心地を向上することができるのである。
【0011】
また、換言すれば、車両における乗り心地を向上することができるので、アクチュエータの作動流体を液体たる作動油とすることができ、推進力不足を解消し、車体傾斜の応答性を向上させることができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態におけるアクチュエータの液圧回路を示す図である。図2は、一実施の形態におけるアクチュエータを鉄道車両の車体と台車との間に介装した状態を示す図である。図3は、一実施の形態のアクチュエータにおける制御ブロック図である。図4は、変位信号における所定周波数帯の振動成分の振幅と、当該振幅に対して重み付けを行う係数との関係を示す図である。図5は、一実施の形態におけるアクチュエータのモータを制御する制御部における電流リミット値を制御するフローチャートの一例を示す図である。図6は、一実施の形態の一変形例におけるアクチュエータの制御ブロック図である。
【0013】
一実施の形態におけるアクチュエータAは、図1および図2に示すように、鉄道車両の車体Bと台車Wとの間に介装されるシリンダCと、シリンダCに液圧を供給するモータMで駆動される油圧ポンプ1と、モータMを制御する制御部20とを備えて構成されている。
【0014】
このアクチュエータAにあっては、シリンダCを油圧ポンプ1から供給する液圧で駆動することができるようになっており、本実施の形態では、具体的には、液圧でシリンダCを駆動するためアクチュエータ回路5を備えている。
【0015】
以下、各部について詳細に説明すると、シリンダCは、容器2と、容器2内に摺動自在に挿入されて容器2内に一方室R1および他方室R2の二つの圧力室を区画するピストン3と、ピストン3に連結されて容器2内に移動自在に挿入されるロッド4とを備えて構成され、一方室R1および他方室R2内には液体としての作動油が充填され、この実施の形態の場合、いわゆる両ロッド型の油圧シリンダとされている。なお、本実施の形態にあっては、シリンダCの作動には使用される液体は作動油とされているが、液体はアクチュエータAの作動に適するものであればよい。
【0016】
そして、油圧ポンプ1は、シリンダCをアクチュエータとして動作させるアクチュエータ回路5中に組み込まれ、アクチュエータ回路5は、ループ通路6と、ループ通路6中に設けた二つのソレノイド切換弁7,8と、ループ通路6から分岐する二つの分岐通路9,10と、分岐通路9,10のうち低圧側をアキュムレータ11に連通する低圧選択弁12とを備えて構成されている。
【0017】
詳細には、油圧ポンプ1は、シリンダCの一方室R1と他方室R2とを連通するループ通路6の途中に設けられ、この場合、モータMによって駆動される双方向吐出型のポンプとして構成されている。なお、油圧ポンプ1で生じる漏れ油圧はアキュムレータ11で回収されるようになっている。
【0018】
また、ループ通路6の途中であって、油圧ポンプ1と一方室R1との間には、ノーマルクローズのソレノイド切換弁7が介装され、さらに、油圧ポンプ1と他方室R2との間にも、ノーマルクローズのソレノイド切換弁8が介装されている。
【0019】
ソレノイド切換弁7は、油圧ポンプ1と一方室R1とを連通する連通ポジションと、油圧ポンプ1から一方室R1への流れのみを許容する遮断ポジションとを備えたバルブ7aと、遮断ポジションを採るようにバルブ7aを附勢するバネ7bと、通電時にバルブ7aをバネ7bに対向して連通ポジションに切換えるソレノイド7cとを備えて構成され、他方のソレノイド切換弁8は、油圧ポンプ1と他方室R2とを連通する連通ポジションと、油圧ポンプ1から他方室R2への流れのみを許容する遮断ポジションとを備えたバルブ8aと、遮断ポジションを採るようにバルブ8aを附勢するバネ8bと、通電時にバルブ8aをバネ8bに対向して連通ポジションに切換えるソレノイド8cとを備えて構成されている。
【0020】
さらに、分岐通路9は、ループ通路6の途中であってソレノイド切換弁7と油圧ポンプ1との間から分岐し、他方の分岐通路10は、ループ通路6の途中であってソレノイド切換弁8と油圧ポンプ1との間から分岐しており、これら分岐通路9,10のうち、低圧側が低圧選択弁12によってアキュムレータ11へ連通される。
【0021】
低圧選択弁12は、分岐流路9をアキュムレータ11に連通する一方側連通ポジションと、分岐流路10をアキュムレータ11に連通する他方側連通ポジションと、分岐流路9,10の双方をアキュムレータ11に連通する双方連通ポジションとを備えたバルブ12aと、バルブ12aを他方側連通ポジションに切換えるように分岐流路9の圧力を作用させるパイロット通路12bと、バルブ12aを一方側連通ポジションに切換えるように分岐流路10の圧力を作用させるパイロット通路12cとを備え、中立位置では双方連通ポジションを採るように構成されている。
【0022】
したがって、分岐流路9側の圧力が分岐流路10側の圧力を上回ると、低圧選択弁12は、他方側連通ポジションを採って分岐流路10をアキュムレータ11に連通し、反対に、分岐流路10側の圧力が分岐流路9側の圧力を上回ると、低圧選択弁12は、一方側連通ポジションを採って分岐流路9をアキュムレータ11に連通する。
【0023】
すなわち、ソレノイド切換弁7,8をそれぞれ連通ポジションとして、油圧ポンプ1を一方室R1へ油圧を供給するように駆動すると、一方室R1内に油圧が供給されてシリンダCにおけるロッド4が、図1および図2中、右方へ推進され、車体Bを反時計周りに傾斜させることができ、反対に、ソレノイド切換弁7,8をそれぞれ連通ポジションとして、油圧ポンプ1を他方室R2へ油圧を供給するように駆動すると、他方室R2内に油圧が供給されてシリンダCにおけるロッド4が、図1および図2中、左方へ推進され、車体Bを時計周りに傾斜させることができる。つまり、当該アクチュエータAを、車体を傾斜させるアクチュエータとして機能させることができる。
【0024】
そして、油圧ポンプ1を一方室R1へ油圧を供給するように駆動する場合、油圧ポンプ1は、低圧側となる他方室R2から、あるいは、低圧選択弁12によって選択される分岐流路10を介してアキュムレータ11から、あるいは、その両方から作動油を吸い込んで、一方室R1側へ作動油を吐出する。反対に、油圧ポンプ1を他方室R2へ油圧を供給するように駆動する場合、油圧ポンプ1は、低圧側となる一方室R1から、あるいは、低圧選択弁12によって選択される分岐流路9を介してアキュムレータ11から、あるいは、その両方から作動油を吸い込んで、他方室R2側へ作動油を吐出する。
【0025】
したがって、油圧ポンプ1は、作動油の圧縮等による体積減少が生じても、アキュムレータ11から作動油の供給を受け、問題なく一方室R1および他方室R2のうち希望する圧力室へ油圧を供給することができる。
【0026】
また、シリンダCの推力発生方向が逆転する折には、一方室R1の圧力と他方室R2の圧力の高低が逆転するので、低圧選択弁12は、一端中立位置の双方連通ポジションを経由して切換わり、分岐流路9,10を一度アキュムレータ11に連通して一方室R1および他方室R2内の蓄圧を防止することができる。
【0027】
なお、低圧選択弁12は、作動油の温度上昇による内圧増大の防止、作動油の温度低下による負圧の防止、およびシリンダCの製作加工誤差による一方室R1と他方室R2の容積差によるアキュムレータからの作動油の供給等のために設けられている。
【0028】
また、この実施の形態の場合、アクチュエータAの変位(シリンダCにおける容器2に対するロッド4の変位)をセンシングするストロークセンサ30を備えており、ストロークセンサ30で検知するアクチュエータAの変位に基づいて、後述の制御部20によって、油圧ポンプ1を駆動するモータMが制御されるようになっている。
【0029】
なお、本実施の形態におけるアクチュエータAでは、失陥時その他においてシリンダCをダンパとして機能させるダンパ回路13を備えており、このダンパ回路13について説明すると、ダンパ回路13は、シリンダC内の二つの圧力室R1,R2を連通する流路14を備えており、この流路14は、減衰力発生要素15とソレノイド切換弁16とが設けられるメイン流路14aと、一方室R1からメイン流路14aに向かう流れのみを許容する一方側上流路14bと、他方室R2からメイン流路14aに向かう流れのみを許容する他方側上流路14cと、メイン流路14aから一方室R1へ向かう流れのみを許容する一方側下流路14dと、メイン流路14aから他方室R2へ向かう流れのみを許容する他方側下流路14eとを備えて構成されている。
【0030】
一方側上流路14bは、途中に一方室R1からメイン流路14aへ向かう作動油の流れのみを許容する逆止弁17aを備え、この逆止弁17aによって一方側上流路14bを一方室R1からメイン流路14aへ向かう一方通行の通路としている。他の他方側上流路14c、一方側下流路14d、他方側下流路14eの途中にも同様に、それぞれ逆止弁17b,17c,17dが設けられ、それぞれ上記した通りの一方通行の通路となるように設定されている。
【0031】
本実施の形態にあっては、このように流路14が構成されることで、作動油は、メイン流路14aを一方側上流路14bおよび他方側上流路14cに接続されている方を上流として、一方側下流路14dおよび他方側下流路14eに接続されている下流側へ流れることになり、メイン流路14aも一方通行とされている。
【0032】
また、メイン流路14aの下流は、接続通路14fを介して上述のアキュムレータ11に接続され、メイン流路14aの下流の圧力はアキュムレータ11と同圧となるように設定されている。
【0033】
そして、メイン流路14aの途中に設けられる減衰力発生要素15は、自身の上流側の圧力に応じて流路面積を調節する減衰バルブ15aと、当該減衰バルブ15aに並列配置される固定絞り15bとで構成され、メイン流路14aの上流側の圧力が低いときには、減衰バルブ15aが開かず、作動油に固定絞り15bを通過させ、流量が増加して固定絞り15bによる圧力損失が大きくなり上流側の圧力が減衰バルブ15aのクラッキング圧を上回るようになると、減衰バルブ15aが開いて作動油は減衰バルブ15aをも介してメイン流路14aの下流側へ流れるようになる。
【0034】
このように、減衰力発生要素15は、作動油がメイン流路14aを流れる際に、この流れに減衰バルブ15aと固定絞り15bとで抵抗を与えて、シリンダCの伸縮を抑制する減衰力を発揮させる発生源として機能する。
【0035】
さらに、ソレノイド切換弁16は、ノーマルオープンの切換弁とされ、メイン流路14aを開放する連通ポジションと、メイン流路14aを遮断する遮断ポジションとを備えたバルブ16aと、連通ポジションを採るようにバルブ16aを附勢するバネ16bと、通電時にバルブ16aをバネ16bに対向して遮断ポジションに切換えるソレノイド16cとを備えて構成されている。
【0036】
ここで、ソレノイド切換弁7,8が遮断ポジションであってアクチュエータ回路5側でシリンダCを駆動しない状態を考えると、ソレノイド切換弁16が遮断ポジションを採ると、メイン流路14aが遮断状態に維持され、シリンダCの一方室R1と他方室R2との連通が断たれた状態となるので、シリンダCは伸縮不能なロック状態とされる。他方、いわゆる失陥時にあって、ソレノイド切換弁7,8が遮断ポジションを採るとともにソレノイド切換弁16が連通ポジションを採る場合には、メイン流路14aが開放状態に維持され、シリンダCが外力によって強制的に伸縮させられると、作動油は流路14を介して、一方室R1から他方室R2へ、あるいは、他方室R2から一方室R1へと移動可能となり、また、上記移動に際して必ずメイン流路14aの減衰力発生要素15を通過するので、シリンダCは外力による強制伸縮に対して伸縮を抑制する減衰力を発揮し、シリンダCをダンパとして機能させることができるようになる。
【0037】
また、このダンパ回路13では、一方室R1と他方室R2とを連通するリリーフ流路18と、リリーフ流路18の途中に設けたリリーフ弁19とを備えている。
【0038】
リリーフ流路18は、具体的には、減衰力発生要素15およびソレノイド切換弁16を迂回してメイン流路14aの上流と下流を連通することによって、一方室R1と他方室R2とを連通している。
【0039】
そして、ソレノイド切換弁16の開閉に関わらず、シリンダCに伸縮方向の過大な入力があって、一方室R1あるいは他方室R2内の圧力が所定圧を超える異常高圧となると、リリーフ弁19が開放動作して、異常高圧となった一方室R1あるいは他方室R2の一方の圧力を低圧側の他方へ逃がして、アクチュエータAのシステム全体を保護するようになっている。また、作動油の体積が減少する場合には、ソレノイド切換弁7,8が連通ポジション、遮断ポジションを問わずに一方室R1および他方室R2とアキュムレータ11との連通を許容するのでアキュムレータ11から一方室R1および他方室R2に作動油が供給されることになる。このように、この実施の形態のアクチュエータAでは、上記回路構成を採用することで、温度変化による作動油の体積補償される。このように、ソレノイド切換弁7,8における遮断ポジションにおいて、ループ通路6を遮断していても温度低下に伴う体積補償を行うことを可能とするためアキュムレータ11から一方室R1および他方室R2へ向かう流れを許容するようにしているが、当該体積補償をアクチュエータ回路5において行わない場合には、遮断ポジションにおいてループ通路6における双方向の流れを遮断するようにしてもよい。
【0040】
つづいて、アクチュエータAにおけるモータMを制御する制御部20は、図3に示すように、車体Bの走行状態から車体傾斜角度の目標値を決定する図外の上位装置から入力されるアクチュエータAの目標変位Xとストロークセンサ30が出力する実際の変位Xとの偏差εを演算する偏差演算部21と、偏差演算部21が演算した偏差εに基づいてアクチュエータAを制御する制御指令Eを生成する制御指令生成部22と、電流リミット値を調節するリミット値調整部23と、制御指令生成部22から出力される制御指令Eを受け取ってアクチュエータAにおける油圧ポンプ1のモータMを駆動するモータ駆動部24と、を備えて構成されている。すなわち、制御部20は、アクチュエータAの変位XをフィードバックしてアクチュエータAの変位を制御するようになっている。
【0041】
また、変位フィードバック制御おいて実際の制御対象となるのは、モータMとなるので、制御指令生成部22は、具体的には、目標変位Xと実際の変位Xの偏差εをとった後、この偏差εに基づいて比例積分動作あるいは比例積分微分動作によって目標モータ回転数指令でなる制御指令を生成し、目標モータ回転数指令とモータMの実際の回転数との偏差である回転数偏差を演算し、この回転数偏差を速度ループに入力して目標速度指令でなる制御指令を生成し、目標速度指令を電流ループに入力して最終的にはモータMを駆動する目標電流指令でなる制御指令を生成し、この目標電流指令でなる制御指令Eをモータ駆動部24へ出力することになる。このような処理を制御指令生成部22に実行させることで、アクチュエータAの実際の変位Xを目標変位Xに精度よく追随させることができるが、目標変位Xと実際の変位Xの偏差εから比例積分動作あるいは比例積分微分動作によって直接的に目標電流指令でなる制御指令Eを生成することも可能である。
【0042】
そして、モータ駆動部24は、図示はしないが、モータMを駆動する駆動回路を備え、モータMを実際に駆動するため電流量を示す制御指令Eを受け取ると、制御指令通りの電流量をモータMへ駆動回路を介して供給する。
【0043】
なお、このアクチュエータAは、モータMを制御する指令系統とは別に各ソレノイド切換弁7,8,16を駆動する図示しない指令系統が出力する制御指令に基づいて各ソレノイド切換弁7,8,16を駆動する図示しないソレノイドドライバを備えており、たとえば、シリンダCを伸縮させて車体Bを傾斜させることが必要な場合に、たとえば、図外の上位装置から出力される目標変位Xと実際の変位XとからシリンダCの駆動が必要であることを判断して各ソレノイド切換弁7,8を連通ポジションに切換える。また、ソレノイド切換弁16は、アクチュエータAが正常動作している場合、原則的には、通電状態とされる。
【0044】
なお、この実施の形態においては、モータMを正転させる場合には、供給電流は正の値を持ち、モータMを逆転させる場合には、供給電流は負の値を持つものとされている。そして、電流リミット値は、モータMを正転させるときの正の制限値とモータMを逆転させるときの負の制限値の両方側で設定され、便宜上、モータMを正転させるときにおける制限値は正の値を持って電流値の上限を規制するので上限電流リミット値とし、モータMを逆転させるときにおける制限値は負の値を持って電流値の下限を規制するので下限電流リミット値と称呼する。
【0045】
つづいて、リミット値調整部23は、ストロークセンサ30が出力する変位信号から乗り心地を悪化させる所定周波数帯における成分を抽出するバンドパスフィルタ25と、バンドパスフィルタ25で抽出した所定周波数帯成分における変位信号の振幅に基づいて電流リミット値を演算するリミット値演算部26とを備えており、リミット値演算部26が演算した電流リミット値はモータ駆動部24へ入力され、当該モータ駆動部24がモータMへ与える電流量が上限および下限の電流リミット値の範囲内に制限されることになる。
【0046】
すなわち、この実施の形態の場合、アクチュエータAの変位を検知することで車体Bの台車Wに対する振動を検知しており、アクチュエータAの振動状況に応じて電流リミット値を調節するようになっている。
【0047】
このリミット値調整部23における処理について詳細に説明すると、まず、バンドパスフィルタ25は、所定周波数帯成分、具体的にはたとえば、1Hz程度から10Hz程度となる周波数帯における振動成分のみをストロークセンサ30が出力する変位信号から抽出する。
【0048】
つづいて、リミット値演算部26は、変位信号の所定周波数帯における振動成分の振幅を求め、当該振幅に対して漸減する重み付けを行って、上限および下限の電流リミット値±Iを演算するようになっている。具体的には、振幅Lの大きさに応じて最大値から最小値にまで漸減する係数αを図4に示すマップを利用するなどして求め、当該係数αにモータMで許容される正の最大電流値Imaxを積算して電流リミット絶対値を求めて、モータMに供給される電流量の上限である上限電流リミット値Iと、電流リミット絶対値の符号を反転してモータMに供給される電流量の下限である下限電流リミット値−Iとを演算する。
【0049】
なお、係数αは、モータMで許容される正の最大電流値Imaxに積算されるので、この場合、0≦α≦1の範囲の係数となり、振幅Lの増大によって、最小値である0に向けて漸減することになる。
【0050】
また、図4に示した例では、振幅LがL未満では、係数αは最大値である1を採るとともに、Lを超えると任意の最小値βとなり、振幅LがL以上L以下の範囲では、係数αが任意の最小値βまで比例的に減少するようになっているが、漸減することには、振幅Lの増加に対して係数αが、比例的、反比例的、指数関数的、段階的、あるいはこれらの任意の組み合わせによって減少することも含まれる。
【0051】
さらに、上記したところでは、上限電流リミット値Iと下限電流リミット値−Iを求めるのに、一端、係数αを求めて、当該係数αに最大電流値Imaxを掛け合わせるようにしているが、振幅Lに対して重み付けした正の上限電流リミット値Iをマップ化しておき、振幅Lから直接的に上限電流リミット値Iを求めるとともに、符号を反転して負の下限電流リミット値−Iを求めてもよい。また、係数αに任意の値γを掛け合わせる場合には、係数αは0≦α≦Imax/γの範囲で振幅Lの増加に対して漸減するように設定されればよい。
【0052】
すなわち、リミット値調整部23では、外乱によって車体Bに伝達されると乗り心地を悪化させる周波数帯の振動が台車Wに作用する場合、これをバンドパスフィルタ25で当該周波数帯の振動成分を抽出し、リミット値演算部26で上限および下限の電流リミット値±Iを求めて、アクチュエータドライバ24がモータMへ出力する電流量の上限および下限を制限する。
【0053】
このように本実施の形態のアクチュエータAでは、モータMへ出力する電流量の上限および下限をリミット値演算部26で求めた上限および下限の電流リミット値±Iに制限するが、モータMの電流量を制限するということは、モータMの出力トルクを制限するということである。
【0054】
そして、モータMの出力トルクを制限して小さくすると、シリンダCに外力が入力された場合に、当該外力によって伸縮せしめられ易くなるので、これにより、アクチュエータAの見掛け上の剛性を低くすることが可能となるのである。
【0055】
すなわち、この実施の形態におけるアクチュエータAでは、モータMの電流量を制限することで、アクチュエータAの見掛け上の剛性を制御することができるのである。
【0056】
ここで、鉄道車両が走行中に、車体Bに伝達されると乗り心地を悪化させる周波数帯の振動が外乱によって台車Wに作用する場合、アクチュエータAの見掛け上の剛性が高いと、台車Wに作用した振動を車体Bへ伝達してしまうことになるため、本実施の形態では、そのような場合には、外乱によってアクチュエータAの伸縮を可能とするため、上限および下限の電流リミット値±Iを0に近づける、つまり、電流リミット値の絶対値を小さくして、モータMへ供給される電流量を制限しモータMの発生トルクを小さくする。
【0057】
すると、アクチュエータAの見掛け上の剛性が低くなって、台車Wに入力された振動に対してアクチュエータAが伸縮しやすくなり、車体B側への振動伝播を絶縁することができるようになる。
【0058】
したがって、本実施の形態のアクチュエータAでは、所定周波数帯における振動の振幅に基づいて、モータへ供給する電流リミット値±Iを調節するので、外乱によって乗り心地を悪化させる周波数帯の振動が台車Wに作用しても、台車W側へ入力された振動が車体B側へ伝播することを抑制することができ、液圧式のアクチュエータAを車体傾斜に用いても車両における乗り心地を向上することができるのである。
【0059】
また、換言すれば、車両における乗り心地を向上することができるので、アクチュエータAの作動流体を液体たる作動油とすることができ、推進力不足を解消し、車体傾斜の応答性を向上させることができるのである。
【0060】
また、振幅Lが大きくなると漸減するよう重み付けを行って正負の電流リミット値±Iを求めるようになっているので、上記周波数帯の振動の振幅Lが大きく乗り心地の悪化が懸念される場合には、よりアクチュエータAの見掛け上の剛性を低くして振動絶縁性を高め、反対に、上記周波数帯の振動の振幅Lが小さい場合には、制御部20による車体傾斜のためのアクチュエータAの制御を優先させて上位装置で演算される目標変位Xに対してアクチュエータAの実際の変位Xの追随性を満足させる程度のアクチュエータAの見掛け上の剛性を確保することができる。
【0061】
さらに、上述のリミット値演算部26では、上記処理によって正負の電流リミット値±Iを求めるのとは別に、制御部20における偏差演算部21で演算される目標変位Xと実際の変位Xの偏差εを取り込み、偏差εが所定の閾値以下である場合には、上記の如く求めた正負の電流リミット値±Iを有効とし、モータ駆動部24がモータMに供給する電流量が上記正負の電流リミット値±Iで制限されることになる。
【0062】
他方、偏差εが所定の閾値を超える場合には、正負の電流リミット値±Iを上記処理によって得られた値ではなく、上限電流リミット値を正の値を持つ最大電流値Imaxとするとともに、下限電流リミット値を負の値をもつ最小電流値Iminとして、アクチュエータドライバ24がモータMに供給する電流量の上限および下限が最大電流値Imaxおよび最小電流値Iminで制限されることになる。
【0063】
すなわち、この場合、モータMへは許容される最大および最小の電流量まで、電流供給することが可能となり、アクチュエータAの見掛け上の剛性は高く維持されることになる。
【0064】
なお、所定の閾値は、制御部20による車体傾斜のためのアクチュエータAの制御を優先させるか否かの判断を行うための基準であり、この閾値は、モータMに供給される電流量を電流リミット値±Iを調節することによって台車Wから車体Bへの振動伝達を抑制する制御を実施することで、目標変位Xに対するアクチュエータAの実際の変位Xの追随性が犠牲になって却って乗り心地を悪化させる場合には、制御部20による車体傾斜のためのアクチュエータAの制御を優先させることができるような値に設定される。
【0065】
このように、リミット値演算部26は、この実施の形態の場合、上限および下限の電流リミット値±Iを求めることに加えて、目標変位Xと実際の変位Xの偏差εを取り込み、偏差εが上記閾値を超える場合には、制御部20による車体傾斜のためのアクチュエータAの制御を優先させて上位装置で演算される目標変位Xに対してアクチュエータAの実際の変位Xの追随性を確保し、偏差εが上記閾値以下の場合には、台車Wから車体Bへの振動伝達の抑制する制御を優先するようになっているので、車体傾斜制御と車体Bへの振動絶縁とを高次元で両立してより一層乗り心地を向上することができるのである。
【0066】
なお、本実施の形態の制御部20は、ハードウェア資源としては、図示はしないが、ストロークセンサ30が出力するアナログの電圧でなる変位信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、変位信号と上位装置からの目標変位とを取り込み、上記各部の処理を実行するCPU(Central Prossesing Unit)と、上記CPUに記憶領域を提供するRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)と、上記各部の処理を行うためCPUが実行するアプリケーションやオペレーティングシステム等のプログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、モータ駆動部24とを備えて構成されており、制御部20の各部における構成は、CPUが各部の処理を行うためアプリケーションプログラムを実行することで実現されている。
【0067】
なお、バンドパスフィルタ25は、この場合、CPUによる処理で実現されるとしているが、ストロークセンサ30が出力するアナログ信号を処理するフィルタとしてもよい。
【0068】
つづいて、上述の制御部20における上限および下限の電流リミット値±Iを求める処理を図5に示した処理手順の一例に即して説明すると、ステップS1では、制御部20は、ストロークセンサ30が出力する変位信号から所定周波数帯の振動成分の変位信号を抽出する。
【0069】
そして、ステップS2に移行して、制御部20は、所定周波数帯の振動成分の変位信号における振幅Lを得る。なお、振幅Lは、所定周波数帯の振動成分の変位信号における任意周期内における最小値と最大値との差をとることで求めれば良いし、所定周波数帯の振動成分のパワースペクトルを演算することによって求めても良い。
【0070】
つづき、ステップS3では、ステップS2で求めた振幅Lから係数αを求め、この係数αから上限電流リミット値Iを求めるとともに、符号を反転して下限電流リミット値−Iを演算する。
【0071】
そして、ステップS4では、制御部20における偏差演算部21で演算する偏差εを読み込んで、偏差εが閾値以下である場合にはステップS5に移行してステップS3の演算結果をそのまま各電流リミット値±Iとし、偏差εが閾値を超える場合にはステップS6に移行して上限電流リミット値Iの値を最大電流値Imaxとするとともに、下限電流リミット値−Iの値を最小電流値Iminとする。
【0072】
最後に、ステップS7へ移行して、上限および下限の電流リミット値±Iをアクチュエータドライバ24へ出力する。
【0073】
以上、一連の判断処理が終了すると、引き続き、繰り返して同じ処理が実行されることになり、このようにして、制御部20による上限および下限の電流リミット値±Iの調節が継続して実施される。
【0074】
なお、上記したところでは、車体Bの台車Wに対する振動を得るのに、シリンダCに設けたストロークセンサ30で変位を検知するようにしていたが、シリンダCの一方室R1および他方室R2の圧力の変動にも車体Bの台車Wに対する振動成分が重畳されるので、図1に示すように、一方室R1内の圧力をセンシングする圧力センサ31と、他方室R2内の圧力をセンシングする圧力センサ32とを設け、圧力センサ31,32で一方室R1および他方室R2の圧力を検出して車体Bの台車Wに対する振動を得てもよい。また、変位フィードバック制御を行っているため、制御部20における制御指令生成部22中において生成される各制御指令、すなわち、目標モータ回転数指令、目標速度指令、目標電流指令にも車体Bの台車Wに対する振動が重畳されるので、これらの制御指令のうち、いずれかをモニタすることで車体Bの台車Wに対する振動を得てもよい。さらに、上述したように、変位フィードバック制御を行っているため、制御部20における制御指令生成部22に入力されるアクチュエータAの目標変位Xと実際の変位Xとの偏差εにも車体Bの台車Wに対する振動が重畳されているため、この偏差εから車体Bの台車Wに対する振動を得てもよい。またさらには、車体Bに加速度センサを取付けておき、直接的に車体Bの振動を検知するようにしてもよく、制御部20への適用は上記と同様とすればよい。このように車体Bの台車Wに対する振動を得るには上記の如く複数の手段があり、上述の一実施の形態の制御部20へ実際に適用する際には、これら他の手段で得た振動データを実際の変位Xの代わりにバンドパスフィルタ25へ入力すればよく、たとえば、アクチュエータAの目標変位Xと実際の変位Xとの偏差εから振動を得る場合、具体的には、図6に示すように、偏差εそのものを直接にバンドパスフィルタ25へ入力すればよい。そして、必要であれば、リミット値演算部26における上限および下限の電流リミット値±Iの演算に際しては、振動を得た手段に適するように重み付けの係数を適宜変更すればよい。
【0075】
なお、上記したところでは、車体傾斜の手法として、いわゆる振子式といわれる手法を採用する鉄道車両に、本実施の形態のアクチュエータAを適用しているが、車体Aと台車Wの間の左右のそれぞれに、二つのアクチュエータを縦置きに設置して、各アクチュエータを駆動して車体Bを傾斜させるような場合にも、本発明のアクチュエータAを適用することが可能であるのは当然である。
【0076】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】一実施の形態におけるアクチュエータの液圧回路を示す図である。
【図2】一実施の形態におけるアクチュエータを鉄道車両の車体と台車との間に介装した状態を示す図である。
【図3】一実施の形態のアクチュエータにおける制御ブロック図である。
【図4】変位信号における所定周波数帯の振動成分の振幅と、当該振幅に対して重み付けを行う係数との関係を示す図である。
【図5】一実施の形態におけるアクチュエータのモータを制御する制御部における電流リミット値を制御するフローチャートの一例を示す図である。
【図6】一実施の形態の一変形例におけるアクチュエータの制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0078】
1 液圧源たる油圧ポンプ
2 容器
3 ピストン
4 ロッド
5 アクチュエータ回路
6 ループ通路
7,8,16 ソレノイド切換弁
7a,8a,16a バルブ
7b,8b,16b バネ
7c,8c,16c ソレノイド
9,10 分岐通路
11 アキュムレータ
12 低圧選択弁
13 ダンパ回路
14 流路
14a メイン流路
14b 一方側上流路
14c 他方側上流路
14d 一方側下流路
14e 他方側下流路
14f 接続通路
15 減衰力発生要素
15a 減衰バルブ
15b 固定絞り
17a,17b,17c,17d 逆止弁
18 リリーフ流路
19 リリーフ弁
20 制御部
21 偏差演算部
22 制御指令生成部
23 リミット値調整部
24 モータ駆動部
25 バンドパスフィルタ
26 リミット値演算部
30 ストロークセンサ
31,32 圧力センサ
A アクチュエータ
B 車体
C シリンダ
R1 圧力室たる一方室
R2 圧力室たる他方室
W 台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道車両の車体と台車との間に介装されるシリンダとシリンダに液圧を供給するモータで駆動される液圧ポンプとを備え、車体を台車に対して傾斜させるアクチュエータにおいて、車体の振動あるいは車体の台車に対する振動のうち、所定周波数帯における振動の振幅に基づいて、モータへ供給する電流量を制限する電流リミット値を調節することを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
車体の振動あるいは車体の台車に対する振動のうち、所定周波数帯における振動の振幅を得、振幅に対して漸減する重み付けを行って電流リミット値を求め、リミット値を調節する請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
アクチュエータの目標変位と、アクチュエータの実際の変位との偏差が閾値を越える場合、上限側の電流リミット値を最大値とするとともに下限側の電流リミット値を最小値とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
車体に作用する加速度を検知することで車体の振動を得ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項5】
アクチュエータ内の圧力を検知することで車体の振動を得ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項6】
アクチュエータの変位を検知することで車体の振動を得ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項7】
アクチュエータを制御する制御装置で生成される制御指令から車体の振動を得ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項8】
アクチュエータの目標変位とアクチュエータの実際の変位との偏差から車体の振動を得ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−137421(P2009−137421A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−315566(P2007−315566)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)