アシストグリップ及びその取付方法
【課題】運搬中などに、基台に対するキャップの仮止め位置を保持することができる。
【解決手段】凹部10aをもつグリップ本体10と、クリップ保持穴11bをもつ枠部11fと、一対の対向部をもつキャップ保持壁11cとを有する基台11と、基端部3dがクリップ保持穴の周縁に保持されるとともに側壁3eに取付穴の周縁に係止される弾性係止部3aを配設したクリップ3と、基台を覆う覆い部4a及びクリップの基端部側から内部空間3bに嵌挿される脚部4bをもつキャップ4と、をもつ。キャップには、被係止部4gが配設されている。基台の外側面11pには、仮止め係止部11q及び、仮止め係止部よりも嵌挿方向側に配置された本固定係止部11rを配設している。仮止め係止部11qにキャップの被係止部が係止されているときには、覆い部の外側面における被係止部に背向する被係止部背面部4eを含めて、覆い部の上面部及び覆い部の側部は、凹部の内面10dにより被覆されている。
【解決手段】凹部10aをもつグリップ本体10と、クリップ保持穴11bをもつ枠部11fと、一対の対向部をもつキャップ保持壁11cとを有する基台11と、基端部3dがクリップ保持穴の周縁に保持されるとともに側壁3eに取付穴の周縁に係止される弾性係止部3aを配設したクリップ3と、基台を覆う覆い部4a及びクリップの基端部側から内部空間3bに嵌挿される脚部4bをもつキャップ4と、をもつ。キャップには、被係止部4gが配設されている。基台の外側面11pには、仮止め係止部11q及び、仮止め係止部よりも嵌挿方向側に配置された本固定係止部11rを配設している。仮止め係止部11qにキャップの被係止部が係止されているときには、覆い部の外側面における被係止部に背向する被係止部背面部4eを含めて、覆い部の上面部及び覆い部の側部は、凹部の内面10dにより被覆されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内装部に取り付けられるアシストグリップ及びその取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2001-277926号公報)の図5には、アシストグリップの取付構造が開示されている。即ち、アシストグリップの把持用のグリップ本体(アシストグリップ1)の長手方向両端に凹部(2)を設け、凹部(2)内にキャップ(ピン部材21)の頭部(22)を当接させる。キャップ(21)は、弾性係止脚部(14)を有する基台(ベース部材11)の嵌入孔部(13)に嵌入されている。また、キャップ(21)の脚部(軸部23)側面に嵌挿方向に第1タボ(28a)および第2タボ(28b)を配設させ、基台(11)の嵌入孔部(13)の側壁に第1ロック孔(16a)および第2ロック孔(16b)を嵌挿方向に配設させる。そして、キャップ(21)を嵌入孔部(13)に挿入するときに、まず第2タボ(28b)を第1ロック孔(16a)に係止させて、基台(11)にキャップ(21)を仮止めし、この状態で搬送、取り扱いなどを行う。このとき、他のものとぶつかって、キャップ(21)が基台(11)から抜け落ちることが防止される。次に、さらに、キャップ(21)を押すと、第2タボ(28b)の第1ロック孔(16a)の係止が解除され、更に嵌入孔部(13)に挿入され、車体パネルの取付孔(H)に嵌挿される。また、第2タボ(28b)が第2ロック孔(16b)に係止されるとともに、第1タボ(28a)が第1ロック孔(16a)に係止されて、キャップ(21)と基台(11)とが抜け外れることなく取付孔に本止めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-277926号公報(段落番号「0015」〜「0017」、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1においては、搬送中、取り扱い時などにグリップ本体(1)に大きな外力が加わり、キャップ(21)の頭部(22)が凹部(2)内面によってキャップ(21)の嵌挿方向の大荷重を受けるときがある。この場合、基台(11)の側壁が、キャップ(21)の第1タボ(28a)及び第2タボ(28b)によって外側に押されて、嵌入孔部(13)が拡径され、キャップ(21)が仮止め位置よりも嵌挿方向に深く進入してしまうおそれがある。その際、本止め位置まで進入すると、弾性係止脚部(14)の内方への撓みが阻止されて、弾性係止脚部(14)が取付孔(H)を通過することができず、アシストグリップを取付孔に本止めすることができなくなるおそれがある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、大荷重を受けた場合にも、基台に対するキャップの仮止め位置を保持することができる、アシストグリップ及びその取付方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明のアシストグリップは、長手形状でその両端に凹部をもつグリップ本体と、前記凹部に収容可能に前記凹部の軸支部において回動可能に枢支されるとともにクリップ保持穴をもつ基台と、前記クリップ保持穴に先端部を突出させて挿入され基端部が前記クリップ保持穴の周縁に保持されるとともに、側壁の内側に内部空間をもち前記基端部において前記内部空間に連通する開口をもち、前記側壁に前記取付穴の周縁に係止される弾性係止部を配設したクリップと、前記基台を覆う覆い部及び前記クリップの前記基端部側から前記内部空間に嵌挿される脚部をもつキャップと、をもつアシストグリップにおいて、前記キャップの前記覆い部における前記基台の外側面と対向する部分には、被係止部が配設されており、前記基台の外側面には、前記キャップを仮止め位置で保持する仮止め係止部及び、該仮止め係止部よりも前記キャップの嵌挿方向側に配置され前記キャップを前記仮止め位置よりも前記嵌挿方向に嵌挿した位置で保持する本固定係止部を配設しているとともに、前記仮止め係止部に前記キャップの被係止部が係止されているときには、前記覆い部の外側面における前記被係止部に背向する被係止部背面部は、前記凹部の内面により被覆されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記仮止め係止部及び前記本固定係止部は、前記外側面に窪む仮止め係止凹部及び本固定係止凹部であり、前記被係止部は、前記覆い部の内側面から突出する被係止凸部であって、前記仮止め係止凹部における前記嵌挿方向側の外縁部から前記被係止凸部の先端部の配置位置までの幅は、前記被係止部背面部と前記凹部の内面との間の間隔よりも大きいことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記仮止め係止部及び前記本固定係止部は、前記基台の前記外側面から突出する仮止め係止凸部及び本固定係止凸部であり、前記被係止部は、前記覆い部の内側面に窪む被係止凹部であって、前記仮止め係止凸部の先端部から前記被係止凹部の前記嵌挿方向側の外縁部の配置位置までの幅は、前記被係止部背面部と前記凹部の内面との間の間隔よりも大きいことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、長手形状でその両端に凹部をもつグリップ本体と、前記凹部に収容可能に前記凹部の軸支部において回動可能に枢支されるとともにクリップ保持穴をもつ基台と、側壁の内側に内部空間をもち前記基端部において前記内部空間に連通する開口をもち、前記側壁に前記取付穴の周縁に係止される弾性係止部を配設したクリップと、前記基台を覆う覆い部及び前記クリップの前記基端部側から前記内部空間に嵌挿される脚部をもつキャップと、をもつアシストグリップを車体側パネルに取り付ける方法であって、前記基台の前記クリップ保持穴に前記クリップの前記先端部を突出させて挿入して前記基端部を前記クリップ保持穴の周縁に保持する工程と、前記クリップの前記開口から前記内部空間に前記キャップの前記脚部を嵌挿方向に進入させて、前記キャップの前記覆い部における前記基台の外側面と対向する部分に配設された被係止部を、前記基台の前記外側面に配設された仮止め係止部を係止させる工程と、前記仮止め係止部に前記被係止部が係止された前記覆い部の外側面における前記被係止部に背向する被係止部背面部を、前記凹部の内面により被覆する工程と、前記クリップを、前記車両側パネルに開口する取付穴に嵌挿するとともに、前記弾性係止部を前記取付穴の周縁に係止させる工程と、前記グリップ本体を前記基台に対して回動させて、前記被係止部背面部を前記凹部から露出させる工程と、前記キャップを前記嵌挿方向に更に進入させて、前記被係止部を、前記本固定係止部に係止する工程と、をもつことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
前記請求項1に係る発明によれば、基台の仮止め係止部にキャップの被係止部が係止されているときには、基台の被係止部が位置する部分の背面側は、凹部の内面により被覆されている。このため、キャップに嵌挿方向に大荷重が加わったときにも、キャップの被係止部が変形することを抑制でき、被係止部が仮止め係止部から外れることを防止できる。したがって、凹部の内面により、キャップの覆い部の外側面における被係止部背面部を覆うことにより、大荷重を受けた場合にも、基台に対するキャップの仮止め位置を保持することができる。
【0011】
そして、クリップを取付穴に嵌挿した後には、グリップ本体を基台に対して回動させることにより、凹部からキャップの被係止部背面部を露出させる。この状態では、キャップの被係止部背面部は、外側への変形が容易である。このため、キャップを更にクリップ内の内部空間に押し込むことにより、被係止部背面部が外側へ変形し、仮止め係止部との係止が外れる。ゆえに、キャップは、更に内部空間の嵌挿方向に進入する。そして、キャップの被係止部は、本固定係止部に係止され、キャップが基台から外れることを抑制できる。
【0012】
前記請求項2に係る発明によれば、仮止め係止凹部における嵌挿方向側の外縁部から被係止凸部の先端部の配置位置までの幅L1は、被係止部背面部と凹部の内面との間の間隔L2よりも大きい。この場合、キャップの被係止部背面部は、凹部の内面で覆われているため、たとえ外側に変形したとしても、その変形量は凹部の内面との間の間隔L2にとどまる。そして、この間隔L2よりも、仮止め係止凹部におけるキャップの嵌挿方向側の外縁部から被係止凸部の先端部の配置位置までの幅L1が大きい(図10参照)。したがって、たとえキャップの被係止部背面部が外側に変形したとしても、被係止凸部は仮止め係止凹部から外れることはない。ゆえに、仮止め時に凹部の内面によってキャップの被係止部背面部を覆うことにより、被係止凸部が嵌挿方向に進入することを確実に阻止することができる。
【0013】
前記請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の、凹状の仮止め係止部の前記幅L1と、被係止部背面部と凹部の内面との間の前記間隔L2との関係を、仮止め係止部及び本固定係止部を凸状とし、被係止部を凹状とした場合に適用したものである。請求項3に係る発明においても、キャップの被係止部背面部は、凹部の内面で覆われているため、その変形量は凹部の内面との間の間隔L2にとどまる。この間隔L2よりも、仮止め係止凸部の先端部から被係止凹部の嵌挿方向側の外縁部の配置位置までの幅L1’が大きい(図14参照)。したがって、たとえキャップの被係止部背面部が外側に変形したとしても、被係止凹部から仮止め係止凸部が外れることはない。ゆえに、仮止め時に凹部の内面によってキャップの被係止部背面部を覆うことにより、被係止凹部が嵌挿方向に進入することを確実に阻止することができる。
【0014】
前記請求項4に係る発明によれば、請求項1に係る発明と同様に、凹部の内面により、キャップの覆い部の外側面における被係止部背面部を覆うことにより、大荷重を受けた場合にも、基台に対するキャップの仮止め位置を保持することができる。また、キャップの被係止部背面部を凹部から露出させることにより、被係止部背面部の外側への変形を許し、被係止部が仮止め係止部の係止から外れる。このため、キャップを更に嵌挿方向に進入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るアシストグリップの正面図である。
【図2】実施形態に係るアシストグリップの分解斜視図である。
【図3】実施形態に係るアシストグリップの断面図である。
【図4】実施形態に係る基台の斜視図である。
【図5】実施形態に係るクリップの斜視図である。
【図6】実施形態に係るアシストグリップの取付方法を説明するために、基台にクリップを保持したときのクリップ奥行き方向の断面図である。
【図7】図6に続く、基台及びクリップにキャップを仮挿入したときのクリップ奥行き方向の断面図である。
【図8】図7に続く、キャップをグリップ本体の凹部で覆ったときのクリップ奥行き方向の断面図である。
【図9】図7に続く、キャップをグリップ本体の凹部で覆ったときのクリップ横幅方向の断面図である。
【図10】寸法関係を説明するための図9の要部拡大断面図である。
【図11】図8に続く、クリップを取付穴に嵌挿したときにクリップ奥行き方向断面図である。
【図12】図11に続く、キャップの脚部をクリップの内部空間に更に押し込んで、アシストグリップを車両側パネルに本固定したときの取付構造のクリップ奥行き方向断面図である。
【図13】図11に続く、キャップの脚部をクリップの内部空間に更に押し込んで、アシストグリップを車両側パネルに本固定したときの取付構造のクリップ横幅方向断面図である。
【図14】仮止め係止部及び本固定係止部が凸状であり、被係止部が凹状である場合の、寸法関係を説明するための要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、アシストグリップを車両側パネルに取り付けた取付構造の正面図である。図2は、取付構造の分解斜視図である。図1、図2に示すように、アシストグリップ1は、グリップ本体10と、基台11と、クリップ3と、キャップ4とからなる。
【0017】
グリップ本体10は、長手形状でその両端に凹部10aをもつ。凹部10aは、基台11を収容可能に支持している。グリップ本体10の凹部10aの側壁には、軸孔10bが開口している。軸孔10b、及び基台11に設けられた軸受部11aの孔に、軸12を挿入することで、グリップ本体10を基台11に対して回動可能に支持している。また、軸受部11aと軸孔10bとの間に凹部10aが基台11に近接する方向にグリップ本体10を付勢するばね13が配設されている。ばね13の一端13aは、凹部10aの係止部10cに係止され、他端13bは軸受部11aの係止部11nに係止されている。
【0018】
図3、図4に示すように、基台11は、クリップ3を嵌挿する四角形状のクリップ保持穴11bをもつ枠部11fと、枠部11fから上方に突出するキャップ保持壁11cとをもつ。キャップ保持壁11cは、キャップ4の覆い部4aの内側面4hに沿った形状をもち、覆い部4aにより被覆されている。
【0019】
相対する一対のキャップ保持壁11cの外側面11pには、それぞれ、仮止め係止凹部11q及び本固定係止凹部11rが、キャップ4の嵌挿方向に配列されている。本固定係止凹部11rは、キャップ保持壁11cの外側面11pは、枠部11fの外形よりも内側に位置して、外側面11pと枠部11fとの間に段部11sを形成している。キャップ保持壁11cの後端部には、上記グリップ本体10を回動可能に支持する軸受部11aが一体に設けられている。なお、グリップ本体10及び基台11は、樹脂材料を金型内に射出して成形される。
【0020】
図1,図3,図5に示すように、クリップ3は、断面U字形状を呈している。クリップ3は、一対の側壁3eの内側に内部空間3bをもつ。クリップ3の先端部3gでは、一対の側壁3eがU字状に湾曲して連結されている。クリップ3の基端部3dでは、側壁3eは連結されておらず、内部空間3bに連通する開口3cを有している。クリップ3は、基台11のクリップ保持穴11bに先端部3gを突出させて挿入されて、基端部3dに形成された段部3fでクリップ保持穴11bの周縁に保持されている。クリップ3は、その長手方向に車両側パネル2の取付穴2aに嵌挿される。クリップ3の側壁3eは、取付穴2aに係止される弾性係止部3aをもつ。クリップ3は、金属板に打ち抜き曲げ加工を施して形成される。クリップ3は、樹脂により射出成形などにより形成されてもよい。
【0021】
図3に示すように、キャップ4は、クリップ3の基端部3d及び基台11のキャップ保持壁3cを覆う覆い部4aと、クリップ3の開口3cから内部空間3bに挿入され該嵌挿方向に延びる脚部4bをもつ。覆い部4aは、基台11の上部に形成されたキャップ保持壁11cの上面及び側面を覆うように、断面コ字状に湾曲している。覆い部4aの内側面4hには、内側に突出する被係止凸部4gが形成されている。キャップ4は、樹脂材料を金型内に射出して成形される。
【0022】
アシストグリップ1を車両側パネル2に取り付けるにあたっては、まず、図6に示すように、クリップ3の側壁3eを内部空間3bの奥行き中心方向Gに圧縮して、基端部3dの間の内部空間3bの奥行き幅を狭くする。この状態でクリップ3を基端部3d側から、アシストグリップ1の基台11のクリップ保持穴11bに挿入する。そして、クリップ3の基端部3dに形成された段部3fをクリップ保持穴11bの上側周縁11mに係止する。このようにして、クリップ3を基台11に保持する。
【0023】
次に、図7に示すように、クリップ3の基端部3dの開口3cから内部空間3bに、キャップ4の脚部4bを仮挿入する。このとき、図3に示すように、キャップ4の覆い部4aの内側面4hから突出する被係止凸部4gが、基台11のキャップ保持壁11cの仮止め係止凹部11qに係止され、この位置で挿入が一旦停止される。脚部4bは、クリップ3の内部空間3bにおける弾性係止部3aの位置する部分より上側に位置する。それゆえ、弾性係止部3aは、内部空間3bの奥行き方向に容易に変形し得る。
【0024】
次に、図8、図9、図2に示すように、基台11をグリップ本体部10の凹部10aに配設させる。凹部10aの軸孔10b及び基台11の軸受部11aに軸12を挿入するとともに、軸12は円筒状のカラー14の孔の中に挿入する。また、軸受部11aと軸孔10bとの間にばね13を配設する。ばね13の一端13aは、凹部10aの係止部10cに係止させ、他端13bは軸受部11aの係止部11nに係止させる。これにより、グリップ本体10が基台11に取り付けられるとともに、ばね13によって基台11にグリップ本体10が付勢される。そして、凹部10aの内面10dに、キャップ4の覆い部4aの端部4kが当接する。また、覆い部4aの外周面における被係止凸部4gに背向する被係止部背面部4eは、凹部10aの内面10dにより被覆される。グリップ本体10の凹部10aは、ばね13の付勢力によって基台11を覆うように保持している。これにより、基台10に対して、クリップ3、キャップ4及びグリップ本体部10が、一体的に保持される。
【0025】
図10に示すように、仮止め係止凹部11qにおけるキャップ4の嵌挿方向側の外縁部11tから被係止凸部4gの先端部4kの配置位置までの幅L1は、被係止部背面部4eと凹部10aの内面10dとの間の間隔L2よりも大きい。この場合には、被係止部背面部4eが外側に変形しても、凹部10aの内面10dにより変形量が最大間隔L2までに抑えられる。この被係止部背面部4eの変形量よりも、仮止め係止凹部11qにおけるキャップ4の嵌挿方向側の外縁部11tから被係止凸部4gの先端部4kまでの幅L1の方が大きい。このため、被係止凸部4gが仮止め係止凹部11qから外れることなく、その仮止め位置を維持することができる。
【0026】
また、仮止め係止凹部11qにおけるキャップ4の嵌挿方向と反対側の外縁部11uは、仮止め係止凹部11qの底面11zからの長さが、キャップ4の嵌挿方向側の外縁部11tと同程度であってもよい。即ち、嵌挿方向と反対側の外縁部11uについての基台11の径方向の位置が、嵌挿方向側の外縁部11tと同程度であってもよい。また、嵌挿方向と反対側の外縁部11uは、嵌挿方向側の外縁部11tよりも、径方向長さが短くてもよい。この場合には、同程度の場合よりも、仮止め係止凹部11qへの被係止凸部4gの係止を小荷重で行うことができる。
【0027】
次に、図11に示すように、グリップ本体10を車両側パネル2の取付穴2a側(図11のF1方向)に向けて押圧する。これにより、グリップ本体10の凹部10aの内面10dでキャップ4が押される。更に、キャップ4が、被係止凸部4gで基台11を押す(図9参照)。基台11に保持されているクリップ3が、車体側パネル2の取付穴2aに嵌挿され、弾性係止部3aが取付穴2aの周縁2dに係止される。このようにして、アシストグリップ1が車両側パネル2に仮固定される。
【0028】
次に、図12に示すように、ばね13の付勢力に抗してグリップ本体10を回動させ、凹部10aから基台11及びキャップ4を露出させる。キャップ4の覆い部4aを車両側パネル2側、即ち図12に示すF2方向で、図11の仮固定時の力F1よりも大きな荷重で押圧する。これにより、図13に示すように、キャップ4の被係止凸部4gと基台11の仮止め係止凹部11qとの係止が外れて、キャップ4は、更に嵌挿方向に進入する。そして、キャップ4の被係止凸部4gは、仮止め係止凹部11qよりも嵌挿方向に位置する本固定係止凹部11rに係止される。
【0029】
図10の二点鎖線に示すように、本固定係止凹部11rにおける嵌挿方向側の外縁部11sから被係止凸部4gの先端部4kの配置位置までの幅L3は、前記の仮止め係止凹部11qにおける嵌挿方向側の外縁部11tから被係止凸部4gの先端部4kの配置位置までの幅L1よりも大きいことが好ましい。この場合には、キャップ4の本嵌挿時などにキャップ4に嵌挿方向の大荷重を加えて被係止部背面部4eが外側に変形した場合でも、被係止凸部4gが本固定係止凹部11rから外れて、変形した状態で本固定係止凹部11rよりも嵌挿方向側の外側面11p又は枠部11fに保持されることを抑制できる。
【0030】
そして、被係止凸部4gが本固定係止凹部11rに係止されたときには、覆い部4aの内側面4hにより、キャップ保持壁11c及びクリップ3の基端部3dが覆われる。また、キャップ4の脚部4bがクリップ3の内部空間3bに本嵌挿される。これにより、クリップ3の弾性係止部3aの位置する内部空間3bに、脚部4bが嵌挿されて、弾性係止部3aの内側への変形を防止し、取付穴2aから取り外れることが抑制される。以上のようにして、アシストグリップ1が車体側パネル2に取り付けられる。
【0031】
本実施形態によれば、図9に示すように、仮止め係止凹部11qにキャップ4の被係止凸部4gが係止されているときには、キャップ4の被係止凸部4gが形成されている部分の背面側の被係止部背面部4eは、凹部10aにより被覆されている。このため、キャップ4に嵌挿方向に大荷重が加わったときにも、キャップ4の被係止凸部4gが変形することを抑制でき、被係止凸部4gが仮止め係止凹部11qから外れることを防止できる。したがって、凹部10aの内面10dにより、キャップ4の被係止凸部背面部4eを覆うことで、大荷重を受けた場合にも、基台11に対するキャップ4の仮止め位置を保持することができる。
【0032】
そして、クリップ3を取付穴2aに嵌挿した後には、グリップ本体10を基台11に対して回動させることにより、凹部10aから被係止部背面部4eを露出させる。この状態では、キャップ4の被係止部背面部4eは、外側への変形が容易である。このため、キャップ4を更にクリップ3の内部空間3bに押し込むことにより、被係止部背面部4eが外側へ変形し、仮止め係止凹部11qとの係止が外れる。ゆえに、キャップ4は、脚部4bを更に嵌挿方向に進入する。そして、キャップ4の被係止部4dは、本固定係止凹部11rに係止され、キャップ4が基台11から外れることを抑制できる。
【0033】
本実施形態においては、基台11の外側面11pに凹状の仮止め係止凹部11q及び本固定係止凹部11rを形成し、キャップ4の覆い部4aの内面4hに凸状の被係止凸部4gを形成している。しかし、凹凸の関係は、逆でもよい。即ち、図14に示すように、基台11の外側面11pに凸状の仮止め係止凸部11q’及び本固定係止凸部11r’を形成し、キャップ4の覆い部4aの内面4hに凹状の被係止凹部4g’を形成してもよい。この場合、仮止め係止凸部11q’の先端部11t’から被係止凹部4g’の嵌挿方向側の外縁部4k’の配置位置までの幅L1’は、キャップ4の被係止部背面部4eと凹部10aの内面10dとの間の間隔L2よりも大きい。キャップの被係止部背面部4eは、凹部10aの内面10dで覆われているため、その変形量は凹部10aの内面10dとの間の間隔L2にとどまる。この間隔L2よりも、仮止め係止凸部11q’の先端部11t’から被係止凹部4g’の嵌挿方向側の外縁部4k’の配置位置までの幅L1’が大きい。したがって、キャップ4の被係止部背面部4eが外側に変形したとしても、被係止凹部4g’は仮止め係止凸部11q’から外れることはない。ゆえに、仮止め時に凹部10の内面10dによってキャップ4の被係止部背面部4eを覆うことにより、被係止凹部4g’が嵌挿方向に進入することを確実に阻止することができる。
【0034】
図14の二点鎖線に示すように、本固定係止凸部11r’の嵌挿方向側の枠部11fの外縁部11sから被係止凹部4g’の先端部4k’の配置位置までの幅L3’は、前記の仮止め係止凸部11q’の先端部11t’から被係止凹部4g’における嵌挿方向側の外縁部4k’の配置位置までの幅L1’よりも大きいことが好ましい。この場合には、キャップ4の本嵌挿時などにキャップ4に嵌挿方向の大荷重を加えて被係止部背面部4eが外側に変形した場合でも、被係止凹部4g’が本固定係止凸部11r’から外れて、変形した状態で本固定係止凸部11r’よりも嵌挿方向側の外側面11p又は枠部11fに保持されることを抑制できる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1:アシストグリップ、10:グリップ本体、10a:凹部、10b:軸孔、10d:内面、11:基台、11a:軸受部、11b:クリップ保持穴、11c:キャップ保持壁、11f:枠部、11p:外側面、11q:仮止め係止凹部、11r:本固定係止凹部、12:軸、2:車両側パネル、2a:取付穴、3:クリップ、3a:弾性係止部、3b:内部空間、3c:開口、3d:基端部、3e:側壁、3f:段部、3g:先端部、4:キャップ、4a:覆い部、4b:脚部、4e:被係止部背面部、4h:内側面、4g:被係止凸部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内装部に取り付けられるアシストグリップ及びその取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2001-277926号公報)の図5には、アシストグリップの取付構造が開示されている。即ち、アシストグリップの把持用のグリップ本体(アシストグリップ1)の長手方向両端に凹部(2)を設け、凹部(2)内にキャップ(ピン部材21)の頭部(22)を当接させる。キャップ(21)は、弾性係止脚部(14)を有する基台(ベース部材11)の嵌入孔部(13)に嵌入されている。また、キャップ(21)の脚部(軸部23)側面に嵌挿方向に第1タボ(28a)および第2タボ(28b)を配設させ、基台(11)の嵌入孔部(13)の側壁に第1ロック孔(16a)および第2ロック孔(16b)を嵌挿方向に配設させる。そして、キャップ(21)を嵌入孔部(13)に挿入するときに、まず第2タボ(28b)を第1ロック孔(16a)に係止させて、基台(11)にキャップ(21)を仮止めし、この状態で搬送、取り扱いなどを行う。このとき、他のものとぶつかって、キャップ(21)が基台(11)から抜け落ちることが防止される。次に、さらに、キャップ(21)を押すと、第2タボ(28b)の第1ロック孔(16a)の係止が解除され、更に嵌入孔部(13)に挿入され、車体パネルの取付孔(H)に嵌挿される。また、第2タボ(28b)が第2ロック孔(16b)に係止されるとともに、第1タボ(28a)が第1ロック孔(16a)に係止されて、キャップ(21)と基台(11)とが抜け外れることなく取付孔に本止めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-277926号公報(段落番号「0015」〜「0017」、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1においては、搬送中、取り扱い時などにグリップ本体(1)に大きな外力が加わり、キャップ(21)の頭部(22)が凹部(2)内面によってキャップ(21)の嵌挿方向の大荷重を受けるときがある。この場合、基台(11)の側壁が、キャップ(21)の第1タボ(28a)及び第2タボ(28b)によって外側に押されて、嵌入孔部(13)が拡径され、キャップ(21)が仮止め位置よりも嵌挿方向に深く進入してしまうおそれがある。その際、本止め位置まで進入すると、弾性係止脚部(14)の内方への撓みが阻止されて、弾性係止脚部(14)が取付孔(H)を通過することができず、アシストグリップを取付孔に本止めすることができなくなるおそれがある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、大荷重を受けた場合にも、基台に対するキャップの仮止め位置を保持することができる、アシストグリップ及びその取付方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明のアシストグリップは、長手形状でその両端に凹部をもつグリップ本体と、前記凹部に収容可能に前記凹部の軸支部において回動可能に枢支されるとともにクリップ保持穴をもつ基台と、前記クリップ保持穴に先端部を突出させて挿入され基端部が前記クリップ保持穴の周縁に保持されるとともに、側壁の内側に内部空間をもち前記基端部において前記内部空間に連通する開口をもち、前記側壁に前記取付穴の周縁に係止される弾性係止部を配設したクリップと、前記基台を覆う覆い部及び前記クリップの前記基端部側から前記内部空間に嵌挿される脚部をもつキャップと、をもつアシストグリップにおいて、前記キャップの前記覆い部における前記基台の外側面と対向する部分には、被係止部が配設されており、前記基台の外側面には、前記キャップを仮止め位置で保持する仮止め係止部及び、該仮止め係止部よりも前記キャップの嵌挿方向側に配置され前記キャップを前記仮止め位置よりも前記嵌挿方向に嵌挿した位置で保持する本固定係止部を配設しているとともに、前記仮止め係止部に前記キャップの被係止部が係止されているときには、前記覆い部の外側面における前記被係止部に背向する被係止部背面部は、前記凹部の内面により被覆されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記仮止め係止部及び前記本固定係止部は、前記外側面に窪む仮止め係止凹部及び本固定係止凹部であり、前記被係止部は、前記覆い部の内側面から突出する被係止凸部であって、前記仮止め係止凹部における前記嵌挿方向側の外縁部から前記被係止凸部の先端部の配置位置までの幅は、前記被係止部背面部と前記凹部の内面との間の間隔よりも大きいことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記仮止め係止部及び前記本固定係止部は、前記基台の前記外側面から突出する仮止め係止凸部及び本固定係止凸部であり、前記被係止部は、前記覆い部の内側面に窪む被係止凹部であって、前記仮止め係止凸部の先端部から前記被係止凹部の前記嵌挿方向側の外縁部の配置位置までの幅は、前記被係止部背面部と前記凹部の内面との間の間隔よりも大きいことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、長手形状でその両端に凹部をもつグリップ本体と、前記凹部に収容可能に前記凹部の軸支部において回動可能に枢支されるとともにクリップ保持穴をもつ基台と、側壁の内側に内部空間をもち前記基端部において前記内部空間に連通する開口をもち、前記側壁に前記取付穴の周縁に係止される弾性係止部を配設したクリップと、前記基台を覆う覆い部及び前記クリップの前記基端部側から前記内部空間に嵌挿される脚部をもつキャップと、をもつアシストグリップを車体側パネルに取り付ける方法であって、前記基台の前記クリップ保持穴に前記クリップの前記先端部を突出させて挿入して前記基端部を前記クリップ保持穴の周縁に保持する工程と、前記クリップの前記開口から前記内部空間に前記キャップの前記脚部を嵌挿方向に進入させて、前記キャップの前記覆い部における前記基台の外側面と対向する部分に配設された被係止部を、前記基台の前記外側面に配設された仮止め係止部を係止させる工程と、前記仮止め係止部に前記被係止部が係止された前記覆い部の外側面における前記被係止部に背向する被係止部背面部を、前記凹部の内面により被覆する工程と、前記クリップを、前記車両側パネルに開口する取付穴に嵌挿するとともに、前記弾性係止部を前記取付穴の周縁に係止させる工程と、前記グリップ本体を前記基台に対して回動させて、前記被係止部背面部を前記凹部から露出させる工程と、前記キャップを前記嵌挿方向に更に進入させて、前記被係止部を、前記本固定係止部に係止する工程と、をもつことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
前記請求項1に係る発明によれば、基台の仮止め係止部にキャップの被係止部が係止されているときには、基台の被係止部が位置する部分の背面側は、凹部の内面により被覆されている。このため、キャップに嵌挿方向に大荷重が加わったときにも、キャップの被係止部が変形することを抑制でき、被係止部が仮止め係止部から外れることを防止できる。したがって、凹部の内面により、キャップの覆い部の外側面における被係止部背面部を覆うことにより、大荷重を受けた場合にも、基台に対するキャップの仮止め位置を保持することができる。
【0011】
そして、クリップを取付穴に嵌挿した後には、グリップ本体を基台に対して回動させることにより、凹部からキャップの被係止部背面部を露出させる。この状態では、キャップの被係止部背面部は、外側への変形が容易である。このため、キャップを更にクリップ内の内部空間に押し込むことにより、被係止部背面部が外側へ変形し、仮止め係止部との係止が外れる。ゆえに、キャップは、更に内部空間の嵌挿方向に進入する。そして、キャップの被係止部は、本固定係止部に係止され、キャップが基台から外れることを抑制できる。
【0012】
前記請求項2に係る発明によれば、仮止め係止凹部における嵌挿方向側の外縁部から被係止凸部の先端部の配置位置までの幅L1は、被係止部背面部と凹部の内面との間の間隔L2よりも大きい。この場合、キャップの被係止部背面部は、凹部の内面で覆われているため、たとえ外側に変形したとしても、その変形量は凹部の内面との間の間隔L2にとどまる。そして、この間隔L2よりも、仮止め係止凹部におけるキャップの嵌挿方向側の外縁部から被係止凸部の先端部の配置位置までの幅L1が大きい(図10参照)。したがって、たとえキャップの被係止部背面部が外側に変形したとしても、被係止凸部は仮止め係止凹部から外れることはない。ゆえに、仮止め時に凹部の内面によってキャップの被係止部背面部を覆うことにより、被係止凸部が嵌挿方向に進入することを確実に阻止することができる。
【0013】
前記請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の、凹状の仮止め係止部の前記幅L1と、被係止部背面部と凹部の内面との間の前記間隔L2との関係を、仮止め係止部及び本固定係止部を凸状とし、被係止部を凹状とした場合に適用したものである。請求項3に係る発明においても、キャップの被係止部背面部は、凹部の内面で覆われているため、その変形量は凹部の内面との間の間隔L2にとどまる。この間隔L2よりも、仮止め係止凸部の先端部から被係止凹部の嵌挿方向側の外縁部の配置位置までの幅L1’が大きい(図14参照)。したがって、たとえキャップの被係止部背面部が外側に変形したとしても、被係止凹部から仮止め係止凸部が外れることはない。ゆえに、仮止め時に凹部の内面によってキャップの被係止部背面部を覆うことにより、被係止凹部が嵌挿方向に進入することを確実に阻止することができる。
【0014】
前記請求項4に係る発明によれば、請求項1に係る発明と同様に、凹部の内面により、キャップの覆い部の外側面における被係止部背面部を覆うことにより、大荷重を受けた場合にも、基台に対するキャップの仮止め位置を保持することができる。また、キャップの被係止部背面部を凹部から露出させることにより、被係止部背面部の外側への変形を許し、被係止部が仮止め係止部の係止から外れる。このため、キャップを更に嵌挿方向に進入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るアシストグリップの正面図である。
【図2】実施形態に係るアシストグリップの分解斜視図である。
【図3】実施形態に係るアシストグリップの断面図である。
【図4】実施形態に係る基台の斜視図である。
【図5】実施形態に係るクリップの斜視図である。
【図6】実施形態に係るアシストグリップの取付方法を説明するために、基台にクリップを保持したときのクリップ奥行き方向の断面図である。
【図7】図6に続く、基台及びクリップにキャップを仮挿入したときのクリップ奥行き方向の断面図である。
【図8】図7に続く、キャップをグリップ本体の凹部で覆ったときのクリップ奥行き方向の断面図である。
【図9】図7に続く、キャップをグリップ本体の凹部で覆ったときのクリップ横幅方向の断面図である。
【図10】寸法関係を説明するための図9の要部拡大断面図である。
【図11】図8に続く、クリップを取付穴に嵌挿したときにクリップ奥行き方向断面図である。
【図12】図11に続く、キャップの脚部をクリップの内部空間に更に押し込んで、アシストグリップを車両側パネルに本固定したときの取付構造のクリップ奥行き方向断面図である。
【図13】図11に続く、キャップの脚部をクリップの内部空間に更に押し込んで、アシストグリップを車両側パネルに本固定したときの取付構造のクリップ横幅方向断面図である。
【図14】仮止め係止部及び本固定係止部が凸状であり、被係止部が凹状である場合の、寸法関係を説明するための要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、アシストグリップを車両側パネルに取り付けた取付構造の正面図である。図2は、取付構造の分解斜視図である。図1、図2に示すように、アシストグリップ1は、グリップ本体10と、基台11と、クリップ3と、キャップ4とからなる。
【0017】
グリップ本体10は、長手形状でその両端に凹部10aをもつ。凹部10aは、基台11を収容可能に支持している。グリップ本体10の凹部10aの側壁には、軸孔10bが開口している。軸孔10b、及び基台11に設けられた軸受部11aの孔に、軸12を挿入することで、グリップ本体10を基台11に対して回動可能に支持している。また、軸受部11aと軸孔10bとの間に凹部10aが基台11に近接する方向にグリップ本体10を付勢するばね13が配設されている。ばね13の一端13aは、凹部10aの係止部10cに係止され、他端13bは軸受部11aの係止部11nに係止されている。
【0018】
図3、図4に示すように、基台11は、クリップ3を嵌挿する四角形状のクリップ保持穴11bをもつ枠部11fと、枠部11fから上方に突出するキャップ保持壁11cとをもつ。キャップ保持壁11cは、キャップ4の覆い部4aの内側面4hに沿った形状をもち、覆い部4aにより被覆されている。
【0019】
相対する一対のキャップ保持壁11cの外側面11pには、それぞれ、仮止め係止凹部11q及び本固定係止凹部11rが、キャップ4の嵌挿方向に配列されている。本固定係止凹部11rは、キャップ保持壁11cの外側面11pは、枠部11fの外形よりも内側に位置して、外側面11pと枠部11fとの間に段部11sを形成している。キャップ保持壁11cの後端部には、上記グリップ本体10を回動可能に支持する軸受部11aが一体に設けられている。なお、グリップ本体10及び基台11は、樹脂材料を金型内に射出して成形される。
【0020】
図1,図3,図5に示すように、クリップ3は、断面U字形状を呈している。クリップ3は、一対の側壁3eの内側に内部空間3bをもつ。クリップ3の先端部3gでは、一対の側壁3eがU字状に湾曲して連結されている。クリップ3の基端部3dでは、側壁3eは連結されておらず、内部空間3bに連通する開口3cを有している。クリップ3は、基台11のクリップ保持穴11bに先端部3gを突出させて挿入されて、基端部3dに形成された段部3fでクリップ保持穴11bの周縁に保持されている。クリップ3は、その長手方向に車両側パネル2の取付穴2aに嵌挿される。クリップ3の側壁3eは、取付穴2aに係止される弾性係止部3aをもつ。クリップ3は、金属板に打ち抜き曲げ加工を施して形成される。クリップ3は、樹脂により射出成形などにより形成されてもよい。
【0021】
図3に示すように、キャップ4は、クリップ3の基端部3d及び基台11のキャップ保持壁3cを覆う覆い部4aと、クリップ3の開口3cから内部空間3bに挿入され該嵌挿方向に延びる脚部4bをもつ。覆い部4aは、基台11の上部に形成されたキャップ保持壁11cの上面及び側面を覆うように、断面コ字状に湾曲している。覆い部4aの内側面4hには、内側に突出する被係止凸部4gが形成されている。キャップ4は、樹脂材料を金型内に射出して成形される。
【0022】
アシストグリップ1を車両側パネル2に取り付けるにあたっては、まず、図6に示すように、クリップ3の側壁3eを内部空間3bの奥行き中心方向Gに圧縮して、基端部3dの間の内部空間3bの奥行き幅を狭くする。この状態でクリップ3を基端部3d側から、アシストグリップ1の基台11のクリップ保持穴11bに挿入する。そして、クリップ3の基端部3dに形成された段部3fをクリップ保持穴11bの上側周縁11mに係止する。このようにして、クリップ3を基台11に保持する。
【0023】
次に、図7に示すように、クリップ3の基端部3dの開口3cから内部空間3bに、キャップ4の脚部4bを仮挿入する。このとき、図3に示すように、キャップ4の覆い部4aの内側面4hから突出する被係止凸部4gが、基台11のキャップ保持壁11cの仮止め係止凹部11qに係止され、この位置で挿入が一旦停止される。脚部4bは、クリップ3の内部空間3bにおける弾性係止部3aの位置する部分より上側に位置する。それゆえ、弾性係止部3aは、内部空間3bの奥行き方向に容易に変形し得る。
【0024】
次に、図8、図9、図2に示すように、基台11をグリップ本体部10の凹部10aに配設させる。凹部10aの軸孔10b及び基台11の軸受部11aに軸12を挿入するとともに、軸12は円筒状のカラー14の孔の中に挿入する。また、軸受部11aと軸孔10bとの間にばね13を配設する。ばね13の一端13aは、凹部10aの係止部10cに係止させ、他端13bは軸受部11aの係止部11nに係止させる。これにより、グリップ本体10が基台11に取り付けられるとともに、ばね13によって基台11にグリップ本体10が付勢される。そして、凹部10aの内面10dに、キャップ4の覆い部4aの端部4kが当接する。また、覆い部4aの外周面における被係止凸部4gに背向する被係止部背面部4eは、凹部10aの内面10dにより被覆される。グリップ本体10の凹部10aは、ばね13の付勢力によって基台11を覆うように保持している。これにより、基台10に対して、クリップ3、キャップ4及びグリップ本体部10が、一体的に保持される。
【0025】
図10に示すように、仮止め係止凹部11qにおけるキャップ4の嵌挿方向側の外縁部11tから被係止凸部4gの先端部4kの配置位置までの幅L1は、被係止部背面部4eと凹部10aの内面10dとの間の間隔L2よりも大きい。この場合には、被係止部背面部4eが外側に変形しても、凹部10aの内面10dにより変形量が最大間隔L2までに抑えられる。この被係止部背面部4eの変形量よりも、仮止め係止凹部11qにおけるキャップ4の嵌挿方向側の外縁部11tから被係止凸部4gの先端部4kまでの幅L1の方が大きい。このため、被係止凸部4gが仮止め係止凹部11qから外れることなく、その仮止め位置を維持することができる。
【0026】
また、仮止め係止凹部11qにおけるキャップ4の嵌挿方向と反対側の外縁部11uは、仮止め係止凹部11qの底面11zからの長さが、キャップ4の嵌挿方向側の外縁部11tと同程度であってもよい。即ち、嵌挿方向と反対側の外縁部11uについての基台11の径方向の位置が、嵌挿方向側の外縁部11tと同程度であってもよい。また、嵌挿方向と反対側の外縁部11uは、嵌挿方向側の外縁部11tよりも、径方向長さが短くてもよい。この場合には、同程度の場合よりも、仮止め係止凹部11qへの被係止凸部4gの係止を小荷重で行うことができる。
【0027】
次に、図11に示すように、グリップ本体10を車両側パネル2の取付穴2a側(図11のF1方向)に向けて押圧する。これにより、グリップ本体10の凹部10aの内面10dでキャップ4が押される。更に、キャップ4が、被係止凸部4gで基台11を押す(図9参照)。基台11に保持されているクリップ3が、車体側パネル2の取付穴2aに嵌挿され、弾性係止部3aが取付穴2aの周縁2dに係止される。このようにして、アシストグリップ1が車両側パネル2に仮固定される。
【0028】
次に、図12に示すように、ばね13の付勢力に抗してグリップ本体10を回動させ、凹部10aから基台11及びキャップ4を露出させる。キャップ4の覆い部4aを車両側パネル2側、即ち図12に示すF2方向で、図11の仮固定時の力F1よりも大きな荷重で押圧する。これにより、図13に示すように、キャップ4の被係止凸部4gと基台11の仮止め係止凹部11qとの係止が外れて、キャップ4は、更に嵌挿方向に進入する。そして、キャップ4の被係止凸部4gは、仮止め係止凹部11qよりも嵌挿方向に位置する本固定係止凹部11rに係止される。
【0029】
図10の二点鎖線に示すように、本固定係止凹部11rにおける嵌挿方向側の外縁部11sから被係止凸部4gの先端部4kの配置位置までの幅L3は、前記の仮止め係止凹部11qにおける嵌挿方向側の外縁部11tから被係止凸部4gの先端部4kの配置位置までの幅L1よりも大きいことが好ましい。この場合には、キャップ4の本嵌挿時などにキャップ4に嵌挿方向の大荷重を加えて被係止部背面部4eが外側に変形した場合でも、被係止凸部4gが本固定係止凹部11rから外れて、変形した状態で本固定係止凹部11rよりも嵌挿方向側の外側面11p又は枠部11fに保持されることを抑制できる。
【0030】
そして、被係止凸部4gが本固定係止凹部11rに係止されたときには、覆い部4aの内側面4hにより、キャップ保持壁11c及びクリップ3の基端部3dが覆われる。また、キャップ4の脚部4bがクリップ3の内部空間3bに本嵌挿される。これにより、クリップ3の弾性係止部3aの位置する内部空間3bに、脚部4bが嵌挿されて、弾性係止部3aの内側への変形を防止し、取付穴2aから取り外れることが抑制される。以上のようにして、アシストグリップ1が車体側パネル2に取り付けられる。
【0031】
本実施形態によれば、図9に示すように、仮止め係止凹部11qにキャップ4の被係止凸部4gが係止されているときには、キャップ4の被係止凸部4gが形成されている部分の背面側の被係止部背面部4eは、凹部10aにより被覆されている。このため、キャップ4に嵌挿方向に大荷重が加わったときにも、キャップ4の被係止凸部4gが変形することを抑制でき、被係止凸部4gが仮止め係止凹部11qから外れることを防止できる。したがって、凹部10aの内面10dにより、キャップ4の被係止凸部背面部4eを覆うことで、大荷重を受けた場合にも、基台11に対するキャップ4の仮止め位置を保持することができる。
【0032】
そして、クリップ3を取付穴2aに嵌挿した後には、グリップ本体10を基台11に対して回動させることにより、凹部10aから被係止部背面部4eを露出させる。この状態では、キャップ4の被係止部背面部4eは、外側への変形が容易である。このため、キャップ4を更にクリップ3の内部空間3bに押し込むことにより、被係止部背面部4eが外側へ変形し、仮止め係止凹部11qとの係止が外れる。ゆえに、キャップ4は、脚部4bを更に嵌挿方向に進入する。そして、キャップ4の被係止部4dは、本固定係止凹部11rに係止され、キャップ4が基台11から外れることを抑制できる。
【0033】
本実施形態においては、基台11の外側面11pに凹状の仮止め係止凹部11q及び本固定係止凹部11rを形成し、キャップ4の覆い部4aの内面4hに凸状の被係止凸部4gを形成している。しかし、凹凸の関係は、逆でもよい。即ち、図14に示すように、基台11の外側面11pに凸状の仮止め係止凸部11q’及び本固定係止凸部11r’を形成し、キャップ4の覆い部4aの内面4hに凹状の被係止凹部4g’を形成してもよい。この場合、仮止め係止凸部11q’の先端部11t’から被係止凹部4g’の嵌挿方向側の外縁部4k’の配置位置までの幅L1’は、キャップ4の被係止部背面部4eと凹部10aの内面10dとの間の間隔L2よりも大きい。キャップの被係止部背面部4eは、凹部10aの内面10dで覆われているため、その変形量は凹部10aの内面10dとの間の間隔L2にとどまる。この間隔L2よりも、仮止め係止凸部11q’の先端部11t’から被係止凹部4g’の嵌挿方向側の外縁部4k’の配置位置までの幅L1’が大きい。したがって、キャップ4の被係止部背面部4eが外側に変形したとしても、被係止凹部4g’は仮止め係止凸部11q’から外れることはない。ゆえに、仮止め時に凹部10の内面10dによってキャップ4の被係止部背面部4eを覆うことにより、被係止凹部4g’が嵌挿方向に進入することを確実に阻止することができる。
【0034】
図14の二点鎖線に示すように、本固定係止凸部11r’の嵌挿方向側の枠部11fの外縁部11sから被係止凹部4g’の先端部4k’の配置位置までの幅L3’は、前記の仮止め係止凸部11q’の先端部11t’から被係止凹部4g’における嵌挿方向側の外縁部4k’の配置位置までの幅L1’よりも大きいことが好ましい。この場合には、キャップ4の本嵌挿時などにキャップ4に嵌挿方向の大荷重を加えて被係止部背面部4eが外側に変形した場合でも、被係止凹部4g’が本固定係止凸部11r’から外れて、変形した状態で本固定係止凸部11r’よりも嵌挿方向側の外側面11p又は枠部11fに保持されることを抑制できる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
1:アシストグリップ、10:グリップ本体、10a:凹部、10b:軸孔、10d:内面、11:基台、11a:軸受部、11b:クリップ保持穴、11c:キャップ保持壁、11f:枠部、11p:外側面、11q:仮止め係止凹部、11r:本固定係止凹部、12:軸、2:車両側パネル、2a:取付穴、3:クリップ、3a:弾性係止部、3b:内部空間、3c:開口、3d:基端部、3e:側壁、3f:段部、3g:先端部、4:キャップ、4a:覆い部、4b:脚部、4e:被係止部背面部、4h:内側面、4g:被係止凸部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手形状でその両端に凹部をもつグリップ本体と、
前記凹部に収容可能に前記凹部の軸支部において回動可能に枢支されるとともにクリップ保持穴をもつ基台と、
前記クリップ保持穴に先端部を突出させて挿入され基端部が前記クリップ保持穴の周縁に保持されるとともに、側壁の内側に内部空間をもち前記基端部において前記内部空間に連通する開口をもち、前記側壁に前記取付穴の周縁に係止される弾性係止部を配設したクリップと、
前記基台を覆う覆い部及び前記クリップの前記基端部側から前記内部空間に嵌挿される脚部をもつキャップと、をもつアシストグリップにおいて、
前記キャップの前記覆い部における前記基台の外側面と対向する部分には、被係止部が配設されており、
前記基台の外側面には、前記キャップを仮止め位置で保持する仮止め係止部及び、該仮止め係止部よりも前記キャップの嵌挿方向側に配置され前記キャップを前記仮止め位置よりも前記嵌挿方向に嵌挿した位置で保持する本固定係止部を配設しているとともに、前記仮止め係止部に前記キャップの被係止部が係止されているときには、前記覆い部の外側面における前記被係止部に背向する被係止部背面部は、前記凹部の内面により被覆されていることを特徴とするアシストグリップ。
【請求項2】
前記仮止め係止部及び前記本固定係止部は、前記外側面に窪む仮止め係止凹部及び本固定係止凹部であり、前記被係止部は、前記覆い部の内側面から突出する被係止凸部であって、
前記仮止め係止凹部における前記嵌挿方向側の外縁部から前記被係止凸部の先端部の配置位置までの幅は、前記被係止部背面部と前記凹部の内面との間の間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のアシストグリップ。
【請求項3】
前記仮止め係止部及び前記本固定係止部は、前記基台の前記外側面から突出する仮止め係止凸部及び本固定係止凸部であり、前記被係止部は、前記覆い部の内側面に窪む被係止凹部であって、
前記仮止め係止凸部の先端部から前記被係止凹部の前記嵌挿方向側の外縁部の配置位置までの幅は、前記被係止部背面部と前記凹部の内面との間の間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のアシストグリップ。
【請求項4】
長手形状でその両端に凹部をもつグリップ本体と、
前記凹部に収容可能に前記凹部の軸支部において回動可能に枢支されるとともにクリップ保持穴をもつ基台と、
側壁の内側に内部空間をもち前記基端部において前記内部空間に連通する開口をもち、前記側壁に前記取付穴の周縁に係止される弾性係止部を配設したクリップと、
前記基台を覆う覆い部及び前記クリップの前記基端部側から前記内部空間に嵌挿される脚部をもつキャップと、をもつアシストグリップを車体側パネルに取り付ける方法であって、
前記基台の前記クリップ保持穴に前記クリップの前記先端部を突出させて挿入して前記基端部を前記クリップ保持穴の周縁に保持する工程と、
前記クリップの前記開口から前記内部空間に前記キャップの前記脚部を嵌挿方向に進入させて、前記キャップの前記覆い部における前記基台の外側面と対向する部分に配設された被係止部を、前記基台の前記外側面に配設された仮止め係止部を係止させる工程と、
前記仮止め係止部に前記被係止部が係止された前記覆い部の外側面における前記被係止部に背向する被係止部背面部を、前記凹部の内面により被覆する工程と、
前記クリップを、前記車両側パネルに開口する取付穴に嵌挿するとともに、前記弾性係止部を前記取付穴の周縁に係止させる工程と、
前記グリップ本体を前記基台に対して回動させて、前記被係止部背面部を前記凹部から露出させる工程と、
前記キャップを前記嵌挿方向に更に進入させて、前記被係止部を、前記本固定係止部に係止する工程と、をもつことを特徴とするアシストグリップの取付方法。
【請求項1】
長手形状でその両端に凹部をもつグリップ本体と、
前記凹部に収容可能に前記凹部の軸支部において回動可能に枢支されるとともにクリップ保持穴をもつ基台と、
前記クリップ保持穴に先端部を突出させて挿入され基端部が前記クリップ保持穴の周縁に保持されるとともに、側壁の内側に内部空間をもち前記基端部において前記内部空間に連通する開口をもち、前記側壁に前記取付穴の周縁に係止される弾性係止部を配設したクリップと、
前記基台を覆う覆い部及び前記クリップの前記基端部側から前記内部空間に嵌挿される脚部をもつキャップと、をもつアシストグリップにおいて、
前記キャップの前記覆い部における前記基台の外側面と対向する部分には、被係止部が配設されており、
前記基台の外側面には、前記キャップを仮止め位置で保持する仮止め係止部及び、該仮止め係止部よりも前記キャップの嵌挿方向側に配置され前記キャップを前記仮止め位置よりも前記嵌挿方向に嵌挿した位置で保持する本固定係止部を配設しているとともに、前記仮止め係止部に前記キャップの被係止部が係止されているときには、前記覆い部の外側面における前記被係止部に背向する被係止部背面部は、前記凹部の内面により被覆されていることを特徴とするアシストグリップ。
【請求項2】
前記仮止め係止部及び前記本固定係止部は、前記外側面に窪む仮止め係止凹部及び本固定係止凹部であり、前記被係止部は、前記覆い部の内側面から突出する被係止凸部であって、
前記仮止め係止凹部における前記嵌挿方向側の外縁部から前記被係止凸部の先端部の配置位置までの幅は、前記被係止部背面部と前記凹部の内面との間の間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のアシストグリップ。
【請求項3】
前記仮止め係止部及び前記本固定係止部は、前記基台の前記外側面から突出する仮止め係止凸部及び本固定係止凸部であり、前記被係止部は、前記覆い部の内側面に窪む被係止凹部であって、
前記仮止め係止凸部の先端部から前記被係止凹部の前記嵌挿方向側の外縁部の配置位置までの幅は、前記被係止部背面部と前記凹部の内面との間の間隔よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のアシストグリップ。
【請求項4】
長手形状でその両端に凹部をもつグリップ本体と、
前記凹部に収容可能に前記凹部の軸支部において回動可能に枢支されるとともにクリップ保持穴をもつ基台と、
側壁の内側に内部空間をもち前記基端部において前記内部空間に連通する開口をもち、前記側壁に前記取付穴の周縁に係止される弾性係止部を配設したクリップと、
前記基台を覆う覆い部及び前記クリップの前記基端部側から前記内部空間に嵌挿される脚部をもつキャップと、をもつアシストグリップを車体側パネルに取り付ける方法であって、
前記基台の前記クリップ保持穴に前記クリップの前記先端部を突出させて挿入して前記基端部を前記クリップ保持穴の周縁に保持する工程と、
前記クリップの前記開口から前記内部空間に前記キャップの前記脚部を嵌挿方向に進入させて、前記キャップの前記覆い部における前記基台の外側面と対向する部分に配設された被係止部を、前記基台の前記外側面に配設された仮止め係止部を係止させる工程と、
前記仮止め係止部に前記被係止部が係止された前記覆い部の外側面における前記被係止部に背向する被係止部背面部を、前記凹部の内面により被覆する工程と、
前記クリップを、前記車両側パネルに開口する取付穴に嵌挿するとともに、前記弾性係止部を前記取付穴の周縁に係止させる工程と、
前記グリップ本体を前記基台に対して回動させて、前記被係止部背面部を前記凹部から露出させる工程と、
前記キャップを前記嵌挿方向に更に進入させて、前記被係止部を、前記本固定係止部に係止する工程と、をもつことを特徴とするアシストグリップの取付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−197080(P2012−197080A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−166867(P2012−166867)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2007−298427(P2007−298427)の分割
【原出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2007−298427(P2007−298427)の分割
【原出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】
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