説明

アシストハンドル

【課題】ガタ発生を防止することができかつ小型化が可能なアシストハンドルを提供する。
【解決手段】本発明のアシストハンドル30では、ハンドル部35は、上下方向に延びかつベース部31のうち室内側を向いた外面に重ねられた状態で下端寄り位置をベース部31に回転可能に支持されると共に、上端部に手掛け部35Wを有している。そして、ハンドル部35の下端部と押圧部38とがベース部31に形成された横長孔32Lを介してピン結合されている。このように、本発明では、ベース部31の外側に配置されたハンドル部35の下端部を押圧部38にベース部31の横長孔32Lを介して結合したので、従来、ベース部内に設けていた中継回動部材が不要になり、これにより、ガタの発生が防がれかつ小型化が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子の初動抵抗を軽減するために障子の戸先框に取り付けられ、ハンドル部を障子の室内面と平行な面内で回動操作して使用されるアシストハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のアシストハンドルとして、箱形のベース部の外面に備えたレバー形のハンドル部の下端部からベース部内へと回動軸部材に突入させてベース部内で中継回動部材と一体回転可能に連結し、その中継回動部材をベース部内で直動可能に支持された押圧部にピン結合したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−215052号公報(図2、図4、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のアシストハンドルでは、ベース部が中継回動部材を回動可能に収容しているので、小型化が困難であった。また、ハンドル部の回動軸部材と中継回動部材と一体回転可能に連結する部分に多大な負荷がかかり、そこにガタが発生する事態が生じ得た。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ガタ発生を防止することができかつ小型化が可能なアシストハンドルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るアシストハンドルは、建物の開閉口内でスライド可能な障子の戸先框における室内面に取り付けられる箱形のベース部と、ベース部に回転可能に支持されて、障子の室内面と平行な面内で回動可能なレバー構造のハンドル部と、ベース部のうちハンドル部の回動中心より下方位置に少なくとも一部が収容されて障子のスライド方向に直動可能に支持された押圧部とを備えてなり、障子が閉鎖位置にあるときにハンドル部をベース部に対して戸尻側に操作すると押圧部が戸先側に移動して開閉口の内側面を押圧し、障子の初動抵抗を軽減することが可能なアシストハンドルにおいて、ハンドル部は、上下方向に延びかつベース部のうち室内側を向いた外面に重ねられた状態で下端寄り位置をベース部に回転可能に支持されると共に、上端部に手掛け部を有し、ハンドル部のうち回動中心より下側の下端部と押圧部とをベース部に形成された貫通孔を介してピン結合することで、ハンドル部の回動に連動して押圧部を直動可能としたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のアシストハンドルにおいて、ハンドル部をベース部より上方に延ばして、そのベース部より上側に手掛け部を配置し、上下方向から見て手掛け部とベース部とが重なるようにハンドル部における手掛け部を戸先框側に突出させて厚くしたところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のアシストハンドルにおいて、ベース部のうち戸尻側にハンドル部が偏在し、非操作時にハンドル部及びベース部における戸尻側の側面が面一になるように構成したところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載のアシストハンドルにおいて、ベース部は、ベースカバーの内側にインナー構造体を固定してなり、ハンドル部は、ハンドルカバーの内側にハンドルプレートを固定してなり、ベースカバーに形成された第1貫通孔を通して、回動支持ピンによりハンドルプレートにおける上下方向の中間部がインナー構造体に回転可能に支持され、ベースカバーに形成された第2貫通孔を通して、連動ピンによりハンドルプレートの下端部と押圧部とがピン結合されたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0010】
[請求項1の発明]
請求項1のアシストハンドルでは、箱形のベース部に外側に配置されたハンドル部の下端部が、そのベース部の貫通孔を介して押圧部にピン結合されているので、ハンドル部の上端部の手掛け部を戸尻側に操作すると、ハンドル部の下端部と共に押圧部が戸先側に移動し、建物の開閉口の内側面を押圧する。このように、本発明のアシストハンドルでは、ベース部の外側に配置されたハンドル部の下端部を押圧部にベース部の貫通孔を介して結合したので、従来、ベース部内に設けていた中継回動部材が不要になり、これにより、ガタの発生が防がれかつ小型化が可能になる。
【0011】
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、ハンドル部のうちベース部より上側部分が手掛け部になっているので、ハンドル部を操作する手とベース部との干渉が防がれ、操作性にも優れる。また、上下方向から見て手掛け部とベース部とが重なるようにハンドル部における手掛け部を厚くしたので、アシストハンドル全体の厚さを増大させずに、手掛け部において手を掛ける部分の面積を広くすることができ、指先に係る負担が軽減されて、操作性が向上する。
【0012】
[請求項3の発明]
請求項3のアシストハンドルでは、ベース部のうち戸尻側にハンドル部が偏在しているので、開閉口の内側面とハンドル部との間に手先を挿入するスペースが確保され、ハンドル部を容易に操作することが可能になる。また、非操作時にハンドル部及びベース部における戸尻側の側面が面一になるので、外観が簡素化されて意匠性が向上すると共に、カーテンを配置した場合に、そのカーテンのアシストハンドルにおける引っ掛かりを防ぐことができる。
【0013】
[請求項4の発明]
請求項4のアシストハンドルでは、ベース部及びハンドル部の内側部分を構成するインナー構造体及びハンドルプレートは同じ意匠のものを流用し、ベース部及びハンドル部の外側部分を構成するベースカバー及びハンドルカバーのみの意匠を異ならせて、意匠が異なる複数種類のアシストハンドルを安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態のアシストハンドルを備えた開閉口の断面図
【図2】アシストハンドルの斜視図
【図3】アシストハンドルの不使用状態の正断面図
【図4】アシストハンドルの使用状態の正断面図
【図5】図3のC−C断面におけるアシストハンドルの断面図
【図6】(A)図3のA−A断面におけるアシストハンドルの断面図,(B)図3のB−B断面におけるアシストハンドルの断面図
【図7】(A)閉鎖位置のガラス戸の平断面図,(B)開放途中のガラス戸の平断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1には、建物の窓としての開閉口10の平断面図が示されている。この開閉口10のうち室外側の略半分はアルミ及び樹脂にて形成されたガラス戸支持枠11にて囲まれ、室内側の略半分は木製の和障子支持枠12にて覆われている。そして、ガラス戸支持枠11の内側には、1対のガラス戸13,13(本発明の「障子」に相当する)が、互いにすれ違うようにスライド可能に支持される一方、和障子支持枠12の内側には、1対の和障子29,29が互いにすれ違うようにスライド可能に支持されている。
【0016】
各ガラス戸13は、1対のガラス板14,14をガラス枠15にて囲んで支持した二重ガラス構造をなしている。各ガラス枠15は、アルミの角筒体を枠状に接合して構成され、ガラス枠15のうち一方の縦辺部分が本発明に係る戸先框18となり、他方の縦辺部分が戸尻框16となっている。そして、両ガラス戸13,13の戸尻框16,16の間に設けたクレセント錠17にて施解錠されるようになっている。
【0017】
各ガラス戸13の戸先框18には、ガラス戸13と開閉口10の内側面10Hとの間の隙間風を防ぐためのシール部材25が取り付けられている。具体的には、各ガラス戸13における戸先框18のうちガラス戸13のスライド方向を向いた端面には、上下方向の全体にシール収容溝21が形成されている。これらに対し、ガラス戸支持枠11の各内側面10Hからは、各シール収容溝21内に突入可能な待受突壁22が上下方向全体に亘って突出形成されている。
【0018】
シール収容溝21内にはガイド部品23とシール突片24とが設けられている。ガイド部品23は、シール収容溝21内における奥面と室内寄りの内側面とを被っている。また、室内側を被った部分がシール収容溝21の開口面まで膨らんだ形状をなし、室内寄りの内側面を被った部分は、シール収容溝21の幅方向における中央位置まで膨らんでいる。そして、ガラス戸13を閉じるとガイド部品23のテーパ面23Aが待受突壁22に当接し、テーパの作用により、ガラス戸13が室内側へ移動させられて、シール突片24が待受突壁22に密着するように構成されている。
【0019】
シール収容溝21の溝内側面からは、シール部材25に備えた1対のシール突片24,24が、待受突壁22の側面に向かって突出している。これら1対のシール突片24,24は、先端に向かって肉薄になったヒレ状をなし、互いに平行になって上下方向に延びている。そして、シール突片24,24はガラス戸13を閉じたときに待受突壁22に密着する。
【0020】
ガラス戸13,13を閉めた状態では、ガラス戸13,13における戸尻框16,16同士の間の隙間風もシール部材27によって防がれるようになっている。具体的には、一方のガラス戸13の戸尻框16には、他方のガラス戸13の戸尻框16と対向する面のうち戸先框18から離れた側の縁部に沿ってシール部材27が設けられている。このシール部材27は、前記した戸先框18のシール突片24と同形状のシール突片26を1つ備え、他方のガラス戸13の戸尻框16における戸先框18側の縁部に密着する。そして、このシール突片26も、ガラス戸13の開操作時に、弓なり形状から逆弓なり形状に反転する。また、この戸尻框16のシール突片26は、戸先框18における1対のシール突片24,24が待受突壁22から離間する前に、他方のガラス戸13の戸尻框16から離間する。
【0021】
さて、上記したシール部材25,27とそれらの密着対象部材との間の摩擦により、ガラス戸13を開く際には、初動時に比較的大きな抵抗がかかる。そこで、ガラス戸13を開く際の初動抵抗を軽減するために、各ガラス戸13の戸先框18における室内面には、それぞれアシストハンドル30が取り付けられている。このアシストハンドル30は、戸先框18に取り付けられたベース部31に、ハンドル部35と押圧部38(図7(B)参照)とを可動状態に組み付けてなる。
【0022】
図2の左側部分に示すように、アシストハンドル30のベース部31は、縦長の箱状のベースカバー32の内側に板金製のインナー構造体33を収容してなる。なお、ベースカバー32は戸先框18側が開放し、その開放口からベースカバー32内にインナー構造体33が組み付けられている。
【0023】
ハンドル部35は、上下方向に延びかつその下端寄り位置をベース部31に回転可能に支持されて、ガラス戸13の室内面と平行な面内で回動可能なレバー構造をなしている。また、ハンドル部35の回動中心は、ベース部31における上端寄りかつ戸尻寄り位置に配置されている。詳細には、ハンドル部35は、戸先框18との対向面に溝開口を有した角溝構造のハンドルカバー36の内側に、図2の右側に示した縦長で板金製のハンドルプレート37を収容してなる。ハンドルプレート37のうち回動中心より上側には、1対の螺子止め孔37A,37Aが貫通形成され、それらに挿通したビス37V,37Vがハンドルカバー36に締め付けられている。なお、図2の右側部分には、アシストハンドル30が、ハンドルカバー36及びベースカバー32を排除した状態で示されている。
【0024】
ハンドル部35の回転中心では、回動支持ピン35Pがハンドルプレート37に固定され、ハンドル部35の下端部では、連結ピン37Pがハンドルプレート37に固定されている。また、ハンドルカバー36のうち戸先框18側を向いた面には、上下方向の中間位置に段差部が設けられて、その段差部より上側部分が戸先框18側に厚くなって、本発明に係る手掛け部35Wを構成している。そして、ハンドル部35のうち段差部より下側部分がベース部31に戸先框18と反対側から重ねられている。また、ハンドル部35は、非操作時には、鉛直方向の真っ直ぐ延びた直立姿勢に保持され、その直立姿勢でハンドル部35のうち戸尻側の側面とベース部31における戸尻側の側面とが面一になるように配置されている(図7(A)参照)。なお、図2の左側部分に示すように、ハンドル部35における戸先側の側面には、先端部を戸先側へと膨出させて滑り止め突部35Zが形成されている。
【0025】
図2の右側部分に示すように、インナー構造体33のうち下端部を除いた部分における戸尻側端部には、室内側に隆起した溝形のピン支持台33Wが形成されている。そして、回動支持ピン35Pがベースカバー32に形成された貫通孔32K(図6(A)参照)を通してピン支持台33Wに回転可能に支持されかつ抜け止めされている。
【0026】
図3に示すように、インナー構造体33のうち戸先側の端部において上下方向で対称となる位置には、1対のベース取付孔33A,33Aが形成されている。これに対し、ベースカバー32には、上端部における戸先側の角部と、下端部における戸先側の角部とが、ベースカバー32の箱形本体部32Aに対して離脱可能な蓋部32B,32B(図2参照)になっている。そして、箱形本体部32Aから蓋部32B,32Bを離脱した状態でベース取付孔33A,33Aを露出させて、それらベース取付孔33A,33Aに挿通した図示しない螺子にてベース部31が戸先框18に固定される。
【0027】
図2の左側部分に示すように、ベースカバー32のうち戸先側を向いた側面には、上下方向の中央に矩形孔32Cが形成され、その内部に押圧部38が直動可能に収容されている。押圧部38は、全体が断面長方形の略角柱状をなしてガラス戸13の開閉方向に延びている。また、押圧部38における戸先側(以下、前端側)の縁部からは戸先框18側に向かって係止突条38T(図6(B)参照)が形成され、押圧部38を後方に移動したときに、この押圧部38Tがインナー構造体33の縁部を覆うようになっている。
【0028】
図3に示すように、ベースカバー32には、矩形孔32Cの上下の開口縁からベースカバー32内の水平方向に押圧ガイド部32G,32Gが延びている。また、押圧部38は、長手方向の中間部で段付き状に幅が変わって前端側が幅広で後端側が幅狭になっている。そして、押圧部38のうち前側の幅広部分が押圧ガイド部32G,32Gに摺接して直動可能にガイドされている。
【0029】
押圧部38の後端部には、上下方向の延びた縦長孔38Lが形成されている。また、ベースカバー32及びピン支持台33Wには、回動支持ピン35Pが通された貫通孔33Kの下方に、縦長孔38Lに対応した横長孔32L(本発明の「貫通孔」に相当する)が形成されている。この横長孔32Lは、ハンドル部35の回動中心を中心といた円弧状をなし、回動支持ピン35Pの下方に位置している。そして、図5に示すように、ハンドル部35の下端部に備えた連結ピン37Pが、横長孔32L及び縦長孔38Lに挿入されている。これにより、図4に示すように、ハンドル部35の上端部を回動中心より戸尻側に引くと、押圧部38が戸先側に直動してベース部31から突出する。
【0030】
押圧部38の下方には、ベースカバー32の内面にバネ支持支柱32Pが形成され、そこにトーションコイルバネ39が取り付けられている。また、トーションコイルバネ39の一端部がインナー構造体33の曲げ部33Zに係止する一方、他端部が連結ピン37Pに係止している。そして、このトーションコイルバネ39により、ハンドル部35が鉛直方向に延びた直立姿勢に付勢され、押圧部38がベース部31内に没入する方向に付勢されている。
【0031】
なお、本実施形態ではハンドル部35及び押圧部38が、可動範囲の一端側に移動すると、連結ピン37Pがピン支持台33Wの横長孔32Lにおける一端部の第1ストッパ部33B1(図6(B)参照)に当接して位置決めされる一方、ハンドル部35及び押圧部38を可動範囲の他端側に移動すると、連結ピン37Pがピン支持台33Wの横長孔32Lにおける他端部の第2ストッパ部33B2(図6(B)参照)に当接して位置決めされる。
【0032】
本実施形態のアシストハンドル30の構成に係る説明は以上である。次に、このアシストハンドル30の作用効果について説明する。ガラス戸13が閉じた状態でアシストハンドル30を利用してガラス戸13を開くには、ハンドル部35の上端部に手掛け部35Wに指を掛けて戸尻側に操作する。ここで、ハンドル部35のうち回動中心より下側の下端部は、そのベース部31の横長孔32Lを介して押圧部38にピン結合されているので、ハンドル部35の上端部の手掛け部35Wが戸尻側に操作されると、ハンドル部35の下端部と共に押圧部38も戸先側に移動し、開閉口10の内側面10Hを押圧する(図7(B)参照)。
【0033】
このように、本実施形態のアシストハンドル30では、ベース部31の外側に配置されたハンドル部35の下端部を押圧部38にベース部31の横長孔32Lを介して結合したので、従来、ベース部内に設けていた中継回動部材が不要になり、これにより、ガタの発生が防がれかつ小型化が可能になる。
【0034】
しかも、ハンドル部35のうちベース部31より上側部分が手掛け部35Wになっているので、ハンドル部35を操作する手とベース部31とが干渉し難くなり、操作性にも優れる。また、上下方向から見て手掛け部35Wとベース部31とが重なるようにハンドル部35における手掛け部35Wを厚くしたので、アシストハンドル30全体の厚さを増大させずに、手掛け部35Wにおいて手を掛ける部分の面積を広くすることができ、指先に係る負担が軽減されて、操作性が向上する。
【0035】
さらには、本実施形態のアシストハンドル30では、ベース部31のうち戸尻側にハンドル部35が偏在しているので、図3に示すように、開閉口10の内側面10Hとハンドル部35との間に手先を挿入するスペースが確保され、ハンドル部35を容易に操作することが可能になる。また、非操作時には、ハンドル部35における戸尻側の側面とベース部31における戸尻側の側面とが面一になるので、外観が簡素化されて意匠性が向上すると共にカーテンを配置した場合に、そのカーテンのアシストハンドル30における引っ掛かりを防ぐことができる。
【0036】
なお、本実施形態のアシストハンドル30によれば、ベース部31及びハンドル部35の内側部分を構成するインナー構造体33及びハンドルプレート37は同じ意匠のものを流用し、ベース部31及びハンドル部35の外側部分を構成するベースカバー32及びハンドルカバー36のみの意匠を異ならせて、意匠が異なる複数種類のアシストハンドル30を安価に製造することができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、上記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 開閉口
10H 内側面
30 アシストハンドル
31 ベース部
32 ベースカバー
32G,32G ガイド壁
32L 横長孔
33 インナー構造体
33B1 第1ストッパ部
33B2 第2ストッパ部
33W ピン支持台
35 ハンドル部
35P 回動支持ピン
36 ハンドルカバー
37 ハンドルプレート
38 押圧部
39 トーションコイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開閉口内でスライド可能な障子の戸先框における室内面に取り付けられる箱形のベース部と、前記ベース部に回転可能に支持されて、前記障子の室内面と平行な面内で回動可能なレバー構造のハンドル部と、前記ベース部のうち前記ハンドル部の回動中心より下方位置に少なくとも一部が収容されて前記障子のスライド方向に直動可能に支持された押圧部とを備えてなり、前記障子が閉鎖位置にあるときに前記ハンドル部を前記ベース部に対して戸尻側に操作すると前記押圧部が戸先側に移動して前記開閉口の内側面を押圧し、前記障子の初動抵抗を軽減することが可能なアシストハンドルにおいて、
前記ハンドル部は、上下方向に延びかつ前記ベース部のうち室内側を向いた外面に重ねられた状態で下端寄り位置を前記ベース部に回転可能に支持されると共に、上端部に手掛け部を有し、
前記ハンドル部のうち回動中心より下側の下端部と前記押圧部とを前記ベース部に形成された貫通孔を介してピン結合することで、前記ハンドル部の回動に連動して前記押圧部を直動可能としたことを特徴とするアシストハンドル。
【請求項2】
前記ハンドル部を前記ベース部より上方に延ばして、そのベース部より上側に前記手掛け部を配置し、上下方向から見て前記手掛け部と前記ベース部とが重なるように前記ハンドル部における前記手掛け部を前記戸先框側に突出させて厚くしたことを特徴とする請求項1に記載のアシストハンドル。
【請求項3】
前記ベース部のうち戸尻側に前記ハンドル部が偏在し、非操作時に前記ハンドル部及び前記ベース部における戸尻側の側面が面一になるように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のアシストハンドル。
【請求項4】
前記ベース部は、ベースカバーの内側にインナー構造体を固定してなり、
前記ハンドル部は、ハンドルカバーの内側にハンドルプレートを固定してなり、
前記ベースカバーに形成された第1貫通孔を通して、回動支持ピンにより前記ハンドルプレートにおける上下方向の中間部が前記インナー構造体に回転可能に支持され、
前記ベースカバーに形成された第2貫通孔を通して、連動ピンにより前記ハンドルプレートの下端部と前記押圧部とがピン結合されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載のアシストハンドル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−169050(P2011−169050A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35105(P2010−35105)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000100827)アイシン機工株式会社 (122)