説明

アジュバントQS−21および賦形剤としてポリソルベートまたはシクロデキストリンを含む組成物

【課題】改善された特性を有するアジュバントサポニンQS-21のある種の新規組成物を記載する。
【解決手段】本発明の組成物は、(1)QS-21の細胞溶解活性の減少、(2)ヒトまたは他の動物におけるQS-21含有製剤の耐容性の改善、(3)QS-21のアルカリ加水分解からの安定化および/または(4)QS-21生産物の高アジュバント有効性の維持のために設計される。これらの組成物は、タンパク質またはペプチド、ポリサッカライド、脂質または核酸を含むワクチンと共に用い得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は免疫アジュバントおよびワクチンにおける免疫アジュバントとしてのその使用の分野に関する。本発明の組成物は、細胞溶解作用、QS-21付随疼痛に対する耐容性、およびQS-21の生産物安定性に関して有意に改善された特性を示し、完全アジュバント活性を維持する。
【背景技術】
【0002】
アジュバントサポニンは南アメリカの木であるキラジャ・サポナリア・モリナ(Quillaja saponaria Molina)の樹皮の水性抽出物から同定され、精製されている。分離でき、サポニン活性を示す22ピークのうち、QS-21は最も優勢な精製サポニンの一つであった。このサポニンは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、低圧液体シリカクロマトグラフィーおよび親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)により実質的に精製されている。QS-21は、粗サポニン調製物に関する毒性作用なしに、以前に利用可能であった不均一サポニン調製物よりも低い濃度で、個体の免疫応答を促進する免疫アジュバントとして有用であることが判明している。
【0003】
QS-21は、膜分解性トリテルペングリコシドサポニンである。それはウシ血清アルブミンとほぼ同じ半径のミセルを形成し(Kensil, 米国特許第5,057,540号)、PBS中で約50μg/mlの臨界ミセル濃度を有する(Soltysik, S., et al., 1995, Vaccine 13:1403-1410)。
【0004】
抗原+QS-21を含むアジュバント製剤の有効性は、アジュバント投与量と免疫学的機能の関係を扱う実験(用量−応答実験)において評価できる。アジュバント有効性の減少は、免疫応答を促進するのに必要な最低投与量(閾値)を増加すると予測される。望ましい組成物は、参考として使用する製剤と同等かより良い有効性を維持することを期待される。QS-21に関して、参考製剤はリン酸緩衝食塩水(PBS)または食塩水の単純溶液である。
【0005】
QS-21のアジュバント活性は、マウスのような動物モデルで評価する。測定する主な反応は、抗原特異的抗体および抗原特異的細胞毒性Tリンパ球(CTL)の増加である。マウス免疫応答(抗体またはCTL)を増加するQS-21の閾値投与量は、PBSのような単純緩衝液中で測定する。2.5μgの投与量が、C57BL/6マウスのPBS中の抗原卵白アルブミン(OVA)に対する抗体(Kensil, C.R., et al., 1993, Vaccine Research 2:273-281)およびCTL(Newman, M.J., et al., 1992, J. Immunology 148:2357-2362)に関する閾値として示されている。同様な閾値が、水酸化アルミニウムがPBS製剤に含まれている場合に観察された(Kensil, C.R., et al., 1993, Vaccine Research 2:273-281)。しかし、投薬されたアジュバントの異なる組成物の間で、有効性に差があり得ることが予測される。
【0006】
これらの有益な性質にもかかわらず、QS-21は同様にありがたくない性質を有する。例えば、QS-21はリン脂質バリアーと結合し、ある細胞膜(即ち、赤血球)に細胞溶解作用を引き起こす。QS-21はヒツジ赤血球のリン脂質バリアーに吸着し、赤血球にヘモグロビンを放出させる。溶血として既知のこのヘモグロビン放出は、食塩水またはPBSのような単純緩衝液で約5−7μg/mlの濃度で起こる(Kensil, C.R., et al., 1991, J. Immunology 146:431-437)。高い濃度で(QS-21の臨界ミセル濃度以上で)、赤血球膜の完全な溶解が起こる。QS-21の溶解作用は、従って、組成物で望ましくない性質である。
【0007】
インビボ実験において、溶血は示されていない。しかし、QS-21/食塩水溶液をニュージーランド白ウサギに筋肉内注射した後、軽ないし中程度の繊維芽細胞損傷または壊死が、注射部位を組織学的に分析したとき、複数匹の動物で示される(Kensil, C.R., et al., 1995, In: Vaccine Design: The Subunit and Adjuvant Approach, Powell, M.F. and Newman, M.J., Eds., Plenum Press, NY)。更に、筋肉損傷のマーカーであるクレアチンキナーゼが、食塩水またはPBS中のQS-21の注射後に増加する。この上昇は、細胞膜へのQS-21の細胞溶解作用のためであると考えられる。
【0008】
更に、臨床試験において、複数の個体は、単純緩衝液(食塩水またはPBS)中のQS-21の注射後、急激な一過性疼痛を経験している。この疼痛は、殆どの個体により焼けるように痛いと記載されており、QS-21アジュバントの溶解作用に付随する2次的反応であり得る。患者の疼痛は、さらにまた、組成物の不快な特性である。
【0009】
生産物安定性は、QS-21含有組成物の他の懸念である。ワクチン生産物の貯蔵寿命は、一般的に定義されたそして許容される低レベルの分解に到達するまでの時間と定義される(t90としても既知の10%分解までの時間のような)。殆どの商品ワクチン生産物は、4℃の冷蔵庫に貯蔵したとき、少なくとも18から24ヶ月の貯蔵寿命を有する。ワクチンの必須成分であるアジュバントは、従って、同様に長い貯蔵寿命を有しなければならない。しかし、QS-21の50μg/ml溶液の貯蔵寿命は、pH7.0で4℃で約3ヶ月に達する。短い貯蔵寿命の理由は、QS-21のエステル結合が増加したpHで不安定性を増加させることおよび、ミセルと反対に、QS-21のモノマーが加水分解に付されるためである。QS-21アジュバントの安定化組成物の必要性が明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(発明の要約)
低い局所反応および副作用だけでなく、減少した細胞溶解作用、改善されたQS-21に対する耐容性、増加された安定性を有する、相対的に低投与量で、抗原性免疫応答をブーストするのに使用し得るサポニンアジュバントQS-21の組成物の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明は、食塩水またはPBSのようなQS-21の単純溶液と比較して、これらの改善された特性を有するQS-21の新規組成物を提供する。驚くべきことに、記載の組成物におけるQS-21の完全なアジュバント有効性は、PBS中のQS-21の対照製剤と比較して妥協していない。
【0012】
(好ましい態様の記載)
本発明のサポニンは、木キラジャ・サポナリア・モリナから得られ得る。
本明細書で使用する“サポニン”なる用語は、水性溶液中で泡を形成し、ほとんどの場合溶血活性を有し、免疫アジュバント活性を有する配糖体トリテルペノイド化合物を含む。本発明は、サポニンそれ自体およびその生物学的活性フラグメントを含む。
【0013】
本発明はまた、1個またはそれ以上の実質的に純粋なサポニンフラクションを含む免疫学的組成物のような組成物、およびこれらの組成物を免疫アジュバントとして使用する方法に関する。
より具体的に、本発明の組成物は、サポニンアジュバント含有製剤のインビトロ細胞溶解作用を減少し得る。他の好ましい組成物は、サポニンの最大アジュバント活性を維持し得るものである。更に別の好ましい組成物は、サポニンアジュバント含有組成物のアルカリ加水分解からの安定性を増加し得る。他の組成物は、好ましくは、サポニンアジュバントを含む製剤のサポニンアジュバント付随疼痛に対する個体の耐容性を改善し得る。
【0014】
その内容を全て引用して本明細書に包含させるKensil, et al., 米国特許第5,057,540号に記載のように、このようなサポニンのアジュバント活性は、当業者に既知の多くの方法で決定し得る。アジュバントの投与による特異的抗原に対する抗体の抗体力価の上昇は、アジュバント活性の基準として使用し得る。(Dalsgaard, Acta Verterinia Scandinavica, 69:1(1978); Bomford, Int. Archs. Allergy Appl. Immun. 77:409(1985)。)簡単に、このような試験の一つはCD-1マウスに種々の量の可能性のあるアジュバントと混合した抗原(例えば、即ち、ウシ血清アルブミン、BSA)を皮下的に注射することを含む。血清を2週間後にマウスから採取し、抗−BSA抗体のELISAにより試験する。
【0015】
“QS-21”は、メタノール/水(58/42、v/v)中の40mM酢酸中のVydac C4の逆相HPLC(5μm粒子サイズ、300Åポア、4.6mmID×25cml)で、単一ピークとして出現するQS-21-V1およびQS-21-V2の異性体成分の混合物を意味する。成分フラクションは、更に精製した成分で行う実験を記載する時、具体的にQS-21-V1およびQS-21-V2と言う。
【0016】
“実質的に純粋”なる用語は、その天然の状態で通常サポニンと結合する化合物が実質的になく、一定で再現性のあるクロマトグラフィー反応、溶出プロフィールおよび生物学的活性を示すことを意味する。“実質的に純粋”なる用語は、サポニンと他の化合物の人工的または合成的混合物を除くことは意味しない。
【0017】
実質的に純粋なQS-7サポニン(米国特許第5,057,540号ではまたQA-7とも呼ばれる)は、免疫アジュバント活性を有し、乾燥重量当り約35%の炭水化物(アントロンとして評価して)を含み、205−210nmのUV吸収最大を有し、メタノール/水(58:42;v/v)中の40mM酢酸の溶媒中、1ml/分の流速での5μm粒子サイズ、300Åポア、4.6mmID×25cmLを有するVydac C4カラムにおけるRP-HPLCにて約9−10分の保持時間を有し、5μm粒子サイズ、300Åポア、10mMID×25cmLを有するVydac C4カラムから40mM酢酸溶媒中50−80%メタノールでの勾配溶出において52−53%メタノールで溶出し、水中で約0.06%(w/v)のおよびリン酸緩衝食塩水中で0.07%(w/v)の臨界ミセル濃度を有し、200μg/mlまたはそれ以下でヒツジ赤血球の検出可能な溶血を引き起こさない、そしてモノサッカライド残基末端ラムノース、末端キシロース、末端グルコース、末端ガラクトース、3−キシロース、3,4−ラムノース、2,3−フコースおよび2,3−グルクロン酸およびアピオース(結合は解析されていない)を含むとして特徴付けられる。
【0018】
実質的に純粋なQS-17サポニン(米国特許第5,057,540号ではQA-17とも呼ばれる)は、免疫アジュバント活性を有し、乾燥重量当り約29%の炭水化物(アントロンとして評価して)を含み、205−210nmのUV吸収最大を有し、メタノール/水(58:42;v/v)中の40mM酢酸の溶媒中、1ml/分の流速での5μm粒子サイズ、300Åポア、4.6mmID×25cmLを有するVydac C4カラムにおけるRP-HPLCにて約35分の保持時間を有し、5μm粒子サイズ、300Åポア、10mMID×25cmLを有するVydac C4カラムから40mM酢酸溶媒中50−80%メタノールでの勾配溶出において63−64%メタノールで溶出し、水中で約0.06%(w/v)のおよびリン酸緩衝食塩水中で0.03%(w/v)の臨界ミセル濃度を有し、25μg/mlまたはそれ以上でヒツジ赤血球の溶血を引き起こし、そしてモノサッカライド残基末端ラムノース、末端キシロース、2−フコース、3−キシロース、3,4−ラムノース、2,3−グルクロン酸、末端グルコース、2−アラビノース、末端ガラクトースおよびアピオース(結合は解析されていない)を含むとして特徴付けられる。
【0019】
実質的に純粋なQS-18サポニン(米国特許第5,057,540号ではQA-18とも呼ばれる)は、免疫アジュバント活性を有し、乾燥重量当り約25−26%の炭水化物(アントロンとして評価して)を含み、205−210nmのUV吸収最大を有し、メタノール/水(58:42;v/v)中の40mM酢酸の溶媒中、1ml/分の流速での5μm粒子サイズ、300Åポア、4.6mmID×25cmLを有するVydac C4カラムにおけるRP-HPLCにて約38分の保持時間を有し、5μm粒子サイズ、300Åポア、10mMID×25cmLを有するVydac C4カラムから40mM酢酸溶媒中50−80%メタノールでの勾配溶出において64−65%メタノールで溶出し、水中で約0.04%(w/v)のおよびリン酸緩衝食塩水中で0.02%(w/v)の臨界ミセル濃度を有し、25μg/mlまたはそれ以上でヒツジ赤血球の溶血を引き起こし、そしてモノサッカライド残基末端アラビノース、末端アピオース、末端キシロース、末端グルコース、末端ガラクトース、2−フコース、3−キシロース、3,4−ラムノース、および2,3−グルクロン酸を含むとして特徴付けられる。
【0020】
実質的に純粋なQS-21サポニン(米国特許第5,057,540号ではQA-21とも呼ばれる)は、免疫アジュバント活性を有し、乾燥重量当り約22%の炭水化物(アントロンとして評価して)を含み、205−210nmのUV吸収最大を有し、メタノール/水(58:42;v/v)中の40mM酢酸の溶媒中、1ml/分の流速での5μm粒子サイズ、300Åポア、4.6mmID×25cmLを有するVydac C4カラムにおけるRP-HPLCにて約51分の保持時間を有し、5μm粒子サイズ、300Åポア、10mMID×25cmLを有するVydac C4カラムから40mM酢酸溶媒中50−80%メタノールでの溶出勾配において69−70%メタノールで溶出し、水中で約0.03%(w/v)のおよびリン酸緩衝食塩水中で0.02%(w/v)の臨界ミセル濃度を有し、そして25μg/mlまたはそれ以上でヒツジ赤血球の溶血を引き起こすとして特徴付けられる。実質的に純粋なQS-21-V1およびQS-21-V2サポニンの成分フラクションはFAB-MSで同じ分子量および同一スペクトルを有する。それらは、QS-21-V1が末端アピオースを有し、それがQS-21-V2ではキシロースである(従って、二つの末端キシロースを有し、アピオースを有しない)ことのみ異なる。二つの成分は、更に、モノサッカライド末端アラビノース、末端アピオース、末端キシロース、4−ラムノース、末端ガラクトース、2−フコース、3−キシロースおよび2,3−グルクロン酸を含む。
【0021】
本発明は、またサポニンアジュバントの不純形を含む。例えば、一つの好ましい態様は、“Quil A”として既知の不均一サポニンアジュバントである。Quil Aの商品調製物は、Superfos(Vedbeak, Denmark)から入手可能であり、南アメリカの木であるキラジャ・サポナリア・モリナの樹皮から単離されている。Quil Aは、トリテルペノイドキライックアシッド(quillaic acid)にグリコシド結合した炭水化物部分として化学的に特徴付けられる。Quil Aは免疫アジュバント活性を有し、5μm粒子サイズ、300Åポア、4.6mMID×25cmLを有するVydac C4カラムで、メタノール水中の40mM酢酸の溶媒中で、RP-HPLCで20のピークに分離する(米国特許第5,057,540号)。
【0022】
本発明はまた本発明のサポニンアジュバント、抗原および賦形剤を含む組成物に関する。好ましくは、アジュバントはQS-21である。好ましくは、賦形剤は非イオン性界面活性剤、ポリビニルピロリドン、ヒト血清アルブミン、水酸化アルミニウム、麻酔作用を有する薬剤、および種々の非修飾および誘導体化シクロデキストリンであり得る。より好ましくは、非イオン性界面活性剤はポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80を含み得る。ポリビニルピロリドンは好ましくは、薬学的グレードのポリビニルピロリドンであるPlasdone C15であり得る。麻酔作用を有する薬剤は、好ましくはベンジルアルコールである。好ましいシクロデキストリンは、インビトロで赤血球のQS-21溶解を減少させるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである。
【0023】
本明細書で使用の“免疫アジュバント”なる用語は、個体に投与した時またはインビトロで試験した時、抗原を投与した個体または試験系の抗原に対する免疫応答を増加させる化合物を意味する。好ましくは、このような個体はヒトであるが、本発明はこのような限定を意図しない。本発明のワクチンの有益な効果を経験し得る動物が、請求した本発明に従って処置し得る動物の範囲内である。ある抗原は、単独で投与した時弱い免疫原であるか、個体に免疫応答を引き起こす濃度で個体に毒性である。免疫アジュバントは、抗原をより強い免疫原にすることにより、個体の抗原に対する免疫応答を促進し得る。アジュバント効果は、また個体で免疫応答を達成するのに必要な抗原の用量を低下し得る。
【0024】
本発明のサポニンは、抗原に対する免疫応答の促進に利用し得る。本発明の免疫応答刺激組成物に適当な典型的な抗原は、以下のもの由来の抗原を含む:インフルエンザ、ネコ白血病ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、HIV-1、HIV-2、狂犬病、麻疹、B型肝炎または口蹄疫のようなウイルス、炭疽、ジフテリア、ライム病または結核のような細菌;またはBabeosis bovisまたはマラリア原虫のような原生動物。抗原は、タンパク質、ペプチド、ポリサッカライド、脂質またはタンパク質またはペプチドをコードする核酸であり得る。タンパク質、ペプチド、脂質または核酸は、天然源から精製し得、固相合成の手段で合成し得るか、または組換え遺伝学の手段で得られ得る。
【0025】
本発明の方法に有用な組成物の投与は、非経腸、静脈内、筋肉内、皮下、経鼻、経口または他の適当な手段によりなし得る。投与量は、年齢、体重、種、もしあれば、同時処置の種類、投与経路および投与する抗原の性質に依存し得る。一般に、サポニンおよび抗原を、個体の体重当り約0.001から約1.0mg/kgのサポニンアジュバントまたは抗原の投与量で投与する。最初の投与の後に、免疫応答を促進するための約4週間後の追加刺激を続け得る。更なる追加刺激も投与し得る。
【0026】
本発明の方法に有用な有効な化合物は、経口投与のためのカプセル、溶液、懸濁液またはエリキシル、または溶液または懸濁液のような滅菌液体形のような形で用い得る。本発明のワクチンは、非経腸、経鼻または経口で投与し得る。
【0027】
他の好ましい態様は、個体に有効量のQS-21および賦形剤を投与することを含む、免疫アジュバント組成物のインビトロ細胞溶解作用を減少する方法である。好ましくは、賦形剤は非イオン性界面活性剤、ポリビニルピロリドン、ヒト血清アルブミン、水酸化アルミニウム、麻酔作用を有する薬剤、および種々の非修飾および誘導体化シクロデキストリンであり得る。より好ましくは、非イオン性界面活性剤はポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80を含み得る。ポリビニルピロリドンは、好ましくは、薬学的グレードのポリビニルピロリドンであるPlasdone C15であり得る。麻酔作用を有する薬剤は、好ましくはベンジルアルコールである。好ましいシクロデキストリンは、インビトロで赤血球のQS-21溶解を減少させるヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであるEncapsineである。
【0028】
本発明の範囲内の他の好ましい方法は、個体に有効量のQS-21および賦形剤を投与することを含む、QS-21の最大アジュバント活性を維持する方法および、有効量のQS-21および賦形剤を投与することを含む、投与された個体のサポニンアジュバント付随疼痛への耐容性を改善する方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1A】図1は、種々の組成物のアジュバント有効性を示すグラフを記載する。図1Aは、Balb/cマウスの異なる濃度のQS-21での卵白アルブミンに対する免疫応答におけるポリソルベート40、ポリソルベート60、およびポリソルベート80の効果を示す。
【図1B】図1は、種々の組成物のアジュバント有効性を示すグラフを記載する。図1Bは、Balb/cマウスの異なる濃度のQS-21での卵白アルブミンに対する免疫応答におけるメチル−β−シクロデキストリンの効果を示す。
【図2】図2は、T−非依存的ポリサッカライド抗原に対するタイプ14 IgG3抗体におけるポリソルベート80およびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの効果を示すグラフを記載する。
【図3】図3は、試験1のQS-21アジュバント組成物における種々の賦形剤に関する疼痛の患者の耐容性を示す棒グラフである。この図は、0=痛みなし、1=軽い痛み、4−7=中程度の痛みおよび8−10=ひどい痛みである、痛みなし、軽い痛み、中程度の痛みまたはひどい痛みとして分類する疼痛得点として示す。
【図4】図4は図3の疼痛に対する患者の耐容性の個々の得点を示す。この図は、投薬した製剤の注射直後の個々の痛みの得点を、0が痛みなし、および10が最大の痛みである0−10の目盛りで示す。
【図5】図5は、試験2のQS-21アジュバント組成物における種々の賦形剤に関する疼痛の患者の耐容性を示す棒グラフである。この図は、0=痛みなし、1=軽い痛み、4−7=中程度の痛みおよび8−10=ひどい痛みである、痛みなし、軽い痛み、中程度の痛みまたはひどい痛みとして分類する疼痛得点として示す。
【図6】図6は図5の疼痛に対する患者の耐容性の個々の得点を示す。この図は、投薬した製剤の注射直後の個々の痛みの得点を、0が痛みなし、および10が最大の痛みである0−10の目盛りで示す。各製剤の平均および中央値を各製剤の下に示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施例)
種々の賦形剤が、新規組成物としてのQS-21との組合わせで評価された。これらは種々の非イオン性界面活性剤(Triton X-100、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80)、ポリビニルピロリドン(Plasdone C15)、ヒト血清アルブミン、水酸化アルミニウム、麻酔作用を有する薬剤(ベンジルアルコール)および種々の非修飾および誘導体化シクロデキストリン(ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン)を含む。最終製剤は、QS-21の細胞溶解作用を減少する、ヒトにおけるQS-21付随疼痛への耐容性を改善する、水溶液中でQS-21を安定化する、および/またはPBS中のQS-21の対照製剤に対する最大アジュバント効果を維持する能力に関して評価した。
【実施例1】
【0031】
QS-21の細胞溶解作用を減少させる組成物
単純インビトロアッセイを使用して、QS-21の細胞溶解作用を減少させる賦形剤をスクリーニングした。QS-21の細胞溶解作用は、ヒツジ赤血球の溶血のアッセイで決定できる。簡単に、提供された賦形剤中のQS-21の種々の2倍連続希釈を丸底マイクロタイタープレートに準備する(100μl/ウェル)。全てのプレートは、賦形剤を含むが、QS-21を含まないコントロールウェルを含む。QS-21の濃度は1.56から200μg/mlの範囲である。合計量25μlのヒツジ赤血球(PBSで洗浄)を各ウェルに添加し、QS-21/賦形剤溶液と混合し、環境温度で30分インキュベートする。インキュベーションの終了後に、丸底プレートを2000rpmで5分遠心し、非溶解細胞を沈降させる。全量75μlの上清(放出されたヘモグロビンを含む)を平底96ウェルプレートの同等のウェルに移す。平底プレートを2000rpmで5分遠心し、気泡を壊す。570nmでの吸光度をマイクロタイタープレートリーダーで読む。570nmでの吸光度を、x軸にプロットしたQS-21濃度に対してy軸にプロットする。完全な細胞ペレットが観察されなかったウェルの上清中のヘモグロビンの吸光度を最大溶血と定義する。QS-21の溶血指数は、最大吸光度の50%と同等な吸光度を産生するQS-21の濃度として定義する。QS-21の細胞溶解作用を減少させる賦形剤は、溶血指数を上昇させると予期される。
【0032】
第1表は、種々の賦形剤におけるQS-21の溶血指数を記載する。全ての賦形剤をQS-21非存在下で試験した。QS-21の非存在下において、溶血は示されず、賦形剤製剤が等張性であることが示された。QS-21の細胞溶解作用の低減(溶血指数の増加)に有効であることが示された賦形剤は、食塩水中のヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、水酸化アルミニウムおよびポリソルベート80であった。
【0033】
【表1】

【実施例2】
【0034】
他のサポニンの細胞溶解作用を減少させる組成物
他のサポニンアジュバントも、QS-21と程度は異なるが、溶血性であるとして既知である。これらのサポニンは、実質的に純粋なQS-7、QS-17およびQS-18を含む。加えて、Quil Aのような不均一アジュバントサポニンは溶血性である。実質的に純粋なQS-7および不均一Quil Aの溶血指数におけるポリソルベート80およびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの作用の例を第2表に示す。ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、QS-7の細胞溶解作用の減少(溶血指数の増加)に有効であることが示された。ポリソルベート80およびヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、Quil Aの細胞溶解作用の低減(溶血指数の増加)に有効であることが示された。
【表2】

【実施例3】
【0035】
QS-21を安定化する組成物
QS-21はアシル化ビデスモディックトリテルペンサポニンである。フコースのヒドロキシル残基に結合した脂肪酸エステルを有する。水溶液において、この脂肪酸エステルは二つの隣接したヒドロキシル基(フコース3、4)の間を移動し、二つの平衡異性体を形成する(Jacobsen, N.E., Fairbrother, W.J., et al., 1996, Carbohydrate Research 280:1-14)。優勢な異性体はフコース4でアシル化され、劣勢の異性体はフコース3でアシル化される。このエステル結合はQS-21における最も不安定な結合であり、アルカリ条件下で加水分解されて脱アシル化サポニンおよび脂肪酸−アラビノースドメインを形成する。脱アシル化サポニンおよび脂肪酸ドメインは両方とも免疫学的アジュバントとして不活性である(Kensil, C.R., et al., 1996, In: Saponins Used in Traditional and Modern Medicine, Waller and Yamaski, Eds., Plenum Press, NY, 165-172)。種々の条件がこのエステル結合の安定化に影響する(Cleland, J.L., et al., 1996, J. Pharmaceutical Sciences 85:22-28)。更に、QS-21のモノマー形がミセル形よりも加水分解を受けやすい。
【0036】
QS-21の貯蔵寿命の例を第3表に示す。50μg/ml QS-21溶液でpH7.0および4℃での水溶液貯蔵寿命は、わずか94日または約3ヶ月と示された。これはQS-21アジュバントを含む典型的臨床ワクチン製剤(生理学的pH緩衝液(pH7.0−7.5)中に50−200μg/mlの濃度でQS-21を含む)の典型である。このため、単純緩衝液および低い濃度の塩溶液において、QS-21生産物は望ましい安定性プロフィールを維持しない。しかし、安定性に関する幾分かの改善が、QS-21生産物の増加した濃度により達成できる。例えば、500μg/ml QS-21溶液のpH7.0で4℃での貯蔵寿命は717日、または23.9ヶ月と示された。しかし、濃縮QS-21溶液は、必ずしも低用量のアジュバントの投与の実際的な方法ではない。例えば、500μg/ml溶液から25μgの投与は、0.05mlの投与量を回収できるシリンジを必要とする。更に、幾分改善された安定性は、低いpH、即ち、pH6.0で達成できる。しかし、生理学的pH範囲よりも実質的に低いpHは十分耐容性でないか、抗原と適合し得ない。
【0037】
【表3】

【0038】
水溶液中のQS-21の安定性を評価する他の方法は、37℃での加速安定性アッセイにおけるHPLCによる溶液のアッセイであった。これはワクチンの貯蔵に使用される温度(4℃)ではないが、37℃でのこのアッセイが提供された賦形剤の粉末の相対的安定性を示すことが予期された。例えば、37℃で2倍までt90値を延ばす賦形剤は、4℃で2倍までt90値を延ばすと予期される。
【0039】
具体的に、QS-21(100μg/ml)をPBS中の種々の賦形剤中にpH7.0で調製した。溶液を37℃で7日間インキュベートした。7日の終りに、溶液を逆相HPLCでアッセイして、分解の程度を測定した。データをx軸の時間に対する対数(フラクションQS-21 t=7/QS-21 t=0日)としてプロットした。10%分解(t90)までの時間は、このプロットから外挿された。
【0040】
第4表は、種々の賦形剤中のQS-21のt90値を示す。QS-21の安定化は、t90の増加により示される。QS-21を少なくとも2倍安定化する賦形剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、天然QuillajaサポニンQS-7、およびQS-21のアルカリ加水分解由来の脱アシル化サポニン(DS-1)である。
【表4】

【0041】
加えて、0.9%ベンジルアルコール、およびPlasdone C15をQS-21を安定化する能力に関して評価した(第5表)。全てのQS-21濃度およびインキュベーション時間は、本実験において、QS-21製剤を、pH7.5でダルベッコのPBS(カルシウムまたはマグネシウムなし)中で準備した以外、同じであった。予期されるように、高いpHはPBS中でQS-21の早い分解をもたらした。しかし、Plasdone C15はQS-21を安定化した。
【0042】
【表5】

【実施例4】
【0043】
組成物のアジュバント有効性
図1Aおよび図1Bは、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80およびメチル−β−シクロデキストリンの、OVA+種々のQS-21に対するBalb/cマウスの免疫反応における効果を示す。雌マウス(10匹/グループ、最初の免疫化の時、8−10週齢)を、PBS単独またはPBS中の2mg/ml賦形剤中の5μgのOVAおよびQS-21の示される投与量で、皮下的に免疫化した。追加刺激免疫化を2週目に同じ経路で投与した。血清を、4週目に抗−OVA応答のEIA分析のために採取した。マウスをOVA−特異的IgG2aに関して、標準EIA分析で分析した(Kensil, C.R., et al., 1993, Vaccine Research 2:273-281)。QS-21は、PBS中で測定した閾値の2倍以内で全ての賦形剤中で活性であった。抗体応答の同じ最大レベルに、最適アジュバント量(典型的に10μgまたはそれ以上)で到達した。
【0044】
図2はT−非依存的ポリサッカライド抗原に対する抗体応答における賦形剤の効果を示す。Balb/cマウスを商品23-価S. pneumoniaポリサッカライドワクチン(Pnu-Imune、0.5μg/血清型)およびPBS、PBS中の4mg/mlポリソルベート80、またはPBS中の16mg/mlヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン中の異なる量のQS-21で皮下的に免疫した。抗−タイプ14IgGを、1回免疫化の後7日目に採取した血清におけるEIAで測定した。製剤中のポリソルベート80またはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンのいずれも、タイプ14ポリサッカライド血清型特異的IgG3応答の刺激に関するワクチンの有効性を減少しなかった。
【実施例5】
【0045】
組成物の臨床試験−試験1
種々のQS-21組成物を、組成物の疼痛耐容性の試験のために患者に投与した。15名のボランティアを雇い、4回の筋肉内注射をし、各注射は1週間間隔であった。試験は、無作為2重盲検定で行った。製剤の3つはダルベッコのPBS(カルシウムまたはマグネシウムなし)、PBS中の4mg/mlポリソルベート80、または食塩水中の1mg/mlの水酸化アルミニウム中に50μg QS-21を含んだ。4つ目の製剤はQS-21なしのPBSコントロールであった。ボランティアに、注射後最初の5分の即時の疼痛を0から10の尺度で尋ねた(0=痛みなし、1−3=軽い、4−7=中程度、8−10=ひどい)。結果は図3に示す。疼痛に対する患者の耐容性の図3に示す累積得点を、個々の得点として図4に示す。4mg/mlポリソルベート80を含むQS-21製剤は、PBS中のQS-21と比較して改善された疼痛耐容性をもたらした。この具体的な製剤の最高得点は5であった。
【実施例6】
【0046】
組成物の臨床試験−試験2
種々の他のQS-21組成物を、組成物の疼痛耐容性の試験のために患者に投与した。15名のボランティアを雇い、4回の筋肉内注射をし、各注射は1週間間隔であった。試験は、無作為2重盲検定で行った。評価した賦形剤は、ベンジルアルコール、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよび、インビトロで赤血球のQS-21細胞溶解を減少する4mg/mlポリソルベート80よりも有効であることが示された高投与量のポリソルベート80であった。試験した5種の製剤は(1)プラセボコントロールとして働く1mg/ml水酸化アルミニウム;(2)食塩水中の0.72%ベンジルアルコール中の50μg QS-21;(3)30mg/mlヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン中の50μg QS-21;(Encapsin, Janssen Biotech N.V., Olen, Belgium)(4)8mg/mlポリソルベート80中の50μg QS-21;および(5)陽性コントロール製剤として働くPBS(カルシウムまたはマグネシウムなしのダルベッコのPBS)中の50μg QS-21であった。ボランティアに、注射後最初の5分の即時の疼痛を0から10の尺度で尋ねた(0=痛みなし、1−3=軽い、4−7=中程度、8−10=ひどい)。結果は図5に示す。患者の疼痛に対する耐容性の図5に示す累積得点を、個々の得点として図6に示す。全ての賦形剤は、PBS中のQS-21に付随する平均および中央値疼痛得点の減少を示した。QS-21/Encapsin製剤の最高の一人の得点は5であり、これは6点一人および5点二人のQS-21/ポリソルベート80と匹敵した。
【0047】
本発明を完全に記載しており、当業者には多くの変化および修飾を、明示の本発明の精神および範囲から逸脱することなく行うことができることは明白である。
【0048】
本発明は、以下を提供する。
(1)サポニンアジュバントのインビトロ細胞溶解作用が減少される、抗原、サポニンアジュバントおよび賦形剤を含む組成物。
(2)サポニンアジュバントが実質的に純粋なサポニンアジュバントである、(1)記載の組成物。
(3)実質的に純粋なサポニンアジュバントがQS-7またはQS-21である、(2)記載の組成物。
(4)サポニンアジュバントが不均一サポニンアジュバントである、(1)記載の組成物。
(5)不均一サポニンアジュバントがQuil Aである、(4)記載の組成物。
(6)抗原がペプチド、タンパク質、ポリサッカライド、脂質またはペプチドまたはタンパク質をコードする抗原である、(1)記載の組成物。
(7)賦形剤が非イオン性界面活性剤である、(1)記載の組成物。
(8)非イオン性界面活性剤がポリソルベートである、(7)記載の組成物。
(9)ポリソルベートがポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60またはポリソルベート80である、(8)記載の組成物。
(10)賦形剤がシクロデキストリンである、(1)記載の組成物。
(11)シクロデキストリンがβ−シクロデキストリンである、(10)記載の組成物。
(12)β−シクロデキストリンがヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである、(11)記載の組成物。
(13)組成物が更にQS-21の最大アジュバント活性を維持する、(1)記載の組成物。
(14)サポニンアジュバントが実質的に純粋なサポニンアジュバントである、(13)記載の組成物。
(15)実質的に純粋なサポニンアジュバントがQS-7またはQS-21である、(14)記載の組成物。
(16)サポニンアジュバントが不均一サポニンアジュバントである、(13)記載の組成物。
(17)不均一サポニンアジュバントがQuil Aである、(16)記載の組成物。
(18)抗原がペプチド、タンパク質、ポリサッカライド、脂質またはペプチドまたはタンパク質をコードする抗原である、(13)記載の組成物。
(19)賦形剤が非イオン性界面活性剤である、(13)記載の組成物。
(20)非イオン性界面活性剤がポリソルベートである、(19)記載の組成物。
(21)ポリソルベートがポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60またはポリソルベート80である、(20)記載の組成物。
(22)賦形剤がシクロデキストリンである、(13)記載の組成物。
(23)シクロデキストリンがβ−シクロデキストリンである、(22)記載の組成物。
(24)β−シクロデキストリンがヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである、(23)記載の組成物。
(25)組成物が更に安定性を有する、(1)記載の組成物。
(26)サポニンアジュバントが実質的に純粋なサポニンアジュバントである、(25)記載の組成物。
(27)実質的に純粋なサポニンアジュバントがQS-7またはQS-21である、(26)記載の組成物。
(28)サポニンアジュバントが不均一サポニンアジュバントである、(25)記載の組成物。
(29)不均一サポニンアジュバントがQuil Aである、(28)記載の組成物。
(30)抗原がペプチド、タンパク質、ポリサッカライド、脂質またはペプチドまたはタンパク質をコードする抗原である、(25)記載の組成物。
(31)賦形剤が非イオン性界面活性剤である、(25)記載の組成物。
(32)非イオン性界面活性剤がポリソルベートである、(31)記載の組成物。
(33)ポリソルベートがポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60またはポリソルベート80である、(26)記載の組成物。
(34)組成物が更に投与された個体のサポニンアジュバント付随疼痛の耐容性を改善されている、(1)記載の組成物。
(35)サポニンアジュバントが実質的に純粋なサポニンアジュバントである、(34)記載の組成物。
(36)実質的に純粋なサポニンアジュバントがQS-7またはQS-21である、(35)記載の組成物。
(37)サポニンアジュバントが不均一サポニンアジュバントである、(34)記載の組成物。
(38)不均一サポニンアジュバントがQuil Aである、(37)記載の組成物。
(39)抗原がペプチド、タンパク質、ポリサッカライド、脂質またはペプチドまたはタンパク質をコードする抗原である、(34)記載の組成物。
(40)賦形剤が非イオン性界面活性剤である、(34)記載の組成物。
(41)非イオン性界面活性剤がポリソルベートである、(40)記載の組成物。
(42)ポリソルベートがポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60またはポリソルベート80である、(41)記載の組成物。
(43)賦形剤がシクロデキストリンである、(34)記載の組成物。
(44)シクロデキストリンがβ−シクロデキストリンである、(43)記載の組成物。
(45)β−シクロデキストリンがヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである、(44)記載の組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
QS-21およびポリソルベートを含む、溶液である組成物であって、ポリソルベートを含まないものと比較して、QS-21の安定性が向上されている組成物。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−162559(P2011−162559A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111575(P2011−111575)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【分割の表示】特願2000−507397(P2000−507397)の分割
【原出願日】平成10年8月28日(1998.8.28)
【出願人】(504371365)アンチジェニックス・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】ANTIGENICS INC.
【Fターム(参考)】