説明

アセンブリ構成ファイル生成システム及びアセンブリ生成システム

【課題】設計者の負担を軽減し、かつ、組み付けミスを防止することのできるアセンブリ構成ファイル生成システムを得る。
【解決手段】ファイル作成部11はアセンブリデータ1と部品データ2を入力し、列定義13と行定義14とに基づいてアセンブリ構成ファイル3を生成する。アセンブリ構成ファイル3は、各部品名の順序が各部品の配置を示している。また、部品毎に空間的な位置と方向とを示す値を保持している。更に、親アセンブリの一階層下までを一つの単位とし、単位毎に区切られている。また、アセンブリデータ1中に同じアセンブリが存在した場合、二つ目以降のアセンブリはアセンブリ名のみ記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元CADで設計対象物のアセンブリを生成するためのアセンブリ構成ファイル生成システム及びアセンブリ生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3次元CADにおいて設計対象物のアセンブリを生成する場合は、例えば設計リーダが設計対象物のアセンブリ構成を作成し、その構成に従い設計者が3次元CADで設計対象物のアセンブリを作成していた。また、設計者は各部品の組み付け作業を繰り返すことでアセンブリを作成していた。
また、従来、例えば特許文献1に記載されているように、CADモデルのデータからCADモデルに対応した解析モデルを生成するようにしたものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−265836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のアセンブリ生成作業では設計者が手作業で行うため、部品の選択ミスや組み付ける場所の間違いといった組み付けミスが発生することがあった。また、設計対象物によってはアセンブリを構成する部品が非常に多いものがあり、このようなアセンブリでは、同じ組み付け作業を何度も繰り返し行うことから設計者の負担が大きいという問題点もあった。
また、特許文献1に記載されているような従来のシステムは、生成するのが解析モデルであるため、アセンブリを生成するには適用できないものであった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、設計者の負担を軽減し、かつ、組み付けミスを防止することのできるアセンブリ構成ファイル生成システム及びアセンブリ生成システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るアセンブリ構成ファイル生成システムは、3次元CADモデルのアセンブリデータから、各部品名の順序が当該各部品の配置を示すアセンブリ構成ファイルを出力するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明のアセンブリ構成ファイル生成システムは、3次元CADモデルのアセンブリデータから、各部品名の順序が当該各部品の配置を示すアセンブリ構成ファイルを出力するようにしたので、設計者の負担を軽減し、かつ、組み付けミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるアセンブリ構成ファイル生成システムを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるアセンブリ構成ファイル生成システムのハードウェア構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるアセンブリ構成ファイル生成システムのアセンブリ構成を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるアセンブリ構成ファイル生成システムのアセンブリ構成ファイルを示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるアセンブリ構成ファイル生成システムの列定義を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2によるアセンブリ生成システムを示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態2によるアセンブリ生成システムで用いるアセンブリ構成ファイルを示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2によるアセンブリ生成システムのアセンブリ構成を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるアセンブリ生成システムのハードウェア構成図である。
【図10】この発明の実施の形態2によるアセンブリ生成システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるアセンブリ構成ファイル生成システムを示す機能ブロック図である。
また、図2は、アセンブリ構成ファイル生成システム10を実現するためのハードウェア構成図である。
図1に示すアセンブリ構成ファイル生成システム10は、ファイル作成部11、起動手段12、列定義13、行定義14を備えている。ファイル作成部11は、アセンブリデータ1と部品データ2とを入力して、列定義13と行定義14とに基づいてアセンブリ構成ファイル3を生成する機能部である。尚、アセンブリデータ1とは、図3に示すようなアセンブリ構成、即ち、部品の配置状態(位置、方向等)を示すデータであり、部品データ2とは、各部品の実際の形状(形、大きさ等)を示すデータである。また、アセンブリ構成ファイル3は、図4に示すように、各部品名の順序が各部品の配置を示すファイルであり、その詳細については後述する。
【0010】
起動手段12は、CADシステム20上からアセンブリ構成ファイル生成システム10を起動するための起動手段であり、例えば、CADシステム20が実行されている画面上にアセンブリ構成ファイル生成システム10の起動メニューを表示し、この起動メニューからアセンブリ構成ファイル生成システム10を起動するよう構成されている。列定義13は、図5に示すように、アセンブリ構成ファイル3の各列の定義を行うための定義データであり、その詳細については後述する。また、行定義14は、アセンブリ構成ファイル3の各列の定義を行うための定義データであり、この詳細についても後述する。CADシステム20は、三次元CADシステムであり、これについては公知であるため、各部の構成については省略する。
【0011】
次に、図2のハードウェア構成について説明する。
図2は、アセンブリ構成ファイル生成システム10を実現するためのコンピュータを示しており、CPU101、表示装置102、入力装置103、一時記憶装置104、記憶装置105を備えている。CPU101は、記憶装置105中に格納されているアセンブリ構成ファイル生成システムプログラム5やCADプログラム6を実行し、図1で示したアセンブリ構成ファイル生成システム10やCADシステム20を実現するためのプロセッサである。表示装置102は、CRTや液晶ディスプレイで構成され、CADシステム20の画面やアセンブリ構成ファイル生成システム10の画面を表示するための表示装置である。入力装置103は、キーボードやポインティングデバイス等で構成され、ユーザがアセンブリ構成ファイル生成システム10の起動を選択したり、各種指示を行ったりするための入力インタフェースである。
【0012】
一時記憶装置104は、例えばRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等からなり、アセンブリ構成ファイル生成システムプログラム5やCADプログラム6の実行時に、その作業領域を構成したり、各種データを一時記憶するためのメモリである。記憶装置105は、例えばハードディスク装置等の外部記憶装置であり、アセンブリデータ1、部品データ2及びアセンブリ構成定義データ4といったアセンブリ構成ファイル3の生成処理を行うためのデータや、アセンブリ構成ファイル生成システムプログラム5、CADプログラム6といったアプリケーションのプログラムを保持している。ここで、アセンブリ構成定義データ4は、図1に示す列定義13と行定義14に相当するデータである。また、アセンブリ構成ファイル生成システムプログラム5は、CPU101によって実行されることで図1におけるアセンブリ構成ファイル生成システム10を実現するためのプログラムデータ、CADプログラム6は、図1におけるCADシステム20を実現するためのプログラムデータである。
【0013】
次に、実施の形態1のアセンブリ構成ファイル生成システム10の動作について説明する。
先ず、アセンブリ構成ファイル生成システム10を起動するには、例えば、CAD画面上のメニューバーやメニューボタンで「アセンブリ構成ファイル生成」を選択することで実行される。即ち、CADシステム20の実行中に起動手段12によってアセンブリ構成ファイル生成システム10が起動される。アセンブリ構成ファイル生成システム10が起動すると、ファイル作成部11は、列定義13と行定義14とに基づいてアセンブリ構成ファイル生成を行う。ここで列定義13は図5に示すように各列のデータ定義である。尚、図5において、列1,列2,・・・は列の位置を示し、X,Y,・・・は、各列のファイル中の名称、X座標,Y座標,・・・は、X,Y,・・・といった各列の名称が何を示すかを説明するための情報である。
【0014】
また、行定義14は次の通りである。
(1)ヘッダの直下はCAD上のアセンブリとする。
(2)出力するアセンブリ構成は親アセンブリの1階層下までを一つの単位として出力し、ブランク行をアセンブリで区切り、CAD上のアセンブリが持っている全てのサブアセンブリをアセンブリ構成ファイルに入力する。
(3)同じアセンブリ構成を重複してアセンブリ構成ファイルには入れない。
(4)列間には区切り文字を入れる。
(5)アセンブリ構成ファイルの先頭のアセンブリはアセンブリ構成ファイルの中で最上位のアセンブリとする。
【0015】
上記(1)〜(5)の定義は次のようなことを示している。先ず(1)は図4のアセンブリ構成ファイル3に示すように、「部品名」「処理フラグ」「基準名」・・・といったヘッダ行の直下はCAD上のアセンブリ名(この例では「TOP.ASM」)とすることを示している。(2)は、例えば、「TOP.ASM」が親アセンブリであるとした場合に、その1階層下の「PART1.PRT」「SUB_ASM1.ASM」「PART6.PRT」を一つの単位として出力することを示している。また、「PART6.PRT」と「SUB_ASM1.ASM」との間にブランク行が挿入されているように、ブランク行でアセンブリを区切り、更に、このような定義に従って全てのサブアセンブリをアセンブリ構成ファイル3に入力する。(3)は、アセンブリ構成ファイル3において、同じアセンブリ構成があった場合は、同じアセンブリ構成を重複して入れないことを示している。例えば、「SUB_ASM2.ASM」が二つあった場合、二つ目以降の「SUB_ASM2.ASM」の「PART4.PRT」と「PART5.PRT」は記述せず、単に、「SUB_ASM2.ASM」とだけ記述する。
【0016】
また、(4)の列間を区切り文字を入れるとは、列間を、例えばカンマで区切り、アセンブリ構成ファイル3としてCSV形式のファイルとする、といったことを示している。尚、列間の区切り文字はカンマに限定されるものではなく、列間の区切りが識別できるものであればどのような文字であってもよい。更に(5)は、アセンブリ構成ファイル3の先頭のアセンブリ(図4の「TOP.ASM」)は、アセンブリ構成の中で最上位のアセンブリ(図3の「TOP.ASM」)であることを示している。
【0017】
このような列定義13と行定義14とに従い、ファイル作成部11はアセンブリデータ1と部品データ2とからアセンブリ構成ファイル3を作成する。即ち、図3に示すようなアセンブリ構成のアセンブリデータ1と部品データ2とから、図4に示すようなアセンブリ構成ファイル3を生成する。尚、図4に示すアセンブリ構成ファイル3において、処理フラグは、アセンブリ構成ファイル3からアセンブリ構成を作成する際に新規部品を用いるか既存部品を用いるかを指定するフラグであるため、アセンブリ構成ファイル3作成時は記述しない。また、基準名の「DEFAULT」は、親アセンブリの基準位置に先頭の部品として組み付けることを意味しており、「CSYS1」や「CSYS2」は、アセンブリ中の部品であることを示している。更に、X,Y,Zは基準位置に対する座標値であり、X軸回転角,Y軸回転角,Z軸回転角は、基準位置における各軸の回転角を示している。即ち、これらX,Y,Z及びX軸回転角,Y軸回転角,Z軸回転角は、部品毎の空間的な位置と方向を示す値である。
【0018】
以上のように、実施の形態1のアセンブリ構成ファイル生成システムによれば、3次元CADモデルのアセンブリデータから、各部品名の順序が各部品の配置を示すアセンブリ構成ファイルを出力するようにしたので、設計者の負担を軽減し、かつ、組み付けミスを防止することができる。
【0019】
また、実施の形態1のアセンブリ構成ファイル生成システムによれば、アセンブリ構成ファイルは、部品毎に空間的な位置と方向を示す値を基準として有するようにしたので、各部品の配置状態を誤り無く確実に指定することができる。
【0020】
また、実施の形態1のアセンブリ構成ファイル生成システムによれば、アセンブリ構成ファイルは、親アセンブリの一階層下までを一つの単位とし、単位毎に区切るようにしたので、アセンブリ構成ファイル上でアセンブリ構成を容易に把握することができる。
【0021】
また、実施の形態1のアセンブリ構成ファイル生成システムによれば、アセンブリデータ中に同じアセンブリが存在した場合は、アセンブリ構成ファイルにおいて、二つ目以降のアセンブリはアセンブリ名のみ記載し、部品名を記載しないようにしたので、同一部品名のデータのいずれかを編集して、同一名で異なるデータが存在してしまう、といった人為的ミスを未然に防止することができる。
【0022】
また、実施の形態1のアセンブリ構成ファイル生成システムによれば、3次元CADの編集画面からアセンブリ構成ファイルの出力処理を起動する起動手段を備えたので、CADの作業から容易にアセンブリ構成ファイルの生成処理に移行することができる。
【0023】
実施の形態2.
実施の形態2は、アセンブリ構成ファイル生成システムによって構成されたアセンブリ構成ファイルからアセンブリデータを生成するアセンブリ生成システムに関するものである。
図6は、実施の形態2のアセンブリ生成システム30を示す機能ブロック図である。
図6に示すアセンブリ生成システム30は、アセンブリ作成部31、起動手段32、列定義33、行定義34、既存アセンブリデータ1a、既存部品データ2aを備えている。アセンブリ作成部31は、アセンブリ構成ファイル3aを入力し、列定義33と行定義34とに基づき、また、必要に応じて既存アセンブリデータ1a及び既存部品データ2aを用いてアセンブリデータ7を生成する機能部である。ここで、既存アセンブリデータ1aは、CADシステム20等で作成された既存のアセンブリデータであり、各部品の空間的な位置と方向とを示す値、即ち、X,Y,Z座標とX軸回転角,Y軸回転角,Z軸回転角とを基準として有している。また、既存部品データ2aは、各部品の実際の形状(形、大きさ等)を示す既存の部品データである。
【0024】
アセンブリ構成ファイル3aは、実施の形態1で説明したアセンブリ構成ファイル生成システム10によって生成されたアセンブリ構成ファイル3を元にして設計者が新規部品を追加したり変更を加えたファイル、あるいは設計者が新規に作成したファイルであり、図7に示すように、例えば、処理フラグの値が付与されたものになっている。また、アセンブリデータ7は、図8に示すようなアセンブリ構成、即ち、部品の配置を階層構造で示すデータである。
【0025】
起動手段32は、実施の形態1における起動手段12と同様に、CADシステム20上からアセンブリ生成システム30を起動するための起動手段であり、例えば、CADシステム20が実行されている画面上でアセンブリ生成システム30の起動メニューを表示し、起動が選択された場合にアセンブリ生成システム30の起動を行う機能を有している。更に、列定義33及び行定義34は、実施の形態1で説明した列定義13及び行定義14と同様である。CADシステム20は、実施の形態1と同様に三次元CADシステムである。
【0026】
図9は、実施の形態2におけるアセンブリ生成システム30のハードウェア構成を示す図である。
図9は、アセンブリ生成システム30を実現するためのコンピュータを示しており、CPU101、表示装置102、入力装置103、一時記憶装置104、記憶装置105を備えている。これらの構成は扱うデータが異なるだけで、その基本的な構成は図2のハードウェア構成と同様である。即ち、CPU101は、記憶装置105中に格納されているアセンブリ生成システムプログラム8やCADプログラム6を実行し、図6で示したアセンブリ生成システム30やCADシステム20を実現するためのプロセッサである。また、表示装置102は、アセンブリ生成システム30やCADシステム20における各種の画面を表示する装置であり、入力装置103はこれらの処理のための入力手段である。
【0027】
また、一時記憶装置104は、アセンブリ生成システムプログラム8やCADプログラム6の実行時に、その作業領域を構成したり、各種データを一時記憶するためのメモリである。記憶装置105には、既存アセンブリデータ1a、既存部品データ2a及びアセンブリ構成定義データ4といったアセンブリ生成システム30の処理を行うためのデータや、アセンブリ生成システムプログラム8、CADプログラム6といったアプリケーションのプログラムを保持している。ここで、アセンブリ生成システムプログラム8は、CPU101によって実行されることで図6におけるアセンブリ生成システム30を実現するためのプログラムである。
【0028】
次に、実施の形態2のアセンブリ生成システム30の動作について説明する。
先ず、アセンブリ生成システム30を起動するには、例えば、CAD画面上のメニューバーやメニューボタンで起動メニューを選択することで実行される。即ち、CADシステム20の実行中に起動手段32によってアセンブリ生成システム30が起動される。図10は、アセンブリ生成システム30の動作を示すフローチャートであり、以下、フローチャートに沿ってその説明を行う。
【0029】
アセンブリ生成システム30が起動すると、アセンブリ作成部31は、例えば図7に示すようなアセンブリ構成ファイル3aを読み込む(ステップST1)。図7に示すアセンブリ構成ファイル3aは、アセンブリ構成ファイル生成システム10が生成したアセンブリ構成ファイル3を編集したり、部品を新たに追加したものであるため、基本的な構成はアセンブリ構成ファイル3と同様である。ここでは、処理フラグが設定されており、処理フラグの1は新規部品作成、2は既存部品使用を示している。例えば、図7において、「PART2_A.PRT」や「PART3_A.PRT」は処理フラグが1であるため、新規に作成するが、「SUB_ASM2.ASM」は処理フラグが2であるため、既存のファイルを使用することを示している。
【0030】
ステップST1において、アセンブリ構成ファイル3aが読み込まれると、アセンブリ作成部31は、行定義34に基づいて、ブランク行で分割する(ステップST2)。即ち、ブランク行で区切られる一つの単位が親アセンブリの1階層下までの単位となる。次に、分割した単位でアセンブリを作成する(ステップST3)。更に、ステップST2で分割した単位で先頭の親アセンブリを作成する(ステップST4)。その際、既存アセンブリデータ1aにおいて既存のアセンブリが存在しているかをチェックし、存在していた場合はアセンブリの新規作成は行わない。
【0031】
次に、親アセンブリ以下の部品を作成する(ステップST5)。新規部品作成のフラグが設定してある部品は、既存部品データ2aで既存部品の有無をチェックし、存在しなければ新規で部品を作成し、存在していれば既存の部品を使用する。一方、既存部品使用のフラグが設定してある部品は既存部品の有無をチェックし、存在していれば既存の部品を使用し、存在しなければ組み付けを行わない。
【0032】
次に、部品を基準に組み付けを行う(ステップST6)。基準名にDEFAULTと指定してある場合は親アセンブリの基準位置に組み付けを行う。また、親アセンブリの先頭の部分は基準名にDEFAULT以外が指定されていても、DEFAULTが指定されているものとして組み付けを行う。先頭部品以外でDEFAULT以外が指定されている場合は、親アセンブリの先頭の部品の中から基準名の基準を検索し、存在した場合はその基準に組み付ける。存在しなかった場合は、基準名の基準をアセンブリ構成ファイル3aにおけるX,Y,ZとX軸回転角,Y軸回転角,Z軸回転角とで指定された位置、角度で作成し、部品の組み付けを行う。このようなステップST5、ST6の部品作成と組み付けをそのアセンブリを構成する全ての部品について行い、そのアセンブリが終了した場合はステップST3に戻り、次のアセンブリに対して同様の処理を行う。
【0033】
全てのアセンブリの作成が終了すると、アセンブリ作成部31はアセンブリ作成処理を終了する。これにより、図7に示すようなアセンブリ構成ファイル3aから図8に示すようなアセンブリデータ7が作成される。例えば、「SUB_ASM2.ASM」は、既存のファイルを使用するよう指定され、これが存在した場合は部品「PART4.PRT」と部品「PART5.PRT」を持つ「SUB_ASM2.ASM」の組み付けを行うため、図8に示すようなアセンブリ構成が得られる。
【0034】
尚、上記例では、既存アセンブリデータ1aで該当する部品が存在した場合は、その既存部品の基準を用いるようにしたが、既存部品の基準を消去し、アセンブリ構成ファイル3aにおけるX,Y,ZとX軸回転角,Y軸回転角,Z軸回転角とで指定された位置、角度で作成し、部品の組み付けを行うようにしてもよい。また、ステップST5における部品作成処理において、既存部品使用のフラグが設定してある部品が既存アセンブリデータ1aに存在しない場合は、存在しないことを示すメッセージ等を表示するようにしてもよい。
【0035】
以上のように、実施の形態2のアセンブリ生成システムによれば、各部品名の順序が各部品の配置を示すアセンブリ構成ファイルを入力し、部品名の順序に基づいて各部品を配置することで3次元CADモデルのアセンブリデータを生成するようにしたので、アセンブリ生成時の設計者の負担を軽減し、かつ、組み付けミスを防止することができる。
【0036】
また、実施の形態2のアセンブリ生成システムによれば、アセンブリ構成ファイルは各部品の空間的な位置と方向を示す値を基準として有すると共に、既存アセンブリデータは、各部品の空間的な位置と方向を示す値を基準として有し、部品名の順序に基づいて各部品を配置する場合、部品名の基準が既存アセンブリデータに存在するかを判定し、基準が存在した場合は、その既存アセンブリデータの基準を用いるようにしたので、アセンブリ生成時の基準を統一することができる。
【0037】
また、実施の形態2のアセンブリ生成システムによれば、アセンブリ構成ファイルは各部品の空間的な位置と方向を示す値を基準として有すると共に、既存アセンブリデータは、各部品の空間的な位置と方向を示す値を基準として有し、部品名の順序に基づいて各部品を配置する場合、部品名の基準が既存アセンブリデータに存在するかを判定し、基準が存在した場合は、その既存の基準を消去し、アセンブリ構成ファイルの基準を用いるようにしたので、アセンブリ生成時の基準を統一することができる。
【0038】
また、実施の形態2のアセンブリ生成システムによれば、アセンブリ構成ファイルは、部品データを新規に作成するか既存の部品データを使用するかを指定するための処理フラグを有し、部品名の順序に基づいて各部品を配置する場合、部品名の部品の処理フラグが新規作成であった場合、その部品の部品データが既存の部品データとして存在するかを判定し、部品データが存在しない場合は新規に作成し、存在した場合は既存の部品データを用いてアセンブリに組み付けるようにしたので、新規作成した結果、同一の部品名で異なるデータの部品が生成されてしまうといったことを未然に防止することができる。
【0039】
また、実施の形態2のアセンブリ生成システムによれば、アセンブリ構成ファイルは、部品データを新規に作成するか既存の部品データを使用するかを指定するための処理フラグを有し、部品名の順序に基づいて各部品を配置する場合、部品名の部品の処理フラグが既存部品使用であった場合、その部品の部品データが既存の部品データとして存在するかを判定し、部品データが存在した場合は既存の部品データを用いてアセンブリに組み付け、存在しない場合は部品のアセンブリへの組み付けを行わないようにしたので、アセンブリ構成ファイルで記述ミス等があった場合でも、これを容易に知ることができる。
【0040】
また、実施の形態2のアセンブリ生成システムによれば、3次元CADの編集画面から、アセンブリ構成ファイルにおける部品名の順序に基づいて各部品を配置する処理を起動する起動手段を備えたので、CADの作業から容易にアセンブリの生成処理に移行することができる。
【符号の説明】
【0041】
1,7 アセンブリデータ、1a 既存アセンブリデータ、2 部品データ、2a 既存部品データ、3,3a アセンブリ構成ファイル、4 アセンブリ構成定義データ、5 アセンブリ構成ファイル生成システムプログラム、6 CADプログラム、8 アセンブリ生成システムプログラム、10 アセンブリ構成ファイル生成システム、11 ファイル作成部、12,32 起動手段、13,33 列定義、14,34 行定義、20 CADシステム、30 アセンブリ生成システム、31 アセンブリ作成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元CADモデルのアセンブリデータから、各部品名の順序が当該各部品の配置を示すアセンブリ構成ファイルを出力するアセンブリ構成ファイル生成システム。
【請求項2】
アセンブリ構成ファイルは、部品毎に空間的な位置と方向を示す値を基準として有することを特徴とする請求項1記載のアセンブリ構成ファイル生成システム。
【請求項3】
アセンブリ構成ファイルは、親アセンブリの一階層下までを一つの単位とし、単位毎に区切ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のアセンブリ構成ファイル生成システム。
【請求項4】
アセンブリデータ中に同じアセンブリが存在した場合は、アセンブリ構成ファイルにおいて、二つ目以降の当該アセンブリはアセンブリ名のみ記載し、部品名を記載しないことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のアセンブリ構成ファイル生成システム。
【請求項5】
3次元CADの編集画面からアセンブリ構成ファイルの出力処理を起動する起動手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のアセンブリ構成ファイル生成システム。
【請求項6】
各部品名の順序が当該各部品の配置を示すアセンブリ構成ファイルを入力し、当該部品名の順序に基づいて前記各部品を配置することで3次元CADモデルのアセンブリデータを生成するアセンブリ生成システム。
【請求項7】
アセンブリ構成ファイルは各部品の空間的な位置と方向を示す値を基準として有すると共に、既存アセンブリデータは、各部品の空間的な位置と方向を示す値を基準として有し、
部品名の順序に基づいて前記各部品を配置する場合、当該部品名の基準が前記既存アセンブリデータに存在するかを判定し、当該基準が存在した場合は、その既存アセンブリデータの基準を用いることを特徴する請求項6記載のアセンブリ生成システム。
【請求項8】
アセンブリ構成ファイルは各部品の空間的な位置と方向を示す値を基準として有すると共に、既存アセンブリデータは、各部品の空間的な位置と方向を示す値を基準として有し、
部品名の順序に基づいて前記各部品を配置する場合、当該部品名の基準が前記既存アセンブリデータに存在するかを判定し、当該基準が存在した場合は、その既存の基準を消去し、前記アセンブリ構成ファイルの基準を用いることを特徴する請求項6記載のアセンブリ生成システム。
【請求項9】
アセンブリ構成ファイルは、部品データを新規に作成するか既存の部品データを使用するかを指定するための処理フラグを有し、
部品名の順序に基づいて各部品を配置する場合、当該部品名の部品の処理フラグが新規作成であった場合、当該部品の部品データが既存の部品データとして存在するかを判定し、当該部品データが存在しない場合は新規に作成し、存在した場合は既存の部品データを用いてアセンブリに組み付けることを特徴とする請求項6または請求項7記載のアセンブリ生成システム。
【請求項10】
アセンブリ構成ファイルは、部品データを新規に作成するか既存の部品データを使用するかを指定するための処理フラグを有し、
部品名の順序に基づいて各部品を配置する場合、当該部品名の部品の処理フラグが既存部品使用であった場合、当該部品の部品データが既存の部品データとして存在するかを判定し、当該部品データが存在した場合は既存の部品データを用いてアセンブリに組み付け、存在しない場合は前記部品のアセンブリへの組み付けを行わないことを特徴とする請求項6または請求項7記載のアセンブリ生成システム。
【請求項11】
3次元CADの編集画面から、アセンブリ構成ファイルにおける部品名の順序に基づいて各部品を配置する処理を起動する起動手段を備えたことを特徴とする請求項6から請求項10のうちのいずれか1項記載のアセンブリ生成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−18514(P2012−18514A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154800(P2010−154800)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】