アタッチメント取付けベース
【課題】HACCP支援機器に対する適用が好適なアタッチメント取付けベースを提供する。
【解決手段】コンベヤフレーム2の側板2bの下端部を側板2bの板厚方向外側及び内側から挟むがごとくに配置された外側部材13a及び内側部材13b、並びに外側部材13aと内側部材13bを連結する連結部材13cを備え、外側部材13aは、ガイドレール12取付け用のアタッチメント11が装着されるよう形成されており、内側部材13bは、先端が側板2bの内側面に当接して当該先端部と内側部材13b内面との間で側板2bを挟持し得るようにした頭なし六角穴付きのセットスクリュー15が螺着されるよう形成されている。
【解決手段】コンベヤフレーム2の側板2bの下端部を側板2bの板厚方向外側及び内側から挟むがごとくに配置された外側部材13a及び内側部材13b、並びに外側部材13aと内側部材13bを連結する連結部材13cを備え、外側部材13aは、ガイドレール12取付け用のアタッチメント11が装着されるよう形成されており、内側部材13bは、先端が側板2bの内側面に当接して当該先端部と内側部材13b内面との間で側板2bを挟持し得るようにした頭なし六角穴付きのセットスクリュー15が螺着されるよう形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤがHACCP支援機器である場合に好適なアタッチメント取付けベースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品、医薬品、化粧品等の業種で使用する各機器として、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)支援機器が求められており、HACCP支援機器の一つとしてコンベヤがある。ここで、HACCPとは、食品を製造する際に、原料の入荷から製造・出荷までの全ての工程において、その危害を起す要因(ハザード)を分析して防止するための重要管理点を特定し、その重要管理点を継続的に監視・記録(モニタリング)し、異常が認められたら直ちに対策を取り、不良品の出荷を未然に防ぐことかできるシステムをいい、HACCP支援機器とは当該システムに適用される機器のことである。
【0003】
而して、HACCP支援機器として使用される従来のコンベヤの一例は図9に示されている。図9中、1は小型のベルトコンベヤで、該ベルトコンベヤ1は、天板2a(図10参照)と左右の側板2bを有し、且つ断面形状は下方が開放されたコ字状に形成された板厚約2mm程度のコンベヤフレーム2を備えている。コンベヤフレーム2の長手方向前端部にはヘッドプーリ3が、又、長手方向後端部には、テールプーリ4が夫々枢支されている。ヘッドプーリ3とテールプーリ4との間には、無端状のコンベヤベルト5が掛渡されており、コンベヤベルト5のキャリヤ側はコンベヤフレーム2の天板2a上を摺動し、リタン側はコンベヤフレーム2の下部開放部近傍を移動し得るようになっている。
【0004】
コンベヤフレーム2の長手方向中途部における下部には、コンベヤ駆動装置6が配置されている。コンベヤ駆動装置6は、コンベヤフレーム2の側板2bにボルト・ナットにより固定された箱状の枠体7を備えており、枠体7内には、図示してないが、コンベヤベルト5がリタン側において所定の巻付け角で巻付けられた駆動プーリと、駆動プーリのベルト進行方向前後部に配置されてコンベヤベルト5をリタン側において駆動プーリに巻付かせるための2本の絞りプーリを備えている。又、枠体7内には、駆動プーリを駆動するための電動機が配置されており、電動機を駆動することにより、駆動プーリを介してコンベヤベルト5を走行駆動し得るようになっている。
【0005】
ベルトコンベヤ1におけるコンベヤフレーム2の前部及び後部には、下端にキャスタ8を備えたスタンド9がブラケット9aを介して取付けられており、該スタンド9によりベルトコンベヤ1を支持し得るようになっている。
【0006】
上記ベルトコンベヤ1には、オプションとして、搬送物を案内するためのガイドレールや、搬送物を検出するセンサ、コンベヤベルト5を清浄に保持するためのスクレーパ等の装着備品を取付けることが行われる。このため、従来は、図10、図11に示すように、コンベヤフレーム2の側板2b所定位置に複数のボルト孔10を開け、このボルト孔10に挿通させたボルト16により平板状のアタッチメント11をコンベヤフレーム2の側板2bに取付け、アタッチメント11の上端部に装着備品であるガイドレール12を、例えばガイドレール12に一体的に固定したねじロッド12aを介して、取付けるようにしている。図11中、11aはボルト16が挿通されるよう、アタッチメント11下端部に設けた上下に延在する長孔である。なお、ベルトコンベヤ1がHACCP支援機器の場合、図10、図11に示す部品は、清潔を保持するため、コンベヤベルト5以外は全て、金属であることによる細菌類死滅効果を持ち、頻繁な水洗による腐食に強い材質であるステンレス製である。
【0007】
上述のように、従来はベルトコンベヤ1に装着備品取付け用のアタッチメント11を取付けるため、コンベヤフレーム2の左右の側板2bにボルト孔10を設けることが必要となる。しかし、装着備品の取付け位置はその種類によって種々であるため、予め孔加工をしておいた位置に装着備品を取付けない場合には、そのボルト孔10に、ごみが溜ったりしてHACCP支援機器としては好ましくない。そこで、従来は、HACCP支援機器の思想から、コンベヤフレーム2の側板2bには、装着備品を取付ける位置を予測した不正確な位置での孔は加工せずにベルトコンベヤ1の設置を行い、装着備品の取付けが必要の際にその都度、コンベヤ製作用の図面とは異なる別図面の指示によりコンベヤフレーム2の側板2bに現場で追加の孔加工を行なうようにしている。
【0008】
しかし、現場での孔加工の場合、孔のコンベヤフレーム2に対する位置精度が悪く、且つ、孔加工時にコンベヤフレーム2に傷が付いてしまい、製品の品質低下を招来するうえ、ベルトコンベヤ1に備品の取付けが必要となった場合に、孔の設計や加工指示や孔加工を行うため、余分な労力が必要となってコストアップを招来する等の問題がある。
【0009】
そこで、上記問題点を解消するため、装着備品取付け用の孔加工をしなくても良いコンベヤが種々検討されており、例えば、特許文献1、2、3に示すものがある。
【0010】
特許文献1は、 ガイドやセンサー等の機器を保持する支持部材がねじ止めされるコンベヤフレームのサイドカバーであって、カバー表面側にコンベヤフレームの長手方向に沿うあり溝を形成すると共に前記あり溝内に特殊なナットである雌ねじ体を、溝軌跡に沿って摺動可能に設けてあり、前記雌ねじ体が、上記支持部材のねじ止め部となるようにしている。而して、支持部材の上端には、ガイドや光センサ等の機器を装着備品として取り付け得るようにしている。
【0011】
特許文献2では、左右のコンベヤフレームに沿って、装着溝を凹設し、該装着溝内にナット体を内装して成るコンベヤにおいて、前記装着溝は、同溝の開放部の上縁に沿って係止縁を垂下すると共に、装着溝の開放部の下縁部に沿って傾斜面を形成し、この傾斜面と係止縁の下端との間に挿入口を構成し、該挿入口から装着溝内に特殊なナット体を挿入して係止縁の内側に前記ナット体の上部を係止可能に構成し、上記挿入口からナット体を挿入して装着溝内に内装するようになっている。而してナット体には装着備品をボルト締結し得るようになっている。
【0012】
特許文献3は、装着備品を取付けるためのクランプ装置であって、二種類の構成部材をヒンジ部にて回動可能とし、この構成部材をコンベヤフレームに挟持可能にし、締着部材にて締着するようになっている。而して、上側の構成部品に設けた基部には装着備品を取付け得るようになっている。
【特許文献1】特開平9−328213号公報
【特許文献2】特開2000−7121号公報
【特許文献3】実用新案登録第3059038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1では、装着備品が取付けられる支持部材を取付け可能な雌ねじ体をあり溝の溝軌跡に沿い摺動させることにより、装着備品をコンベヤフレームの長手方向において任意の位置に設置することができ、又、特許文献2では装着備品が取付けられるナット体を装着溝に沿い摺動させることにより、装着備品をコンベヤフレームの長手方向において任意の位置に設置することができ、更に、特許文献3では、ヒンジ部を回動させて開いた状態の構成部材をコンベヤフレームの長手方向へ移動させ、ヒンジ部を開く場合とは逆の方向へ回動させて構成部材を閉止することにより、構成部材に基部を介して取付けられた装着備品をコンベヤフレームの長手方向において任意の位置に設置することができる。
【0014】
上述のように各特許文献1、2、3は何れも、装着備品をコンベヤフレームの長手方向任意位置に設置することができる。しかしながら、特許文献1、2のものはあり溝を形成した部品をコンベヤフレームの側面に全長に亘り敷設しなければならない。而して、あり溝は複雑な断面形状を有しているため、加工に手間が掛かり、又、あり溝の内周辺部には塵埃が溜まる虞があって、HACCP支援機器としては好ましくない。又、特許文献1、2では、あり溝を形成した部品の他に特殊なナットが必要であるため、構造が複雑となって価格が高価となる虞がある。
【0015】
特許文献3では、構成部品をコンベヤフレームに対し着脱する際には、回動手段を操作して構成部材を開閉するため、操作が煩雑であり、且つ、部品点数が増えて価格が高価となる虞がある。
【0016】
本発明は、上述の実情に鑑み、装着備品取付け用のアタッチメントのコンベヤフレーム長手方向に対する取付け位置が、設計図に従いコンベヤフレームに工場で孔開け加工された位置とは異なった位置になったり、据付時のレイアウト上、コンベヤフレームの標準位置に設けた孔に前記アタッチメントの取付けができない場合にも、新たに孔開け加工することなく装着備品用のアタッチメントを所定の位置に取付けることができる、HACCP支援機器に対して好適なアタッチメント取付けベースを提供することを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の請求項1のアタッチメント取付けベースは、コンベヤフレームにおける側板を該側板の板厚方向外側及び内側から挟むがごとくに配置した外側部材及び内側部材、並びに前記外側部材と前記内側部材を下端部で連結する連結部材を備え、前記外側部材には、装着備品取付け用のアタッチメントが取付けられるよう形成されており、前記内側部材には、先端部が前記側板の内側面に当接して該先端部と前記外側部材内面との間で前記側板を挟持し得るようにしたねじが螺着されるよう形成されている。
【0018】
本発明の請求項2のアタッチメント取付けベースにおいては、前記側板は鉛直下方に延設された単板であり、前記外側部材の前記内側部材に対する対向面には、前記側板のねじの先端部に押圧されて曲折した部分が位置する凹部が形成されており、請求項3のアタッチメント取付けベースにおいては、前記ねじは、頭なし六角穴付きのセットスクリューであり、請求項4のアタッチメント取付けベースにおいては、前記外側部材の前記内側部材に対する対向面は、前記内側部材側の対向面を鉛直とした場合に、鉛直か或は挟持する対象の前記側板に向けて倒れた角度で配置された形状としたものであり、請求項5のアタッチメント取付けベースにおいては、前記外側部材の前記内側部材に対する対向面の反りは、外側部材の内側下端と内側上端とを結ぶ線を基準としてゼロか、外側部材の内側下端と内側上端とを結ぶ線を基準として高さ方向中間部が挟持する対象の前記側板から離反する方向へ向けて突出した凸形状である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1〜5記載のアタッチメント取付けベースによれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。
I)コンベヤフレームの側板に孔を開けることなく装着備品を取付けるアタッチメントの取付けが可能である。
II)現場で実際にアタッチメントを取付ける際のコンベヤフレームの側板長手方向に対する位置が、設計時に予定され且つ加工された側板の孔開け位置と異なった場合でも、新たに孔を開けることなく、所望の位置にアタッチメントを取付けることが可能である。
III)据付時のレイアウト上、コンベヤフレームにおける側板の標準位置に設けた孔にアタッチメントの取付けができない場合にも適用可能である。
IV)アタッチメント取付けベースの外側部材内面とコンベヤフレームの側板外面との間には、塵埃が溜まり難くく、コンベヤ近傍を常に清浄に保持することができる。
V)以上のことから、アタッチメント取付けベースは、HACCP支援機器に対して好適である。
VI)簡単な構造であるため、価格が安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図8は本発明を実施する形態の一例であって、適用されるベルトコンベヤは図9に示すベルトコンベヤと同一であり、コンベヤフレームの断面形状は図10に示すものと同一である。図1、図2中、図10、図11に示すものと同一の符号を付した部分は同一のものを表わしている。
【0021】
而して、本図示例の特徴とするところは、図1、図2に示すように、コンベヤフレーム2の側板2bと平板状のアタッチメント11との間に、アタッチメント取付けベース13を設けたことである。アタッチメント取付けベース13の詳細は図3〜図6に示されており、アタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに取付けた場合、コンベヤベルト5の移動方向と平行な方向から見て、アタッチメント取付けベース13の側面形状は図1に示すように、略J型に形成されている。
【0022】
すなわち、アタッチメント取付けベース13は、側板2bに取付けた際に、内面がコンベヤフレーム2における側板2bの外側面に当接するように配置される、高さの高い外側部材13a、及び、内面がコンベヤフレーム2における側板2bの内側面との間に所定の隙間Gを置き配置される、高さの低い内側部材13b、並びに、外側部材13aと内側部材13bの下端を幅方向両側部において一体的に接続するよう設けられた連結部材13cを備えている。外側部材13a、内側部材13bのコンベヤベルト5進行方向と平行な方向へ延在する幅の寸法は略同一であり、幅方向両側の連結部材13c,13c間には、塵埃が溜まらないよう、空隙13dが形成されている。なお、外側部材13aの上端は、コンベヤフレーム2の天板2aよりも下方に位置し、内側部材13bの上端は、コンベヤフレーム2の側板2b下端よりも上方に位置するようになっている。
【0023】
外側部材13aの下端側内面には、外側部材13aの下端側内面を座ぐって凹部13eが形成されており、凹部13eの幅方向における一方の縁部は、凹部13eの底面に対して直角に形成されているが、他方の縁部は、凹部13eの底面から離反するに従い外側部材13aの一方の幅縁部へ向うよう斜辺13fが形成されている。又、内側部材13bの外側部材13aに対向した内面幅方向両縁部には、縁部に向うに従い内側部材13bの厚さが薄くなるように斜辺13gが形成されている。斜辺13gを設けるのは、アタッチメント取付けベース13における隙間G内の凹部13e側に位置する側板2bとアタッチメント取付けベース13の隙間G外部に位置する側板2bとが円滑に一体的に繋がるように案内するためである。
【0024】
アタッチメント取付けベース13の外側部材13aには、上下方向へ所定の間隔を置いて、外側部材13aを厚さ方向へ貫通するねじ孔13hが穿設されており、内側部材13bには、幅方向へ所定の間隔を置いて、内側部材13bを厚さ方向へ貫通するねじ孔13iが穿設されている。而して、ねじ孔13hには、アタッチメント11を固定するためのボルト14を螺着し得るようになっており、ねじ孔13iには、アタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに固定するための頭なしの六角穴付きセットスクリュー15を螺着し得るようになっている。
【0025】
外側部材13aの内側部材13bに対向した面が連結部材13c側において延在する水平面に対して成す倒れの角度θ(図7参照)は、90°+0°〜−0.5°の範囲とする。なすわち、外側部材13aは、垂直か或は僅かにコンベヤフレーム2の側板2b側に向けて倒れた形状とする。
【0026】
又、外側部材13aの内側部材13bに対向した面の反り量Xは、外側部材13aの内側下端O1と内側上端O2を結ぶ線Lに対して0〜0.2mmとする。すなわち、外側部材13aの反りは外側部材13aの内側下端O1と内側上端O2を結ぶ線Lに対してゼロか、或は、外側部材13aの内側下端O1と内側上端O2を結ぶ線Lに対して、外側部材13a高さ方向中間部が側板2bから離反する方向へ向け所定量だけ突出した状態に反った凸形状とする(図8参照)。
【0027】
外側部材13aの倒れや反りを上述のようにするのは、アタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに固定した場合に、コンベヤフレーム2の側板2bと、外側部材13aにおける内側面上端部の側板2bに対する当接部との間に隙間が形成されることを防止して塵埃が隙間に溜まるのを防止し、且つ、頭無しの六角穴付きセットスクリュー15の螺着により、アタッチメント取付けベース13を、外側部材13aの倒れや反りを利用して、側板2bに強固に固定するためである。
【0028】
アタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに固定させる場合には、装着備品を取付ける位置に対応して、アタッチメント取付けベース13を側板2bの下方から上方へ移動させ、外側部材13aを側板2bの外側面に沿わせると共に、側板2bの下端を、外側部材13aと内側部材13bとの間に挟まれるがごとくに位置させ、ねじ孔13iに螺着させたセットスクリュー15を締込む。
【0029】
このため、セットスクリュー15の先端は側板2bの内側面下端部に当接するが、更に、セットスクリュー15を締込むと、アタッチメント取付けベース13の外側部材13は、側板2b側へ引寄せられてその内側面は、側板2bの外側面に当接する。そこで、更にセットスクリュー15を締込むことにより、側板2bの下端は、セットスクリュー15に押圧されて部分的に、図6の仮想線で示すように、外側部材13aにおける凹部13eの外縁角部及び斜辺13fの外縁角部を支点として、凹部13e側へ曲折した状態で保持される。その結果、アタッチメント取付けベース13はコンベヤフレーム2の側板2b所定位置に強固且つ確実に固定される。頭なしの六角穴付きセットスクリュー15を使用することにより、内側部材13bのねじ孔13iからベルトコンベヤ1における幅方向中心側にセットスクリュー15の頭が突出することがないため、リタン側においてコンベヤベルト5がセットスクリュー15にぶつかることがなく、コンベヤベルト5の損傷を防止することができる。
【0030】
アタッチメント取付けベース13のコンベヤフレーム2における側板2bに対する固定が終了したら、アタッチメント11をアタッチメント取付けベース13の外側面に取付ける。取付けはアタッチメント11の下部に上下に延在するよう形成した長孔11aに対し挿通したボルト14をアタッチメント取付けベース13の外側部材13aに形成したねじ孔13hに螺着することにより行なう。ボルト14はねじ孔13iに完全に螺着した場合でも、その先端はねじ孔13iから突出しない長さであるため、アタッチメント11のアタッチメント取付けベース13における外側部材13aに対する取付けには何等支障は生じない。。
【0031】
アタッチメント11のアタッチメント取付けベース13に対する取付けが終了したら、ガイドレール12を、ねじロッド12aを介しアタッチメント11に取付けるが、この取付けは、図10、図11に示す従来の場合と同様である。
【0032】
ガイドレール12の取付けが行なわれたら、ベルトコンベヤ1の駆動時には、搬送物はガイドレール12により案内されつつ搬送される。又、一旦取付けたガイドレール12の設置位置を変更する必要のある場合は、例えば、セットスクリュー15を緩めたうえ、アタッチメント取付けベース13、アタッチメント11、ガイドレール12を一体的にコンベヤフレーム2の側板2bに沿いコンベヤ長手方向へ移動せ、再びセットスクリュー15を締めてアタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに対し固定する。従って、簡単にガイドレール12の設置位置を変更することができる。
【0033】
本図示例のアタッチメント取付けベース13は、コンベヤフレーム2の側板2bに孔を開けることなく取付けが可能であるうえ、現場で実際にアタッチメント11を取付ける際のコンベヤフレーム2の側板2b長手方向に対する位置が、設計時に予定され且つ加工された側板2bの孔開け位置と異なった場合でも、新たに孔を開けることなく、所望の位置にアタッチメント11を取付けることが可能であり、しかも、据付時のレイアウト上、コンベヤフレーム2における側板2bの標準位置に設けた孔にアタッチメント11の取付けができない場合にも適用可能であり、更に又、アタッチメント取付けベース13の外側部材13a内面とコンベヤフレーム2の側板2b外面との間には、塵埃が溜まり難くく、コンベヤ1及びその近傍を清浄に保持することができる。従って、本図示例のアタッチメント取付けベース13は、HACCP支援機器に対する適用を好適に行うことができ、且つ、簡単な構造であるため、価格が安価である。
【0034】
なお、本発明の実施の形態においては、アタッチメントに取付けられる装着備品がガイドレールの場合について説明したが、ガイドレール以外に、スクレーパ、センサ等種々の装着備品の取付けに対しても適用することができること、アタッチメントのアタッチメント取付けベースに対する取付けには、2本のボルトを用いる場合について説明したが、1本のボルトであっても取付け可能なこと、ベルトコンベヤ以外のコンベヤに対しても適用できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加え得ること、等は勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態の一例であり、アタッチメント取付けベースをコンベヤフレームの側板に取付けた状態を示す側断面図である。
【図2】図1に示すアタッチメント取付けベース、アタッチメント、ガイドレールをコンベヤフレームから離脱させて示す斜視図である。
【図3】本発明のアタッチメント取付けベースの正面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視図である。
【図5】図4のV−V矢視図である。
【図6】図3のVI−VI方向拡大断面図である。
【図7】本発明のアタッチメント取付けベースにおける外側部材の倒れを説明するための側面図である。
【図8】本発明のアタッチメント取付けベースにおける外側部材の反りを説明するための側面図である。
【図9】装着備品取付け用のアタッチメントが取付けられる一般的なベルトコンベヤの斜視図である。
【図10】コンベヤフレームにアタッチメントを直接固定した状態を示す従来例の側断面図である。
【図11】図10に示すアタッチメント、ガイドレールをコンベヤフレームから離脱させて示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
2 コンベヤフレーム
2b 側板
11 アタッチメント
12 ガイドレール(装着備品)
13 アタッチメント取付けベース
13a 外側部材
13b 内側部材
13c 連結部材
13e 凹部
15 セットスクリュー(ねじ)
θ 角度
X 反り量
O1 内側下端
O2 内側上端
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤがHACCP支援機器である場合に好適なアタッチメント取付けベースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品、医薬品、化粧品等の業種で使用する各機器として、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)支援機器が求められており、HACCP支援機器の一つとしてコンベヤがある。ここで、HACCPとは、食品を製造する際に、原料の入荷から製造・出荷までの全ての工程において、その危害を起す要因(ハザード)を分析して防止するための重要管理点を特定し、その重要管理点を継続的に監視・記録(モニタリング)し、異常が認められたら直ちに対策を取り、不良品の出荷を未然に防ぐことかできるシステムをいい、HACCP支援機器とは当該システムに適用される機器のことである。
【0003】
而して、HACCP支援機器として使用される従来のコンベヤの一例は図9に示されている。図9中、1は小型のベルトコンベヤで、該ベルトコンベヤ1は、天板2a(図10参照)と左右の側板2bを有し、且つ断面形状は下方が開放されたコ字状に形成された板厚約2mm程度のコンベヤフレーム2を備えている。コンベヤフレーム2の長手方向前端部にはヘッドプーリ3が、又、長手方向後端部には、テールプーリ4が夫々枢支されている。ヘッドプーリ3とテールプーリ4との間には、無端状のコンベヤベルト5が掛渡されており、コンベヤベルト5のキャリヤ側はコンベヤフレーム2の天板2a上を摺動し、リタン側はコンベヤフレーム2の下部開放部近傍を移動し得るようになっている。
【0004】
コンベヤフレーム2の長手方向中途部における下部には、コンベヤ駆動装置6が配置されている。コンベヤ駆動装置6は、コンベヤフレーム2の側板2bにボルト・ナットにより固定された箱状の枠体7を備えており、枠体7内には、図示してないが、コンベヤベルト5がリタン側において所定の巻付け角で巻付けられた駆動プーリと、駆動プーリのベルト進行方向前後部に配置されてコンベヤベルト5をリタン側において駆動プーリに巻付かせるための2本の絞りプーリを備えている。又、枠体7内には、駆動プーリを駆動するための電動機が配置されており、電動機を駆動することにより、駆動プーリを介してコンベヤベルト5を走行駆動し得るようになっている。
【0005】
ベルトコンベヤ1におけるコンベヤフレーム2の前部及び後部には、下端にキャスタ8を備えたスタンド9がブラケット9aを介して取付けられており、該スタンド9によりベルトコンベヤ1を支持し得るようになっている。
【0006】
上記ベルトコンベヤ1には、オプションとして、搬送物を案内するためのガイドレールや、搬送物を検出するセンサ、コンベヤベルト5を清浄に保持するためのスクレーパ等の装着備品を取付けることが行われる。このため、従来は、図10、図11に示すように、コンベヤフレーム2の側板2b所定位置に複数のボルト孔10を開け、このボルト孔10に挿通させたボルト16により平板状のアタッチメント11をコンベヤフレーム2の側板2bに取付け、アタッチメント11の上端部に装着備品であるガイドレール12を、例えばガイドレール12に一体的に固定したねじロッド12aを介して、取付けるようにしている。図11中、11aはボルト16が挿通されるよう、アタッチメント11下端部に設けた上下に延在する長孔である。なお、ベルトコンベヤ1がHACCP支援機器の場合、図10、図11に示す部品は、清潔を保持するため、コンベヤベルト5以外は全て、金属であることによる細菌類死滅効果を持ち、頻繁な水洗による腐食に強い材質であるステンレス製である。
【0007】
上述のように、従来はベルトコンベヤ1に装着備品取付け用のアタッチメント11を取付けるため、コンベヤフレーム2の左右の側板2bにボルト孔10を設けることが必要となる。しかし、装着備品の取付け位置はその種類によって種々であるため、予め孔加工をしておいた位置に装着備品を取付けない場合には、そのボルト孔10に、ごみが溜ったりしてHACCP支援機器としては好ましくない。そこで、従来は、HACCP支援機器の思想から、コンベヤフレーム2の側板2bには、装着備品を取付ける位置を予測した不正確な位置での孔は加工せずにベルトコンベヤ1の設置を行い、装着備品の取付けが必要の際にその都度、コンベヤ製作用の図面とは異なる別図面の指示によりコンベヤフレーム2の側板2bに現場で追加の孔加工を行なうようにしている。
【0008】
しかし、現場での孔加工の場合、孔のコンベヤフレーム2に対する位置精度が悪く、且つ、孔加工時にコンベヤフレーム2に傷が付いてしまい、製品の品質低下を招来するうえ、ベルトコンベヤ1に備品の取付けが必要となった場合に、孔の設計や加工指示や孔加工を行うため、余分な労力が必要となってコストアップを招来する等の問題がある。
【0009】
そこで、上記問題点を解消するため、装着備品取付け用の孔加工をしなくても良いコンベヤが種々検討されており、例えば、特許文献1、2、3に示すものがある。
【0010】
特許文献1は、 ガイドやセンサー等の機器を保持する支持部材がねじ止めされるコンベヤフレームのサイドカバーであって、カバー表面側にコンベヤフレームの長手方向に沿うあり溝を形成すると共に前記あり溝内に特殊なナットである雌ねじ体を、溝軌跡に沿って摺動可能に設けてあり、前記雌ねじ体が、上記支持部材のねじ止め部となるようにしている。而して、支持部材の上端には、ガイドや光センサ等の機器を装着備品として取り付け得るようにしている。
【0011】
特許文献2では、左右のコンベヤフレームに沿って、装着溝を凹設し、該装着溝内にナット体を内装して成るコンベヤにおいて、前記装着溝は、同溝の開放部の上縁に沿って係止縁を垂下すると共に、装着溝の開放部の下縁部に沿って傾斜面を形成し、この傾斜面と係止縁の下端との間に挿入口を構成し、該挿入口から装着溝内に特殊なナット体を挿入して係止縁の内側に前記ナット体の上部を係止可能に構成し、上記挿入口からナット体を挿入して装着溝内に内装するようになっている。而してナット体には装着備品をボルト締結し得るようになっている。
【0012】
特許文献3は、装着備品を取付けるためのクランプ装置であって、二種類の構成部材をヒンジ部にて回動可能とし、この構成部材をコンベヤフレームに挟持可能にし、締着部材にて締着するようになっている。而して、上側の構成部品に設けた基部には装着備品を取付け得るようになっている。
【特許文献1】特開平9−328213号公報
【特許文献2】特開2000−7121号公報
【特許文献3】実用新案登録第3059038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1では、装着備品が取付けられる支持部材を取付け可能な雌ねじ体をあり溝の溝軌跡に沿い摺動させることにより、装着備品をコンベヤフレームの長手方向において任意の位置に設置することができ、又、特許文献2では装着備品が取付けられるナット体を装着溝に沿い摺動させることにより、装着備品をコンベヤフレームの長手方向において任意の位置に設置することができ、更に、特許文献3では、ヒンジ部を回動させて開いた状態の構成部材をコンベヤフレームの長手方向へ移動させ、ヒンジ部を開く場合とは逆の方向へ回動させて構成部材を閉止することにより、構成部材に基部を介して取付けられた装着備品をコンベヤフレームの長手方向において任意の位置に設置することができる。
【0014】
上述のように各特許文献1、2、3は何れも、装着備品をコンベヤフレームの長手方向任意位置に設置することができる。しかしながら、特許文献1、2のものはあり溝を形成した部品をコンベヤフレームの側面に全長に亘り敷設しなければならない。而して、あり溝は複雑な断面形状を有しているため、加工に手間が掛かり、又、あり溝の内周辺部には塵埃が溜まる虞があって、HACCP支援機器としては好ましくない。又、特許文献1、2では、あり溝を形成した部品の他に特殊なナットが必要であるため、構造が複雑となって価格が高価となる虞がある。
【0015】
特許文献3では、構成部品をコンベヤフレームに対し着脱する際には、回動手段を操作して構成部材を開閉するため、操作が煩雑であり、且つ、部品点数が増えて価格が高価となる虞がある。
【0016】
本発明は、上述の実情に鑑み、装着備品取付け用のアタッチメントのコンベヤフレーム長手方向に対する取付け位置が、設計図に従いコンベヤフレームに工場で孔開け加工された位置とは異なった位置になったり、据付時のレイアウト上、コンベヤフレームの標準位置に設けた孔に前記アタッチメントの取付けができない場合にも、新たに孔開け加工することなく装着備品用のアタッチメントを所定の位置に取付けることができる、HACCP支援機器に対して好適なアタッチメント取付けベースを提供することを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の請求項1のアタッチメント取付けベースは、コンベヤフレームにおける側板を該側板の板厚方向外側及び内側から挟むがごとくに配置した外側部材及び内側部材、並びに前記外側部材と前記内側部材を下端部で連結する連結部材を備え、前記外側部材には、装着備品取付け用のアタッチメントが取付けられるよう形成されており、前記内側部材には、先端部が前記側板の内側面に当接して該先端部と前記外側部材内面との間で前記側板を挟持し得るようにしたねじが螺着されるよう形成されている。
【0018】
本発明の請求項2のアタッチメント取付けベースにおいては、前記側板は鉛直下方に延設された単板であり、前記外側部材の前記内側部材に対する対向面には、前記側板のねじの先端部に押圧されて曲折した部分が位置する凹部が形成されており、請求項3のアタッチメント取付けベースにおいては、前記ねじは、頭なし六角穴付きのセットスクリューであり、請求項4のアタッチメント取付けベースにおいては、前記外側部材の前記内側部材に対する対向面は、前記内側部材側の対向面を鉛直とした場合に、鉛直か或は挟持する対象の前記側板に向けて倒れた角度で配置された形状としたものであり、請求項5のアタッチメント取付けベースにおいては、前記外側部材の前記内側部材に対する対向面の反りは、外側部材の内側下端と内側上端とを結ぶ線を基準としてゼロか、外側部材の内側下端と内側上端とを結ぶ線を基準として高さ方向中間部が挟持する対象の前記側板から離反する方向へ向けて突出した凸形状である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1〜5記載のアタッチメント取付けベースによれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。
I)コンベヤフレームの側板に孔を開けることなく装着備品を取付けるアタッチメントの取付けが可能である。
II)現場で実際にアタッチメントを取付ける際のコンベヤフレームの側板長手方向に対する位置が、設計時に予定され且つ加工された側板の孔開け位置と異なった場合でも、新たに孔を開けることなく、所望の位置にアタッチメントを取付けることが可能である。
III)据付時のレイアウト上、コンベヤフレームにおける側板の標準位置に設けた孔にアタッチメントの取付けができない場合にも適用可能である。
IV)アタッチメント取付けベースの外側部材内面とコンベヤフレームの側板外面との間には、塵埃が溜まり難くく、コンベヤ近傍を常に清浄に保持することができる。
V)以上のことから、アタッチメント取付けベースは、HACCP支援機器に対して好適である。
VI)簡単な構造であるため、価格が安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図8は本発明を実施する形態の一例であって、適用されるベルトコンベヤは図9に示すベルトコンベヤと同一であり、コンベヤフレームの断面形状は図10に示すものと同一である。図1、図2中、図10、図11に示すものと同一の符号を付した部分は同一のものを表わしている。
【0021】
而して、本図示例の特徴とするところは、図1、図2に示すように、コンベヤフレーム2の側板2bと平板状のアタッチメント11との間に、アタッチメント取付けベース13を設けたことである。アタッチメント取付けベース13の詳細は図3〜図6に示されており、アタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに取付けた場合、コンベヤベルト5の移動方向と平行な方向から見て、アタッチメント取付けベース13の側面形状は図1に示すように、略J型に形成されている。
【0022】
すなわち、アタッチメント取付けベース13は、側板2bに取付けた際に、内面がコンベヤフレーム2における側板2bの外側面に当接するように配置される、高さの高い外側部材13a、及び、内面がコンベヤフレーム2における側板2bの内側面との間に所定の隙間Gを置き配置される、高さの低い内側部材13b、並びに、外側部材13aと内側部材13bの下端を幅方向両側部において一体的に接続するよう設けられた連結部材13cを備えている。外側部材13a、内側部材13bのコンベヤベルト5進行方向と平行な方向へ延在する幅の寸法は略同一であり、幅方向両側の連結部材13c,13c間には、塵埃が溜まらないよう、空隙13dが形成されている。なお、外側部材13aの上端は、コンベヤフレーム2の天板2aよりも下方に位置し、内側部材13bの上端は、コンベヤフレーム2の側板2b下端よりも上方に位置するようになっている。
【0023】
外側部材13aの下端側内面には、外側部材13aの下端側内面を座ぐって凹部13eが形成されており、凹部13eの幅方向における一方の縁部は、凹部13eの底面に対して直角に形成されているが、他方の縁部は、凹部13eの底面から離反するに従い外側部材13aの一方の幅縁部へ向うよう斜辺13fが形成されている。又、内側部材13bの外側部材13aに対向した内面幅方向両縁部には、縁部に向うに従い内側部材13bの厚さが薄くなるように斜辺13gが形成されている。斜辺13gを設けるのは、アタッチメント取付けベース13における隙間G内の凹部13e側に位置する側板2bとアタッチメント取付けベース13の隙間G外部に位置する側板2bとが円滑に一体的に繋がるように案内するためである。
【0024】
アタッチメント取付けベース13の外側部材13aには、上下方向へ所定の間隔を置いて、外側部材13aを厚さ方向へ貫通するねじ孔13hが穿設されており、内側部材13bには、幅方向へ所定の間隔を置いて、内側部材13bを厚さ方向へ貫通するねじ孔13iが穿設されている。而して、ねじ孔13hには、アタッチメント11を固定するためのボルト14を螺着し得るようになっており、ねじ孔13iには、アタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに固定するための頭なしの六角穴付きセットスクリュー15を螺着し得るようになっている。
【0025】
外側部材13aの内側部材13bに対向した面が連結部材13c側において延在する水平面に対して成す倒れの角度θ(図7参照)は、90°+0°〜−0.5°の範囲とする。なすわち、外側部材13aは、垂直か或は僅かにコンベヤフレーム2の側板2b側に向けて倒れた形状とする。
【0026】
又、外側部材13aの内側部材13bに対向した面の反り量Xは、外側部材13aの内側下端O1と内側上端O2を結ぶ線Lに対して0〜0.2mmとする。すなわち、外側部材13aの反りは外側部材13aの内側下端O1と内側上端O2を結ぶ線Lに対してゼロか、或は、外側部材13aの内側下端O1と内側上端O2を結ぶ線Lに対して、外側部材13a高さ方向中間部が側板2bから離反する方向へ向け所定量だけ突出した状態に反った凸形状とする(図8参照)。
【0027】
外側部材13aの倒れや反りを上述のようにするのは、アタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに固定した場合に、コンベヤフレーム2の側板2bと、外側部材13aにおける内側面上端部の側板2bに対する当接部との間に隙間が形成されることを防止して塵埃が隙間に溜まるのを防止し、且つ、頭無しの六角穴付きセットスクリュー15の螺着により、アタッチメント取付けベース13を、外側部材13aの倒れや反りを利用して、側板2bに強固に固定するためである。
【0028】
アタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに固定させる場合には、装着備品を取付ける位置に対応して、アタッチメント取付けベース13を側板2bの下方から上方へ移動させ、外側部材13aを側板2bの外側面に沿わせると共に、側板2bの下端を、外側部材13aと内側部材13bとの間に挟まれるがごとくに位置させ、ねじ孔13iに螺着させたセットスクリュー15を締込む。
【0029】
このため、セットスクリュー15の先端は側板2bの内側面下端部に当接するが、更に、セットスクリュー15を締込むと、アタッチメント取付けベース13の外側部材13は、側板2b側へ引寄せられてその内側面は、側板2bの外側面に当接する。そこで、更にセットスクリュー15を締込むことにより、側板2bの下端は、セットスクリュー15に押圧されて部分的に、図6の仮想線で示すように、外側部材13aにおける凹部13eの外縁角部及び斜辺13fの外縁角部を支点として、凹部13e側へ曲折した状態で保持される。その結果、アタッチメント取付けベース13はコンベヤフレーム2の側板2b所定位置に強固且つ確実に固定される。頭なしの六角穴付きセットスクリュー15を使用することにより、内側部材13bのねじ孔13iからベルトコンベヤ1における幅方向中心側にセットスクリュー15の頭が突出することがないため、リタン側においてコンベヤベルト5がセットスクリュー15にぶつかることがなく、コンベヤベルト5の損傷を防止することができる。
【0030】
アタッチメント取付けベース13のコンベヤフレーム2における側板2bに対する固定が終了したら、アタッチメント11をアタッチメント取付けベース13の外側面に取付ける。取付けはアタッチメント11の下部に上下に延在するよう形成した長孔11aに対し挿通したボルト14をアタッチメント取付けベース13の外側部材13aに形成したねじ孔13hに螺着することにより行なう。ボルト14はねじ孔13iに完全に螺着した場合でも、その先端はねじ孔13iから突出しない長さであるため、アタッチメント11のアタッチメント取付けベース13における外側部材13aに対する取付けには何等支障は生じない。。
【0031】
アタッチメント11のアタッチメント取付けベース13に対する取付けが終了したら、ガイドレール12を、ねじロッド12aを介しアタッチメント11に取付けるが、この取付けは、図10、図11に示す従来の場合と同様である。
【0032】
ガイドレール12の取付けが行なわれたら、ベルトコンベヤ1の駆動時には、搬送物はガイドレール12により案内されつつ搬送される。又、一旦取付けたガイドレール12の設置位置を変更する必要のある場合は、例えば、セットスクリュー15を緩めたうえ、アタッチメント取付けベース13、アタッチメント11、ガイドレール12を一体的にコンベヤフレーム2の側板2bに沿いコンベヤ長手方向へ移動せ、再びセットスクリュー15を締めてアタッチメント取付けベース13をコンベヤフレーム2の側板2bに対し固定する。従って、簡単にガイドレール12の設置位置を変更することができる。
【0033】
本図示例のアタッチメント取付けベース13は、コンベヤフレーム2の側板2bに孔を開けることなく取付けが可能であるうえ、現場で実際にアタッチメント11を取付ける際のコンベヤフレーム2の側板2b長手方向に対する位置が、設計時に予定され且つ加工された側板2bの孔開け位置と異なった場合でも、新たに孔を開けることなく、所望の位置にアタッチメント11を取付けることが可能であり、しかも、据付時のレイアウト上、コンベヤフレーム2における側板2bの標準位置に設けた孔にアタッチメント11の取付けができない場合にも適用可能であり、更に又、アタッチメント取付けベース13の外側部材13a内面とコンベヤフレーム2の側板2b外面との間には、塵埃が溜まり難くく、コンベヤ1及びその近傍を清浄に保持することができる。従って、本図示例のアタッチメント取付けベース13は、HACCP支援機器に対する適用を好適に行うことができ、且つ、簡単な構造であるため、価格が安価である。
【0034】
なお、本発明の実施の形態においては、アタッチメントに取付けられる装着備品がガイドレールの場合について説明したが、ガイドレール以外に、スクレーパ、センサ等種々の装着備品の取付けに対しても適用することができること、アタッチメントのアタッチメント取付けベースに対する取付けには、2本のボルトを用いる場合について説明したが、1本のボルトであっても取付け可能なこと、ベルトコンベヤ以外のコンベヤに対しても適用できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加え得ること、等は勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態の一例であり、アタッチメント取付けベースをコンベヤフレームの側板に取付けた状態を示す側断面図である。
【図2】図1に示すアタッチメント取付けベース、アタッチメント、ガイドレールをコンベヤフレームから離脱させて示す斜視図である。
【図3】本発明のアタッチメント取付けベースの正面図である。
【図4】図3のIV−IV矢視図である。
【図5】図4のV−V矢視図である。
【図6】図3のVI−VI方向拡大断面図である。
【図7】本発明のアタッチメント取付けベースにおける外側部材の倒れを説明するための側面図である。
【図8】本発明のアタッチメント取付けベースにおける外側部材の反りを説明するための側面図である。
【図9】装着備品取付け用のアタッチメントが取付けられる一般的なベルトコンベヤの斜視図である。
【図10】コンベヤフレームにアタッチメントを直接固定した状態を示す従来例の側断面図である。
【図11】図10に示すアタッチメント、ガイドレールをコンベヤフレームから離脱させて示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
2 コンベヤフレーム
2b 側板
11 アタッチメント
12 ガイドレール(装着備品)
13 アタッチメント取付けベース
13a 外側部材
13b 内側部材
13c 連結部材
13e 凹部
15 セットスクリュー(ねじ)
θ 角度
X 反り量
O1 内側下端
O2 内側上端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤフレームにおける側板を該側板の板厚方向外側及び内側から挟むがごとくに配置した外側部材及び内側部材、並びに前記外側部材と前記内側部材を下端部で連結する連結部材を備え、前記外側部材には、装着備品取付け用のアタッチメントが取付けられるよう形成されており、前記内側部材には、先端部が前記側板の内側面に当接して該先端部と前記外側部材内面との間で前記側板を挟持し得るようにしたねじが螺着されるよう形成されていることを特徴とするアタッチメント取付けベース。
【請求項2】
前記側板は略鉛直下方に延設された単板であり、前記外側部材の前記内側部材に対する対向面には、前記側板のねじの先端部に押圧されて曲折した部分が位置する凹部が形成されている請求項1に記載のアタッチメント取付けベース。
【請求項3】
前記ねじは、頭なし六角穴付きのセットスクリューである請求項1又は2に記載のアタッチメント取付けベース。
【請求項4】
前記外側部材の前記内側部材に対する対向面は、前記内側部材側の対向面を鉛直とした場合に、鉛直か或は挟持する対象の前記側板に向けて倒れた角度で配置された形状とした請求項1乃至3の何れかに記載のアタッチメント取付けベース。
【請求項5】
前記外側部材の前記内側部材に対する対向面の反りは、外側部材の内側下端と内側上端とを結ぶ線を基準としてゼロか、外側部材の内側下端と内側上端とを結ぶ線を基準として高さ方向中間部が挟持する対象の前記側板から離反する方向へ向けて突出した凸形状である請求項1乃至4の何れかに記載のアタッチメント取付けベース。
【請求項1】
コンベヤフレームにおける側板を該側板の板厚方向外側及び内側から挟むがごとくに配置した外側部材及び内側部材、並びに前記外側部材と前記内側部材を下端部で連結する連結部材を備え、前記外側部材には、装着備品取付け用のアタッチメントが取付けられるよう形成されており、前記内側部材には、先端部が前記側板の内側面に当接して該先端部と前記外側部材内面との間で前記側板を挟持し得るようにしたねじが螺着されるよう形成されていることを特徴とするアタッチメント取付けベース。
【請求項2】
前記側板は略鉛直下方に延設された単板であり、前記外側部材の前記内側部材に対する対向面には、前記側板のねじの先端部に押圧されて曲折した部分が位置する凹部が形成されている請求項1に記載のアタッチメント取付けベース。
【請求項3】
前記ねじは、頭なし六角穴付きのセットスクリューである請求項1又は2に記載のアタッチメント取付けベース。
【請求項4】
前記外側部材の前記内側部材に対する対向面は、前記内側部材側の対向面を鉛直とした場合に、鉛直か或は挟持する対象の前記側板に向けて倒れた角度で配置された形状とした請求項1乃至3の何れかに記載のアタッチメント取付けベース。
【請求項5】
前記外側部材の前記内側部材に対する対向面の反りは、外側部材の内側下端と内側上端とを結ぶ線を基準としてゼロか、外側部材の内側下端と内側上端とを結ぶ線を基準として高さ方向中間部が挟持する対象の前記側板から離反する方向へ向けて突出した凸形状である請求項1乃至4の何れかに記載のアタッチメント取付けベース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−214972(P2009−214972A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59021(P2008−59021)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
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