説明

アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患を診断および監視するために利用できる化合物

本発明は、アミロイドタンパク質の中枢神経系への沈着に関連する疾患を診断および監視するために利用可能な一般式I、IIおよびIIIを有する化合物に関する。本発明はまた、上記疾患の診断における本発明の化合物の使用、化合物を含有する医薬組成物、および該化合物を製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患を診断および監視するために利用できる化合物、前記疾患の診断におけるそれらの使用、前記化合物を含有する医薬組成物、そして、最後に、前記化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病およびクロイツフェルト・ヤコブ病、嚢胞性繊維症、晩期発症型糖尿病および運動ニューロン疾患などの疾患が、特に、前駆体タンパク質からのアミロイドタンパク質線維の形成によって起こることが知られている。これらの線維は全身に現れる場合もあるし、あるいは局所的な不溶性沈着物として現れる場合もある。線維を形成しているアミロイドタンパク質は、コンゴレッド陽性であること、電子顕微鏡によれば線維性であること、さらに、X線回折によりクロスβ構造を有することを特徴とすることが現在認められている。20種を超えるアミロイドタンパク質の前駆体タンパク質が知られており、そのいくつかの例としては、軽鎖および重鎖免疫グロブリン、トランスサイレチン、アポリポタンパク質Al、ゲルゾリン、リゾチーム、Aβ前駆体タンパク質、プリオンタンパク質、心房性ナトリウム排泄増加因子、プロラクチンおよびインスリンである。
【0003】
アルツハイマー病患者では、検死解剖により、海馬などの学習課題や記憶に関与する脳領域においてアミロイドタンパク質沈着物の二つのタイプの異常な蓄積が明確に観察される。これらの二つのタイプのもののうち、細胞外アミロイド斑が、アルツハイマー病の特徴を最も示すものであり、細胞内神経原線維変化は他の種類の神経変性疾患でも見られる。
【0004】
アミロイド斑は、異栄養性神経突起および他の変性した星状細胞、ならびに不溶性線維性コアを包み込むミクログリア細胞で構成される。これらの線維は、β−アミロイドタンパク質と総称的に呼ばれる一連のタンパク質で構成されており、それらのタンパク質のうちの2種、Aβ40およびAβ42が主要なものである。また、β−アミロイドタンパク質がCuおよびZnの特定の位置で金属と結合する能力を有することから考えて、β−アミロイド凝集物の組成に特定の遷移金属が含まれていることも立証されてきた。この結合がこれらのタンパク質の沈降を媒介しているため、新皮質で高濃度の金属、例えばCuおよびZnが見つけられ、アルツハイマー病患者のβ−アミロイド斑においてさえも高濃度で見つけられる。β−アミロイドタンパク質は、細胞表面に遍在的に発現される対応する前駆体タンパク質から生成される。それに反論することが不可能というわけではないが、今日では、線維形成前の形態または拡散型の、または斑そのものとしてあるβ−アミロイドタンパク質の形成および蓄積がアルツハイマー病発症の起点となる必須の要因であり、それが神経変性に先行するとされている。また、治療の方策が、これらの過程に向られなければならないという点での意見の一致も見ている。
【0005】
日常の医療行為においては、認知機能の低下などの症状の医療心理検査や臨床観察を行い、これら症状を引き起こすと考えられる他の原因の系統的に除くことが、患者がアルツハイマー病に罹患している可能性があるかどうか、または患者がすでに第1症候期(無効の最低限の症状)にある可能性があるかどうかを判定するために、標準的で広く認知されている方法である。これらの診断を、完全な確信を持って確認する今日における唯一の方法は、死後の脳解剖である。これらの検査では、シナプス数が最も正確なマーカーとなる。しかしながら、沈着したアミロイド斑の量と患者の死亡時の症状の重症度とにほぼ相関が認められる。さらに詳しく言えば、海馬およびいくつかの皮質領域におけるβ−アミロイドタンパク質1〜42の総量の増加が臨床症状の初期段階およびその後の進行と完全に相関することが観察されている。
【0006】
これに関連して、アミロイド斑の量および分布の機能画像を得ることができれば、この疾患の発症前段階診断の重要な助けとなり得る。さらに、in vivo脳アミロイド沈着物の神経画像技術を新たに開発できれば、代替治療法の評価にとり非常に優れたものとなるかもしれない。さらに詳しく言えば、β−アミロイドタンパク質の生成を抑制するか、またはβ−アミロイドタンパク質を再溶解することによって、疾患の進行を緩和するかまたは妨げるかもしれない治療薬を試験する必要性を考えれば、例えば、臨床試験が許容される患者のタイプ、治療の実施時期、および治療経過の評価方法などの事柄について、詳細な情報を得た上で決断できることが極めて重要となる。
【0007】
アルツハイマー病などの慢性の非感染性疾患では、疾患の経過を改善する可能性がある新規物質の第1回目の臨床試験は、予防的ではなく治療的でなければならないと考えることが論理にかなっている。このような第1回目の試験の結果は、第8回アルツハイマー病国際会議(ストックホルム、2002年7月20〜25日)ですでに発表されており、その概要が科学雑誌(New Alzheimer's treatments that may ease the mind, Science, 297, 1260-1262)に掲載されている。そのため、これらおよびその他の取り組みが無駄にならないようにするために、薬理学的治療中の疾患の進行または退縮を可能な限り客観的かつ定量的な方法によって評価し得る、高感度で正確な方法を開発することが急務である。
【0008】
このタイプの監視に利用可能な画像診断法のうち、非侵襲的放射性トレーサー画像(NIRI)法は、分子レベルにおける特定事象、例えば、本明細書における特定事象を視覚化し、定量化することが可能であることから、非常に好ましいものである。これらの方法のうち、高解像度画像が得られる2つの方法として、18Fおよび11Cなどの陽電子を放出する同位元素を使用する方法(陽電子放射型断層撮影法:PET)と、平面画像または単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)画像を得ることが可能である99mTcおよび123Iなどの単光子放出核種を使用する方法がある。
【0009】
二つの検査手法は、とりわけ、現在薬理学的治療中のアルツハイマー病の進行を評価し得る方法に達することに向けられているが、これらのいずれもその手法をまだin vivo系において確証していない。これらのうちの1つは、血液脳関門(BBB)を通過する際に脳の老人斑に組み込まれ、その結果として、その位置決定を可能にし得る放射性ヨウ化(125I)β−アミロイドタンパク質の静脈投与である。このアプローチは、例えば、タンパク質が分解されやすいこと、血液脳関門通過時に問題があること、組織への浸透が困難であること、大量生産が難しいことなどのいくつかの問題を有している。この分野において、最も重要な取り組みは、BBBに関するβ−アミロイドタンパク質の透過性を向上させる方向で進められている。最初の戦略の1つは、β−アミロイドタンパク質を特定のトランスポーターがBBBに存在しているタンパク質ベクターと連結することにあった(Saito Y., et al.; 125I標識β−アミロイドペプチドAβ1−40の血液脳関門を通るベクター媒介送達およびAβ1−40/ベクター複合体のアルツハイマー病アミロイドとの結合; Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 92 (1995) 10227-10231)。最近のアプローチによれば、これらのベクターは、天然ポリアミンであるスペルミンとプトレッシンとされる。プトレッシンコンジュゲートを含む放射性ヨウ化β−アミロイドペプチド(1−40)が、ほとんどの場合、非コンジュゲート型と比較して、ラットの老人斑の濃厚なアミロイド沈着物との結合性において優れていることが観察されている。この結合は、異栄養性神経突起で取り囲まれておらず、かつ、所望により、早期病変の指標となり得るβ−アミロイドタンパク質の無数の拡散沈着物では起こらない(Wengenack T.M. et al.; 「in vivoにおけるアミロイド斑のターゲッティング」; Nat. Biotechnol. 18 (2000) 868-872)。
【0010】
その他の主な研究によれば、アミロイド斑に対してin vitro親和性を有する着色剤を放射性医薬品トレーサーとして使用することが提案されている。BBBに浸透するアミロイド着色剤であるクリサミンGを用いた最初の仕事の1つでは、異なる脳の領域においてテクネチウムを用いてアミロイド斑を染色するにより、このアプローチの実現性が立証されている。他の研究者らは、in vitroでのアミロイド病変の視覚化に有用であることが立証されている99mTcなどの放射性同位元素を分子内に組み入れるため、コンゴレッドなどの着色剤を再設計しようとしてきた(Zhen W.;「レニウム錯体の合成およびアミロイド結合特性:アルツハイマー病脳のSPECT画像化用試薬に向けた準備段階での歩み」 J. Med. Chem. 42 (1999) 2805-2815)。最後の試みの1つは、BSB[(トランス,トランス),−1−ブロモ−2,5−ビス−(3−ヒドロキシカルボニル−4−ヒドロキシ)スチリルベンゼン]と呼ばれる新しい蛍光着色剤に基づいて行われている。BSBはトランスジェニックマウスのアミロイド斑と結合可能であるが、神経細胞内神経細線維などの他のβシートに富んだタンパク質沈着物やパーキンソン病などの他の神経変性疾患に共通したレービー小体などの他の小体に対する親和性もある(Skovronsky D. M. et al.; アルツハイマー病マウスモデルにおけるアミロイド斑のin vivo検出; Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 97 (2000) 7609-7614)。
【0011】
他方で、米国特許第4,360,509号では、非侵襲的画像化技術によって、温血動物における炎症反応を特定するための放射性インジウムと8−ヒドロキシキノリンとのキレート物の使用が開示されている。国際特許出願WO0076966は、アミロイドタンパク質沈着に関連する疾患の診断に利用される放射性同位元素にて標識したローダミン誘導体が開示されている。
よって、中枢神経系へのタンパク質の沈着に関連する疾患の診断および監視に有用であり、さらに、当技術分野の現況においてすでに使用されている化合物の不利益な点を示さない新たな代替化合物の同定および製造が必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
本出願人は網羅的で困難な研究によって、アミロイド斑として現れ、中枢神経系に影響を及ぼすものをはじめとするアミロイドタンパク質線維と相互作用することが、その構造から可能であり、また、驚くべきことに、血液脳関門を通過することも可能である、数種類の化合物を製造した。これら化合物は、したがって、アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患の診断および監視に有用であり、さらに、当技術分野の現況においてこれまで使用された化合物および方法の欠点、例えば、化合物の分解、血液脳関門に関するそれらの透過性の低さ、それらの特異性の低さなどを示さない。したがって、これらの化合物を用いて、動物、トランスジェニック動物、とりわけ、ヒトにおいて上記疾患の診断または監視を行うことが可能である。
【0013】
本発明の一つの態様は、アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患、とりわけ、アミロイド斑として現れ、中枢神経系に影響を及ぼす疾患の診断および/または監視のための組成物の製造における、一般式Iで示される化合物の使用である。
【化1】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、フェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択される基を表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、XおよびYのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
【0014】
本発明の第二の態様は、アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患、とりわけ、アミロイド斑として現れ、中枢神経系に影響を及ぼす疾患の診断および/または監視のための組成物の製造における、一般式IIで示される化合物の使用である。
【化2】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
Zが放射性のものであっても放射性のものでなくてもよいが、金属または希土類カチオンを表し、
||||||||の線が配位結合を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、置換基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、このフェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択される基を表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、X、YまたはZのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
【0015】
本発明の第三の態様は、アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患、とりわけ、アミロイド斑として現れ、中枢神経系に影響を及ぼす疾患の診断および/または監視のための組成物の製造における、一般式IIIで示される化合物の使用である。
【化3】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
Zが放射性のものであっても放射性のものでなくてもよいが、金属または希土類カチオンを表し、
||||||||の線が配位結合を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、置換基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、このフェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択される基を表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、X、YまたはZのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
【0016】
本発明においては、アミロイドタンパク質線維、とりわけ、アミロイド斑として現れ、中枢神経系に影響を及ぼすものの形成に関連する疾患が、特に、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、クロイツフェルト・ヤコブ、嚢胞性繊維症、晩期発症型糖尿病、運動ニューロン疾患、地中海熱、マックル-ウェルズ症候群、特発性骨髄腫、アミロイドポリニューロパシー、アミロイド心筋症、老人性全身性アミロイドーシス、アミロイドーシスによる遺伝性脳出血、ダウン症侯群、クロイツフェルト・ヤコブ病、クル、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、甲状腺髄様癌、アミロイドの弁膜沈着、透析患者のアミロイドーシス、封入体筋炎、アミロイドの筋肉沈着、鎌状赤血球パーキンソン貧血、2型糖尿病などの疾患であると理解される。
【0017】
本発明の第四の態様は、以下の構造を有する化合物である。
a)一般式Iで示される化合物。
【化4】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、フェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択される基を表し;
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、XおよびYは全て同時にHとはならず、かつ
、R、R、R、R、R、R、XおよびYのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
式Iの化合物のうち、比m+n+p=3を満たしているものが好ましい。
【0018】
b)一般式IIで示される化合物。
【化5】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
Zが放射性のものであっても放射性のものでなくてもよいが、金属または希土類カチオンを表し、
||||||||の線が配位結合を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、このフェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択される基を表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、XおよびYは全て同時にHとはならず、かつ
、R、R、R、R、R、R、X、YまたはZのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
【0019】
そして、最後に、
c)一般式IIIで示される化合物。
【化6】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
Zが放射性のものであっても放射性のものでなくてもよいが、金属または希土類カチオンを表し、
||||||||の線が配位結合を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、このフェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択される基を表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、XおよびYが全て同時にHとはならず、かつ
、R、R、R、R、R、R、X、YまたはZのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有し、ただし、
AがNであり、
B、DおよびEが全てCHであり、
XがOであり、かつ
m、nおよびpが全て1である場合に、
、RおよびRが全て同時にHとはならない。]
【0020】
アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患の診断および監視用に好ましい化合物は、以下のものから選択される。
a)一般式Iの化合物:
放射性ヨウ素を含有する類似体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−[123I]ヨード−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−ヨード−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−[124I]ヨード−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−ヨード−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン
放射性フッ素を含有する類似体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリン
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン
放射性炭素を含有する類似体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリン
グルクロニド
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリングルクロニド
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリングルクロニド
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリングルクロニド
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリングルクロニド
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリングルクロニド
単一種ハロゲン原子を含有する類似体
5−[123I]−8−ヒドロキシキノリン
5−[124I]−8−ヒドロキシキノリン
7−[123I]−8−ヒドロキシキノリン
7−[124I]−8−ヒドロキシキノリン
5−[18F]−8−ヒドロキシキノリン
5−[18F]−8−ヒドロキシキノリン
【0021】
b)一般式IIの化合物:
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンの金属錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンの金属錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンの金属錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンFe(II)錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンCu(II)錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンZn(II)錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンMn(II)錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンの金属錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンの金属錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンFe(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンCu(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンZn(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンMn(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンの金属錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン99mTc錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン111In錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン201Tl錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン67Ga錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン68Ga錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン67Cu錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン64Cu錯体
【0022】
c)一般式IIIの化合物:
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンのビス−キレート金属錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンのビス−キレート金属錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンのビス−キレート金属錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンのビス−キレート金属錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンのビス−キレート金属錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンのビス−キレート金属錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン99mTcビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン111Inビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン201Tlビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン67Gaビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン68Gaビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン67Cuビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン64Cuビス−キレート錯体
【0023】
当技術分野の現況において公知の方法に従って、本発明の化合物は製造される。
従って、式Iで示される化合物は、
キノリン誘導体と、
a)放射性ハロゲン原子を組み込んだ求電子性芳香族ハロゲン化試薬とを反応させること、または
b)放射性ハロゲン化誘導体とを反応させて、芳香族求核置換反応を起こすこと
を含んでなる方法に従って製造される。
式IIで示される化合物は、
キノリン誘導体と
a)金属もしくは希土類カチオンとを反応させるか、または、
b)これら元素の放射性同位元素とを反応させ、
金属もしくは希土類カチオンまたはこれら元素の放射性同位元素が好適な酸化状態であり、式IIのその対応するキレート化物を生成させること
を含んでなる方法に従って製造される。
【0024】
当技術分野の現況において公知の従来の方法に従って、式IIIの化合物を製造する。好ましい方法は、キノリン誘導体と、
好適な酸化状態にある
c)金属もしくは希土類カチオン、または
d)これらの元素の放射性同位元素
とを反応させ、
式IIIで定義されるその対応するキレート化物を生成させること
を含んでなる方法である。
【実施例】
【0025】
製造例
実施例1
同位体交換による5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリンの製造
【化7】

Na125Iの1〜3mCi溶液を10mL風船形フラスコ(balloon)に導入し、窒素流下100℃にて蒸発乾固する。対応する7−ヨードキノリン(100mg)を2mLの好適な溶媒に溶かし、これを添加する。風船形フラスコを還流冷却器と連結し、浴槽の温度を上昇させる。反応混合物を窒素雰囲気下にてしばらくの間攪拌し、冷却する。水を添加し、濾過により集めた生成物を水で十分に洗浄する。これを再結晶させ、薄層ラジオクロマトグラフィーによって純度を測定する。
【0026】
実施例2
5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−トリメチルスタンニル−キノリンの製造
ヘキサメチル二スズ(1.31mmol)を、12mLの1,4−ジオキサン中の、ヨウ素誘導体(5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−ヨードキノリン)とテトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.05g)との0.88mmol混合物に添加し、この混合物を窒素雰囲気下にて還流させながら6.5時間加熱する。冷却後、未精製の反応生成物を濾過し、不溶性物質を酢酸エチルで洗浄する。溶媒を減圧除去し、帯黄色の油状物を得る。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、65%収率で固体を生成する。
【0027】
実施例3
クロラミンTを使用した有機スズ誘導体からの5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[123I]ヨードキノリンの合成
123I]ヨウ化ナトリウム(2〜20mCi)を、実施例2に記載のトリメチルスズ誘導体(200〜300μg)の300μLのエタノール溶液に添加し、その後、1N HCl(100μL)中クロラミンT(100μg)を添加する。5分間攪拌した後、メタ重亜硫酸塩水溶液(50mg/mL,100μL)にて反応を停止させ、RP−HPLCに注入する。得られた放射性ヨウ化誘導体画分を98%放射化学的純度で回収する。
【0028】
実施例4
過酸化水素を使用した有機スズ誘導体からの5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[131I]ヨードキノリンの合成
以下に記載するように、実施例2に記載の有機スズ誘導体と類似した方法で製造したトリブチルスズ誘導体から、メタノールに懸濁し、Na131Iおよび過酸化水素で室温にて処理することにより、放射性ヨウ化誘導体を得る。50μLのH(3%w/v)を、密閉バイアル中で作製した50μLのトリブチルスズ誘導体(100μg/50μL EtOH)、1.5mCiの[125I]ヨウ化ナトリウム(比放射能 2200Ci/mmol)および100μLの1N HClの混合物に添加することにより反応が起こる。この反応物を室温にて10分間攪拌し、100μLの無水NaSO飽和溶液の添加により反応を終了させ、窒素流により溶媒を蒸発させる。これを重炭酸ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出する。抽出物を、溶液を無水NaSOのカラムに流すことにより乾燥させ、窒素流により溶媒を蒸発させる。未精製の反応生成物をHPLCにより精製し、85%を上回る放射化学的純度を得る。これらの画分を乾燥させ、残渣を再度EtOAcで抽出する。種々のEtOAc抽出物を窒素雰囲気下にて乾燥状態になるまで濃縮する。残渣をEtOHに溶かす。最終生成物の放射化学的純度は98%を上回る(HPLCによる)。
【0029】
実施例5
クロラミンTを使用した5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[131I]ヨードキノリンの合成
1.0mLの0.02M KHPO緩衝溶液(pH4.8)を5−クロロ−8−ヒドロキシキノリンの入ったバイアルに添加する。混合物を40℃に加熱し、攪拌して透明溶液を得、これを室温に冷却する。10.0mCiの[131I]ヨウ化ナトリウムを含有する10mLの0.1N NaOH溶液を添加し、そのバイアルにテフロン栓をする。30μLの0.02M KHPO緩衝溶液中の7.5μgクロラミンT(N−クロロ−p−トルエンスルホンアミドナトリウム塩)溶液を添加する。これを室温にて5分間機械攪拌した後、数秒間手動攪拌する。攪拌を5分を超えて続けた後、NaHSO(1.4mg/mL)水溶液を添加し、反応混合物を薄層クロマトグラフィーにより分析する。溶液を陰イオン交換カラムに流して、遊離した放射性ヨウ素を除去する。
【0030】
実施例6
クロラミンTを使用した5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリンの合成
30μLのエタノール中の5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン30nmol溶液を0.001N NaOH(30μL)中の10mCi[125I]ヨウ化ナトリウム(4.5μg,330Ci/mmol,30nmol)に添加する。水(10μL)中クロラミンT(13μg,50nmol)溶液を添加する。この混合物を60℃にて45分間加熱する。100μLの0.1N NHClを添加し、これをエーテルで抽出する。反応の結果を好適な溶出剤での薄層クロマトグラフィー(Merck F254 シリカゲル)により分析した後、上記実施例と同様に処理する。
【0031】
実施例7
ヨードゲン(商標)を使用した5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[131I]ヨードキノリンの合成
100μLのヨードゲン溶液(1,3,4,6−テトラクロロ−3−α,6−α−ジフェニルグリコールウリル)(CHCl中1.0mg/mL)を5mLバイアルに添加する。窒素流によりバイアルからジクロロメタンを蒸発させる。0.02M KHPO中5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン溶液(0.5mg/0.5mL)、pH4.8をバイアルに添加した後、バイアルをテフロン栓で閉じ、約10mCiの[131I]ヨウ化ナトリウムを含有する溶液をシリンジを用いて導入する。混合物を室温にて30分間攪拌する。好適な溶出剤を用いたシリカゲルでの薄層クロマトグラフィーにより99%を上回る放射化学的純度が認められる。
【0032】
実施例8
ヨードビーズを使用した5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリンの製造
ヨードビーズをpH=6.5の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝溶液で予め洗浄しておく。必要量のヨードビーズを、Na125I溶液に、ヨウ素で処理すべき生成物各100μgに対して1mCiの濃度の緩衝溶液中で添加する。次いで、5〜500μgのフェノール誘導体を同じ緩衝溶液に溶かし、それに添加する。これを室温にて2〜15分間反応させる。デカンテーションによりヨードビーズと溶液とを分けて反応を停止させる。ヨードビーズを緩衝溶液で洗浄して、全ての放射性ヨウ化誘導体を回収する。
【0033】
実施例9
過酢酸を使用した5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[123I]ヨードキノリンの合成
50μLのエタノールに溶かした0.19μmolの5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン前駆体を、バイアル内で既知量(一般市販[123I]ヨウ素溶液の2倍量である)のpH2の緩衝溶液と混合する。この溶液を放射性ヨウ素の入ったバイアルに導入し、続いて、50μLの3.2%過酢酸溶液(32%w/vの保存溶液から得られる)を導入する。密閉バイアルを65℃に12分間加熱する。これを冷却し、NaHSO水溶液を添加する。上記実施例で記載したようなクロマトグラフ法により、精製し、測定された放射化学的収率を得る。
【0034】
実施例10
直接放射性フッ素化による5−クロロ−7−[18F]フルオロ−ヒドロキシキノリンの製造
100μmolのフェノール誘導体5−クロロ−8−ヒドロキシキノリンの直接放射性フッ素化は、その化合物をトリフルオロ酢酸と氷酢酸との(1:1)混合物に溶かし、これに新たに製造した次亜フッ素酸アセチル([18F]CHCOOF)をバブリングさせることにより実施する。溶媒を蒸発させ、残渣をHPLCにより精製する。
【0035】
実施例11
同位体交換による5−フルオロ−8−ヒドロキシキノリンからの5−[18F]フルオロ−ヒドロキシキノリンの合成
放射性フッ化物[18F]を5mLホウ珪酸反応バイアルに移し、4.0mgのKCOおよび14.6mgのクリプトフィックス2.2.2(登録商標)の存在下、アセトニトリルを加え共沸により乾燥させる。0.5mLのDMSOに溶かした前駆体フッ化物誘導体を乾燥放射性フッ化物、KCOおよびクリプトフィックス2.2.2(登録商標)の入ったバイアルに添加し、反応を最適化するため、110℃、130℃および160℃にて0〜30分間加熱して、同位体交換反応を行う。放射性フッ素化誘導体の精製を逆相HPLCにより行う。相当する画分を集め、減圧濃縮する。
【0036】
実施例12
5−クロロ−7−フルオロ−8−ヒドロキシキノリンからの5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[123I]ヨードキノリンの製造
出発物質を600μLのエタノールに溶かし、これを100μLの溶液A(200μmolのSnSO、2mmolのゲンチジン酸、2mmolのクエン酸一水和物、10μlの氷酢酸を10%酢酸に溶かしたもの)、25μLの溶液B(400μmolのCuSO.5HOを10mLの水に溶かしたもの)および65μLの氷酢酸に添加する。バイアルを超音波浴に15分間入れ、10μLのNa123I(約1mCi)を添加する。混合物にNを通し、これを60℃に1時間加熱する。これを室温にて冷却し、未精製の反応生成物をHPLCにより精製する。
【0037】
実施例13
芳香族求核置換による5−[18F]フルオロ−ヒドロキシキノリンの製造
【化8】

DMSO中[18F]FK−K222複合体を使用し、従来の方法で150〜180℃に10分間加熱するか、または100ワットのマイクロ波により1〜2.5分間反応混合物を活性化する芳香族求核置換により、その対応するハロ−またはニトロ−誘導体をフッ素−18イオンと反応させる。実施例11と同様に、放射性標識された生成物の同定および単離を行う。
【0038】
実施例14
脱保護した前駆体からの5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンの合成
100μmol[18F]Fまたは[18F]OF(100μmol)から製造した求電子性放射性フッ素化剤[18F]CHCOOFを、10mLのフレオン−11(CFCl)中のトリメチルスズ誘導体5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−トリメチルスタンニル−キノリン溶液または5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−トリブチルスタンニル−キノリン溶液(101μmol)中に、室温にて10分間バブリングさせる。窒素流により50℃にて溶媒を蒸発させ、残渣を10mLの塩化メチレンに溶かし、Na(2.5cm)とシリカゲル(9.5cm)を充填し、予めエーテルで平衡化しておいたクロマトグラフカラムに移す。これをエーテルで溶出する。溶媒を蒸発させ、溶液をセミ分取HPLCにより精製する。
【0039】
実施例15
保護した前駆体からの5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンの合成
100μmol[18F]Fまたは[18F]OF(100μmol)から製造した求電子性放射性フッ素化剤[18F]CHCOOFを、10mLのフレオン−11(CFCl)中のトリメチルスズ誘導体5−クロロ−8−t−ブトキシカルボニルオキシ−7−トリメチルスタンニル−キノリン溶液または5−クロロ−8−t−ブトキシカルボニルオキシ−7−トリブチルスタンニル−キノリンの溶液(101μmol)中に、室温にて10分間バブリングさせる。窒素流により50℃にて溶媒を蒸発させ、残渣を10mLの塩化メチレンに溶かし、Na(2.5cm)とシリカゲル(9.5cm)を充填し、予めエーテルで平衡化しておいたクロマトグラフカラムに移す。これをエーテルで溶出する。溶媒を蒸発させ、誘導体を48%臭化水素酸溶液の存在下、130℃にて10分間加水分解する。冷却後、反応混合物を3N NaOH溶液で部分的に中和し、HPLCにより精製する。
【0040】
実施例16
フッ素の代わりにトリメチルアンモニウムを使用した5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンの製造
260mg(1.5当量)のHNMe.HClと430mg(1.5当量)のKCOとを10℃にて、30mLのDMSOと10mLの水との混合物中の2.1mmol前駆体フッ素誘導体溶液に添加する。10℃にて10分間攪拌した後、溶液を還流させながら24時間加熱し、冷却し、水(50mL)で希釈し、生成物をエーテルで抽出する。反応の処理後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。第2の反応工程では次の工程を行う。1.45当量のトリフルオロメタンスルホン酸メチルを、2mLのトルエン中の0.65mmolジメチルアミノ誘導体溶液に添加する。溶液を窒素雰囲気下、室温にて1時間攪拌した後、100mLの水で希釈する。生成物をジクロロメタンで抽出し、溶媒を蒸発させ、残留生成物をジエチルエーテルですりつぶす。最終段階では、約2.0〜3.5mg(6.5〜11.3μmol)のトリフルオロメタンスルホン酸メチル誘導体を新たに蒸留した600μLのDMSOに溶かし、K[18F]F−K222無水複合体の入った試験管に直接添加する。この試験管を、2分間攪拌せずに、加熱ブロックで145〜150℃にて加熱するか、または100Wの電子レンジに1分間入れる。反応混合物を冷却し、3mLの水で希釈し、C18 Sep Packカートリッジに通す。このカートリッジを3.0mLの水で洗浄し、窒素流を適用して0.5分間部分的に乾燥させる。DCM(3mL)を用いてこのカートリッジから放射性フッ素化誘導体を溶出させ、続いて、各1mLで3回以上洗浄を行う。
【0041】
実施例17
クリオキノール複合多糖、5−クロロ−8−イル−ヨードキノリン−β−D−グルクロン酸ナトリウム塩の合成
ピリジン(1.5mL)中の5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−ヨードキノリン(50mg,0.164mmol)、1−ブロモ−1−デオキシ−2,3,4−トリ−O−アセチル−D−グルコピラノシドウロン酸メチル(65mg,0.164mmol)、CaSO.HO(35mg)の混合物を室温にて数分間攪拌する。AgCO(35mg)を反応物に添加し、懸濁液を室温にて20時間攪拌し、光を防ぐ。一度、反応が終了すれば、生成物を単離した後、1N NaOH溶液を用いてヒドロキシル保護基の脱保護を行う。反応物をジクロロメタンで希釈し、濾過し、溶媒を減圧除去する。複合多糖をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製する。(TLC:CHCl/MeOH 99/1、溶出剤:CHCl/MeOH 99.5/0.5).NMR(400MHz, CDCl3) 2.04(s, 3H, Ac), 2.09(s, 3H, Ac), 2.13(s, 3H, Ac), 3.68(s, 3H, Me), 3.99(d, 1H, 5’H), 5.40-5.52(m, 3H, 2', -3', -4'-H), 6.29(d, 1H, 1'-H), 7.56(m, 1H, 3H), 7.99(s, 1H, 6-H), 8.52(d, 1H, 4-H), 8.93(s, 1H, 2-H).
【0042】
実施例18
ヨードゲン(商標)によるクリオキノールグルクロニドの放射性ヨウ素化:
5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[131I]ヨードキノリングルクロニドの合成
10mgのヨードゲン(商標)を、溶液のヨードゲン(商標)(1,3,4,6−テトラクロロ−3α,6α−ジフェニルグリコールウリル)との接触の機会を増やすように小さな結晶の入った試験管内で2mLのジクロロメタンに溶かす。溶媒を蒸発させると、試験管の内側と小結晶上に白色の薄膜が見られる。対応するグルクロニド(4mg/ml)水溶液1mLを添加した後、7.4×10Bq(2mCi)のNa131Iを添加する。この溶液を10分間攪拌しながら室温にて維持する。この反応物をTLCに付し、ラジオクロマトグラフィー標識生成物のRfを測定する。単一種の放射性ヨウ化生成物が90〜95%の放射能収率で得られることが分かる。
【0043】
実施例19
クロラミンTによるクリオキノールグルクロニドの放射性ヨウ素化:5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリングルクロニドの合成
50mMリン酸二ナトリウム、pH7中のクロラミンTの4mg/mL溶液を製造する。50μMリン酸ナトリウム、pH7中の複合多糖標準溶液25μLを2μLの0.5mCi/μL Na125I溶液に添加する。バイアルを閉じ、25μLのクロラミンT溶液を添加し、この混合物を30秒間攪拌する。一度、反応が終了すれば、100μLの12.6mMメタ重亜硫酸ナトリウムを添加する。これを10秒間攪拌する。反応生成物をセファデックスG−25またはG−50カラムを使用したゲル濾過により精製する。
【0044】
実施例20
ヨードビーズによるクリオキノールグルクロニドの放射性ヨウ素化:5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリングルクロニドの合成
50μMリン酸ナトリウム、pH7中の複合多糖溶液25μLを2μLの0.5mCi/μL Na125I溶液に添加する。バイアルを閉じ、少量のヨードビーズを添加し、これを30秒間攪拌する。一度、反応が終了すれば、上清からポリマーを分離する。この溶液に100μLの12.6mMメタ重亜硫酸ナトリウムを添加する。これを10秒間攪拌する。反応生成物をセファデックスG−25またはG−50カラムを使用したゲル濾過により精製する。
【0045】
実施例21
5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン[111In]インジウム錯体の合成
塩化[111In]インジウム三水和物(111InCl.3HO,1.37g,5.0mmol)と5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシ−キノリン(2.14g,10mmol)をエタノール(200mL)に溶かし、溶液を減圧にて濃縮乾固する。得られた帯黄色の粗生成物を、水を添加した後にエタノールで再結晶させ、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン[111In]インジウム錯体を得る。
【0046】
実施例22
8−ヒドロキシキノリン[67Ga]ガリウムキレート剤の合成
0.05M HCl溶液に溶かした三塩化[67Ga]ガリウム(67GaCl)をpH3.5の7mM 8−ヒドロキシキノリン水溶液に添加することによって、[67Ga]ガリウムキレート剤を製造する。約25分間攪拌した後、pHが6まで高まる。生成物をクロロホルムで抽出し、キレート剤を90%収率で得る。
【0047】
実施例23
8−ヒドロキシキノリン[99mTc]テクネチウムキレート剤の製造
8−ヒドロキシキノリン(0.51mmol)を3mLの0.1N NaOH溶液に溶かし、溶液のpHを1N HClを用いてpH=3.5に製造する。0.3mLのSnCl溶液(20mg,10mLの1N HCl中0.11mmol)を添加し、pHを再度0.1N NaOHで調整する。これを5分間攪拌し、80μCiのテクネチウム−99mを過テクネチウム酸ナトリウムとして添加する。クロロホルムで抽出し、キレート剤を90%を上回る収率で得る。
【0048】
実施例24
8−ヒドロキシキノリン[64Cu]銅キレート剤の合成
【化9】

塩化[64Cu]銅(II)(64CuCl)溶液をpH5.5の0.1M酢酸アンモニウム緩衝溶液で10倍希釈する。酢酸[64Cu]銅を8−ヒドロキシキノリンに添加し、最終量を緩衝溶液で1.0〜1.5mLに製造する。室温にて45分間インキュベートした後、64Cu誘導体生成物をクロロホルムで抽出し、キレート剤を90%収率で得る。
【0049】
実施例25
8−ヒドロキシキノリン[67Cu]銅キレート剤の合成
アリコート(aliquot)の出発溶液(67Cu2+/HCl)を窒素流下にて蒸発乾固し、0.25N酢酸緩衝溶液(pH=5.5)で再構成する。配位子(0.2mg)をDMSO(1mg/10μL)に溶かし、これを50μLの酢酸[67Cu]銅溶液(50μL)に添加する。50μLのエタノールを添加した後、[67Cu]銅誘導体をポリテトラフルオロエチレン(PFTE)膜に通す。放射化学的純度を、エタノールで溶出するシリカゲルプラークでの薄層クロマトグラフィーにより測定する。
【0050】
実施例26
5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリン銅キレート剤の合成
方法A:5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリンのキレート化
塩化銅(II)溶液をpH5.5の0.1M酢酸アンモニウムで10倍希釈する。この溶液を5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリンに添加し、最終量をpH=5.5の0.1M酢酸アンモニウム緩衝溶液で1.0〜1.5mLに製造する。室温にて45分間インキュベートした後、溶液をクロロホルムで抽出し、キレート剤を90%収率で得る。
【0051】
方法B:5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン銅キレート剤の放射性ヨウ素化
30μLのエタノール中の5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン銅キレート剤30nmol溶液を0.001N NaOH(30μL)中の10mCi[125I]ヨウ化ナトリウム(4.5μg,330Ci/mmol,30nmol)に添加する。水(10μL)中クロラミンT溶液(13μg,50nmol)を添加する。この混合物を60℃に45分間加熱する。100μLの0.1N NHClを添加し、エーテルで抽出する。生成物を好適な溶出剤での薄層クロマトグラフィー(シリカゲル,Merck F254)により分析する。
【0052】
実施例27
5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリン亜鉛キレート剤の合成
方法A:5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリンのキレート化
Zn(OAc).2HO(60mmol)をメタノール中の5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[125I]ヨードキノリン誘導体(60mmol)懸濁液に添加し、混合物を室温にて19時間攪拌する。生成物を濾過し、メタノール、続いて、石油エーテルで洗浄し、これを乾燥器で乾燥させる。
【0053】
方法B:5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン亜鉛キレート剤の放射性ヨウ素化
30μLのエタノール中の5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン亜鉛キレート剤溶液を0.001N NaOH(30μL)中の10mCi[125I]ヨウ化ナトリウム(4.5μg,330Ci/mmol,30nmol)に添加する。水(10μL)中クロラミンT溶液(13μg,50nmol)を添加する。この混合物を60℃に45分間加熱する。100μLの0.1N NHClを添加し、エーテルで抽出する。反応生成物を好適な溶出剤での薄層クロマトグラフィー(シリカゲル,Merck F254)により分析する。
【0054】
実施例28
5−クロロ−8−ヒドロキシキノリンマンガン(II)キレート剤の放射性ヨウ素化
30μLのエタノール中の5−クロロ−8−ヒドロキシキノリンマンガン(II)キレート剤溶液を0.001N NaOH(30μL)中の10mCi[125I]ヨウ化ナトリウム(4.5μg,330Ci/mmol,30nmol)に添加する。次いで、水(10μL)中クロラミンT溶液(13μg,50nmol)を添加する。この混合物を60℃に45分間加熱する。100μLの0.1N NHClを添加した後、これをエーテルで抽出する。得られた生成物を好適な溶出剤での薄層クロマトグラフィー(シリカゲル,Merck F254)により分析する。
【0055】
実施例29
5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン鉄(II)キレート剤の放射性ヨウ素化
30μLのエタノール中の5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン鉄(II)キレート剤溶液を0.001N NaOH(30μL)中の10mCi[125I]ヨウ化ナトリウム(4.5μg,330Ci/mmol,30nmol)に添加する。水(10μL)中クロラミンT溶液(13μg,50nmol)を添加した後、この混合物を60℃に45分間加熱する。100μLの0.1N NHClを添加し、エーテルで抽出して、反応を処理する。この反応の監視を、好適な溶出剤での薄層クロマトグラフィー(シリカゲル,Merck F254)により行う。
【0056】
生物学的マーカーとしての活性の例
実施例30
トランスジェニックマウスおよび対照マウスでの定量的オートラジオグラフィー
5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[123I]ヨードキノリン放射性誘導体をトランスジェニックマウス(Tg2576)および対照マウスに30gシリンジを使用して麻酔下で頚静脈注射する。一連の対照およびトランスジェニックマウスを調べる。静脈注射の2、4、6時間後、各マウスの脳を取り出し、それらをドライアイスで急冷し、Mokron HM 505Eクリオスタット装置を使用して切片とし、それらをガラスシート上に置き、室温にて乾燥させる。フィルムオートラジオグラフィーでは、シートをMICROM 光学濃度計に入れ、組織切片における放射性医薬品の分布についてのグレースケール画像を得る。測定した光学濃度を最大値の割合(%)として表す。マウス脳のアミロイド斑が最適に検出された画像が得られた。
【0057】
実施例31
トランスジェニックマウスのMicroPET画像
確立された動物プロトコールに従って、全ての動物実験を実施した。トランスジェニックマウス(Tg2576)を、ケタミンおよびキシラジン(4:1)の40μL溶液の静脈注射により麻酔した後、18Fで放射性標識したトレーサー:5−[18F]−フルオロ−8−ヒドロキシ−7−ヨードキノリンを注射した。マウスを仰臥位にし、マイクロPETによりスキャンした。動的マイクロPET検査を、合計収集時間55〜77分間、15面および15〜16フレーム(ダイナミックシーケンス:6×30秒、4×1分、2×5分、2×10分、および1〜2×20分)により実施した。適切なアルゴリズム(フィルター逆投影アルゴリズム)とカットオフ回数0.5を用いて画像を再構成した。フィルター処理を繰り返して画像を再構成し、その結果、画像分解能1.8mmおよび容積測定分解能約6mmを得た。正面を再設定してマウス脳の冠状断面および横断面を得た。局所的な取り込みを組織1g当たりの活性で表す。画像によりマウス脳におけるアミロイド斑が十分に検出された。
【0058】
実施例32
トランスジェニックマウスのSPECT画像
トランスジェニックマウス(Tg2576)を各時間値に対して5匹ずつ使用して検査を実施した。100μLのPBSまたは好適な溶媒に溶かしたトレーサー(SPECTにより検出可能な放射性核種を含有する)(1〜5μCi)を尾部静脈経由で注射した。
【0059】
5−クロロ−8−ヒドロキシ−7−[123I]ヨードキノリントレーサーの投与から4.5時間後に、平行低エネルギー高分解能コリメータを装着したダブルヘッド型カメラ(MULTISPECT II, Siemens Medical Systems)でその放射性核種の光電ピークエネルギー(123Iの場合159KeV)を中心としたエネルギーウィンドウを用いてSPECT画像を得た。
【0060】
解剖学的参照を用いて再構成を補助するために57Co源を動物の頭部に置いて使用した。360度回転させ、64×64マトリックスで収集された120の投射データを得た。2核種同時収集を、1つは123I標識に対する159KeVを中心とした20%のエネルギーウィンドウ、もう一方は57Co標識に対する122KeVを中心とした4%のエネルギーウィンドウを用いて実施した。合計探査時間は約40分間であった。フィルター逆投影アルゴリズムを用いてSPECT画像を再構成した。Chang アルゴリズムを用いて減衰補正を行った。
【0061】
目的の部位の1ピクセル当たりの平均カウントと、対照部位の1ピクセル当たりの平均カウントとを比較して、取り込みの半定量分析を実施した。これらの結果をマクロオートラジオグラフィーで得られたものと比較した。画像によりマウス脳におけるアミロイド斑の分布が示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患、とりわけ、アミロイド斑として現れ、中枢神経系に影響を及ぼす疾患の診断および/または監視のための組成物の製造における、一般式Iで示される化合物の使用。
【化1】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、該フェノール基における可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択されるものを表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、XおよびYのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
【請求項2】
アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患、とりわけ、アミロイド斑として現れ、中枢神経系に影響を及ぼす疾患の診断および/または監視のための組成物の製造における、一般式IIで示される化合物の使用。
【化2】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
Zが放射性であってもよく放射性でなくてもよいが、金属または希土類カチオンを表し;
||||||||の線が配位結合を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、置換基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、該フェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択されるものを表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基を表し、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、X、YまたはZのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
【請求項3】
アミロイドタンパク質線維の形成に関連する疾患、とりわけ、アミロイド斑として現れ、中枢神経系に影響を及ぼす疾患の診断および/または監視のための組成物の製造における、一般式IIIで示される化合物の使用。
【化3】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
Zが放射性のものであっても放射性のものでなくてもよいが、金属または希土類カチオンを表し、
||||||||の線が配位結合を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、置換基Aを含有する環はその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたはC−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、該フェノール基における可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択される、所望により放射性同位元素を有していてもよい基を表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、X、YまたはZのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
【請求項4】
動物、トランスジェニック動物、および、とりわけヒトにおいて、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、嚢胞性繊維症、晩期発症型糖尿病、運動ニューロン疾患、地中海熱、マックル-ウェルズ症候群、特発性骨髄腫、アミロイドポリニューロパシー、アミロイド心筋症、老人性全身性アミロイドーシス、アミロイドーシスによる遺伝性脳出血、ダウン症侯群、クロイツフェルト・ヤコブ病、クル、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー症候群、甲状腺髄様癌、アミロイドの弁膜沈着、透析患者のアミロイドーシス、封入体筋炎、アミロイドの筋肉沈着、鎌状赤血球パーキンソン貧血、2型糖尿病などの疾患の診断または監視を行うための請求項1、2または3に記載の使用。
【請求項5】
一般式Iで示される化合物。
【化4】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、置換基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、該フェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択されるものを表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、XおよびYは全て同時にHとはならず、かつ
、R、R、R、R、R、R、XおよびYのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
【請求項6】
一般式IIで示される化合物。
【化5】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
Zが放射性であってもよく放射性でなくてもよいが、金属または希土類カチオンを表し、
||||||||の線が配位結合を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qが1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rが1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、該フェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択されるものを表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、XおよびYが全て同時にHとはならず、かつ
、R、R、R、R、R、R、X、YまたはZのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有している。]
【請求項7】
一般式IIIで示される化合物。
【化6】

[式中、
XがO、Sを表し、
YがHを表すか、または、X=Oである場合にはXと一緒に炭水化物基を表し、
Zが放射性であってもよく放射性でなくてもよいが、金属または希土類カチオンを表し、
||||||||の線が配位結合を表し、
AがNまたはNRを表し、
BがCR、NRまたはNを表し、
DがCR、NRまたはNを表し、
EがCR、NRまたはNを表し、
ただし、基Aを含有する環がその構造内に最大2個の窒素原子を有し、
m、nおよびpが0または1(ここで、m+n+p=2または3)を表し、
破線- - - -が一重結合または二重結合を表し、
、R、R、R、R、RおよびRがそれぞれ独立に、放射性同位元素、H、ハロゲンまたは所望により放射性同位元素を有していてもよい基であって、C−Cアルキル、OH、C−Cポリヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシル、C−Cアルコキシアルキル、(CH)q−OR’(ここで、qは1、2または3である)、CF、CH−CHF、O−CH−CHF、CH−CH−CHF、CN、NO、O(CO)R’、OR’、SR’、COOR’−SOH、(CH)r−COR’’、(CH)r−CO−R’(ここで、rは1、2または3である)およびRph(ここで、Rphは非置換または置換フェノール基を表し、該フェノール基の可能な置換基はフェノール基を除くR〜Rのいずれかを意味する)から選択されるものを表し、
R’がHまたはC1−3アルキル基であり、
R’’がH、C−Cアルキル基またはC−Cアルキルオキシ基であり、
ただし、R、R、R、R、R、R、R、X、YまたはZのうちの1つだけが放射性同位元素であるか、または放射性同位元素を有し、かつ
AがNであり、
B、DおよびEが全てCHであり、
XがOであり、かつ
m、nおよびpが全て1である場合に、
、RおよびRが全て同時にHとはならない。]
【請求項8】
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−[123I]ヨード−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−ヨード−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−[124I]ヨード−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−ヨード−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリン
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリン
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン グルクロニド
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリン グルクロニド
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリン グルクロニド
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン グルクロニド
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリン グルクロニド
5−[123I]−8−ヒドロキシキノリン
5−[124I]−8−ヒドロキシキノリン
7−[123I]−8−ヒドロキシキノリン
7−[124I]−8−ヒドロキシキノリン
5−[18F]−8−ヒドロキシキノリン
5−[18F]−8−ヒドロキシキノリン
であることを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンFe(II)錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンCu(II)錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンZn(II)錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンMn(II)錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンFe(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンCu(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンZn(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンMn(II)錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン99mTc錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン111In錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン201Tl錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン67Ga錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン68Ga錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン67Cu錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン64Cu錯体
である、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[123I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[124I]ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−[18F]フルオロ−8−ヒドロキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−[18F]フルオロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンFe(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンCu(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンZn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−[11C]メトキシキノリンMn(II)ビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン99mTcビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン111Inビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン201Tlビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン67Gaビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン68Gaビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン67Cuビス−キレート錯体
5−クロロ−7−ヨード−8−ヒドロキシキノリン64Cuビス−キレート錯体
である請求項7に記載の化合物。
【請求項11】
タンパク質の中枢神経系への沈着に関連する疾患の診断のための、請求項5〜9に記載の化合物の1つを含んでなる、医薬組成物。
【請求項12】
請求項5および8に記載の化合物を製造する方法であって、
a)キノリン誘導体と、放射性ハロゲン原子を組み込んだ求電子性芳香族ハロゲン化試薬とを反応させること、または
b)キノリン誘導体と、放射性ハロゲン化誘導体とを反応させ、芳香族求核置換反応を起こすこと
を含んでなる、方法。
【請求項13】
請求項6および9に記載の化合物を製造する方法であって、
a)キノリン誘導体と、金属もしくは希土類カチオンとを反応させるか、または
b)キノリン誘導体と、これら元素の放射性同位元素とを反応させ、
前記金属もしくは希土類カチオンまたはこれら元素の放射性同位元素が好適な酸化状態にあり、請求項6および9に記載のその対応するキレート化物を生成させること
を含んでなる、方法。
【請求項14】
請求項7に記載の化合物を製造する方法であって、
キノリン誘導体と、
好適な酸化状態にある、
a)金属もしくは希土類カチオン、または
b)これらの元素の放射性同位元素
とを反応させ、
請求項7および10に記載のその対応するキレート化物を生成させること
を含んでなる、方法。

【公表番号】特表2006−514928(P2006−514928A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552734(P2004−552734)
【出願日】平成14年11月18日(2002.11.18)
【国際出願番号】PCT/ES2002/000537
【国際公開番号】WO2004/045651
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(505183244)セティール、セントレ、メディク、ソシエダッド、アノニマ (1)
【氏名又は名称原語表記】CETIR CENTRE MEDIC, S.A.
【出願人】(505183255)カタラナ、デ、ディスペンサシオン、ソシエダッド、アノニマ (1)
【氏名又は名称原語表記】CATALANA DE DISPENSACION, S.A.
【出願人】(505183266)バルナトロン、ソシエダッド、アノニマ (1)
【氏名又は名称原語表記】BARNATRON, S.A.
【Fターム(参考)】