説明

アミロイド疾患の治療およびモニタリングのための薬剤

【課題】スチリルベンゼン誘導体がアミロイド蛋白質の凝集または繊維化に及ぼす影響を検討することにより、アミロイド疾患の治療と共に該疾患の病状のモニタリングができる薬剤を提供することが本発明の課題である。
【解決手段】次の化学式1で表されるスチリルベンゼン誘導体は、アミロイド蛋白質の凝集または繊維化を抑制する作用を有していた。
【化1】


(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)。上記のスチリルベンゼン誘導体はアミロイド疾患に伴うアミロイド蛋白質構造変化を阻害するためにアミロイド疾患の治療に有効であり、それに加えてアミロイド蛋白質に親和性を有するために、アミロイド蛋白質の検出にも有効である。よって該化合物を用いて、アミロイド疾患の治療とモニタリングの両方を行うことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミロイド疾患の治療およびモニタリングのための薬剤、および該薬剤を用いたアミロイド疾患の治療およびモニタリングの方法に関する。更に本発明は、スチリルベンゼン誘導体を有効成分として含有するアミロイド疾患の治療剤または予防剤、および該薬剤を有効成分として用いてアミロイド疾患を治療または予防する方法に関する。更に本発明は、スチリルベンゼン誘導体を有効成分として含有するアミロイド蛋白質の凝集あるいは線維化を抑制する阻害剤、該薬剤を有効成分として用いてアミロイド蛋白質の凝集または繊維化を抑制する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミロイド蛋白質が関連している疾患には、アルツハイマー型痴呆、ダウン症候群、FTDP-17、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症、ピック病、免疫細胞性アミロイドーシス、反応性AAアミロイドーシス、家族性アミロイドーシス、透析アミロイドーシス、老人性TTRアミロイドーシス、脳血管アミロイドーシス、遺伝性アミロイド性脳出血、クロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルストマン・ストロイスラー症候群、狂牛病、甲状腺髄様癌、II型糖尿病・インスリノーマ、限局性心房性アミロイド、皮膚アミロイドーシス、限局性結節性アミロイドーシス、パーキンソン病、レヴィー小体型痴呆症、多系統萎縮症、ハンチントン病、脊髄小脳失調症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ニューロセルピン封入体を伴う家族性痴呆症および慢性閉塞性肺疾患などが含まれる。これらの疾患は、蛋白質の誤った折りたたみ構造に起因する疾患である。アルツハイマー病のようなアミロイド疾患に対して一時的に進行を遅らせる薬剤はあるが、これらの疾患は一般に難治性である。なお本願明細書では、アミロイド蛋白質が関連している上記に例示される疾患をアミロイド疾患と称する。
【0003】
現在までに、アミロイドβ蛋白質、タウ蛋白質、免疫グロブリン軽鎖蛋白質、アミロイドA蛋白質、トランスサイレチン蛋白質、リソザイム、BriL蛋白質、シスタチンC蛋白質、スクレイピー蛋白質、β2ミクログロブリン、アポリポプロテインA1、ゲルゾリン、ランゲルハンス島アミロイド蛋白質、フィブリノーゲン、プロラクチン、インシュリン、カルシトニン、心房性ナトリウムペプチド、α-シヌクレイン、プリオン蛋白質、ハンチンチン蛋白質、ハンチンチン蛋白質を含むポリグルタミン、スーパーオキサイドジスムターゼ、ニューロセルピン、α1-アンチキモトリプシンなどの蛋白質、あるいはそれらを前駆体として生成された蛋白質が、誤った折りたたみ構造からアミロイド線維を形成することが知られている。そのようにして形成された個々の線維は、数千の非共有結合で結合した蛋白質あるいはペプチドから構成される層状のβシート構造を有している。
【0004】
なお異常蛋白質と神経変性疾患の関連については種々の知見が得られており、アミロイドβ蛋白質の蓄積がアルツハイマー型痴呆、ダウン症候群などの疾患と関連していること;α-シヌクレインの蓄積がパーキンソン病、レヴィー小体型痴呆症、多系統萎縮症などの疾患と関連していること;プリオン蛋白質の蓄積がクロイツフェルト・ヤコブ病、ゲルストマン・ストロイスラー症候群、狂牛病などの疾患と関連していること;ポリグルタミンの蓄積がハンチントン病、脊髄小脳失調症、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症などの疾患と関連していること;スーパーオキサイドジスムターゼの蓄積が筋萎縮性側索硬化症などの疾患と関連していること;タウ蛋白質の蓄積がアルツハイマー型痴呆、FTDP-17、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症、ピック病などの疾患と関連していること;ニューロセルピンの蓄積がニューロセルピン封入体を伴う家族性痴呆症などの疾患と関連していること等が知られている。
【0005】
蓄積されたアミロイド線維や、そこに至るまでのオリゴマーやプロトフィブリルなどの中間分子が、細胞死など有害な事象を引き起こす原因の有力な候補であると考えられている(R. Kayedら、Science, 2003, 300, 486およびTsaiら、Nature Neuroscience, 2004, 7, 1181など)。そこでこのアミロイド性の構造変化を阻害することで、アミロイド蛋白質の不安定性を増加させることにより、それらのアミロイドタンパク質が関与している疾患を抑制する可能性が示唆されている(P. Hammarstromら、Science, 2001, 293, 2459)。従って、アミロイド蛋白質の構造変化を検出し、且つその構造変化を抑制できる薬剤は、アミロイド疾患の治療薬および予防薬として有用であることが期待される。
【0006】
その一方で、近年アミロイド疾患の早期診断、早期治療の必要性が高まり、その診断基準とともに検査法の感度や特異性が課題となっている。例えば、アルツハイマー病の場合、アミロイドの蓄積は発症の10〜20年前から始まるので、脳内のアミロイド蛋白質を生体内で検出できれば、発症前診断を実現できる可能性がある。このことから近年、生体内(in vivo)のアミロイドをシングルフォトン断層撮影(SPECT), ポジトロン断層撮影(PET) (P. Nestorら、Nature Rev. Neurosci., 2004, July, S34)、核磁気共鳴イメージング(MRI)(M. Higuchiら、Nature Neurosci., 2005, 8, 527)、近赤外蛍光画像(NIRF) (M. Hintersteinerら、Nature Biotech., 2005, 23, 577)などで画像化し、アルツハイマー病の早期診断を可能にしようとする試みがなされている。
【0007】
既にアミロイド凝集を抑制する化合物として、クリオキノール(R. Chernyら、Neuron, 2001, 30,665)クルクミン(K. Onoら、J. Neurosci. Res., 2004, 75, 742)、テニルセタム、カルノシン(G. Munchら、Biochim. Biophys. Acta, 1997, 1360, 17)、4−アミノフェノール、2−アミノ−4−クロロフェノール、2−ヒドロキシ−3−エトキシベンズアルデヒド(F. Feliceら、FASEB J., 2004, 18, 1366)、タンニン酸(K. Onoら、Biochim. Biophys. Acta, 2004, 1690, 193)、ヘミン(D. Howlettら、FEBS Lett., 1997, 417, 249)、メラトニン(M. Pappollaら、J. Biol. Chem., 1998, 273, 7185)、アミロイドβ部分ペプチド(L. Tjernbergら、J. Biol. Chem., 1996, 271, 8545 など)、4,5−ジアニリノフタルイミド(B. Blanchardら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 2004, 101, 14326)、ドパミン、L-ドーパ(J. Liら、FASEB J., 2004, 18, 962)、ヘキサデシル−N−メチルピペリジニウム(S. Woodら、J. Biol. Chem., 1996, 271, 4086)などが報告されている。また蛍光染色剤であるコンゴーレッドがアミロイド凝集の抑制作用を有することも報告されている(A. Lorenzoら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 2004, 91, 12243)。
【0008】
一方スチリルベンゼン誘導体はアミロイドに対し親和性を有し、スチリルベンゼン誘導体をアミロイドの蛍光染色剤として、アミロイドが関連する疾病の病理検査などへ利用することや、アミロイドに特異性を有するMRI造影剤へ利用することが報告されている(国際公開公報WO2005/042461号公報)。
【0009】
【特許文献1】国際公開公報WO2005/042461号公報
【非特許文献1】R. Kayedら、Science, 2003, 300, 486
【非特許文献2】Tsaiら、Nature Neuroscience, 2004, 7, 1181
【非特許文献3】P. Hammarstromら、Science, 2001, 293, 2459
【非特許文献4】P. Nestorら、Nature Rev. Neurosci., 2004, July, S34
【非特許文献5】M. Higuchiら、Nature Neurosci., 2005, 8, 527
【非特許文献6】M. Hintersteinerら、Nature Biotech., 2005, 23, 577
【非特許文献7】R. Chernyら、Neuron, 2001, 30,665
【非特許文献8】K. Onoら、J. Neurosci. Res., 2004, 75, 742
【非特許文献9】G. Munchら、Biochim. Biophys. Acta, 1997, 1360, 17
【非特許文献10】F. Feliceら、FASEB J., 2004, 18, 1366
【非特許文献11】K. Onoら、Biochim. Biophys. Acta, 2004, 1690, 193
【非特許文献12】M. Pappollaら、J. Biol. Chem., 1998, 273, 7185
【非特許文献13】D. Howlettら、FEBS Lett., 1997, 417, 249
【非特許文献14】L. Tjernbergら、J. Biol. Chem., 1996, 271, 8545
【非特許文献15】B. Blanchardら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 2004, 101, 14326
【非特許文献16】J. Liら、FASEB J., 2004, 18, 962
【非特許文献17】S. Woodら、J. Biol. Chem., 1996, 271, 4086
【非特許文献18】A. Lorenzoら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 2004, 91, 12243
【非特許文献19】A. Lorenzoら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 1994, 91, 12243
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在アミロイド関連疾患の治療法として、例えばアルツハイマー病におけるコリンエステラーゼ阻害剤や、パーキンソン病におけるL-ドーパやドパミンアゴニストなどの薬剤を用いた治療法が広く使われているが、いずれも対症療法であり、病気の進行を抑えたり、予防したりすることのできる方法は開発されていない。またこれらの疾患は進行性であるため、早期に診断し早期に治療することが必要であり、更に病気の進行をモニターしながら適切な治療を施せるようになることが望まれている。
【0011】
上記において述べたように国際公開公報WO2005/042461号公報においては、スチリルベンゼン誘導体がアミロイド親和性を有し、アミロイド関連疾病の診断に利用できることが報告されている。しかしながら、これらのスチリルベンゼン誘導体がアミロイド蛋白質の構造変化に対して及ぼす影響については未だ検討されていない。よってこれらの化合物が、アミロイド関連疾患の治療または予防に有効であるかどうかは不明であった。よってスチリルベンゼン誘導体がアミロイド蛋白質の構造変化に影響するかを検討し、よってアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などのアミロイド疾患の早期治療や予防に資することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明は、アミロイド疾患の治療と共に該疾患の病状をモニタリングするための薬剤を提供する。次の化学式1で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として含有することは、本発明の好適な態様である。
【化1】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)。更に上記の化学式1において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子であることは本発明の好適な態様である。更に化学式1において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子であることも、本発明の特に好適な態様である。更に上記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患であることは、本発明の好適な態様である。
【0013】
更に本発明は、アミロイド疾患の治療と共に該疾患の病状をモニタリングする方法を提供する。次の化学式2で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として用いることは、本発明の好適な態様である。
【化2】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)。更に上記の化学式2において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子であることは本発明の好適な態様である。更に化学式2において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子であることも、本発明の特に好適な態様である。更に上記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患であることは、本発明の好適な態様である。
【0014】
更に本発明は、次の化学式3で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として含有することを特徴とするアミロイド疾患の治療剤または予防剤を提供する。
【化3】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)。上記の化学式3において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子であることは本発明の好適な態様である。更に化学式3において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子であることも、本発明の好適な態様である。更に上記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患であることは、本発明の好適な態様である。
【0015】
更に本発明は、次の化学式4で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として含有することを特徴とするアミロイド蛋白質の凝集または繊維化の抑制剤を提供する。
【化4】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)。上記の化学式4において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子であることは本発明の好適な態様である。更に化学式4において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子であることも、本発明の好適な態様である。更に上記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患であることは、本発明の好適な態様である。
【0016】
更に本発明は、次の化学式5で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として用いることを特徴とするアミロイド疾患を治療または予防する方法を提供する。
【化5】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)。上記の化学式5において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子であることは本発明の好適な態様である。更に化学式5において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子であることも、本発明の好適な態様である。更に上記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患であることは、本発明の好適な態様である。
【0017】
更に本発明は、次の化学式6で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として用いることを特徴とするアミロイド蛋白質の凝集または繊維化を抑制する方法を提供する。
【化6】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)。上記の化学式6において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子であることは本発明の好適な態様である。更に化学式6において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子であることは、本発明の好適な態様である。更に上記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患であることは、本発明の好適な態様である。
【発明の効果】
【0018】
下記の実施例に示されるように、国際公開公報WO2005/042461号公報に記載されているスチリルベンゼン誘導体が、アミロイド蛋白質の凝集または繊維化を抑制することが明らかとなった。該化合物はアミロイド疾患に伴うアミロイド性の構造変化を阻害するためにアミロイド疾患の治療に有効であり、それに加えてアミロイド蛋白質に親和性を有するために、アミロイド蛋白質の検出にも有効である。よって該化合物を用いて、アミロイド疾患の治療とモニタリングの両方を行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上記で述べたように本発明者らは検討を重ねた結果、国際公開公報WO2005/042461号公報に記載されているスチリルベンゼン誘導体が、アミロイドタンパク質の構造変化を阻害する活性を有することを見出した。
【0020】
なお本発明で使用されるスチリルベンゼン誘導体は、下記の化学式7で表される化合物であって、
【化7】

化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である。上記の化学式7において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子であること、およびR1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子であることは、本発明の好適な態様である。とりわけ上記の化学式7において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子であること、すなわち(1-フルオロ-2,5-ビス(3-カルボキシ-4-ヒドロキシスチリル)ベンゼン(FSB)を使用することは本発明の特に好適な態様である。更に上記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患であることは、本発明の好適な態様である。
【0021】
上記のスチリルベンゼン誘導体アミロイド蛋白質に親和性を有するために、アミロイドを検出する診断薬として用いることもできる。よって該化合物は、アミロイド疾患の治療とモニタリングの両方を行うための手段を提供するものである。そして本発明により、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などのアミロイド疾患において、疾患の症状が現れる前の段階でも早期診断が可能となり、疾患の効果的な予防や早期治療に資するものである。また本発明により、疾患の進行のモニタリングをしながら治療をすることも可能である。
【0022】
例えば国際公開公報WO2005/042461の記載を参考にして、本発明で使用されるスチリルベンゼン誘導体を合成することができる。国際公開公報WO2005/042461において、(1-フルオロ-2,5-ビス(3-カルボキシ-4-ヒドロキシスチリル)ベンゼン(FSB)を合成した例が記載されているが、当業者は適宜工夫して他のスチリルベンゼン誘導体も合成することができる。
【0023】
本発明で使用するスチリルベンゼン誘導体をアミロイド疾患の治療剤または予防剤として投与する際の投与経路は特に限定されるものではない。本発明で使用するスチリルベンゼン誘導体は通常、薬学的に許容される製剤用担体と混合して調製した製剤の形で投与される。そのような担体として使用されるのは、製剤分野において常用され且つスチリルベンゼン誘導体と反応しない物質である。スチリルベンゼン誘導体を投与する方法は特に限定されるものではなく経口的、あるいは非経口的に投与することができ、鼻腔内吸引、舌下投与、口腔内投与なども可能である。また注射剤として非経口的に投与する場合には、脳室内注射、静脈注射、筋肉注射、皮下注射、皮内注射など種々の手段により投与することも可能である。
【0024】
上記の化学式7のスチリルベンゼン誘導体を薬学的に許容される塩として投与することもでき、その様な薬学的に許容される塩の例として具体的には、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機塩;酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などのアンモニウム塩;モルフォリン、ピペラジンなどが添加された有機アミン添加塩;リジン、グリシン、フェニルアラニンなどが添加されたアミノ酸添加塩を挙げることができる。
【0025】
また製剤にあたって本発明で用いるスチリルベンゼン誘導体は通常、製剤用担体と混合して調製した製剤の形で投与される。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、かつ本発明で用いるスチリルベンゼン誘導体と反応しない物質が用いられる。具体的にはその様な物質の例として、乳糖、ブドウ糖、マンニット、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、蔗糖、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、流動パラフィン、白色ワセリン、フルオロカーボン、非イオン性界面活性剤、プロピレングルコール、水等が挙げられる。
【0026】
本発明で用いるスチリルベンゼン誘導体は通常、これらの製剤用担体と混合して調製した製剤の形で投与される。これらの製剤は、該スチリルベンゼン誘導体を0.01%〜100重量%、好ましくは1〜90重量%の割合で含有することができる。これらの製剤はまた、治療上価値のある他の成分を含有していてもよい。
【0027】
また投与する剤型は特に限定されるものではなく、可能な剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、座剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、吸入剤、注射剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製される。尚、液体製剤にあっては、用時、水又は他の適当な溶媒に溶解または懸濁する形であってもよい。また錠剤、顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、本発明で用いるスチリルベンゼン誘導体を水に溶解させて調製されるが、必要に応じて生理食塩水あるいはブドウ糖溶液に溶解させてもよく、また緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
【0028】
有効成分であるスチリルベンゼン誘導体の投与量は、化合物の種類や投与方法等により異なる。投与量の決定においては投与される者の要因も考慮され、そのような要因としては投与される者の健康状態、年齢、体重、性別、病状の進行度および重症度などが挙げられる。場合に応じて治療に有効な効果を得ることができる投与量を決定することは、当業者の経験および能力の範囲内である。有効成分であるスチリルベンゼン誘導体の投与量は特に限定されるものではないが、好ましい投与量は投与される者の体重1キログラムあたり0.001mgから20mg、より好ましい投与量は体重1キログラムあたり0.01mgから10mgである。血流により最終的には有効成分であるスチリルベンゼン誘導体は除去されるので、該化合物を繰り返して投与することが好ましい。この繰り返し投与を行なう回数は特に限定されるものではなく、投与される者の状態などを考慮して適宜決定することができる。
【0029】
経口投与用の固形製剤を製造するには、有効成分と賦形剤成分、例えば乳糖、澱粉、結晶セルロース、乳酸カルシウム、無水ケイ酸などと混合して散剤とするか、さらに必要に応じて白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤などを加えて湿式又は乾式造粒して顆粒剤とする。錠剤を製造するには、これらの散剤及び顆粒剤をそのまま或いはステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤を加えて打錠すればよい。これらの顆粒又は錠剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸メチルポリマーなどの腸溶剤基剤で被覆して腸溶剤製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造するには、散剤又は顆粒剤を硬カプセルに充填するか、有効成分をそのまま或いはグリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油などに溶解した後ゼラチン膜で被覆し軟カプセルとすることができる。
【0030】
経口投与用の液状製剤を製造するには、有効成分と白糖、ソルビトール、グリセリンなどの甘味剤とを水に溶解して透明なシロップ剤、更に精油、エタノールなどを加えてエリキシル剤とするか、アラビアゴム、トラガント、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを加えて乳剤又は懸濁剤としてもよい。これらの液状製剤には所望により矯味剤、着色剤、保存剤などを加えてもよい。
【0031】
注射剤を製造するには、有効成分を必要に応じて塩酸、水酸化ナトリウム、乳糖、乳酸、ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどのpH調整剤、塩化ナトリウム、ぶどう糖などの等張化剤と共に注射用蒸留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填するか、更にマンニトール、デキストリン、シクロデキストリン、ゼラチンなどを加えて真空凍結乾燥し、用事溶解型の注射剤としてもよい。また、有効成分にレチシン、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを加えて水中で乳化せしめ注射剤用乳剤とすることもできる。
【0032】
直腸投与剤を製造するには、有効成分をカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジ及びモノグリセリド、ポリエチレングリコールなどの座剤用基材と共に加湿して溶解し型に流し込んで冷却するか、有効成分をポリエチレングリコール、大豆油などに溶解した後、ゼラチン膜で被覆すればよい。
【実施例】
【0033】
下記の実施例や図面を用いて本発明を更に詳しく説明するが、その記載は本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0034】
(実施例1:アミロイドβ膜における張力変化)
アミロイドβ(1−42)(Bachem AG, Bubendorf, Switzerland)を0.1%アンモニア水に1mg/mLの濃度で溶解し、その溶液を特表2002-511792号公報に記載された静電噴霧を行う装置、あるいは特開2003-136005号公報に記載された固定化装置を用いて乾燥空気中で噴霧し、縦400μm横800μmの孔をもつマスクを透過させ、1.2%ポリビニルピロリドン上に膜を作成した。
【0035】
この膜をグルタールアルデヒドで架橋し、メカノケミカルセンサーを有する特表2002-503332号公報あるいは米国特許US6033913号公報に記載されている装置上のアームに配置し、0.15 M NaClを含む10 mM Hepes pH6.6の緩衝液(以下、緩衝液と略す)中に浸した。緩衝液を、検出装置上に存在する膜上に0.1 mL/minの流速で流し、張力を安定させた。
【0036】
その後、緩衝液中に溶解した30μMのZnCl2または10μMあるいは100μMの(1-フルオロ-2,5-ビス(3-カルボキシ-4-ヒドロキシスチリル)ベンゼン(FSB)((株)同仁化学研究所、熊本)、ZnCl2を含むFSB溶液を流し、張力および弾性の変化を検出した(図1)。Zn2+により引き起こされるアミロイドβ(1−42)の凝集が本法により検出できることは、特願2004-289282に記載されている。ZnCl2により引き起こされる張力の増加を10μMと100μMのFSBを用いて検討したところ、特に100μMのFSBにおいて張力の増加は著しく抑制した。またZnCl2非存在下のアミロイドβ(1-42)膜に対しても、FSBは張力を低下させる作用を有していた。なお図1において、最初の矢印はZnCl2とFSB 10μMを添加した時点を、2番目の矢印はZnCl2とFSB 100μMを添加した時点を、3番目の矢印はFSB 100μMを単独で添加した時点を、4番目の矢印はZnCl2を単独で添加した時点を、それぞれ示す。以上の結果からFSBはアミロイドβ(1−42)の凝集を抑制する作用を有することが判った。
【0037】
(実施例2:α-シヌクレイン膜における張力変化)
更にヒト型リコンビナントα-シヌクレイン(Biomol International L.P., PLYMOUTH MEETING, PA, USA)を0.01%アンモニア水に1mg/mLの濃度で溶解し、実施例1と同様にα-シヌクレイン膜を作製した。この膜をグルタールアルデヒドで架橋し、メカノケミカルセンサーを有する装置上のアームに配置し、ZnCl2を含むFSB溶液を流した際のα-シヌクレイン膜に対する張力および弾性の変化を実施例1と同様に検出した(図2)。ZnCl2により引き起こされる張力の増加を10μMと100μMのFSBを用いて検討したところ、FSBは張力の増加を著しく抑制した。またZnCl2非存在下のα-シヌクレイン膜に対しても、FSBは張力を低下させる作用を有していた。なお図2において、最初の矢印はZnCl2を単独で添加した時点を、2番目の矢印はZnCl2とFSB 10μMを添加した時点を、3番目の矢印はZnCl2とFSB 100μMを添加した時点を、4番目の矢印はFSB 100μMを単独で添加した時点を、5番目の矢印はZnCl2を再び単独で添加した時点を、それぞれ示す。以上の結果からFSBはα-シヌクレインの凝集を抑制する作用もまた有することが判った。
【0038】
(実施例3:スーパーオキサイドジスムターゼ膜における張力変化)
更にスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD:Sigma-Aldrich Co., St. Louis, MO, USA)を蒸留水に1mg/mLの濃度で溶解し、実施例1と同様にSOD膜を作製した。この膜をグルタールアルデヒドで架橋し、メカノケミカルセンサーを有する装置上のアームに配置し、ZnCl2を含むFSB溶液を流した際のSOD膜に対する張力および弾性の変化を実施例1と同様に検出した(図3)。ZnCl2により引き起こされる張力の増加を10μMと100μMのFSBを用いて検討したところ、FSBは張力の増加を著しく抑制した。またZnCl2非存在下のSOD膜に対しても、FSBは張力を低下させる作用を有していた。なお図3において、最初の矢印はZnCl2を単独で添加した時点を、2番目の矢印はZnCl2とFSB 10μMを添加した時点を、3番目の矢印はZnCl2とFSB 100μMを添加した時点を、4番目の矢印はFSB 100μMを単独で添加した時点を、それぞれ示す。以上の結果からFSBはSODの凝集を抑制する作用もまた有することが判った。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明により、アミロイド疾患の治療と共に該疾患の病状をモニタリングするための薬剤が提供された。該薬剤の有効成分は好ましくはスチリルベンゼン誘導体であって、該化合物はアミロイド蛋白質の凝集または繊維化の抑制作用を有する。該化合物はアミロイド疾患に伴うアミロイド性の構造変化を阻害するためにアミロイド疾患の治療に有効であり、それに加えてアミロイド蛋白質に親和性を有するために、アミロイド蛋白質の検出にも有効である。よって該化合物を用いて、アミロイド疾患の治療とモニタリングの両方を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、FSBによるアミロイドβ(1−42)膜の張力低下作用を、ZnCl2の存在下および非存在下において検討した結果を示すグラフである。
【図2】図2は、FSBによるα-シヌクレイン膜の張力低下作用を、ZnCl2の存在下および非存在下において検討した結果を示すグラフである。
【図3】図3は、FSBによるSOD膜の張力低下作用を、ZnCl2の存在下および非存在下において検討した結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミロイド疾患の治療と共に該疾患の病状をモニタリングするための薬剤。
【請求項2】
次の化学式1で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする請求項1記載の薬剤。
【化1】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)
【請求項3】
化学式1において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子である請求項1記載の薬剤。
【請求項4】
化学式1において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子である請求項1記載の薬剤。
【請求項5】
前記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患である、請求項1から請求項4のいずれか1つの請求項記載の薬剤。
【請求項6】
アミロイド疾患の治療と共に該疾患の病状をモニタリングする方法。
【請求項7】
次の化学式2で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として用いることを特徴とする請求項6記載の方法。
【化2】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)
【請求項8】
化学式2において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子である請求項6記載の方法。
【請求項9】
化学式2において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子である請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患である、請求項6から請求項9のいずれか1つの請求項記載の方法。
【請求項11】
次の化学式3で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として含有することを特徴とするアミロイド疾患の治療剤または予防剤。
【化3】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)
【請求項12】
化学式3において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子である請求項11記載の治療剤または予防剤。
【請求項13】
化学式3において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子である請求項11記載の治療剤または予防剤。
【請求項14】
前記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患である、請求項11から請求項13のいずれか1つの請求項1つの請求項記載の治療剤または予防剤。
【請求項15】
次の化学式4で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として含有することを特徴とするアミロイド蛋白質の凝集または繊維化の抑制剤。
【化4】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)
【請求項16】
化学式4において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子である請求項15記載の抑制剤。
【請求項17】
化学式4において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子である請求項15記載の抑制剤。
【請求項18】
前記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患である、請求項15から請求項17のいずれか1つの請求項記載の抑制剤。
【請求項19】
次の化学式5で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として用いることを特徴とするアミロイド疾患を治療または予防する方法。
【化5】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)
【請求項20】
化学式5において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子である請求項19記載の方法。
【請求項21】
化学式5において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子である請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患である、請求項19から請求項21のいずれか1つの請求項記載の方法。
【請求項23】
次の化学式6で表されるスチリルベンゼン誘導体を有効成分として用いることを特徴とするアミロイド蛋白質の凝集または繊維化を抑制する方法。
【化6】

(化学式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水酸基またはカルボキシル基であり、R3は、フッ素原子または臭素原子である)
【請求項24】
化学式6において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3がフッ素原子である請求項23記載の方法。
【請求項25】
化学式6において、R1が水酸基であり、R2がカルボキシル基であり、R3が臭素原子である請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記アミロイド疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択された疾患である、請求項23から請求項25のいずれか1つの請求項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−303144(P2008−303144A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−271907(P2005−271907)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(302064588)株式会社 フューエンス (12)
【Fターム(参考)】