説明

アルカリ排水中和方法

【課題】 製紙/パルプ工場で生じる木屑等含有のアルカリ排水を効率よく中和処理することができる経済性に優れたアルカリ排水中和方法を提供する。
【解決手段】 製紙/パルプ工場で生じ木屑等を含むアルカリ排水を、貯水槽20内にて、当該工場に設置されたボイラーで生じる排ガスとの気液接触処理により、木屑等を含んだ状態で中和処理する。処理槽20内でのアルカリ排水とボイラー排ガスとの気液接触処理を、自吸式排ガス散気装置30と当該散気装置の近傍に配置された排水攪拌装置40との組合せにより行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製紙/パルプ工場で大量に生じるアルカリ排水を効率的、経済的に中和処理するアルカリ排水中和方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製紙/パルプ工場ではパルプの蒸解工程や古紙再生時の離解工程で多量の水酸化ナトリウムが使用される。このため、製紙/パルプ工場からは多量のアルカリ排水が発生し、その中和処理が行われる。その中和処理として実際に行われているのは、硫酸液による中和処理のみである(特許文献1)。その理由は次のとおりである。
【0003】
アルカリ排水の中和処理としては、炭酸ガスなどの酸性ガスとの気液接触によるものも存在するが(特許文献2)、製紙/パルプ工場で発生するアルカリ排水にはスラリー状の木屑等が多量に混入している。このためミキサーやエジェクタなどの混合装置を使用する気液接触では、それらの混合装置に詰まりが発生し、混合装置が短期間で使用困難となる。このため、混合装置を使用する気液接触では、アルカリ排水中の木屑等を予め除去しておく必要となるが、その処理に莫大なコストがかかるため、この方法は実際には行われていない。
【0004】
別の気液接触法として貯水槽内で散気装置により行うものがある。これは貯水槽内のアルカリ排水に散気装置から炭酸ガスなどの酸性ガスを注入するものである。詰まりの危険はないが、散気装置からアルカリ排水中に供給される酸性ガスの気泡径が大きいため効率が極端に低い。このため、この方法も理論的には考えられていても、実際には行われていない。
【0005】
更に別の気液接触法として、本出願人はボイラーブロー排水などのアルカリ排水をボイラー排ガスなどの炭酸ガス含有ガスにより中和する方法を開発し、特許文献3により提示している。この方法は、貯水槽の上に気液接触塔を連設した中和処理装置を使用する。そして、気液接触塔の上部から塔内にアルカリ排水を注入すると共に、炭酸ガス含有ガスを貯水槽内のアルカリ排水に注入し、貯水槽及び気液接触塔内でアルカリ排水と接触させた後、塔上部から塔外へ排出する。この方法は、ボイラーブロー排水などの固形物を含まないアルカリ排水の中和処理には有効であるが、製紙/パルプ工場で発生しスラリー状の木屑等を多量に含むアルカリ排水の処理には、木屑等が気液接触塔に詰まるために不向きである。
【0006】
これらのために、製紙/パルプ工場で発生するアルカリ排水の中和処理として実際に行われているのは、硫酸液による中和処理のみである。しかしながら、この方法では、アルカリ排水の排出量が多いため、硫酸液の使用量も多くなり、硫酸液コストの嵩むことが大きな問題となっている。このため、製紙/パルプ工場で発生するアルカリ排水のようなスラリー状固形異物を大量に含むアルカリ排水について、硫酸などの薬剤を使用せず、また固形異物の事前除去を必要としない効率的、経済的な中和方法の開発が待たれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−081520号公報
【特許文献2】特開2002−066574号公報
【特許文献3】特開2009−279465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、製紙/パルプ工場で生じる木屑等含有のアルカリ排水を効率よく中和処理することができる経済性に優れたアルカリ排水中和方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明者らは自ら開発したボイラー排ガスによるアルカリ排水中和装置(特許文献3)を製紙/パルプ工場で生じるアルカリ排水の中和処理に適用させるべく、その改良に着手し、様々な方面から多くの検討を行った。その結果、以下のような事実が判明した。
【0010】
製紙/パルプ工場では、多くのボイラーが使用されている。それらのボイラーは、従来は重油を燃料とする油焚きボイラーであったが、近年の重油コストの高騰、二酸化炭素排出量抑制に代表される環境上の制約などからバイオマスボイラーへの転換が図られており、最近ではボイラーの多くはこのバイオマスボイラーで占められるようになった。バイオマスボイラーの排ガスは油焚きボイラーの排ガスと比べて炭酸ガスを多く含むが、その炭酸ガスは二酸化炭素排出量に加算されない。また、バイオマスボイラーの排ガスは硫黄分を含まないため法的規制を受けない。これらのため、製紙/パルプ工場の多くで使用が急増しているバイオマスボイラーの排ガスは、製紙/パルプ工場で生じるアルカリ排水の中和処理に適する。
【0011】
しかしながら、製紙/パルプ工場で生じるアルカリ排水に含まれるスラリー状の木屑等がボイラー排ガスによる中和処理の大きな障害となることは前述したとおりである。そこで本発明者らは、アルカリ排水中の木屑等が障害にならない貯水槽内での気液接触方式に着目し、前述したアルカリ排水中和装置(特許文献3)の改良を試みた。その結果、次のような工夫が有効であることが明らかとなった。
【0012】
第1は、アルカリ排水中和装置において詰まりを生じる危険がある貯水槽上の気液接触塔を取り除くこと。第2は、気液接触塔を取り除くことによる効率低下を貯水槽内の散気装置の工夫で補うこと。具体的にはボイラー排ガス散気装置に排水攪拌装置を組み合わせること、望ましくはその散気装置として自吸式散気装置を使用することである。
【0013】
自吸式散気装置とは、隣接する羽根間の回転軸部にガス吐出口を設けた羽根車を被処理液中で高速回転させるものであり、羽根車の高速回転により各羽根の回転方向下流側が負圧になることにより、回転軸を通して吸引されるガスが各吐出口から液中に噴出されると共に、噴出されたガスが各羽根で剪断されることにより、羽根車周囲に微細なガス気泡を大量に噴出し、被処理液と気液接触させる。この自吸式散気装置は多量の微細気泡を高速で噴出することから非常に高効率であるが、それでもなお、取り除いた気液接触塔を補うまでには至らない。そこで、微細気泡が充満した被処理液を、自吸式散気装置とは別の攪拌装置により強制攪拌する。その結果、製紙/パルプ工場で生じスラリー状の木屑等を含んだアルカリ排水が、ボイラー排ガスにより木屑等を含んだまま中和処理されることが明らかとなった。
【0014】
本発明のアルカリ排水中和方法は、かかる知見に基づいてなされたものであり、製紙/パルプ工場で生じ木屑等を含むアルカリ排水を、貯水槽内にて、当該工場に設置されたボイラーで生じる排ガスとの気液接触処理により、木屑等を含んだ状態で中和処理するものである。
【0015】
本発明のアルカリ排水中和方法に使用されるボイラーとしては、硫黄分を含まない一方、炭酸ガスを多く含み、その炭酸ガスが二酸化炭素排出量に加算されないバイオマスボイラーの排ガスが好ましいが、ガス中の硫黄分が少ないガス焚きボイラーの排ガスの使用も可能である。
【0016】
アルカリ排水とボイラー排ガスとの処理槽内での気液接触処理については、排ガス散気装置と当該散気装置の近傍に配置された排水攪拌装置との組合せにより行うのが有効である。排水攪拌装置は、排ガスの微細気泡を十分に含んだ排水を攪拌する必要があるので、排ガス散気装置の近傍に配置されていることが必要である。排ガス散気装置及び排水攪拌装置が共に回転羽根式であって同軸上に接近して配置された構成が、合理的で高効率な点から好ましく、同軸上に配置された回転羽根式の排ガス散気装置と排水攪拌装置とが共通のモータにより駆動される構成が、より好ましい。そして、その排ガス散気装置としては前述した自吸式排ガス散気装置が好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のアルカリ排水中和方法は、製紙/パルプ工場で生じ木屑等を含むアルカリ排水を、当該工場に設置されたボイラーで生じる排ガスにて中和するので、中和処理のための薬液が不要となり、経済性に優れる。貯水槽内での気液接触により中和処理を行い、木屑等の目詰まり要因を排除したので、アルカリ排水から木屑等を事前に除去する手間を省略でき、この点からも経済性に優れる。貯水槽の構造も簡単になり、この点からも経済性に優れる。したがって、本発明のアルカリ排水中和方法は非常に経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態を示すアルカリ排水中和方法の概念図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示すアルカリ排水中和方法の概念図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示すアルカリ排水中和方法の概念図である。
【図4】本発明の第4実施形態を示すアルカリ排水中和方法の概念図である。
【図5】本発明の第5実施形態を示すアルカリ排水中和方法の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の第1実施形態〜第5実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
第1本実施形態のアルカリ排水中和方法は、図1に示すように、製紙/パルプ工場で生じるアルカリ排水の中和処理に用いられており、より具体的には、当該製紙/パルプ工場内に設置されたバイオマスボイラーの排ガスにより、その中和処理を行う。この中和処理のために、前記アルカリ排水が送液ポンプ10により貯水槽20に導入される。アルカリ排水はスラリー状の木屑等を含んだ状態であり、そのpHは例えば約10程度である。
【0021】
貯水槽20には、自吸式排ガス散気装置30と排水攪拌装置40とを組み合わせた中和処理促進装置が取付けられている。自吸式排ガス散気装置30は、貯水槽20上に設置されたモータ31と、モータ31から下方へ延出して貯水槽20内に挿入された垂直な中空支持軸32と、中空支持軸32の先端部に回転自在に取付けられた回転羽根33とを備えている。回転羽根33は、回転中心部から放射状に延出した複数枚の羽根と、隣接する羽根の間に位置して回転中心部に設けられたガス吐出孔とを有しており、中空支持軸32内を貫通する垂直な回転軸を介してモータ31により回転駆動される。回転羽根33における個々の羽根は回転中心に平行な平板である。
【0022】
貯水槽20内のアルカリ排水中で回転羽根33が高速で回転駆動されることにより、ボイラー排ガス煙道50からボイラー排ガスが中空支持軸32内に吸引され、回転羽根33の隣接する羽根間に設けられた各ガス吐出孔からアルカリ排水中へ微細気泡となって吐出される。その原理は前述したとおりである。
【0023】
排水攪拌装置40は、自吸式排ガス散気装置30における回転羽根33の先端側に設けられた回転羽根41からなる。回転羽根41は回転羽根33に対して同心状に且つ一体的に連結されており、回転羽根33と共にモータ31により駆動される。すなわち、自吸式排ガス散気装置30のモータ31は、排水攪拌装置40を構成する回転羽根41の駆動原を兼ねている。回転羽根41の構造は、回転羽根33と同様に、回転中心部から回転中心に平行な複数枚の板状羽根が放射状に延出したものとなっている。回転羽根41における羽根の枚数は、回転羽根33より少なく、例えば回転羽根33の8枚に対して、その半分の4枚である。
【0024】
自吸式排ガス散気装置30及び排水攪拌装置40は、ここでは回転中心が垂直な縦型であり、回転羽根33,41は貯水槽20内の底部近傍に位置している。
【0025】
操業では、送液ポンプ10及び自吸式排ガス散気装置30におけるモータ31が駆動される。送液ポンプ10の駆動により、木屑等を含んだアルカリ排水が貯水槽20内に槽上部から導入される。自吸式排ガス散気装置30におけるモータ31の駆動により、自吸式排ガス散気装置30における回転羽根33及び排水攪拌装置40を構成する回転羽根41が高速回転する。回転羽根33の高速回転により、隣接する羽根板間が真空状態となり、バイオマスボイラーの排ガス煙道50からボイラー排ガスが中空支持軸32内を経て回転羽根41の回転中心部に形成された複数のガス吐出孔からアルカリ排水中へ吐出され、排ガスの微細気泡が周囲へ放散される。
【0026】
同時に、回転羽根41の高速回転により、回転羽根41の近傍のアルカリ排水が攪拌される。回転羽根41は回転羽根33に連設され、回転羽根33の直近で高速回転するため、排ガスの微細気泡を高密度で多量に含むアルカリ排水が強制攪拌される。このため、アルカリ排水が排ガス中の炭酸ガスにより高効率に中和処理される。排ガスの微細気泡は回転羽根33から遠ざかるにつれて気泡径が大きくなり、密度は低下するので、回転羽根33から離れたところで回転羽根41による攪拌を行っても、中和処理の効率は上がらない。回転羽根33に連設された回転羽根41により、回転羽根33の直近でアルカリ排水の攪拌を行うことに意義がある。
【0027】
かくして、製紙/パルプ工場で生じスラリー状の木屑等を含むアルカリ排水が、その木屑等を含んだ状態のままボイラー排ガスにより硫酸を使用することなく効率的、経済的に中和処理される。
【0028】
貯水槽20で中和処理された後の中性排水は、貯水槽20におけるアルカリ排水導入側とは反対側の槽上部から槽外へ順次排出される。中和処理に使用され炭酸ガスを消費された後の排ガスは、貯水槽20の上部に立設した排気管21から槽外へ排出される。
【0029】
次に、第2実施形態以降のアルカリ排水中和方法について説明する。
【0030】
第2実施形態のアルカリ排水中和方法は、図2に示すように、自吸式排ガス散気装置30及び排水攪拌装置40が、回転中心が水平な横型となっている点が、第1実施形態のアルカリ排水中和方法と異なる。自吸式排ガス散気装置30及び排水攪拌装置40は貯水槽20の底部近傍に設置されており、機能は第1実施形態のアルカリ排水中和方法と実質同一である。
【0031】
第3実施形態のアルカリ排水中和方法は、図3に示すように、自吸式排ガス散気装置30におけるモータ31が、回転羽根33,41と共に貯水槽20の槽上に架台70により設置され、回転羽根33,41と直結されている点が、第1実施形態及び第2実施形態のアルカリ排水中和方法と相違する。架台70は、貯水槽20内のアルカリ排水の流通を阻害しない構成である。機能は、第1実施形態及び第2実施形態のアルカリ排水中和方法と実質同一である。
【0032】
第4実施形態のアルカリ排水中和方法は、図4に示すように、排ガス煙道50から自吸式排ガス散気装置30へボイラー排ガスを導く導管に送風ブロワー60を介装した点が他の実施形態のアルカリ排水中和方法と相違する。送風ブロワー60の介装により、自吸式排ガス散気装置30へより多くのボイラー排ガスを供給することができ、貯水槽20での中和処理能力の向上を図ることができる。
【0033】
図4のアルカリ排水中和方法では、基礎となっているシステムが図1のものであるが、図2のシステムや図3のシステムの場合も有効であることは言うまでもない。
【0034】
第5実施形態のアルカリ排水中和方法は、貯水槽20を多段化(タンデム化)した点で他の実施形態のアルカリ排水中和方法と相違する。ここにおける貯水槽20は、内部が堰22により上流側と下流側に仕切られており、それぞれに自吸式排ガス散気装置30と排水攪拌装置40の組合せを装備している。
【0035】
このアルカリ排水中和方法では、アルカリ排水に対してボイラー排ガスによる中和処理が繰り返し行われる点から、中和処理能力の向上が図られる。ここでも、基礎となっているシステムは図1のものであるが、図2のシステムや図3のシステム、図4のシステムの場合も有効であることは言うまでもない。
【0036】
更に処理段数は、図5では2段であるが、3段以上とすることも可能であり、それにより処理効率が更に向上することは言うまでもない。
【実施例】
【0037】
〔実施例1〕
図1に示す第1実施形態のアルカリ排水中和方法を実際に実施した。被処理水は、製紙/パルプ工場で生じるアルカリ排水であり、スラリー状の木屑等を多量に含んでいる。被処理水のpHは11.8である。貯水槽の容積は5m3 であり、被処理水の供給量は150m3 /hとした。被処理水の槽内滞留時間は約2分である。一方、ボイラー排ガスとしては、バイオマスボイラーで生じる燃焼排ガスを使用した。そのボイラー排ガス中の炭酸ガス濃度(CO2 濃度)は10vol%であり、自吸式排ガス散気装置への供給量は300m3 /hである。これにより、被処理水への炭酸ガス(CO2 )の吹き込み量は30m3 /hとなる。自吸式排ガス散気装置及び排水攪拌装置における回転羽根の回転数は1800rpm、これらの動力源であるモータの出力は約14kWである。
【0038】
貯水槽から排出される処理水のpHは7.6であった。処理水をpH7.6にするのに必要な理論炭酸ガス量(CO2 量)は21m2 /hであり、処理効率、経済性は非常に高いと言える。
【0039】
〔参考例〕
実施例2において排水攪拌装置を取り除き、自吸式排ガス散気装置のみを使用した。貯水槽から排出される処理水のpHは9.0に上昇した。
【0040】
〔実施例2〕
図4に示す第4実施形態のアルカリ排水中和方法を実際に実施した。具体的には、実施例1において、排ガス煙道から自吸式排ガス散気装置へボイラー排ガスを導く導管に出力が2.2kWの送風ブロワーを介装し、炭酸ガス濃度(CO2 濃度)の供給量を400m3 /hに増加させた。貯水槽から排出される処理水のpHは6.9に低下した。
【0041】
〔実施例3〕
図5に示す第5実施形態のアルカリ排水中和方法を実際に実施した。具体的には、実施例1において使用した容量が5m3 の貯水槽の内部を2室に分割して2段処理を行った。各室の容量は2.5m3 であり、それぞれに実施例1と同じ自吸式排ガス散気装置と排水攪拌装置の組合せを設け、ボイラー排ガスを150m3 /hずつ供給した。ボイラー排ガスの総供給量は実施例1と同じ300m3 /h(150m3 /h×2)である。貯水槽から排出される処理水のpHは実施例1より大きい7.0になった。
【符号の説明】
【0042】
10 送液ポンプ
20 貯水槽
30 被処理水循環系
21 排気管
22 堰
30 自吸式排ガス散気装置
31 モータ
32 中空支持軸
33 回転羽根
40 排水攪拌装置
41 回転羽根
50 排ガス煙道
60 導管
61 送風ブロワー
70 架台


【特許請求の範囲】
【請求項1】
製紙/パルプ工場で生じ木屑等を含むアルカリ排水を、貯水槽内にて、当該工場に設置されたボイラーで生じる排ガスとの気液接触処理により、木屑等を含んだ状態で中和処理することを特徴とするアルカリ排水中和方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアルカリ排水中和方法において、前記ボイラーがバイオマスボイラー又はガス焚きボイラーであるアルカリ排水中和方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアルカリ排水中和方法において、処理槽内でのアルカリ排水とボイラー排ガスとの気液接触処理を、排ガス散気装置と当該散気装置の近傍に配置された排水攪拌装置との組合せにより行うアルカリ排水中和方法。
【請求項4】
請求項3に記載のアルカリ排水中和方法において、排ガス散気装置と排水攪拌装置とが共に回転羽根式であって同軸上に接近して配置されているアルカリ排水中和方法。
【請求項5】
請求項4に記載のアルカリ排水中和方法において、同軸上に配置された回転羽根式の排ガス散気装置と排水攪拌装置とが、共通のモータにより駆動されるアルカリ排水中和方法。
【請求項6】
請求項3〜5の何れかに記載のアルカリ排水中和方法において、排ガス散気装置は自吸式排ガス拡散装置であるアルカリ排水中和方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−5935(P2012−5935A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142863(P2010−142863)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(593012181)東洋紡エンジニアリング株式会社 (20)