説明

アルカリ金属塩溶融液を使用しながらの超合金の再循環

本発明は、超合金、殊に超合金スクラップをアルカリ金属の塩溶融液中で分解し、引続き価値のある金属を回収する方法に関し、この場合には、極めて価値のある金属、例えばタングステン、タンタルおよびレニウムが回収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超合金、殊に超合金スクラップを塩溶融液中で再分解し、引続き価値のある金属を回収する方法に関する。
【0002】
超合金は、ニッケルおよびコバルトを基礎とし、例えばアルミニウム、クロム、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ、マンガン、レニウム、白金、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムのような別の金属、ならびに非金属、例えば硼素および/または炭素の添加剤を有する複雑に構成された高温安定性の合金である。超合金は、高強度の特に耐摩耗性の合金であり、エンジン組立および駆動装置組立、エネルギー技術ならびに航空学および宇宙航空学において使用される。この合金の特殊な性質は、殊にレアメタルおよび貴金属、例えばレニウム、タンタル、ニオビウムまたはそれよりもむしろ白金の添加によって達成される。超合金の組成、性質および使用分野に関する分かり易い概要は、Ullmann's Encycloaedia of Industrial Chemistry, 第A13巻、第5版、1989、第55〜65頁およびKirk-Othmer Encyclopedia of Technology, 第12巻、第4版、第417〜458頁にある。超合金は、通常の高溶融合金、例えばW−Re合金またはMo−Re合金とは、特殊な耐酸化性または耐蝕性によって区別される。即ち、超合金からなる構造部材は、顕著な耐酸化性のために航空機タービンの羽根の製造の際に使用される。このような部材は、利用時間の経過後、レアメタル、殊にレニウム、タンタル、ニオブ、タングステン、モリブデンおよび白金を取得するための重要な原料源を意味している。
【0003】
超合金からの合金金属の回収は、高価な金属の高い含量のために経済的に極めて重要である。即ち、特殊な超合金は、12質量%までのレニウム、12質量%までのタンタル、5質量%までのニオブ、および12質量%までのタングステンおよびモリブデンの金属を含有する。超合金中の基礎金属として使用される他の金属は、ニッケルおよびコバルトである。超合金は、これらニッケルおよびコバルトについても原料源であり、この原料源からの前記金属の回収は、経済的に有用である。
【0004】
超合金からの金属成分の回収のために、一連の湿式冶金法または乾式精錬法ならびに電気化学的方法は、公知であり、これらの方法は、複雑な実施形式および高いエネルギー費用のために、経済的な視点で、特に常にさらに上昇するエネルギー価格のために大規模には実施されないという方法ではない。
【0005】
超合金から金属成分を回収するための公知技術水準によれば、この超合金は、保護ガス雰囲気下で溶融され、引続き蒸発され、微粒状の粉末に変わる。この方法の場合、超合金が1200〜1500℃の高い温度で初めて溶融することは、欠点である。超合金の固有の分解は、第2工程で初めて、得られた粉末を酸で処理することによって行なわれる。経験によれば、このために数日間が必要とされる。別の方法によれば、チップ状の超合金スクラップは、早期の脆化後に、例えば低い温度で最初にエネルギーの強い微粉砕法によって微粉砕され、引続き湿式溶融法で、高められた温度で一定の濃度の鉱酸と組成物とに分解される。Potter et al., Eff. Technol. Recycling Metal 1971,第35頁以降。更に、電気化学的方法による超合金スクラップの分解が設けられている若干の方法は、公知である。
【0006】
米国特許第3649487号明細書の記載によれば、Fe/Ni/Co/Cu基礎合金のスクラップ中に含有されている高溶融金属、例えばタングステン、モリブデンおよびクロムは、最初に溶融法により第III族、第IV族または第V族の非金属化合物の添加によって硼化物、炭化物、硝化物、硫化物または燐化物に変換され、陽極溶融され、引続き陽極酸化に掛けられる。この場合、このような金属、例えばCo、NiおよびCuは、最初に溶解され、この溶融液から陰極で析出され、他方、高溶融金属は、例えば硼化物、炭化物等として陽極スラリー中にそのまま留まる。この米国特許明細書には、実際に金属Ni、Co、Cuが高溶融金属、例えばW、Moまたはクロムと分離されることが開示されているが、しかし、前記金属の完全な分離が行なわれるかどうかについて全体的な記載はない。更に、この米国特許明細書には、方法の経済性についての記載はない。
【0007】
WO 96/14440には、有機溶剤成分を有する電界浴中での合金の陽極酸化による超合金の電気化学的分解方法が記載されている。
【0008】
この刊行物には、本方法をなお本発明により実施可能であるようにするために、水10%になるまで電解液を添加することが開示されている。この場合には、さもなければ、ゲルまたは堅固に付着する酸化物層の形成による陽極の不動態化を生じ、このことは、電気分解の中断をまねきうる。電気分解によって生成される懸濁液からの価値のある物質の後処理および分離は、最初に濾過によって行なわれる。更に、その際に分離された、合金金属の一部分を含有する濾滓は、熱的にか焼により後処理され、引続き通常の湿式冶金法によりさらに後処理される。ドイツ連邦共和国特許第10155791号明細書C1には、同様に超合金のための電気化学的分解方法が開示されている。この方法の場合、超合金は、最初に板に注型され、引続き酸素不含の無機酸中で電気分解により分解される。この場合、陽極不動態化の問題には、電極の極性の変換によって対処される。これら最後の2つの方法は、一定の限界条件下でのみ、殊に超合金中での極めて高いレニウム含量で経済的に変換可能である。ドイツ連邦共和国特許第19521333号明細書C1には、タングステン含有の硬質金属スクラップならびに重金属スクラップの乾式精錬法により分解が開示されている。この分解は、800〜1000℃の温度で、NaOHとNa2SO4とからなる塩溶融液中で行なわれる。この方法の場合、タングステン酸ナトリウム溶融液が形成され、この溶融液は、引続く冷却後に水中に溶解される。本発明と同様に、このドイツ連邦共和国特許明細書の場合には、アルカリの硫酸塩含有溶融液中でタングステン硬質金属スクラップは、酸化条件下で殆んど完全にタングステン酸ナトリウムの形成によって分解される。これは、意外なことではない。それというのも、このメタレート(Metallat)は、高い安定性を示し、反応条件下でNaOH溶融液中に溶解するからである。即ち、硬質金属スクラップの完全な溶解方法が保証されている。
【0009】
本発明の課題は、超合金、殊にレニウム含有超合金スクラップを分解および再循環する方法、即ちこの超合金スクラップ中に含まれている価値のある物質を、陽極酸化または酸分解による再循環のための安価な他の選択可能な方法として回収するための後処理を提供することであった。
【0010】
この課題は、価値のある金属を超合金から回収する方法によって解決され、この場合この超合金は、NaOH60〜95質量%とNa2SO45〜40質量%とからなる塩溶融液中で分解され、その際に形成された溶融液分解物は、引続き個々の価値のある金属の簡単な分離という目的をもって湿式冶金法で後処理される。
【0011】
好ましくは、この分解は、NaOH65〜85質量%とNa2SO415〜35質量%とからなる、特に有利にNaOH70〜80質量%とNa2SO420〜30質量%とからなる塩溶融液中で実施される。
【0012】
本発明が超合金の分解という問題に取り組む場合には、50%を上廻る金属成分、例えばニッケルまたはコバルトは、ドイツ連邦共和国特許第19521333号明細書C1の反応条件下でメタレートを全く形成せず、相応する分解が主に起こりうることは、意外なことであった。更に、実際に全てのニッケルおよびコバルトが分解後に金属の形で存在し、それによって溶融液分解物の特に好ましい後処理が磁気的分離の利用下で可能であることは、意外なことであった。このことから、とりわけ超合金に対して引用された電気化学的分解方法と比較して明らかに経済的な利点が明らかになる。本発明による超合金は、主要成分としてニッケル50〜80%、元素のコバルト、クロムおよび場合によってはアルミニウムの少なくとも1つまたはそれ以上3〜15質量%ならびに元素のレニウム、タンタル、ニオブ、タングステン、モリブデン、ハフニウムおよび白金の1つまたはそれ以上1〜12質量%を含有する合金である。
【0013】
本発明による方法は、レニウム12質量%までを含有する、レニウム含有超合金に対して殊に好適である。超合金の本発明による分解は、好ましくは、塩溶融液中に、該塩溶融液の全質量に対してソーダ(Na2CO3)10質量%まで、有利に8質量%まで、特に有利に5%まで添加することにより、実施される。
【0014】
この塩溶融液の好ましい組成は、第1表中に記載されている。
【0015】
【表1】

【0016】
超合金は、チップ状で存在してもよいし、粉末状(粉砕または研磨ダスト)で存在してもよい。
【0017】
超合金の分解は、直接に加熱される炉、例えばガス炉またはオイルボイラー中ならびに間接的に加熱される炉中で連続的または回分的に実施されることができる。そのために適した炉は、例えばドラム炉および回転管炉である。
【0018】
この場合、好ましくは、超合金の分解は、運動するアルカリ溶融液中で回分的に運転される直接燃焼型回転管炉中で実施される。本発明による分解は、超合金1kgに対して塩溶融液少なくとも1kg、有利に少なくとも1.5kg、特に有利に少なくとも2kgを使用するようにして実施される。8%を上廻るレニウム含量を有する一定の超合金の場合には、超合金1kg当たり塩溶融液5kgまで使用される。超合金の本発明による分解は、塩溶融液中に空気および/または酸素、またはこれらの混合物を導入する場合に空時収量に関連して特に有利に進行する。特に、塩溶融液中には、空気25〜95体積%および酸素5〜75体積%、有利に空気35〜80体積%および酸素20〜65体積%からなる空気と酸素とからなる混合物が導入される。超合金の本発明による分解は、800〜1200℃の温度で実施される。好ましくは、分解は、850〜1100℃の温度範囲、特に有利に900〜1050℃で実施される。良好な分解条件は、溶融液中に付加的に酸化剤が導入される場合に存在する。このような酸化剤としては、例えばアルカリ金属の硝酸塩、ペルオキソ二硫酸塩、過酸化物および/またはこれらの混合物が使用されてよい。好ましくは、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、ナトリウムペルオキシジスルフェート、カリウムペルオキシジスルフェートおよび/またはこれらの混合物は、酸化剤として使用される。特に良好な分解速度は、溶融液に溶融液の質量に対して酸化物成分5〜25質量%を添加する場合に達成される。
【0019】
塩溶融液の好ましいは、第2表から確認することができる。
【0020】
【表2】

【0021】
この場合、特に好ましくは、溶融液の分解は、超合金の部分酸化が行なわれるかまたは殆んど完全な酸化後に一定時間、還元条件に調節されるように実施される。本発明による分解方法の場合、既に溶融液中には、
周期律表の第6副族および/または第7副族および/または第3主族の金属の水溶性のアルカリオキソメタレートおよび/またはこれらの混合物;
Co、Ni、Fe、MnまたはCrの金属の群からの水不溶性の成分および/またはこれらの混合物、
周期律表の第4副族または第5副族の金属の酸化物および/または不要陽性のアルカリオキソメタレートおよび/またはこれらの混合物からなる3つの画分が前形成されている。
【0022】
引続き、これらの3つの画分は、湿式冶金法で後処理される。従って、本発明の対象は、次の工程:
a)室温への冷却による固体相への溶融液分解物の変換、
b)凝固された溶融液分解物の微粉砕、
c)80℃未満の温度で水中での微粉砕された溶融液分解物の変換および
NaOH、Na2SO4、NaAl(OH)4および/またはNa2CO3の群からのナトリウム化合物と周期律表の第6副族および/または第7副族の元素のアルカリメタレートとの混合物からなる溶液;
Co、Ni、Fe、MnおよびCrの金属の群からなる固体の金属相;
周期律表の第3主族の金属および第4副族および/または第5副族の金属の水酸化物および/またはオキシドヒドレートからなる固体相を含有する水性懸濁液の形成、
d)濾過による水性画分の分離、
e)金属成分の磁気的分離による水不溶性の画分の分離、
f)酸化物画分の分離を含む、超合金溶融分解物を後処理する方法である。
【0023】
本発明による方法は、添付された図1中に略示されている。図1によれば、超合金溶融液分離物(2)は、室温への冷却後に破壊され、その後にミル中で微粉砕され、引続きアルカリ液に浸漬される。好ましくは、このアルカリ液中への浸漬は、60℃未満の温度、特に有利に40℃未満で実施される。溶融液分解物の詳細は、水性アルカリ液中への浸漬中に簡単に分離することができる画分として存在する、この溶融液分解物中で既に前形成された3つの画分である:
本質的に元素のモリブデン、タングステンおよびレニウムをアルカリメタレートの形で含有する濾液(4)、
実際に合金の全てのニッケル含量およびコバルト含量、および使用されたクロム約1/3を金属の形で含有し、一方で、別の全ての元素が副成分として存在するかまたは痕跡の範囲で存在する磁性含量と、
元素のアルミニウム、クロム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブおよびタンタルを酸化物(例えば、Al23、Cr23、TiO2、ZrO2、HfO2、Ta25、Nb25)または水酸化物(例えば、Al(OH)3、Cr(OH)3、Ti(OH)4、Zr(OH)4、Hf(OH)4、Ta(OH)5、Nb(OH)5)または窒化物(例えば、AlN、CrN、TiN、HfN、NbNおよびTaN)または炭化物(例えば、AlC、Cr23、TiC、HfC、NbCおよびTaC)の形で含有する非磁性画分(5)からなる水不溶性残留物(3)。
【0024】
更に、前記画分の後処理は、公知方法により行なうことができる。即ち、レニウムは、濾液(4)からの濾過後にドイツ連邦共和国特許第10155791号明細書の記載と同様の強塩基性イオン交換体により分離されることができる。本質的にモリブデン酸ナトリウムおよびタングステン酸ナトリウムを含有するレニウム不含の溶液は、モリブデンまたはタングステンを回収するための処理に加えることができる。
【0025】
タンタル15%までを含有する非磁性残留物は、原料としてタンタル冶金に使用されてよい。磁性残留物は、有利にコバルトおよびニッケルの製造に使用される。
【0026】
本発明による方法は、殊に超合金からのレニウムの回収に適している。更に、本発明の対象は、次の工程:
a)NaOH60〜95質量%とNa2SO45〜40質量%とからなる塩溶融液中での超合金の分解、
b)室温への溶融液の冷却、
c)溶融液分解物の微粉砕、
d)80℃未満の温度で水中での微粉砕された溶融液分解物の変換およびNaOH、Na2SO4、NaAl(OH)4および/またはNa2CO3の群からのナトリウム化合物と周期律表の第6副族および/または第7副族の元素のアルカリメタレートとの混合物からなる溶液;
Co、Ni、Fe、MnおよびCrの金属の群からなる固体の金属相、
周期律表の第3主族の金属および第4副族および/または第5副族の金属の水酸化物および/またはオキシドヒドレートからなる固体相を含有する水性懸濁液の形成、
e)濾過による水性画分の分離、
f)ドイツ連邦共和国特許第10155791号明細書に記載の水性画分からのレニウムの分離を含む、超合金からのレニウムの回収方法である。
【0027】
超合金からレニウムを取得する本発明による方法は、好ましくは、塩溶融液中に、該塩溶融液の質量に対してソーダ(Na2CO3)10質量%まで、有利に8質量%まで、特に有利に5%まで添加することにより、実施される。好ましいのは、強塩基性イオン交換樹脂による水性懸濁液からのレニウムの分離である。本発明による方法の1つの利点は、超合金分解物がNaOH−Na2SO4溶融液中で発熱性であることである。空気または空気/酸素混合物の導入により、この方法は、良好に制御可能である。もう1つの利点は、価値のある物質が殆んど完全に回収されうることである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】超合金、殊に超合金スクラップを塩溶融液中で再分解し、引続き価値のある金属を回収する方法を実施するための装置の1実施例を示す系統図。
【0029】
本発明を次の実施例につき詳説する。
【実施例】
【0030】

天然ガスが直接燃焼されるドラム型炉中で、超合金研磨ダスト(1)1.97tをNaOH2.50tおよびNa2SO40.45tと一緒に4時間で1110℃に加熱し、この温度でさらに1時間放置した。この超合金研磨ダストの組成は、第1表中に記載されている。
【0031】
その後に、生成された粘性のある超合金溶融液分解物を完全に炉から鋳造した。冷却された溶融液を最初に粗く破砕し、引続き2mm未満に微粉砕した。粉末状の溶融物(2)5.26tが得られ、この溶融物をアルカリ液中への浸漬のために水7.5m3中に攪拌混入した。添加の終結後、なお2時間さらに攪拌し、次にフィルタープレスにより濾過し、水0.5m3で後洗浄した。フィルター残滓(3)2.10tおよび濾液(4)9.3m3が得られた。このフィルターケークを再び水中に懸濁させ、金属性の磁性含量を、循環路中での懸濁液のポンプ輸送によって、酸化物含量おおび水酸化物含量の電磁分離器により、分離した。引続き、十分に金属不含の懸濁液を再びフィルタープレスにより分離し、濾液を直ぐ次のアルカリ液中への浸漬の開始のために装入した。金属スラリー(5)1.46tおよびヒドロキシドスラリー(6)0.56tを得た。ヒドロキシドスラリー(6)をタンタルの回収のためにタンタル操業にさらに供給し、金属スラリー(5)をさらに後処理のためにニッケル操業にさらに供給した。レニウム含有濾液(3)を強塩基性イオン交換体を備えたイオン交換体カラム上に導き、レニウムを回収した。更に、レニウムの濃縮および精製は、公知技術水準の標準法により行なった。イオン交換体カラムのレニウム不含流出物をタングステン操業としてWO3のアルカリ液中への浸漬のための雛形ないしは見本として利用した。この場合、レニウムの収率は、94%であった。
【0032】
超合金研磨ダストならびに最も重要な中間生成物の組成は、第3表から認めることができる。
【0033】
【表3】

【符号の説明】
【0034】
1 超合金研磨ダスト、 2 粉末状の溶融物、 3 フィルター残滓、 4 濾液、 5 金属スラリー、 6 ヒドロキシドスラリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
価値のある金属を超合金から回収する方法であって、この場合この超合金は、NaOH60〜95質量%とNa2SO45〜40質量%とからなる塩溶融液中で分解される、上記回収方法。
【請求項2】
塩溶融液中にソーダを10質量%になるまで添加する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
塩溶融液は、NaOH75〜90質量%、Na2SO45〜20質量%および/またはソーダ5〜10質量%を含有する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
超合金は、Ni、Co、CrまたはAlの群からなる金属の1つまたはそれ以上を主要成分として、およびRe、Mo、Ta、Nb、W、HfまたはPtの群からなる元素の1つまたはそれ以上を副成分として含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
超合金は、レニウム0.5〜12質量%を含有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
超合金1kgに対して塩溶融液少なくとも1kgを使用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
分解を運動する溶融液中で実施する、請求項1または6記載の方法。
【請求項8】
分解を回分的または連続的に運転される回転管炉中で実施する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
溶融液中に空気および/または酸素、またはこれらの混合物を導入する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
溶融液中にアルカリ金属の硝酸塩、ペルオキソ二硫酸塩、過酸化物の化合物および/またはこれらの混合物の群からの酸化物成分を添加する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
溶融液中に、該溶融液に対して酸化物成分5〜25質量%を添加する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
溶融液中に空気25〜95体積%および酸素5〜75体積%からなる空気と酸素との混合物を導入する、請求項9記載の方法。
【請求項13】
分解を800〜1200℃の温度で実施する、請求項10から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
超合金を部分的に酸化する、請求項10から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
溶融液中で
周期律表の第6副族および/または第7副族および/または第3主族の金属の水溶性のアルカリオキソメタレートおよび/またはこれらの混合物;
Co、Ni、Fe、MnまたはCrの金属の群からの水不溶性の成分および/またはこれらの混合物、
周期律表の第4副族または第5副族の金属の酸化物および/または不要陽性のアルカリオキソメタレートおよび/またはこれらの混合物からなる3つの画分を前形成する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
次の工程
a)室温への冷却による固体相への請求項15記載の溶融液分解物の変換、
b)溶融液分解物の微粉砕、
c)80℃未満の温度で水中での微粉砕された溶融液分解物の変換および
NaOH、Na2SO4、NaAl(OH)4および/またはNa2CO3の群からのナトリウム化合物と周期律表の第6副族および/または第7副族の元素のアルカリメタレートとの混合物からなる溶液;Co、Ni、Fe、MnおよびCrの金属の群からなる固体の金属相;
周期律表の第3主族の金属および第4副族および/または第5副族の金属の水酸化物および/またはオキシドヒドレートからなる固体相を含有する水性懸濁液の形成、
d)濾過による水性画分の分離、
e)金属成分の磁気的分離による水不溶性の画分の分離、
f)酸化物画分の分離を含む超合金から価値のある金属を回収する方法。
【請求項17】
溶融液分解物の変換を水中で60℃未満の温度で実施する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
溶融液分解物の変換を水中で40℃未満の温度で実施する、請求項16記載の方法。
【請求項19】
次の工程
a)NaOH60〜95質量%とNa2SO45〜40質量%とからなる塩溶融液中での超合金の分解、
b)室温への溶融液の冷却、
c)溶融液分解物の微粉砕、
d)80℃未満の温度で水中での微粉砕された溶融液分解物の変換および
NaOH、Na2SO4、NaAl(OH)4および/またはNa2CO3の群からのナトリウム化合物と周期律表の第6副族および/または第7副族の元素のアルカリメタレートとの混合物からなる溶液;Co、Ni、Fe、MnおよびCrの金属の群からなる固体の金属相;
周期律表の第3主族の金属および第4副族および/または第5副族の金属の水酸化物および/またはオキシドヒドレートからなる固体相を含有する水性懸濁液の形成、
e)濾過による水性画分の分離、
f)前記の水性画分からのレニウムの分離からなる超合金からのレニウムの回収方法。
【請求項20】
塩溶融液中にソーダを10質量%になるまで添加する、請求項18記載の方法。
【請求項21】
超合金は、超合金スクラップである、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−541596(P2009−541596A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517217(P2009−517217)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056527
【国際公開番号】WO2008/000810
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(507239651)ハー.ツェー.スタルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (59)
【氏名又は名称原語表記】H.C. Starck GmbH
【住所又は居所原語表記】Im Schleeke 78−91, D−38642 Goslar, Germany
【Fターム(参考)】