説明

アルツハイマー病の予測、診断および鑑別診断のための方法

アルツハイマー病の予測、診断および鑑別診断のための方法を提供する。より具体的には、アルツハイマー病の任意の臨床徴候を示さない被験体がアルツハイマー病を発現する可能性を有するかどうかを決定するための方法を提供する。さらに、アルツハイマー病を患っている被験体の診断のため、および/またはアルツハイマー病を患っている被験体対レビー小体型認知症などの他の認知症を患っている被験体の鑑別診断のための方法を提供する。該方法は、特定のAβペプチドの比の決定に基づく。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、アルツハイマー病の予測、診断および鑑別診断に関する。より詳細には、本発明は、アルツハイマー病の任意の臨床徴候を示さない被験体がアルツハイマー病を発現する可能性を有するかどうかを決定するための方法を提供する。本発明は、ADの診断および/またはアルツハイマー病対レビー小体型認知症などの他の認知症の鑑別診断のための方法をさらに提供する。
【0002】
背景技術
認知症は、ヘルスケアの利用増加に伴う重大、一般的、かつ迅速に増加している世界規模の問題である。それは、高齢者の罹患率および死亡率の主な予測物である。この症状を生じる100を超える既知の疾患の発生は、年齢、ならびに地理、種族、および民族的な遺伝要因に依存する。認知症は、日常生活の活動のうち以前は問題なく実行できていたことが損なわれる複数の認知能力(記憶力、注意力、判断力など)における慢性的悪化として規定することができる。その臨床プロフィールおよび重症度は、ニューロン消失の合計量だけではなく、基本的病変の特異的局在によっても影響を受ける。認知症の極めて一般的な形態は、アルツハイマー病(40〜60%の症例)、レビー小体型認知症(10〜20%の症例)、血管性認知症(25%および40%の症例にまでおそらく寄与している)、および前頭側頭型認知症(その有病率については明らかにされていない)である(レーベ(Lowe)ら、2001年;リーズ(Leys)ら、2002年;マックキースら、2002年;ナップマン(Knopman)ら、2002年)。65の年齢を超える33%を超える女性および20%を超える男性が、それらの生涯において認知症または軽度の形態の認知障害を発現するであろう(ヤフェ(Yaffe)およびグレッグ(Gregg)、2002年)。
【0003】
アルツハイマー病(AD)(認知症の根源形態および原型)は、様々な基準に従って分類することができる。遺伝的観点からは、疾患を次の2つのタイプに分類することができる。(i)より少ない頻度の遺伝性家族型(すべての遺伝的予測因子が含まれる場合、早発性の<5%〜遅発性の10〜15%の範囲)、および(ii)明らかな遺伝パターンが確立されていない、はるかにより一般的な散発型。散発形態は、一般に、65歳の年齢後に出現し、実際には多因性であると考えられる。
【0004】
ADの確定診断は、解剖時に認められる新皮質の罹患領域における破壊的に多量の老人斑および神経原線維変化の所見に基づく。広範囲の灰白質萎縮と共に、これらの2つのタイプの異常な構造が疾患の特質である。
【0005】
神経原線維変化は、神経細胞内に見出されるもつれた糸状物の異常な集積からなる。これらのタングルの主要成分は、タウと呼ばれるタンパク質の異常な凝集である。中枢神経系では、正常なタウタンパク質は、細胞内構造の重要な構成成分である微小管に結合し、安定化させる。しかし、ADでは、タウは、過剰リン酸化され、それ自体がねじれて対合した対螺旋状フィラメントを形成する。タウの2つの糸状物が相互に巻きつく。これらのフィラメントは凝集して、判定材料となる神経原線維変化を形成する(ゴエデルト(Goedert)1996年)。
【0006】
ADの第2の特質、老人斑は、概して、様々なニューロンおよびグリアのプロセスによって囲まれるβアミロイド(Aβ)と呼ばれる不溶性ペプチドからなる。この無定形な無細胞性材料は、脳の神経細胞間の空間に見出される。Aβは、主に2つのサイズ、40(Aβ40)および42(Aβ42)アミノ酸で、ならびにより少量で、他のサイズで見出される小さなペプチドである(以下を参照のこと)。Aβは、2つの経路に沿って、APPのタンパク質切断から代謝される(サイド(Saido)2000年)ことが公知である。第1の非病原性経路では、セクレターゼ酵素によるAPP分子の切断によって、より短い非アミロイド原性タンパク質(Aβ39またはAβ40)が生じる。第2の疾患関連経路では、APP切断は、適切に折り畳まれず(misfold)に、プラークを育成するだけではなく、究極的にニューロンの損傷を生じ得る高分子鎖に凝集する傾向がある、より長くかつ潜在的にアミロイド原性のAβ42フラグメントを生じる(セルコエ(Selkoe)1991年)。
【0007】
老人斑コアに見出されるアミロイドは、主にAβ42である(ローヘル(Roher)ら、1993年;ミラー(Miller)ら、1993年)。アミロイド沈着は、正常な加齢脳でも散見されるが、アルツハイマー病の初期および以後の段階では、より多量に増加する。分泌される可溶性のAβは正常な細胞代謝の産物であり、血漿およびCSFを含む多様な体液において見出される。生物学的液体では、Aβ40およびAβ42が、一般に主なアミロイド種であると考えられる(ソイベルト(Seubert)ら、1992年;ショージ(Shoji)ら、1992年;ビゴー−ペルフレイ(Vigo−Pelfrey)ら、1993年;イダ(Ida)ら、1996年)。しかし、Aβ40およびAβ42に加えて、Aβ37/38/39もまた、ADおよび正常被験体からのCSFにおいて見出されている(ウィルトファング(Wiltfang)ら、2002年)。
【0008】
N末端は、Aβの最も不均質な部分であり、短縮、ラセミ化および異性化に供される。ADにおけるアミロイド沈着の主な構成成分としてのAβの発見(グレンナー(Glenner)およびウォング(Wong)1984年)から、AD患者のプラークにおいて、異なるN末端短縮型および/または修飾型Aβペプチドが単離されている(マスターズ(Masters)ら、1985年;モリ(Mori)ら、1992年;ネスルンド(Naslund)ら、1994年;サイド(Saido)ら、1995年;1996年;イワツボ(Iwatsubo)ら、1996年;ルッソ(Russo)ら、1997年;テキリアン(Tekirian)ら、1998年;ラーナー(Larner)、1999年;タール(Thal)ら、1999年;ハリガヤ(Harigaya)ら、2000年;ウィルトファング(Wiltfang)ら、2001年;カルバック(Kalback)ら、2002年;サージェアント(Sergeant)ら、2003年)。N末端短縮型および/または修飾型Aβペプチドはまた、ADおよび正常被験体のCSFにおいても同定された(セウバート(Seubert)ら、1992年;ビゴ−ペルフレイ(Vigo−Pelfrey)ら、1993年;イダ(Ida)ら、1996年;レウクズク(Lewczuk)ら、2004年)。
【0009】
アルツハイマー病後の一次性認知症の第2の最も一般的な原因は、すべての認知症のうちの10%〜20%未満の原因であるレビー小体型認知症(DLB)である(ローゥエ(Lowe)、2001;マクキース(McKeith)、2002年)。疾患を規定するレビー小体は、異常にリン酸化されたニューロフィラメント、ユビキチン、およびα−シヌクレインからなるニューロン内封入体である。これらの異常は、罹患した脳領域に依存して、アルツハイマー病およびパーキンソン病に関連する徴候に部分的に類似し得る臨床症状を生じる神経学的機能不全に寄与すると考えられる。実際に、DLBの多くの症例がなおアルツハイマー病として間違って誤診されている。しかし、DLBとアルツハイマー病との識別は重要である。これは、認知症において共通の精神症状および行動障害の処置のために広範に処方される所定の神経弛緩剤が、DLBの症例において、重度(潜在的に致死性の)過敏反応を生じ得るためである(マクキース(McKeith)、2002年)。さらに、DLBを生じる病理学的機構は、根本的にADの機構とは異なり得、従って、DLBとADとの識別は、これらの病理学的機構を狙った疾患改変処置と関連性があり得る。
【0010】
最近の臨床的調査から、正常な加齢および認知症において見出される認知機能低下間の過渡期の状態が同定されている。この前駆状態は軽度認知障害(MCI)と呼ばれている。早期にかつ1を超える程度でMCIでの経験に一貫する記憶障害を伴う者は、それらの年齢で予想され得るが、依然として機能的に独立している。従って、それらは、一次性認知症の1つの肯定的診断の許容された基準を満たすには至っていない(ペーターセン(Petersen)ら、2001年)。臨床的に軽度の認知症状を示す個体は不均質な群に属し、究極的に同じ運命を共有する。ADを発現しうる者もいれば、一方で認知症の別の形態に進行し得るものもいる。被験体のいくつかは、決してMCIの状態を超えてまでは進行しない可能性もある。それにも係わらず、コホート供給源および規定に依存して、MCIと診断された個体の19%〜50%は、認知症に進行する(通常、アルツハイマー病)(チャートコウ(Chertkow)、2002年)。
【0011】
ADおよび他の認知症の大量の治療オプションを試験するために、鋭意努力されている。これらのアプローチとして、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)、エストロゲン、神経栄養剤、およびビタミン類などの多数の薬剤(スラメク(Sramek)およびカルター(Culter)、2000年;タール(Thal)、2000年)ならびにセクレターゼ阻害薬の適応による老人斑形成の減少およびアミロイド沈着の防止のための免疫モデルの開発(コンデ(Conde)、2002年)が挙げられる。疾患改変治療は疾患経過の早期において最も有効であるようであるため、MCIは治療介入のための至適段階であり得る(チャートコウ(Chertkow)、2002年)。現在、MCIのために推奨されている処置はない一方、潜在的治療に関する臨床治験が行われている。従って、神経変性が重度になり、広範囲に及ぶ前の早期診断が大いに所望される。従って、医師にとって、患者が正常な加齢とMCIとの間の希薄な境界線を超えているかどうかを評価することは重要な課題である。実際に、初期の認知症は、年齢、不安、注意力の欠如、共存する医薬品の問題、またはうつに関連する良性の記憶に係わる問題と明確に識別されなければならない。さらに、認知症の形態のいくつかは、処置に対して部分的または完全に可逆的であるため(例えば、ビタミン欠乏、薬物中毒、アルコール中毒、内分泌障害などによる認知症)、臨床診断および鑑別診断における適時性および精度の重要性は明らかである。
【0012】
ADなどの認知症の診断は、現在、(i)緻密な臨床評価(身体検査、患者および家族の既往歴、投薬の再検討を含む);(ii)神経心理学的試験および放射線額に関与する神経学的検査;ならびに(iii)臨床検査(例えば、ビタミンB12、葉酸、甲状腺機能、完全な血液化学検査および血球数など)(マリン(Marin)ら、2002年)ならびに他のすべての形態の認知症の排除よりなる広範、包括的な精密検診に基づく。しかし、究極的に、解剖による確認のみでしか多様な認知症障害を明白に識別することはできない。
【0013】
早期の記憶および認知障害の存在を同定し−そして患者が罹患している程度を定量する−ことに役立つための神経心理学的試験の価値については、十分に記録されている(ウェルシュ(Welsh)ら、1991;ペーターセン(Petersen)ら、1994年;マスア(Masur)ら、1994年)。しかし、疾患の極めて早期の段階では、「正常な加齢」から疾患のプロセスを詳細に記述することは依然として困難である。疾患の後期の段階でさえ、ADの診断、および認知症に関連する多くの神経変性疾患(具体的にはDLB)からADを識別することもまた、困難であり得る。
【0014】
前認知症段階でADを同定し、ADと認知障害または認知症の他の原因とを識別することができように、診断手順を改善することが必要である。ADの病理学的なカスケードのいくつかの局面は、体液における変更されたタンパク質濃度において反映される。疾患に関連する中心的病原性プロセス、即ち、それらが規定する特徴的病変−老人斑および神経原線維変化において反映されるニューロンおよびそれらのシナプスの変性に反映するそのようなタンパク質(バイオマーカーまたは生物学的マーカー)(国立加齢研究所ワーキング・グループのアルツハイマー病協会ロナルド・ナンシー・レーガン研究所(The Ronald and Nancy Reagan Research Institute of the Alzheimer’s Association of the National Institute on Aging Working Group)、1998)は、この早期および鑑別診断の精度を増加することができる。脳全体がCSFおよびAD直接関連し、関連障害は脳の疾患とみなされるため、有意な差異を見出す可能性は、この体液において認められるようである。
【0015】
2つのそのような主流のバイオマーカーは、アミノ酸42(Aβ42)で終止するCSF−Aβタンパク質およびCSFタウタンパク質である。その一部については、CSF−Aβ42の濃度βアミロイドの細胞外老人斑への沈着に関連すると思われる(モッター(Motter)ら、1995年;アンドレアセン(Andreasen)ら、1999年a)。CSFタウについては、このタンパク質のレベルは、ニューロンおよび軸索の変性(ブレンノウ(Blennow)ら、1995年;アンドレアセン(Andreasen)ら、1998年)または神経原線維変化の可能な形成(タピオラ(Tapiola)ら、1997年)に反映すると思われる。非認知症コントロールと比較して、有意に増加したCSFタウレベル(モッター(Motter)ら、1995年;ビゴ−ペルフレイ(Vigo−Pelfrey)ら、1995年)および顕著に減少したCSF−Aβ42濃度(ブレンノウ(Blennow)ら、1995年;タピオラ(Tapiola)ら、1997年)が、アルツハイマー病患者において観察された。実際に、米国(ガラスコ(Galasko)ら、1998年)および日本(カナイ(Kanai)ら、1998年)での大規模な、良好にデザインされた多施設研究、ならびに国際的な多施設研究(ハルステルト(Hulstaert)ら、1999年)では、CSFタウおよびCSF−Aβ42マーカーの併用は、高い感度および特異性を生じ、正常な加齢および特定の神経学的障害からアルツハイマー病を識別するための要件を満たすことが一貫して見出された(スンダーランド(Sunderland)ら、2003年)。このことは、コンセンサスガイドラインの範囲内でのそれらの共同使用が良好であることを明確にしている。
【0016】
認知症の診断の改善について別の潜在的に飛躍的な前進は、非タウ認知症患者(例えば、パーキンソン病、DLB)の脳細胞において異常にリン酸化されたタウタンパク質が相対的に認められないことと、それに対してアルツハイマー病患者において大量に見出されること(ハリントン(Harrington)ら、1994年)が観察されることに関連する。有意な差異が、アルツハイマー病と他の認知症、具体的には、DLBとの間のCSFリン酸化タウレベルで認められた(パルネッティ(Parnetti)ら、2001年;バンメシェレン(Vanmechelen)ら、2001年)。
【0017】
ウィルトファング(Wiltfang)および共同研究者らもまた、AD患者由来のCSFにおいてAβ(2−42)のレベルの上昇を観察した。CSF−Aβx−42(43)およびAβ1−42(43)レベルの両方とも、コントロール群よりもAD患者において有意に低い一方、CSF−Aβx−40およびCSF−Aβ1−40レベルのいずれも2つの群間で何ら差異を示さなかった(タマオカ(Tamaoka)ら、1997年)。しかし、どのAβx−42ペプチドが該研究において測定されたかについては特定されなかった。
【0018】
さらに、これらの研究のうち、認知障害患者におけるこれらのバイオマーカーの挙動またはMCI患者の認知症への進行の予測におけるそれらの価値について評価したものはなかった。
【0019】
記憶障害およびMCIは、臨床的および病理学的に不均質であり得るため、バイオマーカーは、サブタイプを同定するのに特に有用であり得る。現在、MCIを分類し、MCI患者がアルツハイマー病などの一次性認知症を発現するかどうかを予測するバイオマーカーの有用性に関する明確なデータは存在しない。CSFタウの測定は、MCIを有するとして臨床的に診断された患者間の初期のADを同定するのに有効に使用し得る(スンダーランド(Sunderland)ら、1999年;リーメンシュナイダー(Riemenschneider)ら、2002年)。しかし、バーガー(Buerger)ら(2002年)は、高CSFリン酸化タウレベルが認知機能低下およびMCIからADへの変換に関連するがCSFタウレベルは関連しないことを観察した。アライ(Arai)ら(2000年)は、ADの発現に至らなかったMCI患者のCSFにおけるタウおよびリン酸化タウ(phospho−tau)の上昇を観察した。オカムラ(Okamura)ら(2002年)は、ADに進行したMCIとADに進行しなかったMCIとを識別するためのCSF−CBF指数を使用した。CSF−CBF指数は、CSFタウレベルを後部帯状回における局所脳血流量(CBF)で割ることに基づく。いくらかの研究は、ADに進行するMCIのための生物学的マーカーとしての(CSFタウおよび/またはCSFリン酸化タウと組み合わた)CSF−Aβ42の使用について報告している(アンドレアセン(Andreasen)ら、1999年b;リーメンシュナイダー(Riemenschneider)ら、2002年;アンドレアセン(Andreasen)ら、2003年)。3年間の追跡期間中に認知症を発現した非認知症個体は、依然として非認知症のままであった個体よりも、すでに、低いAβ(1−42)レベル(しかし、Aβ(1−40)ではない)を有していた(スコーグ(Skoog)ら、2003年)。βアミロイド形態のレベルは、ADの発症から絶えず減少するようである。比Aβ40/Aβ42は、ADの進行に伴って増加を示したが、その増加は、すでに、ADの臨床症状の出現前に開始していた(カナイ(Kanai)1998年)。
【0020】
上記は、臨床的認知症に変換する前に所定のバイオマーカーが異常に変更され、それらは一次性認知症(具体的には、アルツハイマー病)を発現するであろうMCI患者を同定するための潜在的な早期マーカーとして有望であり得ることを示す。そのような所見は、MCI、アルツハイマー病、および他の認知症の広範な診断的精密検診の部分として、そのようなバイオマーカーの他の適切な試験との将来的な併用を指摘している。従って、臨床的認知症への変換前の患者においてすでに変更され、ADの診断およびADなどの認知症に進行するであろう認知症患者の予測を援助し得るさらなるバイオマーカーを同定することは、極めて重要である。
【0021】
発明の開示
本発明は、アルツハイマー病(AD)の予測、診断および鑑別診断のための方法ならびに診断キットを提供する。
【0022】
より詳細には、本発明は、サンプリング時にADの臨床徴候を示さない被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定するための方法および診断キットを提供する。本発明の方法および診断キットは、診断対象の被験体から得られる体液におけるx/y比の決定に基づき、ここで、
・xは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであり;
・yは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。
【0023】
サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつ後にADを発現した被験体から得られる体液サンプルにおけるx/y比は、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつADを発現しなかった被験体から得られる体液サンプルにおけるx/y比と比較して、有意に変化したと思われる。従って、本発明は、被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定するための方法および診断キットを提供し、以下の工程を含んでなる。
(a)前記被験体から得られる体液サンプルにおいて、比x/yを決定することであって、ここで、
・xは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであり;
・yは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである;
(b)(a)において得られる比x/yと、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつ後にADを発現した被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲、およびサンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつADを発現しなかった被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲とを比較すること;
(c)工程(b)の比較から、被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定することであって、これによって、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつ後にADを発現した被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを発現する可能性を有することを示唆し;およびこれによって、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつADを発現しなかった被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを発現する可能性を有さないことを示唆する。
【0024】
本発明の方法および診断キットは、記憶障害、MCI、または認知症の臨床徴候を示さない被験体から得られる体液サンプルに対して行うことができる。好適な実施形態では、本発明の方法は、記憶障害を伴う被験体またはMCIを有するとして臨床的に診断されている被験体から得られる体液サンプルに対して行われる。
【0025】
本発明はまた、ADを患っている被験体の診断および/またはADを患っている被験体対DLBなどの他の認知症を患っている被験体の鑑別診断のための方法ならびに診断キットを提供する。本発明の方法ならびに診断キットは、ADを患っている被験体から得られる体液サンプルにおけるx/y比が、コントロール被験体およびDLBを患っている被験体から得られる体液サンプルにおけるx/y比と比較して有意に変更されているという所見に基づく。従って、本発明は、ADを患っている被験体の診断および/またはADを患っている被験体対DLBなどの別の認知症を患っている被験体の診断のための方法および診断キットを提供し、以下の工程を含んでなる:
(a)前記被験体から得られる体液サンプルにおいて、比x/yを決定することであって、ここで:
・xは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであり;
・yは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである;
(b)(a)において得られる比x/yと、ADを患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲、コントロール被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲、およびDLBなどの別の認知症を患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲とを比較すること;
(c)工程(b)の比較から、被験体がADを患っているかまたはDLBなどの別の認知症を患っているかを決定することであって、これによって、ADを患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを患っていることを示唆し;これによって、コントロール被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを患っていないことを示唆し;およびこれによって、DLBなどの別の認知症を患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がDLBなどの別の認知症を患っていることを示唆する。
【0026】
本発明の好適な実施形態では、xはAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。さらにより好ましくは、xはモノクローナル抗体3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。本発明の別の実施形態では、yはAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。さらにより好ましくは、yは、モノクローナル抗体4G8、モノクローナル抗体6E10、および/またはモノクローナル抗体10H3などの3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。別の好適な実施形態では、xはAβ(1−C)ペプチドのレベルであり、yはAβ(N−C)ペプチドのレベルである。別の好適な実施形態では、xはAβ(1−42)および/またはAβ(1−43)ペプチドのレベルであり、yはAβ(N−42)および/またはAβ(N−43)ペプチドのレベルである。別の好適な実施形態では、xはAβ(1−42)ペプチドのレベルであり、yはAβ(N−42)ペプチドのレベルである。
【0027】
本発明の方法および診断キットは、被験体から得られる任意の体液サンプルに対して使用することができる。好適な実施形態では、体液サンプルは脳脊髄液サンプルまたは血漿もしくは血清サンプルである。
【0028】
本発明の方法および診断キットはまた、ADを発現する可能性を有する被験体またはADを患っているとして診断される被験体の処置フォローアップにおいて使用することができる。
【0029】
発明の詳細な記述
本発明はADの予測、診断および鑑別診断のための方法を提供する。より詳細には、本発明は、ADの任意の臨床徴候を示さない被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定するための方法に関する。本発明の方法は以下の工程を含んでなる:
(a)前記被験体から得られる体液サンプルにおいて、比x/yを決定することであって、ここで:
・xは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであり;
・yは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである;
(b)(a)において得られる比x/yと、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつ後にADを発現した被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲、およびサンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつADを発現しなかった体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲とを比較すること;
(c)工程(b)の比較から、被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定することであって、これによって、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつ後にADを発現した被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを発現する可能性を有することを示唆し;およびこれによって、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつADを発現しなかった被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを発現する可能性を有さないことを示唆する。
【0030】
本発明は、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつ後にADを発現した被験体から得られる体液サンプルにおける上記のように規定されるこの比x/yが、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつADを発現しなかった被験体から得られる体液サンプルにおけるこのx/y比と比較して、有意に減少した所見に基づく。この比x/yがADを発現するであろう被験体の体液サンプルにおいて有意に変化するという示唆は、被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定するための診断試験の開発のための基礎を形成する。現在のところ、「正常な加齢」から疾患プロセスを詳述することはまだ困難である。しかし、疾患改変治療(disease modifying therapy)は疾患過程の早期において最も有効であるようであるため、認知症の臨床徴候が認められる前の疾患プロセスの早期診断が大いに所望されている。
【0031】
上記の方法における診断対象の被験体は、認知症の臨床徴候を示さない任意の被験体であり得る。診断対象の被験体は、(限定されないが)ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サル、ウサギ、ノウサギ、ニワトリ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ヘラジカ、シカ、トラ、ゼブラフィッシュ、フグ、ハエ、虫(worm)またはC.エレガンス(C.elegans)などの非ヒト被験体であってもよい。好ましくは、被験体は霊長類である。さらに好ましくは、被験体はヒトである。好適な実施形態では、被験体は、NINCDS−ADRDA基準(マックハン(McKhann)ら、1984)、ICD−10基準(世界保健機構(World Health Organization)、1992)、および/またはDSM−IV基準(米国精神医学会(American Psychiatric Association)、1994)に従ってADの臨床徴候を示さないヒトである。用語「AD」はアルツハイマー病を意味するべきである。
【0032】
上記の方法は、認知症またはADの臨床徴候が認められないことに加えて、記憶障害またはMCIの臨床徴候をも示さない被験体から得られる体液サンプルに対して行うこともできる。しかし、本発明の好適な実施形態では、上記の方法は、記憶障害を患っている被験体またはMCIを患っている被験体から得られる体液サンプルに対して行われる。記憶障害およびMCIの臨床診断は、現在ピーターセン(Petersen)ら(1999)、パーマー(Palmer)ら(2003)および/またはウォールンド(Wahlund)ら(2003)に従って行われている。
【0033】
本発明において、用語「ADを発現する」、「ADに進行する」、「ADを有するであろう」などは交換可能に使用され、被験体は、(本発明の方法が行われる)体液のサンプリング時に、ADの臨床徴候を示さないが、前記被験体は、前記体液のサンプリング後、最大で5年、好ましくは最大で3年、最も好ましくは1年以内にADの臨床徴候を示すことを意味する。
【0034】
用語「可能性」、「危険性」、「感受性」、「素因」、「予後」または「予測」は交換可能であり、ADを発現する可能性について使用される。
【0035】
本発明はまた、ADを患っている被験体の診断および/またはADを患っている被験体対DLBなどの他の認知症を患っている被験体の鑑別診断のための方法に関する。本発明の方法は以下の工程を含んでなる:
(a)前記被験体から得られる体液サンプルにおいて、比x/yを決定することであって、ここで:
・xは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであり;
・yは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである;
(b)(a)において得られる比x/yと、ADを患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲、コントロール被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲、およびDLBなどの別の認知症を患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲とを比較すること;
(c)工程(b)の比較から、被験体がADを患っているかまたはDLBなどの別の認知症を患っているかを決定することであって、これによって、ADを患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを患っていることを示唆し;これによって、コントロール被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを患っていないことを示唆し;およびこれによって、DLBなどの別の認知症を患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がDLBなどの別の認知症を患っていることを示唆する。
【0036】
上記の方法は、ADを患っている被験体から得られる体液サンプルにおける上記において規定されるようなx/y比が、コントロール被験体およびDLBを患っている被験体から得られる体液サンプルにおけるx/y比と比較して、有意に減少する所見に基づく。ADを患っている被験体から得られる体液サンプルにおけるx/y比が、コントロール被験体およびDLBを患っている被験体から得られる体液サンプルにおけるx/y比と比較して有意に変化するという示唆は、ADの診断および/またはAD対DLBなどの他の認知症の鑑別診断のための診断試験の開発のための基礎を形成する。用語「診断」は、所定の神経疾患を患っている被験体が、前記神経疾患を患っていない被験体から識別されることを意味する。本発明では、ADを患っている被験体はコントロール被験体から区別される。用語「鑑別診断」は、所定の神経疾患を患っている被験体が、別の神経疾患を患っている被験体から識別されることを意味する。本発明では、ADを患っている被験体は、DLBなどの別の認知症を患っている被験体から識別される。AD(マックハン(McKhann)ら、1984;世界保健機構(World Health Organization)、1992;米国精神医学会(American Psychiatric Association)、1994)およびDLBなどの他の認知症(マックキース(McKeith)ら、1996)の診断のための基準は現在利用可能であるが、それらは、DLBなどのこれらの認知症とADとを識別するための十分な詳細を欠如し得る(マックキース(McKeith)、2002)。ADを患っている被験体とDLBを患っている被験体との識別は、依然として主要な問題のままである。究極的に、解剖のみでしか多様な認知症障害を明白に識別することはできない。しかし、ADを患っている被験体およびDLBを患っている被験体の治療が潜在的に異なる関係にあることを考えると、この識別は極めて重要である。本発明の方法は、ADを患っている被験体対DLBを患っている被験体の鑑別診断におけるさらなるツールを提供する。用語「DLB」はレビー小体型認知症を意味するべきである。
【0037】
上記の方法における診断対象の被験体は、認知症の臨床徴候を示す任意の被験体であり得る。診断対象の被験体は、(限定されないが)ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、サル、ウサギ、ノウサギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ヘラジカ、シカまたはトラなどの非ヒト被験体であってもよい。好ましくは、被験体は霊長類である。さらに好ましくは、被験体はヒトである。コントロール被験体は、精神または神経疾患の既往歴、症状または徴候を伴わない被験体である。
【0038】
本発明の方法は、診断対象の被験体から得られる体液サンプルにおける比x/yの検出に基づく。用語「体液」は、Aβペプチドを含有する血液、リンパ、尿、および脳脊髄液(CSF)を含むがこれらに限定されない身体に存在するすべての液体を指す。血液サンプルは、血漿サンプルであってもまたは血清サンプルであってもよい。xを所定の体液サンプルにおいて識別する一方、yを別の体液サンプルにおいて識別することが可能であり得る。しかし、好適な実施形態では、xおよびyは同じ体液サンプルにおいて識別される。本発明の好適な実施形態では、x/y比は、被験体から採取された脳脊髄液サンプルにおいて識別される。用語「脳脊髄液」または「CSF」は、脳脊髄液全体または当業者に周知のその画分の誘導体を含むことが意図される。従って、脳脊髄液サンプルは、多様な分画された形態の脳脊髄液を含むことができるか、または添加されて貯蔵もしくは特定のアッセイにおけるプロセシングを容易にする多様な希釈剤を含むことができる。そのような希釈剤は当業者に周知であり、多様な緩衝液、保存剤などを含む。
【0039】
本発明の比x/yのうち、分子(x)は、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルとして規定される。本発明の比x/yのうち、分母(y)は、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルとして規定される。Aβペプチド、Aβ、βアミロイドペプチド、またはA4ペプチドは、本発明を通して交換可能に使用され、アルツハイマー病の特徴的なプラークの主成分である37〜43個のアミノ酸のペプチド(Aβ37、Aβ38、Aβ39、Aβ40、Aβ41、Aβ42もしくはAβ43)を指す。Aβは、β−およびγ−セクレターゼと呼ばれる2つの酵素によるより大きなタンパク質APPのプロセシングによって作製される(図1;ハース(Haass)ら、1992;ソイベルト(Seubert)ら、1992)。Aβ42ペプチドの配列は以下の通りである:
DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIA
(配列番号1)
【0040】
Aβ41、Aβ40、Aβ39、Aβ38およびAβ37は、C末端からそれぞれAla(A)、Ile−Ala(IA)、Val−Ile−Ala(VIA)、Val−Val−Ile−Ala(VVIA)およびGly−Val−Val−Ile−Ala(GVVIA)が脱落している点がAβ42と異なる。Aβ43は、C末端にスレオニン残基が存在することがAβ42と異なる。本発明の方法では、任意のC末端を伴うAβペプチドが検出される。本発明の好適な実施形態では、Ala42(Aβ42)および/またはThr43(Aβ43)で終止するAβペプチドのレベルが決定される。別の好適な実施形態では、Ala42で終止するAβペプチド(Aβ42)のレベルが決定される。本発明の方法において検出されるAβペプチドはまた、異性化されたペプチドを含んでもよい。例えば、アスパラギン酸結合性異性化については、サンドレイ(Szandrei)ら、(1996)により記載されている。本発明の方法において検出されるAβペプチド(xおよびy)はまた、「特異的Aβペプチド」と呼ばれ、所定のAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドを指す。用語「免疫複合体を形成することが可能な」、「(特異的に)認識する」、「(特異的に)結合する」、「(特異的に)反応する」、または「(特異的に)免疫反応を形成する」は、他のペプチド、タンパク質、および/または生物学的物質の異種集団の存在下で、サンプル中の前記特異的Aβペプチドの存在の決定基である特異的Aβペプチドへの抗体による結合反応を指す。従って、指定された免疫アッセイ条件下では、特定された抗体は、好ましくは、特異的Aβペプチドに結合する一方、他のペプチドまたはタンパク質への結合は、有意な量では生じない。抗体のAβペプチドへの結合は、前記Aβペプチド上で利用可能なエピトープに依存する。用語「エピトープ」は、抗体結合部位によって特異的に結合される抗原(即ち、Aβペプチド)の部分を指す。エピトープは当該分野において公知の技術のいずれかによって決定することができるかまたは当該分野において公知の様々なコンピュータ予測モデルによって予測することができる。
【0041】
比x/y(x)の分子について、検出される「特異的Aβペプチド」と結合することが可能である抗体によって認識されるエピトープは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するべきである。好適な実施形態では、前記エピトープはAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するべきである。従って、本好適な実施形態では、xはAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体の例として、(限定されないが)モノクローナル抗体3D6、モノクローナル抗体BAN−50およびモノクローナル抗体抗N1(D)(表1)が挙げられる。従って、好適な実施形態では、xはモノクローナル抗体3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。
【0042】
比x/y(y)の分母について、検出される「特異的Aβペプチド」と結合することが可能である抗体によって認識されるエピトープは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しなくてもよい。
【0043】
好適な実施形態では、分子(x)については、検出される「特異的Aβペプチド」と結合することが可能である抗体によって認識されるエピトープは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有し、分母(y)については、検出される「特異的Aβペプチド」に結合することが可能である抗体によって認識されるエピトープは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しなくてもよい。従って、本好適な実施形態では、yはAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。従って、前記エピトープは、3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるべきであり、従って、yは3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識しないそのような抗体の例として、(限定されないが)表1に記載のような抗体が挙げられる。好適な抗体としては、4G8、6E10、および10H3が挙げられる。従って、好適な実施形態では、yは、モノクローナル抗体4G8、モノクローナル抗体6E10、および/またはモノクローナル抗体10H3と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。
【0044】
別の実施形態では、分子(x)については、検出される「特異的Aβペプチド」と結合することが可能である抗体によって認識されるエピトープは、Aβペプチドの第2アミノ酸(A;アラニン)を含有し、分母(y)については、検出される「特異的Aβペプチド」に結合することが可能である抗体によって認識されるエピトープは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)および第2アミノ酸(A;アラニン)を含有しなくてもよい。従って、この好適な実施形態では、xは、Aβペプチドの第2アミノ酸(A;アラニン)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであり、yは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)および第2アミノ酸(A;アラニン)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。
【0045】
別の実施形態では、分子(x)については、検出される「特異的Aβペプチド」と結合することが可能である抗体によって認識されるエピトープは、Aβペプチドの第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有し、分母(y)については、検出される「特異的Aβペプチド」に結合することが可能である抗体によって認識されるエピトープは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)および第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しなくてもよい。従って、この好適な実施形態では、xは、Aβペプチドの第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであり、yは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)および第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである。
【0046】
比x/yの分子(x)において検出される特異的Aβペプチドは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能である。従って、前記特異的Aβペプチドは、少なくとも、前記抗体にアクセス可能なAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有すべきである。「アクセス可能な」は、前記抗体がAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有する前記エピトープと免疫複合体を形成することが可能であることを意味する。
【0047】
比x/yの分母(y)において検出される特異的Aβペプチドは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能である。従って、前記特異的Aβペプチドは、Aβペプチドのアクセス可能な第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を欠如する。このようなアクセス可能性の欠如は、例えば、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)が遮蔽され、従ってアクセス不能である前記特異的Aβペプチドによる凝集体またはオリゴマーの形成によって生じ得る。凝集したAβは、モノマー単位が非共有結合によって結合されるオリゴマーの混合物として同定される。Aβペプチドのアクセス可能な第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)の欠如はまた、AβペプチドのN末端の修飾の存在によっても生じ得る。AβペプチドのN末端に対する修飾は、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含んでなるエピトープのアクセス可能性を防止することができる。そのような修飾の例として、(限定されないが)アセチル化が挙げられる。
【0048】
Aβペプチドのアクセス可能な第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)の欠如はまた、N末端短縮型Aβペプチドを生じる前記N末端アミノ酸の単純な欠失によっても生じ得る。N末端短縮型Aβペプチドは、Aβペプチドのアミノ酸2(A;アラニン)、3(E;グルタミン酸)、4(F;フェニルアラニン)、5(R;アルギニン)、6(H;ヒスチジン)、7(D;アスパラギン酸)、8(S;セリン)、9(G;グリシン)、10(Y;チロシン)、11(E;グルタミン酸)、12(V;バリン)、13(H;ヒスチジン)、14(H;ヒスチジン)、15(Q;グルタミン)、16(K;リジン)、または17(L;ロイシン)からそれらのアミノ酸配列を開始してもよい。ヒトおよび動物細胞、脳および/またはCSFにおいて同定されているN末端短縮型Aβペプチドのいくつかを表2に示す。アクセス可能なエピトープの欠如が1つもしくはそれ以上のN末端アミノ酸の欠失によって生じる本特異的実施形態では、xはAβ(1−C)とも呼ばれるAβの前記N末端アミノ酸を含んでなるAβペプチドのレベルであってもよく、ここで、Cは任意の可能なC末端を意味する(上記を参照のこと)。好ましくは、Cは42および/または43であり得、従って、xはAβ(1−42)および/またはAβ(1−43)ペプチドのレベルである。より好ましくは、Ala42で終止するAβペプチド、即ち、Aβ(1−42)が検出され、従って、xはAβ(1−42)ペプチドのレベルである。同じ特定の実施形態(ここで、アクセス可能なエピトープの欠如が1つもしくはそれ以上のN末端アミノ酸の欠失によって生じる)では、次いで、x/y比の分母(y)において検出される特異的Aβペプチドは、Aβ(N−C)と呼ばれるAβペプチドの任意のアミノ酸から開始するAβペプチドであり、ここで、Nは任意の可能なN末端(即ち、Aβのアミノ酸1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17)を意味する。上記で示唆されるように、好ましくは、Cは42および/または43であり得、yはAβ(N−42)および/またはAβ(N−43)ペプチドのレベルである。より好ましくは、AβのAla42で終止するペプチド、即ち、Aβ(N−42)が検出される。従って、これらの好適な実施形態では、xはAβ(1−42)および/またはAβ(1−43)ペプチドのレベルであり、yはAβ(N−42)および/またはAβ(N−43)ペプチドのレベルである。別の好適な実施形態では、xはAβ(1−42)ペプチドのレベルであり、yはAβ(N−42)ペプチドのレベルである。別の好適な実施形態では、Nは11であり、yはAβ(11−C)ペプチドのレベルである。好ましくは、yはAβ(11−42)および/またはAβ(11−43)ペプチドである。より好ましくは、yはAβ(11−42)のレベルである。
【0049】
本発明において使用される用語「レベル」は、体液サンプル中に存在する特異的Aβペプチドの量を指す。体液サンプルおよびそれらの比x/yの解析時に得られる特異的Aβペプチド(xおよびy)のレベルは、使用する特定の解析プロトコルおよび検出技術に依存する。従って、当業者であれば、本説明に基づく任意の実験により、(1)サンプリング時にADの任意の臨床徴候を示さず、後にADを発現する被験体の群、(2)サンプリング時にADに任意の臨床徴候を示さず、後にADを発現しない被験体の群、(3)ADを患う被験体の群、(4)コントロール被験体の群および(5)DLBなどの別の認知症を患う被験体の群に特徴的な比x/yに対する適切な参照範囲を確立することができることを理解するであろう。次いで、診断対象の被験体について得られる比x/yは、これらの参照範囲と比較することができ、この比較に基づいて、診断対象の被験体が上記のどの群に属し得るかに関して結論を導き出すことができる。
【0050】
特異的Aβペプチドのレベルは、当業者に公知の任意の方法によって決定することができる。それらは、それらの構造、部分アミノ酸配列決定、機能アッセイ、酵素アッセイ、多様な免疫学的方法、またはキャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ハイパー・ディフュージョン(hyper diffusion)クロマトグラフィー、2次元液相電気泳動(2D−LPE;デビッドソン(Davidsson)ら、1999)などの生化学的方法、またはゲル電気泳動におけるそれらの泳動パターンによって、同定することができる。ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)は、複合体混合物からタンパク質を分離するために広範に使用されているアプローチである(パターソン(Patterson)およびアエバーソルト(Aebersold)、1995)。それは1または2次元(2D)配置において実施することができる。Aβペプチドの異なる変異体の同時分析は、表面活性化レーザー脱離イオン化(SELDI)プロテイン・チップ(ProteinChip)TMアレイによって提供される(サイファージェン・バイオシステムズ(Ciphergen Biosystems Inc.)、米国カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto,CA,USA);デービーズ(Davies)ら、1999;オースティン(Austen)ら、2000)。好適な実施形態では、特異的Aβペプチドのレベルはイムノアッセイによって検出される。本明細書において使用される「イムノアッセイ」は、抗原(即ち、特異的Aβペプチド)に特異的に結合する抗体を利用するアッセイである。従って、イムノアッセイは、特異的Aβペプチドの抗体への特異的結合の検出によって特徴付けられる。特異的Aβペプチドを検出するためのイムノアッセイは、競合的であってもまたは非競合的であってもよい。非競合イムノアッセイは、捕捉された分析物(即ち、特異的Aβペプチド)の量を直接測定するアッセイである。競合アッセイでは、サンプル中に存在する分析物(即ち、特異的Aβペプチド)によって捕捉因子(即ち抗体)から置換(または競合的に排除)される添加された(外因性の)分析物の量を測定することによって、サンプル中に存在する分析物(即ち、特異的Aβペプチド)の量を間接的に測定する。1つの競合アッセイでは、既知の量の(外因性)特異的Aβペプチドをサンプルに添加し、次いでサンプルを抗体に接触させる。抗体に結合した添加された(外因性の)特異的Aβペプチドの量は、特異的Aβペプチドが添加される前のサンプルにおける特異的Aβペプチドの濃度に反比例する。1つの好適な「サンドイッチ」アッセイでは、例えば、抗体を直接固体基体に結合させることができ、ここで、それらは固定化される。次いで、これらの固定化された抗体(捕捉抗体)は、試験サンプル中に存在する目的の特異的Aβペプチドを捕捉する。他の免疫学的方法として、液体またはゲル沈降反応、免疫拡散(単純または二重)、凝集アッセイ、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素免疫吸着測定法(ELISA)、ウエスタンブロット、リポソームイムノアッセイ(LIA;モンロー(Monroe)ら、1986)、補体結合アッセイ、免疫放射線検定法、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイ、またはイムノPCRが挙げられるが、これらに限定されない。異なるイムノアッセイの概観については、ワイルド(Wild)(2001)およびギンジリス(Ghindilis)ら(2002)ならびにプライス(Price)およびニューマン(Newman)(1997)に掲載されている。おそらく他の生物学的マーカーを伴う異なるAβペプチドのレベル、または特異的Aβペプチドのレベルを同時に検出することができるシステムが特に有利である。このマルチパラメータアプローチでは、抗体をマイクロスフェアまたはチップに結合させることができる。そのような同時検出を提供するイムノアッセイの例として、(限定されないが)xMapTM技術(ルミネックス(Luminex)100IS、米国テキサス州オースティン(Austin,Texas,USA)を挙げることができる。
【0051】
好適な実施形態では、特異的Aβペプチドのレベルはイムノアッセイによって決定され、少なくとも以下の工程を含んでなる:
(a)抗原−抗体複合体を産生させるのに適切な条件下で、特異的Aβペプチドと、特異的Aβペプチドを特異的に認識する抗体とを接触させること;ならびに
(b)抗体と特異的Aβペプチドとの間に生じた免疫結合を検出すること。
【0052】
従って、本発明の方法では、比x/yは、2種の抗体(1組の抗体)、即ち、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識する第1の抗体(xを検出する)ならびにAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する第2の抗体(yを検出する)を免疫学的に利用して決定される。
【0053】
別の好適な実施形態では、特異的Aβペプチドは、サンドイッチELISAによって検出することができ、以下の工程を含んでなる:
(a)抗原−抗体複合体を産生させるのに適切である条件下で、前記特異的Aβペプチドを、前記特異的Aβペプチドを認識する抗体(捕捉抗体)に接触させること;
(b)抗原−抗体複合体を産生させるのに適切である条件下で、前記特異的Aβペプチドと前記捕捉抗体との間に形成された複合体を、前記特異的Aβペプチドまたは前記Aβペプチド捕捉抗体複合体を特異的に認識する別の抗体(検出抗体)に接触させること;
(c)抗原−抗体複合体を、前記検出抗体への特異的タグ付けもしくは結合のいずれかのためのマーカーまたは標識と接触させることであって、前記マーカーは、当業者に既知の任意の可能なマーカーである;
(d)おそらくまた、標準化の目的のために、抗体を、両方の抗体に反応性である精製された特異的Aβペプチドに接触させること。
【0054】
有利には、検出抗体自体は、マーカーまたはマーカーに直接的もしくは間接的に結合するための基を担持するものである。
【0055】
従って、本発明の方法では、比x/yは、2種の捕捉抗体(または1組の抗体)、即ち、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識する第1の(捕捉)抗体(xを検出する)ならびにAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する第2の(捕捉)抗体(yを検出する)を免疫学的に利用して決定することができる。本発明の好適な実施形態では、第1の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識し、第2の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する。別の好適な実施形態では、第1の抗体はモノクローナル抗体3D6、BAN−50、または抗N1(D)であり、第2の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する。本発明の別の好適な実施形態では、第1の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識し、第2の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する。本発明の別の好適な実施形態では、第1の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識し、第2の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する。本発明の別の好適な実施形態では、第1の抗体はモノクローナル抗体3D6、BAN−50、または抗N1(D)であり、第2の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する。本発明の別の好適な実施形態では、第1の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識し、第2の抗体は3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるAβペプチドのエピトープを認識する。本発明の別の好適な実施形態では、第1の抗体はAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識し、第2の抗体は3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるAβペプチドのエピトープを認識する。本発明の別の好適な実施形態では、第1の抗体はモノクローナル抗体3D6、BAN−50、または抗N1(D)であり、第2の抗体は3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるAβペプチドのエピトープを認識する。検査対象の特異的Aβペプチドを特異的に認識する任意の抗体を、上記の方法に使用することができる。当該分野において公知の抗体の例を表1に示す。
【0056】
上記で考察したようなサンドイッチELISAにおいて使用すべき検出抗体は、Aβペプチド上または捕捉抗体によって遮蔽されていないAβペプチド−捕捉抗体複合体上のエピトープを認識する任意の抗体であり得る。検出抗体として使用することができる抗体の例を表3に示す。好適な実施形態では、Ala42(即ち、Aβ42)またはThr43(即ち、Aβ43)で終止するAβペプチドは、Aβ42および/またはAβ43を特異的に認識する抗体で検出される。別の好適な実施形態では、Ala42で終止するAβペプチド(即ち、Aβ42)が検出される。
【0057】
本発明のサンドイッチELISAでは、捕捉および検出抗体を置き換え得ることは明らかである。従って、捕捉抗体として、これらの第1および/または第2抗体によって認識されるエピトープとは異なるAβペプチド上のエピトープを認識する抗体が使用される場合、上記で考察した第1および第2の抗体はまた、検出抗体として使用し得る。
【0058】
上記で考察した抗体は、本発明の方法における使用のための診断キットの調製に使用することができる。従って、本発明は、被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定するため、ADを患っている被験体の診断のため、および/またはADを患っている被験体対DLBなどの別の認知症を患っている被験体の鑑別診断のための診断キットの製造のための上記で考察した第1抗体および第2抗体(1組の抗体)に関する。
【0059】
本発明において使用する「抗体」は、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子のフラグメントによって実質的にコードされる1つもしくはそれ以上のポリペプチドよりなるタンパク質を指す。認識される免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμ定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖は、κまたはλのいずれかに分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεに分類され、それぞれこの順で、免疫グロブリンクラス、IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEを規定する。基本的な免疫グロブリン(抗体)の構造単位は、四量体または二量体を含んでなることが公知である。各四量体は、ポリペプチド鎖の2つの同一な対よりなり、各対は、1本の「軽」(約25kD)および1本の「重」鎖(約50〜70kD)を有する。各鎖のN末端は、主に抗原認識を担う約100〜110もしくはそれ以上のアミノ酸の可変領域を規定する。用語「可変軽鎖(V)」および「可変重鎖(V)」は、それぞれ、軽および重鎖のこれらの可変領域を指す。場合により、抗体または抗体の免疫学的部分は、他のタンパク質に化学的にコンジュゲートするか、または他のタンパク質との融合タンパク質として発現させることができる。
【0060】
本発明の抗体として、ポリクローナル、モノクローナル、二重特異性、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体、単一可変フラグメント(ssFv)、単一鎖フラグメント(scFv)、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、Fab発現ライブラリーによって産生されるフラグメント、抗イデオタイプ抗体および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメントが挙げられるが、これらに限定されず、但し、それらは、本来の結合特性を保持する。また、ミニ抗体および二重特異性抗体、三重特異性抗体、4価抗体および五重特異性抗体などの多価抗体を本発明の方法に使用することができる。これらのフラグメントおよび多価抗体の調製ならびに使用については、国際特許出願国際公開第98/29442号パンフレットに広範に記載されている。本発明の免疫グロブリン分子は、任意のクラス(即ち、IgG、IgE、IgM、IgDおよびIgA)またはサブクラスの免疫グロブリン分子であることができる。
【0061】
本発明において検出される特異的Aβペプチドを免疫原として使用し、そのような免疫原に特異的に結合する本発明の抗体を作製することができる。前記特異的Aβペプチドによる注入のために、ウサギ、マウス、ラットなどを含むがそれらに限定されない多様な宿主動物に免疫することができる。免疫学的応答を増強するために、宿主種に依存して、完全または不完全フロイントアジュバント、水酸化アルミニウムなどの鉱物ゲル、リゾレシチンなどの界面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳濁液、キーホールリンペットヘモシニアン、ジニトロフェノール、またはBCG(ウシ型弱毒結核菌ワクチン)もしくはコリネバクテリウム・パルヴム(corynebacterium parvum)などのアジュバントを含んでなるがこれらに限定されない多様なアジュバントを使用することができる。モノクローナル抗体の調製のために、培養中の連続細胞株による抗体分子の調製のための任意の技術を使用することができる。抗原による適切なドナー、一般にマウスの過剰免疫を行う。次いで、脾臓抗体産生細胞の単離を行う。これらの細胞を、骨髄腫細胞などの不死を特徴とする細胞と融合させ、培養中に維持することができ、必要とされるモノクローナル抗体を分泌する融合細胞雑種(ハイブリドーマ)を提供する。次いで、細胞を大量培養し、使用のために培養培地からモノクローナル抗体を回収する。特定の技術として、コラー(Kohler)およびマイルスタイン(Milstein)(1975)が開発したハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(コズボール(Kozbor)ら、1983)、またはヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBV−ハイブリドーマ技術(コール(Cole)ら、1985)が挙げられるが、これらに限定されない。所望の抗体のスクリーニングは、ELISAなどの当該分野において公知の技術によって行うことができる。特異的Aβペプチドに特異的に結合するが、別のタンパク質には特異的に結合しない抗体の選択は、第1に対してポジティブに結合し、第2に対する結合を欠如することに基づいて行うことができる。
【0062】
パパイン、ペプシンまたは他のプロテアーゼによる無傷な(intact)抗体の酵素的消化について、多様な抗体フラグメントが規定されているが、当業者であれば、そのような抗体フラグメントならびにフルサイズの抗体は、化学的かまたは組換えDNA方法論を利用するかのいずれかによって、デノボ合成することができることを理解するであろう。従って、本明細書で使用する用語である抗体はまた、抗体全体の修飾によって生成されるかまたは組換えDNA方法論を使用してデノボ合成されるかのいずれかである抗体および抗体フラグメントを含む。用語「ヒト化抗体」は、免疫グロブリンのフレームワーク領域の少なくとも一部がヒト免疫グロブリン配列由来であることを意味する。マウスモノクローナル抗体のヒト化バージョンは、例えば、HおよびL鎖をコードするマウスおよび/またはヒトゲノムDNA配列あるいはHおよびL鎖をコードするcDNAクローンから出発する組換えDNA技術によって作製することができる。ヒト化形態のマウス抗体は、組換えDNA技術によって、非ヒト抗体のCDR領域をヒト定常領域に連結することにより作製することができる(クイーン(Queen)ら、1989;国際公開第90/07861号パンフレット)。あるいは、本発明の方法において使用されるモノクローナル抗体はヒトモノクローナル抗体であってもよい。ヒト抗体は、例えば、ファージディスプレイ法を使用して、得ることができる(国際公開第91/17271号パンフレット;国際公開第92/01047号パンフレット)。これらの方法では、メンバーがそれらの外表面上で異なる抗体を提示するファージのライブラリーが生成される。抗体は、通常、FvまたはFabフラグメントとして提示される。特異的Aβペプチドに対するヒト抗体はまた、少なくともヒト免疫グロブリン座位のセグメントおよび不活性型内因性免疫グロブリン座位をコードする導入遺伝子を有する非ヒトトランスジェニック哺乳動物からも産生させることができる(国際公開第93/12227号パンフレット;国際公開第91/10741号パンフレット)。ヒト抗体は、競合的結合実験によって、またはそうでなければ、特定のマウス抗体として同じエピトープ特異性を有するように選択することができる。そのような抗体は、特に、マウス抗体の有用な機能的特性を共有すると思われる。ヒトポリクローナル抗体もまた、免疫原性因子を免疫したヒト由来の血清の形態で提供することができる。場合により、そのようなポリクローナル抗体は、アフィニティー試薬として特異的Aβペプチドを使用するアフィニティー精製によって濃縮することができる。モノクローナル抗体は、国際公開第99/60846号パンフレットに記載の技術に従って血清から得ることができる。ラクダ科の哺乳動物の体液性免疫応答の部分として産生される重鎖可変ドメイン(VHH)もまた、上記の方法において有用であり得る。「ラクダ化」ヒトVHライブラリーから選択される組換えVHHは、本発明の特異的Aβペプチドの検出のための優れたリガンドを構成し得る(スパイネル(Spinelli)ら、2000;マイルダーマンズ(Muyldermans)、2001;コルテス−レタモゾ(Cortez−Retamozo)ら、2002)。
【0063】
本発明の方法において使用される抗体を、適切な標識でマーカーまたは標識で標識してもよい。アッセイで使用される特定の標識または検出可能な基は、該標識がアッセイにおいて使用される抗体の特異的結合を顕著に妨害しない限り、本発明の極めて重要な局面ではない。検出可能な基は、検出可能な物理的または化学的特性を有する任意の材料であることができる。そのような検出可能な標識は、イムノアッセイの領域において良好に開発されており、一般に、そのような方法において有用なほとんどどの標識も本発明の方法に適用することができる。従って、標識は、分光的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、放射線的または化学的手段によって検出可能な任意の組成物である。本発明において有用な標識として、磁気ビーズ(例えば、ダイナビーズ(Dynabeads)TM)、蛍光染料(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサス・レッド、ローダミン、フィコエリスリン、アレキサ(Alexa)532、シアン(cyanine)3)、放射性標識物(例えば、H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシターゼ、アルカリホスファターゼおよびELISAにおいて一般に使用される他の酵素)、ならびに金コロイド、着色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズなどの比色標識物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
標識物は、当該分野において周知の方法に従って、アッセイの所望される成分に直接的または間接的に結合させてもよい。上記で示されるように、広範な標識物を使用することができ、標識の選択は、要求される感受性、化合物とのコンジュゲーションの簡便性、安定性要件、利用可能な器械および処理規定に依存する。非放射性標識は、しばしば、間接的手段によって付着される。一般に、リガンド分子(例えば、ビオチン)を抗体に共有結合する。次いで、リガンドを、本来的に検出可能であるか、または検出可能な酵素、蛍光化合物、もしくは化学発光化合物などのシグナル系に共有結合されるかのいずれかである抗リガンド(例えば、ストレプトアビジン)分子に結合させる。多くのリガンドおよび抗リガンドを使用することができる。リガンドが天然の抗リガンド、例えば、ビオチン、チロキシン、およびコルチゾールを有する場合、該リガンドを、標識した天然に存在する抗リガンドと共に使用することができる。あるいは、ハプテン性または抗原性化合物を、抗体と共に使用することができる。抗体はまた、例えば、酵素または蛍光団とのコンジュゲートによって、シグナル発生化合物に直接コンジュゲートさせることができる。標識物としての目的の酵素は、本来、加水分解酵素、特に、ホスファターゼ、エステラーゼおよびグリコシダーゼ、または酸化還元酵素、特に、ペルオキシダーゼである。蛍光化合物としては、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられる。化学発光化合物としては、ルシフェリン、および2,3−ジヒドロフタラジンジオン、例えば、ルミノールが挙げられる。他の標識またはシグナル生成系の再検討については、米国特許第4,391,904号明細書において得ることができる。
【0065】
標識を検出するための手段は、当該分野において周知である。従って、例えば、標識が放射性標識である場合、検出のための手段は、シンチレーションカウンターまたはオートラジオグラフィにおけるような写真フィルムを含む。標識が蛍光標識である場合、それは、適切な波長の光で蛍光団を励起し、得られる蛍光を検出することによって検出することができる。蛍光は、写真フィルムによって、電化結合素子(CCD)または光電子増倍管などの電子検出器の使用によって、可視で検出することができる。同様に、酵素標識は、適切な基質を酵素に提供し、得られる反応産物を検出することによって、検出することができる。最後に、簡単な比色標識は、標識に伴う色を観察することによって、簡単に検出することができる。
【0066】
いくつかのアッセイ形式は、標識化合物の使用を必要としない。例えば、凝集アッセイを使用して、標的抗体の存在を検出することができる。この場合、抗原被覆粒子は、標的抗体を含んでなるサンプルによって、凝集する。この形式では、標識を必要とする成分は存在せず、標的抗体の存在は、簡単な目視検査で検出される。
【0067】
本発明はまた、上記において言及した抗体を含んでなる診断キットを提供する。従って、本発明は、被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定するため、ADを患っている被験体の診断のため、および/またはADを患っている被験体対DLBなどの別の認知症を患っている被験体の鑑別診断のための、少なくとも上記で考察した第1抗体および第2抗体(1組の抗体)を含んでなる診断キットを提供する。
【0068】
本発明の方法を行うための好適なキットは:
−検出しようとする特異的Aβペプチドと免疫複合体を形成する第1および第2抗体(捕捉抗体);
−検出しようとする特異的Aβペプチド(または特異的Aβペプチド−捕捉抗体複合体)を認識し、第1または第2抗体によって認識されるエピトープは認識しない抗体(検出抗体);
−前記検出抗体への特異的タグ付けまたは結合のいずれかのためのマーカーもしくは標識;
−捕捉抗体と特異的Aβペプチドとの間、検出抗体と捕捉抗体−特異的Aβペプチド複合体との間ならびに/あるいは結合検出抗体とマーカーまたは標識との間の免疫反応を行うための適切な緩衝溶液;
−おそらく、標準化の目的のための、精製された特異的Aβペプチド、
を含んでなる。
【0069】
従って、本発明は、被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定するため、ADを患っている被験体の診断のため、および/またはADを患っている被験体対DLBなどの別の認知症を患っている被験体の鑑別診断のための上記で考察した第1抗体および第2抗体(1組の抗体)または診断キットを提供する。
【0070】
本発明の方法では、少なくとも比x/yの検出は、場合により、他のAβペプチド、タウ、リン酸化タウ(phospho−tau)、シヌンクレイン、Rab3a、サイトカイン、グルタミン合成酵素(GS)および神経線維タンパク質(neural thread protein)を含むがこれらに限定されない神経疾患のための1つもしくはそれ以上のさらなる既知のバイオマーカーの検出と組み合わせてもよい。関連の生物学的マーカーの組み合わせは、診断の感度および特異性を増加することができる。本発明の方法はまた、1つもしくはそれ以上の生物学的マーカーで予め行った診断のさらなる確認のために使用することができる。
【0071】
本発明の方法、診断キットならびに/あるいは抗体の組はまた、治療モニタリングまたは処置フォローアップおよび患者管理とも呼ばれる被験体に投与された治療の効果をモニターするためにも使用することができる。従って、本発明はまた、ADを発現する可能性を有する被験体またはADを患っているとして診断される被験体の処置フォローアップにおける使用のための上記で考察した方法に関する。x/y比の変化を使用して、被験体の薬物処置に対する応答を評価することができる。この方法では、被験体のx/y比を調べることによって、新しい処置レジュメを開発することもできる。従って、本発明の方法は、例えば、記憶障害被験体、MCIを伴う被験体またはADを患っている被験体のための所定の治療の評価のための臨床治験をモニターすることを支援することができる。この場合、化学化合物は、ADを発現しているかまたは患っているとして診断された被験体におけるx/y比を正常化する能力について、試験される。
【0072】
本発明の方法はまた、例えば、薬物スクリーニングのために、動物または細胞モデルにおいて使用することができる。本発明の方法を適用することができる動物モデルは、身体制御システムが、CNSによって指令される動物の任意のモデルであり得る。従って、動物は、扁形動物(Platyhelminthes)、袋形動物(Aschelminthes)、環形動物(Annelida)、節足動物(Arthropoda)、軟体動物(Mollusca)、棘皮動物(Echinodermata)、無頭動物(Acrania)、円口類(Cyclostomata)、軟骨魚類(Chondrichthyes)、硬骨魚類(Osteichthyes)、両生類(Amphibia)、爬虫類(Reptilia)、鳥類(Aves)および哺乳類(Mammalia)に属し得る。好適な実施形態では、動物モデルの動物は、マウス、ラット、サル、ウサギ、虫(worm)、ハエ、ゼブラフィッシュ、フグまたはC.エレガンス(C.elegans)である。別の実施形態では、動物は、おそらく、ADを生じる1つもしくはそれ以上の決定基によって改変されたトランスジェニック動物である。本発明の方法を適用することができる細胞モデルは、APPが発現される任意の細胞株であり得る。例として、デ・ジョンゲ(De Jonghe)ら(2001)により記載のニューロンのAPP発現初代培養物、ヒト野生型または変異APPでトランスフェクトしたCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞および国際公開第02/37118号パンフレットに記載のヒト野生型または変異APPでトランスフェクトしたヒト神経芽腫細胞(SKNSH−SY5Y)が挙げられる。
【0073】
本明細書および以降の特許請求の範囲の全体を通じ、本文中で断らない限り、語句「含んでなる(comprise)」、ならびに「含んでなる(comprises)」および「含んでなっている(comprising)」は、陳述した完全体もしくは工程、または陳述した完全体もしくは工程の群の包含を意味するものであって、他の完全体もしくは工程、または完全体もしくは工程の群のいずれかの除外を意味するものではないことが理解されよう。
【0074】
特に有利な実施形態を記載する以下の実施例を参考にして、本発明を例示する。しかし、これらの実施例は、例示的であり、かついかなる方法においても本発明を制限するように解釈することはできないことに注意されたい。
【0075】
実施例1:本発明において使用されるモノクローナル抗体のエピトープマッピング
1.ELISAにおけるモノクローナル抗体3D6、6E10および4G8の結合特異性の決定
3種のβ−アミロイド抗体、3D6(エラン・ファーマシューティカルズ(Elan Pharmaceuticals)米国カリフォルニア州南サンフランシスコ(South San Francisco,CA,USA))、6E10および4G8(シグネット・ラボラトリーズ(Signet Laboratories)米国マサチューセッツ州デダム(Dedham,MA,USA))を、N末端で短縮した異なるβ−アミロイドペプチド:Aβ(1−42)、Aβ(2−42)、Aβ(3−42)、Aβ(4−42)、Aβ(5−42)、Aβ(8−42)、Aβ(9−42)との免疫結合について、ELISAにおいて試験した。合成ペプチドは、バッヘム(Bachem)(独国ハイデルベルグ(Heidelberg,Germany))、ネオシステムズ(Neosystems)(仏国ストラスブール(Strasbourg,France))、またはアナスペック(AnaSpec)(米国カリフォルニア州サンノゼ(San Jose,California,USA))より入手した。ELISA形式およびその特徴については、詳述されている(ファンデルスティケル(Vanderstichele)ら、2000)。簡単に説明すると、プレートを、予め捕捉抗体としてAβ42のN末端に特異的な3D6、6E10または4G8モノクローナル抗体で被覆した。各ウェルに対し、100μlのブランクまたはピペットサンプルを添加し、3時間、インキュベートした。数回の洗浄ステップ後、プレートを、Aβ42のカルボキシ末端に特異的なビオチン化モノクローナル抗体21F12と共に1時間、インキュベートした。ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジンを介して、ビオチン化抗体を検出した。最終洗浄工程後、基質を添加し、0.2N硫酸を添加することによって、30分後に反応を停止させた。450nmで光学密度(OD)を測定した。
【0076】
3D6、6E10および4G8の異なるN末端短縮型Aβペプチドとの反応性を、それぞれ図7、8および9に示す。4G8抗体との反応性に従って、ペプチド濃度を正規化した。3D6は、Aβ(1−42)とのみ反応性であったことから、3D6は、第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識することが示された。6E10はAβ(1−42)、Aβ(2−42)、Aβ(3−42)、Aβ(4−42)、およびAβ(5−42)と反応した。従って、6E10は、第1(D;アスパラギン酸)、第2(A;アラニン)および第3(E;グルタミン酸)のアミノ酸を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する。4G8は、試験したすべてのAβペプチドと反応性であった。従って、4G8は、アミノ酸9を超えて存在するAβのエピトープを認識するはずである。これらのモノクローナル抗体によって認識されたエピトープを図1に示す。
【0077】
2.マルチパラメータイムノアッセイにおけるモノクローナル抗体3D6、6E10および4G8の結合特異性の決定
3種のβ−アミロイド抗体、3D6、6E10および4G8を、Aβ(1−42)およびAβ(2−42)との免疫結合について、マルチパラメータアッセイにおいて試験した。合成ペプチドは、バッヘム(Bachem)(独国ハイデルベルグ(Heidelberg,Germany))、ネオシステムズ(Neosystems)(仏国ストラスブール(Strasbourg,France))、またはアナスペック(AnaSpec)(米国カリフォルニア州サンノゼ(San Jose,California,USA))より入手した。
【0078】
xMAPTM−技術(ルミネックス(Luminex)、米国テキサス州オースティン(Austin,Texas,USA))を使用して、マルチパラメータのビーズアッセイを設計した。3D6、6E10、および4G8を、製造者により供給された改変されたプロトコルに従って、カルボキシル化マイクロスフェアセット上に共有結合させた。簡単に説明すると、水溶性1−エチル−3−(3−ジメチル−ラミノプロリル(laminopropyl))−カルボジイミド塩酸塩(EDC;ピアス・ケミカルズ(Pierce Chemicals)、ベルギー、エーレムボードヘム(Erembodegem,Belgium))およびN−ヒドロキシ−スルホスクシンイミド(スルホ−NHS;ピアス・ケミカルズ(Pierce Chemicals)、ベルギー、エーレムボードヘム(Erembodegem,Belgium))の混合物を使用して、ビーズの遊離のカルボキシル基を活性化させた。続いて、抗体のアミノ基をマイクロスフェアのカルボキシル基に共有結合させた。ヘマチトメーターを使用して、抗体結合ビーズを計数した。結合したマイクロスフェアを暗所、2〜8℃で貯蔵した。
【0079】
すべてのインキュベーションは、室温(25℃)で実施した。96ウェルフィルタープレート(ミリポア・コーポレーション(Millipore Corporation)、米国マサチューセッツ州ベッドフォード(Bedford,MA,US))を、最初に、250μl洗浄緩衝液(PBS、0.05%ツイーン(Tween)20)で前処置した。減圧マニフォルド(ミリポア・コーポレーション(Millipore Corporation)、ベルギー、ブリュッセル(Brussels,Belgium))により、プレートから洗浄緩衝液を取り出した。結合したマイクロスフェアを少なくとも15分間、室温で平衡化させ、その後、100μlの音波処理したマイクロスフェア(各パラメータあたりビーズ30,000個/ml)をフィルタープレートに添加し、その後、プレートをアルミホイルで被覆した。緩衝液のアスピレーション後、50μlのビオチン化検出抗体21F12(イノジェネティクスN.V.(Innogenetics N.V.)、ベルギー、ヘント(Gent,Belgium))および50μlのペプチドサンプルをウェルに添加した。室温で、オービタル・プレート・シェーカー上、1000rpmで振盪することによって、インキュベーションを1晩(16時間)実施した。300μlの洗浄緩衝液での吸引によって、ウェルを3回洗浄し、100μlのストレプトアビジン−フィコエリスリン(ストレプトアビジン−PE;カルタグ(Caltag)、米国カリフォルニア州バーリンゲーム(Burlingame,CA,US);サンビオ(Sanbio)、オランダ、ウーデン(Uden,the Netherlands))と共に60分間、プレートシェーカー上でインキュベートした。洗浄緩衝液による吸引により、ウェルを再度、3回洗浄した。最後に、マイクロスフェアをPBS中に再溶解した。解析のためのソフトウェア・バージョン2.1を使用して、ルミネックス(Luminex)100装置において蛍光強度を測定した。
【0080】
3D6、6E10および4G8のAβ(1−42)およびAβ(2−42)ペプチドとの反応性を図10に示す。3D6は、Aβ(1−42)に反応性であったが、Aβ(2−42)との反応性は認められなかった。このことから、3D6は、第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識することが確認される。6E10および4G8は、両方のペプチドAβ(1−42)およびAβ(2−42)と反応したことから、6E10および4G8は第1の(D;アスパラギン酸)アミノ酸を含有しないAβペプチドのエピトープを認識することが確認された。これらのモノクローナル抗体によって認識されるエピトープを図1に示す。
【0081】
実施例2:記憶障害または認知症を患っている被験体から得られるCSFサンプルにおける3D6に結合するAβペプチドおよび4G8または6E10に結合するAβペプチドの分析
1.被験体
166例の被験体を含む、サルグレン・ユニバーシティー・ホスピタル(Sahlgren’s University Hospital)、スウェーデン、イェーテボリ(Goeteborg,Sweden)において記録されたCSFサンプルに基づいて研究を行った。12のCSFサンプルについて、すべてのパラメータを決定したわけではなかった。これらの結果を部分的に除外しても最終的な解析に影響を及ぼさなかった。ここでは、以下の患者群を含む154例のサンプルの結果について考察した:18例の中等度AD(modAD)患者、21例の重度AD(sevAD)患者、20例の軽度AD(mildAD)患者、39例の認知障害患者、12例のレビー小体型認知症(DLB)患者、15例のパーキンソン病(PD)患者および29例のコントロール被験体(C)。すべてのAD患者がNINCDS−ADRDA基準(マックハン(McKhann)、1984)を満たした。認知障害患者群では記憶障害以外の症状は報告または同定されず、これらの患者のうち、認知症に関するDSM−IV基準を満たしたものは認められなかった。5年間のフォローアップ期間内で、14例の認知障害患者がAD(Cog−AD)に進行した一方、25例の認知障害患者では、記憶上の問題がAD(Cog)に進展することはなかった。レビー小体型認知症の臨床および病理診断のためのコンセンサスガイドライン(マックキース(McKeith)ら、1996)に従って、DLBを診断した。PD患者は、ラングストン(Langston)ら、(1992)に従って含めた。コントロール群(C)は、精神または神経疾患の既往歴、症状、もしくは徴候、悪性疾患、あるいは全身障害(例えば、関節リウマチ、感染性疾患)を伴わない個体からなる。
【0082】
イェーテボリ大学倫理委員会(The Ethics Committees of the University of Goeteborg)、スウェーデン(Sweden)が研究をを承認した。すべての患者(または彼らの近親者)およびコントロールは、ヘルシンキ宣言(Declaration of Helsinki)の規定に従って行われた研究参加の同意(informed consent)を提示した。
【0083】
2.サンプリング
被験体のL3/L4またはL4/L5椎間腔に配置された非外傷性カニューレ(atraumatic cannulas)を使用してCSFサンプルを採取した。滅菌ポリプロピレンチューブに12mlを回収し、緩徐に混合した。CSFを、10分間、4000gで遠心分離した。サンプルをスウェーデン、ムルンダール(Moelndal Sweden)のクリニカル・ニューロケミストリー・ラボラトリー・アット・サルグレンス・ユニバーシティ・ホスピタル(Clinical Neurochemistry Laboratory at Sahlgrens’s University Hospital)に送った。到着後、サンプルをアリコートに分け、−80℃で冷凍保存した。サンプルは、融解および再凍結することなく、保持した。生来のCSFでは、白血球および赤血球細胞数ならびにグルコースおよび乳酸測定値、総タンパク質含有量、アルブミンおよび免疫グロブリンGのCSF−血清比、ならびに乏クローン帯のスクリーニングを含む日常的な化学パラメータの決定を実施した。CSFサンプルが1μLあたり500を超える赤血球を含有した場合、該CSFサンプルは研究に含めなかった。
【0084】
3.イムノアッセイ
xMapTM技術(ルミネックス(Luminex)100IS、米国テキサス州オースティン(Austin,Texas,USA))を使用して、CSFサンプルにおける特異的Aβペプチドのレベルxおよびyを決定した。捕捉抗体として、xの検出のためにモノクローナル抗体3D6(エラン・ファーマシューティカルズ(Elan Pharmaceuticals)米国カリフォルニア州南サンフランシスコ(South San Francisco,CA,US))を使用し、yの検出のためにモノクローナル抗体6E10および4G8(シグネット・ラボラトリーズ(Signet Laboratories)米国マサチューセッツ州デダム(Dedham,MA,USA))を使用した。モノクローナル抗体21F12(イノジェネティクスN.V.(Innogenetics N.V.)、ベルギー、ヘント(Gent,Belgium))を検出抗体として使用した。上記のようにマルチパラメータアッセイを行った。標準として合成アミロイド(1−42)ペプチドおよび曲線近似モデルとしてシグモイドフィットを使用し、ルミネックス(Luminex)単位をELISApgペプチド等価物/mlに変換した。
【0085】
4.統計解析
データ解析は、ボックスプロットによるグラフ表示に基づいた。これらのプロットは、中央値および各変数についてデータポイントの中央部50%を含む25%〜75%範囲を表す。2群間を識別するための変数の能力に対するさらなる支持が、正規のマン−ホイットニー(Mann−Whitney)U検定によって提供される。この検定は、各群におけるデータポイントの階級の合計が同じであるという仮説を評価する。有意なp値(<0.05)は、この仮説を棄却し、従って、2群間の変数の識別能に対する強力な証拠を提供する。P値<0.10は、2群間の変数の識別能に対する傾向を示唆する。
【0086】
5.長期間記憶に問題がある患者からADに進行するであろう記憶障害被験体の識別
図2([x]3D6)、図3([y]6E10)および図4([y]4G8)では、それぞれ捕捉抗体として、3D6、6E10および4G8を使用した異なる被験体群のCSFサンプルにおける特異的Aβペプチドのレベルxおよびyの中央値および25%−75%区間を示す。AD(Cog)に進行しなかった認知障害患者と比較して、AD(Cog−AD)に進行した認知障害患者間では、3D6に結合するAβペプチド、または6E10もしくは4G8に結合するAβペプチドのレベルにおいて差異を観察することができなかった。[x]3D6、[y]6E10および[y]4G8に対するマン−ホイットニー(Mann−Whitney)U検定のp値は、それぞれ、0.46、0.23、および0.15であった。
【0087】
図5([x]3D6/[y]6E10)および図6([x]3D6/[y]4G8)では、異なる被験体群のCSFサンプルにおけるx/yの比の中央値および25%−75%区間を示す。この比の場合、AD(Cog)を発現しなかった認知障害患者と比較して、AD(Cog−AD)に進行した認知障害患者において明確な減少が観察された。[x]3D6/[y]6E10および[x]3D6/[y]4G8に対するマン−ホイットニー(Mann−Whitney)U検定のp値は、それぞれ、<0.001および<0.001であった。このことは、記憶に問題がある被験体の集団において、x/yの比がADを発現している被験体とADを発現しなかった長期間記憶に問題がある被験体との間の優れた識別を可能にすることを示す。
【0088】
6.ADを患っている被験体とDLBを患っている被験体との識別
図2([x]3D6)、3([y]6E10)、および4([y]4G8)では、それぞれ捕捉抗体として、3D6、6E10、および4G8を使用した異なる被験体群のCSFサンプルにおける特異的Aβペプチドのレベルxおよびyの中央値および25%−75%区間を示す。コントロール被験体(C)、PD患者(PD)または記憶障害を患っている患者(Mem、Mem−AD)と比較して、任意の形態のAD(ModAD、SevAD、MildAD)を患っている患者間の3D6に結合するAβペプチドのレベルにおいて明確な減少を観察することができる一方、レベルxおよびyは、ADを患っている患者対DLBを患っている患者間の識別は提供しなかった。すべてのAD(プールされたModAD、SevAD、およびMildAD)とDLBとの比較において、[x]3D6、[y]6E10および[y]4G8に対するマン−ホイットニー(Mann−Whitney)U検定のp値は、それぞれ、0.16、0.68、および0.79であった。
【0089】
図5([x]3D6/[y]6E10)および6([x]3D6/[y]4G8)では、異なる被験体群のCSFサンプルにおけるx/yの比の中央値および25%−75%区間を示す。この比の場合、DLBを患っている患者と比較して、任意の形態のAD(ModAD、SevAD、MildAD)を患っている患者において明確な減少を観察することができる。[x]3D6/[y]6E10および[x]3D6/[y]4G8に対するマン−ホイットニー(Mann−Whitney)U検定のp値は、それぞれ、0.098および<0.001であった。このことは、x/yの比が、ADを患っている被験体対DLBを患っている患者間の識別を可能にすることを示す。
【0090】
実施例3:ADを患っている被験体から得られるサンプルの特異的Aβペプチドのレベルxおよびyの解析
1.被験体
AD患者(n=22)および非認知症コントロール(n=20)由来のCSFサンプルは、サルグレン・ユニバーシティー・ホスピタル(Sahlgren’s University Hospital)、スウェーデン、イェーテボリ(Goeteborg,Sweden)より提供された。それらは、AD、ICD−10(世界保健機構(World Health Organization)、1992)および神経およびコミュニケーション障害および脳卒中−アルツハイマー病ならびに関連疾患協会の国立研究所(National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke−Alzheimer’s Disease and Related disorder Association)(NINCDS−ADRDA基準;マックカン(McKann)ら、1984)の一般に受け入れられた基準に従って、日常的な診断手順の目的のために診断した患者から回収した。コントロール群は、精神または神経疾患の既往歴、症状、または徴候を伴わない個体からなる。
【0091】
イェーテボリ大学倫理委員会(The Ethics Committees of the University of Goeteborg)、スウェーデン(Sweden)が研究をを承認した。すべての患者(または彼らの近親者)およびコントロールは、ヘルシンキ宣言(Declaration of Helsinki)の規定に従って行われた研究参加の同意(informed consent)を提示した。
【0092】
2.マルチパラメータイムノアッセイによる特異的Aβペプチドのレベルxおよびyの解析
xMapTM技術(ルミネックス(Luminex)、米国テキサス州オースティン(Austin,Texas,USA))を使用して、CSFサンプルにおける特異的Aβペプチドのレベルxおよびyを決定した。捕捉抗体として、xの検出のためにモノクローナル抗体3D6を使用し、yの検出のためにモノクローナル抗体4G8を使用した。モノクローナル抗体21F12を検出抗体として使用した。上記のようにマルチパラメータアッセイを行った。
【0093】
データ解析は、ボックスプロットによるグラフ表示に基づいた。これらは、中央値および各変数についてデータポイントの中央部50%を含む25%〜75%範囲を表す。2群(ADとコントロール)間を識別するための変数の能力に対するさらなる支持が、対比較のためのスチューデント・ニューマン・クールズ(Student−Newman−Keuls)の検定によって提供される。有意なp値(<0.05)は、ADとコントロール患者間の変数の識別能に対し、強力な支持を提供する。
【0094】
図11(3D6−21F12)および図12(4G8−21F12)では、AD患者およびコントロール群のCSFサンプルにおける特異的Aβペプチドのそれぞれレベルxおよびyの中央値および25%−75%区間を示す。ADを患っている患者とコントロール被験体との間で、3D6または4G8に結合するAβペプチドの明確な差異が観察された。スチューデント・ニューマン・クールズ(Student−Newman−Keuls)の検定のp値は<0.001および0.008であり、それぞれレベルx(3D6に結合する特異的Aβペプチド)およびy(4G8に結合する特異的Aβペプチド)の識別能を示す。
【0095】
図13(RATIO:3D6対4G8)では、AD患者およびコントロール群のCSFサンプルにおけるx/yの比(ここで、xは3D6に結合する特異的Aβ42(43)ペプチドのレベルであり、yは4G8に結合する特異的Aβ42(43)ペプチドのレベルである)の中央値および25%〜75%区間を示す。また、この比x/yの場合、ADを患っている患者とコントロール被験体との間に、明確な差異が観察される。スチューデント・ニューマン・クールズ(Student−Newman−Keuls)の検定のp値は0.003であり、この比の識別能を示す。
【0096】
3.表面活性化レーザー脱離イオン化技術による特異的Aβペプチドのレベルxおよびyの解析
表面活性化レーザー脱離イオン化(SELDI)技術を適用して、AD患者(n=22)および非認知症コントロール(n=20)由来の22の個々のCSFサンプルのCSFにおけるAβ(42)ペプチドのパターンを解析および比較した。CSFサンプルを、特異的Aβ(42)ペプチドの存在について、SELDI−TOF(PBS IIc)上で分析した。これを可能にするために、以下のイムノ−アレイ調製プロトコルによって、Aβペプチドを、免疫学的にプロテインチップ(ProteinChip)に結合させた。1μg4D7A3をアレイ−スポット上に適用し、PS10プロテインチップ(ProteinChip)アレイへの共有結合を可能にするための保湿チャンバーにおけるインキュベーション(3時間、RT)によって、β−アミロイド(42)ペプチドのC末端に対するモノクローナル抗体(4D7A3;イノジェネティクス(Innogenetics)カタログ番号BR032D)をPS10プロテインチップ(ProteinChip)に共有結合させた。PBS/0.1%トリトン(Triton)X−100で2回、アレイを洗浄した。2×PBS(pH8.0)でさらなる洗浄を実施した。0.5Mトリス(Tris)pH8.0(2時間中、RT)でアレイをブロックした。PBS/0.1%トリトン(Triton)X−100で2回、アレイを再度洗浄した。プロテインチップ(ProteinChip)バイオプロセッサーを使用して、0.1M尿素/0.1%CHAPS中100μl CSFをスポット上に充填し、一定の振盪により、1晩、4℃でインキュベートした。PBS/0.1%トリトン(Triton)X−100で2回、アレイを再度洗浄し、50mMヘペス(Hepes)pH8.0でさらに2回洗浄した。空気乾燥したアレイスポット上に50%ACN/50%TFA中α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸を適用し、質量分析を実施した。コントロール抗体としての抗体31D11で同じイムノ−アレイを調製し、Aβペプチドを伴わないスペクトルを得た(図14)。
【0097】
ダイナフォリン(Dynaphorin)(Mr=2147,50Da)、ヒトACTH(1−24)(2933,50)、ウシインスリンβ鎖(3495,94)、およびヒトインスリン(5807,65)によって、外部校正を実施した。このことに基づいて、4514,1Daの理論的質量により、Aβ(42)ペプチドピークについての質量精度を算出した。SELDI−TOFによって測定されたm/z値は、4512,069Da(STDEV1,193456、%CV0,02645)であり、450ppmのこの実験についての精度が得られた。SELDI−TOF(450ppm)のこの質量精度を考慮し、関連の合成βアミロイドペプチドの補足分析を使用して、新規のN末端短縮型β−アミロイドペプチドを、それらの分子量に基づいて以下の通りに割り当てた。1−42、11−42、8−42、5−42および3−42(図14)。CSFサンプルを酸化すると、Aβペプチドでは16ダルトンの質量の変化が生じた(図15)。理論的および測定された質量ならびに本技術の質量精度を表4に示す。多くのAβペプチドについて、極めて高い精度が得られた。試験したサンプルにおける異なる特異的Aβペプチドのピーク強度を表5に示す。非認知症コントロールのCSFと比較すると、Aβ(1−42)のペプチドピーク強度は、AD CSFにおいて特異的に減少する。測定したN短縮型β−アミロイド(42)ペプチドピーク強度では、2つの患者群間で有意な差異が検出されなかった。しかし、検出されたアミロイド種の質量ピーク強度をAβ(1−42)/Aβ(N−42)の比として表した場合、アルツハイマー病患者をコントロールの群から識別することができた(データ示さず)。
【0098】
測定を改善するために、同じサンプルを高レーザー強度に暴露し、いくらかのサンプルについてより高精度のデータを入手した。校正目的のために、7fmolの9−42β−アミロイドペプチド(アナスペック・サン・ホセ(AnaSpec San Jose)、カリフォルニア州(CA);カタログ番号60084−1)および6fmolウシインスリン(サイファージェン・バイオシステムズ・フレモント(Ciphergene Biosystems Fremont)、カリフォルニア州(CA))を適用し、データ校正に使用した。図16および17では、ADおよびコントロール群のCSFサンプルにおける特異的Aβ(1−42)およびAβ(11−42)ペプチドに関する正規化されたデータにより、中央値および25%〜75%区間を算出した。Aβ(1−42)およびAβ(11−42)レベルがADおよびコントロール被験体間を識別する能力を、対比較のためのスチューデント・ニューマン・クールズ(Student−Newman−Keuls)の検定によってさらに評価した。Aβ(11−42)レベルに対する値は0.041であり、Aβ(11−42)レベルの識別能が示された。図18では、ADおよびコントロール群のCSFサンプルにおける比Aβ(1−42)/Aβ(11−42)に関する正規化されたデータにより、中央値および25%〜75%区間を算出した。この比についても、ADを患っている患者およびコントロール被験体間で明確な差異が観察される。スチューデント・ニューマン・クールズ(Student−Newman−Keuls)の検定によって算出されたp値は0.003であり、この比Aβ(1−42)/Aβ(11−42)の識別能を示した。正規化されたデータを比の解析に使用した場合、ADおよびコントロールグループ間の識別の程度が改善された。
【0099】
【表1】

【0100】
【表2】

【0101】
【表3】

【0102】
【表4】

【0103】
【表5】

【0104】
【表6】

【0105】
【表7】

【0106】
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バーガー K.(Buerger K.)、テイペル S.J.(Teipel S.J.)、ジンコスキー R.(Zinkowski R.)、ブレンナウ K.(Blennow K.)、アライ H.(Arai H.)、エンゲル R.(Engel R.)、ホフマン−キーファー K.(Hofmann−Kiefer K.)、マカラッチ C.(McCulloch C.)、トック U.(Ptok U.)、ヒューン R.(Heun R.)、アンドレアセン N.(Andreasen N.)、デ・バーナーディス J.(DeBernardis J.)、ケルクマン D.(Kerkman D.)、マラー H.−J.(Moeller H.−J.)、デービーズ P.(Davies P.)、ハンペル H.(Hampel H.)(2002)スレオニン231がリン酸化されたCSFタウタンパク質は、MCI被験体の認知機能低下に相関する(CSF tau protein phsophorylated at threonine 231 correlates with cognitive decline in MCI subjects.)Neurology59:627−629
セスカト R.(Cescato R.)、デュメルムス E.(Dumermuth E.)、スピース M.(Spiess M.)、パゲネティー P.A.(Paganetti P.A.)(2000)飲食作用においてアミロイド前駆体タンパク質欠損の変異を発現する細胞における代替的に切断されるβアミロイドペプチドの増加された作製(Increased generation of alternatively cleaved beta−amyloid peptides in cells expressing mutants of the amyloid precursor protein defective in endocytosis.)J.Neurochem.74:1131−1139
チャートコウ H.(Chertkow H.)(2002)軽度認知障害(Mild cognitive impairment)Curr.Opin.Neurol.15:401−407
シトロン M.(Citron M.)、オルタースドルフ T.(Oltersdorf T.)、ハース C.(Haass C.)、マッコンログ L.(McConlogue L.)、フング A.Y.(Hung A.Y.)、ソイベルト P.(Seubert P.)、ビゴー−ペルフレイ C.(Vigo−Pelfrey C.)、リーバーバーグ I.(Lieberburg I.)、セルコエ D.J.(Selkoe D.J.)(1992)家族性アルツハイマー病におけるβアミロイド前駆体タンパク質の変異はβタンパク質産生を増加する(Mutation of the beta−amyloid precursor protein in familial Alzheimer’s disease increases beta−protein production.)ネイチャー(Nature)360:672−674
コール(Cole)ら(1985)In:Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy.アランR.リス・インク(Alan R.Liss,Inc.)77〜96頁
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コルテス−レタモゾ V.(Cortez−Retamozo V.)、ロイウェレイズ M.(Lauwereys M.)、ハッサンザデ Gh.G.(Hassanzadeh Gh. G.)、ゴーベルト M.(Gobert M.)、コンラス K.(Conrath K.)、ムルダーマン S.(Muyldermans S.)、デ・バトセリアー P.(De Baetselier P.)、レベッツ H.(Revets H.)(2002)ラクダの単一ドメイン抗体による効率的腫瘍標的化(Efficient tumor targeting by single−domain antibody fragments of camels.)Int.J.Cancer98:456−462
デビッドソン P.(Davidsson P.)、ウエストマン A.(Westman A.)、パチャデス M.(Puchades M.)、ニルソン C.L.(Nilsson C.L.)、ブレンナウ K.(Blennow K.)(1999)予備2次元液相電気泳動およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析の組み合わせによるヒト脳脊髄液由来のタンパク質の特徴付け(Characterization of Proteins from Human Cerebrospinal Fluid by a Combination of Preparative Two−Dimensional Liquid−Phase Electrophoresis and Matrix−Assisted Laser Desorption/Ionization Time−of−Flight Mass Spectrometry.)Anal.Chem.71:642−647
デービーズ H.(Davies H.)、ロマス .L(Lomas .L)、オースティン B.(Austen B.)(1999)SELDIプロテインチップアレイを使用するアミロイドβペプチド変異体のプロファイリング(Profiling of amyloid beta peptide variants using SELDI Protein Chip arrays.)Biotechniques27:1258−1261
デ・ジョンゲ C.(De Jonghe C.)、エッセレンス C.(Esselens C.)、クマー−サイ S.(Kumar−Singh S.)、クラエサエサーツ K.(Craessaerts K.)、サニールズ S.(Serneels S.)、チェクラー F.(Checler F.)、アンナエルト W.(Annaert W.)、ファン・ブルックホーフェン C.(Van Broeckhoven C.)、デ・ストラッパー B.(De Strooper B.)(2001)γ−セクレターゼ切断部位付近の病原性APP変異は、Aβ分泌およびAPPのC末端フラグメントの安定性に特異に影響を及ぼす(Pathogenic APP mutations near the gamma−secretase cleavage site differentially affect Abeta secretion and APP C−terminal fragment stability.)Hum.Mol.Genet.10:1665−1671
デマトス R.B.(DeMattos R.B.)、バレス K.R.(Bales K.R.)、クミンス D.J.(Cummins D.J.)、ドダート J.C.(Dodart J.C.)、パウル S.M.(Paul S.M.)、ホルツマン D.M.(Holtzman D.M.)(2001)末梢抗Aβ抗体は、CNSおよび血漿中Aβクリアランスを変更し、アルツハイマー病のマウスモデルにおける脳Aβ負荷を減少する(Peripheral anti−A beta antibody alters CNS and plasma A beta clearance and decreases brain A beta burden in a mouse model of Alzheimer’s disease.)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98:8850−8855
エンヤ M.(Enya M.)、ヨリシマ−カワシマ M.(Morishima−Kawashima M.)、ヨシムラ M.(Yoshimura M.)、シンカイ Y.(Shinkai Y.)、クスイ K.(Kusui K.)、カーン K.(Khan K.)、ゲイムズ D.(Games D.)、シェンク D.(Schenk D.)、スギハラ S.(Sugihara S.)、ヤマグチ H.(Yamaguchi H.)、イハラ Y.(Ihara Y.)(1999)加齢中の皮質におけるドデシル硫酸ナトリウム安定性アミロイドβタンパク質(Aβ)ダイマーの出現(Appearance of sodium dodecyl sulfate−stable amyloid beta−protein (Abeta) dimer in the cortex during aging.)Am.J.Pathol.154:271−279
フリードラント R.P.(Friedland R.P.)、マジョカ R.E.(Majocha R.E.)、リノ J.M.(Reno J.M.)、ライル L.R.(Lyle L.R.)、マロッタ C.A.(Marotta C.A.)(1994)アルツハイマー病におけるアミロイド血管症のインビトロ画像化のための抗Aβモノクローナル抗体の開発(Development of an anti−A beta monoclonal antibody for in vivo imaging of amyloid angiopathy in Alzheimer’s disease.)Mol.Neurobiol.9:107−113
フクモト H.(Fukumoto H.)、アサミ−オダカ A.(Asami−Odaka A.)、スズキ N.(Suzuki N.)、イワツボ T.(Iwatsubo T.)(1996)アルツハイマー病患者の脳および非認知症加齢型個体におけるAβ40陽性老人斑と小膠細胞との関連(Association of A beta 40−positive senile plaques with microglial cells in the brains of patients with Alzheimer’s disease and in non−demented aged individuals.)Neurodegeneration5:13−17.
ガラスコ D.(Galasko D.)、チャン L.(Chang L.)、マター R.(Motter R.)、クラーク C.M.(Clark C.M.)、ケイ J.(Kaye J.)、ナップマン D.(Knopman D.)、トーマス R.(Thomas R.)、クホールデンコ D.(Kholodenko D.)、シェンク D.(Schenk D.)、リーバーバーグ I.(Lieberburg I.)、ミラー B.(Miller B.)、グリーン R.(Green R.)、バシャラッド R.(Basherad R.)、ケルタイル L.(Kertiles L.)、ボス M.A.(Boss M.A.)、ソイベルト P.(Seubert P.)(1998)アルツハイマー病の臨床診断における高脳脊髄液タウおよび低アミロイドβ42レベルならびにアポリポプロテインE遺伝子型との関係(High cerebrospinal fluid tau and low amyloid beta42 levels in the clinical diagnosis of Alzheimer disease and relation to apolipoprotein E genotype.)Arch.Neurol.55:937−945
ゲイムズ D.(Games D.)、アダムス D.(Adams D.)、アレサンドリニ R.(Alessandrini R.)、バーバー R.(Barbour R.)、バーセレッテ P.(Berthelette P.)、 ブラックウェル C.(Blackwell C.)、カル T.(Carr T.)、クレメンス J.(Clemens J.)、ドナルドソン T.(Donaldson T.)、ギレスピー F.(Gillespie F.)ら(1995)V717Fβアミロイド前駆体タンパク質を過剰発現するトランスジェニックマウスにおけるアルツハイマー型神経病理学(Alzheimer−type neuropathology in transgenic mice overexpressing V717F beta−amyloid precursor protein.)ネイチャー(Nature)373:523−527
ギンジリス A.L.(Ghindilis A.L.)、パブロフ A.R.(Pavlov A.R.)、アタナソフ P.B.(Atanassov P.B.)(編)(2002)Immunoassay Methods and Protocols.ヒューマナ・プレス(Humana Press)米国、ニュージャージー州、トトワ(Totowa,NJ,US.)
ギソ J.(Ghiso J.)、ロスタグノ A.(Rostagno A.)、ガーデラ E.(Gardella J.E.)、リーム L.(Liem L.)、ゴアビック P.D.(Gorevic P.D.)、フランギオン B.(Frangione B.)(1992)アルツハイマー病アミロイド前駆体タンパク質の109アミノ酸C末端フラグメントは、細胞粘着を促進する配列−RHDS−を含有する(A 109−amino−acid C−terminal fragment of Alzheimer’s−disease amyloid precursor protein contains a sequence,−RHDS−,that promotes cell adhesion.)Biochem.J.288:1053−1059
グレンナー G.G.(Glenner G.G.)、ウォング C.W.(Wong C.W.)(1984)アルツハイマー病:新規脳血管アミロイドタンパク質の精製および特徴付けに関する最初の報告(Alzheimer’s disease: initial report of the purification and characterization of a novel cerebrovascular amyloid protein.)Biochem.Biophys.Res.Commun.120:885−890
ゴエデルト M.(Goedert M.)(1996)アルツハイマー病のタウタンパク質および神経原線維の病理学的変化(Tau protein and the neurofibrillary pathology of Alzheimer’s disease.)Ann.N Y Acad.Sci.777:121−131
グラビナ S.A.(Gravina S.A.)、ホウ L.(Ho L.)、エックマン C.B.(Eckman C.B.)、ロング K.E.(Long K.E.)、オチボス L.Jr.(Otvos L. Jr.)、ヤンキン L.H.(Younkin L.H.)、スズキ N.(Suzuki N.)、ヤンキン S.G.(Younkin S.G.)(1995)アルツハイマー病脳におけるアミロイドβタンパク質(Aβ)。Aβ40またはAβ42(43)で終止する形態に特異的な抗体による生化学的および免疫細胞化学的分析(Amyloid beta protein (A beta) in Alzheimer’s disease brain. Biochemical and immunocytochemical analysis with antibodies specific for forms ending at A beta 40 or A beta 42(43).)J.Biol.Chem.270:7013−7016
ハース C.(Haass C.)、シュロスメイチャー M.G.(Schlossmacher M.G.)、フング A.Y.(Hung A.Y.)、ビゴー−ペルフレイ C.(Vigo−Pelfrey C.)、メロン A.(Mellon A.)、オスタスゼウスキー B.L.(Ostaszewski B.L.)、リーバーバルク I.(Lieberburg I.)、コー E.H.(Koo E.H.)、シェンク D.(Schenk D.)、テプロー D.B.(Teplow D.B.)、セルコエ D.J.(Selkoe D.J.)(1992)アミロイドβペプチドは、正常な代謝中の培養細胞によって産生される(Amyloid beta−peptide is produced by cultured cells during normal metabolism.)ネイチャー(Nature)359:322−325
ハリガヤ Y.(Harigaya Y.)、サイド T.C.(Saido T.C.)、エックマン C.B.(Eckman C.B.)、プラダ C.−M.(Prada C.−M.)、ショージ M.(Shoji M.)、ヤンキン S.G.(Younkin S.G.)(2000)3位のピログルタミン酸から開始するアミロイドβタンパク質は、アルツハイマー病脳のアミロイド沈着の主要成分である(Amyloid β Protein Starting Pyroglutamate at Position 3 Is a Major Component of the Amyloid Deposits in the Alzheimer’s Disease Brain.)Biochemical and Biophysical Research Communications276:422−427
ハリントン C.R.(Harrington C.R.)、クイン G.B.(Quinn G.B.)、ハート J.(Hurt J.)、デイ I.N.(Day I.N.)、ウェスキク C.M.(Wischik C.M.)(1993)β/A4タンパク質のC末端に対応する合成ペプチドに対して生じるモノクローナル抗体によって認識されるヒトエノラーゼのニューロン特異的アイソフォームに特異的なエピトープの特徴付け(Characterisation of an epitope specific to the neuron−specific isoform of human enolase recognised by a monoclonal antibody raised against a synthetic peptide corresponding to the C−terminus of beta/A4−protein.)Biochim.Biophys.Acta1158:120−128
ハリントン C.R.(Harrington C.R.)、ペリー R.H.(Perry R.H.)、ペリー E.K.(Perry E.K.)、ハート J.(Hurt J.)、マックキース I.G.(McKeith I.G.)、ロス M.(Roth M.)、ウェスキク C.M.(Wischik C.M.)(1994)レビー小体型およびアルツハイマー型の老人性認知症は、対合した螺旋状フィラメントおよび過剰リン酸化タウタンパク質の点で生化学的に異なる(Senile dementia of Lewy body type and Alzheimer type are biochemically distinct in terms of paired helical filaments and hyperphosphorylated tau protein.)Dementia5:215−228.
ハルスタート F.(Hulstaert F.)、ブレンナウ K.(Blennow K.)、イバノイウ A.(Ivanoiu A.)、スクーンデルバルト H.C.(Schoonderwaldt H.C.)、リーメンシュナイダー M.(Riemenschneider M.)、デ・デイン P.P.(De Deyn P.P.)、バンカー C.(Bancher C.)、クラス P.(Cras P.)、ウィルトファング J.(Wiltfang J.)、メタ P.D.(Mehta P.D.)、イクバール K.(Iqbal K.)、ポッテル H.(Pottel H.)、バンメヒレン E.(Vanmechelen E.)、ファンデルスティケル H.(Vanderstichele H.)(1999)CSFにおけるβ−アミロイド(1−42)およびタウを使用するAD患者の改善された識別:多施設研究(Improved discrimination of AD patients using β−amyloid(1−42) and tau in CSF:a multicenter study.)Neurology52:1555−1562
イダ N.(Ida N.)、ハートマン T.(Hartmann T.)、パンテル J.(Pantel J.)、シュレーダー J.(Schroeder J.)、ゼルファス R.(Zerfass R.)、フォースト H.(Foerst H.)、サンドブリンク R.(Sandbrink R.)、マスターズ C.L.(Masters C.L.)、ベイロイサー K.(Beyreuther K.)(1996)新たに開発された高感度ウエスタンブロットアッセイによるヒト脳脊髄液および血液中異種βA4ペプチドの分析(Analysis of heterogeneous βA4 peptides in human cerebrospinal fluid and blood by a newly developed sensitive Western blot assay.)J.Biol.Chem.271:22908−22914
イケダ S.(Ikeda S.)、ワング C.W.(Wong C.W.)、アルソプ D.(Allsop D.)、ランドン M.(Landon M.)、キッド M.(Kidd M.)、グレナー G.G.(Glenner G.G.)(1987)抗βタンパク質モノクローナル抗体によるアルツハイマー病における脳血管および老人斑アミロイド線維の免疫金標識化(Immunogold labeling of cerebrovascular and neuritic plaque amyloid fibrils in Alzheimer’s disease with an anti−beta protein monoclonal antibody.)Lab.Invest.57:446−449
イワツボ T.(Iwatsubo T.)、オダカ A.(Odaka A.)、スズキ N.(Suzuki N.)、ミズサワ H.(Mizusawa H.)、ヌキナ N.(Nukina N.)、イハラ Y.(Ihara Y.)(1994)末端特異的Aβモノクローナル抗体による老人斑におけるAβ42(43)およびAβ40の可視化:初期に沈着した種はAβ42(43)である証拠(Visualization of A beta 42(43) and A beta 40 in senile plaques with end−specific A beta monoclonals:evidence that an initially deposited species is A beta 42(43).)Neuron13:45−53
イワツボ T.(Iwatsubo T.)、サイド T.C.(Saido T.C.)、マン D.M.A.(Mann D.M.A.)、リー V.M.−Y.(Lee V.M.−Y.)、トロジャノウスキー J.Q.(Trojanowski J.Q.)(1996)びまん性斑における全長アミロイドβ(1−42(43))ならびにアミノ末端修飾および短縮型アミロイドβ42(43)沈着(Full−length amyloid−β(1−42(43)) and amino terminally modified and truncated amyloid−β42(43) deposit in diffuse plaques.) Am.J.Pathol.149:1823−1830
ジェンセン M.(Jensen M.)、ハートマン T.(Hartmann T.)、エングバル B.(Engvall B.)、ワング R.(Wang R.)、ウルジョン S.N.(Uljon S.N.)、センビク K.(Sennvik K.)、ナスランド J.(Naslund J.)、ムーエルハウザー F.(Muehlhauser F.)、ノルトステット C.(Nordstedt C.)、ベイロイサー K.(Beyreuther K.)、ランフェルト L.(Lannfelt L.)(2000)新規ELISAシステムによる残基40および42で終止するアルツハイマーアミロイドβペプチドの定量化(Quantification of Alzheimer amyloid beta peptides ending at residues 40 and 42 by novel ELISA systems.)Mol.Med.6:291−302
カルバック W.(Kalback W.)、ワトソン M.D.(Watson M.D.)、コクジョン T.A.(Kokjohn, T.A.)、クオ Y.−M.(Kuo Y.−M.)、ウェイス N.(Weiss N.)、ルエルス D.C.(Luehrs D.C.)、ロペス J.(Lopez J.)、ブルネ D.(Brune D.)、シソディア S.S.(Sisodia S.S.)、スタウゲンビール M.(Staugenbiel M.)、エマーリング M.(Emmerling M.)、ロヘル A.E.(Roher A.E.)(2002)APPトランスジェニックマウスTg2576は、アルツハイマー病老人班に沈着した化学修飾されたかつ不溶性ペプチドとは異なるAβペプチドを蓄積する(APP transgenic mice Tg2576 accumulate Abeta peptides that are distinct from the chemically modified and insoluble peptides deposited in Alzheimer’s disease senile plaques.)Biochemistry 41:922−928
【0107】
カナイ M.(Kanai M.)、マツバラ E.(Matsubara E.)、イソエ K.(Isoe K.)、ウラカミ K.(Urakami K.)、ナカシマ K.(Nakashima K.)、アライ H.(Arai H.)、ササキ H.(Sasaki H.)、アベ K.(Abe K.)、イワツボ T.(Iwatsubo T.)、コサカ T.(Kosaka T.)、ワタナベ M.(Watanabe M.)、トミドコロ Y.(Tomidokoro Y.)、シズカ M.(Shizuka M.)、ミズシマ K.(Mizushima K.)、ナマムラ T.(Nakamura T.)、イゲタ Y.(Igeta Y.)、イケダ Y.(Ikeda Y.)、アマリ M.(Amari M.)、カワラバヤシ T.(Kawarabayashi T.)、イシグロ K.(Ishiguro K.)、ハリガヤ Y.(Harigaya Y.)、ワカバヤシ K.(Wakabayashi K.)、オカモト K.(Okamoto K.)、ヒライ S.(Hirai S.)、ショージ M.(Shoji M.)(1998)アルツハイマー病におけるタウ、Aβ1〜40、およびAβ1〜42(43)の脳脊髄液レベルの縦断的研究:日本における研究(Longitudinal study of cerebrospinal fluid levels of tau,A beta1−40,and A beta1−42(43) in Alzheimer’s disease:a study in Japan.)Ann.Neurol.44:17−26
カワラバヤシ T.(Kawarabayashi T.)、ヤンキン L.H.(Younkin L.H.)、サイド T.C.(Saido T.C.)、ショージ M.(Shoji M.)、アシェ K.H.(Ashe K.H.)、ヤンキン S.G.(Younkin S.G.)(2001)アルツハイマー病のTg2576トランスジェニックマウスモデルの脳内加齢依存性変化、CSF、および血症中アミロイドβタンパク質(Age−dependent changes in brain, CSF, and plasma amyloid (beta) protein in the Tg2576 transgenic mouse model of Alzheimer’s disease.)J.Neurosci.21:372−381.
キダ E.(Kida E.)、ウィスニースキー K.E.(Wisniewski K.E.)、ウィスニースキー H.M.(Wisniewski H.M.)(1995)早期アミロイドβ沈着はアルツハイマー病ならびにダウン症候群脳におけるβペプチドのアミノおよびカルボキシ末端領域に対して異なる免疫活性を示す(Early amyloid−beta deposits show different immunoreactivity to the amino− and carboxy−terminal regions of beta−peptide in Alzheimer’s disease and Down’s syndrome brain.)Neurosci.Lett.193:105−108
キム K.S.(Kim K.S.)、ミラー D.L.(Miller D.L.)、セイピエンザ V.J.(Sapienza V.J.)、チェン C.−M. J.(Chen C.−M. J.)、バイ C.(Bai C.)、グランドケ−イクバール I.(Grundke−Iqbal I.)、カリ J.R.(Currie J.R.)、ウィスニースキー H.M.(Wisniewski H.M.)(1988)合成脳血管アミロイドペプチドに対して反応性のモノクローナル抗体の産生および特徴付け(Production and characterization of monoclonal antibodies reactive to synthetic cerebrovascular amyloid peptide.)Neuroscience Research Communications、ジョン・ワイリー&サンズ,Ltd.(John Wiley&Sons,Ltd.)より出版、第2巻、3号、121〜130頁
キム K.S.(Kim K.S.)、ワン G.Y.(Wen G.Y.)、バンカー C.(Bancher C.)、チェン C.M.J.(Chen C.M.J.)、セイピエンザ V.J.(Sapienza V.J.)、ホン H.(Hong H.)、ウィスニースキー H.M.(Wisniewski H.M.)(1990)2種のモノクローナル抗体によるアミロイドβペプチドの検出および定量化(Detection and quantitation of amyloid b−peptide with 2 monoclonal antibodies.):Neuroscience Research Communications、ジョン・ワイリー&サンズ,Ltd.(John Wiley&Sons,Ltd.)より出版、第7巻、2号、113〜122頁
ナップマン D.(Knopman D.)、リットチエ K.(Ritchie K.)、ポールゲ C.(Polge C.)、アラフゾフ I.(Alafuzoff I.)、ソイニネン H.(Soininen H.)(2002)アルツハイマー病(Alzheimer’s disease):キジルバシュ N.(Qizilbash N.)(編)Evidence−based Dementia Practice.オックスフォード(Oxford):ブラックウェル・サイエンス(Blackwell Science)、228〜259頁
ケーラー G.(Kohler G.)、ミルスタイン C.(Milstein C.)(1975)予め規定された特異性の抗体を分泌する融合細胞の連続培養(Continuous cultures of fused cells secreting antibody of predefined specificity.)ネイチャー(Nature)256:495−497
ケーニヒ G.(Konig G.)、グレアム P.(Graham P.)、ブッシュネル A.(Bushnell A.)、ウェブスター S.(Webster S.)、ヴンダーリヒ D.(Wunderlich D.)、パールムッター L.S.(Perlmutter L.S.)(1996)βA4ペプチドのカルボキシル末端に特異的なモノクローナル抗体369.2B開発および特徴付け(Development and characterization of a monoclonal antibody 369.2B specific for the carboxyl−terminus of the beta A4 peptide.)Ann.NY Acad.Sci.777:344−355
コズボール D.(Kozbor D.)、デキスター D.(Dexter D.)、ローダー J.C.(Roder J.C.)(1983)ヒトハイブリドーマの構築のための利用可能な融合パートナーの表現型特長の比較分析(A comparative analysis of the phenotypic characteristics of available fusion partners for the construction of human hybridomas.)Hybridoma2:7−16
ラングストン J.W.(Langston J.W.)、ウィンダー H.(Widner H.)、ゴーツ C.G.(Goetz C.G.)、ブルックス D.(Brooks D.)、ファン S.(Fahn S.)、フリーマン T.(Freeman T.)、ワッツ R.(Watts R.)(1992)脳内移植のためのコア評価プログラム(Core assessment program for intracerebral transplantations(CAPIT).)Mov.Disord.7:2−13
ラーナー A.J.(Larner A.J.)(1999)仮説:N末端で短縮されたアミロイドβペプチドはアルツハイマー病の病因に寄与する(Hypothesis:amyloid β−peptides truncated at the N−terminus contribute to the pathogenesis of Alzheimer’s disease.)Neurobiol.Aging20:65−69
レウズク P.(Lewczuk P.)、エッセルマン H.(Esselmann H.)、メイヤー M.(Meyer M.)、ウォルシード V.(Wollscheid V.)、ノイマン M.(Neumann M.)、オット M.(Otto M.)、マーラー J.M.(Maler J.M.)、ルーサー E.(Ruther E.)、コーンフーバー J.(Kornhuber J.)、ウィルトファング J.(Wiltfang J.)(2003)アルツハイマー病における脳脊髄液のアミロイドβ(Aβ)ペプチドパターン:新規カルボキシ末端伸張Aβペプチドの証拠(The amyloid−beta (Abeta) peptide pattern in cerebrospinal fluid in Alzheimer’s disease: evidence of a novel carboxyterminally elongated Abeta peptide.)Rapid.Commun.Mass.Spectrom.17:1291−1296
レウズク P.(Lewczuk P.)、エッセルマン H.(Esselmann H.)、グロエマー T.W.(Groemer T.W.)、ビブル M.(Bibl M.)、メイラー J.M.(Maler J.M.)、スタイナッカー P.(Steinacker P.)、オット M.(Otto M.)、コーンフーバー J.(Kornhuber J.)、ウィルトファング J.(Wiltfang J.)(2004)表面活性化レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析によりプロファイル作成した脳脊髄液中アミロイドβペプチド:アルツハイマー病における新規バイオマーカーの証拠(Amyloid beta peptides in cerebrospinal fluid as profiled with surface enhanced laser desorption/ionization time−of−flight mass spectrometry:evidence of novel biomarkers in Alzheimer’s disease.)Biol.Psychiatry55:524−530
リーズ D.(Leys D.)、イングランド E.(Englund E.)、エルキンジュンティ T.(Erkinjuntii T.)(2002)血管性認知症(Vascular dementia.):キジルバシュ N.(Qizilbash N.)(編)Evidence−based Dementia Practice.オックスフォード(Oxford):ブラックウェル・サイエンス(Blackwell Science)、260〜287頁
レーベ J.(Lowe J.)(2001)認知症を生じる神経変性疾患の病理診断(The pathological diagnosis of neurodegenerative diseases causing dementia.)Curr.Top.Pathol.95:149−177.
マジョカ R.E.(Majocha R.E.)、リノ J.M.(Reno J.M.)、フリートラント R.P.(Friedland R.P.)、バン・ヘイト C.(VanHaight C.)、ライル L.R.(Lyle L.R.)、マロッタ C.A.(Marotta C.A.) (1992)アミロイド血管症のインビボ画像化への応用のためのアルツハイマー病脳におけるβ/A4アミロイドに特異的なモノクローナル抗体の開発(Development of a monoclonal antibody specific for beta/A4 amyloid in Alzheimer’s disease brain for application to in vivo imaging of amyloid angiopathy.)J Nucl.Med.33:2184−2189
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ナスランド J.(Naeslund J.)、シーアホルン A.(Schierhorn A.)、ヘルマン U.(Hellman U.)、ランフェルト L.(Lannfelt L.)、ローゼズ A.D.(Roses A.D.)、チュレンベルグ O.(Tjernberg L.O.)、シルベリング J.(Silberring J.)、ガンディ S.E.(Gandy S.E.)、ウィンブラッド B.(Winblad B.)、グリーンガード P.(Greengard P.)、ノルトステット C.(Nordstedt C.)、テレニウス L.(Terenius L.)(1994)アルツハイマー病および正常な加齢におけるアルツハイマーAβアミロイドペプチド変異体の相対量(Relative abundance of Alzheimer Aβ amyloid peptide variants in Alzheimer disease and normal aging.)Proc.Natl.Acad.Sci.USA91:8378−8382
オカムラ N.(Okamura N.)、アライ H.(Arai H.)、マルヤマ M.(Maruyama M.)、ヒグチ M.(Higuchi M.)、マツイ T.(Matsui T.)、タンジ H.(Tanji H.)、セキ T.(Seki T.)、ヒライ S.(Hirai S.)、チバ H.(Chiba H.)、イトウ M.(Itoh M.)、ササキ H.(Sasaki H.)(2002)軽度認知障害におけるCSFタウレベルおよび[123I]ヨードアンフェタミンSPECTの組み合わされた分析:アルツハイマー病の新規推定物への関連(Combined analysis of CSF tau levels and [123I]Iodamphetamine SPECT in Mild Cognitive Impairment: implications for a novel predictor of Alzheimer’s disease.)Am.J.Psychiatry159:474−476
オシマ N.(Oshima N.)、ヨリシマ−カワシマ M.(Morishima−Kawashima M.)、ヤマグチ H.(Yamaguchi H.)、ヨシムラ M.(Yoshimura M.)、スギハラ S.(Sugihara S.)、カーン K.(Khan K.)、ゲイムズ D.(Games D.)、シェンク D.(Schenk D.)、イハラ Y.(Ihara Y.)(2001)低密度膜ドメインにおけるアミロイドβタンパク質の蓄積は、脳におけるβアミロイド沈着の程度に的確に反映する(Accumulation of amyloid beta−protein in the low−density membrane domain accurately reflects the extent of beta−amyloid deposition in the brain.)Am.J.Pathol.158:2209−2218
パーマー K.(Palmer K.)、フラティグリオニ L.(Fratiglioni L.)、ウィンブラッド B.(Winblad B.)(2003)軽度認知障害とは何か?認知障害を伴う非認知症者の規定および評価のばらつき(What is mild cognitive impairment?Variations in definitions and evolution of nondemented persons with cognitive impairment.)Acta Neurol.Scand.107(補遺179):14−20
パルネティ L.(Parnetti L.)、ラナーリ A.(Lanari A.)、アミーチ S.(Amici S.)、ガッライ V.(Gallai V.)、バンメヒレン E.(Vanmechelen E.)、ハルスタート F.(Hulstaert F.)(2001)CSFリン酸化タウはアルツハイマー病とレビー小体型認知症とを識別するための可能なマーカーである。リン酸化タウ国際研究グループ(CSF phosphorylated tau is a possible marker for discriminating Alzheimer’s disease from dementia with Lewy bodies. Phospho−Tau International Study Group.)Neurol.Sci.22:77−78
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ピーターセン R.C.(Petersen R.C.)、スティーブンズ J.C.(Stevens J.C.)、ガングリ M.(Ganguli M.)、タンガロス E.G.(Tangalos E.G.)、カミングス J.L.(Cummings J.L.)、デコスキー S.T.(DeKosky S.T.)(2001)実践パラメータ:軽度認知障害(証拠に基づくレビュー)。米国神経学会の品質基準分科会の報告(Practice parameter:Early detection of dementia:Mild cognitive impairment (an evidence−based review).Report of the Quality Standards Subcommittee of the American Academy of Neurology.)Neurology56:1133−1142
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リーメンシュナイダー M.(Riemenschneider M.)、ロイテンシュラガー N.(Lautenschlager N.)、ウァゲンプフェイル S.(Wagenpfeil S.)、ディール J.(Diehl J.)、ドレゼズガ A.(Drzezga A.)、クルツ A.(Kurz A.)(2002)脳脊髄液タウおよびβ−アミロイド42タンパク質は軽度認知障害を伴う被験体のアルツハイマー病を同定する(Cerebrospinal fluid tau and β−amyloid 42 proteins identify Alzheimer disease in subjects with Mild Cognitive Impairment)Arch.Neurol.59:1729−1734
ローヘル A.E.(Roher A.E.)、レーヴェンサン J.D.(Lowenson J.D.)、クラーク S.(Clarke S.)、ウッズ A.S.(Woods A.S.)、コッター R.J.(Cotter R.J.)、ガウイング E.(Gowing E.)、ボール M.(Ball M.)(1993)βアミロイド(1−42)は脳血管アミロイド沈着の主要成分である:アルツハイマー病の病院との関連(β−amyloid−(1−42) is a major component of cerebrovascular amyloid deposits: Implications for the pathology of Alzheimer’s disease.)Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:10836−10840
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サイド T.C.(Saido T.C.)、イワツボ T.(Iwatsubo T.)、マン DM.A.(Mann DM.A.)、シマダ H.(Shimada H.)、イハラ Y.(Ihara Y.)、カワシマ S.(Kawashima S.)(1995)老人斑における異なるβアミロイドペプチド種、AβN3(pE)の優性および特異沈着(Dominant and differential deposition of distinct beta−amyloid peptide species,A beta N3(pE),in senile plaques.)Neuron14:457−466
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サージャント N.(Sergeant N.)、ボムボイス S.(Bombois S.)、ゲステム A.(Ghestem A.)、ドロベク H.(Drobeck H.)、コスタジェベキ V.(Kostanjevecki V.)、ミシアン C.(Missiaen C.)、ワッテス A.(Wattez A.)、デイビッド J.−P.(David J.−P.)、バンメケレン E.(Vanmechelen E.)、サーゲラート C.(Sergheraert C.)、デラコート A.(Delacourte A.)(2003)ワクチン化アプローチのための新規標的としての前臨床アルツハイマー病における短縮型β種(Truncated Abeta species in preclinical Alzheimer’s disease as new targets for the vaccination approach.)J.Neurochem.受理(accepted)
ソイベルト P.(Seubert P.)、ビゴ−ペルフレイ C.(Vigo−Pelfrey C.)、エシュ F.(Esch F.)、リー M.(Lee M.)、ドベイ H.(Dovey H.)、デイビス D.(Davis D.)、シンハ S.(Sinha S.)、シュラスマキサ M.(Schlossmacher M.)、ホエーレイ J.(Whaley J.)、スウィンドルハースト C.(Swindlehurst C.)ら(1992)生物学的液体由来の可溶性アルツハイマー病βペプチドの単離および定量(Isolation and quantification of soluble Alzheimer’s beta−peptide from biological fluids.)ネイチャー(Nature)359:325−327
ショージ M.(Shoji M.)、ゴールデT.E.(Golde T.E.)、ギソ J.(Ghiso J.)、チェウング T.T.(Cheung T.T.)、エスチュス S.(Estus S.)、シェファー L.M.(Shaffer L.M.)、カイ X.−D.(Cai X.−D.)、マッケイ D.M.(McKay D.M.)、ティンター R.(Tintner R.)、フランギオン B.(Frangione B.)、ヤンキン S.G.(Younkin S.G.)(1992)正常なタンパク質分解プロセシングによるアルツハイマーアミロイドβタンパク質の産生(Production of the Alzheimer amyloid β protein by normal proteolytic processing.)サイエンス(Science)258:126−129
スクーグ I.(Skoog I.)、デビッドソン P.(Davidsson P.)、アエバルソン O.(Aevarsson O.)、ファンデルスティケル H.(Vanderstichele H.)、バンメヒレン E.(Vanmechelen E.))、ブレンナウ K.(Blennow K.)(2003)脳脊髄液βアミロイド42は散発性認知症の発症前に減少する:85歳住民を対象とした研究(Cerebrospinal Fluid Beta−Amyloid 42 Is Reduced before the Onset of Sporadic Dementia:A Population−Based Study in 85−Year−Olds.)Dement Geriatr Cogn Disord.15:169−176
スピレインチニ M.G.(Spillantini M.G.)、ゴエデルト M.(Goedert M.)、ジェークス R.(Jakes R.)、クルーグ A.(Klug A.)(1990)アルツハイマー病におけるプラークおよびタングルに関連するβアミロイドの異なる形状状態およびそれらの分布(Different configurational states of beta−amyloid and their distributions relative to plaques and tangles in Alzheimer disease.)Proc.Natl.Acad.Sci.USA87:3947−3951
スパイネル S.(Spinelli S.)、フレンケン L.G.(Frenken L.G.)、ハーマンス P.(Hermans P.)、ベリップス T.(Verrips T.)、ブラウン K.(Brown K.)、テゴニ M.(Tegoni M.)、キャンビラウ C.(Cambillau C.)(2000)ラクダ重鎖可変ドメインは、ハプテンに対する効率的な結合部位を提供する(Camelid heavy−chain variable domains provide efficient combining sites to haptens.)Biochemistry.39:1217−1222
スラメク J.J.(Sramek J.J.)、カルター N.R.(Cutler N.R.)(2000)アルツハイマー病の実施中の治験(Ongoing trials in Alzheimer’s disease.)Expert Opin.Investig.Drugs9:899−915.
サンダーランド T.(Sunderland T.)、ヲウラジン B.(Wolozin B.)、ガラスコ D.(Galasko D.)、リーヴィ J.(Levy J.)、デューコフ R.(Dukoff R.)、バーロ M.(Bahro M.)、ラッサー R.(Lasser R.)、マター R.(Motter R.)、レーチマキ T.(Lehtimaki T.)、ソイベルト P.(Seubert P.)(1999)アルツハイマー患者におけるCSFタウレベルの縦断的安定性。(Longitudinal stability of CSF tau levels in Alzheimer patients.)Biol.Psychiatry46:750−755
サンダーランド T.(Sunderland T.)、リンカー G.(Linker G.)、ミルザ N.(Mirza N.)、パトナム K.T.(Putnam K.T.)、フリードマン D.L.(Friedman D.L.)、キンメル L.H.(Kimmel L.H.)、ベルジェーソン J.(Bergeson J.)、マネッティ G.J.(Manetti G.J.)、ツィンマーマン M.(Zimmermann M.)、タン B.(Tang B.)、バルトコ J.J.(Bartko J.J.)、コーエン R.M.(Cohen R.M.)(2003)アルツハイマー病患者の脳脊髄液における減少したβアミロイド1−42および増加したタウレベル。(Decreased β−amyloid1−42 and increased tau levels in cerebrospinal fluid of patients with Alzheimer disease.)JAMA289:2094−2103.
スズキ N.(Suzuki N.)、チェウング T.T.(Cheung T.T.)、カイ X.D(Cai X.D).、オダカ A.(Odaka A.)、オチボス L.Jr.(Otvos L. Jr.)、エックマン C.(Eckman C.)、ゴールデT.E.(Golde T.E.)、ヤンキン S.G.(Younkin S.G.)(1994)家族性アミロイドβタンパク質前駆体(βAPP717)変異によって分泌される長鎖アミロイドβタンパク質の百分率の増加(An increased percentage of long amyloid beta protein secreted by familial amyloid beta protein precursor (beta APP717) mutants.)サイエンス(Science).264:1336−1340
センドレイ G.I.(Szendrei G.I.)、プラーマー K.V.(Prammer K.V.)、ベイスコ M.(Vasko M.)、リー V.M.(Lee V.M.)、オチボス L.Jr.(Otvos L. Jr.)(1996)N末端デカペプチドフラグメントをモデルとしたアミロイドβペプチドのインビトロ特性に対するアスパラギン酸結合異性化の影響(The effects of aspartic acid−bond isomerization on in vitro properties of the amyloid beta−peptide as modeled with N−terminal decapeptide fragments.)Int.J.Pept.Protein Res.47:289−296
タバトン M.(Tabaton M.)、ヌーンジ M.G.(Nunzi M.G.)、シュウ R.(Xue R.)、ウシアキ M.(Usiak M.)、オーチリオ−ガンベッチ L.(Autilio−Gambetti L.)、ガンベッチ P.(Gambetti P.)(1994)可溶性アミロイドβタンパク質は、脳には存在するが脳脊髄液には存在しないアルツハイマーアミロイドのマーカーである(Soluble amyloid beta−protein is a marker of Alzheimer amyloid in brain but not in cerebrospinal fluid.)Biochem.Biophys.Res.Commun.200:1598−1603
タマオカ A.(Tamaoka A.)、サワムラ N.(Sawamura N.)、フクシマ T.(Fukushima T.)、ショージ S.(Shoji S.)、マツバラ E.(Matsubara E.)、ショージ M.(Shoji M.)、ヒライ S.(Hirai S.)、フリヤ Y.(Furiya Y.)、エンドウ R.(Endoh R.)、モリ H.(Mori H.)(1997)アルツハイマー病患者の脳脊髄液におけるアミロイドβタンパク質42(43)(Amyloidβ protein42(43) in cerebrospinal fluid of patients with Alzheimer’s disease.)J Neurol.Sci.148:41−45
タンジ R.E.(Tanzi R.E.)、マクラッチェー A.I.(McClatchey A.I.)、ランパチ E.D.(Lamperti E.D.)、ヴィヤ−コマロフ L.(Villa−Komaroff L.)、グセラ J.F.(Gusella J.F.)、ネーベ R.L.(Neve R.L.)(1988)アルツハイマー病に関連するアミロイドタンパク質前駆体mRNAによってコードされるプロテアーゼ阻害剤ドメイン(Protease inhibitor domain encoded by an amyloid protein precursor mRNA associated with Alzheimer’s disease.)ネイチャー(Nature)331:528−530
タピオラ T.(Tapiola T.)、オーバーマイヤー M.(Overmyer M.)、レトビルタ M.(Lehtovirta M.)、ヘイサルミ S.(Helisalmi S.)、ランベルグ J.(Ramberg J.)、アラフゾフ I.(Alafuzoff I.)、リエキネン P.Sr.(Riekkinen P. Sr.)、ソイニネン H.(Soininen H.)(1997) 脳脊髄液タウのレベルは、アルツハイマー病における神経原線維変化に相関する(The level of cerebrospinal fluid tau correlates with neurofibrillary tangles in Alzheimer’s disease.)Neuroreport.8:3961−3963
テキリアン T.L.(Tekirian T.L.)、サイド T.C.(Saido T.C.)、マルケスベリー W.R.(Markesbery W.R.)、ラッセル M.J.(Russell M.J.)、ウェクステイン D.R.(Wekstein D.R.)、パテイル E.(Patel E.)、ゲッディーズ J.W.(Geddes J.W.)(1998)実質および脳血管Aβ沈着のN末端多様性(N−terminal heterogeneity of parenchymal and cerebrovascular Aβ deposits.)J.Neurpathol.Exp.Neurol.57:76−94
サール D.R.(Thal D.R.)、サッシン I.(Sassin I.)、シュルツ C.(Schultz C.)、ハース C.(Haass C.)、ブラーク E.(Braak E.)、ブラーク H.(Braak H.)(1999)ヒト内嗅皮質の内層における微細な線維状アミロイド沈着は、AβのN末端短縮型フラグメントからなる(Fleecy amyloid deposits in the internal layers of the hupman enthorhinal cortex are comprised of N−terminal truncated fragments of Aβ.)J.Neuropathol.Exp.Neurol.58:210−216
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国立加齢研究所ワーキング・グループのアルツハイマー病協会ロナルド・ナンシー・レーガン研究所(The Ronald and Nancy Reagan Research Institute of the Alzheimer’s Association of the National Institute on Aging Working Group.)(1998)アルツハイマー病の分子および生化学的マーカーに関する ワーキング・グループのコンセンサスレポート(Consensus Report of the Working Group on Molecular and Biochemical Markers of Alzheimer’s Disease.)Neurobiol.Aging19:109−116
ファンデルスティケル H.(Vanderstichele H.)、ヴァン・ケルシャベル E.(Van Kerschaver E.)、ヘッセ C.(Hesse C.)、デビッドソン P.(Davidsson P.)、ボイセ M.A.(Buyse M.A.)、アンドレアセン N.(Andreasen N.)、ミントン L.(Minthon L.)、ウォリン A.(Wallin A.)、ブレンナウ K.(Blennow K.)、バンメヒレン E.(Vanmechelen E)(2000)脳脊髄液および血漿におけるβアミロイド(1−42)の測定の標準化(Standardization of measurement of beta−amyloid(1−42) in cerebrospinal fluid and plasma.)Amyloid7:245−58
バンメヒレン E.(Vanmechelen E.)、ヴァン・ケルシャベル E.(Van Kerschaver E.)、ブレンナウ K.(Blennow K.)、デ・デイン P.P.(De Deyn P.P.)、ガラスコ D.(Galasko D.)、パルネティ L.(Parnetti L.)、シンディク C.J.M.(Sindic C.J. M.)、アライ H.(Arai H.)、リーメンシュナイダー M.(Riemenschneider M.)、ハンペル H.(Hampel H.)、ポッテル H.(Pottel H.)、バルガエレン A.(Valgaeren A.)、ハルスタート F.(Hulstaert F.)、ファンデルスティケル H.(Vanderstichele H.)(2001)アルツハイマー病とレビー小体型認知症とを識別するための有望なマーカーとしてのCSFリン酸化タウ(181P)(CSF−phospho−tau (181P) as a promising marker for discriminating Alzheimer’s disease from dementia with Lewy bodies.):イクバール K.(Iqbal K.)、シソーディヤー SS(Sisodia SS)、ウィンブラッド B.(Winblad B.)Alzheimer’s disease:Advances in etiology, pathogenesis and therapeutics.チェチェスター(Chichester):ジョン・ワイリー&サンズ(John Wiley&Sons)285〜291頁
ビゴー−ペルフレイ C.(Vigo−Pelfrey C.)、リー D.(Lee D.)、カイム P.(Keim P.)、リーバーバーグ I.(Lieberburg I.)、シェンク D.B.(Schenk D.B.)(1993)ヒト脳脊髄液由来のβアミロイドペプチドの特徴付け(Characterization of β−amyloid peptide from human cerebrospinal fluid.)J.Neurochem.61:1965−1968
ビゴー−ペルフレイ C.(Vigo−Pelfrey C.)、ソイベルト P.(Seubert P.)、バーバー R.(Barbour R.)、ブロムクイスト C.(Blomquist C.)、リー M.(Lee M.)、リー D.(Lee D.)、コリア F.(Coria F.)、チャン L.(Chang L.)、ミラー B.(Miller B.)、リーバーバーグ I.(Lieberburg I.)ら(1995)アルツハイマー病患者の脳脊髄液における微小管関連タンパク質タウの評価(Elevation of microtubule−associated protein tau in the cerebrospinal fluid of patients with Alzheimer’s disease.)Neurology45:788−793
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【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】Aβのアミノ酸配列を含んでなるアミロイド前駆体タンパク質(APP)の部分アミノ酸配列を表す。APPにおけるα、βおよびγ切断部位を示す。本発明の方法および診断キットにおいて使用されるいくつかのモノクローナル抗体のエピトープをさらに示す。
【図2】モノクローナル抗体3D6に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルx(pgペプチド等価物/ml)を表す。レベルは、以下の患者群:中等度AD(modAD)、重度AD(sevAD)、軽度AD(mildAD)、ADに進行した記憶愁訴患者(Cog−AD)、ADにまで発達しなかった記憶愁訴患者(Cog)、レビー小体型認知症(DLB)を患っている患者、パーキンソン病(PD)を患っている患者、およびコントロール被験体(C)から得られるCSFサンプルにおいて測定される。
【図3】モノクローナル抗体6E10に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルy(pgペプチド等価物/ml)を表す。レベルは、以下の患者群:中等度AD(modAD)、重度AD(sevAD)、軽度AD(mildAD)、ADに進行した記憶愁訴患者(Cog−AD)、ADにまで発達しなかった記憶愁訴患者(Cog)、レビー小体型認知症(DLB)を患っている患者、パーキンソン病(PD)を患っている患者、およびコントロール被験体(C)から得られるCSFサンプルにおいて測定される。
【図4】モノクローナル抗体4G8に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルy(pgペプチド等価物/ml)を表す。レベルは、以下の患者群:中等度AD(modAD)、重度AD(sevAD)、軽度AD(mildAD)、ADに進行した記憶愁訴患者(Cog−AD)、ADにまで発達しなかった記憶愁訴患者(Cog)、レビー小体型認知症(DLB)を患っている患者、パーキンソン病(PD)を患っている患者およびコントロール被験体(C)から得られるCSFサンプルにおいて測定される。
【図5】比x/y[式中、xはモノクローナル抗体3D6に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルであり、式中、yはモノクローナル抗体6E10に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルである]を表す。比x/yは、以下の患者群:中等度AD(modAD)、重度AD(sevAD)、軽度AD(mildAD)、ADに進行した記憶愁訴患者(Cog−AD)、ADにまで発達しなかった記憶愁訴患者(Cog)、レビー小体型認知症(DLB)を患っている患者、パーキンソン病(PD)を患っている患者、およびコントロール被験体(C)から得られるCSFサンプルにおいて決定される。
【図6】比x/y[式中、xはモノクローナル抗体3D6に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルであり、式中、yはモノクローナル抗体4G8に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルである]を表す。比x/yは、以下の患者群:中等度AD(modAD)、重度AD(sevAD)、軽度AD(mildAD)、ADに進行した記憶愁訴患者(Cog−AD)、ADにまで発達しなかった記憶愁訴患者(Cog)、レビー小体型認知症(DLB)を患っている患者、パーキンソン病(PD)を患っている患者、およびコントロール被験体(C)から得られるCSFサンプルにおいて決定される。
【図7】ELISAにおける捕捉抗体としてのモノクローナル抗体21F12および検出抗体としてのモノクローナル抗体3D6との異なるAβペプチド、Aβ(1−42)、Aβ(2−42)、Aβ(3−42)、Aβ(4−42)、Aβ(5−42)、Aβ(8−42)、Aβ(9−42)の免疫結合を表す。
【図8】ELISAにおける捕捉抗体としてのモノクローナル抗体21F12および検出抗体としてのモノクローナル抗体6E10との異なるAβペプチド、Aβ(1−42)、Aβ(2−42)、Aβ(3−42)、Aβ(4−42)、Aβ(5−42)、Aβ(8−42)、Aβ(9−42)の免疫結合を表す。
【図9】ELISAにおける捕捉抗体としてのモノクローナル抗体21F12および検出抗体としてのモノクローナル抗体4G8との異なるAβペプチド、Aβ(1−42)、Aβ(2−42)、Aβ(3−42)、Aβ(4−42)、Aβ(5−42)、Aβ(8−42)、Aβ(9−42)の免疫結合を表す。
【図10】捕捉抗体としてのモノクローナル抗体3D6、6E10および4G8ならびに検出抗体としてのモノクローナル抗体21F12とのマルチパラメータイムノアッセイにおける該AβペプチドAβ(1−42)およびAβ(2−42)の免疫結合を表す。
【図11】モノクローナル抗体3D6に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルx(ルミネックス単位)を表す。レベルは、ADを患っている被験体およびコントロール被験体から得られるCSFサンプルにおいて測定される。
【図12】モノクローナル抗体4G8に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルy(ルミネックス単位)を表す。レベルは、ADを患っている被験体およびコントロール被験体から得られるCSFサンプルにおいて測定される。
【図13】比x/y[式中、xはモノクローナル抗体3D6に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルであり、yはモノクローナル抗体4G8に結合可能な特異的Aβペプチドのレベルである]を表す。比x/yは、ADを患っている被験体およびコントロール被験体から得られるCSFサンプルにおいて決定される。
【図14】ADおよびコントロールのCSFサンプルにおける分析されたAβ(42)ペプチドのSELDI−TOFスペクトルを表す。Aβ(42)ペプチドは4D7A3上で免疫補足された。測定されたペプチドの分子量を示す。実験では、ダイナフォリン(Dynaphorin)(Mr=2147,50Da)、ヒトACTH(1−24)(2933,50)、ウシインスリンβ鎖(3495,94)、およびヒトインスリン(5807,65)によって、外部校正を実施した。このことに基づいて、4514,1Daの理論的質量により、Aβ(42)ペプチドピークについての質量精度を算出した。SELDI−TOFによって測定されたm/z値は、4512,069Da(STDEV1,193456、%CV0,02645)であり、450ppmのこの実験についての精度が得られた。
【図15】ヒトCSFサンプルにおける分析された酸化型Aβ(42)ペプチドのSELDI−TOFスペクトルを表す。
【図16】ADを患っている被験体およびコントロール被験体から得られるCSFサンプルにおいて測定されるAβ(1−42)ペプチドのレベル(ピーク強度)を表す。
【図17】ADを患っている被験体およびコントロール被験体から得られるCSFサンプルにおいて測定されるAβ(11−42)ペプチドのレベル(ピーク強度)を表す。
【図18】ADを患っている被験体およびコントロール被験体から得られるCSFサンプルにおいて測定されるAβ(1−42)/Aβ(11−42)ペプチドの比を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定するための方法であって、以下の工程:
(a)前記被験体から得られる体液サンプルにおいて、比x/yを決定することであって、ここで:
・xは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであり;
・yは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである;
(b)(a)において得られる比x/yと、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつ後にADを発現した被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲、およびサンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつADを発現しなかった被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲とを比較すること;
(c)工程(b)の比較から、被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定することであって、これによって、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつ後にADを発現した被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを発現する可能性を有することを示唆し;およびこれによって、サンプリング時にADの臨床徴候を示さずかつADを発現しなかった被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを発現する可能性を有さないことを示唆する、
ことを含んでなる、方法。
【請求項2】
被験体が記憶障害の個体であることをさらに特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記憶障害の個体がMCIを患っていることをさらに特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ADを患っている被験体の診断および/またはADを患っている被験体対DLBなどの別の認知症を患っている被験体の鑑別診断のための方法であって、以下の工程:
(a)前記被験体から得られる体液サンプルにおいて、比x/yを決定することであって、ここで:
・xは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであり;
・yは、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルである;
(b)(a)において得られる比x/yと、ADを患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲、コントロール被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲、およびDLBなどの別の認知症を患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定されたx/y比の範囲とを比較すること;
(c)工程(b)の比較から、被験体がADを患っているかまたはDLBなどの別の認知症を患っているかを決定することであって、これによって、ADを患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを患っていることを示唆し;これによって、コントロール被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がADを患っていないことを示唆し;およびこれによって、DLBなどの別の認知症を患っているとして診断された被験体から得られる体液サンプルの特徴として予め規定された範囲の比x/yは、前記被験体がDLBなどの別の認知症を患っていることを示唆する、
ことを含んでなる、方法。
【請求項5】
xがAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβ42ペプチドあるいはAβ43ペプチドのレベルであり、yがAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβ42ペプチドあるいはAβ43ペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
xがAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
xがモノクローナル抗体3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
yがAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
yが3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるエピトープを認識する抗体と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
yがモノクローナル抗体4G8、モノクローナル抗体6E10および/またはモノクローナル抗体10H3と免疫複合体を形成することが可能なAβペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
xがAβ(1−C)ペプチドのレベルであり、yがAβ(N−C)ペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
xがAβ(1−42)および/またはAβ(1−43)ペプチドのレベルであり、yがAβ(N−42)および/またはAβ(N−43)ペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
xがAβ(1−42)ペプチドのレベルであり、yがAβ(N−42)ペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
xがAβ(1−C)ペプチドのレベルであり、yがAβ(11−C)ペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
xがAβ(1−42)および/またはAβ(1−43)ペプチドのレベルであり、yがAβ(11−42)および/またはAβ(11−43)ペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
xがAβ(1−42)ペプチドのレベルであり、yがAβ(11−42)ペプチドのレベルであることをさらに特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
体液サンプルが脳脊髄液サンプルまたは血漿もしくは血清サンプルであることをさらに特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ADを発現する可能性を有する被験体またはADを患っているとして診断される被験体の処置フォローアップにおける使用のための請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
比x/yが、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識する第1の抗体ならびにAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する第2の抗体を免疫学的に利用して決定されることをさらに特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定することにおける使用のため、ADを患っている被験体の診断のため、ならびに/あるいはADを患っている被験体対DLBなどの別の認知症を患っている被験体の鑑別診断のために、少なくとも、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識する第1の抗体ならびにAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する第2の抗体を含んでなる抗体の組。
【請求項21】
請求項20に記載の抗体の組を含んでなる診断キット。
【請求項22】
被験体がADを発現する可能性を有するかどうかを決定するため、ADを患っている被験体の診断のため、ならびに/あるいはADを患っている被験体対DLBなどの別の認知症を患っている被験体の鑑別診断のための診断キットであって、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識する第1の抗体ならびにAβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)、第2アミノ酸(A;アラニン)、および/または第3アミノ酸(E;グルタミン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識する第2の抗体を含んでなる、キット。
【請求項23】
異なるAβペプチドのレベルの同時検出のためのマルチパラメータアッセイであることをさらに特徴とする、請求項21または22に記載の診断キット。
【請求項24】
xMapTM技術を使用することをさらに特徴とする、請求項23に記載の診断キット。
【請求項25】
第1の抗体が、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識することをさらに特徴とする、請求項19に記載の方法、請求項20に記載の抗体の組、または請求項21〜24のいずれか一項に記載の診断キット。
【請求項26】
第1の抗体がモノクローナル抗体3D6、BAN−50または抗N1(D)であることをさらに特徴とする、請求項19に記載の方法、請求項20に記載の抗体の組、または請求項21〜24のいずれか一項に記載の診断キット。
【請求項27】
第2の抗体が、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識することをさらに特徴とする、請求項19に記載の方法、請求項20に記載の抗体の組、または請求項21〜24のいずれか一項に記載の診断キット。
【請求項28】
第1の抗体が、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識し、第2の抗体が、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識することをさらに特徴とする、請求項19に記載の方法、請求項20に記載の抗体の組、または請求項21〜24のいずれか一項に記載の診断キット。
【請求項29】
第1の抗体がモノクローナル抗体3D6、BAN−50、または抗N1(D)であり、第2の抗体は、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有しないAβペプチドのエピトープを認識することをさらに特徴とする、請求項19に記載の方法、請求項20に記載の抗体の組、または請求項21〜24のいずれか一項に記載の診断キット。
【請求項30】
第2の抗体が、3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるAβペプチドのエピトープを認識することをさらに特徴とする、請求項19に記載の方法、請求項20に記載の抗体の組、または請求項21〜24のいずれか一項に記載の診断キット。
【請求項31】
第1の抗体が、Aβペプチドの第1アミノ酸(D;アスパラギン酸)を含有するAβペプチドのエピトープを特異的に認識し、第2の抗体が、3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるAβペプチドのエピトープを認識することをさらに特徴とする、請求項19に記載の方法、請求項20に記載の抗体の組、または請求項21〜24のいずれか一項に記載の診断キット。
【請求項32】
第1の抗体がモノクローナル抗体3D6、BAN−50、または抗N1(D)であり、第2の抗体が、3D6、BAN−50、および/または抗N1(D)エピトープとは異なるAβペプチドのエピトープを認識することをさらに特徴とする、請求項19に記載の方法、請求項20に記載の抗体の組、または請求項21〜24のいずれか一項に記載の診断キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2007−522434(P2007−522434A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530173(P2006−530173)
【出願日】平成16年5月3日(2004.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050684
【国際公開番号】WO2004/104597
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(399044160)イノジェネティックス・ナムローゼ・フェンノートシャップ (17)
【氏名又は名称原語表記】INNOGENETICS N.V.
【Fターム(参考)】