アルミニウム板管理システムおよびアルミニウム板管理方法
【課題】平版印刷機に装着されるアルミニウム板を最適な再使用回数で繰り返して使用することで、再使用されないことによる資源の無駄を省き、二酸化炭素の排出量を削減することができるアルミニウム板管理システムを提供する。
【解決手段】アルミニウム板管理システム10は、アルミニウム板の再使用可能回数とアルミニウム板の再使用済回数とを比較し、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、再使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする。
【解決手段】アルミニウム板管理システム10は、アルミニウム板の再使用可能回数とアルミニウム板の再使用済回数とを比較し、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、再使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理システムおよびアルミニウム板管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフセット印刷に代表される平版印刷では、印刷版の基材として厚さ0.3mmの平板状のアルミニウム板が用いられる。一般に、印刷版では、アルミニウム板の表面に感光層を形成し、感光層の上にネガフィルムあるいはポジフィルムを乗せてその上から光を当てて露光することによって印刷版とするPS版と呼ばれるものがある。また、アルミニウム板の表面に直接レーザー光を照射して印刷版とするCTP版と呼ばれるものがある。これらの印刷版は、印刷機に設置される版胴と呼ばれるドラム状の部品に巻装される。印刷機では、版胴の回転速度と紙やフィルム等の印刷媒体の送り量(送り速度)とを同期させることで、多量の印刷物を刷ることができる。
【0003】
ところで、平版印刷において印刷版の表面の非画像部には、インクが付着しないように均一な水膜を形成する必要がある。そのため、アルミニウム板の表面には、常に安定した親水性が要求される。安定した親水性を確保するためには、アルミニウムの純度を99.5%以上にすることが要求されるとともに、アルミニウム板の表面に砂目たてや陽極酸化等の処理を施す必要がある。その要求を満たすため、一度印刷に用いたアルミニウム板は、印刷板として再使用されることがない。
【0004】
特許文献1には、使用済みのアルミニウム板を溶解し、圧延して印刷版用のアルミニウム板を製造する方法が開示されている。しかし、アルミニウム板を溶解し、圧延するには多量の二酸化炭素が排出されるのみならず、アルミニウムの純度の調節が難しく、この方法は実用に適さず、印刷版には常に新しいアルミニウム板が使用されているのが現状である。なお、新しいアルミニウム板は、ボーキサイトから作られたバージンアルミニウムから製造される。ゆえに、その製造工程において非常に多くの二酸化炭素が排出される。
【0005】
一方、アルミニウム板の親水化処理の煩雑性の改善や親水性の安定化を目的として、たとえば特許文献2には非画像部に親水性樹脂を用いた印刷版が開示され、特許文献3には非画像部に親水性樹脂を用い、かつ、現像レスのCPT版が開示されている。それらによれば、支持体にアルミニウム板を使用したとしても、一度使用したアルミニウム板の表面に形成された画像を除去した後、そのアルミニウム板を再使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第3420817号公報(特許文献1)
特開平08−292558号公報(特許文献2)
特開2001−47755号公報(特許文献3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、アルミニウム板は、上述したように、印刷機の円柱状の版胴に巻装されて用いられるが、その際、アルミニウム板の両端部が所定の角度に折り曲げられ、折り曲げられた両端部が版胴に形成された支持スリットに差し込まれる。印刷終了後に版胴から取り外されたアルミニウム板を再使用するには、折り曲げられた両端部を折り返して直状に直さなければならない。アルミニウム板の両端部の折り曲げと折り返しとを繰り返すと、引張応力や圧縮応力によって両端部が金属疲労を起こし、端部の強度が次第に低下する。両端部の強度が低下すると、版胴への再装着時に端部が折損したり、印刷中にアルミニウム板が版胴から外れてしまう不具合が生じ、印刷時におけるトラブルの原因となる場合がある。そのため、特許文献1や特許文献2に開示された印刷版において用いられる支持体としてのアルミニウム板はその再使用が可能であるとしても、両端部の金属疲労を考慮してそれを印刷版用として再使用することはなく、新しいアルミニウム板が使用されている。このように、従来は仕様済みのアルミニウム板を再使用せず、資源の無駄が生じていたのみならず、新しいアルミニウム板を製造する際に多量の二酸化炭素が発生し、二酸化炭素の削減に寄与することができなかった。
【0008】
本発明の目的は、平版印刷機に装着されるアルミニウム板を最適な再使用回数で繰り返して使用することで、再使用されないことによる資源の無駄を省き、二酸化炭素の排出量を削減することができるアルミニウム板管理システムおよびアルミニウム板管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための本発明の第1の前提は、平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理システムである。
【0010】
前記第1の前提における本発明の特徴としては、アルミニウム板管理システムが、それらアルミニウム板に個別に設定された識別情報を読み取る識別情報読み取り手段と、それらアルミニウム板の各識別情報とそれら識別情報に対応する各アルミニウム板のあらかじめ設定された再使用可能回数とを含む固有データを格納するデータ格納手段と、アルミニウム板を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新手段と、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用可能回数と再使用済回数更新手段によって記憶した再使用済回数とを比較する回数比較手段と、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、再使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする再使用可否判断手段とを有することにある。
【0011】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの一例としては、アルミニウム板管理システムが固有データおよび再使用済回数と再使用可否判断手段によって判断した再使用可否データとを出力するデータ出力手段を有する。
【0012】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例としては、アルミニウム板管理システムが、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断手段を含み、そのアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、回数比較手段を実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、回数比較手段を実行する。
【0013】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例としては、アルミニウム板管理システムが各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更手段を有する。
【0014】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例としては、識別情報がそのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子である。
【0015】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例として、固有データには、アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量が含まれ、アルミニウム板管理システムが、アルミニウム板を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板の削減量を記憶する第1削減量更新手段を有し、データ出力手段が、アルミニウム板を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と第1削減量更新手段によって記憶したそれらアルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量とを出力する。
【0016】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例として、識別情報には、アルミニウム板を装着する平版印刷機の機器名と、その印刷機を特定する機器識別子とが含まれ、アルミニウム板管理システムが、機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の削減量を記憶する第2削減量更新手段を有し、データ出力手段が、第2削減量更新手段によって記憶したそれら印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力する。
【0017】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例として、識別情報には、アルミニウム板を使用するユーザ名と、そのユーザを特定するユーザ識別子とが含まれ、アルミニウム板管理システムが、ユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新手段を有し、データ出力手段が、第3削減量更新手段によって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力する。
【0018】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例として、アルミニウム板の一面には、識別情報のうちの少なくともアルミニウム板識別子を表すバーコードが表示され、アルミニウム板管理システムでは、識別情報読み取り手段においてバーコードがバーコードリーダーによって読み込まれる。
【0019】
前記課題を解決するための本発明の第2の前提は、平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理方法である。
【0020】
前記第2の前提における本発明の特徴としては、アルミニウム板管理方法が、それらアルミニウム板に個別に設定された識別情報を読み取る識別情報読み取りプロセスと、それらアルミニウム板の各識別情報とそれら識別情報に対応する各アルミニウム板のあらかじめ設定された再使用可能回数とを含む固有データを格納するデータ格納プロセスと、アルミニウム板を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新プロセスと、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用可能回数と再使用済回数更新手段によって記憶した再使用済回数とを比較する回数比較プロセスと、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、再使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする再使用可否判断プロセスとを実行することにある。
【0021】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の一例としては、アルミニウム板管理方法が固有データおよび再使用済回数と再使用可否判断プロセスによって判断した再使用可否データとを出力するデータ出力プロセスを実行する。
【0022】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例としては、アルミニウム板管理方法が、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断プロセスを含み、そのアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、回数比較プロセスを実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、回数比較プロセスを実行する。
【0023】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例としては、アルミニウム板管理方法が各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更プロセスを実行する。
【0024】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例としては、識別情報がそのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子である。
【0025】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例として、固有データには、アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量が含まれ、アルミニウム板管理方法が、アルミニウム板を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板の削減量を記憶する第1削減量更新プロセスを実行し、データ出力プロセスが、アルミニウム板を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と第1削減量更新プロセスによって記憶したそれらアルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量とを出力する。
【0026】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例として、識別情報には、アルミニウム板を装着する平版印刷機の機器名と、その印刷機を特定する機器識別子とが含まれ、アルミニウム板管理方法が、機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の削減量を記憶する第2削減量更新プロセスを実行し、データ出力プロセスが、第2削減量更新プロセスによって記憶したそれら印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力する。
【0027】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例として、識別情報には、アルミニウム板を使用するユーザ名と、そのユーザを特定するユーザ識別子とが含まれ、アルミニウム板管理方法が、ユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新プロセスを実行し、データ出力プロセスが、第3削減量更新プロセスによって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力する。
【0028】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例として、アルミニウム板の一面には、識別情報のうちの少なくともアルミニウム板識別子を表すバーコードが表示され、アルミニウム板管理方法では、識別情報読み取りプロセスにおいてバーコードがバーコードリーダーによって読み込まれる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のアルミニウム板管理システムおよび管理方法によれば、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にアルミニウム板の次回の再使用を可とするから、平版印刷機に装着されるアルミニウム板の再使用時において、そのアルミニウム板の再使用可能回数と実際の再使用済回数とを確認しつつ、適切にアルミニウム板を再使用することができる。管理システムおよび管理方法は、再使用可能回数の分だけアルミニウム板を再使用することができ、アルミニウム板をそれの使用限度まで繰り返して使用することができる。管理システムおよび管理方法は、再使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とするから、使用限界に達したアルミニウム板のそれ以上の再使用を事前に防ぐことができ、印刷時の各種トラブルを防ぐことができる。この管理システムおよび管理方法は、アルミニウム資源の無駄を省くことができ、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
【0030】
固有データおよび使用済回数と再使用可否データとを出力するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の再使用可能回数や使用済回数、再使用可、再使用不可を把握することができ、平版印刷機に装着されるアルミニウム板の再使用時において、そのアルミニウム板の再使用可能回数と実際の使用済回数とを確認しつつ、適切にアルミニウム板を再使用することができる。
【0031】
読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、そのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、回数比較手段(プロセス)を実行するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、再使用済回数が1回以上のアルミニウム板の再使用時において、そのアルミニウム板の再使用可能回数と実際の使用済回数とを確認しつつ、適切にアルミニウム板を再使用することができる。この管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板をそれの使用限度まで繰り返して使用することができるから、アルミニウム資源の無駄を省くことができ、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
【0032】
各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更手段を有するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の管理状況や再使用時の加工状況等によって、当初の再使用可能回数を変更しなければならなくなったとしても、それに対応することができ、アルミニウム板の状態によって再使用可能回数を自由に変更することができる。
【0033】
識別情報として、そのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子が含まれるアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、それらアルミニウム板を各識別子によって特定することができるから、各種複数のアルミニウム板を容易に管理することができる。この管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板識別子に対応するアルミニウム板の板サイズを特定することができるから、各種複数のアルミニウム板のサイズを容易に管理することができる。
【0034】
アルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算しつつ、アルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量を出力するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の再使用によって削減された二酸化炭素削減量を各アルミニウム板毎に把握することができ、その削減量を利用して各アルミニウム板毎の実績を評価することができる。この管理システムおよび管理方法は、削減された二酸化炭素排出量を具体的に表示することで、二酸化炭素排出量削減の実績をアピールすることができ、アルミニウム板の再使用を通じて二酸化炭素排出量低減活動を実施していることをアピールすることができる。
【0035】
平版印刷機の機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算するとともに、積算した平版印刷機の削減量を記憶し、平版印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の再使用によって削減された二酸化炭素削減量を各平版印刷機毎に把握することができ、その削減量を利用して印刷機毎の実績を評価することができる。管理システムおよび管理方法は、削減された各印刷機毎の二酸化炭素削減量を具体的に表示することで、二酸化炭素排出量削減活動の実績をアピールすることができ、アルミニウム板の再使用を通じて二酸化炭素排出量低減活動を実施していることをアピールすることができる。この管理システムおよび管理方法は、平版印刷機の機器識別子に基づいてアルミニウム板を使用する印刷機を特定することができ、そのアルミニウム板の他の印刷機における使用を防ぐことができる。
【0036】
ユーザのユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算するとともに、積算した各ユーザの削減量を記憶し、ユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の再使用によって削減された二酸化炭素削減量を各ユーザ毎に把握することができ、その削減量を利用してユーザ毎の実績を評価することができる。管理システムおよび管理方法は、削減された各ユーザ毎の二酸化炭素削減量を具体的に表示することで、二酸化炭素排出量削減活動の実績をアピールすることができ、アルミニウム板の再使用を通じて二酸化炭素排出量低減活動を実施していることをアピールすることができる。この管理システムおよび管理方法は、ユーザ識別子に基づいてアルミニウム板を使用するユーザを特定することができ、そのアルミニウム板の他のユーザにおける使用を防ぐことができる。
【0037】
識別情報のうちの少なくともアルミニウム板識別子がバーコードに格納され、そのバーコードがバーコードリーダーによって読み込まれるアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、識別情報を表すバーコードを利用してそれらアルミニウム板を特定することができ、各種複数のアルミニウム板を容易に管理することができる。この管理システムおよび管理方法は、バーコードをアルミニウム板の一面に表示するだけであるから、アルミニウム板の管理を廉価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】一例として示すアルミニウム板管理システムの構成図。
【図2】平版印刷機に設置される版胴の一例を示す斜視図。
【図3】アルミニウム板を巻装した状態で示す版胴の斜視図。
【図4】アルミニウム板を巻装した状態の版胴の一例を示す断面図。
【図5】版胴から取り外した後のアルミニウム板の一例を示す斜視図。
【図6】システムが実行する各手段を説明するためのフローチャート。
【図7】図6から続くフローチャート。
【図8】初期画面の一例を示す図。
【図9】バーコード表示確認画面の一例を示す図。
【図10】識別情報入力画面の一例を示す図。
【図11】固有データ確認画面の一例を示す図。
【図12】バーコード表示開始画面の一例を示す図。
【図13】マーキング終了画面の一例を示す図。
【図14】バーコード読み取り指示画面の一例を示す図。
【図15】バーコード読み取り完了画面の一例を示す図。
【図16】固有データ詳細画面の一例を示す図。
【図17】ユーザ別詳細画面の一例を示す図。
【図18】印刷機別詳細画面の一例を示す図。
【図19】再使用確認画面の一例を示す図。
【図20】移動確認画面の一例を示す図。
【図21】固有データ詳細画面の他の一例を示す図。
【図22】ユーザ別詳細画面の他の一例を示す図。
【図23】印刷機別詳細画面の他の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
添付の図面に基づいて、本発明に係るアルミニウム板管理システムおよびアルミニウム板管理方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、アルミニウム板管理方法を実施する一例として示すアルミニウム板管理システム10の構成図である。この管理システム10は、各種の平版印刷機(図示せず)に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板17の管理に利用される。
【0040】
アルミニウム板管理システム10は、管理コンピュータ11およびYAGレーザー照射装置12(レーザーマーカー)と、バーコードリーダー13とから構成されている。YAGレーザー照射装置12やバーコードリーダー13は、インターフェースを介して管理コンピュータ11に接続されている。管理コンピュータ11は、中央処理部とメモリとを備え、大容量ハードディスクを搭載している。
【0041】
管理コンピュータ11には、キーボード14やマウス、スキャナー等の入力装置がインターフェースを介して接続され、ディスプレイ15やプリンタ等の出力装置がインターフェースを介して接続されている。管理コンピュータ11のハードディスクには、主要なアルミニウム板のサイズや印刷機の機種名、二酸化炭素削減量の算出式が格納され、アルミニウム板の各寸法(縦寸法、横寸法、厚み寸法)および印刷機の機種とそれらから決定されるアルミニウム板の再使用可能回数との相関関係が格納されている。
【0042】
管理コンピュータ11は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリの命令ファイルに格納されたアプリケーションを起動し、アプリケーションに従って以下の各手段を実行する。管理コンピュータ11は、各種複数のアルミニウム板17にバーコードを表示するバーコード表示手段(バーコード表示プロセス)を実行する。
【0043】
バーコードは、管理コンピュータ11とYAGレーザー照射装置12とを利用してアルミニウム板17に刻印(表示)される。YAGレーザー照射装置12は、YAGレーザーによってアルミニウム板17の面を削り、アルミニウム板17にバーコードをマーキングする。なお、YAGレーザー照射装置12とは別に、バーコードラベル作成装置によってバーコードラベルを作成し、そのラベルをアルミニウム板17の表面や裏面に貼付することもできる。
【0044】
バーコードは、各アルミニウム板17の識別情報を表す。識別情報には、アルミニウム板17を特定するアルミニウム板識別子、アルミニウム板17を使用するユーザ名(印刷会社名)、そのユーザを特定するユーザ識別子、アルミニウム板17の板サイズ、アルミニウム板17を装着する平版印刷機を特定する機器識別子、機器識別子に対応する平版印刷機の機器名がある。
【0045】
バーコードには、それら識別情報のうちの少なくともアルミニウム板識別子が格納されている。それら識別情報は、各入力装置を介して管理コンピュータ11に入力される。バーコードは、バーコードリーダー13によって読み取られる。バーコードリーダー13は、読み取ったバーコードのアナログ信号をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を管理コンピュータ11に出力する。
【0046】
管理コンピュータ11は、各アルミニウム板17に個別に表示された識別情報(バーコード)を読み取る識別情報読み取り手段(識別情報読み取りプロセス)を実行し、各アルミニウム板17の個別データを格納するデータ格納手段(データ格納プロセス)を実行する。固有データには、アルミニウム板17の各識別情報(アルミニウム板識別子、ユーザ名、ユーザ識別子、板サイズ、平版印刷機の機器識別子、平版印刷機の機器名)の他に、それら識別情報に対応する各アルミニウム板17のあらかじめ設定された再使用可能回数、アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板17のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量(削減されるCO2排出量)が含まれる。
【0047】
管理コンピュータ11は、アルミニウム板17に設定された再使用可能回数を変更する回数変更手段(回数変更プロセス)を実行する。管理コンピュータ11は、アルミニウム板17を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板17から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板17の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新手段(再使用済回数更新プロセス)を実行する。
【0048】
管理コンピュータ11は、アルミニウム板17を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板17から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板17の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板17の二酸化炭素削減量を記憶する第1削減量更新手段(第1削減量更新プロセス)を実行する。
【0049】
管理コンピュータ11は、平版印刷機の機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の二酸化炭素削減量を記憶する第2削減量更新手段(第2削減量更新プロセス)を実行する。さらに、ユーザのユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新手段(第3削減量更新プロセス)を実行する。
【0050】
管理コンピュータ11は、読み取った識別情報のアルミニウム板17の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断手段(回数判断プロセス)を実行し、読み取った識別情報のアルミニウム板17の再使用可能回数と使用済回数更新手段によって記憶した使用済回数とを比較する回数比較手段(回数比較プロセス)を実行する。さらに、使用済回数が再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板17の次回の再使用を可とし、使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板17の次回の再使用を不可とする再使用可否判断手段(再使用可否判断プロセス)を実行する。
【0051】
なお、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の再使用済回数が0回である場合、回数比較手段(回数比較プロセス)を実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、アルミニウム板17の再使用済回数が1回以上である場合、回数比較手段(回数比較プロセス)を実行する。
【0052】
管理コンピュータ11は、固有データや再使用済回数、再使用可能回数、再使用可否判断手段によって判断した再使用可否データを出力するデータ出力手段(データ出力プロセス)を実行する。管理コンピュータ11は、アルミニウム板17を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と第1削減量更新手段によって記憶したそれらアルミニウム板17の積算した二酸化炭素削減量とを出力するとともに、第2削減量更新手段によって記憶したそれら平版印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力し、第3削減量更新手段によって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力するデータ出力手段(データ出力プロセス)を実行する。
【0053】
図2は、平版印刷機に設置される版胴16の一例を示す斜視図であり、図3は、アルミニウム板17を巻装した状態で示す版胴16の斜視図である。図4は、アルミニウム板17を巻装した状態で示す版胴16の断面図であり、図5は、版胴16から取り外した後のアルミニウム板17の一例を示す斜視図である。図5では、アルミニウム板17の両端部18a,18bを折り返した状態を一点鎖線で示す。アルミニウム板管理システム10において管理するアルミニウム板17は、平版印刷機に装着されるドラム状の版胴16に巻装されて使用される。版胴16の周面には、アルミニウム板17の長さ方向両端部18a,18bを挿入して板17を版胴16に固定する2つの差し込みスリット19a,19bが形成されている。
【0054】
アルミニウム板17は、その平面形状が一方向へ長い長方形に成形され、その表面20に被印刷面が形成される。アルミニウム板17を版胴16に取り付けるには、板17の両端部18a,18bを任意の角度に折り曲げ、その一端部18aを一方のスリット19aに差し込んだ後、板17の裏面が版胴16の周面に当接するように板17を版胴16に巻き付け、さらに残りの一端部18bを他方のスリット19bに差し込む。なお、両端部18a,18bを折り曲げる角度は、アルミニウム板17を取り付ける版胴16によって異なる。
【0055】
アルミニウム板17は、印刷工程が終了すると版胴16から取り外される。そのアルミニウム板17を再使用する場合、板17の表面20に再加工処理を施す必要があるが、その際、図5に一点鎖線で示すように、折り曲げられた両端部18a,18bを直状に修正する必要がある。なお、そのアルミニウム板17の再使用時には、両端部18a,18bを再び折り曲げる必要がある。ゆえに、アルミニウム板17は、それを再使用する度毎にその両端部18a,18bの折り曲げ処理と折り曲げられた両端部18a,18bの折り返し処理とが繰り返され、引張応力や圧縮応力によって両端部18a,18bが金属疲労を起こし、それによって端部18a,18bの強度が次第に低下する。
【0056】
両端部18a,18bの強度が低下したアルミニウム板17は、それを再び版胴16に装着するときに端部18a,18bが折損して版胴16に装着することができない場合がある。さらに、両端部18a,18bの強度が低下したアルミニウム板17を版胴16に装着して印刷を開始したときに、アルミニウム板17が版胴16から外れてしまう場合があり、印刷作業に支障を来すことはもちろん、重大な事故に繋がる恐れさえある。そこで、このアルミニウム板管理システム10は、アルミニウム板17の再使用回数の限度を管理し、アルミニウム板17をその使用限界まで再使用しつつ、印刷作業に生じる支障を防止する。
【0057】
図6は、このシステム10が実行する各手段を説明するためのフローチャートであり、図7は、図6から続くフローチャートである。図8〜図23は、ディスプレイ15に表示される各表示画面の一例を示す図である。それら図に基づいてアルミニウム板管理システム10が実行する各手段を具体的に説明すると、以下のとおりである。システム10を起動すると、管理コンピュータ11は、それに接続されたディスプレイ15に認証手続き画面(図示せず)を表示する。
【0058】
管理コンピュータ11は、その起動時においてそれを利用する利用者の認証を行う。認証の目的は、管理コンピュータ11を起動した利用者が正当な権限を有するかを判断することにある。管理コンピュータ11が行う認証方式は、パスワード認証であるが、パスワード認証の他に、指紋認証や声紋認証、網膜認証、ICカード認証を行うこともできる。なお、パスワード認証としては、ワンタイムパスワードを採用することもできる。
【0059】
認証手続き画面には、ユーザ名の入力エリアとパスワードの入力エリアとが表示される。利用者は、それら入力エリアにユーザ名とパスワードとを入力する。管理コンピュータ11は、入力されたユーザ名およびパスワードをメモリに格納されたそれらと比較し、ユーザ名およびパスワードの正誤を判断する。ユーザ名およびパスワードが正しく認証結果が可である場合、管理コンピュータ11は、アルミニウム板管理システムの使用を許可し、ディスプレイ15に図8に示す初期画面を表示する。ユーザ名やパスワードが誤っていて認証結果が不可である場合、管理コンピュータ11は、アルミニウム板管理システム10の使用を禁止し、使用禁止メッセージをディスプレイ15に表示する。
【0060】
ディスプレイ15に表示された初期画面には、図8に示すように、このシステム10のタイトルとともに、スタートボタン30、ログアウトボタン31が表示される。ログアウトボタン31を押すと、このシステム10からログアウトする。スタートボタン30を押すと、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17にバーコードが表示されているかを問い合わせるためのバーコード表示確認画面をディスプレイ15に表示する。
【0061】
バーコード表示確認画面には、図9に示すように、バーコード表示の有無のメッセージとともに、YESチェックボックス32、NOチェックボックス33、実行ボタン34、キャンセルボタン35が表示される。キャンセルボタン35を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0062】
管理コンピュータ11は、YESまたはNOのチェックボックス32,33のチェックマークにより、アルミニウム板17におけるバーコード表示の有無を判断する(S−1)。最初に、アルミニウム板17にバーコードが表示されておらず、そのアルミニウム板17が「新たに管理を開始する板」である場合において、このシステム10が実行する管理手順を説明すると、以下のとおりである。
【0063】
この場合、図9のバーコード表示画面においてNOのチェックボックス33にチェックマークを入れ、実行ボタン34を押す。実行ボタン34を押すと、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17にバーコードが表示されていないと判断する(S−1)。次に、管理コンピュータ11は、識別情報入力画面をディスプレイ15に表示する。識別情報入力画面には、図10に示すように、ユーザ名入力エリア36、板サイズ第1入力エリア37(アルミニウム板の横寸法、縦寸法入力エリア)、板サイズ第2入力エリア38(アルミニウム板の厚み寸法入力エリア)、印刷機名入力エリア39(平版印刷機の機器名入力エリア)、再利用可能回数入力エリア40、自動設定ボタン41、実行ボタン42、クリアボタン43が表示される。
【0064】
入力装置を介してそれら入力エリアに各データを入力する。主要な板サイズや印刷機の機種名は管理コンピュータ11のハードディスクにあらかじめ格納されており、板サイズや機種名をプルダウンリストから選択し、選択した板サイズや機種名を入力エリア37,38,39に表示することもできる。アルミニウム板17のサイズとしては、たとえば、縦寸法が1,060mmまたは800mm、横寸法が730mmまたは620mm、厚さ寸法が0.24mmや0.28mm、0.33mmがある。
【0065】
なお、識別情報入力画面では再利用可能回数の自動設定ボタン41が反転しており、再利用可能回数は基本的に自動設定されるが、再利用可能回数入力エリア40に回数を入力することで、再利用可能回数を任意かつ自由に設定することもできる(回数変更手段、回数変更プロセス)。入力作業は、1枚のアルミニウム板17を新たに管理するときに一度だけ行うものであって、同一のアルミニウム板17では再入力する必要はない。
【0066】
図10の識別情報入力画面においてクリアボタン43を押すと、各入力エリアに入力された各データがクリアされ、入力エリアにデータを再度入力する。各データを入力した後、実行ボタン42を押すと、管理コンピュータ11は、各入力エリアに入力された識別情報を読み取り(識別情報読み取り手段、識別情報読み取りプロセス)、板サイズと印刷機の機種とから設定されたアルミニウム板17に固有の再使用可能回数(A)をハードディスクから抽出するとともに(S−2)、アルミニウム板17を特定するアルミニウム板識別子と印刷機を特定する機器識別子とを生成する(S−3)。なお、アルミニウム板17には、最初に設定される再使用可能回数(A)とは別に、それの再使用の度毎に1回ずつ回数が加算される再使用済回数(B)が設定される。管理コンピュータ11は、ステップ1(S−1)においてバーコードが表示されていないと判断すると、そのアルミニウム板17に再使用可能回数(A)とともに再使用済回数(B)=0を設定する(S−4)。
【0067】
次に、管理コンピュータ11は、固有データ確認画面をディスプレイ15に表示する(S−5)。固有データ確認画面には、図11に示すように、ユーザ名表示エリア44にユーザ名、板番号表示エリア45に板番号(識別子)、板サイズ第1表示エリア46に板の縦寸法および横寸法、板サイズ第2表示エリア47に板の厚み寸法、印刷機名表示エリア48に印刷機名、印刷機番号表示エリア49に印刷機番号(識別子)、再利用可能回数表示エリア50に再使用可能回数、再使用済回数表示エリア51に再使用済回数(0回)、確認ボタン52、キャンセルボタン53、変更ボタン54が表示される。
【0068】
それら表示エリアに表示された各データに誤りがなく、変更の必要がない場合は、確認ボタン52を押す。確認ボタン52を押すと、管理コンピュータ11は、データの変更無と判断し(S−6)、そのアルミニウム板17が1回使用された場合の二酸化炭素削減量を算出する(S−7)。管理コンピュータ11は、二酸化炭素削減量を算出した後、ユーザ名、ユーザ識別子、板サイズ、印刷機名、印刷機識別子、再使用可能回数(A)、使用回数(B)=0、使用1回における二酸化炭素削減量をアルミニウム板識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(S−8)(データ格納手段、データ格納プロセス)。
【0069】
管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の各サイズを変数とし、そのアルミニウム板17が1回使用された場合の二酸化炭素削減量を以下の算出式によって求める。二酸化炭素削減量の算出式の一例は、二酸化炭素削減量(Kg)={a(24.8886×b×c―44.2)}/1,000,000である。この算出式は、社団法人日本アルミニウム協会による平成17年3月23日発表のLCIデータ概要に準拠している。算出式のうち、aは、アルミニウム板17の横方向(感光層剥離工程でコンベアの流れる方向)の長さ寸法(mm)、bは、アルミニウム板17の縦方向の長さ寸法(mm)、cは、アルミニウム板17の厚さ寸法(mm)である。なお、版タイプがCTP版の場合は、再使用の都度アルミニウム板17の厚さ寸法が表面研削により減少するから、その厚さ減少分を考慮した二酸化炭素削減量がハードディスクに格納されている。
【0070】
図11の固有データ確認画面においてキャンセルボタン53を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、固有データをすべてクリアしてシステム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。続行ボタンを押すと、管理コンピュータ11は、図11の固有データ確認画面をディスプレイ15に表示する。
【0071】
図11の固有データ確認画面において変更ボタン54を押すと、管理コンピュータ11は、識別情報の変更有と判断し(S−6)、図10の固有データ入力画面をディスプレイ15に表示し、各データを再度入力させ、ステップ2(S−2)からの手続を繰り返す。ステップ8(S−8)において各データを格納した後、管理コンピュータ11は、それら識別情報を表すバーコードを生成するとともに(S−9)、バーコード表示開始画面をディスプレイ15に表示する。
【0072】
バーコード表示開始画面には、図12に示すように、生成したバーコードとともに、開始ボタン55、キャンセルボタン56が表示される。バーコード表示開始画面においてキャンセルボタン56を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、固有データをすべてクリアしてシステム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。続行ボタンを押すと、管理コンピュータ11は、図12のバーコード表示開始画面をディスプレイ15に表示する。
【0073】
図12のバーコード表示開始画面において開始ボタン55を押すと、管理コンピュータ11は、生成したバーコードとバーコードのマーキング指令とをYAGレーザー照射装置12に出力する(バーコード表示手段、バーコード表示プロセス)。YAGレーザー照射装置12は、マーキング指令に基づいてアルミニウム板17の面に管理コンピュータ11において生成されたバーコードをマーキングする。YAGレーザー照射装置12によるバーコードのマーキング時には、アルミニウム板17がレーザー照射装置12にセットされている。
【0074】
なお、バーコードを印刷したバーコードラベルをアルミニウム板17に貼付する場合、管理コンピュータ11は、生成したバーコードとバーコードラベルの作成指令とをバーコードラベル作成装置に出力する。バーコードラベル作成装置は、作成指令に基づいて管理コンピュータ11において生成されたバーコードを印刷したバーコードラベルを作成する。作成されたバーコードラベルは、アルミニウム板17の表面や裏面に貼付される。
【0075】
YAGレーザー照射装置12によるバーコードのマーキングが終了すると、管理コンピュータ11は、マーキング終了画面をディスプレイ15に表示する。マーキング終了画面には、図13に示すように、バーコード表示完了メッセージとともに完了ボタン57が表示される。アルミニウム板17をYAGレーザー照射装置12から取り外した後、マーキング終了画面において完了ボタン57を押すと、管理コンピュータ11は、バーコード読み取り指示画面をディスプレイ15に表示する。バーコード読み取り指示画面には、図14に示すように、開始ボタン58と終了ボタン59とが表示される。
【0076】
図14のバーコード読み取り指示画面において終了ボタン59を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードの読み取り無と判断し(S−11)、図9のバーコード表示確認画面をディスプレイ15に表示する。バーコード読み取り指示画面において開始ボタン58を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードを読み取り有りと判断し(S−11)、図示はしていないが、アルミニウム板17の裏面に表示されたバーコードの読み取り指示メッセージをディスプレイ15に表示する。バーコードリーダー13を介してアルミニウム板17のバーコードが読み込まれると、バーコードリーダー13はバーコードが表すアナログ信号(識別情報)をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を管理コンピュータ11に出力する。
【0077】
管理コンピュータ11は、バーコードリーダー13から出力されたデジタル信号からバーコードが表す識別情報を読み取る(識別情報読み取り手段、識別情報読み取りプロセス)。管理コンピュータ11は、識別情報を読み取ると、バーコード読み取り完了画面をディスプレイ15に表示する。バーコード読み取り完了画面には、図15に示すように、バーコード読み取り完了メッセージとともに、読み取ったバーコード、確認ボタン60が表示される。なお、バーコードが読み取れなかった場合、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、バーコードの再読み取り指示メッセージをディスプレイ15に表示する。
【0078】
図15のバーコード読み取り完了画面において確認ボタン60を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードが表す識別情報をハードディスクに格納する(S−12)(データ格納手段、データ格納プロセス)。管理コンピュータ11は、読み取ったバーコードからそのバーコードが表すアルミニウム板識別子(板番号)と印刷機識別子(印刷機番号)とのうちの少なくともアルミニウム板識別子を検索し、その識別子をハードディスクから抽出するとともに、その識別子に対応する再使用済回数と再使用可能回数とを抽出する。
【0079】
管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板識別子のアルミニウム板17の再使用済回数(B)が(0)であるか否かを判断する(S−13)(回数判断手段、回数判断プロセス)。アルミニウム板17は初めて使用されるから、再使用済回数(B)が(0)であり、管理コンピュータ11は、再使用済回数(B)=(0)と判断する。使用回数(B)が(0)である場合、管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板識別子に対応するユーザ識別子、ユーザ名、アルミニウム板の縦寸法や横寸法、厚み寸法、印刷機識別子、印刷機名、再利用可能回数、再使用済回数、再使用1回についての二酸化炭素の削減量、二酸化炭素削減量の積載値をハードディスクから抽出し、アルミニウム板17のそれら固有データの詳細画面をディスプレイ15に表示する(S−14)データ出力手段(データ出力プロセス)。
【0080】
固有データの詳細画面には、図16に示すように、ユーザ名表示エリア61にユーザ名、板番号表示エリア62に板番号(識別子)、板サイズ第1表示エリア63に板の縦寸法および横寸法、板サイズ第2表示エリア64に板の厚み寸法、印刷機名表示エリア65に印刷機名、印刷機番号表示エリア66に印刷機番号(識別子)、再利用可能回数表示エリア67に再利用可能回数、再使用済回数表示エリア68に再使用済回数(0回)、再使用1回についての二酸化炭素削減量表示エリア69に二酸化炭素の削減量、二酸化炭素削減量の積載値表示エリア70に二酸化炭素削減量の積載値が表示される。さらに、ユーザ別詳細ボタン71、印刷機別詳細ボタン72、確認ボタン73、キャンセルボタン74が表示される。なお、再利用可能回数表示エリア67には変更ボタン75が表示される。
【0081】
図16の固有データ詳細画面によって、各アルミニウム板17の再使用1回についての二酸化炭素削減量、そのアルミニウム板17の二酸化炭素削減量の積載値を知ることができ、その削減量を利用して各アルミニウム板毎の実績を評価することができる。アルミニウム板17は初めて使用されるものであるから、二酸化炭素削減量の積載値は二酸化炭素削減量表示エリア69に表示された二酸化炭素の削減量と同一となる。図16の固有データ詳細画面においてキャンセルボタン74を押すと、管理コンピュータ11は、図14のバーコード読み取り指示画面をディスプレイ15に表示する。なお、図16の固有データは、プリンタを介して出力することができるデータ出力手段(データ出力プロセス)。
【0082】
図16の固有データ詳細画面においてユーザ別詳細ボタン71を押すと、管理コンピュータ11は、図16の固有データ詳細画面に表示されたアルミニウム板17の各ユーザにおける二酸化炭素削減量等のユーザ別詳細画面をディスプレイ15に表示するデータ出力手段(データ出力プロセス)。ユーザ別詳細画面には、図17に示すように、ユーザ名表示エリア76にユーザ名、期間表示エリア77に期間、アルミニウム板再使用枚数表示エリア78にその期間における板の再使用枚数、二酸化炭素削減量の積算値表示エリア79にその期間における二酸化炭素削減量の積算値、1日当たりの二酸化炭素削減量表示エリア80に1日当たりの二酸化炭素削減量、確認ボタン81が表示される。
【0083】
図17のユーザ別詳細画面によって、各ユーザにおけるアルミニウム板17の再使用枚数や各ユーザにおける二酸化炭素削減量の詳細を知ることができ、その削減量を利用してユーザ毎の実績を評価することができる。図17のユーザ別詳細画面において確認ボタン81を押すと、管理コンピュータ11は、図16の固有データ詳細画面をディスプレイ15に表示する。なお、図17のユーザ別データは、プリンタを介して出力することができるデータ出力手段(データ出力プロセス)。
【0084】
図16の固有データ詳細画面において印刷機別詳細ボタン72を押すと、管理コンピュータ11は、図16の固有データ詳細画面に表示されたアルミニウム板17の各ユーザにおける印刷機別の二酸化炭素削減量等の印刷機別詳細画面をディスプレイ15に表示するデータ出力手段(データ出力プロセス)。二酸化炭素削減量の印刷機別詳細画面には、図18に示すように、ユーザ名表示エリア82にユーザ名、期間表示エリア83に期間、印刷記名表示エリア84に各印刷機名、アルミニウム板再使用枚数表示エリア85にその期間における印刷機のアルミニウム板17の再使用枚数、二酸化炭素削減量の積算値表示エリア86にその期間における印刷機の二酸化炭素削減量の積算値、1日当たりの二酸化炭素削減量表示エリア87に1日当たりの二酸化炭素削減量、確認ボタン88が表示される。
【0085】
図18の印刷機別詳細画面によって、各印刷機におけるアルミニウム板17の再使用枚数や各印刷機における二酸化炭素削減量の詳細を知ることができ、その削減量を利用して印刷機毎の実績を評価することができる。図18の印刷機別詳細画面において確認ボタン88を押すと、管理コンピュータ11は、図16の固有データ詳細画面をディスプレイ15に表示する。なお、図18の印刷機別データは、プリンタを介して出力することができるデータ出力手段(データ出力プロセス)。
【0086】
図16の固有データ詳細画面において再使用可能回数に変更がある場合は、再使用可能回数表示エリア67の変更ボタン75を押す。変更ボタン75を押すと、管理コンピュータ11は、再使用可能回数に変更有りと判断し(S−15)、再使用可能回数表示エリア67に表示された再使用可能回数を消去する。再使用可能回数を変更するには、入力装置を介してその表示エリア67にあらたな再使用可能回数を入力し、確認ボタン73を押す。確認ボタン73を押すと、管理コンピュータ11は、再使用可能回数をあらたに入力されたそれに変更し(S−16)(再使用可能回数変更手段、再使用可能回数変更プロセス)、変更した再使用可能回数をアルミニウム板17の識別子に関連付けてハードディスクに格納する。このシステム10は、アルミニウム板17の管理状況や再使用時の加工状況等によって、当初の再使用可能回数を変更しなければならなくなったとしても、それに対応することができ、アルミニウム板17の状態によって再使用可能回数を自由に変更することができる。
【0087】
再使用可能回数に変更がない場合は、図16の固有データ詳細画面において確認ボタン73を押す。確認ボタン73を押すと、管理コンピュータ11は、再使用可能回数の変更無と判断し(S−15)、再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。再使用確認画面には、図19に示すように、再使用可能メッセージとともに、板番号表示エリア89に板番号(識別子)、YESチェックボックス90、NOチェックボックス91、終了チェックボックス92、実行ボタン93、クリアボタン94が表示される。
【0088】
アルミニウム板17を直ちに再使用せず、後日再使用する場合は、図19の再使用確認画面においてNOのチェックボックス91にチェックマークを入れ、実行ボタン93を押す。NOのチェックボックス91にチェックマークを入れて実行ボタン93を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、現時点においてアルミニウム板17を再使用しないと判断し(S−17)、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。続行ボタンを押すと、管理コンピュータ11は、図19の再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。
【0089】
アルミニウム板17の再使用を終了する場合は、図19の再使用確認画面において終了のチェックボックス92にチェックマークを入れ、実行ボタン93を押す。終了のチェックボックス92にチェックマークを入れて実行ボタン93を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、キャンセルボタン、確認ボタンをディスプレイ15に表示する。その画面においてキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、図19の再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。確認ボタンを押すと、管理コンピュータ11は、使用済回数が再使用可能回数に達していなくても、換言すれば、そのアルミニウム板17の再使用が可能であるとしても、そのアルミニウム板17の再度の使用を終了(中止)する。管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0090】
再使用の終了は、アルミニウム板17が再使用可能であるにもかかわらず、たとえばアルミニウム板17の損傷や汚れ等の事情により、アルミニウム板17を今後再使用しない場合に選択する。再使用終了が確定すると、管理コンピュータ11は、終了対象のアルミニウム板17にその識別子に関連付けて再使用終了データを設定する。再使用終了データが設定されたアルミニウム板17は、以後の再使用が不可となる。
【0091】
アルミニウム板17を再使用する場合は、図19の再使用確認画面においてYESのチェックボックス90にチェックマークを入れ、実行ボタン93を押す。YESのチェックボックス90にチェックマークを入れて実行ボタン93を押すと、管理コンピュータ11は、現時点においてアルミニウム板17を再使用すると判断し(S−17)、そのアルミニウム板17の使用済回数に1回を加算し(S−18)再使用済回数更新手段(再使用済回数更新プロセス)、加算した使用済回数をそのアルミニウム板17の識別子に関連付けてハードディスクに格納するデータ格納手段(データ格納プロセス)。
【0092】
管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板17の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板17の二酸化炭素削減量をハードディスクに格納し(第1削減量更新手段、第1削減量更新プロセス)、平版印刷機の機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の二酸化炭素削減量をハードディスクに格納する(第2削減量更新手段、第2削減量更新プロセス)。さらに、ユーザのユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量をハードディスクに格納する(第3削減量更新手段、第3削減量更新プロセス)。
【0093】
次に、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の印刷工程への移動確認画面をディスプレイ15に表示する(S−19)。移動確認画面には、図20に示すように、印刷工程への移動メッセージとともに、確認ボタン95、キャンセルボタン96が表示される。キャンセルボタン96を押すと、管理コンピュータ11は、図19の再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。確認ボタン95を押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0094】
次に、アルミニウム板17が既に1回以上使用された場合、または、バーコードの表示が行われた後のアルミニウム板17において、図9のバーコード表示確認画面や図19の再使用確認画面においてシステム10を中断した場合について説明する。この場合、アルミニウム板17の裏面には、既にバーコードが表示されている。初期画面においてスタートボタン30を押し、図9のバーコード表示確認画面を表示させる。バーコード表示確認画面においてYESのチェックボックス32にチェックマークを入れ、実行ボタン34を押す。実行ボタン34を押すと、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17にバーコードが表示されていると判断し(S−1)、図14に示すバーコード読み取り指示画面をディスプレイ15に表示する。
【0095】
バーコード読み取り指示画面において終了ボタン59を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードを読み取らないと判断し(S−11)、図9のバーコード表示確認画面をディスプレイ15に表示する。この場合、バーコード表示確認画面のキャンセルボタン35を押す。キャンセルボタン35を押すと、管理コンピュータ11は、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0096】
バーコード読み取り指示画面において開始ボタン58を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードを読み取ると判断し(S−11)、アルミニウム板17の裏面に表示されたバーコードの読み取り指示メッセージをディスプレイ15に表示する。バーコードリーダー13を介してアルミニウム板17のバーコードが読み込まれると、バーコードリーダー13はバーコードが表すアナログ信号(識別情報)をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を管理コンピュータ11に出力する。
【0097】
管理コンピュータ11は、バーコードリーダー13から出力されたデジタル信号からバーコードが表す識別情報を読み取る(識別情報読み取り手段、識別情報読み取りプロセス)。管理コンピュータ11は、識別情報を読み取ると、図15に示すバーコード読み取り完了画面をディスプレイ15に表示する。なお、バーコードが読み取れなかった場合、管理コンピュータ11は、バーコードの再読み取り指示メッセージをディスプレイ15に表示する。
【0098】
図15のバーコード読み取り完了画面において確認ボタン60を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードが表す識別情報をハードディスクに格納する(S−12)(データ格納手段、データ格納プロセス)。管理コンピュータ11は、読み取ったバーコードからそのバーコードが表すアルミニウム板識別子(板番号)と印刷機識別子(印刷機番号)とのうちの少なくともアルミニウム板識別子を検索し、その識別子をハードディスクから抽出するとともに、その識別子に対応する再使用済回数と再使用可能回数とを抽出する。管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板識別子のアルミニウム板17の再使用済回数(B)が(0)であるか否かを判断する(S−13)(回数判断手段、回数判断プロセス)。アルミニウム板17は既に1回以上使用されているから、再使用済回数(B)が(0)ではなく、管理コンピュータ11は、再使用済回数(B)≠(0)と判断する。
【0099】
次に、管理コンピュータ11は、再使用済回数(B)が再使用可能回数(A)に達しているかを判断する(S−20)(回数比較手段、回数比較プロセス)。管理コンピュータ11は、アルミニウム板識別子からその識別子に対応するアルミニウム板17の再使用済回数(B)と再使用可能回数(A)とをハードディスクから抽出し、再使用済回数(B)と再使用可能回数(A)とを比較する。再使用済回数(B)が再使用可能回数(A)未満である場合、管理コンピュータ11は、その識別子のアルミニウム板の固有データの詳細画面をディスプレイ15に表示する(図16参照)(S−14)。
【0100】
その後、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の再使用可能回数の変更の有無を判断し(S−15)、変更有りの場合、再使用可能回数をあらたに入力されたそれに変更する(S−16)(再使用可能回数変更手段、再使用可能回数変更プロセス)。変更無の場合、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の再使用の有無を判断する(S−17)。管理コンピュータ11は、現時点においてアルミニウム板17を再使用すると判断すると、そのアルミニウム板17の使用済回数に1回を加算し(S−18)再使用済回数更新手段(再使用済回数更新プロセス)、加算した使用済回数をそのアルミニウム板17の識別子に関連付けてハードディスクに格納するデータ格納手段(データ格納プロセス)。
【0101】
管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板17の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板17の二酸化炭素削減量をハードディスクに格納し(第1削減量更新手段、第1削減量更新プロセス)、平版印刷機の機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の二酸化炭素削減量をハードディスクに格納する(第2削減量更新手段、第2削減量更新プロセス)。さらに、ユーザのユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量をハードディスクに格納する(第3削減量更新手段、第3削減量更新プロセス)。
【0102】
次に、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の印刷工程への移動確認画面をディスプレイ15に表示する(S−19)。移動確認画面には、図20に示すように、印刷工程への移動メッセージとともに、確認ボタン95、キャンセルボタン96が表示される。キャンセルボタン96を押すと、管理コンピュータ11は、図19の再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。確認ボタン95を押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0103】
管理コンピュータ11は、ステップ20(S−20)において、再使用済回数(B)が再使用可能回数(A)に達していると判断すると、その識別子のアルミニウム板17の固有データの詳細画面をディスプレイ15に表示する(S−21)(データ出力手段、データ出力プロセス)。固有データ詳細画面には、図21に示すように、ユーザ名表示エリア97にユーザ名、板番号表示エリア98に板番号(識別子)、板サイズ第1表示エリア99に板の縦寸法および横寸法、板サイズ第2表示エリア100に板の厚み寸法、印刷機名表示エリア101に印刷機名、印刷機番号表示エリア102に印刷機番号(識別子)、再使用済回数表示エリア103に再使用済回数、終了日時表示エリア104に再使用の終了日時、再使用1回についての二酸化炭素削減量表示エリア105に二酸化炭素の削減量、二酸化炭素削減量の積載値表示エリア106に終了日時における二酸化炭素削減量の積載値が表示される。さらに、ユーザ別詳細ボタン107、印刷機別詳細ボタン108、確認ボタン109が表示される。
【0104】
図21の固有データ詳細画面によって各アルミニウム板17の再使用1回についての二酸化炭素削減量、そのアルミニウム板17の終了日時における二酸化炭素削減量の積載値を知ることができる。図21の固有データ詳細画面において確認ボタン109を押すと、管理コンピュータ11は、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。なお、図21の固有データは、プリンタを介して出力することができる(データ出力手段、データ出力プロセス)。
【0105】
図21の固有データ詳細画面においてユーザ別詳細ボタン107を押すと、管理コンピュータ11は、図21の固有データ詳細画面に表示されたアルミニウム板17の各ユーザにおける二酸化炭素削減量等のユーザ別詳細画面をディスプレイ15に表示する(データ出力手段、データ出力プロセス)。ユーザ別詳細画面には、図22に示すように、ユーザ名表示エリア110にユーザ名、終了日時表示エリア111に終了日時、期間表示エリア112に期間、アルミニウム板再使用枚数表示エリア113にその期間における板の再使用枚数、二酸化炭素削減量の積算値表示エリア114にその期間における二酸化炭素削減量の積算値、1日当たりの二酸化炭素削減量表示エリア115に1日当たりの二酸化炭素削減量、確認ボタン116が表示される。
【0106】
図22のユーザ別詳細画面によって各ユーザの終了日時におけるアルミニウム板17の再使用枚数や各ユーザにおける二酸化炭素削減量の詳細を知ることができる。図17のユーザ別詳細画面において確認ボタン116を押すと、管理コンピュータ11は、図21の固有データ詳細画面をディスプレイ15に表示する。なお、図22のユーザ別データは、プリンタを介して出力することができる(データ出力手段、データ出力プロセス)。
【0107】
図21の固有データ詳細画面において印刷機別詳細ボタン108を押すと、管理コンピュータ11は、図21の固有データ詳細画面に表示されたアルミニウム板17の各ユーザにおける印刷機別の二酸化炭素削減量等の印刷機別詳細画面をディスプレイ15に表示する(データ出力手段、データ出力プロセス)。二酸化炭素削減量の印刷機別詳細画面には、図23に示すように、ユーザ名表示エリア117にユーザ名、終了日時表示エリア118に終了日時、期間表示エリア119に期間、印刷記名表示エリア120に各印刷機名、アルミニウム板再使用枚数表示エリア121にその期間における印刷機のアルミニウム板17の再使用枚数、二酸化炭素削減量の積算値表示エリア122にその期間における印刷機の二酸化炭素削減量の積算値、1日当たりの二酸化炭素削減量表示エリア123に1日当たりの二酸化炭素削減量、確認ボタン124が表示される。
【0108】
図23の印刷機別詳細画面によって各印刷機の終了日時におけるアルミニウム板17の再使用枚数や各印刷機における二酸化炭素削減量の詳細を知ることができる。図23の印刷機別詳細画面において確認ボタン124を押すと、管理コンピュータ11は、図21の固有データ詳細画面をディスプレイ15に表示する。なお、図23の印刷機別データは、プリンタを介して出力することができる(データ出力手段、データ出力プロセス)。
【0109】
アルミニウム板管理システム10および管理方法は、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にアルミニウム板17の次回の再使用を可とするから、平版印刷機に装着されるアルミニウム板17の再使用時において、そのアルミニウム板17の再使用可能回数と実際の再使用済回数とを確認しつつ、適切にアルミニウム板17を再使用することができる。管理システム10および管理方法は、再使用可能回数の分だけアルミニウム板17を再使用することができ、アルミニウム板17をそれの使用限度まで繰り返して使用することができる。
【0110】
アルミニウム板管理システム10および管理方法は、使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板17の次回の再使用を不可とするから、使用限界に達したアルミニウム板17のそれ以上の再使用を事前に防ぐことができ、印刷時の各種トラブルを防ぐことができる。この管理システム17および管理方法は、アルミニウム資源の無駄を省くことができ、二酸化炭素の排出量を大幅に削減することができる。
【符号の説明】
【0111】
10 アルミニウム板管理システム
11 管理コンピュータ
12 YAGレーザー照射装置
13 バーコードリーダー
14 キーボード
15 ディスプレイ
16 版胴
17 アルミニウム板
18a,18b 両端部
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理システムおよびアルミニウム板管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフセット印刷に代表される平版印刷では、印刷版の基材として厚さ0.3mmの平板状のアルミニウム板が用いられる。一般に、印刷版では、アルミニウム板の表面に感光層を形成し、感光層の上にネガフィルムあるいはポジフィルムを乗せてその上から光を当てて露光することによって印刷版とするPS版と呼ばれるものがある。また、アルミニウム板の表面に直接レーザー光を照射して印刷版とするCTP版と呼ばれるものがある。これらの印刷版は、印刷機に設置される版胴と呼ばれるドラム状の部品に巻装される。印刷機では、版胴の回転速度と紙やフィルム等の印刷媒体の送り量(送り速度)とを同期させることで、多量の印刷物を刷ることができる。
【0003】
ところで、平版印刷において印刷版の表面の非画像部には、インクが付着しないように均一な水膜を形成する必要がある。そのため、アルミニウム板の表面には、常に安定した親水性が要求される。安定した親水性を確保するためには、アルミニウムの純度を99.5%以上にすることが要求されるとともに、アルミニウム板の表面に砂目たてや陽極酸化等の処理を施す必要がある。その要求を満たすため、一度印刷に用いたアルミニウム板は、印刷板として再使用されることがない。
【0004】
特許文献1には、使用済みのアルミニウム板を溶解し、圧延して印刷版用のアルミニウム板を製造する方法が開示されている。しかし、アルミニウム板を溶解し、圧延するには多量の二酸化炭素が排出されるのみならず、アルミニウムの純度の調節が難しく、この方法は実用に適さず、印刷版には常に新しいアルミニウム板が使用されているのが現状である。なお、新しいアルミニウム板は、ボーキサイトから作られたバージンアルミニウムから製造される。ゆえに、その製造工程において非常に多くの二酸化炭素が排出される。
【0005】
一方、アルミニウム板の親水化処理の煩雑性の改善や親水性の安定化を目的として、たとえば特許文献2には非画像部に親水性樹脂を用いた印刷版が開示され、特許文献3には非画像部に親水性樹脂を用い、かつ、現像レスのCPT版が開示されている。それらによれば、支持体にアルミニウム板を使用したとしても、一度使用したアルミニウム板の表面に形成された画像を除去した後、そのアルミニウム板を再使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第3420817号公報(特許文献1)
特開平08−292558号公報(特許文献2)
特開2001−47755号公報(特許文献3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、アルミニウム板は、上述したように、印刷機の円柱状の版胴に巻装されて用いられるが、その際、アルミニウム板の両端部が所定の角度に折り曲げられ、折り曲げられた両端部が版胴に形成された支持スリットに差し込まれる。印刷終了後に版胴から取り外されたアルミニウム板を再使用するには、折り曲げられた両端部を折り返して直状に直さなければならない。アルミニウム板の両端部の折り曲げと折り返しとを繰り返すと、引張応力や圧縮応力によって両端部が金属疲労を起こし、端部の強度が次第に低下する。両端部の強度が低下すると、版胴への再装着時に端部が折損したり、印刷中にアルミニウム板が版胴から外れてしまう不具合が生じ、印刷時におけるトラブルの原因となる場合がある。そのため、特許文献1や特許文献2に開示された印刷版において用いられる支持体としてのアルミニウム板はその再使用が可能であるとしても、両端部の金属疲労を考慮してそれを印刷版用として再使用することはなく、新しいアルミニウム板が使用されている。このように、従来は仕様済みのアルミニウム板を再使用せず、資源の無駄が生じていたのみならず、新しいアルミニウム板を製造する際に多量の二酸化炭素が発生し、二酸化炭素の削減に寄与することができなかった。
【0008】
本発明の目的は、平版印刷機に装着されるアルミニウム板を最適な再使用回数で繰り返して使用することで、再使用されないことによる資源の無駄を省き、二酸化炭素の排出量を削減することができるアルミニウム板管理システムおよびアルミニウム板管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための本発明の第1の前提は、平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理システムである。
【0010】
前記第1の前提における本発明の特徴としては、アルミニウム板管理システムが、それらアルミニウム板に個別に設定された識別情報を読み取る識別情報読み取り手段と、それらアルミニウム板の各識別情報とそれら識別情報に対応する各アルミニウム板のあらかじめ設定された再使用可能回数とを含む固有データを格納するデータ格納手段と、アルミニウム板を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新手段と、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用可能回数と再使用済回数更新手段によって記憶した再使用済回数とを比較する回数比較手段と、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、再使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする再使用可否判断手段とを有することにある。
【0011】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの一例としては、アルミニウム板管理システムが固有データおよび再使用済回数と再使用可否判断手段によって判断した再使用可否データとを出力するデータ出力手段を有する。
【0012】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例としては、アルミニウム板管理システムが、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断手段を含み、そのアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、回数比較手段を実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、回数比較手段を実行する。
【0013】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例としては、アルミニウム板管理システムが各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更手段を有する。
【0014】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例としては、識別情報がそのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子である。
【0015】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例として、固有データには、アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量が含まれ、アルミニウム板管理システムが、アルミニウム板を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板の削減量を記憶する第1削減量更新手段を有し、データ出力手段が、アルミニウム板を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と第1削減量更新手段によって記憶したそれらアルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量とを出力する。
【0016】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例として、識別情報には、アルミニウム板を装着する平版印刷機の機器名と、その印刷機を特定する機器識別子とが含まれ、アルミニウム板管理システムが、機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の削減量を記憶する第2削減量更新手段を有し、データ出力手段が、第2削減量更新手段によって記憶したそれら印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力する。
【0017】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例として、識別情報には、アルミニウム板を使用するユーザ名と、そのユーザを特定するユーザ識別子とが含まれ、アルミニウム板管理システムが、ユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新手段を有し、データ出力手段が、第3削減量更新手段によって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力する。
【0018】
本発明に係るアルミニウム板管理システムの他の一例として、アルミニウム板の一面には、識別情報のうちの少なくともアルミニウム板識別子を表すバーコードが表示され、アルミニウム板管理システムでは、識別情報読み取り手段においてバーコードがバーコードリーダーによって読み込まれる。
【0019】
前記課題を解決するための本発明の第2の前提は、平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理方法である。
【0020】
前記第2の前提における本発明の特徴としては、アルミニウム板管理方法が、それらアルミニウム板に個別に設定された識別情報を読み取る識別情報読み取りプロセスと、それらアルミニウム板の各識別情報とそれら識別情報に対応する各アルミニウム板のあらかじめ設定された再使用可能回数とを含む固有データを格納するデータ格納プロセスと、アルミニウム板を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新プロセスと、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用可能回数と再使用済回数更新手段によって記憶した再使用済回数とを比較する回数比較プロセスと、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、再使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする再使用可否判断プロセスとを実行することにある。
【0021】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の一例としては、アルミニウム板管理方法が固有データおよび再使用済回数と再使用可否判断プロセスによって判断した再使用可否データとを出力するデータ出力プロセスを実行する。
【0022】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例としては、アルミニウム板管理方法が、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断プロセスを含み、そのアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、回数比較プロセスを実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、回数比較プロセスを実行する。
【0023】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例としては、アルミニウム板管理方法が各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更プロセスを実行する。
【0024】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例としては、識別情報がそのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子である。
【0025】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例として、固有データには、アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量が含まれ、アルミニウム板管理方法が、アルミニウム板を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板の削減量を記憶する第1削減量更新プロセスを実行し、データ出力プロセスが、アルミニウム板を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と第1削減量更新プロセスによって記憶したそれらアルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量とを出力する。
【0026】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例として、識別情報には、アルミニウム板を装着する平版印刷機の機器名と、その印刷機を特定する機器識別子とが含まれ、アルミニウム板管理方法が、機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の削減量を記憶する第2削減量更新プロセスを実行し、データ出力プロセスが、第2削減量更新プロセスによって記憶したそれら印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力する。
【0027】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例として、識別情報には、アルミニウム板を使用するユーザ名と、そのユーザを特定するユーザ識別子とが含まれ、アルミニウム板管理方法が、ユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新プロセスを実行し、データ出力プロセスが、第3削減量更新プロセスによって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力する。
【0028】
本発明に係るアルミニウム板管理方法の他の一例として、アルミニウム板の一面には、識別情報のうちの少なくともアルミニウム板識別子を表すバーコードが表示され、アルミニウム板管理方法では、識別情報読み取りプロセスにおいてバーコードがバーコードリーダーによって読み込まれる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のアルミニウム板管理システムおよび管理方法によれば、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にアルミニウム板の次回の再使用を可とするから、平版印刷機に装着されるアルミニウム板の再使用時において、そのアルミニウム板の再使用可能回数と実際の再使用済回数とを確認しつつ、適切にアルミニウム板を再使用することができる。管理システムおよび管理方法は、再使用可能回数の分だけアルミニウム板を再使用することができ、アルミニウム板をそれの使用限度まで繰り返して使用することができる。管理システムおよび管理方法は、再使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とするから、使用限界に達したアルミニウム板のそれ以上の再使用を事前に防ぐことができ、印刷時の各種トラブルを防ぐことができる。この管理システムおよび管理方法は、アルミニウム資源の無駄を省くことができ、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
【0030】
固有データおよび使用済回数と再使用可否データとを出力するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の再使用可能回数や使用済回数、再使用可、再使用不可を把握することができ、平版印刷機に装着されるアルミニウム板の再使用時において、そのアルミニウム板の再使用可能回数と実際の使用済回数とを確認しつつ、適切にアルミニウム板を再使用することができる。
【0031】
読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、そのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、回数比較手段(プロセス)を実行するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、再使用済回数が1回以上のアルミニウム板の再使用時において、そのアルミニウム板の再使用可能回数と実際の使用済回数とを確認しつつ、適切にアルミニウム板を再使用することができる。この管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板をそれの使用限度まで繰り返して使用することができるから、アルミニウム資源の無駄を省くことができ、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
【0032】
各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更手段を有するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の管理状況や再使用時の加工状況等によって、当初の再使用可能回数を変更しなければならなくなったとしても、それに対応することができ、アルミニウム板の状態によって再使用可能回数を自由に変更することができる。
【0033】
識別情報として、そのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子が含まれるアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、それらアルミニウム板を各識別子によって特定することができるから、各種複数のアルミニウム板を容易に管理することができる。この管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板識別子に対応するアルミニウム板の板サイズを特定することができるから、各種複数のアルミニウム板のサイズを容易に管理することができる。
【0034】
アルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算しつつ、アルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量を出力するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の再使用によって削減された二酸化炭素削減量を各アルミニウム板毎に把握することができ、その削減量を利用して各アルミニウム板毎の実績を評価することができる。この管理システムおよび管理方法は、削減された二酸化炭素排出量を具体的に表示することで、二酸化炭素排出量削減の実績をアピールすることができ、アルミニウム板の再使用を通じて二酸化炭素排出量低減活動を実施していることをアピールすることができる。
【0035】
平版印刷機の機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算するとともに、積算した平版印刷機の削減量を記憶し、平版印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の再使用によって削減された二酸化炭素削減量を各平版印刷機毎に把握することができ、その削減量を利用して印刷機毎の実績を評価することができる。管理システムおよび管理方法は、削減された各印刷機毎の二酸化炭素削減量を具体的に表示することで、二酸化炭素排出量削減活動の実績をアピールすることができ、アルミニウム板の再使用を通じて二酸化炭素排出量低減活動を実施していることをアピールすることができる。この管理システムおよび管理方法は、平版印刷機の機器識別子に基づいてアルミニウム板を使用する印刷機を特定することができ、そのアルミニウム板の他の印刷機における使用を防ぐことができる。
【0036】
ユーザのユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算するとともに、積算した各ユーザの削減量を記憶し、ユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力するアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、アルミニウム板の再使用によって削減された二酸化炭素削減量を各ユーザ毎に把握することができ、その削減量を利用してユーザ毎の実績を評価することができる。管理システムおよび管理方法は、削減された各ユーザ毎の二酸化炭素削減量を具体的に表示することで、二酸化炭素排出量削減活動の実績をアピールすることができ、アルミニウム板の再使用を通じて二酸化炭素排出量低減活動を実施していることをアピールすることができる。この管理システムおよび管理方法は、ユーザ識別子に基づいてアルミニウム板を使用するユーザを特定することができ、そのアルミニウム板の他のユーザにおける使用を防ぐことができる。
【0037】
識別情報のうちの少なくともアルミニウム板識別子がバーコードに格納され、そのバーコードがバーコードリーダーによって読み込まれるアルミニウム板管理システムおよび管理方法は、識別情報を表すバーコードを利用してそれらアルミニウム板を特定することができ、各種複数のアルミニウム板を容易に管理することができる。この管理システムおよび管理方法は、バーコードをアルミニウム板の一面に表示するだけであるから、アルミニウム板の管理を廉価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】一例として示すアルミニウム板管理システムの構成図。
【図2】平版印刷機に設置される版胴の一例を示す斜視図。
【図3】アルミニウム板を巻装した状態で示す版胴の斜視図。
【図4】アルミニウム板を巻装した状態の版胴の一例を示す断面図。
【図5】版胴から取り外した後のアルミニウム板の一例を示す斜視図。
【図6】システムが実行する各手段を説明するためのフローチャート。
【図7】図6から続くフローチャート。
【図8】初期画面の一例を示す図。
【図9】バーコード表示確認画面の一例を示す図。
【図10】識別情報入力画面の一例を示す図。
【図11】固有データ確認画面の一例を示す図。
【図12】バーコード表示開始画面の一例を示す図。
【図13】マーキング終了画面の一例を示す図。
【図14】バーコード読み取り指示画面の一例を示す図。
【図15】バーコード読み取り完了画面の一例を示す図。
【図16】固有データ詳細画面の一例を示す図。
【図17】ユーザ別詳細画面の一例を示す図。
【図18】印刷機別詳細画面の一例を示す図。
【図19】再使用確認画面の一例を示す図。
【図20】移動確認画面の一例を示す図。
【図21】固有データ詳細画面の他の一例を示す図。
【図22】ユーザ別詳細画面の他の一例を示す図。
【図23】印刷機別詳細画面の他の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
添付の図面に基づいて、本発明に係るアルミニウム板管理システムおよびアルミニウム板管理方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。図1は、アルミニウム板管理方法を実施する一例として示すアルミニウム板管理システム10の構成図である。この管理システム10は、各種の平版印刷機(図示せず)に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板17の管理に利用される。
【0040】
アルミニウム板管理システム10は、管理コンピュータ11およびYAGレーザー照射装置12(レーザーマーカー)と、バーコードリーダー13とから構成されている。YAGレーザー照射装置12やバーコードリーダー13は、インターフェースを介して管理コンピュータ11に接続されている。管理コンピュータ11は、中央処理部とメモリとを備え、大容量ハードディスクを搭載している。
【0041】
管理コンピュータ11には、キーボード14やマウス、スキャナー等の入力装置がインターフェースを介して接続され、ディスプレイ15やプリンタ等の出力装置がインターフェースを介して接続されている。管理コンピュータ11のハードディスクには、主要なアルミニウム板のサイズや印刷機の機種名、二酸化炭素削減量の算出式が格納され、アルミニウム板の各寸法(縦寸法、横寸法、厚み寸法)および印刷機の機種とそれらから決定されるアルミニウム板の再使用可能回数との相関関係が格納されている。
【0042】
管理コンピュータ11は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリの命令ファイルに格納されたアプリケーションを起動し、アプリケーションに従って以下の各手段を実行する。管理コンピュータ11は、各種複数のアルミニウム板17にバーコードを表示するバーコード表示手段(バーコード表示プロセス)を実行する。
【0043】
バーコードは、管理コンピュータ11とYAGレーザー照射装置12とを利用してアルミニウム板17に刻印(表示)される。YAGレーザー照射装置12は、YAGレーザーによってアルミニウム板17の面を削り、アルミニウム板17にバーコードをマーキングする。なお、YAGレーザー照射装置12とは別に、バーコードラベル作成装置によってバーコードラベルを作成し、そのラベルをアルミニウム板17の表面や裏面に貼付することもできる。
【0044】
バーコードは、各アルミニウム板17の識別情報を表す。識別情報には、アルミニウム板17を特定するアルミニウム板識別子、アルミニウム板17を使用するユーザ名(印刷会社名)、そのユーザを特定するユーザ識別子、アルミニウム板17の板サイズ、アルミニウム板17を装着する平版印刷機を特定する機器識別子、機器識別子に対応する平版印刷機の機器名がある。
【0045】
バーコードには、それら識別情報のうちの少なくともアルミニウム板識別子が格納されている。それら識別情報は、各入力装置を介して管理コンピュータ11に入力される。バーコードは、バーコードリーダー13によって読み取られる。バーコードリーダー13は、読み取ったバーコードのアナログ信号をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を管理コンピュータ11に出力する。
【0046】
管理コンピュータ11は、各アルミニウム板17に個別に表示された識別情報(バーコード)を読み取る識別情報読み取り手段(識別情報読み取りプロセス)を実行し、各アルミニウム板17の個別データを格納するデータ格納手段(データ格納プロセス)を実行する。固有データには、アルミニウム板17の各識別情報(アルミニウム板識別子、ユーザ名、ユーザ識別子、板サイズ、平版印刷機の機器識別子、平版印刷機の機器名)の他に、それら識別情報に対応する各アルミニウム板17のあらかじめ設定された再使用可能回数、アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板17のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量(削減されるCO2排出量)が含まれる。
【0047】
管理コンピュータ11は、アルミニウム板17に設定された再使用可能回数を変更する回数変更手段(回数変更プロセス)を実行する。管理コンピュータ11は、アルミニウム板17を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板17から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板17の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新手段(再使用済回数更新プロセス)を実行する。
【0048】
管理コンピュータ11は、アルミニウム板17を平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、アルミニウム板17から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板17の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板17の二酸化炭素削減量を記憶する第1削減量更新手段(第1削減量更新プロセス)を実行する。
【0049】
管理コンピュータ11は、平版印刷機の機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の二酸化炭素削減量を記憶する第2削減量更新手段(第2削減量更新プロセス)を実行する。さらに、ユーザのユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新手段(第3削減量更新プロセス)を実行する。
【0050】
管理コンピュータ11は、読み取った識別情報のアルミニウム板17の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断手段(回数判断プロセス)を実行し、読み取った識別情報のアルミニウム板17の再使用可能回数と使用済回数更新手段によって記憶した使用済回数とを比較する回数比較手段(回数比較プロセス)を実行する。さらに、使用済回数が再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板17の次回の再使用を可とし、使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板17の次回の再使用を不可とする再使用可否判断手段(再使用可否判断プロセス)を実行する。
【0051】
なお、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の再使用済回数が0回である場合、回数比較手段(回数比較プロセス)を実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、アルミニウム板17の再使用済回数が1回以上である場合、回数比較手段(回数比較プロセス)を実行する。
【0052】
管理コンピュータ11は、固有データや再使用済回数、再使用可能回数、再使用可否判断手段によって判断した再使用可否データを出力するデータ出力手段(データ出力プロセス)を実行する。管理コンピュータ11は、アルミニウム板17を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と第1削減量更新手段によって記憶したそれらアルミニウム板17の積算した二酸化炭素削減量とを出力するとともに、第2削減量更新手段によって記憶したそれら平版印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力し、第3削減量更新手段によって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力するデータ出力手段(データ出力プロセス)を実行する。
【0053】
図2は、平版印刷機に設置される版胴16の一例を示す斜視図であり、図3は、アルミニウム板17を巻装した状態で示す版胴16の斜視図である。図4は、アルミニウム板17を巻装した状態で示す版胴16の断面図であり、図5は、版胴16から取り外した後のアルミニウム板17の一例を示す斜視図である。図5では、アルミニウム板17の両端部18a,18bを折り返した状態を一点鎖線で示す。アルミニウム板管理システム10において管理するアルミニウム板17は、平版印刷機に装着されるドラム状の版胴16に巻装されて使用される。版胴16の周面には、アルミニウム板17の長さ方向両端部18a,18bを挿入して板17を版胴16に固定する2つの差し込みスリット19a,19bが形成されている。
【0054】
アルミニウム板17は、その平面形状が一方向へ長い長方形に成形され、その表面20に被印刷面が形成される。アルミニウム板17を版胴16に取り付けるには、板17の両端部18a,18bを任意の角度に折り曲げ、その一端部18aを一方のスリット19aに差し込んだ後、板17の裏面が版胴16の周面に当接するように板17を版胴16に巻き付け、さらに残りの一端部18bを他方のスリット19bに差し込む。なお、両端部18a,18bを折り曲げる角度は、アルミニウム板17を取り付ける版胴16によって異なる。
【0055】
アルミニウム板17は、印刷工程が終了すると版胴16から取り外される。そのアルミニウム板17を再使用する場合、板17の表面20に再加工処理を施す必要があるが、その際、図5に一点鎖線で示すように、折り曲げられた両端部18a,18bを直状に修正する必要がある。なお、そのアルミニウム板17の再使用時には、両端部18a,18bを再び折り曲げる必要がある。ゆえに、アルミニウム板17は、それを再使用する度毎にその両端部18a,18bの折り曲げ処理と折り曲げられた両端部18a,18bの折り返し処理とが繰り返され、引張応力や圧縮応力によって両端部18a,18bが金属疲労を起こし、それによって端部18a,18bの強度が次第に低下する。
【0056】
両端部18a,18bの強度が低下したアルミニウム板17は、それを再び版胴16に装着するときに端部18a,18bが折損して版胴16に装着することができない場合がある。さらに、両端部18a,18bの強度が低下したアルミニウム板17を版胴16に装着して印刷を開始したときに、アルミニウム板17が版胴16から外れてしまう場合があり、印刷作業に支障を来すことはもちろん、重大な事故に繋がる恐れさえある。そこで、このアルミニウム板管理システム10は、アルミニウム板17の再使用回数の限度を管理し、アルミニウム板17をその使用限界まで再使用しつつ、印刷作業に生じる支障を防止する。
【0057】
図6は、このシステム10が実行する各手段を説明するためのフローチャートであり、図7は、図6から続くフローチャートである。図8〜図23は、ディスプレイ15に表示される各表示画面の一例を示す図である。それら図に基づいてアルミニウム板管理システム10が実行する各手段を具体的に説明すると、以下のとおりである。システム10を起動すると、管理コンピュータ11は、それに接続されたディスプレイ15に認証手続き画面(図示せず)を表示する。
【0058】
管理コンピュータ11は、その起動時においてそれを利用する利用者の認証を行う。認証の目的は、管理コンピュータ11を起動した利用者が正当な権限を有するかを判断することにある。管理コンピュータ11が行う認証方式は、パスワード認証であるが、パスワード認証の他に、指紋認証や声紋認証、網膜認証、ICカード認証を行うこともできる。なお、パスワード認証としては、ワンタイムパスワードを採用することもできる。
【0059】
認証手続き画面には、ユーザ名の入力エリアとパスワードの入力エリアとが表示される。利用者は、それら入力エリアにユーザ名とパスワードとを入力する。管理コンピュータ11は、入力されたユーザ名およびパスワードをメモリに格納されたそれらと比較し、ユーザ名およびパスワードの正誤を判断する。ユーザ名およびパスワードが正しく認証結果が可である場合、管理コンピュータ11は、アルミニウム板管理システムの使用を許可し、ディスプレイ15に図8に示す初期画面を表示する。ユーザ名やパスワードが誤っていて認証結果が不可である場合、管理コンピュータ11は、アルミニウム板管理システム10の使用を禁止し、使用禁止メッセージをディスプレイ15に表示する。
【0060】
ディスプレイ15に表示された初期画面には、図8に示すように、このシステム10のタイトルとともに、スタートボタン30、ログアウトボタン31が表示される。ログアウトボタン31を押すと、このシステム10からログアウトする。スタートボタン30を押すと、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17にバーコードが表示されているかを問い合わせるためのバーコード表示確認画面をディスプレイ15に表示する。
【0061】
バーコード表示確認画面には、図9に示すように、バーコード表示の有無のメッセージとともに、YESチェックボックス32、NOチェックボックス33、実行ボタン34、キャンセルボタン35が表示される。キャンセルボタン35を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0062】
管理コンピュータ11は、YESまたはNOのチェックボックス32,33のチェックマークにより、アルミニウム板17におけるバーコード表示の有無を判断する(S−1)。最初に、アルミニウム板17にバーコードが表示されておらず、そのアルミニウム板17が「新たに管理を開始する板」である場合において、このシステム10が実行する管理手順を説明すると、以下のとおりである。
【0063】
この場合、図9のバーコード表示画面においてNOのチェックボックス33にチェックマークを入れ、実行ボタン34を押す。実行ボタン34を押すと、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17にバーコードが表示されていないと判断する(S−1)。次に、管理コンピュータ11は、識別情報入力画面をディスプレイ15に表示する。識別情報入力画面には、図10に示すように、ユーザ名入力エリア36、板サイズ第1入力エリア37(アルミニウム板の横寸法、縦寸法入力エリア)、板サイズ第2入力エリア38(アルミニウム板の厚み寸法入力エリア)、印刷機名入力エリア39(平版印刷機の機器名入力エリア)、再利用可能回数入力エリア40、自動設定ボタン41、実行ボタン42、クリアボタン43が表示される。
【0064】
入力装置を介してそれら入力エリアに各データを入力する。主要な板サイズや印刷機の機種名は管理コンピュータ11のハードディスクにあらかじめ格納されており、板サイズや機種名をプルダウンリストから選択し、選択した板サイズや機種名を入力エリア37,38,39に表示することもできる。アルミニウム板17のサイズとしては、たとえば、縦寸法が1,060mmまたは800mm、横寸法が730mmまたは620mm、厚さ寸法が0.24mmや0.28mm、0.33mmがある。
【0065】
なお、識別情報入力画面では再利用可能回数の自動設定ボタン41が反転しており、再利用可能回数は基本的に自動設定されるが、再利用可能回数入力エリア40に回数を入力することで、再利用可能回数を任意かつ自由に設定することもできる(回数変更手段、回数変更プロセス)。入力作業は、1枚のアルミニウム板17を新たに管理するときに一度だけ行うものであって、同一のアルミニウム板17では再入力する必要はない。
【0066】
図10の識別情報入力画面においてクリアボタン43を押すと、各入力エリアに入力された各データがクリアされ、入力エリアにデータを再度入力する。各データを入力した後、実行ボタン42を押すと、管理コンピュータ11は、各入力エリアに入力された識別情報を読み取り(識別情報読み取り手段、識別情報読み取りプロセス)、板サイズと印刷機の機種とから設定されたアルミニウム板17に固有の再使用可能回数(A)をハードディスクから抽出するとともに(S−2)、アルミニウム板17を特定するアルミニウム板識別子と印刷機を特定する機器識別子とを生成する(S−3)。なお、アルミニウム板17には、最初に設定される再使用可能回数(A)とは別に、それの再使用の度毎に1回ずつ回数が加算される再使用済回数(B)が設定される。管理コンピュータ11は、ステップ1(S−1)においてバーコードが表示されていないと判断すると、そのアルミニウム板17に再使用可能回数(A)とともに再使用済回数(B)=0を設定する(S−4)。
【0067】
次に、管理コンピュータ11は、固有データ確認画面をディスプレイ15に表示する(S−5)。固有データ確認画面には、図11に示すように、ユーザ名表示エリア44にユーザ名、板番号表示エリア45に板番号(識別子)、板サイズ第1表示エリア46に板の縦寸法および横寸法、板サイズ第2表示エリア47に板の厚み寸法、印刷機名表示エリア48に印刷機名、印刷機番号表示エリア49に印刷機番号(識別子)、再利用可能回数表示エリア50に再使用可能回数、再使用済回数表示エリア51に再使用済回数(0回)、確認ボタン52、キャンセルボタン53、変更ボタン54が表示される。
【0068】
それら表示エリアに表示された各データに誤りがなく、変更の必要がない場合は、確認ボタン52を押す。確認ボタン52を押すと、管理コンピュータ11は、データの変更無と判断し(S−6)、そのアルミニウム板17が1回使用された場合の二酸化炭素削減量を算出する(S−7)。管理コンピュータ11は、二酸化炭素削減量を算出した後、ユーザ名、ユーザ識別子、板サイズ、印刷機名、印刷機識別子、再使用可能回数(A)、使用回数(B)=0、使用1回における二酸化炭素削減量をアルミニウム板識別子に関連付けた状態でハードディスクに格納する(S−8)(データ格納手段、データ格納プロセス)。
【0069】
管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の各サイズを変数とし、そのアルミニウム板17が1回使用された場合の二酸化炭素削減量を以下の算出式によって求める。二酸化炭素削減量の算出式の一例は、二酸化炭素削減量(Kg)={a(24.8886×b×c―44.2)}/1,000,000である。この算出式は、社団法人日本アルミニウム協会による平成17年3月23日発表のLCIデータ概要に準拠している。算出式のうち、aは、アルミニウム板17の横方向(感光層剥離工程でコンベアの流れる方向)の長さ寸法(mm)、bは、アルミニウム板17の縦方向の長さ寸法(mm)、cは、アルミニウム板17の厚さ寸法(mm)である。なお、版タイプがCTP版の場合は、再使用の都度アルミニウム板17の厚さ寸法が表面研削により減少するから、その厚さ減少分を考慮した二酸化炭素削減量がハードディスクに格納されている。
【0070】
図11の固有データ確認画面においてキャンセルボタン53を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、固有データをすべてクリアしてシステム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。続行ボタンを押すと、管理コンピュータ11は、図11の固有データ確認画面をディスプレイ15に表示する。
【0071】
図11の固有データ確認画面において変更ボタン54を押すと、管理コンピュータ11は、識別情報の変更有と判断し(S−6)、図10の固有データ入力画面をディスプレイ15に表示し、各データを再度入力させ、ステップ2(S−2)からの手続を繰り返す。ステップ8(S−8)において各データを格納した後、管理コンピュータ11は、それら識別情報を表すバーコードを生成するとともに(S−9)、バーコード表示開始画面をディスプレイ15に表示する。
【0072】
バーコード表示開始画面には、図12に示すように、生成したバーコードとともに、開始ボタン55、キャンセルボタン56が表示される。バーコード表示開始画面においてキャンセルボタン56を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、固有データをすべてクリアしてシステム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。続行ボタンを押すと、管理コンピュータ11は、図12のバーコード表示開始画面をディスプレイ15に表示する。
【0073】
図12のバーコード表示開始画面において開始ボタン55を押すと、管理コンピュータ11は、生成したバーコードとバーコードのマーキング指令とをYAGレーザー照射装置12に出力する(バーコード表示手段、バーコード表示プロセス)。YAGレーザー照射装置12は、マーキング指令に基づいてアルミニウム板17の面に管理コンピュータ11において生成されたバーコードをマーキングする。YAGレーザー照射装置12によるバーコードのマーキング時には、アルミニウム板17がレーザー照射装置12にセットされている。
【0074】
なお、バーコードを印刷したバーコードラベルをアルミニウム板17に貼付する場合、管理コンピュータ11は、生成したバーコードとバーコードラベルの作成指令とをバーコードラベル作成装置に出力する。バーコードラベル作成装置は、作成指令に基づいて管理コンピュータ11において生成されたバーコードを印刷したバーコードラベルを作成する。作成されたバーコードラベルは、アルミニウム板17の表面や裏面に貼付される。
【0075】
YAGレーザー照射装置12によるバーコードのマーキングが終了すると、管理コンピュータ11は、マーキング終了画面をディスプレイ15に表示する。マーキング終了画面には、図13に示すように、バーコード表示完了メッセージとともに完了ボタン57が表示される。アルミニウム板17をYAGレーザー照射装置12から取り外した後、マーキング終了画面において完了ボタン57を押すと、管理コンピュータ11は、バーコード読み取り指示画面をディスプレイ15に表示する。バーコード読み取り指示画面には、図14に示すように、開始ボタン58と終了ボタン59とが表示される。
【0076】
図14のバーコード読み取り指示画面において終了ボタン59を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードの読み取り無と判断し(S−11)、図9のバーコード表示確認画面をディスプレイ15に表示する。バーコード読み取り指示画面において開始ボタン58を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードを読み取り有りと判断し(S−11)、図示はしていないが、アルミニウム板17の裏面に表示されたバーコードの読み取り指示メッセージをディスプレイ15に表示する。バーコードリーダー13を介してアルミニウム板17のバーコードが読み込まれると、バーコードリーダー13はバーコードが表すアナログ信号(識別情報)をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を管理コンピュータ11に出力する。
【0077】
管理コンピュータ11は、バーコードリーダー13から出力されたデジタル信号からバーコードが表す識別情報を読み取る(識別情報読み取り手段、識別情報読み取りプロセス)。管理コンピュータ11は、識別情報を読み取ると、バーコード読み取り完了画面をディスプレイ15に表示する。バーコード読み取り完了画面には、図15に示すように、バーコード読み取り完了メッセージとともに、読み取ったバーコード、確認ボタン60が表示される。なお、バーコードが読み取れなかった場合、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、バーコードの再読み取り指示メッセージをディスプレイ15に表示する。
【0078】
図15のバーコード読み取り完了画面において確認ボタン60を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードが表す識別情報をハードディスクに格納する(S−12)(データ格納手段、データ格納プロセス)。管理コンピュータ11は、読み取ったバーコードからそのバーコードが表すアルミニウム板識別子(板番号)と印刷機識別子(印刷機番号)とのうちの少なくともアルミニウム板識別子を検索し、その識別子をハードディスクから抽出するとともに、その識別子に対応する再使用済回数と再使用可能回数とを抽出する。
【0079】
管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板識別子のアルミニウム板17の再使用済回数(B)が(0)であるか否かを判断する(S−13)(回数判断手段、回数判断プロセス)。アルミニウム板17は初めて使用されるから、再使用済回数(B)が(0)であり、管理コンピュータ11は、再使用済回数(B)=(0)と判断する。使用回数(B)が(0)である場合、管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板識別子に対応するユーザ識別子、ユーザ名、アルミニウム板の縦寸法や横寸法、厚み寸法、印刷機識別子、印刷機名、再利用可能回数、再使用済回数、再使用1回についての二酸化炭素の削減量、二酸化炭素削減量の積載値をハードディスクから抽出し、アルミニウム板17のそれら固有データの詳細画面をディスプレイ15に表示する(S−14)データ出力手段(データ出力プロセス)。
【0080】
固有データの詳細画面には、図16に示すように、ユーザ名表示エリア61にユーザ名、板番号表示エリア62に板番号(識別子)、板サイズ第1表示エリア63に板の縦寸法および横寸法、板サイズ第2表示エリア64に板の厚み寸法、印刷機名表示エリア65に印刷機名、印刷機番号表示エリア66に印刷機番号(識別子)、再利用可能回数表示エリア67に再利用可能回数、再使用済回数表示エリア68に再使用済回数(0回)、再使用1回についての二酸化炭素削減量表示エリア69に二酸化炭素の削減量、二酸化炭素削減量の積載値表示エリア70に二酸化炭素削減量の積載値が表示される。さらに、ユーザ別詳細ボタン71、印刷機別詳細ボタン72、確認ボタン73、キャンセルボタン74が表示される。なお、再利用可能回数表示エリア67には変更ボタン75が表示される。
【0081】
図16の固有データ詳細画面によって、各アルミニウム板17の再使用1回についての二酸化炭素削減量、そのアルミニウム板17の二酸化炭素削減量の積載値を知ることができ、その削減量を利用して各アルミニウム板毎の実績を評価することができる。アルミニウム板17は初めて使用されるものであるから、二酸化炭素削減量の積載値は二酸化炭素削減量表示エリア69に表示された二酸化炭素の削減量と同一となる。図16の固有データ詳細画面においてキャンセルボタン74を押すと、管理コンピュータ11は、図14のバーコード読み取り指示画面をディスプレイ15に表示する。なお、図16の固有データは、プリンタを介して出力することができるデータ出力手段(データ出力プロセス)。
【0082】
図16の固有データ詳細画面においてユーザ別詳細ボタン71を押すと、管理コンピュータ11は、図16の固有データ詳細画面に表示されたアルミニウム板17の各ユーザにおける二酸化炭素削減量等のユーザ別詳細画面をディスプレイ15に表示するデータ出力手段(データ出力プロセス)。ユーザ別詳細画面には、図17に示すように、ユーザ名表示エリア76にユーザ名、期間表示エリア77に期間、アルミニウム板再使用枚数表示エリア78にその期間における板の再使用枚数、二酸化炭素削減量の積算値表示エリア79にその期間における二酸化炭素削減量の積算値、1日当たりの二酸化炭素削減量表示エリア80に1日当たりの二酸化炭素削減量、確認ボタン81が表示される。
【0083】
図17のユーザ別詳細画面によって、各ユーザにおけるアルミニウム板17の再使用枚数や各ユーザにおける二酸化炭素削減量の詳細を知ることができ、その削減量を利用してユーザ毎の実績を評価することができる。図17のユーザ別詳細画面において確認ボタン81を押すと、管理コンピュータ11は、図16の固有データ詳細画面をディスプレイ15に表示する。なお、図17のユーザ別データは、プリンタを介して出力することができるデータ出力手段(データ出力プロセス)。
【0084】
図16の固有データ詳細画面において印刷機別詳細ボタン72を押すと、管理コンピュータ11は、図16の固有データ詳細画面に表示されたアルミニウム板17の各ユーザにおける印刷機別の二酸化炭素削減量等の印刷機別詳細画面をディスプレイ15に表示するデータ出力手段(データ出力プロセス)。二酸化炭素削減量の印刷機別詳細画面には、図18に示すように、ユーザ名表示エリア82にユーザ名、期間表示エリア83に期間、印刷記名表示エリア84に各印刷機名、アルミニウム板再使用枚数表示エリア85にその期間における印刷機のアルミニウム板17の再使用枚数、二酸化炭素削減量の積算値表示エリア86にその期間における印刷機の二酸化炭素削減量の積算値、1日当たりの二酸化炭素削減量表示エリア87に1日当たりの二酸化炭素削減量、確認ボタン88が表示される。
【0085】
図18の印刷機別詳細画面によって、各印刷機におけるアルミニウム板17の再使用枚数や各印刷機における二酸化炭素削減量の詳細を知ることができ、その削減量を利用して印刷機毎の実績を評価することができる。図18の印刷機別詳細画面において確認ボタン88を押すと、管理コンピュータ11は、図16の固有データ詳細画面をディスプレイ15に表示する。なお、図18の印刷機別データは、プリンタを介して出力することができるデータ出力手段(データ出力プロセス)。
【0086】
図16の固有データ詳細画面において再使用可能回数に変更がある場合は、再使用可能回数表示エリア67の変更ボタン75を押す。変更ボタン75を押すと、管理コンピュータ11は、再使用可能回数に変更有りと判断し(S−15)、再使用可能回数表示エリア67に表示された再使用可能回数を消去する。再使用可能回数を変更するには、入力装置を介してその表示エリア67にあらたな再使用可能回数を入力し、確認ボタン73を押す。確認ボタン73を押すと、管理コンピュータ11は、再使用可能回数をあらたに入力されたそれに変更し(S−16)(再使用可能回数変更手段、再使用可能回数変更プロセス)、変更した再使用可能回数をアルミニウム板17の識別子に関連付けてハードディスクに格納する。このシステム10は、アルミニウム板17の管理状況や再使用時の加工状況等によって、当初の再使用可能回数を変更しなければならなくなったとしても、それに対応することができ、アルミニウム板17の状態によって再使用可能回数を自由に変更することができる。
【0087】
再使用可能回数に変更がない場合は、図16の固有データ詳細画面において確認ボタン73を押す。確認ボタン73を押すと、管理コンピュータ11は、再使用可能回数の変更無と判断し(S−15)、再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。再使用確認画面には、図19に示すように、再使用可能メッセージとともに、板番号表示エリア89に板番号(識別子)、YESチェックボックス90、NOチェックボックス91、終了チェックボックス92、実行ボタン93、クリアボタン94が表示される。
【0088】
アルミニウム板17を直ちに再使用せず、後日再使用する場合は、図19の再使用確認画面においてNOのチェックボックス91にチェックマークを入れ、実行ボタン93を押す。NOのチェックボックス91にチェックマークを入れて実行ボタン93を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、現時点においてアルミニウム板17を再使用しないと判断し(S−17)、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。続行ボタンを押すと、管理コンピュータ11は、図19の再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。
【0089】
アルミニウム板17の再使用を終了する場合は、図19の再使用確認画面において終了のチェックボックス92にチェックマークを入れ、実行ボタン93を押す。終了のチェックボックス92にチェックマークを入れて実行ボタン93を押すと、図示はしていないが、管理コンピュータ11は、キャンセルボタン、確認ボタンをディスプレイ15に表示する。その画面においてキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、図19の再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。確認ボタンを押すと、管理コンピュータ11は、使用済回数が再使用可能回数に達していなくても、換言すれば、そのアルミニウム板17の再使用が可能であるとしても、そのアルミニウム板17の再度の使用を終了(中止)する。管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0090】
再使用の終了は、アルミニウム板17が再使用可能であるにもかかわらず、たとえばアルミニウム板17の損傷や汚れ等の事情により、アルミニウム板17を今後再使用しない場合に選択する。再使用終了が確定すると、管理コンピュータ11は、終了対象のアルミニウム板17にその識別子に関連付けて再使用終了データを設定する。再使用終了データが設定されたアルミニウム板17は、以後の再使用が不可となる。
【0091】
アルミニウム板17を再使用する場合は、図19の再使用確認画面においてYESのチェックボックス90にチェックマークを入れ、実行ボタン93を押す。YESのチェックボックス90にチェックマークを入れて実行ボタン93を押すと、管理コンピュータ11は、現時点においてアルミニウム板17を再使用すると判断し(S−17)、そのアルミニウム板17の使用済回数に1回を加算し(S−18)再使用済回数更新手段(再使用済回数更新プロセス)、加算した使用済回数をそのアルミニウム板17の識別子に関連付けてハードディスクに格納するデータ格納手段(データ格納プロセス)。
【0092】
管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板17の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板17の二酸化炭素削減量をハードディスクに格納し(第1削減量更新手段、第1削減量更新プロセス)、平版印刷機の機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の二酸化炭素削減量をハードディスクに格納する(第2削減量更新手段、第2削減量更新プロセス)。さらに、ユーザのユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量をハードディスクに格納する(第3削減量更新手段、第3削減量更新プロセス)。
【0093】
次に、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の印刷工程への移動確認画面をディスプレイ15に表示する(S−19)。移動確認画面には、図20に示すように、印刷工程への移動メッセージとともに、確認ボタン95、キャンセルボタン96が表示される。キャンセルボタン96を押すと、管理コンピュータ11は、図19の再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。確認ボタン95を押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0094】
次に、アルミニウム板17が既に1回以上使用された場合、または、バーコードの表示が行われた後のアルミニウム板17において、図9のバーコード表示確認画面や図19の再使用確認画面においてシステム10を中断した場合について説明する。この場合、アルミニウム板17の裏面には、既にバーコードが表示されている。初期画面においてスタートボタン30を押し、図9のバーコード表示確認画面を表示させる。バーコード表示確認画面においてYESのチェックボックス32にチェックマークを入れ、実行ボタン34を押す。実行ボタン34を押すと、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17にバーコードが表示されていると判断し(S−1)、図14に示すバーコード読み取り指示画面をディスプレイ15に表示する。
【0095】
バーコード読み取り指示画面において終了ボタン59を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードを読み取らないと判断し(S−11)、図9のバーコード表示確認画面をディスプレイ15に表示する。この場合、バーコード表示確認画面のキャンセルボタン35を押す。キャンセルボタン35を押すと、管理コンピュータ11は、システム10の続行の有無を問い合わせるメッセージとともに、続行ボタン、キャンセルボタンをディスプレイ15に表示する。さらにキャンセルボタンを押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0096】
バーコード読み取り指示画面において開始ボタン58を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードを読み取ると判断し(S−11)、アルミニウム板17の裏面に表示されたバーコードの読み取り指示メッセージをディスプレイ15に表示する。バーコードリーダー13を介してアルミニウム板17のバーコードが読み込まれると、バーコードリーダー13はバーコードが表すアナログ信号(識別情報)をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を管理コンピュータ11に出力する。
【0097】
管理コンピュータ11は、バーコードリーダー13から出力されたデジタル信号からバーコードが表す識別情報を読み取る(識別情報読み取り手段、識別情報読み取りプロセス)。管理コンピュータ11は、識別情報を読み取ると、図15に示すバーコード読み取り完了画面をディスプレイ15に表示する。なお、バーコードが読み取れなかった場合、管理コンピュータ11は、バーコードの再読み取り指示メッセージをディスプレイ15に表示する。
【0098】
図15のバーコード読み取り完了画面において確認ボタン60を押すと、管理コンピュータ11は、バーコードが表す識別情報をハードディスクに格納する(S−12)(データ格納手段、データ格納プロセス)。管理コンピュータ11は、読み取ったバーコードからそのバーコードが表すアルミニウム板識別子(板番号)と印刷機識別子(印刷機番号)とのうちの少なくともアルミニウム板識別子を検索し、その識別子をハードディスクから抽出するとともに、その識別子に対応する再使用済回数と再使用可能回数とを抽出する。管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板識別子のアルミニウム板17の再使用済回数(B)が(0)であるか否かを判断する(S−13)(回数判断手段、回数判断プロセス)。アルミニウム板17は既に1回以上使用されているから、再使用済回数(B)が(0)ではなく、管理コンピュータ11は、再使用済回数(B)≠(0)と判断する。
【0099】
次に、管理コンピュータ11は、再使用済回数(B)が再使用可能回数(A)に達しているかを判断する(S−20)(回数比較手段、回数比較プロセス)。管理コンピュータ11は、アルミニウム板識別子からその識別子に対応するアルミニウム板17の再使用済回数(B)と再使用可能回数(A)とをハードディスクから抽出し、再使用済回数(B)と再使用可能回数(A)とを比較する。再使用済回数(B)が再使用可能回数(A)未満である場合、管理コンピュータ11は、その識別子のアルミニウム板の固有データの詳細画面をディスプレイ15に表示する(図16参照)(S−14)。
【0100】
その後、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の再使用可能回数の変更の有無を判断し(S−15)、変更有りの場合、再使用可能回数をあらたに入力されたそれに変更する(S−16)(再使用可能回数変更手段、再使用可能回数変更プロセス)。変更無の場合、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の再使用の有無を判断する(S−17)。管理コンピュータ11は、現時点においてアルミニウム板17を再使用すると判断すると、そのアルミニウム板17の使用済回数に1回を加算し(S−18)再使用済回数更新手段(再使用済回数更新プロセス)、加算した使用済回数をそのアルミニウム板17の識別子に関連付けてハードディスクに格納するデータ格納手段(データ格納プロセス)。
【0101】
管理コンピュータ11は、そのアルミニウム板17の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板17の二酸化炭素削減量をハードディスクに格納し(第1削減量更新手段、第1削減量更新プロセス)、平版印刷機の機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の二酸化炭素削減量をハードディスクに格納する(第2削減量更新手段、第2削減量更新プロセス)。さらに、ユーザのユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量をハードディスクに格納する(第3削減量更新手段、第3削減量更新プロセス)。
【0102】
次に、管理コンピュータ11は、アルミニウム板17の印刷工程への移動確認画面をディスプレイ15に表示する(S−19)。移動確認画面には、図20に示すように、印刷工程への移動メッセージとともに、確認ボタン95、キャンセルボタン96が表示される。キャンセルボタン96を押すと、管理コンピュータ11は、図19の再使用確認画面をディスプレイ15に表示する。確認ボタン95を押すと、管理コンピュータ11は、システム10の手続を一時終了し、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。
【0103】
管理コンピュータ11は、ステップ20(S−20)において、再使用済回数(B)が再使用可能回数(A)に達していると判断すると、その識別子のアルミニウム板17の固有データの詳細画面をディスプレイ15に表示する(S−21)(データ出力手段、データ出力プロセス)。固有データ詳細画面には、図21に示すように、ユーザ名表示エリア97にユーザ名、板番号表示エリア98に板番号(識別子)、板サイズ第1表示エリア99に板の縦寸法および横寸法、板サイズ第2表示エリア100に板の厚み寸法、印刷機名表示エリア101に印刷機名、印刷機番号表示エリア102に印刷機番号(識別子)、再使用済回数表示エリア103に再使用済回数、終了日時表示エリア104に再使用の終了日時、再使用1回についての二酸化炭素削減量表示エリア105に二酸化炭素の削減量、二酸化炭素削減量の積載値表示エリア106に終了日時における二酸化炭素削減量の積載値が表示される。さらに、ユーザ別詳細ボタン107、印刷機別詳細ボタン108、確認ボタン109が表示される。
【0104】
図21の固有データ詳細画面によって各アルミニウム板17の再使用1回についての二酸化炭素削減量、そのアルミニウム板17の終了日時における二酸化炭素削減量の積載値を知ることができる。図21の固有データ詳細画面において確認ボタン109を押すと、管理コンピュータ11は、図8の初期画面をディスプレイ15に表示する。なお、図21の固有データは、プリンタを介して出力することができる(データ出力手段、データ出力プロセス)。
【0105】
図21の固有データ詳細画面においてユーザ別詳細ボタン107を押すと、管理コンピュータ11は、図21の固有データ詳細画面に表示されたアルミニウム板17の各ユーザにおける二酸化炭素削減量等のユーザ別詳細画面をディスプレイ15に表示する(データ出力手段、データ出力プロセス)。ユーザ別詳細画面には、図22に示すように、ユーザ名表示エリア110にユーザ名、終了日時表示エリア111に終了日時、期間表示エリア112に期間、アルミニウム板再使用枚数表示エリア113にその期間における板の再使用枚数、二酸化炭素削減量の積算値表示エリア114にその期間における二酸化炭素削減量の積算値、1日当たりの二酸化炭素削減量表示エリア115に1日当たりの二酸化炭素削減量、確認ボタン116が表示される。
【0106】
図22のユーザ別詳細画面によって各ユーザの終了日時におけるアルミニウム板17の再使用枚数や各ユーザにおける二酸化炭素削減量の詳細を知ることができる。図17のユーザ別詳細画面において確認ボタン116を押すと、管理コンピュータ11は、図21の固有データ詳細画面をディスプレイ15に表示する。なお、図22のユーザ別データは、プリンタを介して出力することができる(データ出力手段、データ出力プロセス)。
【0107】
図21の固有データ詳細画面において印刷機別詳細ボタン108を押すと、管理コンピュータ11は、図21の固有データ詳細画面に表示されたアルミニウム板17の各ユーザにおける印刷機別の二酸化炭素削減量等の印刷機別詳細画面をディスプレイ15に表示する(データ出力手段、データ出力プロセス)。二酸化炭素削減量の印刷機別詳細画面には、図23に示すように、ユーザ名表示エリア117にユーザ名、終了日時表示エリア118に終了日時、期間表示エリア119に期間、印刷記名表示エリア120に各印刷機名、アルミニウム板再使用枚数表示エリア121にその期間における印刷機のアルミニウム板17の再使用枚数、二酸化炭素削減量の積算値表示エリア122にその期間における印刷機の二酸化炭素削減量の積算値、1日当たりの二酸化炭素削減量表示エリア123に1日当たりの二酸化炭素削減量、確認ボタン124が表示される。
【0108】
図23の印刷機別詳細画面によって各印刷機の終了日時におけるアルミニウム板17の再使用枚数や各印刷機における二酸化炭素削減量の詳細を知ることができる。図23の印刷機別詳細画面において確認ボタン124を押すと、管理コンピュータ11は、図21の固有データ詳細画面をディスプレイ15に表示する。なお、図23の印刷機別データは、プリンタを介して出力することができる(データ出力手段、データ出力プロセス)。
【0109】
アルミニウム板管理システム10および管理方法は、再使用済回数が再使用可能回数未満の場合にアルミニウム板17の次回の再使用を可とするから、平版印刷機に装着されるアルミニウム板17の再使用時において、そのアルミニウム板17の再使用可能回数と実際の再使用済回数とを確認しつつ、適切にアルミニウム板17を再使用することができる。管理システム10および管理方法は、再使用可能回数の分だけアルミニウム板17を再使用することができ、アルミニウム板17をそれの使用限度まで繰り返して使用することができる。
【0110】
アルミニウム板管理システム10および管理方法は、使用済回数が再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板17の次回の再使用を不可とするから、使用限界に達したアルミニウム板17のそれ以上の再使用を事前に防ぐことができ、印刷時の各種トラブルを防ぐことができる。この管理システム17および管理方法は、アルミニウム資源の無駄を省くことができ、二酸化炭素の排出量を大幅に削減することができる。
【符号の説明】
【0111】
10 アルミニウム板管理システム
11 管理コンピュータ
12 YAGレーザー照射装置
13 バーコードリーダー
14 キーボード
15 ディスプレイ
16 版胴
17 アルミニウム板
18a,18b 両端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理システムにおいて、
前記アルミニウム板管理システムが、それらアルミニウム板に個別に設定された識別情報を読み取る識別情報読み取り手段と、それらアルミニウム板の各識別情報とそれら識別情報に対応する各アルミニウム板のあらかじめ設定された再使用可能回数とを含む固有データを格納するデータ格納手段と、前記アルミニウム板を前記平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、前記アルミニウム板から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新手段と、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用可能回数と前記再使用済回数更新手段によって記憶した再使用済回数とを比較する回数比較手段と、前記再使用済回数が前記再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、前記再使用済回数が前記再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする再使用可否判断手段とを有することを特徴とするアルミニウム板管理システム。
【請求項2】
前記アルミニウム板管理システムが、前記固有データおよび前記再使用済回数と前記再使用可否判断手段によって判断した再使用可否データとを出力するデータ出力手段を有する請求項1記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項3】
前記アルミニウム板管理システムが、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断手段を含み、そのアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、前記回数比較手段を実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、前記回数比較手段を実行する請求項1または請求項2に記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項4】
前記アルミニウム板管理システムが、各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更手段を有する請求項1ないし請求項3いずれかに記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項5】
前記識別情報が、そのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子である請求項1ないし請求項4いずれかに記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項6】
前記固有データには、前記アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量が含まれ、前記アルミニウム板管理システムが、前記アルミニウム板を前記平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、前記アルミニウム板から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板の削減量を記憶する第1削減量更新手段を有し、前記データ出力手段が、前記アルミニウム板を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と前記第1削減量更新手段によって記憶したそれらアルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量とを出力する請求項5記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項7】
前記識別情報には、前記アルミニウム板を装着する平版印刷機の機器名と、その印刷機を特定する機器識別子とが含まれ、前記アルミニウム板管理システムが、前記機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の削減量を記憶する第2削減量更新手段を有し、前記データ出力手段が、前記第2削減量更新手段によって記憶したそれら印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力する請求項6記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項8】
前記識別情報には、前記アルミニウム板を使用するユーザ名と、そのユーザを特定するユーザ識別子とが含まれ、前記アルミニウム板管理システムが、前記ユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新手段を有し、前記データ出力手段が、前記第3削減量更新手段によって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力する請求項6記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項9】
前記アルミニウム板の一面には、前記識別情報のうちの少なくとも前記アルミニウム板識別子を表すバーコードが表示され、前記アルミニウム板管理システムでは、前記識別情報読み取り手段において前記バーコードがバーコードリーダーによって読み込まれる請求項5ないし請求項8いずれかに記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項10】
平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理方法において、
前記アルミニウム板管理方法が、それらアルミニウム板に個別に設定された識別情報を読み取る識別情報読み取りプロセスと、それらアルミニウム板の各識別情報とそれら識別情報に対応する各アルミニウム板のあらかじめ設定された再使用可能回数とを含む固有データを格納するデータ格納プロセスと、前記アルミニウム板を前記平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、前記アルミニウム板から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新プロセスと、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用可能回数と前記再使用済回数更新手段によって記憶した再使用済回数とを比較する回数比較プロセスと、前記再使用済回数が前記再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、前記再使用済回数が前記再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする再使用可否判断プロセスとを実行することを特徴とするアルミニウム板管理方法。
【請求項11】
前記アルミニウム板管理方法が、前記固有データおよび前記再使用済回数と前記再使用可否判断プロセスによって判断した再使用可否データとを出力するデータ出力プロセスを実行する請求項10記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項12】
前記アルミニウム板管理方法が、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断プロセスを含み、そのアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、前記回数比較プロセスを実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、前記回数比較プロセスを実行する請求項10または請求項11に記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項13】
前記アルミニウム板管理方法が、各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更プロセスを実行する請求項10ないし請求項12いずれかに記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項14】
前記識別情報が、そのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子である請求項10ないし請求項13いずれかに記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項15】
前記固有データには、前記アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量が含まれ、前記アルミニウム板管理方法が、前記アルミニウム板を前記平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、前記アルミニウム板から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板の削減量を記憶する第1削減量更新プロセスを実行し、前記データ出力プロセスが、前記アルミニウム板を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と前記第1削減量更新プロセスによって記憶したそれらアルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量とを出力する請求項14記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項16】
前記識別情報には、前記アルミニウム板を装着する平版印刷機の機器名と、その印刷機を特定する機器識別子とが含まれ、前記アルミニウム板管理方法が、前記機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の削減量を記憶する第2削減量更新プロセスを実行し、前記データ出力プロセスが、前記第2削減量更新プロセスによって記憶したそれら印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力する請求項15記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項17】
前記識別情報には、前記アルミニウム板を使用するユーザ名と、そのユーザを特定するユーザ識別子とが含まれ、前記アルミニウム板管理方法が、前記ユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新プロセスを実行し、前記データ出力プロセスが、前記第3削減量更新プロセスによって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力する請求項15記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項18】
前記アルミニウム板の一面には、前記識別情報のうちの少なくとも前記アルミニウム板識別子を表すバーコードが表示され、前記アルミニウム板管理方法では、前記識別情報読み取りプロセスにおいて前記バーコードがバーコードリーダーによって読み込まれる請求項14ないし請求項17いずれかに記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項1】
平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理システムにおいて、
前記アルミニウム板管理システムが、それらアルミニウム板に個別に設定された識別情報を読み取る識別情報読み取り手段と、それらアルミニウム板の各識別情報とそれら識別情報に対応する各アルミニウム板のあらかじめ設定された再使用可能回数とを含む固有データを格納するデータ格納手段と、前記アルミニウム板を前記平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、前記アルミニウム板から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新手段と、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用可能回数と前記再使用済回数更新手段によって記憶した再使用済回数とを比較する回数比較手段と、前記再使用済回数が前記再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、前記再使用済回数が前記再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする再使用可否判断手段とを有することを特徴とするアルミニウム板管理システム。
【請求項2】
前記アルミニウム板管理システムが、前記固有データおよび前記再使用済回数と前記再使用可否判断手段によって判断した再使用可否データとを出力するデータ出力手段を有する請求項1記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項3】
前記アルミニウム板管理システムが、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断手段を含み、そのアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、前記回数比較手段を実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、前記回数比較手段を実行する請求項1または請求項2に記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項4】
前記アルミニウム板管理システムが、各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更手段を有する請求項1ないし請求項3いずれかに記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項5】
前記識別情報が、そのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子である請求項1ないし請求項4いずれかに記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項6】
前記固有データには、前記アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量が含まれ、前記アルミニウム板管理システムが、前記アルミニウム板を前記平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、前記アルミニウム板から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板の削減量を記憶する第1削減量更新手段を有し、前記データ出力手段が、前記アルミニウム板を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と前記第1削減量更新手段によって記憶したそれらアルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量とを出力する請求項5記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項7】
前記識別情報には、前記アルミニウム板を装着する平版印刷機の機器名と、その印刷機を特定する機器識別子とが含まれ、前記アルミニウム板管理システムが、前記機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の削減量を記憶する第2削減量更新手段を有し、前記データ出力手段が、前記第2削減量更新手段によって記憶したそれら印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力する請求項6記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項8】
前記識別情報には、前記アルミニウム板を使用するユーザ名と、そのユーザを特定するユーザ識別子とが含まれ、前記アルミニウム板管理システムが、前記ユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新手段を有し、前記データ出力手段が、前記第3削減量更新手段によって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力する請求項6記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項9】
前記アルミニウム板の一面には、前記識別情報のうちの少なくとも前記アルミニウム板識別子を表すバーコードが表示され、前記アルミニウム板管理システムでは、前記識別情報読み取り手段において前記バーコードがバーコードリーダーによって読み込まれる請求項5ないし請求項8いずれかに記載のアルミニウム板管理システム。
【請求項10】
平版印刷機に着脱可能に装着される各種複数のアルミニウム板を管理するアルミニウム板管理方法において、
前記アルミニウム板管理方法が、それらアルミニウム板に個別に設定された識別情報を読み取る識別情報読み取りプロセスと、それらアルミニウム板の各識別情報とそれら識別情報に対応する各アルミニウム板のあらかじめ設定された再使用可能回数とを含む固有データを格納するデータ格納プロセスと、前記アルミニウム板を前記平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、前記アルミニウム板から読み取った識別情報に基づいてその識別情報のアルミニウム板の再使用済回数に1回を加算し、加算した再使用済回数を記憶する再使用済回数更新プロセスと、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用可能回数と前記再使用済回数更新手段によって記憶した再使用済回数とを比較する回数比較プロセスと、前記再使用済回数が前記再使用可能回数未満の場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、前記再使用済回数が前記再使用可能回数に達している場合にそのアルミニウム板の次回の再使用を不可とする再使用可否判断プロセスとを実行することを特徴とするアルミニウム板管理方法。
【請求項11】
前記アルミニウム板管理方法が、前記固有データおよび前記再使用済回数と前記再使用可否判断プロセスによって判断した再使用可否データとを出力するデータ出力プロセスを実行する請求項10記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項12】
前記アルミニウム板管理方法が、読み取った識別情報のアルミニウム板の再使用済回数が1回以上であるかを判断する回数判断プロセスを含み、そのアルミニウム板の再使用済回数が0回である場合、前記回数比較プロセスを実行することなくそのアルミニウム板の次回の再使用を可とし、そのアルミニウム板の再使用済回数が1回以上である場合、前記回数比較プロセスを実行する請求項10または請求項11に記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項13】
前記アルミニウム板管理方法が、各アルミニウム板に設定された再使用可能回数を変更する回数変更プロセスを実行する請求項10ないし請求項12いずれかに記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項14】
前記識別情報が、そのアルミニウム板を特定するアルミニウム板識別子とそのアルミニウム板の板サイズとのうちの少なくともアルミニウム板識別子である請求項10ないし請求項13いずれかに記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項15】
前記固有データには、前記アルミニウム板識別子に対応するそれらアルミニウム板のそれを1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量が含まれ、前記アルミニウム板管理方法が、前記アルミニウム板を前記平版印刷機に装着して印刷を行った度毎に、前記アルミニウム板から読み取ったアルミニウム板識別子に基づいてその識別子のアルミニウム板の二酸化炭素削減量を積算し、積算したアルミニウム板の削減量を記憶する第1削減量更新プロセスを実行し、前記データ出力プロセスが、前記アルミニウム板を1回再使用することから削減される二酸化炭素削減量と前記第1削減量更新プロセスによって記憶したそれらアルミニウム板の積算した二酸化炭素削減量とを出力する請求項14記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項16】
前記識別情報には、前記アルミニウム板を装着する平版印刷機の機器名と、その印刷機を特定する機器識別子とが含まれ、前記アルミニウム板管理方法が、前記機器識別子に基づいてその識別子の平版印刷機の二酸化炭素削減量を積算し、積算した各印刷機の削減量を記憶する第2削減量更新プロセスを実行し、前記データ出力プロセスが、前記第2削減量更新プロセスによって記憶したそれら印刷機の積算した二酸化炭素削減量を出力する請求項15記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項17】
前記識別情報には、前記アルミニウム板を使用するユーザ名と、そのユーザを特定するユーザ識別子とが含まれ、前記アルミニウム板管理方法が、前記ユーザ識別子に基づいてその識別子のユーザの二酸化炭素削減量を積算し、積算した各ユーザの削減量を記憶する第3削減量更新プロセスを実行し、前記データ出力プロセスが、前記第3削減量更新プロセスによって記憶したそれらユーザの積算した二酸化炭素削減量を出力する請求項15記載のアルミニウム板管理方法。
【請求項18】
前記アルミニウム板の一面には、前記識別情報のうちの少なくとも前記アルミニウム板識別子を表すバーコードが表示され、前記アルミニウム板管理方法では、前記識別情報読み取りプロセスにおいて前記バーコードがバーコードリーダーによって読み込まれる請求項14ないし請求項17いずれかに記載のアルミニウム板管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図20】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−188622(P2010−188622A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35673(P2009−35673)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(502275953)日本フォトケミカル株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(502275953)日本フォトケミカル株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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