説明

アレルギーワクチンの用量漸増のための医薬品

本発明は、アレルゲンと任意にアジュバントとを含む医薬品の、アレルギーワクチン接種の関係における迅速な用量漸増のための使用であって、用いる注射回数が低減した使用に関する。本発明は、そのような医薬品自体にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレルゲンと任意にアジュバントとを含む医薬品の、アレルギーワクチン接種の関係における迅速な用量漸増(up-dosing)のための使用であって、用いる注射回数が低減した使用に関する。本発明は、そのような医薬品自体にも関する。
【背景技術】
【0002】
アレルギーは、西洋式の生活様式の国における主要な健康問題である。さらに、アレルギー疾患の有病率は、これらの国々で増加している。一般的には、アレルギーは、生命を脅かす疾患とは考えられないが、喘息は、毎年、著しい数の死亡数の原因である。10代の若者の約30%という異例の有病率は、生活の質、労働日数及び賃金における実質的な損失を意味し、西洋世界における主要な健康問題として分類されることが正当化される。
【0003】
臨床アレルギー発現及び症状はいくつかあり、感作された個体及び罹患したアレルギーに応じて変動し得る。一般的なものは、浮腫、そう痒、発赤並びに流涙及び鼻汁(鼻炎及び結膜炎)のような症状、並びに喘鳴、咳、息切れのような上下気道からの症状、湿疹、じんま疹及びそう痒のような皮膚状態である。疲労のようなその他の症状も経験する。対症療法は、症状の重篤度を低減するか若しくはそれに影響するか、又は並行して与えられるその他の薬物の必要性を低減することを目的とする。対症薬物は、H1及びH2受容体アンタゴニストのような抗ヒスタミン剤、鼻腔内及び全身性コルチコステロイド類、非ステロイド性抗炎症薬、アドレナリン受容体アゴニストのような経鼻うっ血除去薬を含む。1以上のアレルギー症状の治療及び緩和並びに/又はその他の薬物療法の必要性の低減が、本発明のさらなる目的である。
【0004】
対症薬物は、安全で効果的である。しかし、これらは、疾患の本来の原因を変更せず、疾患の蔓延を制御しない。治療上の選択肢は、問題のアレルゲンを原因とするアレルギー症状がほとんどの場合低減されるか又は緩和される特異的アレルギーワクチン接種である。
従来の特異的アレルギーワクチン接種(脱感作)は、アレルギー疾患についての原因療法である。これは、基本的な免疫機構に干渉して、患者の免疫状態の持続的な改善をもたらす。つまり、特異的アレルギーワクチン接種の保護的効果は、対症薬物治療とは対照的に、治療期間を超えて及ぶ。治療を受けた患者のいくらかは治癒され、さらに、ほとんどの患者は、疾患の重篤度及び経験した症状の緩和を経験するか、又は少なくとも疾患悪化の阻止を経験する。つまり、特異的アレルギーワクチン接種は、花粉症が喘息に発展する危険性、及び新しい感受性を生じる危険性を低減する予防的効果を有する。
【0005】
従来の特異的アレルギーワクチン接種又は脱感作は、長期間にわたって投与される複数回の皮下アレルゲン免疫化を用いて行われる(SCIT、SIT又は皮下免疫療法とも呼ばれる)。この経過は、2つの段階、すなわち、用量漸増段階及び維持段階に分けられる。用量漸増段階において、典型的には16週間にわたって、微少用量から開始してアレルゲンの漸増用量が投与される。推奨される維持量に到達したときに、このアレルゲンの用量を、典型的には6週間毎の注射を用いる維持段階に用いる。各注射の後に、患者は、アナフィラキシー副反応の危険性のために30分間は医療手当を受けたままでいなければならないが、これは原則的に、生命を脅かし得るのは非常に希である。さらに、診療所は、緊急処置を支持するために準備しておく必要がある。
【0006】
アレルギーの個体は、異なる症状を示し、同じアレルゲンに曝露した場合でさえそれらの症状の重篤度の程度が異なる不均質な群であるので、有効用量は変動し得る。許容できない副作用を経験することなくより大きい用量に耐性を有し得る患者もいれば、過敏性の患者もいる。高い用量レベルに到達するまで漸増用量を与える場合もある。なぜなら、一般的に、より大きい用量が、より有効な用量であると考えられているからである。
【0007】
Alutard SQ (Alk-Abello A/S)は、水酸化アルミニウムに吸着されたアレルゲンを含有する皮下注射のための懸濁剤の形態のデポ製剤である。Alutard SQは、長年、販売されている。
Alutard SQについての維持量は個別の患者に依存し、皮下注射として4〜8週間毎に与えられる10,000 SQ-U〜100,000 SQ-Uが適切である。最適な効果を達成するために、100,000 SQ-Uの最大量を用いる。しかし、10,000 SQ-Uほど低い維持量が、ある程度の効果を有することが示されている,Frew AJ, Powell RJ, Corrigan CJ, Durham SR. Efficacy and safety of specific immunotherapy with SQ allergen extract in treatment-resistant seasonal allergic rhinoconjunctivitis. J Allergy Clin Immunol 2006 Feb;117(2):319〜25。
【0008】
用量漸増は、より高い用量のアレルゲンに対して患者が徐々に慣れることを可能にすることにより、重篤な有害作用を回避するために、通常、行われる。
Alutard SQについて、用量漸増は、以下の表1に示すようにして行い得る。
【0009】
【表1】

【0010】
Alutard SQについて、用量漸増段階におけるそれぞれの増加投与間の推奨間隔は、1週間である。しかし、14日までの間隔が許される。前の投与から14日より長く経過した場合は、前の用量を反復するか、又は用量を低減する。
Alutard SQについての8ステップ用量漸増計画が、スカンジナビア諸国において数年間用いられている。この用量漸増計画は、1週間間隔の8回の訪問からなり、各訪問中に2〜3のクラスタ注射を行う。よって、100,000 SQ-Uの維持量に8週間で到達できる。16,000 SQ-Uの用量には、3回の訪問後、合計で7回の注射により到達できる,Mellerup MT, Hahn GW, Poulsen LK, Malling H. Safety of allergen-specific immunotherapy, Relation between dosage regimen, allergen extract, disease and systemic side-effects during induction treatment, Clin Exp Allergy 2000 Oct;30(10):1423〜9。
【0011】
Pangramin Plus (ALK-Abello SpA)及びALK-7 (ALK-Scherax)のようなその他の製品は、7週間で100,000 SQ-Uの維持量に到達することを可能にする。
【0012】
最近、SITにおける維持量に、連続する数日にわたって与えられる増加用量により到達できる(超急速(ultra-rush) SIT)ことが記載され、どのようにして100,000 SQ-Uの維持量に、3日連続でのカンバアレルゲンの漸増用量の皮下注射後の第3日目に到達したかが記載されている,Mansson, A.ら, Ultra-rush specific immunotherapy against birch pollen-induced allergic rhinitis induces alterations in leukocyte phenotype, EAACHI, 第88号増刊, 第63巻, 2008, アブストラクト12。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
アレルゲンを含む医薬品の維持量に、より少ない注射を含む用量漸増計画により到達できることが、今回、見出された。用量漸増段階における各増加用量間の柔軟な時間間隔を用い得ることも見出された。各増加用量間の間隔は、1日ほど短く、14日ほど長くあってよく、このことにより、患者が用量漸増段階における注射の日を、既知の用量漸増計画により可能になるよりもより自由に選んで選択することが可能になる。維持量に到達するまでの注射の回数は、5回、4回、3回又は2回の注射ほど少ないことが可能である。
【0014】
Alutard SQ製品と比較して、低減された用量のアレルゲン(維持量として15,000 SQ-U)を有する組成物が非常に効果的であり得ることも見出された。
【0015】
本発明によると、維持量は、典型的には、0.5〜0.6 mgアルミニウムイオンに相当する量の水酸化アルミニウムに適切に吸着された15,000 SQ-Uであり、このことは、注射される水酸化アルミニウムの量が、100,000 SQ-Uの用量のAlutard SQで注射される量と比較して50%低減されることを意味する。
アジュバントとして水酸化アルミニウムを含有する組成物中の水酸化アルミニウムのより低い量は、水酸化アルミニウムによる注射部位での有害反応を低減し、各注射で投与されるアレルゲンの量がさらにより低いことは、アナフィラキシーショックのような有害反応の危険性を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
よって、本発明は、アレルゲンの1つの濃度を有する組成物を含む1ユニット又はアレルゲンの異なる濃度を有する組成物を含む複数の別々のユニットを含むアレルギーワクチン接種の関係における用量漸増のための医薬品の製造のための、アレルゲンと任意にアジュバントとを含む組成物の使用であって、該医薬品が、漸増量のアレルゲンを含有する2〜10回、好ましくは2〜6回の皮下注射での投与のための形態で提供され、皮下注射同士の間隔が、1〜14日の範囲で柔軟であることを特徴とする使用に関する。
【0017】
好ましい実施形態において、アレルゲンは、水酸化アルミニウムに吸着される。
別の実施形態において、医薬組成物は、アジュバントを含有しない。
本発明は、そのような医薬品自体にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、いくつかの驚くべき研究結果に基づいており、これらのいずれも、成功の合理的な見込みを持って先天的に予測することは可能でなかった。
まず、アレルゲンを用いる脱感作療法の関係における用量漸増が、既知の用量漸増計画と比較して、より迅速でより柔軟な方法で行うことができることがわかった。
第2に、本発明は、維持量中のアレルゲンの量を著しく低減し得るという研究結果に基づく。
第3に、本発明は、各注射で与えられる水酸化アルミニウムのようなアジュバントの量を低減することも可能であるという研究結果に基づく。
【0019】
本発明のある実施形態によると、医薬品は、アレルゲンの異なる濃度を有する本発明の組成物を含有する1〜6ユニット、好ましくは1〜5ユニット、より好ましくは1〜4ユニット、より好ましくは1〜3ユニット、さらにより好ましくは2〜3ユニット、最も好ましくは2ユニットを含む。
「本発明の組成物を含むか又は含有するユニット」とは、通常は液体の形態であり、例えば懸濁物又はゲルの形態である本発明の組成物のためのバイアル、フラスコ、アンプル又は任意のその他の適切な容器であり得る。
【0020】
アレルゲンの漸増量は、同じ組成物の異なる容量として、又はアレルゲンの異なる濃度を有する組成物の同じ容量として投与できる。
【0021】
ある実施形態において、用量漸増のための医薬品は、アレルゲンの量が増加する2〜6回、より好ましくは2〜5回、より好ましくは2〜4回、より好ましくは2〜3回、最も好ましくは2回の注射又は3回の皮下注射として投与される。
別の実施形態において、用量漸増のための医薬品は、アレルゲンの量が増加する3〜8回、より好ましくは4〜7回、より好ましくは5〜6回、最も好ましくは5回の皮下注射として投与される。
さらに別の実施形態において、医薬品は、アレルゲンの量が増加する6〜9回、より好ましくは7〜8回、最も好ましくは8回の皮下注射として投与される。
別の実施形態において、用量漸増のための医薬品は、アレルゲンの量が増加する4、5、6又は7回の注射として投与される。
【0022】
本発明のさらなる実施形態によると、皮下注射同士の間隔は、3〜14日である。
本発明のさらなる実施形態によると、皮下注射同士の間隔は、3〜4日(週2回)又は7日(週1回)である。
本発明のさらなる実施形態によると、皮下注射同士の間隔は、1〜7日、より好ましくは1〜6日、より好ましくは1〜4日、より好ましくは1〜3日、より好ましくは1〜2日、最も好ましくは1日である。
【0023】
ある好ましい実施形態において、用量漸増段階における注射同士の間隔は、7日、又は週1回である。好ましくは、用量漸増は、注射同士の間が7日又は1週間の5回の注射からなる(すなわち、維持量に到達するまでに4週間)。
ある好ましい実施形態において、用量漸増は、注射同士の間が7日又は1週間の5回の注射からなり、アレルゲンは、イネ科草本(grass)アレルゲンである。
【0024】
本発明の医薬品は、維持段階において用いられる組成物を含む1以上のユニットを含むこともできる。
維持量は、用量漸増段階における最後のそして最高の用量に相当する。
【0025】
本発明によると、医薬組成物は、好ましくは、皮下注射により投与される。しかし、本発明の医薬組成物は、皮内経路により投与することもできる。
【0026】
本明細書で用いる場合、用語「アレルゲン」は、個体へのそれらの繰り返しの曝露によりアレルギー性反応、すなわちIgE媒介反応を誘発すると報告されているいずれの天然に存在するタンパク質又はタンパク質混合物のことをいう。天然に存在するアレルゲンの例は、花粉アレルゲン(木本、雑草、ハーブ、及びイネ科草本の花粉アレルゲン)、ダニアレルゲン(例えばチリダニ及び貯蔵庫ダニ)、昆虫アレルゲン(吸入物、唾液及び毒物を起源とするアレルゲン)、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ラット、マウスなどからの例えば唾液、体毛及び鱗屑からの動物アレルゲン、真菌アレルゲン並びに食物アレルゲンを含む。アレルゲンは、アレルゲン抽出物、精製アレルゲン、改変アレルゲン(例えばアレルゴイド)又は組換えアレルゲン若しくは組換え変異アレルゲン、30アミノ酸を超える任意のアレルゲンフラグメント、又はそれらの任意の組み合わせの形態で用い得る。
【0027】
本発明のある実施形態において、アレルゲンは、典型的にグルタルアルデヒド又はホルムアルデヒドとの反応により化学的に改変されたアレルゲン(例えばアレルゲン抽出物)であるアレルゴイドのような不可逆的に化学改変されたアレルゲンでない。
【0028】
「アレルゲン抽出物」との表現は、本明細書で用いる場合、Allergy, principle and practise (S. Manning編) 1993, Mosby-Year Book, St. Louis中の「Allergenic extracts」, H. Ipsenら, 第20章に全般的に記載されるような生物学的アレルゲン供給源物質の抽出により得られる抽出物のことをいう。このような抽出物は、水溶性物質の水性抽出、その後のろ過のような精製ステップにより溶液、すなわち抽出物を得ることにより得てよい。抽出物は、次いで、実質的に全ての水分を除去する凍結乾燥のようなさらなる精製及び/又は加工に供してよい。一般的に、アレルゲン抽出物は、タンパク質混合物及びその他の分子を含む。アレルゲンタンパク質は、メジャーアレルゲン、中間アレルゲン、マイナーアレルゲンとしてしばしば分類されるか、又は分類がない。アレルゲン抽出物は、通常、メジャーアレルゲン及びマイナーアレルゲンをともに含む。メジャーアレルゲンは、通常、およそ5〜15%の平均的なアレルゲン抽出物、より頻繁には約10%で構成される。平均的なアレルギーの人は、1つ以上のメジャーアレルゲンに感作され、かつ反応し、さらに、マイナーアレルゲンにも感作され、かつ反応し得る。
【0029】
本明細書で言及するアレルゲン抽出物の量は、このようなアレルゲン抽出物の乾燥物質含量のことをいう。
好ましくは、乾燥物質の水分含量は、10重量%、より好ましくは5重量%を超えない。
通常、アレルゲン抽出物の乾燥物質含量の少なくとも10%は、BCA又はLowryのような標準的なタンパク質アッセイにおいて決定されるタンパク質であり、残りは、脂質、炭水化物又は生物学的アレルゲン供給源を起源とする結合水のような成分であり得る「非タンパク質物質」からなる。
【0030】
アレルゲン抽出物は、液体アレルゲン抽出物を800マイクロバール未満の圧力にて100時間までの期間凍結乾燥して水分を除去することにより得ることができる凍結乾燥物質の形態で処方され、貯蔵してよい。
アレルギー抽出物の分野において、国際的に認められた標準化方法がない。抽出物強度、すなわち生物学的効力のいくつかの異なる単位が存在する。採用される方法及び用いられる単位は、通常、アレルゲン含量及び生物学的活性を測定する。その例は、SQ単位(標準化クオリティ単位(Standardized Quality units))、BAU (生物学的アレルゲン単位(Biological Allergen Units))、BU (生物学的単位(biological units))、UM (質量単位(Units of Mass))、IU (国際単位(International Units))及びIR (反応性指数(Index of Reactivity))である。よって、本明細書で開示されるもの以外を起源とする抽出物を用いる場合、それらの効力をSQ単位又は上記の単位のいずれかで決定するために、それらを、本明細書に開示される抽出物に対して標準化する必要がある。この主題は、Allergy, principle and practise (S. Manning編) 1993, Mosby-Year Book, St. Louis中の「Allergenic extracts」, H. Ipsenら, 第20章及びLowenstein H. (1980) Arb Paul Ehrlich Inst 75:122で取り扱っている。
【0031】
ある抽出物の生物学的効力、すなわちインビボアレルゲン活性は、いくつかの因子に依存し、その最も重要なものは、生物学的供給源物質の組成により変動する、抽出物中のメジャーアレルゲンの含量である。
【0032】
所望の生物学的効力を得るために用いられるグラムでのアレルゲン抽出物の量は、問題の抽出物のタイプにより変動し、あるタイプの抽出物について、アレルゲン抽出物の量は、抽出物の実際の生物学的効力とともにバッチごとに変動する。
【0033】
ある抽出物バッチについて、所望の生物学的効力を得るために用いられるグラムでのアレルゲン抽出物の量は、以下の手順を用いて決定できる:
a) 参照抽出物の種々の量の生物学的効力は、生物学的効力と参照抽出物の量との間の関係を確立するための1つ以上の免疫学的インビボ試験を用いて決定する。該免疫学的インビボ試験の例は、皮膚プリック試験(SPT)、結膜誘発試験(CPT)、アレルゲンでの気管支誘発(BCA)及び1以上のアレルギー症状を監視する種々の臨床試験である、例えばHaugaardら, J Allergy Clin Immunol, Vol. 91, No. 3, pp 709〜722, 1993年3月を参照されたい。
b) 生物学的効力と参照抽出物との間の確立された関係に基づいて、剤形で用いるための1以上の関連する用量の生物学的効力を、i)アレルギー症状を治療又は緩和する効果、ii)免疫学的インビボ試験で記録された副作用、及びiii)個体毎のi)及びii)の変動性の因子のバランスを十分に考慮して選択する。許容できないレベルの副作用を経験することなく最大の適切な治療効果を得るために、バランスをとることが行われる。これらの因子のバランスをとる方法は、当業者に公知である。
見出された1以上の関連する用量の生物学的効力は、SQ単位、BAU、IR単位、IUのような利用可能な任意の生物学的効力単位で表してよい、上記を参照。
c) 参照抽出物から、1以上の生物学的効力参照標準抽出物を調製し、そしてもし用いるならば、参照標準抽出物の生物学的効力単位の値を、1以上の関連する用量に割り当てられた生物学的効力単位の値に基づいて算出する。例えばBAUについてのこのような標準は、以下に記載するようにFDAから得ることができる。
【0034】
d) それぞれの抽出物タイプの参照標準抽出物について、抽出物の生物学的効力を評価するためのいくつかのパラメータを選択する。このような評価パラメータの例は、全アレルゲン活性、規定されたメジャーアレルゲンの量及び抽出物の全体的な分子組成である。全アレルゲン活性は、標準的な方法を用いて得られた抽出物に対して産生させた標準化抗体混合物、例えばマウス若しくはウサギにおいて産生された抗体、又はアレルギー患者血清のプールを用いるELISA及びMagicLite (登録商標)発光イムノアッセイ(LIA)のようなインビトロ競合イムノアッセイを用いて測定できる。メジャーアレルゲンの含量は、例えば、Elisa、PCT/DK2006/000480に記載されるようなMS定量法、又はロケット免疫電気泳動(RIE)により定量し、参照標準物質と比較できる。全体的な分子組成は、例えば、交差免疫電気泳動(CIE)及びドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を用いて調べることができる。
e) 生物学的効力が未知の抽出物のあるバッチについて(試験抽出物)、所望の生物学的効力レベル(効果的)を得るために用いる抽出物の量は、次のようにして決定できる。選択したそれぞれの評価パラメータについて、試験抽出物を、上記のような適切な測定方法を用いて参照標準抽出物と比較し、測定結果に基づいて、所望の生物学的効力を有する抽出物の量を算出する。
【0035】
SQ単位:SQ単位は、ALK-Abello A/Sの「SQ生物学的効力」標準化法に従って決定され、100,000 SQ単位が標準的な皮下維持量に等しい。通常、1mgの抽出物は、それが得られるアレルゲン供給源及び用いた製造プロセスに依存して、100,000〜1,000,000 SQ単位を含有する。正確なアレルゲンの量、すなわち合計のメジャーアレルゲン含量及び合計のアレルゲン活性は、イムノアッセイにより決定できる。
【0036】
BAU (生物学的アレルゲン単位)は、「Quantitative determination of relative potency of allergenic extracts」(「Methods of the allergen products testing Laboratory」「ELISA competition assay」15頁、#49N-0012, FDA, 1993年10月)に記載されるアレルゲン製品のためのFDAの要件に従って決定される生物学的効力単位である。イネ科草本抽出物を含有する100,000 SQ単位の用量は、上記の方法に従って、2600〜4700 BAUの含量と等しい。同様に、その他の抽出物は、上記の方法に従って評価できる。
生物学的効力を測定する通常用いられる許容される試験についての手引きは、例えば、Note for Guidance on Allergen Product; The European Agency for the Evaluation of Medicinal Product, CPMP_BWP_243_96, London, 1996で見出される。
【0037】
アレルギーワクチン接種又は脱感作のためのアレルゲンの有効用量とは、1回又は漸増用量として若しくは反復維持量として繰り返して摂取される場合に、例えば、適応免疫応答をもたらし、よって、アレルギー患者を脱感作する手段として働く用量を意味する。好ましくは、この用語は、各剤形中の、治療計画に従う該剤形の反復投与後に適応免疫応答を誘導するのに必要なアレルゲンの量を意味する。
【0038】
用語「約」又は「およそ」は、当業者により決定される、特定の値についての許容され得る範囲内であることを意味し、その値がどのようにして測定又は決定されたか、例えば測定系の限界に部分的に依存する。例えば、「約」は、与えられた値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、さらにより好ましくは1%までの範囲を意味し得る。
【0039】
本発明に従って用いられるアレルゲンは、異なる供給源に由来してよい。
天然に存在するアレルゲンの例は、花粉アレルゲン(木本、ハーブ、雑草、イネ科草本の花粉アレルゲン)、昆虫アレルゲン(吸入物、唾液、及び毒物のアレルゲン、例えばダニアレルゲン、ゴキブリ及びユスリカアレルゲン、膜翅目毒物のアレルゲン)、動物の体毛及び鱗屑アレルゲン(例えばイヌ、ネコ、ウマ、ラット、マウスなど由来)、並びに食物アレルゲンを含む。木本、イネ科草本及びハーブからの重要な花粉アレルゲンは、分類学上の、ブナ目(Fagales)、モクセイ目(Oleales)、マツ目(Pinales)及びスズカケノキ科(Platanaceae)(とりわけ、カンバ(birch)(カンバ属(Betula))、ハンノキ(alder)(ハンノキ属(Alnus))、セイヨウハシバミ(hazel)(ハシバミ属(Corylus))、セイヨウシデ(hornbeam)(クマシデ属(Carpinus))、オリーブ(olive)(オリーブ属(Olea))、シーダー(cedar)(スギ属(Cryptomeria)及びビャクシン属(Juniperus))、プラタナス(Plane tree)(プラタナス属(Platanus))が挙げられる)、イネ目(Poales)(とりわけ、ドクムギ属(Lolium)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ギョウギシバ属(Cynodon)、カモガヤ属(Dactylis)、シラゲガヤ属(Holcus)、クサヨシ属(Phalaris)、ライムギ属(Secale)及びモロコシ属(Sorghum)のイネ科草本が挙げられる)、キク目(Asterales)及びイラクサ目(Urticales)(とりわけ、ブタクサ属(Ambrosia)、ヨモギ属(Artemisia)及びヒカゲミズ属(Parietaria)のハーブが挙げられる)に由来するものである。その他の重要な吸入アレルゲンは、ヒョウヒ属(Dermatophagoides)及びユーログリファス属(Euroglyphus)のチリダニ、貯蔵庫ダニ(例えば、レピドグリフィス属(Lepidoglyphys)、ニクダニ属(Glycyphagus)及びケナガコナダニ属(Tyrophagus))に由来するもの、ゴキブリ、ユスリカ及びノミ(例えば、チャバネゴキブリ属(Blatella)、ペリプラネタ属(Periplaneta)、キロノムス属(Chironomus)及びクテノケファリデス属(Ctenocephalides))に由来するもの、及び哺乳動物(例えば、ネコ(ネコ属(Felis))、イヌ(イヌ属(Canis))、ウシ(ウシ属(Bos))及びウマ(ウマ属(Equus)))に由来するもの、毒物アレルゲン(刺すか又は噛み付く昆虫(分類学上のハチ目(Hymenoptera)(ミツバチ(ミツバチ上科(superfamily Apidae))、スズメバチ(スズメバチ上科(superfamily Vespidea))及びアリ(アリ上科(superfamily Formicoidae))を含む)に由来するもの)である。真菌に由来する重要な吸入アレルゲンは、例えばアルテルナリア属(Alternaria)及びクラドスポリウム属(Cladosporium)に由来するものである。
【0040】
本発明の医薬品は、同じアレルゲン供給源を起源とするか又は異なるアレルゲン供給源を起源とする少なくとも2種の異なるアレルゲンを含み得る。例えば、医薬品は、それぞれ異なるイネ科草本及びダニの種からのイネ科草本グループ1、イネ科草本グループ2/3、イネ科草本グループ5アレルゲン及びイネ科草本グループ6アレルゲン、又はダニグループ1及びグループ2アレルゲン、ブタクサ及びオオブタクサ(short and giant ragweed)アレルゲンのような雑草アレルゲン、アルテルナリア及びクラドスポリウムのような異なる真菌アレルゲン、カンバ、セイヨウハシバミ、セイヨウシデ、オーク及びハンノキ(alder)アレルゲンのような木本アレルゲン、落花生、ダイズ及び乳アレルゲンのような食物アレルゲンを含み得る。
【0041】
本発明のより具体的な実施形態において、アレルゲンは、Bet v 1、Aln g 1、Cor a 1及びCar b 1、Que a 1、Cry j 1、Cry j 2、Cup a 1、Cup s 1、Jun a 1、Jun a 2、jun a 3、Ole e 1、Lig v 1、Pla l 1、Pla a 2、Amb a 1、Amb a 2、Amb t 5、Art v 1、Art v 2、Par j 1、Par j 2、Par j 3、Sal k 1、Ave e 1、Cyn d 1、Cyn d 7、Dac g 1、Fes p 1、Hol l 1、Lol p 1及び5、Pha a 1、Pas n 1、Phl p 1、Phl p 5、Phl p 6、Poa p 1、Poa p 5、Sec c 1、Sec c 5、Sor h 1、Der f 1、Der f 2、Der p 1、Der p 2、Der p 7、Der m 1、Eur m 2、Gly d 1、Lep d 2、Blo t 1、Tyr p 2、Alt a 1、Bla g 1、Bla g 2、Per a 1、Fel d 1、Can f 1、Can f 2、Bos d 2、Equ c 1、Equ c 2、Equ c 3、Mus m 1、Rat n 1、Apis m 1、Api m 2、Ves v 1、Ves v 2、Ves v 5、Dol m 1、Dol m 2、Dol m 5、Pol a 1、Pol a 2、Pol a 5、Sol i 1、Sol i 2、Sol i 3及びSol i 4、Alt a 1、Cla h 1、Asp f 1、Bos d 4、Mal d 1、Gly m 1、Gly m 2、Gly m 3、Ara h 1、Ara h 2、Ara h 3、Ara h 4、Ara h 5又はこれらのいずれかの分子育種からのシャッフラント(shufflant)ハイブリッド(Maxygen, Inc.)から選択してよい。
【0042】
本発明の最も好ましい実施形態において、アレルゲンは、チモシー(Phleum pretense)花粉の抽出物、又はイネ科草本の種からの花粉抽出物の混合物(例えばオーチャードグラス(Dactylis glomerata)、フェスク(Festiuca)、ペレニアルライグラス(Lolium perenne)、チモシー及びメドウフェスク(Festuca pratensis)、ライムギ(Secale cereale)、又はオーチャードグラス、ハルガヤ(Anthxanthum odoratum)、ペレニアルライグラス、チモシー及びナガハグサ(Poa pratensis)、又はイネ科草本抽出物のその他の任意の混合物)の形態のイネ科草本花粉抽出物、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)若しくはヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)の抽出物、又はコナヒョウヒダニ及びヤケヒョウヒダニの抽出物の混合物の形態のチリダニアレルゲン、シラカバ(Betula verrucosa)の抽出物、又はシラカバ、セイヨウヤマハンノキ(Alnus glutinosa)及びセイヨウハシバミ(Corylus avellana)並びに/又はセイヨウシデ(Carpinus betulus)並びに/又はホワイトオーク(Quercus alba)からの花粉抽出物の混合物の形態の木本花粉抽出物、ブタクサ花粉の抽出物(例えばブタクサ属花粉の抽出物)、又はネコアレルゲン(例えば、ネコの体毛及び/若しくは鱗屑の抽出物又は組換えFel d 1)である。
【0043】
アレルギーは、特に、家畜及び愛玩動物(companion ship animal)における既知の疾患でもある。当該技術において、これらの動物は、イネ科草本、チリダニ及び寄生体を含む多数のアレルゲン供給源に対してアレルギーを発生することが知られている。吸血性、すなわち血液を吸う昆虫の外寄生は、ノミアレルギー性皮膚炎(FAD)とよばれる過敏性応答を導くことが知られている。本発明の好ましい実施形態において、動物ワクチンのためのアレルゲンは、外部寄生体(例えばノミ、マダニ、蚊、ハエ)、寄生性蠕虫毒物(例えば心糸状虫、例えばジロフィラリア属(Dirofilaria)又は糸状虫症、例えばオンコセルカ属(Onchocerca))及びチリダニのような寄生体を起源とするか又はそれらにより伝達されるアレルゲンを含む。より好ましいものは、イヌノミ属(Ctenocephalides) (例えばイヌノミ(C. canis)及びネコノミ(C. felis))、カタダニ(例えばマダニ属(Ixodes)、アーンブリオンマ属(Arnblyomma))、ヒメダニ(例えばカズキダニ属(Ornithodoros))及びユスリカ(例えばサシバエ属(Culicoides))からの唾液アレルゲンである。
【0044】
本発明の医薬品に組み込まれるアレルゲンは、抽出物、精製アレルゲン、改変アレルゲン、組換えアレルゲン又は組換えアレルゲンの変異体の形態であり得る。アレルゲン抽出物は、同じアレルゲンの1つ以上のアイソフォームを天然に含有することがあるが、組換えアレルゲンは、アレルゲンの1つのアイソフォームのみに典型的に相当する。好ましい実施形態において、アレルゲンは、抽出物の形態である。別の好ましい実施形態において、アレルゲンは、組換えアレルゲン又は別個のタンパク質若しくは融合タンパク質としての組換えアレルゲンの混合物である。さらに好ましい実施形態において、アレルゲンは、天然に存在する低IgE結合性変異体又は組換え低IgE結合性変異体である。
本発明のさらなる実施形態において、低IgE結合性アレルゲンは、WO 99/47680又はWO 02/40676又はPCT/DK03/00322 (「アレルゲン変異体」)によるアレルゲンである。
【0045】
いくつかの実験室試験が、アレルゲンの特徴決定のために利用可能である。最も広く用いられる技術は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)、等電点電気泳動(IEF)、交差免疫電気泳動(CIE)及びロケット免疫電気泳動(RIE)である。個別のアレルゲンの定量は、定量免疫電気泳動技術(QIE)の変形、放射免疫拡散法(RIE)により、又は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)により、及びPCT/DK2006/000480に記載されるMS定量法により行うことができる。合計アレルゲン活性の決定は、放射性アレルゲン吸着試験(RAST)、Magic Liteアッセイ(LIA)又は関連する技術により最も頻繁に行われる。ELISAベースの技術も用いてよい。
【0046】
メジャーアレルゲンとしてのアレルゲンの分類は、いくつかの試験の対象であり得る。アレルゲンは、患者の少なくとも25%が強いIgE結合(スコア3)を示し、50%の患者から少なくとも中程度の結合(スコア2)が示される場合に(結合は、CRIE (交差放射免疫電気泳動)により測定される(CRIEの強い結合、すなわち、1日後にX線フィルム上で目視可能なIgE結合;CRIEの中程度の結合、すなわち、3日後の結合;CRIEの弱い結合、すなわち、10日後の結合))、通常、メジャーアレルゲンと分類される。少なくとも10%の患者からの強いIgE結合により、アレルゲンは、中間アレルゲンと分類され、10%未満の患者からの明確な特異的結合により、アレルゲンは、マイナーアレルゲンと分類される。例えばIgEブロットのようなIgE結合決定のその他の方法を用いてよい。
【0047】
Alutard SQを用いる皮下経路による標準的な漸増投与量脱感作において、アレルゲンの用量は、典型的には100,000 SQ-U/投与のある最大値まで増加する。本発明によると、アレルゲンの用量は、5,000〜50,000 SQ-U、より好ましくは5,000〜30,000 SQ-U、好ましくは5,000〜10,000 SQ-U、又はより好ましくは10,000〜20,000 SQ-U、好ましくは12,000〜17,000 SQ-U、又は最も好ましくは約15,000 SQ-Uである最大容量まで増加する。
【0048】
本発明によると、用量漸増は、2〜6回の注射、より好ましくは2〜5回の注射、より好ましくは2〜4回の注射、より好ましくは2〜3回の注射、最も好ましくは3回の注射を用いて適切に行われ、ここで、アレルゲンの漸増量は、最大量に到達するまで投与される。ある実施形態において、用量漸増は、300 SQ-U、3000 SQ-U及び15,000 SQ-Uを含有する組成物の3回の注射により行われる。
【0049】
用量漸増段階の最後の注射は、最大量又は極量を含有し、維持量は、通常、用量漸増段階の最大量又は極量と同じ量のアレルゲンを含有する。
用量漸増段階におけるアレルゲンの極量/最大量が何であっても、そしてそれがどのような方式で定量されても(抽出物の量、メジャーアレルゲンの量、臨床上重要なアレルゲンの量、SQ-U、BAU、IRなど)、用量漸増は、3回の注射(1回目の注射は2回目の注射のアレルゲンの量の1/10であるアレルゲンの量を含有し、2回目の注射は用量漸増段階の3回目の注射のアレルゲンの量の1/5であるアレルゲンの量を含有する)を用いて適切に行うことができる。
用量漸増段階におけるアレルゲンの極量/最大量が何であっても、そしてそれがどのような方式で定量されても(抽出物の量、メジャーアレルゲンの量、臨床上重要なアレルゲンの量、SQ-U、BAU、IRなど)、用量漸増は、5回の注射(1回目の注射は維持量のアレルゲンの量の1/50であるアレルゲンの量を含有し、2回目の注射は維持量のアレルゲンの量の1/25であるアレルゲンの量を含有し、3回の注射は維持量のアレルゲンの量の1/5であるアレルゲンの量を含有し、4回目の注射は維持量のアレルゲンの量の2/5であるアレルゲンの量を含有し、5回目の注射は維持量である)を用いて適切に行うことができる。
【0050】
維持段階において、極量を反復し、これは、例えば5,000〜50,000 SQ-U、より好ましくは5000〜30,000 SQ-U、より好ましくは10,000〜20,000 SQ-U、好ましくは12,000〜17,000 SQ-Uの用量であるか、又は最も好ましくは約15,000 SQ-Uが4〜8週間毎に、適切には6週間毎に投与される。
BAUで表す場合、本発明によるアレルゲンの用量は、130〜2350 BAU、より好ましくは130〜1410 BAU、より好ましくは260〜940 BAU、好ましくは312〜799 BAU又は最も好ましくは390〜705 BAUである、ある最大量まで増加する。
【0051】
用量漸増は、極量に到達するまでアレルゲンの量を徐々に増加させる2〜6回の皮下注射、より好ましくは2〜5回の皮下注射、より好ましくは2〜4回の皮下注射、より好ましくは2〜3回の皮下注射、最も好ましくは3回の皮下注射で行うことができる。
ある実施形態において、用量漸増は、アレルゲンの用量が増加する3回の皮下注射(1回目の皮下注射は7.8〜14.1 BAUを含み、2回目の皮下注射は78〜141 BAUを含み、3回目の皮下注射は390〜705 BAUを含む)を用いて行われる。
【0052】
維持段階において、極量が反復され、例えば130〜2350 BAU、より好ましくは130〜1410 BAU、より好ましくは260〜940 BAU、より好ましくは312〜799 BAU、又は最も好ましくは390〜705 BAUが4〜8週間毎に、適切には6週間毎に投与される。
【0053】
1mgのアレルゲン抽出物は、通常、100,000〜1,000,000 SQ単位を含有する。このことは、100,000 SQが、0.1 mgの抽出物〜1mgのアレルゲン抽出物に含まれることを意味する。同様の様式で、任意のSQ用量を、アレルゲン抽出物用量範囲に変換し得る。このことに基づいて、SQで表した上記の用量範囲は、mg又はμgアレルゲン抽出物での用量範囲に再計算でき、ある範囲のSQ下限について、対応するアレルゲン抽出物範囲の下限を用い、ある範囲のSQ上限について、対応するアレルゲン抽出物範囲の上限を用いる。
【0054】
よって、本発明のさらなる実施形態において、アレルゲンは、アレルゲン抽出物であり、抽出物の用量は、0.005〜0.5 mg、より好ましくは0.005〜0.3 mg抽出物、より好ましくは0.01〜0.2 mg抽出物、好ましくは0.012〜0.17 mg抽出物、又は最も好ましくは0.015〜0.15 mg抽出物である、ある最大量まで増加する。
【0055】
用量漸増は、最大量に到達するまで抽出物の用量を徐々に増加させる2〜6回の皮下注射、より好ましくは2〜5回の皮下注射、より好ましくは2〜4回の皮下注射、より好ましくは2〜3回の注射、最も好ましくは3回の皮下注射で行われる。ある実施形態において、用量漸増は、漸増用量のアレルゲンの3回の皮下注射(1回目の注射は0.3μg〜3μg抽出物を含み、2回目の注射は3μg〜0.03 mg抽出物を含み、3回目の注射は15μg〜0.15 mg抽出物を含む)を用いて行われる。
維持段階において、最大量、すなわち、0.005〜0.5 mg抽出物、より好ましくは0.005〜0.3 mg抽出物、より好ましくは0.01〜0.2 mg抽出物、より好ましくは0.012〜0.17 mg抽出物が反復されるか、又は最も好ましくは0.015〜0.15 mg抽出物の用量が4〜8週間毎に、適切には6週間毎に投与される。
【0056】
上記のように、抽出物中のメジャーアレルゲンの含量は、組成物の生物学的効力に寄与する最も重要な因子の1つである。組成物中のメジャーアレルゲンの量は、よって、組成物の強度の指標として用い得る。
よって、本発明によるさらなる実施形態において、アレルゲンの最大量は、0.25μg〜100μg、より好ましくは0.25〜75μg、より好ましくは0.25〜45μg、より好ましくは0.4μg〜30μg、より好ましくは0.5μg〜25μg、さらにより好ましくは0.6〜22.5μgのメジャーアレルゲンを含む用量である。
【0057】
用量漸増は、最大量に到達するまでアレルゲンの量を徐々に増加させる2〜6回の皮下注射、より好ましくは2〜5回の皮下注射、より好ましくは2〜4回の皮下注射、より好ましくは2〜3回の皮下注射、最も好ましくは2回の注射若しくは3回の注射を用いて適切に行われる。
代わりに、用量漸増は、アレルゲンの量が増加する3〜8回の皮下注射、より好ましくは4〜7回の注射、より好ましくは5〜6回の皮下注射、最も好ましくは5回の皮下注射を用いて行われる。好ましくは、5回の注射を、注射同士の間が7日又は1週間で行う。
別の代替として、用量漸増は、アレルゲンの量が増加する6〜9回の皮下注射、より好ましくは7〜8回の皮下注射、最も好ましくは8回の皮下注射を用いて行われる。
別の代替として、用量漸増は、4回、6回又は7回の注射を用いて行われる。
【0058】
ある実施形態において、用量漸増は、アレルゲンの用量が増加する3回の皮下注射(1回目の注射は0.012μg〜0.45μgメジャーアレルゲンを含み、2回目の注射は0.12μg〜4.5μgメジャーアレルゲンを含み、3回目の注射は0.6μg〜22.5μgメジャーアレルゲンを含む)を用いて行われる。
別の実施形態において、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する5回の皮下注射(1回目の注射は0.012μg〜0.45μgメジャーアレルゲンを含み、2回目の注射は0.024μg〜0.9μgメジャーアレルゲンを含み、3回目の注射は0.12μg〜4.5μgメジャーアレルゲンを含み、4回目の注射は0.24μg〜9μgメジャーアレルゲンを含み、5回目の注射は0.6μg〜22.5μgメジャーアレルゲンを含む)を含む。好ましくは、5回の注射を、注射同士の間が7日又は1週間で行う。
【0059】
さらに別の実施形態において、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する8回の皮下注射(1回目の注射は3.6 ng〜0.135μgメジャーアレルゲンを含み、2回目の注射は0.012μg〜0.45μgメジャーアレルゲンを含み、3回目の注射は0.024〜0.9μgメジャーアレルゲンを含み、4回目の注射は0.06〜2.25μgメジャーアレルゲンを含み、5回目の注射は0.12μg〜4.5μgメジャーアレルゲンを含み、6回目の注射は0.24μg〜9μgメジャーアレルゲンを含み、7回目の注射は0.36〜13.5μgメジャーアレルゲンを含み、8回目の注射は0.6μg〜22.5μgメジャーアレルゲンを含む)を含む。
別の実施形態において、用量漸増段階は、4回、6回又は7回の皮下注射を含み、ここで、最高用量は0.6μg〜22.5μgメジャーアレルゲンである。
【0060】
メジャーアレルゲンの含量は、問題のアレルゲン供給源に依存して、いくつかのメジャーアレルゲンがその割合を占めることがある。通常、メジャーアレルゲンの数は1〜10、たいてい1〜5の範囲である。
メジャーアレルゲンは、イネ科草本グループ1アレルゲン(例えばphl p 1、lol p 1、sor h 1、dac g 1、cyn d 1、hol l 1、pha a 1)、イネ科草本グループ2/3アレルゲン(例えばphl p 2/3、lol p 2/3)、イネ科草本グループ5アレルゲン(例えばphl p 5、lol p 5、dac g 5、poa p 5)、イネ科草本グループ6アレルゲン(例えばphl p 6、poa p 6)、木本花粉グループ1アレルゲン(例えばbet v1、aln g 1、cor a 1、car b 1)、ダニグループ1アレルゲン(例えばder p 1、der f 1、eur m 1)、ダニグループ2アレルゲン(例えばder p 2、der f 2、eur m2)、ネコアレルゲン(例えばfel d 1)、アルテルナリアグループ1アレルゲン(例えばAlt a 1)、オリーブ花粉グループ1アレルゲン(例えばOle e 1)、ヒカゲミズグループ1アレルゲン(例えばPar j 1)、シーダーグループ1及び2アレルゲン(例えばcry j 1、cry j 2)、ヨモギ属グループ1アレルゲン(例えばArt v 1)、並びにブタクサ若しくはオオブタクサ花粉アレルゲン(例えばamb a 1、amb a 2、amb 1、amb t 2)などである。
【0061】
アレルギーワクチン接種におけるその適切さによるアレルゲンの分類は、特定のアレルゲンの臨床上の重要性の評価に適切に基づくことができる。単一の臨床上最も重要なメジャーアレルゲンは、脱感作プロセスの後の適応免疫応答の大部分の原因である特定のアレルゲン供給源(例えば花粉)からのアレルゲンである。臨床上重要なメジャーアレルゲンの例は、イネ科草本からのグループ5アレルゲン(例えばPhl p 5)、木本からのグループ1アレルゲン(例えばBet v 1)、チリダニからのグループ1アレルゲン(例えばDer p 1又はDer f 1)及び/又はグループ2アレルゲン(Der f 2及びDer p 2)、シーダー花粉アレルゲン1及び2(例えばCry j 1、Cry j 2)、ブタクサ花粉1及び2(Amb a 1、Amb a 2)、ネコアレルゲン1(すなわちFel d 1)を含む。
【0062】
よって、本発明のさらなる実施形態によると、臨床上重要なメジャーアレルゲンの最大量又は維持量は、0.025〜10.5μg、より好ましくは0.025〜6.3μg、より好ましくは0.05μg〜4.2μg、より好ましくは0.06μg〜3.6μg、さらにより好ましくは0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンである。
用量漸増は、臨床上重要なメジャーアレルゲンの極量又は維持量に到達するまでアレルゲンの量を徐々に増加させる2〜6回の皮下注射、より好ましくは2〜5回の皮下注射、より好ましくは2〜4回の皮下注射、より好ましくは2〜3回の皮下注射、最も好ましくは2回の皮下注射若しくは3回の皮下注射で行われる。
【0063】
代わりに、用量漸増は、臨床上重要なメジャーアレルゲンの極量又は維持量に到達するまでアレルゲンの量が増加する3〜8回の皮下注射、より好ましくは4〜7回の注射、より好ましくは5〜6回の皮下注射、最も好ましくは5回の皮下注射を用いて行われる。
別の代替として、用量漸増は、臨床上重要なメジャーアレルゲンの極量又は維持量に到達するまでアレルゲンの量が増加する6〜9回の皮下注射、より好ましくは7〜8回の皮下注射、最も好ましくは8回の皮下注射を用いて行われる。
別の実施形態において、用量漸増段階は、臨床上重要なメジャーアレルゲンの極量に到達するまでの4回、6回又は7回の皮下注射を含む。
【0064】
維持量は、適切には、約0.05μg〜4.2μg、より好ましくは0.06μg〜3.6μg、さらにより好ましくは0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンである。
【0065】
ある実施形態において、用量漸増は、アレルゲンの用量が増加する3回の皮下注射(1回目の注射は0.001μg〜0.084μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、2回目の注射は0.01μg〜0.84μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、3回目の注射は0.05μg〜4.2μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含む)を用いて行われる。
別の実施形態において、用量漸増は、アレルゲンの用量が増加する3回の皮下注射(1回目の注射は0.0015μg〜0.063μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、2回目の注射は0.015μg〜0.63μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、3回目の注射は0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含む)を用いて行われる。
【0066】
別の実施形態において、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する5回の皮下注射(1回目の注射は0.0015μg〜0.063μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、2回目の注射は0.003μg〜0.126μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、3回目の注射は0.015μg〜0.63μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、4回目の注射は0.03μg〜1.26μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、5回目の注射は0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含む)を含む。
さらに別の実施形態において、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する8回の皮下注射(1回目の注射は0.45 ng〜0.189μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、2回目の注射は0.0015μg〜0.063μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、3回目の注射は0.003μg〜0.126μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、4回目の注射は0.075μg〜0.315μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、5回目の注射は0.015μg〜0.63μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、6回目の注射は0.03μg〜1.26μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、7回目の注射は0.045μg〜1.89μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、8回目の注射は0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含む)を含む。
【0067】
臨床上重要なメジャーアレルゲンは、上記に示したとおり、Dac g 5、Fes p 5、Lol p 5、Phl p 5、Poa p 5、Sec c 5、Bet v 1、Aln g 1、Cor a 1、Car b 1、Que a 1、Ole e 1、Par j 1、Der p 1、Der f 2、Der f 1、Der f 2、Amp a 1及び又はAmb a 2並びにFel d 1である。より臨床上重要な(メジャー)アレルゲンは、当業者に知られている。
【0068】
本発明のある具体的な実施形態において、アレルゲンは、イネ科草本花粉アレルゲン、イネ科草本花粉アレルゲンの混合物、イネ科草本花粉抽出物又はイネ科草本花粉抽出物の混合物である。イネ科草本について、臨床上最も重要なアレルゲンは、グループ5アレルゲンである。用量漸増段階における維持量又は極量は、典型的には、単一種(例えばチモシー)について0.1〜10μg、より好ましくは0.5〜6μg、より好ましくは1〜4μg、より好ましくは1.2〜3.4μg、さらにより好ましくは約1.5μg〜約3μgのグループ5アレルゲンであり、イネ科草本花粉抽出物の混合物について、異なるイネ科草本種からのグループ5アレルゲンの合計量(例えばDac g 5、Fes p 5、Lol p 5、Phl p 5、Poa p 5及びSec c 5)も、典型的には、0.1〜10μg、より好ましくは0.5〜6μg、より好ましくは1〜4μg、より好ましくは1.2〜3.4μg、さらにより好ましくは約1.5μg〜約3μgである。
【0069】
本発明のある具体的な実施形態において、アレルゲンは、木本花粉アレルゲン、木本花粉アレルゲンの混合物、木本花粉抽出物又は木本花粉抽出物の混合物である。木本花粉について、臨床上最も重要なアレルゲンは、グループ1アレルゲンである。用量漸増段階における維持量又は極量は、典型的には、単一種(例えばシラカバ)について0.1〜10μg、より好ましくは0.5〜6μg、より好ましくは1〜4μg、より好ましくは1.2〜3.4μg、さらにより好ましくは約1.5μg〜約3μgのグループ1アレルゲンであり、木本花粉抽出物の混合物について、異なる種からのグループ1アレルゲンの合計量(例えばBet v 1、Aln g 1、Cor a 1又はCar b 1、Que a 1)も、典型的には、0.1〜10μg、より好ましくは0.5〜6μg、より好ましくは1〜4μg、より好ましくは1.2〜3.4μg、さらにより好ましくは約1.5μg〜約3μgである。
【0070】
用量漸増は、極量に到達するまでアレルゲンの量を徐々に増加させる2〜6回の皮下注射、より好ましくは2〜5回の皮下注射、より好ましくは2〜4回の皮下注射、より好ましくは2〜3回の皮下注射、最も好ましくは2回の皮下注射若しくは3回の皮下注射を用いて適切に行われる。
代わりに、用量漸増は、アレルゲンの量が増加する3〜8回の皮下注射、より好ましくは4〜7回の注射、より好ましくは5〜6回の皮下注射、最も好ましくは5回の皮下注射を用いて行われる。
別の代替として、用量漸増は、アレルゲンの量が増加する6〜9回の皮下注射、より好ましくは7〜8回の皮下注射、最も好ましくは8回の皮下注射を用いて行われる。
別の代替として、用量漸増は、4回、6回又は7回の皮下注射を用いて行われる。
【0071】
好ましい実施形態によると、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する3回の皮下注射(1回目の注射は約0.03μg〜約0.06μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.3μg〜約0.6μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約1.5μg〜約3μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含むが、但し、3回全ての注射が木本又はイネ科草本アレルゲンのいずれかを含有する)を含む。
別の好ましい実施形態によると、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する3回の皮下注射(1回目の注射は約0.01μg〜約0.12μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.1μg〜約1.2μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約0.5μg〜約6μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含むが、但し、3回全ての注射が木本又はイネ科草本アレルゲンのいずれかを含有する)を含む。
【0072】
別の実施形態において、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する5回の皮下注射(1回目の注射は約0.03μg〜約0.06μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.06μg〜約0.12μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約0.3μg〜約0.6μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、4回目の注射は約0.6μg〜約1.2μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、5回目の注射は約1.5μg〜約3μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含むが、但し、5回全ての注射が木本又はイネ科草本アレルゲンのいずれかを含有する)を含む。
別の好ましい実施形態によると、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する5回の皮下注射(1回目の注射は約0.01μg〜約0.06μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.02μg〜約0.12μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約0.1μg〜約1.2μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含み、4回目の注射は約0.2μg〜約1.2μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含み、5回目の注射は約0.5μg〜約6μgのイネ科草本グループ5又は木本グループ1アレルゲンを含み、3回全ての注射が木本又はイネ科草本アレルゲンのいずれかを含有する)を含む。
【0073】
さらに別の実施形態において、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する8回の皮下注射(1回目の注射は約0.009μg〜約0.018μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.03μg〜約0.06μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約0.06μg〜約0.12μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、4回目の注射は約0.15μg〜約0.3μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、5回目の注射は約0.3μg〜約0.6μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、6回目の注射は約0.6μg〜約1.2μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、7回目の注射は約0.9μg〜約1.8μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、8回目の注射は約1.5μg〜約3μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含むが、但し、8回全ての注射が木本又はイネ科草本アレルゲンのいずれかを含有する)を含む。
別の代替として、用量漸増は、イネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンの4回、6回又は7回の注射を用いて行われる。
【0074】
本発明のある具体的な実施形態において、アレルゲンは、ダニアレルゲン、ダニアレルゲンの混合物、1種のダニの抽出物又は異なる種のダニからの抽出物の混合物である。ダニについて、臨床上最も重要なアレルゲンは、グループ1アレルゲンであるが、グループ2アレルゲンも重要である。用量漸増段階における極量は、適切には、約0.1〜約7.5、より好ましくは約0.25〜約4.5、より好ましくは約0.5〜約3、より好ましくは約0.6〜約2.5、又はより好ましくは約0.75μg〜約2.25μgの単一種のダニからのグループ1アレルゲン(例えば0.75μg〜2.25μgのDer p 1又はDer f 1アレルゲン)であり、コナヒョウヒダニ及びヤケヒョウヒダニのようなダニの抽出物の混合物について、異なる種からのグループ1アレルゲンの合計量(例えばDer p 1及びDer f 1)も、約0.1〜約7.5、より好ましくは約0.25〜約4.5、より好ましくは約0.5〜約3、より好ましくは 約0.6〜約2.5、より好ましくは約0.75μg〜約2.25μgである。ダニ抽出物中のグループ2アレルゲンは、典型的には、グループ1アレルゲンの量の1/15〜1/2である。
【0075】
用量漸増は、極量に到達するまでダニグループ1アレルゲンの量を徐々に増加させる2〜6回の皮下注射、より好ましくは2〜5回の皮下注射、より好ましくは2〜4回の皮下注射、より好ましくは2〜3回の皮下注射、最も好ましくは2回の皮下注射若しくは3回の皮下注射で適切に行われる。
代わりに、用量漸増は、漸増量のダニグループ1アレルゲンを有する3〜8回の皮下注射、より好ましくは4〜7回の注射、より好ましくは5〜6回の皮下注射、最も好ましくは5回の皮下注射を用いて行われる。
別の代替として、用量漸増は、漸増量のダニグループ1アレルゲンを有する6〜9回の皮下注射、より好ましくは7〜8回の皮下注射、最も好ましくは8回の皮下注射を用いて行われる。
別の代替として、用量漸増は、ダニグループ1アレルゲンの4回、6回又は7回の注射を用いて行われる。
【0076】
ある好ましい実施形態によると、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する3回の皮下注射(1回目の注射は約0.005μg〜約0.09μgのダニグループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.05μg〜約0.9μgのダニグループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約0.25μg〜約4.5μgのダニグループ1アレルゲンを含む)を含む。
別の好ましい実施形態によると、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する3回の皮下注射(1回目の注射は約0.015μg〜約0.045μgのダニグループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.15μg〜約0.45μgのダニグループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約0.75μg〜約2.25μgのダニグループ1アレルゲンを含む)を含む。
【0077】
別の実施形態によると、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する5回の皮下注射(1回目の注射は約0.015μg〜約0.045μgのダニグループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.03μg〜約0.09μgのダニグループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約0.15μg〜約0.45μgのダニグループ1アレルゲンを含み、4回目の注射は約0.3μg〜約0.9μgのダニグループ1アレルゲンを含み、5回目の注射は約0.75μg〜約2.25μgのダニグループ1アレルゲンを含む)を含む。
別の実施形態によると、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する5回の注射(1回目の注射は約0.005μg〜約0.09μgのダニグループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.01μg〜約0.18μgのダニグループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約0.05μg〜約0.9μgのダニグループ1アレルゲンを含み、4回目の注射は約0.1μg〜約1.8μgのダニグループ1アレルゲンを含み、5回目の注射は約0.25μg〜約4.5μgのダニグループ1アレルゲンを含む)を含む。
別の実施形態によると、用量漸増段階は、極量又は維持量に到達するまでアレルゲンの用量が増加する4回、6回又は7回の注射を含む。
【0078】
別の実施形態によると、用量漸増段階は、アレルゲンの用量が増加する8回の皮下注射(1回目の注射は約0.0045μg〜約0.0135μgのダニグループ1アレルゲンを含み、2回目の注射は約0.015μg〜約0.045μgのダニグループ1アレルゲンを含み、3回目の注射は約0.03μg〜約0.09μgのダニグループ1アレルゲンを含み、4回目の注射は約0.075μg〜約0.225μgのダニグループ1アレルゲンを含み、5回目の注射は約0.15μg〜約0.45μgのダニグループ1アレルゲンを含み、6回目の注射は約0.3μg〜約0.9μgのダニグループ1アレルゲンを含み、7回目の注射は約0.45μg〜約1.35μgのダニグループ1アレルゲンを含み、8回目の注射は約0.75μg〜約2.25μgのダニグループ1アレルゲンを含む)を含む。
【0079】
本発明のさらなる実施形態によると、アレルゲンは、オリーブ花粉アレルゲン、オリーブ花粉アレルゲンの混合物、オリーブ花粉抽出物又はオリーブ花粉抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるオリーブグループ1アレルゲンの量は、0.2μg〜1.8μg、より好ましくは0.2μg〜1μg又は0.2μg〜0.4μg、より好ましくは0.4μg〜0.7μg、より好ましくは0.4μg〜0.6μg、より好ましくは約0.55μgのオリーブ花粉グループ1アレルゲンである。
【0080】
本発明のさらに別の実施形態によると、アレルゲンは、ヒカゲミズ花粉アレルゲン、ヒカゲミズ花粉アレルゲンの混合物、ヒカゲミズ花粉抽出物又はヒカゲミズ花粉抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるヒカゲミズ花粉グループ1アレルゲンの量は、0.3μg〜3μg、より好ましくは0.3μg〜1.7μg、より好ましくは0.6μg〜1.2μg又は0.3μg〜0.6μg、より好ましくは0.7μg〜1μg、より好ましくは約0.9μgのヒカゲミズ花粉グループ1アレルゲンである。
【0081】
別の実施形態によると、アレルゲンは、アルテルナリアアレルゲン、アルテルナリアアレルゲンの混合物、アルテルナリア抽出物又はアルテルナリア抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるアルテルナリアグループ1アレルゲンの量は、0.025〜0.25μg、より好ましくは0.025〜0.15μg、より好ましくは0.025〜0.05μg又はより好ましくは0.05〜0.1μg、より好ましくは0.06〜0.085μg、最も好ましくは約0.075μgのアルテルナリアグループ1アレルゲン、例えばAlt a 1である。
【0082】
本発明の別の実施形態によると、アレルゲンは、ヨモギ属花粉アレルゲン、ヨモギ属花粉アレルゲンの混合物、ヨモギ属花粉抽出物又はヨモギ属花粉抽出物の混合物であり用量漸増段階の最後の注射におけるヨモギ属グループ1アレルゲンの量は、0.45〜4.5μg、より好ましくは0.45〜2.7μg、より好ましくは0.45〜0.9μg又はより好ましくは0.9〜1.8μg、より好ましくは1〜1.5μg、最も好ましくは約1.4μgのヨモギ属グループ1アレルゲン、例えばArt v 1である。
【0083】
医薬品は、維持段階のために用いる組成物を含む1以上のユニットも含有してよい。適切には、維持量は、用量漸増段階の最後の注射における用量と同じである。
【0084】
本発明のこの実施形態によると、医薬品は、上記の組成物を含む1以上のユニットを含み、医薬品は、1用量が以下を含有することを特徴とする皮下注射により投与するための形態で提供される:
a) 0.25μg〜100μg、より好ましくは0.25μg〜75μg、より好ましくは0.25μg〜45μg、より好ましくは0.4μg〜30μg、より好ましくは0.5μg〜25μg、さらにより好ましくは0.6〜22.5μgのメジャーアレルゲン;又は
b) 約0.025〜約10μg、より好ましくは約0.025〜約6.3μg、より好ましくは約0.05μg〜約4.2μg、より好ましくは約0.05μg〜約3.6μg、さらにより好ましくは約0.075μg〜約3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲン;又は
c) 約0.1μg〜約10.5μg、より好ましくは約0.5μg〜約6μg、より好ましくは約1μg〜約4μg、より好ましくは約1.2μg〜約3.4μg、より好ましくは約1.5μg〜約3μgのイネ科草本からのグループ5アレルゲン又は木本からのグループ1アレルゲン;又は
d) 約0.1μg〜約7.5μg、より好ましくは約0.25μg〜約4.5μg、より好ましくは約0.5μg〜約3μg、より好ましくは約0.6μg〜約2.5μg、より好ましくは約0.75μg〜約2.25μgのダニグループ1アレルゲン、及びその量;又は
e) 0.2μg〜1.8μg、より好ましくは0.2μg〜1μg、より好ましくは 0.4μg〜0.7μg又は0.2〜0.4μg、より好ましくは0.4μg〜0.6μg、より好ましくは約0.5μgのオリーブ花粉グループ1アレルゲン;又は
f) 0.3μg〜3μg、より好ましくは0.3μg〜1.7μg、より好ましくは0.6μg〜1.2μg又は0.3〜0.6μg、より好ましくは0.7μg〜1μg、より好ましくは約0.59μgのヒカゲミズ花粉グループ1アレルゲン;又は
g) 0.45〜4.5μg、より好ましくは0.45〜2.7μg、より好ましくは0.45〜0.9μg又はより好ましくは0.9〜1.8μg、より好ましくは1〜1.5μg、最も好ましくは約1.4μgのヨモギ属グループ1アレルゲン、例えばArt v 1;又は
h) 0.025〜0.25μg、より好ましくは0.025〜0.15μg、より好ましくは0.025〜0.05μg又はより好ましくは0.05〜0.1μg、より好ましくは0.06〜0.085μg、最も好ましくは約0.075μgのアルテルナリアグループ1アレルゲン、例えばAlt a 1。
【0085】
維持量は、4〜8週間毎に、適切には6週間毎に与えられる。
【0086】
臨床上重要なメジャーアレルゲンは、アレルゲン抽出物に含まれるか、又は組換えにより生成し得る。組換えメジャーアレルゲンは、このようなメジャーアレルゲンを含むアレルゲン抽出物と同じ量で又はより高い用量で用いてよい。より高い用量は、より効果的であると考えられるが、潜在的により頻度が高いか又はより重篤な副作用の危険性と関連するとも考えられる。
【0087】
メジャーアレルゲンの低アレルギー性変異型、すなわち即時型又は遅発型のアレルギー反応を引き起こす能力が低減されたアレルゲンについて、本発明による剤形は、好ましくは、剤形あたり10〜100倍より多いメジャーアレルゲンを含有する。このような低アレルギー性変異型は、組換え起源又は天然起源のものであり得る。
【0088】
本発明による剤形のアレルゲン含量は、CIE (交差免疫電気泳動)、RIE (放射免疫電気泳動)及びSDS-PAGE (ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動)、PCT/DK2006/000480に記載されるようなMS定量法のような日常的なイムノアッセイ、並びにELISA及びMagic Like特異的IgEアッセイ(LIA)のようなイムノアッセイにより測定できる。
【0089】
花粉症のような特に季節性アレルギーの治療は、通常、目障りなアレルゲンに対する曝露が存在するか又は上昇する1年のうちの特定の時期に関連する。アレルゲンの季節は、アレルゲン供給源(例えば花粉)及び特定の地域におけるアレルゲン供給源の気候条件により変動する。よって、アレルゲンの季節は、気候に依存して世界の場所ごとに異なるが、通常、その年の実際の条件により変動する同じ地域については1年の同じ時期になる(例えば「Aerobiology and inhalant allergies」, 第19章, T.A.E. Platts-Mills及びW.R. Solomon (S. Manning編) 1993, Mosby-Year Book, St. Louisを参照)。特定の領域における特定のアレルゲンについての季節がいつ頃開始すると通常は予測されるかは、当業者に公知である。
【0090】
本発明のある実施形態において、季節前治療、すなわちアレルゲンの季節の前の本発明による医薬品の投与を含む治療方法が提供される。特に好ましい実施形態において、季節前治療期間は、アレルゲンの季節の2週間を超えて前、より好ましくは4〜20週間前、最も好ましくは8〜12週間前の期間にわたる本発明による医薬品の投与を含む。
本発明の医薬組成物は、季節前治療なしで用いてもよく、WO 08 116936による季節に開始してよい。
【0091】
本発明による医薬組成物は、アジュバントを含有するか又は含有しなくてよい。アジュバントは、公知のアジュバント、例えば酸素含有金属塩(水酸化アルミニウム及びリン酸カルシウム)、熱不安定性エンテロトキシン(LT)、コレラトキシン(CT)、コレラトキシンBサブユニット(CTB)、ポリマー化リポソーム、変異トキシン、例えばLTK63及びLTR72、マイクロカプセル、インターロイキン(例えばIL-1β、IL-2、IL-7、IL-12、INFγ)、GM-CSF、MDF誘導体、CpGオリゴヌクレオチド、LPS、MPL、ホスホファゼン(phosphophazenes)、Adju-Phos (登録商標)、グルカン、抗原製剤、リポソーム、DDE、DHEA、DMPC、DMPG、DOC/ミョウバン錯体、フロイントの不完全アジュバント、ISCOM (登録商標)、LT経口アジュバント、ムラミルジペプチド、モノホスホリルリピドA(MPL)、ムラミルトリペプチド又はホスファチジルエタノールアミンから適切に選択し得る。
【0092】
ある実施形態において、本発明の医薬組成物はアジュバントを含有しない。
しかし、本発明による医薬組成物は、好ましくは、公知のアジュバントである水酸化アルミニウムに吸着したアレルゲンを含有する。
水酸化アルミニウムは、活性物質がワクチンから徐々に放出されることを意味するデポ効果を有する。これは、いくつかの有利な効果、例えば刺激の持続、有利な薬物放出、及び環境条件に対する生物学的相互作用物質の保護を有すると考えられる。
さらに、水酸化アルミニウムは、ある捕捉特性を有するので、送達される活性物質を保持し得ると考えられる。
水酸化アルミニウムの別の特徴は、微小環境における活性物質についての理想的なpHを維持することにより酸分解を妨げるか、又は活性物質を酵素分解から保護することにより活性物質が送達されることを可能にすることのいずれかによる、活性物質の保護である。
さらに、水酸化アルミニウムは緩衝能を有する。このことにより、活性物質を分解性の環境から保護するワクチン製剤内のインビボ微小環境がもたらされ得る。
【0093】
本発明によると、SQ-U単位の数 対 Al (イオン)の量の比率は、典型的には15,000 SQ-U対0.3〜0.8、より好ましくは0.5〜0.6 mg Al (イオン)、最も好ましくは15,000 SQ-U対0.565 mg Al (イオン)である。
適切には、アレルゲン 対 Al (アルミニウムイオン)の比率は、用量漸増段階及び維持段階を通して同じであり、ここで、水酸化アルミニウムは、組成物中に、上記のようにアレルゲンの維持量(又は極量)あたり0.3〜0.8 mg Al、より好ましくは0.5〜0.6 mg Al、又は最も好ましくは約0.565 mg Alに相当する量で存在する。
【0094】
μgでのメジャーアレルゲンの量 対 本発明の組成物mgでのAlの量の比率で表すと、比率は1〜45、好ましくは1〜40である。
μgでの臨床上重要なアレルゲンの量 対 本発明の組成物中のmgでのAlの量の比率で表すと、比率は0.04〜11、より好ましくは0.1〜6である。この比率は、用量漸増段階及び維持段階における用量について、通常、同じである。
イネ科草本グループ5アレルゲン、木本グループ1アレルゲン、ダニグループ1アレルゲン、オリーブグループ1アレルゲン、ヒカゲミズグループ1アレルゲン、ヨモギ属グループ1アレルゲン、アルテルナリアグループ1アレルゲン 対 本発明の組成物中のAl (アルミニウムイオン)の比率で表すと、比率は、上記の維持量を0.565で除したものである。
【0095】
本発明の組成物は、水酸化アルミニウム(例えばAlhydrogel)を、アレルゲンを含有する溶液に加え、アレルゲン及び水酸化アルミニウムをある期間反応させることにより調製し得る。反応期間は、0.1〜48時間、好ましくは12〜24時間であり得る。反応は、好ましくは、4〜45℃、より好ましくは4〜20℃の温度で行う。
【0096】
30,000 SQ-Uを含有する組成物は、100,000 SQ-U/ml 及び1.13 mg Al/mlを含有するAlutard SQを、30,000 SQ-U/mlまで希釈し、水酸化アルミニウムを、1.13 mg Al/mlのAl濃度に到達するまで加えることにより調製し得る。30,000 SQ-U/ml及び0.565 mg Alを含むアレルゲン組成物を得るある特定の方法は、よって、2 1/3 mlの1.13 mg Al/ml含有水性懸濁液を、100,000 SQ-U/ml含有Alutard SQの各1mlに加えることである。本発明のその他の製剤は、同様の方法で調製し得る。100,000 SQ-U/ml及び1.13 mg Al (アルミニウムイオン)/mlを含有するAlutard SQは、商業的に入手可能である。
【0097】
本発明の製剤は、さらなるアジュバント及びこのようなタイプの製剤に適切なその他の賦形剤をさらに含み得ると理解される。このようなさらなるアジュバント及び賦形剤は、当業者に公知であり、例えば溶媒、乳化剤、湿潤剤、可塑剤、着色性物質、充填剤、防腐剤、粘度調節剤、緩衝剤、粘膜付着性物質などを含む。製剤ストラテジーの例は、当業者に公知である。
【0098】
本明細書で用いる場合、アレルギーワクチン接種又は脱感作は、アレルギーの治療及び予防の両方を含む。用語「治療」により、症状の部分的若しくは完全な治癒、緩和又は症状の原因の阻害を意味する。用語「予防」により、予防的処置を意味する。
【実施例】
【0099】
実施例1
本発明によると、用量漸増は、以下に記載する計画を用いて、柔軟で迅速な様式で行うことができる。
製剤の2つの濃度のみが必要であり、維持量に、3日から4週間までの3回の注射で到達できる。
【0100】
【表2】

【0101】
注射間隔:注射間隔:1〜14日
もし間隔が2〜3週間を超えると:最後の用量を反復(300又は3,000 SQ-E)
もし間隔が- >3週間:バイアルAから再開。
【0102】
15,000 SQ-Eは、0.6〜22.5μgのメジャーアレルゲン、0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲン、1.5μg〜3μgのイネ科草本からのグループ5アレルゲン若しくは木本からのグループ1アレルゲン、又は0.75μg〜2.25μgのダニグループ1アレルゲン、約0.55μgのオリーブグループ1アレルゲン、約0.9μgのヒカゲミズグループ1アレルゲン、約1.4μgのヨモギ属グループ1アレルゲン及び約0.075μgのアルテルナリアグループ1アレルゲンに相当する。
【0103】
実施例2
本発明によると、用量漸増は、以下に記載する計画を用いて、迅速な様式で行うことができる。
本発明の組成物の2つの濃度のみが必要であり、維持量に、毎週1回の注射で4週間、又は3〜4日ごとの注射で2.5週間で到達できる。用量漸増計画:
【0104】
【表3】

【0105】
注射間隔:週1回又は3〜4日毎
もし間隔が2〜3週間を超えると:最後の用量を反復
もし間隔が3〜4週間を超えると:前の用量の半分に低減
もし間隔が- >4週間:バイアルAから再開。
【0106】
15,000 SQ-Eは、0.6〜22.5μgのメジャーアレルゲン、0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲン、1.5μg〜3μgのイネ科草本からのグループ5アレルゲン若しくは木本からのグループ1アレルゲン、又は0.75μg〜2.25μgのダニグループ1アレルゲン、約0.55μgのオリーブグループ1アレルゲン、約0.9μgのヒカゲミズグループ1アレルゲン、約1.4μgのヨモギ属グループ1アレルゲン及び約0.075μgのアルテルナリアグループ1アレルゲンに相当する。
特に、イネ科草本アレルギーについて、注射同士の間が1週間の5回の注射での用量漸増は、各投与の間が1日で3回の注射での用量漸増、及び注射同士の間が3〜4日で5ステップにおける用量漸増よりも安全である。
【0107】
実施例3
3〜14日毎に1回の注射を行う以外は実施例2と同じ用量漸増計画。
【0108】
実施例4
本発明のあまり好ましくない実施形態によると、用量漸増は以下に記載する計画を用いて、柔軟で迅速な様式で行うことができる。
製剤の2つの濃度のみが必要であり、維持量に、3〜14日毎に1回の注射での8回の注射で到達できる。
【0109】
【表4】

【0110】
注射間隔:3〜14日毎
もし間隔が2〜3週間を超えると:最後の用量を反復
もし間隔が3〜4週間を超えると:前の用量の半分に低減
もし間隔が- >4週間:バイアルAから再開。
【0111】
15,000 SQ-Eは、0.6〜22.5μgのメジャーアレルゲン、0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲン、1.5μg〜3μgのイネ科草本からのグループ5アレルゲン若しくは木本からのグループ1アレルゲン、又は0.75μg〜2.25μgのダニグループ1アレルゲン、約0.55μgのオリーブグループ1アレルゲン、約0.9μgのヒカゲミズグループ1アレルゲン、約1.4μgのヨモギ属グループ1アレルゲン及び約0.075μgのアルテルナリアグループ1アレルゲンに相当する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品が、漸増量のアレルゲンを含有する4回、5回又は6回の注射での投与のための形態で提供され、
前記注射同士の間隔が、1〜14日の範囲で柔軟であることを特徴とする、
アレルゲンと任意にアジュバントとを含む組成物の、アレルゲンの1つの濃度を有する組成物を含む1ユニット又はアレルゲンの異なる濃度を有する前記組成物を含む複数の別々のユニットのいずれかを含むアレルギーワクチン接種の関係における用量漸増のための医薬品の製造のための使用。
【請求項2】
組成物が、アレルゲンの量が増加する5回又は6回の注射として投与される請求項1に記載の使用。
【請求項3】
組成物が、アレルゲンの量が増加する5回の注射として投与される請求項2に記載の使用。
【請求項4】
医薬品が、アレルゲンの異なる濃度を有する組成物を含有する1〜6ユニット、好ましくは1〜5ユニット、より好ましくは1〜4ユニット、より好ましくは1〜3ユニット、さらにより好ましくは2〜3ユニット、最も好ましくは2ユニットを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
アレルゲンの漸増量が、同じ組成物の異なる容量として、及び/又はアレルゲンの異なる濃度を有する組成物の同じ容量として投与され得る請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
注射同士の間隔が、1〜7日、より好ましくは1〜6日、より好ましくは1〜5日、より好ましくは1〜4日、より好ましくは1〜3日、より好ましくは1〜2日、最も好ましくは1日である請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
注射同士の間隔が、3〜4日(週2回の注射)又は7日(週1回の注射)である請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
注射同士の間隔が、3〜14日である請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
用量漸増段階における注射の回数と注射同士の間隔が、医薬品とともに提供される使用説明書に記載される請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
用量漸増段階の最後の注射における臨床上重要なメジャーアレルゲンの量が、0.025〜10.5μg、より好ましくは0.025〜6.3μg、より好ましくは0.05μg〜4.2μg、より好ましくは0.05μg〜3.6μg、さらにより好ましくは0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンである請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
用量漸増段階が、アレルゲンの用量が増加する5回の注射を含み、1回目の注射が0.0015μg〜0.063μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、2回目の注射が0.003μg〜0.126μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、3回目の注射が0.015μg〜0.63μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、4回目の注射が0.03μg〜1.26μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、5回目の注射が0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含む請求項10に記載の使用。
【請求項12】
アレルゲンが、イネ科草本アレルゲン、イネ科草本アレルゲンの混合物、イネ科草本アレルゲン抽出物又はイネ科草本アレルゲン抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるグループ5アレルゲンの量が、0.1μg〜10μg、より好ましくは0.5μg〜6μg、より好ましくは1μg〜4μg、より好ましくは1.2μg〜3.4μg、より好ましくは2.5μg〜3.5μg、若しくはより好ましくは1.5μg〜3μgであるか、又は
アレルゲンが、木本アレルゲン、木本アレルゲンの混合物、木本アレルゲン抽出物又は木本アレルゲン抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるグループ1アレルゲンの量が、0.1μg〜10μg、より好ましくは0.5μg〜6μg、より好ましくは1μg〜4μg、より好ましくは1.2μg〜3.4μg、より好ましくは2.5μg〜3.5μg、若しくはより好ましくは1.5μg〜3μgである請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
用量漸増段階が、アレルゲンの用量が増加する5回の注射を含み、1回目の注射が0.03μg〜0.06μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、2回目の注射が0.06μg〜0.12μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、3回目の注射が0.3μg〜0.6μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、4回目の注射が0.6μg〜1.2μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、5回目の注射が2.5μg〜3.5μg又は1.5μg〜3μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲン含むが、但し、5回全ての注射がイネ科草本又は木本アレルゲンのいずれかを含む請求項12に記載の使用。
【請求項14】
アレルゲンが、ダニアレルゲン、ダニアレルゲンの混合物、ダニ抽出物又はダニ抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるダニグループ1アレルゲンの量が、0.1μg〜7.5μg、より好ましくは0.25μg〜4.5μg、より好ましくは0.5μg〜3μg、より好ましくは0.6μg〜2.5μg、より好ましくは0.75μg〜2.25μgである請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
用量漸増段階が、アレルゲンの用量が増加する5回の注射を含み、1回目の注射が0.015μg〜0.045μgのダニグループ1アレルゲンを含み、2回目の注射が0.03μg〜0.09μgのダニグループ1アレルゲンを含み、3回目の注射が0.15μg〜0.45μgのダニグループ1アレルゲンを含み、4回目の注射が0.3μg〜0.9μgのダニグループ1アレルゲンを含み、5回目の注射が0.75μg〜2.25μgのダニグループ1アレルゲンを含む請求項14に記載の使用。
【請求項16】
アレルゲンが、オリーブ花粉アレルゲン、オリーブ花粉アレルゲンの混合物、オリーブ花粉抽出物又はオリーブ花粉抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるオリーブグループ1アレルゲンの量が、0.2μg〜1.9μg、より好ましくは0.2μg〜1μg、より好ましくは0.4μg〜0.7μg、より好ましくは0.4μg〜0.6μg、さらにより好ましくは約0.55μgのオリーブ花粉グループ1アレルゲンである請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項17】
アレルゲンが、ヒカゲミズ花粉アレルゲン、ヒカゲミズ花粉アレルゲンの混合物、ヒカゲミズ花粉抽出物又はヒカゲミズ花粉抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるヒカゲミズ花粉グループ1アレルゲンの量が、0.3μg〜3μg、より好ましくは0.3μg〜1.7μg、より好ましくは0.6μg〜1.2μg、より好ましくは0.7μg〜1μg、より好ましくは約0.9μgのヒカゲミズ花粉グループ1アレルゲンである請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項18】
アレルゲンが、アルテルナリアアレルゲン、アルテルナリアアレルゲンの混合物、アルテルナリア抽出物又はアルテルナリア抽出物の混合物である請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項19】
アレルゲンが、ヨモギ属花粉アレルゲン、ヨモギ属花粉アレルゲンの混合物、ヨモギ属花粉抽出物又はヨモギ属花粉抽出物の混合物である請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項20】
医薬品が、維持段階のために用いる組成物を含む1以上のユニットも含有し、維持量が、用量漸増段階の最後の注射における用量と同じである請求項1〜19のいずれか1項に記載の使用。
【請求項21】
医薬品が、1用量が:
a) 0.25μg〜100μg、より好ましくは0.25μg〜75μg、より好ましくは0.25μg〜45μg、より好ましくは0.4μg〜30μg、より好ましくは0.5μg〜25μg、さらにより好ましくは0.6〜22.5μgのメジャーアレルゲン;又は
b) 0.025〜10μg、より好ましくは0.025〜6.3μg、より好ましくは0.05μg〜4.2μg、より好ましくは0.05μg〜3.6μg、さらにより好ましくは0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲン;又は
c) 0.1μg〜10.5μg、より好ましくは0.5μg〜6μg、より好ましくは1μg〜4μg、より好ましくは1.2μg〜3.4μg、より好ましくは1.5μg〜3μgのイネ科草本からのグループ5アレルゲン若しくは木本からのグループ1アレルゲン;又は
d) 0.1μg〜7.5μg、より好ましくは0.25μg〜4.5μg、より好ましくは0.5μg〜3μg、より好ましくは0.6μg〜2.5μg、より好ましくは0.75μg〜2.25μgのダニグループ1アレルゲン、及びその量;又は
e) 0.2μg〜1.9μg、より好ましくは0.2μg〜1μg、より好ましくは0.4μg〜0.7μg、より好ましくは0.4μg〜0.6μg、より好ましくは約0.5μgのオリーブ花粉グループ1アレルゲン;又は
f) 0.3μg〜3μg、より好ましくは0.3μg〜1.7μg、より好ましくは0.6μg〜1.2μg、より好ましくは0.7μg〜1μg、より好ましくは約0.59μgのヒカゲミズ花粉グループ1アレルゲン;
を含有することを特徴とする注射による投与のための形態で提供される、
アレルゲンと任意にアジュバントとを含む組成物の、前記組成物を含む1以上のユニットを含むアレルギーワクチン接種のための医薬品の製造のための使用。
【請求項22】
組成物が水酸化アルミニウムを含み、維持量及び用量漸増段階の最高用量における水酸化アルミニウムの量が0.3〜0.8 mg Al、より好ましくは0.5〜0.6 mg Al、最も好ましくは約0.565 mg Alに相当し、アレルゲン 対 水酸化アルミニウムの比率が、用量漸増及び維持段階を通して同じである請求項1〜21のいずれか1項に記載の使用。
【請求項23】
アジュバントが水酸化アルミニウムであり、各組成物におけるμgでの単一の臨床上重要なメジャーアレルゲン 対 mgでのアルミニウムイオンの比率が、0.04〜11、より好ましくは0.1〜6である請求項10又は11に記載の使用。
【請求項24】
医薬品が、漸増量のアレルゲンを含有する4回、5回又は6回の注射での投与のための形態で提供され、
前記注射同士の間隔が、1〜14日の範囲で柔軟であることを特徴とする、
アレルゲンと任意にアジュバントとを含む組成物を、アレルゲンの1つの濃度を有する前記組成物を含む1ユニット又はアレルゲンの異なる濃度を有する前記組成物を含む複数の別々のユニットのいずれかで含むアレルギーワクチン接種の関係における用量漸増のための医薬品。
【請求項25】
組成物が、アレルゲンの量が増加する5回又は6回の注射として投与される請求項24に記載の医薬品。
【請求項26】
組成物が、アレルゲンの量が増加する5回の注射として投与される請求項24又は25に記載の医薬品。
【請求項27】
医薬品が、アレルゲンの異なる濃度を有する組成物を含有する1〜6ユニット、好ましくは1〜5ユニット、より好ましくは1〜4ユニット、より好ましくは1〜3ユニット、さらにより好ましくは2〜3ユニット、最も好ましくは2ユニットを含む請求項24に記載の医薬品。
【請求項28】
アレルゲンの漸増量が、同じ組成物の異なる容量として、又は異なるアレルゲン濃度を有する組成物の同じ容量として投与され得る請求項24〜27のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項29】
注射同士の間隔が、1〜7日、より好ましくは1〜6日、より好ましくは1〜5日、より好ましくは1〜4日、より好ましくは1〜3日、より好ましくは1〜2日、最も好ましくは1日である請求項24〜28のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項30】
注射同士の間隔が、3〜4日(週2回の注射)又は7日(週1回の注射)である請求項24〜28のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項31】
注射同士の間隔が、3〜14日である請求項24〜28のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項32】
用量漸増段階における注射の回数と注射同士の間隔が、医薬品とともに提供される使用説明書に記載される請求項24〜31のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項33】
用量漸増段階の最後の注射における単一の臨床上重要なメジャーアレルゲンの量が、0.025〜10.5μg、より好ましくは0.025〜6.3μg、より好ましくは0.05μg〜4.2μg、より好ましくは0.05μg〜3.6μg、さらにより好ましくは0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンである請求項24〜32のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項34】
用量漸増段階が、アレルゲンの用量が増加する5回の注射を含み、1回目の注射が0.0015μg〜0.063μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、2回目の注射が0.0030μg〜0.126μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、3回目の注射が0.015μg〜0.63μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、4回目の注射が0.03μg〜1.26μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含み、5回目の注射が0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲンを含む請求項33に記載の医薬品。
【請求項35】
アレルゲンが、イネ科草本アレルゲン、イネ科草本アレルゲンの混合物、イネ科草本アレルゲン抽出物又はイネ科草本アレルゲン抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるグループ5アレルゲンの量が、0.1μg〜10μg、より好ましくは2.5μg〜3.5μg若しくはより好ましくは0.5μg〜6μg、より好ましくは1μg〜4μg、より好ましくは1.2μg〜3.4μg、より好ましくは1.5μg〜3μgであるか、又は
アレルゲンが、木本アレルゲン、木本アレルゲンの混合物、木本アレルゲン抽出物又は木本アレルゲン抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるグループ1アレルゲンの量が、0.1μg〜10μg、より好ましくは0.5μg〜6μg、より好ましくは1μg〜4μg、より好ましくは1.2μg〜3.4μg、より好ましくは2.5μg〜3.5μg、より好ましくは1.5μg〜3μgである請求項24〜32のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項36】
用量漸増段階が、アレルゲンの用量が増加する5回の注射を含み、1回目の注射が0.03μg〜0.06μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、2回目の注射が0.06μg〜0.12μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、3回目の注射が0.3μg〜0.6μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、4回目の注射が0.6μg〜1.2μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲンを含み、5回目の注射が2.5μg〜3.5μg又は1.5μg〜3μgのイネ科草本グループ5アレルゲン又は木本グループ1アレルゲン含むが、但し、5回全ての注射がイネ科草本又は木本アレルゲンのいずれかを含む請求項35に記載の医薬品。
【請求項37】
アレルゲンが、ダニアレルゲン、ダニアレルゲンの混合物、ダニ抽出物又はダニ抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるダニグループ1アレルゲンの量が、0.1μg〜7.5μg、より好ましくは0.25μg〜4.5μg、より好ましくは0.5μg〜3μg、より好ましくは0.6μg〜2.5μg、より好ましくは0.75μg〜2.25μgである請求項24〜32のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項38】
用量漸増段階が、アレルゲンの用量が増加する5回の注射を含み、1回目の注射が0.015μg〜0.045μgのダニグループ1アレルゲンを含み、2回目の注射が0.03μg〜0.09μgのダニグループ1アレルゲンを含み、3回目の注射が0.15μg〜0.45μgのダニグループ1アレルゲンを含み、4回目の注射が0.3μg〜0.9μgのダニグループ1アレルゲンを含み、5回目の注射が0.75μg〜2.25μgのダニグループ1アレルゲンを含む請求項37に記載の医薬品。
【請求項39】
アレルゲンが、オリーブ花粉アレルゲン、オリーブ花粉アレルゲンの混合物、オリーブ花粉抽出物又はオリーブ花粉抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるオリーブグループ1アレルゲンの量が、0.2μg〜1.9μg、より好ましくは0.2μg〜1μg、より好ましくは0.4μg〜0.7μg、より好ましくは0.4μg〜0.6μg、又はより好ましくは約0.55μgのオリーブ花粉グループ1アレルゲンである請求項24〜32のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項40】
アレルゲンが、ヒカゲミズ花粉アレルゲン、ヒカゲミズ花粉アレルゲンの混合物、ヒカゲミズ花粉抽出物又はヒカゲミズ花粉抽出物の混合物であり、用量漸増段階の最後の注射におけるヒカゲミズ花粉グループ1アレルゲンの量が、0.3μg〜3μg、より好ましくは0.3μg〜1.7μg、より好ましくは0.6μg〜1.2μg、より好ましくは0.7μg〜1μg、より好ましくは約0.9μgのヒカゲミズ花粉グループ1アレルゲンである請求項24〜32のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項41】
アレルゲンが、アルテルナリアアレルゲン、アルテルナリアアレルゲンの混合物、アルテルナリア抽出物又はアルテルナリア抽出物の混合物である請求項24〜32のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項42】
アレルゲンが、ヨモギ属花粉アレルゲン、ヨモギ属花粉アレルゲンの混合物、ヨモギ属花粉抽出物又はヨモギ属花粉抽出物の混合物である請求項24〜32のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項43】
医薬品が、維持段階のために用いる組成物を含む1以上のユニットも含有する請求項24〜42のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項44】
医薬品が、注射による投与のための形態で提供され、1用量が:
a) 0.25μg〜100μg、より好ましくは0.25μg〜75μg、より好ましくは0.25μg〜45μg、より好ましくは0.4μg〜30μg、より好ましくは0.5μg〜25μg、さらにより好ましくは0.6〜22.5μgのメジャーアレルゲン;又は
b) 0.025〜10.5μg、より好ましくは0.025〜6.3μg、より好ましくは0.05μg〜4.2μg、より好ましくは0.05μg〜3.6μg、さらにより好ましくは0.075μg〜3.15μgの臨床上重要なメジャーアレルゲン;又は
c) 0.1μg〜10μg、より好ましくは0.5μg〜6μg、より好ましくは1μg〜4μg、より好ましくは1.2μg〜3.4μg、より好ましくは1.5μg〜3μgのイネ科草本からのグループ5アレルゲン若しくは木本からのグループ1アレルゲン;又は
d) 0.1μg〜7.5μg、より好ましくは0.25μg〜4.5μg、より好ましくは0.5μg〜3μg、より好ましくは0.6μg〜2.5μg、より好ましくは0.75μg〜2.25μgのダニグループ1アレルゲン;又は
e) 0.2μg〜1.9μg、より好ましくは0.2μg〜1μg、より好ましくは0.4μg〜0.7μg、より好ましくは0.4μg〜0.6μg、より好ましくは約0.5μgのオリーブ花粉グループ1アレルゲン;又は
f) 0.3μg〜3μg、より好ましくは0.3μg〜1.7μg、より好ましくは0.6μg〜1.2μg、より好ましくは0.7μg〜1μg、より好ましくは約0.59μgのヒカゲミズ花粉グループ1アレルゲン;
を含有することを特徴とする、アレルゲンと任意にアジュバントとを含む組成物を含む1以上のユニットを含むアレルギーワクチン接種のための医薬品。
【請求項45】
組成物が水酸化アルミニウムを含み、維持量及び用量漸増段階の最高用量における水酸化アルミニウムの量が0.3〜0.8 mg Al、より好ましくは0.5〜0.6 mg Al、最も好ましくは約0.565 mg Alに相当し、アレルゲン 対 水酸化アルミニウムの比率が、用量漸増及び維持段階を通して同じである請求項24〜44のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項46】
アジュバントが水酸化アルミニウムであり、各組成物におけるμgでの単一の臨床上重要なメジャーアレルゲン 対 mgでのアルミニウムイオンの比率が、0.04〜11、より好ましくは0.1〜6である請求項33又は34に記載の医薬品。
【請求項47】
注射が皮下注射である請求項1〜23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項48】
注射が皮下注射である請求項24〜46のいずれか1項に記載の医薬品。

【公表番号】特表2012−505856(P2012−505856A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531486(P2011−531486)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063489
【国際公開番号】WO2010/043675
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(505193472)
【氏名又は名称原語表記】ALK−ABELLO A/S
【住所又は居所原語表記】Boge Alle 6−8,DK−2970 Horsholm,DENMARK
【Fターム(参考)】