説明

アレーアンテナ装置

【課題】素子アンテナが波長の数倍から数十倍の間隔で配置されていても全てのグレーティングローブを十分に抑圧するアレーアンテナ装置を得る。
【解決手段】アレーアンテナ装置は、複数の素子アンテナを等間隔かつ一直線上に配置して構成される送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備え、互いに素な整数をM、Nとし、受信アレーアンテナの素子アンテナは、素子アンテナのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角近傍に、受信アレーアンテナのアレーファクタの第Mグレーティングローブを有するよう、整数Mに波長を乗算し第1ヌル発生角で除算した商で配置され、送信アレーアンテナの素子アンテナは、送信アレーアンテナのアレーファクタの第Nグレーティングローブの発生角度が第Mグレーティングローブの発生角と一致するよう、整数Nに受信アレーアンテナの素子アンテナの間隔を乗算し整数Mで除算した商からなる間隔で配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーダ装置に備えられる送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナから構成されるアレーアンテナ装置に関し、特に送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを構成する素子アンテナが波長に対して十分広い間隔で配列されるアレーアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アレーアンテナ装置において、素子アンテナの配列間隔dが波長λよりも大きい場合、アレーアンテナ装置の指向角度θが−π/2を超え、π/2未満の可視領域内にグレーティングローブが発生する。グレーティングローブが発生する指向角度θは、ビーム走査角度θと零を除く整数kを用いてθ=sin−1(kλ/d+sinθ)で表される。
【0003】
送信アレーアンテナと受信アレーアンテナを備えるレーダ装置では、送信アレーパターンと受信アレーパターンの積パターンで装置の特性が決定される。送信アレーパターンにおけるグレーティングローブ発生角度θgtと受信アレーパターンにおけるグレーティングローブ発生角度θgrとが近い位置にある場合、積パターンにおいて高レベルのグレーティングローブが発生する。この場合、目標からのレーダ反射波をメインローブ方向で受信したか、グレーティングローブ方向で受信したかの区別が曖昧になり、目標が存在する方向を誤検出する問題が生じる。
【0004】
このように、可視領域内の高レベルのグレーティングローブの存在は、レーダ装置の性能の悪化を招く。そこで、グレーティングローブを可視領域内に発生させないためには、素子間隔dをλに対して十分小さくすれば良い。
しかし、素子アンテナや送受信モジュールの物理寸法がλに対して非常に大きい場合や、コスト低減のため素子アンテナ及び送受信モジュールを間引く必要がある場合など、dがλよりも大きくならざるを得ない場合がある。
【0005】
これらのような場合、積パターンにおけるグレーティングローブレベルを抑圧する手法として、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの素子アンテナを互いに異なる間隔で配列し、送信アレーパターン及び受信アレーパターンのグレーティングローブ発生角度を違える手法が一般的に知られている。
また、積パターンのグレーティングローブレベルを効果的に抑圧する手法として、受信パターンのグレーティングローブ発生角度において、送信パターンの相対電力が落ち込んだ形状とする手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−231040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年のレーダ装置において、目標探知能力の向上及び運用の柔軟性を得るため、複数の素子アンテナまたはサブアレーアンテナを波長の数倍から数十倍の間隔で配置し、それらのパターンを合成する手法が盛んに検討されている。送信素子アンテナ及び受信素子アンテナ間隔が波長の数十倍となる規模のアレーアンテナ装置では、送信アレーパターン及び受信アレーパターンにおいて、可視領域内に高レベルのグレーティングローブが非常に密な間隔で多数発生する。そのため、送信アレーパターン及び受信アレーパターンの積パターンにおいて、高レベルのグレーティングローブが発生し、レーダ装置の探知性能が悪化する問題がある。
【0008】
レーダ装置の探知性能改善のため、積パターンにおけるグレーティングローブのレベルを抑圧する必要がある。しかしながら、送信アレーパターン及び受信アレーパターンにおけるグレーティングローブが非常に密な間隔で多数存在している場合、それらの発生角度を違える従来の抑圧手法では、全てのグレーティングローブを十分に抑圧することができないという課題がある。
【0009】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、素子アンテナが波長の数倍から数十倍の間隔で配置されていても全てのグレーティングローブを十分に抑圧するアレーアンテナ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係るアレーアンテナ装置は、複数の素子アンテナを等間隔かつ一直線上に配置して構成される送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるアレーアンテナ装置において、互いに素な整数をM、Nとし、前記受信アレーアンテナの素子アンテナは、前記素子アンテナのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角近傍に、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Mグレーティングローブを有するよう、前記整数Mに波長を乗算し前記第1ヌル発生角で除算した商からなる間隔で配置され、前記送信アレーアンテナの素子アンテナは、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Nグレーティングローブの発生角度が前記第Mグレーティングローブの発生角度と一致するよう、前記整数Nに前記受信アレーアンテナの素子アンテナの間隔を乗算し前記整数Mで除算した商からなる間隔で配置される。
【0011】
また、複数のサブアレーアンテナを等間隔かつ一直線上に配置して構成する送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるアレーアンテナ装置において、サブアレーパターンがグレーティングローブを有し、互いに素な整数をM、Nとし、零を除く整数をkとし、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第kMグレーティングローブの発生角度と第(k+1)Mグレーティングローブの発生角度の中間に前記サブアレーパターンの第1グレーティングローブが発生するよう、受信サブアレーは前記整数Mに(k+1/2)と波長を乗算し、前記サブアレーパターンの第1グレーティングローブ発生角度で除算した商からなる間隔で配置され、送信サブアレーは、前記送信アレーアンテナの第Nグレーティングローブの発生角度が前記受信アレーアンテナの第Mグレーティングローブの発生角度と一致するよう、前記整数Nに前記受信サブアレーの間隔を乗算し前記整数Mで除算した商からなる間隔で配置される。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係るアレーアンテナ装置は、送信アレーパターンと受信アレーパターンにおける一部のグレーティングローブを除き発生角度を違え、且つ、グレーティングローブの重なる角度をアレー素子パターンにおけるヌル発生角度に合わせる、またはサブアレーパターンにおけるグレーティングローブが発生する角度範囲外とすることで、送受積パターンにおける可視領域内のグレーティングローブレベルを十分に抑圧した探知性能の良いレーダ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1におけるアレーアンテナ素子の配列の一例を示した模式図である。
【図2】図1の受信アレーアンテナにおけるアレーファクタを示した図である。
【図3】図1の送信アレーアンテナにおけるアレーファクタを示した図である。
【図4】図1の送信及び受信アレーアンテナにおけるアレーファクタの積を示した図である。
【図5】図1の素子アンテナにおけるアレー素子パターンを示した図である。
【図6】図1の送信及び受信アレーアンテナにおけるアレーパターンの積を示した図である。
【図7】本発明の実施の形態2におけるサブアレーの構成と配列の一例を示した模式図である。
【図8】本発明の実施の形態3におけるアレーアンテナ素子の配列の一例を示した模式図である。
【図9】図8の受信アレーアンテナにおけるアレーファクタを示した図である。
【図10】図8の送信アレーアンテナにおけるアレーファクタを示した図である。
【図11】図8の送信及び受信アレーアンテナにおけるアレーファクタの積を示した図である。
【図12】図8の素子アンテナにおけるアレー素子パターンを示した図である。
【図13】図8の送信及び受信アレーアンテナにおけるアレーパターンの積を示した図である。
【図14】本発明の実施の形態6に係るアレーアンテナ装置の送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのそれぞれのサブアレーの、M=5、N=3の場合の配列の一例を示した模式図である。
【図15】サブアレーのそれぞれを構成する素子アンテナの配列の一例を示した模式図である。
【図16】図14の送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるレーダ装置におけるサブアレーパターンを示した図である。
【図17】図14の受信アレーアンテナのアレーファクタを示す図である。
【図18】図14の送信アレーアンテナのアレーファクタを示す図である。
【図19】図17で示した受信アレーアンテナのアレーファクタと図18で示した送信アレーアンテナのアレーファクタを積算した結果を示す図である。
【図20】送信アレーパターンと受信アレーパターンの積パターンを示す図である。
【図21】本発明の実施の形態7に係るアレーアンテナ装置の送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのそれぞれのサブアレーのサブアレーパターンを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態7に係る受信アレーアンテナのアレーファクタを示す図である。
【図23】本発明の実施の形態7に係る送信アレーアンテナのアレーファクタを示す図である。
【図24】図22で示した受信アレーアンテナのアレーファクタと図23で示した送信アレーアンテナのアレーファクタとを積算した結果を示す図である。
【図25】送信アレーパターンと受信アレーパターンの積パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のアレーアンテナ装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置の送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのそれぞれの素子アンテナの配列の一例を示した模式図である。
本発明の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置は、図1に示すように、受信アレーアンテナの素子アンテナ1a、1b、1c、・・・及び送信アレーアンテナの素子アンテナ2a、2b、2c、・・・を備えている。
【0015】
受信アレーアンテナの素子アンテナ1a、1b、1c、・・・は、間隔dで等間隔かつ一直線上に配列されている。また、送信アレーアンテナの素子アンテナ2a、2b、2c、・・・は間隔dで等間隔かつ一直線上に配列されている。そして、受信アレーアンテナの素子アンテナ1a、1b、1c、・・・と送信アレーアンテナの素子アンテナ2a、2b、2c、・・・は並列に配列されている。
間隔dと間隔dは、互いに素な正数M、Nを用いて関係式(1)で表される。M=5、N=3の場合を一例として図1に示す。
【0016】
=N×d÷M (1)
【0017】
素子アンテナが等間隔かつ一直線上に配列されたアレーアンテナのアレーファクタにおいて、グレーティングローブが発生する角度θは、素子アンテナの配列間隔d、ビーム走査角度θおよび零を除く整数kを用いると、導出式(2)で表される。特に間隔dがkλに対して非常に大きい場合、導出式(3)で近似できる。
【0018】
θ=sin−1(kλ/d+sinθ) (2)
θ=kλ+θ (3)
【0019】
図1における受信アレーアンテナのアレーファクタを図2に、送信アレーアンテナのアレーファクタを図3に示す。
間隔dと間隔dの関係式(1)及びθの導出式(2)、(3)より、送信アレーアンテナのアレーファクタの第1グレーティングローブは、受信アレーアンテナのアレーファクタの第1グレーティングローブと第2グレーティングローブの間に存在する。
送信アレーアンテナのアレーファクタの第2グレーティングローブは、受信アレーアンテナのアレーファクタの第3グレーティングローブと第4グレーティングローブの間に存在する。
また、送信アレーアンテナのアレーファクタの第3グレーティングローブは、受信アレーアンテナのアレーファクタの第5グレーティングローブと同じ角度に存在する。正の整数mを用いると、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのアレーファクタのグレーティングローブが重なる重畳角度±θ0mは、式(4)で表される。
【0020】
θ0m=mMλ/d=mNλ/d (4)
【0021】
図4に、図2に示した受信アレーアンテナのアレーファクタと図3に示した送信アレーアンテナのアレーファクタとを積算した結果を示す。重畳角度±θに、高レベルのグレーティングローブが残存する。
【0022】
そして、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのアレー素子パターンのヌル発生角度が、式(4)で表される重畳角度±θ0mと同一又は十分に近い値となるように設定する。
図5は、m=1、M=5、N=3の場合の重畳角度±θ01において第1ヌルが発生するアレー素子パターンの一例を示す。
【0023】
図6に、以上の条件を全て満たす送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるレーダ装置における、送信アレーパターンと受信アレーパターンの積パターンを示す。
図6では、m=1、M=5、N=3の場合の重畳角度θ01に存在するグレーティングローブレベルが大きく抑圧され、またメインローブの周囲に存在する他のグレーティングローブについてもレベルが十分抑圧されており、本発明によって素子間隔を決定した送信及び受信アレーアンテナを備えるレーダ装置は、高い探知性能を有することができる。
【0024】
実施の形態2.
図7(a)は、本発明の実施の形態2に係るアレーアンテナ装置の送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのそれぞれのサブアレーの配列の一例を示した模式図である。図7(b)は、サブアレーのそれぞれの素子アンテナの配列の一例を示した模式図である。
本発明の実施の形態2に係るアレーアンテナ装置は、受信サブアレー10a、10b、10c、・・・から構成される受信アレーアンテナ及び送信サブアレー20a、20b、20c、・・・から構成される送信アレーアンテナを備える。
受信サブアレー10a、10b、10c、・・・は、間隔dで等間隔かつ一直線上に配列されている。また、送信サブアレー20a、20b、20c、・・・は間隔dで等間隔かつ一直線上に配列されている。そして、受信サブアレー10a、10b、10c、・・・と送信サブアレー20a、20b、20c、・・・は並列に配列されている。
【0025】
受信アレーアンテナのアレーファクタの特定のグレーティングローブと送信アレーアンテナのアレーファクタの特定のグレーティングローブが重なる重畳角度±θ0mは式(4)で表される。
【0026】
各受信サブアレー10a、10b、10c、・・・と各送信サブアレー20a、20b、20c、・・・は、すべて同じく複数の素子アンテナ30a、30b、30c、・・・から構成され、素子アンテナ30a、30b、30c、・・・は、間隔dで等間隔かつ一直線上に配列されている。素子アンテナ30a、30b、30c、・・・は、受信サブアレー10a、10b、10c、・・・及び送信サブアレー20a、20b、20c、・・・と並列に配列されている。
【0027】
サブアレーのアレー素子パターンの第1ヌル発生角度±θ01は、素子数N、素子間隔dとすると、式(5)で表される。
【0028】
θ01=λ/(N×d) (5)
【0029】
そこで、第1ヌル発生角度±θ01が重畳角度±θ0mと同一または十分に近い値になるように素子数Nや素子間隔dを調整する。
また、実施の形態1のように受信アレーアンテナの間隔dや送信アレーアンテナの間隔dを調整して、第1ヌル発生角度±θ01が重畳角度±θ0mと同一または十分に近い値になるようにしても良い。
なお、上述の受信アレーアンテナと送信アレーアンテナはともにサブアレーにより構成しているが、一方だけをサブアレーで構成しても良い。
【0030】
本発明の実施の形態2に係るアレーアンテナ装置は、上述の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置と同じ効果を奏するとともに、受信アレーアンテナまたは送信アレーアンテナの一方または両方をサブアレーで構成し、そのサブアレーを複数の素子アンテナで構成することにより、アレー素子パターンの第1ヌル発生角度±θ01を独自に調整できるため、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの素子間隔の設計自由度が増す。
【0031】
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係るアレーアンテナ装置の送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのそれぞれの素子アンテナの配列の一例を示した模式図である。
本発明の実施の形態3に係るアレーアンテナ装置は、図8に示すように、受信アレーアンテナの素子アンテナ1a、1b、1c、・・・及び送信アレーアンテナの素子アンテナ2a、2b、2c、・・・を備えている。
【0032】
受信アレーアンテナの素子アンテナ1a、1b、1c、・・・は、間隔dで等間隔かつ一直線上に配列されている。また、送信アレーアンテナの素子アンテナ2a、2b、2c、・・・は間隔dで等間隔かつ一直線上に配列されている。そして、受信アレーアンテナの素子アンテナ1a、1b、1c、・・・と送信アレーアンテナの素子アンテナ2a、2b、2c、・・・は並列に配列されている。
【0033】
間隔dと間隔dは、式(6)で表される関係にある。この実施の形態3は実施の形態1の中の一例であり、正の整数nを用いると、M=(2n−1)、N=2の場合である。n=3の場合を一例として図8に示す。
【0034】
=(2n−1)d/2 (6)
【0035】
図8における受信アレーアンテナのアレーファクタの一例を図9に、送信アレーアンテナのアレーファクタの一例を図10に示す。
送信アレーアンテナのアレーファクタの第1グレーティングローブは、間隔dと間隔dの関係式(6)及びθの導出式(2)より、受信アレーアンテナのアレーファクタの第2グレーティングローブと第3グレーティングローブの中間に存在する。
また、送信アレーアンテナのアレーファクタの第2グレーティングローブは、受信アレーアンテナのアレーファクタの第5グレーティングローブと同じ角度に存在する。送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのアレーファクタのグレーティングローブが重なる重畳角度±θ0mは、整数mを用いて、式(7)で表される。
【0036】
θ0m=m(2n−1)λ/d=2mλ/d (7)
【0037】
図11に、図9に示した受信アレーアンテナのアレーファクタと図10に示した送信アレーアンテナのアレーファクタとを積算した結果を示す。
このように、関係式(6)を満足する間隔dと間隔dで送信アレーアンテナと受信アレーアンテナを配列することにより、送信アレーアンテナのアレーファクタの第1グレーティングローブレベルを最も大きく抑制することができる。特にグレーティングローブ幅が広い場合に有効である。
但し、m=1の場合の重畳角度θ01には、実施の形態1と同様、高レベルのグレーティングローブが残存する。
【0038】
そこで、重畳角度θ0mを送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのアレー素子パターンのヌル発生角度と同一、または十分近い値になるように間隔dと間隔dを設定する。
図12に、m=1且つn=3の場合の重畳角度θ01において第1ヌルが発生するアレー素子パターンの一例を示す。
【0039】
図13に、以上の条件を全て満たす送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるレーダ装置における、送信アレーパターンと受信アレーパターンの積パターンを示す。 図13では、図11に示したθ01=±5λ/d=±2λ/dの角度に存在するグレーティングローブレベルが大きく抑圧され、さらにメインローブの周囲に存在する他のグレーティングローブについてもレベルが十分に抑圧されている。
本発明によって素子間隔を決定した送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるレーダ装置は、高い探知性能を有することができる。
【0040】
実施の形態4.
本発明の実施の形態1に係るアレーアンテナ装置では送信アレーアンテナと受信アレーアンテナのアレー素子パターンの第1ヌル発生角に対して十分近い角度に送信アレーファクタ及び受信アレーファクタのグレーティングローブが発生しているのに対して、本発明の実施の形態4に係るアレーアンテナ装置では送信アレーアンテナと受信アレーアンテナのアレー素子パターンの第1ヌル発生角に対して広角側の角度に送信アレーファクタ及び受信アレーファクタのグレーティングローブが発生している。
【0041】
すなわち、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナのアレー素子パターンの第1ヌル発生角をθ01、第1ヌル発生角θ01に対して広角側の角度θ、受信アレーアンテナの素子アンテナの間隔をd、送信アレーアンテナの素子アンテナの間隔をd、2つの整数をM、N、波長をλとし、間隔dがd=Mλ/θ<Mλ/θ01の関係を、且つ、間隔dがd=N×d/Mの関係を満たすように設定されている。
【0042】
このように、本発明の実施の形態4に係るアレーアンテナ装置は、第1ヌル発生角に対して十分遠い角度に送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのアレーファクタのグレーティングローブが発生し、素子アンテナパターンのサイドローブレベルを十分低くすることにより、送信アレーパターンと受信アレーパターンの積パターンにおける全てのグレーティングローブレベルを抑圧することができ、高い探知性能を備えたレーダ装置が得られる。
そして、実施の形態1または2に係るアレーアンテナ装置と比べて送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの素子アンテナの配列設計自由度が増す。
【0043】
なお、実施の形態4の送信アレーアンテナと受信アレーアンテナの素子アンテナの代りに、複数の素子アンテナから構成されるサブアレーから送信アレーアンテナと受信アレーアンテナが構成されている場合にも、上述の技術思想を適用することができる。
すなわち、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナのサブアレーの第1ヌル発生角に対して十分遠い角度に送信アレーファクタ及び受信アレーファクタのグレーティングローブを発生すれば良い。
【0044】
実施の形態5.
本発明の実施の形態3に係るアレーアンテナ装置では送信アレーアンテナと受信アレーアンテナのアレー素子パターンの第1ヌル発生角に対して十分近い角度に送信アレーファクタ及び受信アレーファクタのグレーティングローブが発生しているのに対して、本発明の実施の形態5に係るアレーアンテナ装置では送信アレーアンテナと受信アレーアンテナのアレー素子パターンの第1ヌル発生角に対して広角側の角度に送信アレーファクタ及び受信アレーファクタのグレーティングローブが発生している。
【0045】
すなわち、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナのアレー素子パターンの第1ヌル発生角をθ01、第1ヌル発生角θ01に対して広角側の角度θ、受信アレーアンテナの素子アンテナの間隔をd、送信アレーアンテナの素子アンテナの間隔をd、整数をn、波長をλとし、間隔dがd=2λ/θ<2λ/θ01の関係を、且つ、間隔dがd=(2n−1)×d/2の関係を満たすように設定されている。
【0046】
このように、本発明の実施の形態5に係るアレーアンテナ装置は、第1ヌル発生角に対して十分遠い角度に送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのアレーファクタのグレーティングローブが発生し、素子アンテナパターンのサイドローブレベルを十分低くすることにより、送信アレーパターンと受信アレーパターンの積パターンにおける全てのグレーティングローブレベルを抑圧することができ、高い探知性能を備えたレーダ装置が得られる。
そして、実施の形態3に係るアレーアンテナ装置と比べて送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの素子アンテナの配列設計自由度が増す。
【0047】
なお、実施の形態5の送信アレーアンテナと受信アレーアンテナの素子アンテナの代りに、複数の素子アンテナから構成されるサブアレーから送信アレーアンテナと受信アレーアンテナが構成されている場合にも、上述の技術思想を適用することができる。
すなわち、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナのサブアレーの第1ヌル発生角に対して十分遠い角度に送信アレーファクタ及び受信アレーファクタのグレーティングローブを発生すれば良い。
【0048】
実施の形態6.
本発明の実施の形態2に係るアレーアンテナ装置では、サブアレーアンテナを構成するアンテナ素子の間隔dが波長λに対して十分狭く、サブアレーパターンにグレーティングローブを生じないのに対し、本発明の実施の形態6に係るアレーアンテナ装置では、アンテナ素子の間隔dS’’が大きく、サブアレーパターンにグレーティングローブを生じる。
サブアレーパターンの第1グレーティングローブ発生角度θgSは、サブアレーを構成するアンテナ素子の間隔dS’’を用いて式(8)で表される。
【0049】
θgS=sin−1(λ/d’’) (8)
【0050】
互いに素な整数M、N、零を除く整数k、受信サブアレー間隔d’’を用いて、受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第kMグレーティングローブの発生角度はθgkM=sin−1(kMλ/d’’)、第(k+1)Mグレーティングローブの発生角度はθg(k+1)M=sin−1((k+1)Mλ/d’’)であり、θgkMとθg(k+1)Mの中間にθgSが存在する場合、受信サブアレー間隔d’’は、θgS=(θgkM+θg(k+1)M)/2の関係式より求まる式(9)で表される。
【0051】
’’≒(k+1/2)Md’’≒(k+1/2)Mλ/θgS (9)
【0052】
送信アレーファクタの第Nグレーティングローブの発生角度が受信アレーファクタの第Mグレーティングローブの発生角度と一致するよう、送信サブアレー間隔d’’を定めると間隔d’’は式(10)で表される。
【0053】
’’=(k+1/2)Nd’’=(k+1/2)Nλ/θgS (10)
【0054】
また、サブアレーパターンの第1グレーティングローブの両隣のヌルの発生角度間隔はサブアレーを構成する素子数N’’を用いて、sin−1(2λ/(N’’d’’))と表されるので、受信アレーファクタの第kMグレーティングローブと第(k+1)Mグレーティングローブがサブアレーパターンの第1グレーティングローブに隣接する2つのヌル発生角度の間に生じないための条件は、2λ/(N’’d’’)<Mλ/d’’より式(11)で表される。
【0055】
k<(N’’−1)/2 (11)
【0056】
図14は、本発明の実施の形態6に係るアレーアンテナ装置の送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナのそれぞれのサブアレーの、M=5、N=3の場合の配列の一例を示した模式図である。図15は、サブアレーのそれぞれを構成する素子アンテナの配列の一例を示した模式図である。
【0057】
M=5、N=3であり、式(9)、(10)、(11)の条件を全て満たす送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるレーダ装置におけるサブアレーパターンを図16に、受信アレーアンテナのアレーファクタを図17に、送信アレーアンテナのアレーファクタを図18に示す。サブアレーパターンの第1グレーティングローブがθgS=sin−1(λ/d’’)の角度に発生している。
【0058】
図19に図17で示した受信アレーアンテナのアレーファクタと図18で示した送信アレーアンテナのアレーファクタを積算した結果を示す。M、Nと整数kを用いてsin−1(kMλ/d’’)=sin−1(kNλ/d’’)の角度にグレーティングローブが発生している。
【0059】
図20に送信アレーパターンと受信アレーパターンの積パターンを示す。図16のサブアレーパターンの第1グレーティングローブに隣接する2つのヌル発生角度の間に,図19の送信及び受信アレーファクタの積のグレーティングローブを生じないように送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを構成することで、可視領域内でメインローブ以外のグレーティングローブレベルが十分抑圧されており、本発明によって素子間隔を決定した送信及び受信アレーアンテナを備えるレーダ装置は高い探知性能を有することができる。
【0060】
実施の形態7.
本発明の実施の形態6に係るアレーアンテナ装置では、受信及び送信アレーファクタの積の隣り合うグレーティングローブの発生角度の中間にサブアレーパターンの第1グレーティングローブが発生し、かつ受信及び送信アレーファクタの積のグレーティングローブはサブアレーパターンの第1グレーティングローブが発生する角度範囲外に生じるのに対して、本発明の実施の形態7に係るアレーアンテナ装置では、受信アレーアンテナと送信アレーアンテナのアレーファクタの積パターンのグレーティングローブがサブアレーパターンの第1グレーティングローブの両隣のヌルが生じる角度と同じ角度に生じている。
【0061】
実施の形態7ではサブアレーを構成するアンテナ素子数N’’’は奇数であり、サブアレーを構成するアンテナ素子の間隔dS’’’を用いて、サブアレーパターンは角度θgS=sin−1(λ/d’’’)に第1グレーティングローブを生じている。
また、第1グレーティングローブに隣接するヌルの、アレー正面に近い方の発生角度はsin−1((N’’’−1)/N’’’×λ/d’’’)と表され、これと間隔d’’’で配置された受信アレーのアレーファクタの第kMグレーティングローブが発生する角度θgkM=sin−1(kMλ/d’’’)とが等しく、かつ第1グレーティングローブに隣接するもう一方のヌルの発生角度はsin−1((N’’’+1)/N’’’×λ/d’’’)と表され、これと受信アレーアンテナのアレーファクタの第(k+1)Mグレーティングローブが発生する角度θgkM=sin−1((k+1)Mλ/d’’’)とが等しいことから、受信サブアレーの間隔d’’’は式(12)で表される。
【0062】
’’’=MN’’’×d’’’/2 (12)
【0063】
送信アレーのアレーファクタの第Nグレーティングローブの発生角度が受信アレーアンテナのアレーファクタの第Mグレーティングローブの発生角度と一致するように送信サブアレー間隔d’’’を定めると、d’’’は式(13)で表される。
【0064】
’’’=NN’’’×d’’’/2 (13)
【0065】
M=5、N=3であり、式(12)、(13)の条件を満たす送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるレーダ装置におけるサブアレーパターンを図21に、受信アレーアンテナのアレーファクタを図22に、送信アレーアンテナのアレーファクタを図23に示す。サブアレーパターンの第1グレーティングローブがθgS=sin−1(λ/d’’’)の角度に発生している。
【0066】
図24に図22で示した受信アレーアンテナのアレーファクタと図23で示した送信アレーアンテナのアレーファクタとを積算した結果を示す。M、Nと整数kを用いてsin−1(kMλ/d’’)=sin−1(kNλ/d’’)の角度にグレーティングローブが発生している。
【0067】
図25に送信アレーパターンと受信アレーパターンの積パターンを示す。図21のサブアレーパターンの第1グレーティングローブの両隣のヌルの発生角度と図24の送信及び受信アレーファクタの積のグレーティングローブ発生角度を一致させるように送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを構成することで、可視領域内でメインローブ以外のグレーティングローブレベルが十分抑圧されており、本発明によって素子間隔を決定した送信及び受信アレーアンテナを備えるレーダ装置は高い探知性能を有することができる。
【符号の説明】
【0068】
1a、1b、1c、1d 素子アンテナ、2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g 素子アンテナ、10a、10b、10c、10d 受信サブアレー、20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g 送信サブアレー、30a、30b、30c、30d、30e 素子アンテナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素子アンテナを等間隔かつ一直線上に配置して構成される送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるアレーアンテナ装置において、
互いに素な整数をM、Nとし、
前記受信アレーアンテナの素子アンテナは、前記素子アンテナのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角近傍に、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Mグレーティングローブを有するよう、前記整数Mに波長を乗算し前記第1ヌル発生角で除算した商からなる間隔で配置され、
前記送信アレーアンテナの素子アンテナは、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Nグレーティングローブの発生角度が前記第Mグレーティングローブの発生角度と一致するよう、前記整数Nに前記受信アレーアンテナの素子アンテナの間隔を乗算し前記整数Mで除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とするアレーアンテナ装置。
【請求項2】
整数をnとし、
前記受信アレーアンテナの素子アンテナは、前記素子アンテナのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角近傍に、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第(2n−1)グレーティングローブを有するよう、前記整数(2n−1)に波長を乗算し前記第1ヌル発生角で除算した商からなる間隔で配置され、
前記送信アレーアンテナの素子アンテナは、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第2グレーティングローブの発生角度が前記第(2n−1)グレーティングローブの発生角度と一致するよう、整数2に前記受信アレーアンテナの素子アンテナの間隔を乗算し前記整数(2n−1)で除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
【請求項3】
等間隔かつ一直線上に配置される複数の素子アンテナを有する複数のサブアレーを等間隔かつ一直線上に配置して構成する送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるアレーアンテナ装置において、
互いに素な整数をM、Nとし、
前記受信アレーアンテナのサブアレーは、前記サブアレーのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角近傍に、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Mグレーティングローブを有するよう、前記整数Mに波長を乗算し前記第1ヌル発生角で除算した商からなる間隔で配置され、
前記送信アレーアンテナのサブアレーは、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Nグレーティングローブの発生角度が前記第Mグレーティングローブの発生角度と一致するよう、前記整数Nに前記受信アレーアンテナのサブアレーの間隔を乗算し前記整数Mで除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とするアレーアンテナ装置。
【請求項4】
整数をnとし、
前記受信アレーアンテナのサブアレーは、前記サブアレーのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角近傍に、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第(2n−1)グレーティングローブを有するよう、前記整数(2n−1)に波長を乗算し前記第1ヌル発生角で除算した商からなる間隔で配置され、
前記送信アレーアンテナのサブアレーは、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第2mグレーティングローブの発生角度が前記第(2n−1)グレーティングローブの発生角度と一致するよう、整数2に前記受信アレーアンテナのサブアレーの間隔を乗算し前記整数(2n−1)で除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とする請求項3に記載のアレーアンテナ装置。
【請求項5】
複数の素子アンテナを等間隔かつ一直線上に配置して構成される送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるアレーアンテナ装置において、
互いに素な整数をM、Nとし、
前記受信アレーアンテナの素子アンテナは、前記素子アンテナのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角より広角側の角度に、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Mグレーティングローブを有するよう、前記整数Mに波長を乗算し前記広角側の角度で除算した商からなる間隔で配置され、
前記送信アレーアンテナの素子アンテナは、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Nグレーティングローブの発生角度が前記第Mグレーティングローブの発生角度と一致するよう、前記整数Nに前記受信アレーアンテナの素子アンテナの間隔を乗算し前記整数Mで除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とするアレーアンテナ装置。
【請求項6】
整数をnとし、
前記受信アレーアンテナの素子アンテナは、前記素子アンテナのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角より広角側の角度に、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第(2n−1)グレーティングローブを有するよう、前記整数(2n−1)に波長を乗算し前記広角側の角度で除算した商からなる間隔で配置され、
前記送信アレーアンテナの素子アンテナは、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第2グレーティングローブの発生角度が前記第(2n−1)グレーティングローブの発生角度と一致するよう、整数2に前記受信アレーアンテナの素子アンテナの間隔を乗算し前記整数(2n−1)で除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とする請求項5に記載のアレーアンテナ装置。
【請求項7】
等間隔かつ一直線上に配置される複数の素子アンテナを有する複数のサブアレーを等間隔かつ一直線上に配置して構成する送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるアレーアンテナ装置において、
互いに素な整数をM、Nとし、
前記受信アレーアンテナのサブアレーは、前記サブアレーのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角より広角側の角度に、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Mグレーティングローブを有するよう、前記整数Mに波長を乗算し前記広角側の角度で除算した商からなる間隔で配置され、
前記送信アレーアンテナのサブアレーは、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第Nグレーティングローブの発生角度が前記第Mグレーティングローブの発生角度と一致するよう、前記整数Nに前記受信アレーアンテナのサブアレーの間隔を乗算し前記整数Mで除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とするアレーアンテナ装置。
【請求項8】
整数をnとし、
前記受信アレーアンテナのサブアレーは、前記サブアレーのアレー素子パターンにおける第1ヌル発生角より広角側の角度に、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第(2n−1)グレーティングローブを有するよう、前記整数(2n−1)に波長を乗算し前記広角側の角度で除算した商からなる間隔で配置され、
前記送信アレーアンテナのサブアレーは、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第2グレーティングローブの発生角度が前記第(2n−1)グレーティングローブの発生角度と一致するよう、整数2に前記受信アレーアンテナのサブアレーの間隔を乗算し前記整数(2n−1)で除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とする請求項7に記載のアレーアンテナ装置。
【請求項9】
複数のサブアレーアンテナを等間隔かつ一直線上に配置して構成する送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるアレーアンテナ装置において、サブアレーパターンが第1グレーティングローブを有し、
互いに素な整数をM、Nとし、零を除く整数をkとし、
前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第kMグレーティングローブの発生角度と第(k+1)Mグレーティングローブの発生角度の中間に前記サブアレーパターンの第1グレーティングローブが発生し、且つ前記第kMグレーティングローブと前記第(k+1)Mグレーティングローブが前記第1グレーティングローブに隣接する2つのヌル発生角度の間に生じないよう、前記受信サブアレーは前記整数Mに(k+1/2)と波長を乗算し、前記サブアレーパターンの第1グレーティングローブ発生角度で除算した商からなる間隔で配置され、前記送信サブアレーアンテナは、前記送信アレーアンテナの第Nグレーティングローブの発生角度が前記受信アレーアンテナの第Mグレーティングローブの発生角度と一致するよう、前記整数Nに前記受信サブアレーアンテナの間隔を乗算し前記整数Mで除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とするアレーアンテナ装置。
【請求項10】
サブアレーアンテナを奇数個の素子アンテナで構成し、前記サブアレーアンテナを等間隔かつ一直線上に配置して構成する送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナを備えるアレーアンテナ装置において、前記サブアレーパターンが第1グレーティングローブを有する場合、
互いに素な整数をM、Nとし、零を除く整数をkとし、
前記サブアレーパターンの第1グレーティングローブに隣接するヌル発生角度のメインローブに近い方において、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第kMグレーティングローブの発生角度と、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第kNグレーティングローブの発生角度とが一致し、前記第1グレーティングローブに隣接する広角側のヌル発生角度において、前記受信アレーアンテナのアレーファクタにおける第(k+1)Mグレーティングローブの発生角度と、前記送信アレーアンテナのアレーファクタにおける第(k+1)Nグレーティングローブの発生角度とが一致するよう、前記受信サブアレーアンテナは前記整数Mに前記サブアレーアンテナを構成する素子アンテナ数と前記素子アンテナの間隔とを乗算し2で除算した商からなる間隔で配置され、前記送信サブアレーアンテナは前記整数Nに前記受信サブアレーアンテナの間隔を乗算し前記整数Mで除算した商からなる間隔で配置されることを特徴とするアレーアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−120144(P2012−120144A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81713(P2011−81713)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】