説明

アンカー部材植付け用孔の形成方法及び孔形成型

【目的】 シース管等の消耗品を用いることなく、基礎にアンカー部材植付け用の孔を形成できる形成方法及び孔形成型10を提供すること。
【構成】 一対の型片11,11等を有し、外形が縮小あるいは変形可能な型本体12と、この型本体12を所定外形に拡張させる拡張手段である連結部材15とを備えた孔形成型10を用意し、この孔形成型10を基礎形成用型枠内に配置した後、基礎形成用型枠内にコンクリートを打設して固化させ、このコンクリートの固化後、孔形成型10を縮小等により取外してアンカー部材植付け用の孔を形成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物と基礎とを連結する際に用いられるアンカー部材を植付けるための孔を形成する方法及びその孔を形成するための孔形成型に関する。
【0002】
【背景技術】従来、例えば直方体状の建物ユニットを基礎上に設置して建築物を建設する場合、建物ユニットの下面にアンカー部材(アンカーボルト)を突設させ、このアンカーボルトを、基礎の上端面に設けられた孔部に充填されたグラウト材内に挿入して固定することが行われている。
【0003】図7には、従来の基礎と建物ユニットとの固定構造が示されている。図7において、基礎101には、金属管からなるシース管102が上端を開口して配置され、このシース管102内にはモルタル等からなるグラウト材103が充填されている。このグラウト材103内には、建物ユニット105の下面に突設されたアンカー部材106が挿入され、この状態でグラウト材103が固化され、建物ユニット105が基礎101に固定されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のシース管102を用いた工法では、1本のアンカー部材106に対し1個のシース管102を必要とする。従って、1つの建物ユニット105に対し少なくとも4個のシース管102を必要とし、1棟の建物の1階分として8つの建物ユニット105を使うとすると、32個のシース管102が必要となる。このため、1棟分の建築物に要するシース管102の数及びコストは膨大の額となるという問題点がある。
【0005】本発明の目的は、シース管を必要とすることなく、基礎にアンカー部材植付け用孔の形成を可能にする方法及びその孔形成型を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る方法は、適宜構造の型等を用いることにより、基礎にシース管を用いることなく直接孔を形成するようにした方法である。
【0007】具体的には、基礎形成用型枠内にアンカー部材植付け用の孔形成型を配置した後、基礎形成用型枠内にコンクリートを打設して固化させ、このコンクリートの固化後、孔形成型を取外してアンカー部材植付け用孔を形成することを特徴とするアンカー部材植付け用孔の形成方法である。
【0008】本発明に係る孔形成型は、外形が縮小可能な型本体と、この型本体を所定外形に拡張させる拡張手段とを具備したことを特徴とするアンカー部材植付け用孔形成型である。
【0009】
【作用】本発明において、基礎を形成するための型枠内にアンカー部材植付け用の孔形成型を配置した状態で、基礎を形成し、基礎が固化した後に孔形成型を取外してグラウト材充填用の孔を形成するものである。
【0010】型の取外しは、例えば、型として外形が縮小可能な型を用いることにより行われる。すなわち、型が配置された状態で基礎が固化したら、型を縮小して基礎から型の周面を引き剥がし、次いで型を取出すことになる。この取出した型は、表面の清掃等を行ない再使用することとなる。また、孔形成型としては、外形が縮小するものに限らず、ある程度柔軟性があって変形可能な構成でもよいが、縮小可能の型の方が基礎からの剥離が容易である。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】図1〜4において、本発明に係る孔の形成方法を、本発明に係る孔形成型の第1実施例とともに説明する。
【0013】図1の分解斜視図において、本実施例に係る孔形成型10は、略半割円柱状とされた一対の型片11,11からなる型本体12と、この型本体12を構成する一対の型片11,11の上端間及び下端間をそれぞれ連結する上端部材13及び下端部材14と、上端部材13及び型本体12を貫通して挿入されるとともに下端部材14に下端部をねじ込まれる連結部材15とを備えている。
【0014】上端部材13は円盤状に形成されるとともに、その下面に下方に突設された一対の楔16,16を備えている。これらの各楔16は、各型片11の上面に形成された溝17内に挿入可能とされ、各楔16が各溝17に挿入されることで、一対の型片11,11の上端部が所定位置に保持されるようになっている。
【0015】下端部材14は略かすがい状に形成されるとともに、両端から各々上方に立ち上がった係止部18は、その内面をテーパ面19とされている。この下端部材14は各型片11の下面に形成された切欠21に係合され、この切欠21には、下端部材14のテーパ面19に係合するテーパ面22が形成され、これらの各テーパ面19,22の作用により、各型片11の下端部の外方への移動が規制されている。
【0016】下端部材14の中央には、ねじ孔23が形成され、このねじ孔23にはボルト状の連結部材15の下端ねじ部24がねじ込まれるようになっている。連結部材15の上端部には、連結部材15を回転させるための角形部25が形成されるとともに、この角形部25に連続して上端ねじ部26が形成され、この上端ねじ部26には蝶ナット27がねじ込まれるようになっている。このような連結部材15の周面には、グリースが塗布され、後述する型片11との当接時の回動(ねじ込み)が円滑に行えるようになっている。
【0017】一方、各型片11の内端面には連結部材15の内面に密接し、連結部材15の円筒面の半分より浅い溝からなる浅溝28がそれぞれ形成されている。従って、一対の型片11,11の各浅溝28内にボルト状の連結部材15が挿入された場合、各型片11の内端面は少し離れた状態となり、図2に示されるように、両型片11,11間には隙間29が形成されるようになっている。この隙間29の両端には、図3に示されるように、隙間29の両端を覆うように両型片11,11に跨がって目ばり部材41が固着されている。この目ばり部材41は、紙、プラスチックシート、その他のテープ状で柔軟な素材から構成されている。
【0018】これにより、組立状態の一対の型片11,11間に形成される隙間29内に基礎38用のコンクリートが流入することが防止されている。しかし、一般に隙間29はきわめて狭いものでよく、しかも、基礎38を形成するためのコンクリートは比較的粘度が高いものであるため、目ばり部材41は必ずしも必要ではない。
【0019】前述のように連結部材15が浅溝28内に挿入された状態で各型片11に形成された溝17に丁度上端部材13の各楔16が挿入され、かつ、各型片11の切欠21に形成されたテーパ面22に下端部材14の各テーパ面19が合致するようにされている。従って、本実施例では、ボルト状の連結部材15が一対の型片11,11を所定形状に拡張する拡張手段として作用し、この拡張状態にある型片11,11の外周面が丁度略円弧状となるようにされている。また、上端部材13の楔16及び下端部材14の係止部18がそれぞれ両型片11,11の分離を防止するようになっている。
【0020】図2には、本実施例に係る孔形成型10を組立て、かつ、型支持部材31に支持した状態が示されている。この型支持部材31への孔形成型10の取付けは、上端部材13上に型支持部材31を蝶ナット27で挟み込むことによりなされている。
【0021】型支持部材31は、図4に示されるように、各孔形成型10を支持する上方を開口された上向きコ字型の吊り下げ部32と、この吊り下げ部32の上端開口部側に固定され、吊り下げ部32から両端を水平に突出された掛け渡し部33とから構成されている。
【0022】次に、図4をも参照しながら、本実施例に係る孔形成型10を用いてアンカー部材植付け用孔の形成方法を説明する。
【0023】先ず、孔形成型10を組み立てるには、型本体12を構成する一対の型片11,11の上端及び下端にそれぞれ上端部材13及び下端部材14を係合させる。この状態で、上端部材13の中央に形成された孔及び一対の型片11,11の浅溝28を貫通してボルト状の連結部材15を挿入し、下端ねじ部24を下端部材14のねじ孔23にねじ込む。この際、連結部材15の下端ねじ部24のねじ孔23へのねじ込みは、角形部25を利用してスパナ等で行う。このねじ込みは前述のグリースの作用で円滑に行われる。
【0024】次いで、上端部材13から突出した連結部材15の上端部を型支持部材31の吊り下げ部32に形成された孔内に挿入し、上端部材13上に吊り下げ部32を位置させ、連結部材15の上端ねじ部26に蝶ナット27をねじ込んで、蝶ナット27と上端部材13により吊り下げ部32を固定する。この際、型支持部材31への孔形成型10の取付けは、図4に示されるように2個でもよいし、1あるいは3以上の数でもよく、この数は必要に応じて決定される。
【0025】所定数の孔形成型10を取付けられた型支持部材31は、一対の基礎形成用型枠35,35上にボルト等の適宜な取付具36を用いて、高さ及び水平状態等を調整されながら固定される。一対の型枠35,35は、捨てコンクリート等からなる土台36上に所定間隔を隔てて立設され、これらの型枠35,35間にコンクリート等が充填されて基礎38が形成されることとなる。
【0026】型枠35,35内に注入されたコンクリートが固化し、基礎38が形成されると、取付具36を取外すとともに、蝶ナット27を外して型支持部材31を型枠35から取り除く。次いで、連結部材15の上端に形成された角形部25を利用して連結部材15の下端ねじ部24を下端部材14から取外し、かつ、上端部材13を取外す。これにより、一対の型片11,11が隙間29の寸法だけ内方に近寄ることができるため、各型片11の上端に形成された溝17内にドライバ等適宜な部材を挿入して型片11を互いに内側に寄せることにより、基礎38のコンクリート面から各型片11を引き剥がし、各型片11を取り除くこととなる。
【0027】次いで、下端部材14を取り除くことになるが、この下端部材14は手で直接取外してもよいし、連結部材15の下端ねじ部24を再び下端部材14のねじ孔23にねじ込んで引き上げるようにしてもよい。これにより、基礎38の上端面には孔形成型10が取外された位置にアンカー部材植付け用の孔39が形成されることとなる。
【0028】このようにして形成されたアンカー部材植付け用の孔39内には、建築物の建設に当たり、従来と同様にグラウト材が充填され、このグラウト材内に建物ユニットのアンカー部材が挿入されて固化されることとなる。一方、基礎38から取外した型支持部材31及び各孔形成型10は、適宜に洗浄して次回の孔39の形成時に再使用することとなる。
【0029】前述のような本実施例によれば次のような効果がある。すなわち、アンカー部材植付け用の孔39を形成するにあたり、従来のようにシース管を用いることがないため、シース管の材料費分だけコスト低減をできる。また、長期間の使用により、シース管が劣化することもなく、基礎38と建物ユニットとの連結を長期に亘って確実に行うことができる。
【0030】更に、孔形成型10は、一対の型片11,11、上端、下端部材13,14、連結部材15及びナット17等からなる簡単な構成であるため、比較的安価に提供できる。しかも、連結部材15を取外すだけで、型本体12を形成する一対の型片11,11は容易に基礎38から取外すことができる。
【0031】図5には、本発明の第2実施例が示されている。本実施例は、第1実施例における型本体12を構成する一対の型片11,11の基礎38からの着脱をより容易にしたものである。
【0032】本実施例に係る孔形成型50は、一対の同一形状の型片51,51を有する型本体52を備えている。この各型片51は、略半円柱状に形成されるとともに、この半円柱状の内側の平坦面における中央に浅溝53を備えている。この浅溝53の両側には、それぞればね収納凹部54が形成されるとともに、このばね収納凹部54の更に外側の一側にガイド突起55が、他側にこのガイド突起55に係合可能なガイド孔56がそれぞれ形成されている。従って、一対の型片51,51を平坦面を内側にして向かい合わせると、一方の型片51のガイド突起55が他方の型片51のガイド孔56に係合されて一対の型片51,51は、これらのガイド突起55とガイド孔56とを案内として所定方向に摺動できるようにされている。
【0033】一対の型片51,51の浅溝53内には、途中に拡張手段としての偏平状のカム部57を有する連結部材58が回動可能に挿入されている。この連結部材58は、図示しない上端部材及び下端部材間に掛け渡され、これらの上端、下端部材に回動自在に支持されている。また、両型片51,51の各ばね収納凹部54間には、それぞれ付勢手段としての引っ張りばね59が介装され、この引っ張りばね59により一対の型片51,51は互いに近づく方向に付勢されている。また、連結部材58のカム部57の周面には必要に応じてグリースが塗布される。
【0034】一対の型片51,51の両側に形成される合せ面には、カム部57の作用により隙間61が形成され、この隙間61には目ばり部材62が取付けられている。この目ばり部材62は、ある程度剛性のあるプラスチックシート等から構成されるとともに、一端側が型片51に固定され、他端側はフリーとされている。この目ばり部材62により、一対の型片51,51間に基礎形成用のコンクリートが流入することが防止されている。目ばり部材62は、第1実施例と同様に紙等のテープ状部材の貼付でもよい。
【0035】このような構成において、基礎にアンカー部材植付け用の孔を形成する場合には、図5に実線で示されるように、連結部材58を回動して、カム部57が一対の型片51,51の各浅溝53の中央部に当接するようにし、一対の型片51,51を引っ張りばね59に抗して拡張しておく。この状態で、型本体52を図示しない型支持部材に取付けて、前記第1実施例と同様に型枠内に基礎を形成する。
【0036】次いで、基礎が固化したら、連結部材58を90度回動し、カム部57を図中二点鎖線で示されるように、型片51の平端部に沿った状態にする。これにより、一対の型片51,51は引っ張りばね59の作用によってガイド突起55とガイド孔56とを案内として互いに近づく方向に移動する。この移動により、型片51,51は基礎から引き剥がされ、型本体52を容易に取出すことができるようにされる。この状態で、型本体52を基礎から取出せば、所定のアンカー部材植付け用の孔が形成されることとなる。
【0037】上述のような本実施例によれば、前記第1実施例と同様な効果がある他、型本体52の取出しをより容易にできるという効果がある。
【0038】図6には、本発明の第3実施例が示されている。本実施例は、孔形成型70を金属板等の板金加工により構成したものである。
【0039】孔形成型70は、有底円筒状の型本体71と、この型本体71の上端開口部に嵌合される蓋状の上端部材72と、この上端部材72を貫通して型本体71に下端部をねじ込まれる連結部材73とを主要構成要素として備えている。
【0040】型本体71は、下端部材としての底部74を備えるとともに、底部74から立設され一対の切れ目75により2つの部分に分割された略円筒状で、その切れ目部において一部が互いに重なり合って縮径及び拡径可能な一対の型割片76,76とを備え、底部74の中央には、ナット材等の溶接により形成されるめねじ部77が設けられている。型本体71に形成される切れ目75は、底部74の近傍において終端孔78を形成されている。
【0041】型本体71の底部74に設けられためねじ部77には、連結部材73の下端部に形成された下端ねじ部79が螺合され、この連結部材73の上端部には上端ねじ部81が形成されるとともに、この上端ねじ部81よりも先端側に角形部82が形成されている。
【0042】上端部材72は、平板部83と、この平板部83の下端側に溶接等により一体に固定された有底筒状の挿入部84とから構成され、挿入部84の外周は下端側に至るに従い小径となるテーパ面に形成されている。この挿入部84の外形は、テーパ面の先端側が型本体71の一対の型割片76,76内に容易に挿入される形状とされ、かつ、挿入部84の平板部83側は、型割片76,76を所定直径までに拡大するに十分な直径とされている。なお、挿入部84の底板は必ずしも設けなくともよく、挿入部84は単なるテーパリング状の部材とされてもよい。しかし、底板を設ければ、挿入部84の剛性を上げることができる。
【0043】連結部材73の上端ねじ部81は、上端部材72が型本体71の上端開口部に挿入された際、上端部材72を貫通して突出されるような長さに形成され、この連結部材73の上端部材72からの突出部には、図示しない型支持部材を介してワッシャ85が挿入され、かつ、蝶ナット86がねじ込まれて、孔形成型70を型支持部材に取付け得るようになっている。
【0044】このような構成の本実施例において、図示しない基礎にアンカー部材植付け用の孔を形成するには、型本体71の上端開口部に上端部材72を挿入して型本体71の一対の型割片76,76を拡げた状態にし、この状態で、型本体71、上端部材72等を含む孔形成型70を図示しない型支持部材に蝶ナット86で取付ける。この孔形成型70を取付けられた型支持部材を、基礎形成用の型枠に取付け、第1実施例と同様にして基礎形成用のコンクリート打ちをする。コンクリートの固化後、蝶ナット86を取外し、かつ、型支持部材及び上端部材72を取外す。この状態で、型本体71の一対の型割片76,76を内側に縮め、型本体71を基礎のコンクリート面から剥がし、次いで、連結部材73等を掴んで型本体71を基礎から抜き出す。これにより、基礎には所定のアンカー部材植付け用の孔が形成されることとなる。
【0045】このような本実施例においても、前記第1実施例と同様な効果を有する他、孔形成型70を板金加工により構成できるから、孔形成型70をより安価に提供できるという効果を付加できる。
【0046】なお、本発明は前記各実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での改良、変形等は、本発明に含まれるものである。
【0047】例えば、各実施例において型本体を形成する型片あるいは型割片は、必ずしも二分割に限らず、三分割以上でもよい。また、型本体は必ずしも分割あるいは外形が縮小しなくともよく、基礎から容易に取外すことができるものであればよい。例えば、適度な硬度及び変形可能な部材であるプラスチック材等からなり、基礎の形成後、型本体を内側に変形させることにより基礎から取外すもの、あるいは、コンクリートとの付着性の小さい素材例えばフッ素樹脂等からなり、かつ、底部が細くなるテーパ状の型を用いて基礎から容易に引き抜くことが可能な構造等でもよい。しかし、外形が縮小可能な孔形成型とすれば、型の基礎からの取出しが容易となる利点がある。
【0048】更に、前記各実施例において、型本体は略直円筒状に形成されたが、下端側に至る従い小径となるテーパ状に形成してもよく、円筒以外の角筒、その他の形状としてもよい。また、各孔形成型の型本体の外周面に比較的大きな凹凸面を設け、これらの凹凸面によりアンカー部材植付け用の孔の周面に凹凸を設け、孔内に注入されるグラウト材と基礎との接合を良好にしてもよい。
【0049】更に、各実施例においてボルト状の連結部材の上端側は必ずしも蝶ナットをねじ込む構造にせず、連結部材本体と一体の六角頭部等であってもよい。この際、連結部材は型支持部材の上側から最後にねじ込まれるため、連結部材と型支持部材の掛け渡し部等との干渉をしないように設計する必要がある。
【0050】更に、第1実施例において、各型片11の浅溝28を連結部材15の外形より十分大きくし、この連結部材15によっては一対の型片11,11の拡張手段とはせず、上、下端部材13,14により一対の型片11,11を拡張するようにしてもよい。この際、上端部材13は楔16により拡張をさせ、下端部材14は上端部材13における楔16と同様な部材を設けて拡張するようにすればよい。従って、この場合における連結部材15は単に上、下端部材13,14及び型支持部材31を連結する役目のみをすることとなる。また、このような構成においては、一対の型片11,11の取外し時に連結部材15を下端部材14に取付けたままとしてもよく、このようにすれば、作業性を向上できるという利点を付加できる。
【0051】また、第三実施例において、型本体71の一対の型割片76,76を縮小するために、型割片76の上端部内側に、型割片76を内側に引き寄せるための突起等を設けてもよい。
【0052】
【発明の効果】上述のような本発明によれば、シース管等の消耗品を用いることなく、安価に基礎にアンカー部材植付け用の孔を形成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す分解斜視図である。
【図2】第1実施例の組立状態の縦断面図である。
【図3】第1実施例の型本体を示す平面図である。
【図4】第1実施例を用いて基礎にアンカー部材植付け用孔を形成する状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す要部の断面図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す一部を切り欠いた分解斜視図である。
【図7】従来のアンカー部材植付け用孔の形成状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 孔形成型
11 型片
12 型本体
13 上端部材
14 下端部材
15 連結部材
28 浅溝
50 孔形成型
51 型片
52 型本体
53 浅溝
57 カム部
58 連結部材
70 孔形成型
71 型本体
72 型割片
73 連結部材
74 下端部材としての底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 基礎形成用型枠内にアンカー部材植付け用の孔形成型を配置した後、基礎形成用型枠内にコンクリートを打設して固化させ、このコンクリートの固化後、孔形成型を取外してアンカー部材植付け用孔を形成することを特徴とするアンカー部材植付け用孔の形成方法。
【請求項2】 外形が縮小可能な型本体と、この型本体を所定外形に拡張させる拡張手段とを具備したことを特徴とするアンカー部材植付け用孔形成型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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