説明

アンモニウム塩及びそれを用いた帯電防止剤

【課題】 従来に比べて、樹脂組成物等の絶縁物に優れた帯電防止性を付与できる新規なアンモニウム塩、及びそれを有効成分として含有する帯電防止剤を提供すること。
【解決手段】 式(1):
【化1】


(式中、R、R及びRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜18のアルキル基を表し、Aは含フッ素イオンを表す。)で示されるアンモニウム塩及び該アンモニウム塩を有効成分として含有することを特徴とする帯電防止剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアンモニウム塩及びそれを有効成分として含有する帯電防止剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アンモニウム塩類は樹脂組成物等の絶縁物の帯電防止剤として用いられ、例えばテトラブチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが樹脂組成物に対する帯電防止剤として知られている(例えば、特許文献1参照)。そこで、本発明者がテトラブチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを樹脂組成物の帯電防止剤として用いたところ、樹脂組成物の表面抵抗値は十分に下がらず、この化合物は満足できる帯電防止性を有するものとはいいがたく、より優れた帯電防止性を有する化合物が望まれている。
【特許文献1】特表2003−511505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来に比べて、樹脂組成物等の絶縁物に優れた帯電防止性を付与できる新規なアンモニウム塩、及びそれを有効成分として含有する帯電防止剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者が上記課題を解決するために鋭意検討したところ、特定の構造を有する新規なアンモニウム塩を帯電防止剤として樹脂組成物に含有させたところ、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち本発明は、式(1):
【0006】
【化1】

(式中、R、R及びRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜18のアルキル基を表し、Aは含フッ素イオンを表す。)で示されるアンモニウム塩(以下アンモニウム塩(1)という。)及び該アンモニウム塩を有効成分として含有することを特徴とする帯電防止剤に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアンモニウム塩(1)は、樹脂組成物等の絶縁物に対して、従来のアンモニウム塩類に比べてより良好な帯電防止性を付与することができるため、帯電防止剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
式(1)中、R、R及びRで示される炭素数1〜18のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の炭素数1〜18のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素数4〜8のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0009】
式(1)中、Aで表される含フッ素イオンとしては、フッ素原子を含有するイオンであれば特に限定されないが、好ましくはビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、パーフルオロアルカンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸イオン、テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボロン酸イオン又はテトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸イオンである。
【0010】
ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオンとしては、式(4):
(RfSO)(RfSO)N (4)
(式中、Rf及びRfは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を表す。)で示されるイオンであり、ここでRf及びRfで示される炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。具体的には、例えばビス(フルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドイオン、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドイオン、[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミドイオン等が挙げられる。
【0011】
パーフルオロアルカンスルホン酸イオンとしては、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンスルホン酸イオンが挙げられ、具体的には、例えばトリフルオロメタンスルホン酸イオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸イオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸イオン、ノナフルオロブタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0012】
アンモニウム塩(1)の具体例としては、例えばビス(トリメチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリエチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリプロピルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリペンチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリヘプチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリノニルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリウンデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリドデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリテトラデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリペンタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリヘキサデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリヘプタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリオクタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(フルオロスルホニル)イミド、
【0013】
ビス(トリメチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリエチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリプロピルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリペンチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリヘプチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリノニルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリウンデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリドデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリテトラデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリペンタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリヘキサデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリヘプタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリオクタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
【0014】
ビス(トリメチルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリエチルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリプロピルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリペンチルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリヘプチルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリノニルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリウンデシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリドデシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリテトラデシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリペンタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリヘキサデシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリヘプタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、ビス(トリオクタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、
【0015】
ビス(トリメチルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリエチルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリプロピルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリペンチルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリヘプチルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリノニルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリウンデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリドデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリテトラデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリペンタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリヘキサデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリヘプタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、ビス(トリオクタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=ヘキサフルオロホスフェート、
【0016】
ビス(トリメチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリエチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリプロピルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリペンチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリヘプチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリノニルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリウンデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリドデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリテトラデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリペンタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリヘキサデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリヘプタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、ビス(トリオクタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラフルオロボラート、
【0017】
ビス(トリメチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリエチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリプロピルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリペンチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリヘプチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリノニルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリウンデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリドデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリテトラデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリペンタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリヘキサデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリヘプタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリオクタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、
【0018】
ビス(トリメチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリエチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリプロピルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリペンチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリヘプチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリノニルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリウンデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリドデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリテトラデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリペンタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリヘキサデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリヘプタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ビス(トリオクタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート
【0019】
ビス(トリメチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリエチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリプロピルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリペンチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリヘプチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリノニルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリウンデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリドデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリテトラデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリペンタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリヘキサデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリヘプタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート、ビス(トリオクタデシルホスホラニリデン)アンモニウム=テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート等が挙げられる。
【0020】
本発明のアンモニウム塩(1)は、式(2):
【0021】
【化2】


(式中、R、R及びR及びは前記に同じ。Xはハロゲンイオンを表す。)で示されるビス(3置換ホスホラニリデン)アンモニウム=ハライド(以下アンモニウム=ハライド(2)という。)を、式(3):
(3)
(式中、Mは水素イオン又はアルカリ金属イオンを表し、Aは前記に同じ。)で示される酸又はそのアルカリ金属塩(以下酸類(3)という。)を用いてイオン交換反応をすることで製造できる。
【0022】
アンモニウム=ハライド(2)は市販品を用いてもよいし、公知の製造方法、例えばInorganic Syntheses,1974年,15巻,84〜90頁に記載の方法により製造したものを用いてもよい。上記製造方法により製造したアンモニウム=ハライド(2)を用いるときは、得られた反応液を濃縮してアンモニウム=ハライド(2)を主成分とする残渣を得て、当該残渣をそのままアンモニウム塩(1)を製造するための反応に用いてもかまわない。また必要であれば、残渣を有機溶媒(たとえばエチルエーテル、酢酸エチル、メチルエチルケトン等)と混合し、残渣に含まれる未反応原料等を有機溶媒に溶解した後、濾過して得られる精製されたアンモニウム=ハライド(2)を用いることもできる。
【0023】
酸類(3)としては、例えばリチウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、カリウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸、リチウム=ヘキサフルオロホスフェート、ナトリウム=ヘキサフルオロホスフェート、カリウム=ヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ナトリウムテトラフルオロボラート、硼フッ化水素酸、テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸、テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸ナトリウム、テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸カリウム、テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボロン酸、テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボロン酸ナトリウム、テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボロン酸カリウム、テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸、テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸ナトリウム、テトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸カリウム等が挙げられる。
【0024】
かかる酸類(3)の使用量は、アンモニウム=ハライド(2)1モルに対し、通常0.5モル以上であり、好ましくは0.8〜1.5モル、より好ましくは0.9〜1.1モルである。
【0025】
溶媒としては通常水が用いられるが、アンモニウム=ハライド(2)又は酸類(3)の水に対する溶解性が低い場合は、必要に応じて有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸エチル、塩化メチレン等)を混合して行ってもよい。かかる溶媒の使用量は特に制限はないが、通常アンモニウム=ハライド(2)1重量部に対して通常50.0重量部以下、好ましくは0.2〜30重量部、特に好ましくは0.5重量部〜20.0重量部である。
【0026】
アンモニウム=ハライド(2)、酸類(3)及び溶媒の混合順序は特に限定されず、アンモニウム=ハライド(2)と溶媒を混合した後に酸類(3)を添加してもよいし、酸類(3)と溶媒を混合した後にアンモニウム=ハライド(2)を添加してもよい。また、着色が問題となる場合には、アンモニウム=ハライド(2)と溶媒を混合した後に、活性炭等の脱色剤を用いて処理し、濾過して得られた濾液をイオン交換反応に用いることもできる。
【0027】
反応温度は、通常10℃以上、好ましくは15℃〜100℃、特に好ましくは20℃〜50℃である。
【0028】
反応終了後の反応液からアンモニウム塩(1)を得るには、アンモニウム塩(1)が反応液中に析出している場合は、濾別後に所望により水洗して乾燥させればよく、アンモニウム塩(1)が反応液中に油層として存在している場合は、分液操作によりアンモニウム塩(1)を分離後、乾燥させればよい。また、有機溶媒を反応終了後に添加するか或いは上述のように反応中に混合させて、アンモニウム塩(1)を有機溶媒に抽出してもよく、分液操作により得られた有機溶媒層を所望により水洗し、次いで有機溶媒を留出除去すれば残渣として、アンモニウム塩(1)が得られる。かかるアンモニウム塩(1)は必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の精製手段により精製することができる。
【0029】
本発明の帯電防止剤は、アンモニウム塩(1)を有効成分として含有してなるものであり、単独であっても帯電防止剤として用いることができるが、必要に応じて安定化剤等の添加剤又は溶媒等を混合して用いることもできる。本発明の帯電防止剤を使用できる絶縁物としては樹脂組成物、ゴム等が挙げられる。帯電防止性を付与するには、本発明の帯電防止剤を樹脂組成物、ゴム等の製造時にそれらの材料に添加、混合する等の方法または樹脂組成物、ゴム等に塗布する方法等が挙げられ、本発明の帯電防止剤を用いた場合、従来のアンモニウム塩を含有する帯電防止剤を用いた場合に比べて、樹脂組成物、ゴム等の表面抵抗値をより低下させることができる。さらには、本発明のアンモニウム塩(1)は疎水性であることから、湿度による帯電防止性能への影響は小さいことが期待される。
【0030】
本発明の帯電防止剤を使用する樹脂組成物に用いる樹脂としては、通常、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂(例えば、アクリル系光硬化性樹脂)が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン又はプロピレンと他のビニルモノマー、例えば酢酸ビニル、α−オレフィン、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体、ノルボルネン類の付加重合体、ノルボルネン類とα−オレインとの付加共重合体、ノルボルネン類の開環重合体水添ポリマー、シクロペンタジエンの開環重合体水添ポリマー、シクロヘキサジエンの開環重合体水添ポリマー等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素含有樹脂;ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、MS樹脂、MBS樹脂等のスチレン樹脂;ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂;芳香族ジヒドロキシ化合物(例えばビスフェノールA)と塩化カルボニル又はジフェニルカーボネートから製造される芳香族ポリカーボネート等のポリカーボネート;ナイロン4、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66等のポリアミド;ポリエーテルイミド等の熱可塑性ポリイミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;これらの混合物等が挙げられる。これらの樹脂の中でポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂及びポリエステルが好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等)、熱硬化性ポリイミド(例えば、ピロメリット酸無水物とビス(4−アミノフェニル)エーテルとの重縮合物等)、ポリウレタン、フェノール樹脂、アミノ樹脂(例えばメラミン樹脂、ウレア樹脂等)、が例示でき、中でもエポキシ樹脂が好ましい。
【0031】
樹脂組成物への本発明の帯電防止剤の添加量は、本発明のアンモニウム塩換算で樹脂基材に対して0.01〜40重量%であり、好ましくは0.1〜20重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%である。
【0032】
樹脂組成物には、樹脂及び帯電防止剤以外に樹脂組成物の性質を損なわない範囲で、必要に応じて公知の添加剤を加えることができる。添加剤としては、染料、顔料、補強剤、充填剤、可塑剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【実施例】
【0033】
つぎに、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例中、表面抵抗値は三菱化学株式会社製ヒレスタHT−210を用い、印加電圧500Vにて測定した。
【0034】
実施例1
攪拌機、温度計、冷却管及びガス導入管を備え付けたガラス製反応器にトリブチルホスフィン2.10g(0.0104mol)と1,1,2,2−テトラクロロエタン4.0gを仕込んだ。これを−30℃まで冷却したのち臭素1.11g(0.0069mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、塩酸ヒドロキシルアミン0.24g(0.0035mol)を添加し、2時間かけて150℃まで昇温した。さらに150℃で20時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物を減圧下で濃縮し、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=ブロミド(以下BTBP−Brと略記する。)を得た。得られたBTBP−Brにテトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸ナトリウム3.39g(0.0034mol)、塩化メチレン5.0g及び水5.0gを混合して室温で2時間反応した。反応終了後、有機層を分液操作で分離し、水で洗浄後、減圧下で濃縮し、得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/塩化メチレン)により精製して、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート4.03g(収率90.8%)を得た。得られたビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート(以下BTBP−TFPBと略記する。)の融点測定結果及びNMRの分析結果を示す
【0035】
融点:109℃
H−NMR(CDCl) δ:0.90(t,18H),1.38〜1.45(m,24H),1.69〜1.76(m,12H),7.53(s,4H),7.70(s,8H)
【0036】
実施例2
実施例1のトリブチルホスフィンに代えてトリヘキシルホスフィンを用いた以外は実施例1と同様にして行い、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート4.56g(収率92.5%)を得た。得られたビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート(以下BTHP−TFPBと略記する。)の融点測定結果及びNMRの分析結果を示す。
【0037】
融点:85℃
H−NMR(CDCl)δ:0.87(t,18H),1.27〜1.45(m,48H),1.60〜1.76(m,12H),7.52(s,4H),7.71(s,8H)
【0038】
実施例3
実施例1のトリブチルホスフィンに代えてトリオクチルホスフィンを用いた以外は実施例1と同様にして行い、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート5.50g(収率93.1%)を得た。得られたビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボラート(以下BTOP−TFPBと略記する。)のNMRの分析結果を示す。
【0039】
H−NMR(CDCl)δ:0.87(t,18H),1.26〜1.54(m,72H),1.69〜1.75(m,12H),7.52(s,4H),7.70(s,8H)
【0040】
実施例4
実施例1のテトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸ナトリウムに代えてリチウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いた以外は実施例1と同様にして行い、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド2.13g(収率89.6%)を得た。得られたビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下BTBP−TFSIと略記する。)の融点測定結果及びNMRの分析結果を示す。
【0041】
融点:78℃
H−NMR(CDCl)δ:0.96(t,18H),1.44〜1.57(m,24H),1.84〜1.88(m,12H)
【0042】
実施例5
実施例2のテトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸ナトリウムに代えてリチウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いた以外は実施例2と同様にして行い、ビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド2.66g(収率90.3%)を得た。得られたビス(トリヘキシルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下BTHP−TFSIと略記する。)のNMRの分析結果を示す。
【0043】
H−NMR(CDCl)δ:0.91(t,18H),1.30〜1.44(m,48H),1.80〜1.87(m,12H)
【0044】
実施例6
実施例3のテトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸ナトリウムに代えてリチウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを用いた以外は実施例2と同様にして行い、ビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド3.24g(収率91.9%)を得た。得られたビス(トリオクチルホスホラニリデン)アンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下BTOP−TFSIと略記する。)のNMRの分析結果を示す。
【0045】
H−NMR(CDCl)δ:0.89(t,18H),1.28〜1.57(m,72H),1.80〜1.84(m,12H),
【0046】
実施例7〜12、比較例1及び2
エポキシ樹脂としてエピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量 186g/eq、登録商標:ジャパンエポキシレジン株式会社製)100重量部、硬化剤としてイミノビスプロピルアミンを14.1重量部及び表1に示すアンモニウム塩5.7重量部(樹脂に対して5重量%)を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。かかるエポキシ樹脂組成物を50mm×50mm×深さ5mmの金型に流し込み、50℃にて1時間、さらに100℃6時間保持し、熱硬化させて試験片を作製した。作成した試験片を25℃、50%RHの雰囲気中に3時間放置した後、20℃、50%RHでその表面抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。なお、表1中、TBA−TFSIは、テトラブチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを示す(以下同じ)。
【0047】
【表1】

【0048】
表1の結果から、本発明のアンモニウム塩(1)を帯電防止剤として添加したエポキシ樹脂組成物は、比較例に示した従来のアンモニウム塩を帯電防止剤として添加したエポキシ樹脂組成物に比べ、10〜1011Ω台の極めて低い表面抵抗値が得られることがわかった。
【0049】
実施例13〜18、比較例3及び4
2液架橋型アクリル粘着剤SKダイン909A(登録商標、綜研化学株式会社製)100重量部、これに表2に示すアンモニウム塩5重量部、アクリル樹脂用硬化剤L−45(綜研化学株式会社製)を0.2重量部、希釈溶剤として酢酸エチル/メチルエチルケトン(50/50)150重量部を添加して粘着剤コート液を調製した。本コート液をポリエステルフィルム上にバーコーターを用いて乾燥厚み約10μmでコートした後、80℃で2分間加熱硬化させて評価用試験フィルムを作成した。作成した試験フィルムを15〜20℃、50%RHの雰囲気中に24時間保持した後、20℃、50%RHでコート面の表面抵抗値を測定した。その結果を表2に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
表2の結果から、本発明のアンモニウム塩(1)を帯電防止剤として添加した粘着剤は、比較例に示した従来のアンモニウム塩を帯電防止剤として添加した粘着剤に比べ、10Ω〜10Ω台の極めて低い表面抵抗値が得られることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

(式中、R、R及びRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜18のアルキル基を表し、Aは含フッ素イオンを表す。)で示されるアンモニウム塩。
【請求項2】
、R及びRがそれぞれ同じアルキル基である請求項1に記載のアンモニウム塩。
【請求項3】
がビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン、パーフルオロアルカンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラ(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸イオン、テトラ(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボロン酸イオン又はテトラ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸イオンである請求項1又は2に記載のアンモニウム塩。
【請求項4】
式(2):
【化2】

(式中、R、R及びRは前記と同じ。Xはハロゲンイオンを表す。)で示されるアンモニウム=ハライドと、式(3):
(3)
(式中、Mは水素イオン又はアルカリ金属イオンを表し、Aは前記に同じ。)で示される酸又はアルカリ金属塩を反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニウム塩の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のアンモニウム塩の少なくとも1種を含有することを特徴とする帯電防止剤。