説明

イオンポンプ

【課題】本発明はイオンポンプに関し、漏れ磁場の影響を受け難く、排気速度を向上させ、また残留ガスのイオン化を促進することができるイオンポンプを提供することを目的としている。
【解決手段】その一端に真空室と接続するためのフランジ14が、他端に電極導入端子21が取り付けられた円筒状のポンプチェンバ10と、該ポンプチェンバ10の内部中央に配置され、その一端が前記電極導入端子21を介して高電圧と接続される金属棒13と、前記ポンプチェンバ10の外周面に間隔を空けてリング状にかつ表面磁極の方向が同じになるように取り付けられたリング状磁石と、該リング状磁石の外側に巻回された磁性体ヨーク24とを具備して構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイオンポンプに関し、更に詳しくは残留ガスのイオン化と排気を行なうイオンポンプ関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走査型電子顕微鏡、オージェ電子分析装置、イオン顕微鏡、2次イオン質量分析装置などの細かく集束された電子線又はイオン源を用いる荷電粒子ビーム装置においては、分解能を向上させるために電界放射形の荷電粒子源を用いることが行われる。この電界放射型荷電粒子源を安定に動作させるためには、該荷電粒子源の内部空間を超高真空状態に維持する必要があり、そのために従来は、電界放射型荷電粒子源の真空外壁に直接排気口を設け、該排気口に接続用配管を介して、イオンポンプなどの超高真空ポンプを接続し、それによって、電界放射形荷電粒子源の内部空間を所要の高真空に排気する方式が採られている。
【0003】
図3はイオンポンプの外観構成例を示す図である。図において、1はポンプチェンバであり、その内部でガス等を壁面に吸着させて高真空状態を作るためのものである。2は該ポンプチェンバ1を上下に挟む永久磁石である。3は電子顕微鏡等の真空装置(図示せず)と接続するためのフランジ、4はポンプチェンバ1内の特定の部分に高圧を印加するための高圧導入端子である。
【0004】
ポンプチェンバ1内にはセルとチタン板が組み込まれており、セルには高圧導入端子4より+5〜6kVの高圧が印加されている。図4はポンプチェンバ1の構成例を示す図である。図において、7は複数設けられた円筒状のセルである。8,8’はこれらセル7を挟むように配置されたチタン板である。そして、図に矢印で示す向きに磁場が形成されている。この磁場は、図3に示す永久磁石2により形成される。
【0005】
円筒が並んだセル7の両側にチタン板8,8’を取り付け、これを四角形の真空チェンバ1に組み込み、このチェンバ1にコンフラット等の接続用フランジ3を設けている。このフランジ3を介して被排気チェンバに取り付けるようになっている。このセル7は碍子等を用いてチェンバ1から電気的に浮かす構造を持ち、該チェンバ1に取り付けた高圧導入端子4から高圧が印加される。
【0006】
このセル7の両サイドに取り付けられたチタン板8,8’はチェンバ内面と接触し、グランド電位となっている。この真空チェンバ1の外側には、セル7及びチタン板8,8’を挟むように両側にS極とN極が向かい合うように永久磁石と磁路を構成するためのヨーク(図示せず)が取り付けられている。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0007】
セル7の各円筒内では、磁場に拘束され螺旋運動をしている電子は、残留ガスをイオン化する。この残留ガスイオンは、高圧電圧によりチタン板8,8’に向けて加速され、チタン原子をスパッタリングする。このスパッタリングされたチタン原子はセル等に付着し、残留ガスを吸着する。この結果、チェンバ内は漸次残留ガスが少なくなり、高真空状態が形成されることになる。
【0008】
図5は他のイオンポンプの例を示す図で、オービトロンポンプの外観構成例を示す図である。このポンプは、ポンプチェンバ10と、チタン棒13と、フィラメント12から構成されている。14は真空装置と接続されるためのフランジである。11はフィラメント12を加熱するための電圧を導入する電圧導入端子である。チタン棒13は、ポンプチェンバ10の内部中央に配置され、高圧導入端子15から高圧電源16が印加されるようになっている。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0009】
フィラメント12が加熱されることにより、該フィラメント12から放出された電子は、高圧電源16からの電圧により加速され、チタン棒13に衝突する。該チタン棒13は加熱され、蒸発しポンプチェンバ10の内壁に吸着する。ポンプチェンバ10内の残留ガスの一部は電子でイオン化され、壁面に向かって加速され、壁面に吸着される。また、壁面に衝突した残留ガスも吸着される。このようにして、ポンプチェンバ10の内壁にイオン化された残留ガス及び残留ガスはポンプチェンバ10の内壁に吸着される結果、チェンバ内の残留ガスは少なくなり、高真空状態が形成されることになる。
【0010】
従来のこの種の装置としては、筒状ポンプハウジングの内壁がカソード電極面を構成し、また筒状ポンプハウジング内にアノード電極を設け、カソード電極とアノード電極との間に高電圧を印加することにより、筒状ポンプハウジングの内壁に沿って空間に高磁場、高電圧のマグネトロン放電を発生させ、ゲッター材を連続的に又は間欠的に放電面へ堆積するように構成されたスパッタイオンポンプが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0011】
また、互いに対向するように配置され、導電性を有する又は導電性膜を付けた一対の磁石と、これら磁石を取り囲むと共に一部に開口部が形成された、導電性を有する磁気シールドケースと、前記磁石のそれぞれの対向面に形成された一対のカソード電極と、カソード電極の間に配置されたアノード電極と、アノード電極に取り付けられた剛性のあるアノード引き出し端子と、アノード引き出し端子48を前記磁気シールドケースに電気的に絶縁した状態で支持するための絶縁支持部材とを備えることを特徴とする技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0012】
また、荷電粒子源の近傍を超高真空排気するために、イオンポンプが鏡筒部真空容器内に内蔵されており、このイオンポンプは、マグネットユニット、ヨーク、電極等より構成されており、上記マグネットユニット自体が上記真空容器内に内蔵されており、かつ上記ヨークの内側空間内に上記荷電粒子源からの荷電粒子線を集束、偏向させるための荷電粒子線集束光学系が配置された技術が知られている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平7−312202号公報(段落0008)
【特許文献2】特開平9−213216号公報(段落0024)
【特許文献3】特開平5−28944号公報(段落0012〜0013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
図3,図4に示したイオンポンプの場合、ポンプチェンバに取り付けられた永久磁石の磁場がフランジ方向に漏れるという問題があった。このイオンポンプを走査電子顕微鏡などの鏡筒に取り付けた時、この漏れ磁場により電子線が曲げられるという不具合が発生する。特に、電子線の加速電圧を低加速で使用する場合、漏れ磁場の影響を受けやすい。また、ポンプチェンバはパイプとフランジを介して取り付けられるため、例えばポンプチェンバ内では、排気速度が35L/s(Lはリットル,sは秒)あっても、フランジ部では20L/sに落ち、大きさ、重量のわりには排気速度が得られないという問題があった。
【0015】
また、図5に示すオービトロンポンプの場合、チタン棒が加熱されるので、ポンプの温度上昇によるガスが発生するという問題があった。また、電子の空間滞在時間が短く、残留ガスをイオン化する効率が悪かった。
【0016】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、漏れ磁場の影響を受け難く、排気速度を向上させ、また残留ガスのイオン化を促進することができるイオンポンプを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願発明は上述した目的を達成するため、以下のような構成を採っている。
(1)請求項1記載の発明は、その一端に真空室と接続するためのフランジが、他端に電極導入端子が取り付けられた円筒状のポンプチェンバと、該ポンプチェンバの内部中央に配置され、その一端が前記電極導入端子を介して高電圧と接続される金属棒と、前記ポンプチェンバの外周面に間隔を空けてリング状にかつ表面磁極の方向が同じになるように取り付けられたリング状磁石と、該リング状磁石の外側に巻回された磁性体ヨークと、を具備して構成されることを特徴とする。
【0018】
(2)請求項2記載の発明は、前記金属棒はチタンよりなり、負の高電圧が印加されることを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、前記金属棒を構成するセンター軸の外側に金属膜を円柱形に丸めて挿入し、センター軸はチタンよりなり、正の高電圧が印加されることを特徴とする。
【0019】
(4)請求項4記載の発明は、前記金属棒の材料として、チタン又はステンレス又はアルミニウムを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
(1)請求項1記載の発明によれば、チェンバ内に形成される磁場の磁力線に沿って電子が螺旋運動をして残留ガスをイオン化し、イオン化した残留ガスが金属棒をスパッタし、ポンプチェンバ内壁に金属(例えばチタン)面が蒸着され、蒸着されたポンプチェンバの内壁が活性化するので、イオン化された残留ガスと残留ガスがポンプチェンバ内壁に付着するので、残留ガスのイオン化を促進することができる。また、ポンプチェンバの最外側に磁性体ヨークを設けたので、磁界が外に漏れることを防ぐことができる。更に、フィラメントを必要としないため、金属棒が加熱されるのを防止することができるので、ガス発生を抑制することができる。
【0021】
(2)請求項2記載の発明によれば、チタン棒に負の高電圧を印加することで、イオン化された残留ガスを金属棒に加速衝突せしめ、スパッタリングさせ、ポンプチェンバ内壁面に金属面を形成させることができ、この金属面にイオン化された残留ガスと、残留ガスを衝突させて、チェンバ内のガスを減らし、高真空状態を作り出すことができる。
【0022】
(3)請求項3記載の発明によれば、金属棒であるセンター軸に正の高電圧を印加することで、イオン化された残留ガスを金属面に加速衝突せしめ、スパッタリングさせ、ポンプチェンバ内壁面に活性化された金属面を形成させることができ、この金属面にイオン化された残留ガスと、残留ガスを衝突させて、チェンバ内のガスを減らし、高真空状態を作り出すことができる。
【0023】
(4)金属棒として、チタン又はステンレス又はアルミニウムを用いると、その表面が活性化され、残留ガスイオン及び残留ガスを吸着することが容易になり、高真空化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す構成図である。
【図3】イオンポンプの外観構成例を示す図である。
【図4】ポンプチェンバの構成例を示す図である。
【図5】オービトロンポンプの外観構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例を示す構成図である。図5と同一のものは、同一の符号を付して示す。(a)が全体構成を、(b)が磁石を取り去った状態を示す図である。図において、10はポンプチェンバ、13は該ポンプチェンバ10の内部中央に配置された金属棒としてのチタン棒、14は前記ポンプチェンバ10の一端に取り付けられた真空装置(図示せず)と接続するためのフランジ、21は該ポンプチェンバ10の他端に取り付けた高圧電圧を印加するための電極導入端子である。22は高圧を発生させる高圧電源であり、電極導入端子21を介してチタン棒13に印加されるようになっている。
【0026】
20はポンプチェンバ10の周囲に巻回されるリング状磁石である。このリング状磁石20は永久磁石であり、表面磁極の方向が同じになるように取り付けられている。図では、4個のリング状磁石20が取り付けられているが、この数に限るものではない。図のN極からS極に表示されている矢印は磁力線である。24はリング状磁石20の外側に設けられ、リング磁石20を取り囲むように巻回配置されたヨークである。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0027】
ポンプチェンバ10内に存在する電子eは、リング状磁石の磁場に拘束され、図に示す磁力線に沿って直径1mm以下の螺旋運動を行なう。一部の電子は最終的にはポンプチェンバ10の内壁に衝突して吸収されるが、残りの電子はポンプチェンバ10内に残存する残留ガスと衝突してこの残留ガスをイオン化する。イオン化されたプラスの残留ガスイオンは、高圧電源22から印加される負の高電圧によりチタン棒13に向けて加速され、数kVの加速電圧を持ち、チタン棒13に衝突する。
【0028】
プラス残留ガスイオンがチタン棒13に衝突すると、チタン棒13の表面をスパッタリングし、スパッタリングされたチタンはポンプチェンバ10の内壁に付着する。この動作を繰り返すと、ポンプチェンバ10の内壁にはチタン面が形成される。このチタン面は、活性化されているので、このチタン面に、残留ガスイオンや、残留ガスが吸着する。この動作が繰り返されると、ポンプチェンバ10内、ひいては真空室の残留ガスがチタン面に吸着されるので、ガスの濃度が漸次低くなり、真空室は徐々に高真空状態になる。
【0029】
本発明では、リング状磁石20の外部に形成されるヨーク24にを覆われているために、外部に漏れる磁場は小さく抑えることができる。また、本発明によれば、図5に示すように、電子を発生たせるためのフィラメントが不要なので、チタン棒13が加熱されることはなくなる。この結果、ガスの発生を抑えることができる。
【0030】
このように、本発明によれば、チェンバ内に形成される磁場の磁力線に沿って電子が螺旋運動をして残留ガスをイオン化し、イオン化した残留ガスがチタン棒をスパッタリングし、ポンプチェンバ内壁に金属(例えばチタン)面が蒸着され、蒸着されたポンプチェンバの内壁が活性化するので、イオン化された残留ガスと残留ガスががポンプチェンバ内壁に付着し、残留ガスのイオン化を促進することができる。また、ポンプチェンバの最外側に磁性体ヨークを設けたので、磁界が外に漏れることを防ぐことができる。更に、フィラメントを必要としないため、金属棒が加熱されるのを防止することができるので、ガス発生を抑制することができる。
【0031】
上述の実施例では、金属棒としてチタンを用いた場合を例にとった。しかしながら、本発明では金属棒はチタン棒に限るものではなく、ガス放出の少ない金属棒であれば、他の種類の金属棒を用いることができる。例えばステンレスやアルミニウムの金属棒を用いることができる。金属棒として、チタン又はステンレス又はアルミニウムを用いると、その表面が活性化され、残留ガスイオン及び残留ガスを吸着することが容易になり、高真空化が可能となる。
(実施例2)
図2は本発明の第2の実施例を示す構成図である。図1と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、10はポンプチェンバ、20は該ポンプチェンバ10の外周に沿って巻回されるリング状磁石である。このリング状磁石20は永久磁石であり、表面磁極の方向が同じになるように取り付けられている。図では、4個のリング状磁石20が取り付けられているが、この数に限るものではない。図のN極からS極に表示されている矢印は磁力線である。24はリング状磁石20の外側に設けられ、リング磁石20を取り囲むように巻回配置されたヨークである。
【0032】
14は真空装置(図示せず)と接続するためのフランジ、30はポンプチェンバ10の内部中央に配置されたセンター軸である。該センター軸30としては、例えばチタン、ステンレス、アルミニウム等のガス放出の少ない金属が用いられる。26はポンプチェンバ10の内側に円柱形に丸めて挿入されるチタン板である。ポンプチェンバ10とチタン板26の代わりに、チェンバ10自体をステンレスとしてもよい。
【0033】
21はセンター軸30に高電圧を印加するための電極導入端子である。22Aは高圧電源であり、電極導入端子21を介してセンター軸30に高電圧が印加されるようになっている。図1に示す第1の実施例では、高圧電源22の印加電圧は負の高電圧であったが、本実施例では、正の高電圧としている。このように構成された装置の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0034】
ポンプチェンバ10内に存在する電子eは、リング状磁石20の磁場に拘束され、磁力線に沿って、直径1mm以下の螺旋運動を行なう。一部の電子は、最終的にはセンター軸30に衝突し、吸収されるが、他の電子はポンプチェンバ10内に存在する残留ガスと衝突し、残留ガスをイオン化する。
【0035】
このイオン化されたプラスイオンは、ポンプチェンバ10内の壁面のチタン板26に向けて加速され、数kVの加速電圧を持ち、正の高電圧のためにチタン板26のチタン面に衝突する。この時、チタン板26のチタン面がセンター軸30や対向するチタン面に向けてスパッタリングされ、チタン板26の表面を活性化させる。このチタン面を活性化させ、残留ガスイオンや残留ガスを吸着する。残留ガスのイオン化やチタン面での残留ガスイオンの衝突で発生した電子は、リング状磁石20の磁場に拘束され、電子雲を作る。
【0036】
センター軸に正の高電圧を印加することで、イオン化された残留ガスをチタン面に加速衝突させ、スパッタリングさせ、ポンプチェンバ内壁面のチタン面を活性化させることができ、このチタン面にイオン化された残留ガスと、残留ガスを衝突させて、チェンバ内のガスを減らし、高真空状態を作り出すことができる。
【0037】
実施例1では、チタン棒を円筒チェンバ(実施例のポンプチェンバ)の内部中央に配置したので、チタン棒と円筒壁面間の空間に電界と磁場により拘束された電子雲を発生させることができた。このため、従来のイオンポンプのようなセルが不要になり、寸法的にも小さくすることができるようになった。また、磁場を発生する永久磁石はヨークで覆われているので、漏れ磁場を少なくすることができる。
【0038】
チタン棒を円筒チェンバのセンター軸に持ってくることはオービトロンポンプと同じであるが、本発明では電界と磁場でプラズマを発生させるので、オービトロンポンプのように電子を発生するフィラメントが不要で、またチタン棒の加熱温度も低く高真空や超高真空も得やすい。
【0039】
実施例2では、チタン面は円筒面側では、センター軸にはプラス電圧を印加している。この場合も、上記同様円筒内の電子は磁場に拘束され、実施例1と同様に電子雲を発生し、イオンポンプとしての残留ガスのイオン化と排気を行なうことができる。
【符号の説明】
【0040】
10 ポンプチェンバ
13 チタン棒
14 フランジ
20 リング状磁石
21 電極導入端子
22 高圧電源
24 ヨーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その一端に真空室と接続するためのフランジが、他端に電極導入端子が取り付けられた円筒状のポンプチェンバと、
該ポンプチェンバの内部中央に配置され、その一端が前記電極導入端子を介して高電圧と接続される金属棒と、
前記ポンプチェンバの外周面に間隔を空けてリング状にかつ表面磁極の方向が同じになるように取り付けられたリング状磁石と、
該リング状磁石の外側に巻回された磁性体ヨークと、
を具備して構成されるイオンポンプ。
【請求項2】
前記金属棒には、負の高電圧が印加されることを特徴とする請求項1記載のイオンポンプ。
【請求項3】
前記金属棒を構成するセンター軸の外側に金属面を円柱形に丸めて挿入し、金属棒はチタンよりなり、正の高電圧が印加されることを特徴とする請求項1記載のイオンポンプ。
【請求項4】
前記金属棒の材料として、チタン又はステンレス又はアルミニウムを用いることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに1項に記載のイオンポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−3425(P2011−3425A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146192(P2009−146192)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】