説明

イオン伝達装置

生体を治療するための空気イオン治療装置であって、前記装置が、空気イオンの線量を発生するためのイオン発生器と、電磁放射の線量を発生するための少なくとも1つの放射線発生素子と、前記生体の一部を通して電流を決定するフィードバック構造と、を含むことを特徴とする。空気イオンで生体を治療する方法であって、周囲の空間から電気的に分離された支持構造体に生体を配置する工程と、電磁放射の制御された線量に生体を露出する工程と、空気イオンの制御された線量に生体を露出する工程と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば人間などの生体(living object)を治療するための空気イオン伝達装置(air-ion transmitting device)に関する。この装置は、空気イオンの線量を発生するためのイオン発生器と、電磁放射の線量を発生するための少なくとも1つの放射線発生素子(radiation emitting element)とを含む。
【背景技術】
【0002】
空気イオン伝達装置は、例えばWO98/50110やWO2004/012645により知られている。後者は、イオン発生器とフィードバック・ユニットとを含み、荷電粒子の照射をモニタする装置について記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、既知の装置を改良し、治療の増加した認識を促進にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、本発明は生体を治療するためのイオン治療装置に関し、その装置は、空気イオンの線量を発生するためのイオン発生器と、電磁放射の線量を発生するための少なくとも1つの放射線発生素子と、生体の一部を通して電流を決定するのに適したフィードバック構造とを含んでいる。
【発明の効果】
【0005】
驚くべきことに、電磁放射と空気イオンとの組み合わせが治療の効果を増加させることが分かった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の文脈において、「イオン治療(ion treatment)」の用語は、自然治癒を促進するように、また、生体の所定の表面領域を空気イオンによる電気刺激に露出することにより機能を向上するように、生体の身体に働きかける方法として理解されるだろう。生体は、例えば人間や動物などの哺乳動物であってもよい。
【0007】
空気イオンは正電荷及び負電荷の両方で発生されてもよい。しかしながら、正電荷の空気イオンを中和し、そして負電荷の空気イオンだけを生体の方向に方向付けるほうが有利かもしれない。逆の状況、つまり、正電荷空気イオンだけを生体の方向に方向付けることを適用してもよい。
【0008】
少なくとも空気イオンの一部は、生体の方向に延びる所定の帯電方向(charging direction)に方向付けられてもよい。ある実施形態では、かなりの部分のイオン、例えばイオンの少なくとも30パーセント、例えばイオンの少なくとも50パーセント、例えばイオンの少なくとも70パーセントは、生体の方向に方向付けられる。
【0009】
ある実施形態では、発生した空気イオンは、生体の露出ゾーンの方向に方向付けられてもよく、それによって、所定の帯電方向が伝達構造体(the transmitting structure)から露出ゾーンに延びる。ある実施形態では、装置は少なくとも発生した空気イオンの一部及び/又は少なくとも電磁放射の一部に露出ゾーンを露出するように配置され、その一方、別の実施形態では、空気イオン及び/又は電磁放射への露出がもっぱら露出ゾーンに制限される。後者は、露出ゾーン以外の生体の表面を空気イオン及び電磁放射から遮へいするのに適したシールドを提供することにより達成されてもよい。あるいは、伝達構造体は空気イオンの変更可能な拡散を備えることもでき、又は、磁界を用いて伝達構造体から治療される生体に向かって空気イオンの方向を制御することもできる。
【0010】
本発明の装置は、ユーザー(例えばセラピスト)が、どの領域を露出するか決定でき、そして露出ゾーンを治療される領域に変更できるように、可視光を露出ゾーンの方向に方向付けるためのポインティングデバイス(pointing device)を含んでもよい。ある実施形態では、少なくとも放射線の一部が、人間の目で視認可能で且つ露出ゾーンを示すように、ポインティングデバイスは放射線発生素子の一部を形成する。
【0011】
少なくとも1つの放射線発生素子、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ又は10の放射線発生素子が提供されてもよい。放射線発生素子は同じ強度で同じ波長の放射線を放射するのに適しているだろう。あるいは、放射線発生素子が異なる波長及び/又は異なる強度で放射線を放射するように、放射線発生素子は選択される。
【0012】
ある実施形態では、伝達構造体は、空気イオンを伝達するために、少なくとも1つの空気イオントランスミッタを備えた空気イオン伝達面を含んでもよい。
【0013】
さらに、電磁放射は空気イオントランスミッタの周囲に位置する領域から伝達されてもよい。その領域は、空気イオン伝達面から1メートル以内、例えば0.5メートル以内、又は30センチメートルもしくは10センチメートル以内に位置してもよい。空気イオン伝達面の近くに、少なくとも1つの放射線発生素子が提供されてもよい。
【0014】
ある実施形態では、例えば、前述の構造体の表面が空気イオン伝達面及び放射線発生素子を含むように、放射線発生素子及び空気イオン伝達面が同じ構造の部分を形成する。この実施形態では、空気イオン伝達面は中心ゾーンに位置してもよく、一方、放射線発生素子は包囲ゾーン(encircling zone)に提供され、例えば、放射線発生素子は、空気イオン伝達素子が提供された中心点で規定される円の上に提供される。ある実施形態では、放射線発生素子と空気イオン伝達面との間の相対的な距離は、例えば、前述の円の半径が変更されることで、調節可能である。
【0015】
空気イオン発生器の電圧出力は0〜40,000Vであってもよく、例えば0〜12,000V、例えば0〜6,000V、例えば1,500V、3,000V又は4,500Vであってもよい。さらに、電流出力は、0〜50μAであってもよく、例えば0〜25μA、例えば0〜10μA、例えば0〜5μA、例えば0〜1μA、例えば0.05〜3μA、例えば1〜3μAであってもよい。
【0016】
ある実施形態では、治療される生体のより大きな表面領域が空気イオンによって同時に影響を受けることができるように、伝達構造体は、空気イオン・トラフ・エア(air-ions trough air)を伝達するのに適している。特に、伝達構造体は、領域に空気イオンを広げるのに適しているかもしれない。この領域は、治療される生体と伝達構造体の間の距離が10cm増えるごとにファクター2(a factor 2)に伴って増加する。伝達構造体から生体に向かう自由空気(free air)の中で伝導されたイオンは、イオントランスミッタと治療される生体の表面との直接接触を意味する伝統的に知られた方法を越えて、治療を向上するであろうことが見いだされた。
【0017】
電磁放射は、紫外線放射、可視光及び赤外線放射の少なくとも1つを含んでもよい。代わりとして、又は追加(supplement)として、電磁放射はマイクロウェーブ及び/又は電波を含んでもよい。従って、電磁放射は10〜10−9メートルの波長を持っていてもよく、例えば10−8〜10−3メートル、例えば400nm〜700nmの波長を持っていてもよい。
【0018】
電磁放射の強度は0及び100,000ルーメンであってもよく、例えば100〜10,000ルーメン、例えば1,000〜5,000ルーメンであってもよい。さらに、本発明のある実施形態では、治療ゾーンに投射する放射線の強度は0〜10,000luxであり、例えば100〜5,000lux、例えば500〜1,000luxである。
【0019】
さらに、本発明の装置は、生体によって受け取られた空気イオン及び/又は電磁放射の少なくとも一方の線量を測定するのに適したフィードバック構造を含んでもよい。測定された線量は、生体の治療ゾーンで受け取られた線量かもしれない。一般に、空気イオンは、治療される生体に転送(transfer)される電荷を運んでいる。受け取った線量を測定するために、装置は、生体とフィードバック構造との間の電気的な接続を確立するための第1の接続構造を含んでもよい。さらに、装置は、伝達構造体とフィードバック構造との間の電気的な接続を確立するための第2の接続構造を含んでもよい。このように、伝達構造体から、空気を通って治療される生体の表面まで、生体の表面に沿って又は第1の接続構造への生体の身体を通って第1の接続構造まで、第1の接続構造を通ってフィードバック構造まで、そして、フィードバック構造から伝達構造体まで、閉ループが確立される。フィードバック構造は生体の身体部分を通して電流を決定するアンペアメーターであってもよく、また、装置は治療の一定時間の後に自動的に停止するのに適しているだろう。代わりに、装置は、電気の一定量の後、例えばクーロン(つまり、1秒に1アンペアで転送した量)の一定量の後に停止するのに適しているだろう。一例として、装置は、1〜2分後に、又は5〜10分後に、又は30〜90分後に、あるいは、時間間隔又は電気量のうち特定の対象に適している方で停止してもよい。
【0020】
装置は、例えば治療中に、生体を支持するための支持構造体をさらに含んでもよい。所定の、そして予測通りの動作条件を提供するために、支持構造体は、生体を周囲の空間から電気的に絶縁するための絶縁構造体を含んでもよい。絶縁構造体は、絶縁面として、例えば生体が支持される検査カウチ(examination couch)の表面として提供されてもよい。代わりとして、又は追加として、カウチ又は同様の支持構造体の脚部に絶縁構造体を含んでもよい。絶縁構造体は、カウチの絶縁層として提供されてもよく、又はそれはカウチのサスペンション(a suspension)又はスタンド(stand)により実現されてもよい。治療中の生体の絶縁は、治療中に生体を通して電流の測定を可能にする。
【0021】
さらに、装置は、空気イオン及び/又は電磁放射の少なくとも一方の線量を調節するのに適したコントロール手段を含んでもよい。線量はフィードバック構造の測定に基づいて調節されてもよい。線量は、露出ゾーンと伝達構造体及び/又は放射線発生素子との間の距離を増加又は減少させることにより調節されてもよい。代わりとして、又は追加として、空気イオン及び電磁放射は、複数の強度で伝達されてもよい。複数の強度の少なくとも1つは可変である。よって、これらの強度の少なくとも1つを変更することより、治療が変更されてもよい。
【0022】
さらに、コントロール手段は治療の所定の仕様又はスキームに従って各強度を変更するのに適しているかもしれない。そのような仕様/スキームが異なったドーズ強度の期間を規定してもよい。
【0023】
さらに、コントロール手段は、治療を制御するために前もって指定された制御信号のシーケンス/スキームを格納するためのデータストレージ手段を含んでもよい。
【0024】
空気イオンの所定の線量に露出ゾーンを露出するために、コントロール手段は電磁放射の強度を変更すること、及びフィードバック構造が空気イオンの特定の線量を測定する強度を選択することに適しているかもしれない。
【0025】
本発明の装置は、伝達構造体及び/又は放射線発生素子を、支持構造体及び/又は生体に対して様々な相対的位置に位置決めするために、サスペンション構造体をさらに含んでもよい。サスペンション構造体はピボットのように(pivotally)接続された複数の要素を含んでもよい。さらに、サスペンション構造体は伝達構造体及び/又は 放射線発生素子の操作の間に、伝達構造体及び/又は放射線発生素子を、支持構造体に対して相対的に(例えば水平方向に)移動させるのに適しているかもしれない。
【0026】
さらに、サスペンション構造体は、所定のパターンに従って、例えば動作手段によって、伝達構造体及び/又は放射線発生素子を支持構造体に対して相対的に移動させるのに適しているかもしれない。さらに、サスペンション構造体の動作手段はコントロール手段と連絡していてもよく、そしてコントロール手段は、フィードバック構造から受け取った測定に基づいて前述のパターンを指定してもよい。
【0027】
ある実施形態では、装置は1つ又はいくつかの発光ダイオード(LED)を含んでいる。特にそのようなLEDは、伝達構造体の周囲に配置されてもよく、また、それらは異なる色の発光を伝達するのに適していてもよい。
【0028】
電磁放射が装置に再び入るのを防ぐために、装置は、生体の方向を向いた装置の前面を形成するように位置した鏡を有してもよい。鏡は光に対して半透性であるのが好ましく、またイオンが自由に通過できるように、鏡はイオンが伝達される開口を有していてもよい。
【0029】
第2の態様によれば、本発明は空気イオンで生体を治療する方法に関する。この方法は、周囲の空間から電気的に分離された支持構造体の中又は上に生体を配置する工程と、電磁放射の制御された線量に生体を露出する工程と、空気イオンの制御された線量に生体を露出する工程と、を含んでいる。
【0030】
空気イオンへの生体の露出は、電磁放射への生体の露出と同時であってもよい。
【0031】
特に、この方法は、生体の身体の一部を通して、又は生体の身体の表面に沿って電流を伝導する工程を含む。電流は空気イオンによって確立され、そしてイオンの線量は、身体部分を通る電流を測定することにより制御される。
【0032】
第3の態様では、本発明は、生体を治療するための電気的な空気イオン伝達装置を提供する。この装置は、空気イオンの線量を発生するためのイオン発生器と、空気イオンの一部を所定の方向に方向付けるための伝達構造体とを含んでいる。この装置は、電磁放射の線量を所定の方向に方向付けるための少なくとも1つの放射線発生素子をさらに含むことを特徴とする。
【0033】
本発明の第2の態様及び第3の態様にかかる発明は、本発明の第1の態様のどのような特徴又は要素を含んでもよい。
【0034】
<図面の詳細な説明>
図1は生体を治療するための空気イオン治療装置100を示している。装置100は、ユニット102を含み、ユニット102は、空気イオンの一部を所定の方向に方向付けるためにイオン伝達構造体に接続されたイオン発生器を含んでいる。空気イオンの流れは一点鎖線104により示されており、このように所定の方向を示している。ユニット102を下から見た図2からわかるように、イオン伝達構造体は空気イオン伝達面106を含んでいる。さらに、ユニット102は、3つの放射線発生素子108を含んでいる。この放射線発生素子108は、図1の点線112によって示されているように、生体110に向かって電磁放射を放射するのに適している。図の実施形態では、放射線発生素子108は従来の電球を含む。しかしながら、どのような放射線伝達素子が用いられてもよい。図2からわかるように、イオン伝達面106と各々の放射線発生素子108との間の距離116が同じになるように、放射線伝達素子は破線114で示された円の上に配置される。さらに、距離116が変更されてもよいように、放射線発生素子108は移動可能である。生体は、第1の接続構造120によってフィードバック構造118に接続される。図中では、第1の接続構造120は生体の手首に接続される。さらに、フィードバック構造118は、第2の接続構造122を介してイオン発生器に接続される。第1の接続構造120により、フィードバック構造118は、生体110によって受け取られた空気イオン及び/又は電磁放射の少なくとも一方の線量を測定してもよい。この情報は、受け取られたイオン/放射線が所定のレベルであるように、第2の接続構造122によりイオン発生器を制御するのに用いられてもよい。治療中に、生体110は、支持構造体124に配置される。支持構造体124は、それが絶縁層を含むことにより周囲の空間から絶縁される。絶縁層は、支持構造体124の表面126に提供されてもよく、又は1つの脚部128の一部を形成してもよい。一般的に、生体は、任意の手段により環境から電気的に絶縁されるべきである。任意の手段としては、例えば、カウチの下のゴム製の脚部のように絶縁材料で作られた脚部又は脚部の一部を用いることにより、例えば、カウチと脚部との間や脚部と床との間に絶縁層を用いることにより、又は生体とカウチとの間の電気絶縁シートにより、又は、例えば、カウチを壁に掛けることにより、又は絶縁性のサスペンションを使用してカウチをシーリングにぶら下げることが挙げられる。
【0035】
図3は空気イオン治療装置129を図示している。装置は、空気イオンの線量を発生するためのイオン発生器を含む。イオンは、シールド131内に配置された伝達構造体130から伝達される。さらに、装置は、複数の赤色LED132、黄色LED133、緑色LED134、及び青色LED135を含んでいる。LEDは、鏡136の後ろに配置されている。鏡136は、LEDからの光が、矢印Aで示された下向きの方向に鏡を通過することを可能にしている。LEDはすべてプリント回路基板137によって接続されている。図4でより明瞭に示されているように、LEDは装置のイオン伝達部の周囲に配置される。他の実施形態では、LED又は代わりの光源の全て又は少なくともいくつかは、白色光を伝達するのに適している。また、特定の色は、生体と光源との間にある色ガラスを使用することによって発生される。他の種類のどのような光源を用いてもよい。
【0036】
図5は、片側から見た装置140を図示している。装置は、ハウジング141を含んでいる。ハウジング141の中で空気イオンが発生され、ハウジング141の中に、電磁放射を発生するランプが配置されている。装置は電力コード142を介して電力を供給されている。グレーゾーン143で示されているように、空気イオン及び光は、伝達ゾーンの中を下向きに、治療される生体上へ伝達される。
【0037】
接続構造144は、身体を通る電流又は治療される生体の身体の表面に沿う電流を測定できるように、装置を生体の一部に電気的に接続する。空気イオンは伝達構造体145から伝達される。グレー領域146示された、治療される生体の表面上の比較的大きい領域は、電気的な空気イオン及び電磁放射に露出される。
【0038】
以下に、治療の一例記述する。
【0039】
患者は、胸を上に向け、上半身を裸になって、支持構造体に置かれる。ユニットは患者の上半身から25cm離して置かれる。装置は、10分間で1.5μAを転送することになっている。放射線発生装置は、10分の間、放射線を放射することになっている。10分後、装置は自動的に切られる。電荷の総転送量は900クーロンである。このあと、患者は胸が下を向くように向きを変え、そして処理が繰り返される。
【0040】
あるいは、電流出力は、0〜50μAであってもよく、例えば0〜25μA、例えば0〜10μA、例えば0〜5μA、例えば0〜1μA、例えば0.05〜3μA、例えば1〜3μAであってもよい。
【0041】
次の2つの実施例は、2つの異なる生体に対して治療を行ったときに観察された効果を示すだろう。
【0042】
患者を制御するために、既知の方法(ドイツの会社であるMedPrewent社のPrognos)は、身体の経絡(meridians)での電気抵抗を測定するために用いられている。
【0043】
正常な経絡の抵抗は約800〜1200オームでなければならず、抵抗が高くなるのは、痛みが強くなる兆候である。
【実施例1】
【0044】
<患者A>
図6は、53才の女性の測定結果を示しており、彼女の肩及び彼女の脊椎のラバー部分(lover part)の痛みに苦しんでいる。患者によれば、大体の場合、痛みは彼女の右側に集中している。
【0045】
測定結果によれば、最も高い抵抗は、大腸の経絡の右側(符号150参照)、胃の経絡の右側(符号151参照)、及び尿膀胱(the urine bladder)の経絡の右側(符号152参照)にあることがわかる。これは、彼女が緩和して欲しいと頼んでいた痛みを、患者が実際に持っている、という非常に分かりやすい兆候である。
【0046】
図7は、本発明の装置で3回の治療を行った後の測定結果を示している。患者は、痛みが大幅に軽減されたと述べている。
【0047】
測定値は、経絡の抵抗がよい方向に変わったことを示している。最初の制御(the first control)の後、焦点となっている3つの経絡の抵抗は治療によって減少し、そして患者は、痛みが軽減されたことを認めている。また、循環器の経絡(図7の符号153参照)からも、非常に良好な結果が見られる。
【実施例2】
【0048】
<患者B>
22才の若いプロのスポーツマンで、彼の膝にいくらかの痛みがあり、彼の一般的な状態は彼を一軍に維持するには十分ではない。彼は、両方の問題に救いを求めている。
【0049】
図8に示された制御測定(the control measuring)は、あまりにも大きなアンバランスを示している。また、前述の問題の両方とも、このアンバランスに関すると考えられる。
【0050】
5回目の治療の後の制御測定(図9参照)は、経絡の間でのとても高いバランスを示しており、そして彼の状態に関する患者自身の説明と合わせて考えて、治療が完了した。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明にかかる空気イオン伝達装置を含んだ配置を示している。
【図2】図2は、空気イオン伝達構造体及び放射線発生素子を含むユニットを示している。
【図3】図3は、ある実施形態にかかる装置の断面図を示している。
【図4】図4は、図3に示された装置の平面図を示している。
【図5】図5は、装置の側面図を示している。
【図6】図6は、治療された生体に行なわれた様々な測定結果を示している。
【図7】図7は、治療された生体に行なわれた様々な測定結果を示している。
【図8】図8は、治療された生体に行なわれた様々な測定結果を示している。
【図9】図9は、治療された生体に行なわれた様々な測定結果を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体を治療するための空気イオン治療装置であって、
前記装置が、
空気イオンの線量を発生するためのイオン発生器と、
電磁放射の線量を発生するための少なくとも1つの放射線発生素子と、
前記生体の一部を通して電流を決定するフィードバック構造と、を含むことを特徴とする空気イオン治療装置。
【請求項2】
前記空気イオンの一部を空気を通して前記生体に伝達するための伝達構造体をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の空気イオン治療装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの放射線発生素子は、前記電磁放射の線量を所定の方向に方向付けることを特徴とする請求項2に記載の空気イオン治療装置。
【請求項4】
前記伝達構造体は、空気イオンを伝達するための少なくとも1つのイオントランスミッタを備えた空気イオン伝達面を含んでおり、
前記電磁放射は、前記空気イオントランスミッタの周囲に位置する領域から伝達されることを特徴とする請求項2又は3に記載の空気イオン治療装置。
【請求項5】
前記伝達面に隣接して位置し、前記生体の方向を向いた前記装置の前面を形成する鏡をさらに含んでおり、
前記鏡は、装置から離れる方向よりも装置の方向に、可視光をより多く反射することを特徴とする請求項4に記載の空気イオン治療装置。
【請求項6】
熱シールドをさらに含んでおり、
前記熱シールドは可視光を透過し、及び
前記熱シールドは光によって影響を受けたときの前記生体の加熱を減少することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項7】
前記熱シールドはガラス板を含み、
前記ガラスが、前記装置の前面と前記放射線発生素子との間に位置しているか、又は前記生体の方向を向いた前記装置の前面を形成していることを特徴とする請求項6に記載の空気イオン治療装置。
【請求項8】
前記放射線発生素子は、紫外線放射、可視光放射及び赤外線放射の波長範囲内の電磁放射を放射することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項9】
可視光は、100,000ルーメン未満の強度で放射されることを特徴とする請求項8に記載の空気イオン治療装置。
【請求項10】
前記電磁放射は、1nm〜1mmの範囲内にある波長を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項11】
前記伝達構造体は、空気イオンの一部を前記生体に向かう所定の方向に方向付けることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項12】
前記フィードバック構造は、前記生体が受け取った少なくとも1つの前記電気的空気イオン及び/又は前記電磁放射の線量を測定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項13】
前記生体と前記フィードバック構造の間の電気的な接続を確立するための第1の導電性接続構造をさらに含む請求項1乃至12のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項14】
前記フィードバック構造と、前記イオン発生器又は前記伝達構造体のいずれか一方との間の電気的な接続を確立するための第2の接続構造をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項15】
前記生体を支持するための支持構造体をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項16】
前記生体を周囲の空間から電気的に絶縁するために、前記支持構造体が絶縁構造体を含むことを特徴とする請求項15に記載の空気イオン治療装置。
【請求項17】
少なくとも1つの前記空気イオンの前記線量及び/又は前記電磁放射の前記線量を調節するコントロール手段をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項18】
前記コントロール手段は、前記フィードバック構造の測定に基づいて線量を調節することを特徴とする請求項17に記載の空気イオン治療装置。
【請求項19】
前記空気イオン及び前記電磁放射は複数の強度で伝達され、前記複数の強度の少なくとも1つは可変であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項20】
前記コントロール手段は、前記装置のデータストレージに格納された所定の仕様に従って各強度を変更することを特徴とする請求項19に記載の空気イオン治療装置。
【請求項21】
治療を制御するために前もって指定された制御信号のシーケンスを格納するために、前記コントロール手段がデータストレージ手段を含むことを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項22】
前記コントロール手段は、前記電磁放射の前記強度を変更すること、及び前記フィードバック構造が生体の一部を通して特定の電流を決定する強度を選択することを特徴とする請求項17乃至21のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項23】
前記装置を、前記支持構造体に対して様々な相対的位置に位置決めするためのサスペンション構造体をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項24】
前記サスペンション構造体は、前記生体の治療の間に、前記装置を前記支持構造体に対して相対的に移動させることを特徴とする請求項23に記載の空気イオン治療装置。
【請求項25】
前記サスペンション構造体は、前記装置を、所定のパターンに従って、前記支持構造体に対して相対的に移動させることを特徴とする請求項23又は24に記載の空気イオン治療装置。
【請求項26】
前記サスペンション構造体は前記コントロール手段と連絡しており、
前記コントロール手段は前記フィードバック構造から受け取った測定に基づいてパターンを指定することを特徴とする請求項23乃至25のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項27】
前記放射線発生素子は少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含むことを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項28】
前記放射線発生素子は、異なる色の光を発する少なくとも2つの発光ダイオード(LED)を含むことを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項29】
前記イオン発生器又は前記伝達構造体は前記放射線発生素子の少なくとも1つに対して相対的に動作可能であることを特徴とする請求項1乃至28のいずれか1項に記載の空気イオン治療装置。
【請求項30】
空気イオンで生体を治療する方法であって、
周囲の空間から電気的に分離された支持構造体に生体を配置する工程と、
電磁放射の制御された線量に生体を露出する工程と、
空気イオンの制御された線量に生体を露出する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
空気イオンへの前記生体の露出は、電磁放射への前記生体の露出と同時であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
電流は前記生体の一部によって伝導され、
前記電流は空気イオンによって確立されていることを特徴とする請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記線量は、前記電流の測定によって制御されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
生体を治療するための電気的なイオン伝達装置であって、
前記装置が、
空気イオンの線量を発生するためのイオン発生器と、
空気イオンの一部を所定の方向に方向付けるための伝達構造体と、を含み、
前記装置が、さらに、電磁放射の線量を所定の方向に方向付けるための少なくとも1つの放射線発生素子を含むことを特徴とするイオン伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−509698(P2009−509698A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533867(P2008−533867)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000553
【国際公開番号】WO2007/042029
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(508105935)アイオライフ・インターナショナル・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】IOLIFE INTERNATIONAL LIMITED
【Fターム(参考)】