説明

イオン供給ユニット

【課題】被乾燥物をドラム内から取り出す際の静電気による使用者への不快な痛感を確実に防止すること。
【解決手段】衣類乾燥機1内に組み込まれるイオン供給ユニットであって、一端の開口192が乾燥機本体10内に配設され且つ他端の吹出口191が衣類取出口101の周縁に配設された吹出通路19と、乾燥機本体10内の空気を前記開口192から吹出通路19内へ送り込む送風ファン20と、吹出通路19内へイオンを放出するイオン発生器21とを備え、前記開口192は、送風ファン20の送風口201に接続される主開口部192Aと、乾燥機本体10の内部空間へ開放される副開口部192Bとを有し、吹出口191は、衣類取出口101の扉11が閉じられた際に閉塞部材113によって閉塞される構成としたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類乾燥機に用いるイオン供給ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のイオン発生装置において、ダクトの内部空間に複数のピンが一定間隔で配列されており、送風機構からその前方へ空気と共にイオンを送出させた際、この複数のピンによってイオンがファンの下流側へ拡散されるように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、別のイオン発生装置(除電器)において、送風路が一端縮径して拡径されており、この送風路によってイオンがファンの下流側へ拡散されるように構成されたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−8983号公報
【特許文献2】特開2011−3283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のイオン発生装置では、イオンをファンの下流側へ広範囲に送出させることはできるが、ファンの上流側にイオンを送出させることはできなかった。そのため、このようなイオン発生装置を衣類乾燥機に組み込んでも、被乾燥物をドラムから取り出す際にファンの下流側となる衣類取出口へイオンを大量に吹き付けて除電し、また、乾燥運転時にファンの上流側となるドラムの内部へイオンを大量に送り込み、被乾燥物の殺菌消臭を図ることが困難であった。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、衣類乾燥機における衣類取出口の周辺および乾燥機本体の内部空間へイオンを行き渡らせることの可能なイオン供給ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、衣類乾燥機内に組み込まれるイオン供給ユニットであって、
一端の開口が乾燥機本体内に配設され且つ他端の吹出口が衣類取出口の周縁に配設された吹出通路と、乾燥機本体内の空気を前記開口から吹出通路内へ送り込む送風ファンと、吹出通路内へイオンを放出するイオン発生器とを備え、
前記開口は、送風ファンの送風口に接続される主開口部と、乾燥機本体の内部空間へ開放される副開口部とを有し、
前記吹出口は、衣類取出口の扉が閉じられた際に閉塞部材によって閉塞される構成としたものである。
【0008】
上記構成によれば、衣類取出口の扉が開かれた状態で送風ファンおよびイオン発生器が作動されると、乾燥機本体内の空気が主開口部から吹出通路へ強制的に送り込まれ、この空気の流れに乗ってイオンが吹出口から衣類取出口の周辺へ積極的に放出される。従って、ドラム内から被乾燥物を取り出す際には、イオンを含んだ空気が使用者の手元へ噴きつけられ、使用者の身体や被乾燥物に帯電した静電気が速やかに除電される。
【0009】
一方、衣類取出口の扉が閉じられた状態で送風ファンおよびイオン発生器が作動されると、乾燥機本体内の空気が主開口部から吹出通路へ送り込まれるが、このとき、吹出口は閉塞部材によって閉塞されているため、上記空気は副開口部へ向かって吹出通路内を逆流する。そして、この逆流する空気の流れに乗ってイオンが副開口部から乾燥機本体の内部空間へ積極的に放出される。従って、乾燥機本体内の空気を給排気ファンによってドラム内へ循環させる際には、イオンを含んだ空気がドラム内へ送り込まれ、被乾燥物の殺菌消臭が行われるとともに、被乾燥物に帯電した静電気が速やかに除電される。
【0010】
即ち、扉が開かれた状態では、吹出通路へ放出されたイオンが気流に乗せて積極的に使用者の手元へ供給される一方、扉が閉じられた状態では、吹出通路へ放出されたイオンが気流に乗せて積極的に乾燥機本体内へ供給されるから、被乾燥物の殺菌消臭、および、身体や被乾燥物に帯電した静電気の除電を速やかに行うことが可能である。
【0011】
上記イオン供給ユニットにおいて、
前記吹出口は、衣類取出口の周縁に沿って長孔状に形成され、送風ファンから吹出通路内へ送り込まれた空気を衣類取出口の開口面に沿って放射させる方向へ開放されたものであるのが望ましい。
【0012】
このものでは、イオンを含んだ空気が吹出口から衣類取出口の開口面に沿って放射されるから、ドラム内から被乾燥物を取り出す際に、イオンが使用者の手元へ的確に噴きつけられる。これにより、使用者の身体や被乾燥物に帯電した静電気を一層効果的に除電することが可能である。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、イオンが気流に乗って衣類取出口の周辺或いは乾燥機本体の内部空間へ積極的に放出され、使用者の手元やドラム内全体へ十分に行き渡るから、高い殺菌消臭効果を発揮できるし、被乾燥物をドラム内から取り出す際の静電気による使用者への不快な痛感を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係るイオン供給ユニットを備えた衣類乾燥機の側面視概略縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るイオン供給ユニットを備えた衣類乾燥機の平面視概略横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るイオン供給ユニット周辺の概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るイオン供給ユニットを備えた衣類乾燥機の概略斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るイオン供給ユニット周辺の平面視概略横断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るイオン供給ユニットにおいて吹出口が開かれた状態(a)と閉じられた状態(b)を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、上記した本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
【0016】
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態に係るイオン供給ユニット2を備えた衣類乾燥機1は、略矩形箱状の本体ケース10と、本体ケース10の正面に開設された衣類取出口101を被蓋する扉11とでその外郭が構成されている。また、本体ケース10内には、衣類やタオル等の被乾燥物Mを収容する一端開放円筒状のドラム12が組み込まれている。
【0017】
ドラム12は、その開放端が本体ケース10の正面側に面するように略90度傾倒した横向き姿勢で配設されており、その開放端の内周面が衣類取出口101の内側外周に固設されたリング板13の外周に遊接支持され、奥壁121の中心部が本体ケース10内奥側の固定壁102に設けられた支軸14に支持されている。
【0018】
ドラム12の奥壁121には、複数の温風吹出口122が形成されている。また、これら温風吹出口122を覆うように配設される奥壁121裏側の固定壁102には、本体ケース10内の空気や後述するバーナから放出された燃焼ガスを温風吹出口122へ導くための温風ダクト15が配設されている。
【0019】
温風ダクト15は、固定壁102の裏面に沿って延設されており、その一端の正面開放部151が固定壁102に開設された連通孔103へ繋がっている。また、他端の下端開放部152は、本体ケース10内の下方へ向けて開放しており、この下端開放部152の下方には、ドラム12内へ送り込む空気を加熱するバーナユニット16が配設されている。さらに、温風ダクト15の中間部には、本体ケース10内の空気をドラム12内へ取り込むための空気取込口153が開設されている。
【0020】
バーナユニット16は、図示しないバーナや弁装置等で構成されており、その弁装置に組み込まれた図示しない比例弁を開放すると、バーナユニット16周辺の空気と共にバーナ内へ所定量のガスが送り込まれ、そのバーナの炎孔上方で着火する。そして、送り込まれたガスは燃焼ガスとして温風ダクト15内へ放出され、ドラフト効果によってその温風ダクト15の下端開放部152へ導かれた本体ケース10内の空気を加熱しつつ、その加熱された空気と共に温風ダクト15の正面開放部151から温風吹出口122を通じてドラム12内へ供給される。
【0021】
本体ケース10内の上部の空間には、後述する連絡通路110から導かれたドラム12内の空気を本体ケース10外へ導くための排気ダクト17が配設されている。
【0022】
排気ダクト17の一端の排気入口171は、本体ケース10の正面で且つ衣類取出口101の上側に開設されており、他端の排気出口172は、本体ケース10上面に開設されている。また、排気ダクト17の中間部には、本体ケース10外の空気やバーナから放出された燃焼ガスをドラム12内へ送り込むための給排気ファン18が組み込まれている。
【0023】
一方、扉11の裏面には、扉11が閉じられた状態において衣類取出口101へ繋がる温風排出口111と、上記排気ダクト17の排気入口171へ繋がる連結口112とが設けられており、扉11の内部には、これら温風排出口111および連結口112相互を繋ぐ連絡通路110が形成されている。
【0024】
従って、扉11が閉じられた状態で給排気ファン18を回転させると、ドラム12内の空気が温風排出口111から扉11内部の連絡通路110を通って排気ダクト17内へ導かれ、さらに排気出口172から本体ケース10の外部へ排出される。また、これに伴って、本体ケース10内の空気が温風ダクト15の下端開放部152や空気取込口153から温風吹出口122を通ってドラム12内へ取り込まれる。
【0025】
本体ケース10の右側面下部には、本体ケース10の内外を繋ぐ給気口104が設けられており、本体ケース10内の空気がドラム12内へ取り込まれるのに伴って、その給気口104から本体ケース10内へ外気が取り込まれる。
【0026】
また、本体ケース10内の上部の空間には、図2および図3に示すように、本体ケース10内の空気を衣類取出口101の開口面に沿って送り出すための吹出通路19が形成されている。
【0027】
吹出通路19は、本体ケース10の前壁105の裏面に沿って延設されており、その一端のイオン吹出口191が衣類取出口101の周縁部に開設され、衣類取出口101の中心へ向けて開放している。また、他端の開口192は、本体ケース10の奥側へ向けて開放しており、さらにこの開口192には、本体ケース10内の空気を吹出通路19内へ送り込むための送風ファン20が接続されている。
【0028】
送風ファン20は、平型矩形筒状のファンケーシング200でその外郭が構成されたプロペラファンであり、このファンケーシング200の正面側の送風口201が上記開口192の一部の領域(以下、「主開口部」という)192Aに連結されている。尚、上記開口192の主開口部192A以外の領域(以下、「副開口部」という)192Bは、本体ケース10の内部空間へ開放している。
【0029】
送風ファン20は、その正面側の送風口201へ向けて送風するように構成されている。即ち、本体ケース10の内部空間側が上流(吸込)側となり、送風口201側が下流(吹出)側となるよう構成されている。
【0030】
本体ケース10の前壁105の表面には、衣類取出口101および排気ダクト17の排気入口171を覆う範囲で一段奥側へ凹んだ態様の段差部106が形成されており、扉11の裏面には、扉11を閉じた状態においてこの段差部106の周壁107へ密接し、イオン吹出口191を閉塞する閉塞部材としてのパッキン113が設けられている。
【0031】
図4に示すように、イオン吹出口191は、上記周壁107に沿って長孔状に形成されており、送風ファン20から吹出通路19内へ送り込まれた空気を衣類取出口101の開口面に沿って放射させるべく、衣類取出口101の中心部へ向かって開放している。
【0032】
吹出通路19の開口192は、略直角二等辺三角形状に形成されており、その開口192に内接する円形状の領域が主開口部192Aとして送風ファン20の送風口201に連結され、上記円形状領域の外側に形成される二つの略三角形状の領域が副開口部192Bとして本体ケース10の内部空間へ開放している。
【0033】
吹出通路19の上部には、放電によってプラスやマイナスのイオンを吹出通路19内の空気中へ放出するイオン発生器21が配設されている。このイオン発生器21の図示しないイオン発生電極は、吹出通路19の内側に配設されており、所定電圧を印加することによって、そのイオン発生電極からプラスイオンおよびマイナスイオン(例えば、プラスイオンとしてH(HO)m(mは任意の自然数)、マイナスイオンとしてO2−(HO)n(nは任意の自然数))を同時に発生させ、吹出通路19内の空気中に放出する。
【0034】
従って、扉11が開かれた状態で送風ファン20およびイオン発生器21を作動させると、図2および図6(a)に矢視したように、本体ケース10内の空気がファンケース200内を通って主開口部192Aから吹出通路19へ導かれる。また、その主開口部192Aから吹出通路19へ空気が流れ込む際のベンチュリ効果によって、本体ケース10内の空気が直接的に副開口部192Bから吹出通路19へ引き込まれる。そして、イオン発生器21から放出されたイオンと共にイオン吹出口191を介して衣類取出口101へ向け、その開口面を覆うよう面状に放射される。
【0035】
一方、扉11が閉じられた状態で送風ファン20およびイオン発生器21を作動させると、図5および図6(b)に矢視したように、本体ケース10内の空気が吹出通路19内へ導かれるが、このとき、イオン吹出口191は扉11に設けられたパッキン113によって閉塞されるため、吹出通路19内へ導かれた空気は、その吹出通路19内で副開口部192Bへ向かって逆流し、イオン発生器21から放出されたイオンと共に副開口部192Bを介して本体ケース10の内部空間へ放出される。
【0036】
尚、本発明の実施の形態に係るイオン供給ユニット2は、上記吹出通路19と、送風ファン20と、イオン発生器21と、パッキン113とで構成されている。
【0037】
次に、上述した衣類乾燥機1による運転動作を詳述する。
【0038】
まず、図示しない操作部にて乾燥運転の開始操作がなされると、給排気ファン18を回転させるとともにドラム12を回転させ、さらにバーナユニット16によってバーナを点火させる。すると、図1に矢視したように、本体ケース10内の空気がバーナから放出された燃焼ガスによって加熱されつつ、その燃焼ガスと共に温風ダクト15内へ導かれ、温風吹出口122から温風としてドラム12内へ供給される。そして、ドラム12内へ供給された燃焼ガスや高温の空気は、被乾燥物Mの水分を蒸発させつつ扉11の内側の温風排出口111を介して連絡通路110に排出され、さらに連絡通路110を通じて排気ダクト17へ導かれ、排気出口172から本体ケース10の外部へ排出される。その結果、被乾燥物Mは、回転するドラム12内で攪拌されながら、次第に乾燥していく。
【0039】
そして、被乾燥物Mが所定の乾燥状態になれば、バーナを消火させる一方、給排気ファン18およびドラム12の回転を維持した状態で送風ファン20およびイオン発生器21を作動させる。すると、図5および図6(b)に矢視したように、本体ケース10内の空気が主開口部192Aを通って吹出通路19内へ強制的に送り込まれ、さらにこの吹出通路19内を副開口部192Bへ向かって逆流する。そして、この吹出通路19内を逆流する空気の流れに乗って、イオン発生器21から放出されたイオンが副開口部192Bから本体ケース10の内部空間へ放出される。さらに、本体ケース10外の低温の空気が副開口部192Bからから放出されたイオンと共に温風ダクト15内へ導かれ、温風吹出口122から冷風としてドラム12内へ供給される。その結果、被乾燥物Mは、回転するドラム12内で攪拌されながら、次第に除熱されていく。また、それと同時に、ドラム12内へ拡散されたプラスおよびマイナスのイオンによって、被乾燥物Mの殺菌消臭が行われるとともに、被乾燥物Mに帯電した静電気が速やかに除電される。
【0040】
そして、この除熱動作を開始した時点から所定時間が経過すれば、被乾燥物Mが適度に冷却され且つ殺菌消臭も十分になされたものとして、ドラム12の回転を停止させ、さらに一定時間経過後に給排気ファン18、送風ファン20およびイオン発生器21を停止し、運転を終了する。
【0041】
一方、上記除熱動作の実行中に扉11が開かれた場合は、送風ファン20およびイオン発生器21の作動を維持した状態で給排気ファン18およびドラム12を停止させる。すると、図2および図6(a)に矢視したように、本体ケース10内の空気が主開口部192Aを通って吹出通路19内へ強制的に送り込まれ、この空気の流れに乗って、イオン発生器21から放出されたイオンがイオン吹出口191から衣類取出口101の開口面に沿って面状に放射される。その結果、衣類取出口101の開口面には、プラスイオンおよびマイナスイオンのイオンカーテンが形成される。従って、ドラム12内から被乾燥物Mを取り出す際には、プラスイオンおよびマイナスイオンが使用者の手や被乾燥物Mへ直接的に噴きつけられ、身体や被乾燥物Mに帯電した静電気が速やかに除電される。
【0042】
また、除熱動作の終了後に扉11が開かれた場合は、給排気ファン18およびドラム12の停止を維持した状態で、送風ファン20およびイオン発生器21を作動させる。すると、除熱動作中に扉11が開かれた場合と同様、吹出通路19内へ強制的に送り込まれた空気の流れに乗って、イオンがイオン吹出口191から衣類取出口101の開口面に沿って面状に放射される。従って、ドラム12内から被乾燥物Mを取り出す際には、プラスイオンおよびマイナスイオンが使用者の手や被乾燥物Mへ直接的に噴きつけられ、身体や被乾燥物Mに帯電した静電気が速やかに除電される。
【0043】
そして、扉11が閉じられると、送風ファン20およびイオン発生器21の作動を停止させ、運転を終了する。
【0044】
このように、上記実施の形態に係るイオン供給ユニット2によれば、イオンが気流に乗って衣類取出口101の周辺或いは本体ケース10の内部空間へ積極的に放出され、使用者の手元やドラム12内全体へ十分に行き渡るから、身体や被乾燥物Mに帯電した静電気を速やかに除電することが可能である。これにより、被乾燥物Mをドラム12内から取り出す際の静電気による使用者への不快な痛感を確実に防止できる。
【0045】
尚、扉11が開かれた状態のとき、使用者の手元には、プラスイオンおよびマイナスイオンが共に噴き付けられるため、使用者や被乾燥物Mに正または負のいずれの静電気が帯電していても、これらプラスやマイナスのイオンによって適切に除電され、使用者の手元での放電を防止することが可能である。これにより、静電気による使用者への不快な痛感をより確実に防止できる。また、扉11が閉じられた状態のときには、ドラム12内全体にプラスイオンおよびマイナスイオンが共に供給されるため、これらプラスイオンおよびマイナスイオンによるドラム12内や被乾燥物Mの殺菌消臭効果も発揮される。
【0046】
さらに、このものでは、イオン吹出口191を段差部106の周壁107に沿って長孔状に形成し、送風ファン20から吹出通路19内へ送り込まれた空気を衣類取出口101の開口面に沿って放射させる方向へ開放させたことにより、イオンを含んだ空気がイオン吹出口191から衣類取出口101の開口面に沿って放射され、ドラム12内から被乾燥物Mを取り出す際に、イオンが使用者の手元へ的確に噴きつけられるから、使用者の身体や被乾燥物Mに帯電した静電気をより効果的に除電することが可能である。これにより、被乾燥物Mをドラム12内から取り出す際の静電気による使用者への不快な痛感を一層確実に防止できる。
【0047】
また、ドラム12内から被乾燥物Mを取り出す際に比較的放電の発生し易い衣類取出口101の開口面付近へ重点的にイオンが噴き付けられるから、その被乾燥物M相互の重なり合った部分に残留した静電気を効果的に除電することが可能である。これにより、被乾燥物Mをドラム12内から取り出す際の静電気による使用者への不快な痛感を一層確実に防止できる。
【0048】
また、上記構成を採用することで、衣類取出口101へのイオンの供給とドラム12内へのイオンの供給とを一つの送風ファン20およびイオン発生器21で実現することが可能であるから、衣類乾燥機1の全体の構成を簡素化できる。
【0049】
尚、上記実施の形態では、扉11に設けられたパッキン113によってイオン吹出口191が閉塞される構成としたが、イオン吹出口191に閉塞部材としてダンパ機構を設け、扉11が閉じられたのに連動してこのダンパ機構を閉じ、イオン吹出口191を閉塞させる構成としても良い。
【0050】
また、上記実施の形態では、イオン発生器21のイオン発生電極を吹出通路19の内側に設けたものを説明したが、イオンを吹出通路19内へ放出可能であれば、上記イオン発生電極を副開口部192Bの周縁に設けても良いし、本体ケース10の前壁105に設けても良い。
【0051】
上記実施の形態では、イオン発生器21からプラスイオンとマイナスイオンとを同時に発生させ、これら両イオンによって身体や被乾燥物Mに帯電した静電気を除電するものを説明したが、イオン発生器21からプラスイオンまたはマイナスイオンのいずれか一方のみを発生させ、この一方のイオンによって身体や被乾燥物Mに帯電した静電気を除電するものであっても良い。
【符号の説明】
【0052】
1・・・衣類乾燥機
10・・・本体ケース(乾燥機本体)
101・・・衣類取出口
11・・・扉
111・・・温風排出口
113・・・パッキン(閉塞部材)
12・・・ドラム
17・・・排気ダクト
18・・・給排気ファン
19・・・吹出通路
191・・・イオン吹出口(吹出口)
192・・・開口
192A・・・主開口部
192B・・・副開口部
2・・・イオン供給ユニット
20・・・送風ファン
21・・・イオン発生器
M・・・被乾燥物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類乾燥機内に組み込まれるイオン供給ユニットであって、
一端の開口が乾燥機本体内に配設され且つ他端の吹出口が衣類取出口の周縁に配設された吹出通路と、乾燥機本体内の空気を前記開口から吹出通路内へ送り込む送風ファンと、吹出通路内へイオンを放出するイオン発生器とを備え、
前記開口は、送風ファンの送風口に接続される主開口部と、乾燥機本体の内部空間へ開放される副開口部とを有し、
前記吹出口は、衣類取出口の扉が閉じられた際に閉塞部材によって閉塞される構成とした、イオン供給ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のイオン供給ユニットにおいて、
前記吹出口は、衣類取出口の周縁に沿って長孔状に形成され、送風ファンから吹出通路内へ送り込まれた空気を衣類取出口の開口面に沿って放射させる方向へ開放された、イオン供給ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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